JP4765595B2 - 試薬用容器 - Google Patents

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この発明は、試薬用容器に関するものである。
従来から、生物工学や化学等の分野においては様々な試薬を収容・保存するための試薬用容器が用いられている。このような試薬用容器の中には、試験管状のものや、いわゆるチップに形成されたウェル(凹部)を利用したもの等があり、一般に、これらに収容された試薬は、ピペットチップや注射針等を用いて分取され、この分取された試薬が別の場所や同一チップ上等に配置された反応部に分注されて、その後の反応過程を行うようになっている。
上記試薬用容器では、容器内部と外部とが常に連通状態となっており、長時間放置したり加熱すると試薬が蒸発してしまう。そのため、近年、このような試薬用容器の開口部を被覆フィルムで閉塞することで試薬の蒸発を防止するとともに、被覆フィルムにピペットチップや注射針の先端を突き刺して貫通させるだけで容易に試薬の分取が可能なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平09−099932号公報
ところで、上述したチップ上に設けられた試薬用容器の中には、同一チップ上で光学的な検査を行うものがあり、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、塩ビ、ポリカーボネート、アクリル、ABSなどの透明な汎用樹脂が用いられている場合がある。しかし、試薬用容器に透明な汎用樹脂を用いた場合、とりわけ透明度の高いポリカーボネートを用いた場合には、ガラス転移点が低いシール剤を用いないと十分なシール強度を得ることができない。そこで、例えば、前述した被覆フィルムにガラス転移点の低いシール剤を厚さ2〜4μm程度コーティングして試薬用容器を密封することとなるが、ガラス転移点が低いシール剤は、ガラス転移点の高いシール剤と比較して常温でくっつき易いいわゆるタックがある状態となるため、例えば、製造工程でロール状に巻回した被覆フィルムを必要に応じて切り出して利用するような場合、上記タックによってシール層とこのシール層に接する被覆フィルムの上面がくっついて被覆フィルムを円滑に引出せなくなるいわゆるブロッキングが生じてしまうという課題がある。
一方、シール剤のガラス転移点が低いと、一般に金属に対しては十分なシール強度を確保することができない。そのため、試薬分取時にピペットチップや注射針の周縁に被覆フィルムが密着しないようにしたり、遮光性を得るために、例えば被覆フィルムにアルミニウムなどの金属層を設けると、金属層に対するシール強度が確保できなくなってしまうという課題がある。
また、従来から共押出しで成形したフィルムタイプのシール剤の中には、金属層と汎用樹脂との間を十分な強度でシール可能なものもあるが、シール層の厚さが50μm程度と厚くなるため、上述した試薬用容器のシール剤として利用した場合には、被覆フィルムにピペットチップや注射針の先端を貫通させることができないという課題がある。
そこで、この発明は、被覆フィルムによって汎用樹脂製の容器に試薬を密封する際のシール強度を十分に確保するとともに、被覆フィルムにピペットチップや注射針の先端を貫通させて容易に試薬を分取することができる試薬用容器を提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、試薬(例えば、実施の形態における液体12)が保存可能な試薬収容部(例えば、実施の形態における試薬収容部5)を有する樹脂成形体を有し、前記試薬収容部の開口部(例えば、実施の形態における開口部3)を、少なくともアルミニウム層(例えば、実施の形態における基材9)及びシール層(例えば、実施の形態におけるシール層10)を含む被覆フィルム(例えば、実施の形態における密封フィルム8)で閉塞し、ピペットチップ又は注射針の先端を前記被覆フィルムに貫通させて前記試薬を分取可能な試薬用容器であって、前記アルミニウム層は、厚さが10μm以下、伸びが1%/cm 以下、破裂度が0.5kg/cm 以下の硬質アルミニウムで構成され、前記シール層は、熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とし、且つ、ガラス転移点10℃以下の熱可塑性ポリエステル樹脂がブレンド比10%〜50%、ガラス転移点60℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂がブレンド比50%〜90%でブレンドされ厚さ2〜4μmで構成されていることを特徴とする。
このように構成することで、被覆フィルムのブロッキングを防止することができるとともに、薄いシール層でアルミニウム層と樹脂成形体との両方のシール強度を確保することができる。
請求項に記載した発明は、前記被覆フィルムは、前記アルミニウム層の下面にフィルム層およびシール層、上面に保護層(例えば、実施の形態における保護層11)を有することを特徴とする。
このように構成することで、ハンドリングが良好となり、強度を向上させることができる。
請求項に記載した発明は、前記保護層が、脆性樹脂であることを特徴とする。
このように構成することで、保護層に脆性樹脂を用いない場合と比較して、例えばピペットチップや注射針等を被覆フィルムに突き刺した時に、容易に貫通させることができる。
請求項1に記載した発明によれば、被覆フィルムのブロッキングを防止することができるとともに、薄いシール層でアルミニウム層と樹脂成形体との両方のシール強度を確保することができるため、信頼性を向上しつつ試薬を容易に分取することができる効果がある。
請求項2に記載した発明によれば、開口部を閉塞する被覆フィルムのシール強度を向上することができるとともに、被覆フィルムに、例えば、ピペットチップや注射針等を突き刺して貫通させる際には被覆フィルムがピペットチップや注射針等の外周面に密着するのを防止することができるため、試薬を安定的に分取することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、アルミニウム層の上面に保護層を設け、下面にフィルム層を設けることでハンドリングが良好となるとともに、強度を向上させることができ、したがって、商品性を向上することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、保護層に脆性樹脂を用いない場合と比較して、例えばピペットチップや注射針等を被覆フィルムに突き刺した時に、容易に貫通させることができる効果がある。
次に、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施の形態では、試薬収容部である複数のウェル(凹部)を備えた試薬容器の一例を説明する。
図1において、1は試薬容器を示している。この試薬容器1は、縦横寸法が数センチメートル角以下に設定された板状の基板2を備えており、この基板2には、この基板2の上面に開口部3を有し断面略半円状に形成された4つの試薬収容部5が2行2列に配列されている。なお、試薬収容部5の個数、配列は適宜設定しても良い。
基板2は、その材質として透明なプラスチックを用いることが可能であり、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、塩化ビニル、PC(ポリカーボネート)、アクリル、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)等の汎用樹脂を用いることができ、その厚さ寸法は、使用時に十分な強度を確保できる厚さ寸法に設定することが好ましい。このような合成樹脂を用いて基板2を作成すれば、耐熱性、耐薬品性、成形加工性などに優れており好ましい。ここで、ポリカーボネートを用いた場合、透明度が高く光学的な検査を行う場合に有利となる。
さらに、試薬収容部5は断面略半円状に限られるものではなく、例えば、円錐台形、角錐台形、円錐、角錐、線端部が半球状のもの等、加工性形成、溶液の注入性などにより様々な形状を採用することができる。また、基板2に試薬収容部5を形成する際、基板2がPC(ポリカーボネート)等のような硬質の樹脂で形成されている場合には、樹脂切削法を用いることが好ましく、さらに、基板2がPP(ポリプロピレン)などの軟質な材料で構成されている場合には、樹脂成型法を用いることが好ましい。
試薬収容部5は、検体試薬やその他の試薬、検出反応に用いる試薬、バッファー、希釈液などの液体(試薬)12を注入しておく収容部となるものであり、この試薬収容部5の大きさは、収容される液体12の量に応じて設定され、その開口部3の直径が5〜10mm、深さが5mm以下に設定することが好ましい。また、試薬収容部5に対しては、防湿性、ガスバリアー性、耐溶液性を付与するために試薬収容部5の内壁表面にシリコンコーティングや無機金属化合物の蒸着層を設けた構成としても良い。さらに、試薬収容部5内に収容した液体12の回収効率を向上すべく、試薬収容部5の内面にシリコン等のコーティング層を設けたりプラズマ処理・コロナ処理等の表面処理を施すようにしても良い。
ところで、試薬容器1の前述した試薬収容部5には、液体12を注入した後に複数の開口部3を閉塞する密封フィルム(被覆フィルム)8が張り付けられている。具体的には、図2に示すように、この密封フィルム8は、上層に基材(アルミニウム層)9、下層にシール層10を配置した2層構造となっており、下層に配置されたシール層10によって基板上面に固定され、試薬収容部5内に液体12が密封されるようになっている。そして、この液体12を分取する際には、注射器の針やピペットチップ等を密封フィルム8に突き刺して貫通させて、試薬収容部5内の試薬を吸い出すようになっている。
基材9は、いわゆる硬質アルミニウムで構成されており、その厚さが10μm以下、伸びが1%/cm以下、破裂度が0.5kg/cm以下が好ましい。ここで、破裂度はJIS−P−8112、伸びはJIS−C−2151(引張速度50mm/分)に従った測定値とする。
一方、シール層10は、熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分として構成されたものであり、基材9の下面へ塗布することで厚さを2〜4μm程度に設定するのが好ましい。ここで、熱可塑性ポリエステル樹脂は、ガラス転移点(以下、単にTgと呼ぶ)が10℃以下、より好ましくは−10℃以下の熱可塑性ポリエステル樹脂と、Tgが60℃以上、より好ましくは75℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂とのブレンドにより構成されている。より具体的には、シール層10における熱可塑性ポリエステル樹脂のブレンド比は、Tgが60℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂が50〜90%、Tgが10℃以下の熱可塑性ポリエステル樹脂が10〜50%とされている。なお、Tgが60℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂が50%未満である場合には、タックによるブロッキングが生じ、一方、Tgが60℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂が90%より多い場合には、試薬容器1へのシール強度が十分に得られない。
密封フィルム8の他の態様として、図3に示すように基材9の上面に保護層11を設けるようにしても良い。この保護層11は、厚さが15μm以下、伸びが30%/180mm以下、破裂度が2kg/cm以下のアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂フィルムを用いることができ、サンドブラスト等を用いて表面をマット状に加工した脆性樹脂であるいわゆるマットPETを用いれば注射器などの針による突き刺し性を向上できるため好ましい。なお、脆性樹脂とは衝撃に対して弱くいわゆる“脆い”性質を持った樹脂であり、表面がマット状のもの以外に、例えば、発泡状のものを用いても良い。
このように密封フィルム8を保護層11、基材9、シール層10の3層構造にする場合には、保護層11の分だけ密封フィルム8の厚さが増加してピペットチップや注射針の先端が貫通し難くなるため、基材の硬質アルミニウムの厚さを10μm以下、好ましくは8μm以下に設定する。このように構成することで、密封フィルム8を、ピペットチップや注射針が容易に貫通可能な3層構造にすることができる。
上述した試薬収容部5に収容されている液体12は、例えば、抗原抗体反応及びDNA反応の検出等で、別場所または同一チップ上にある反応部に分注して用いることができるようになっている。
抗原抗体反応の場合、例えば、抗体などの試薬である液体12を試薬収容部5に保存しておき、この別の場所または同一チップ上にあり、予め抗原を配置してある反応部に添加し反応の有無を検出する。この際、抗原または抗体のいずれかに標識物質を付けておくことで反応の有無を検出できる。また、反応部は複数設けておけば、複数の抗原抗体反応の有無を検出することができる。
一方、DNAの検出の場合、検体DNA試薬である液体12を試薬収容部5に保存しておき、この液体12を別の場所または同一チップ上にあり、予め核酸プローブを配置してある反応部に添加し反応の有無を検出する。この際、検体DNAに標識物質を付けておくことで反応の有無を検出できる。また、反応部は複数設けておき、それぞれ異なる配列を有する核酸プローブを配置しておけば、検体DNAの配列を効率的に検出することができる。また、DNA反応の中でも一塩基遺伝子多型(SNP)の解析に用いることができる。なお、この場合、核酸プローブやその他検出に用いる試薬は複数あっても良く、それらの試薬の一つが標識されていればよい。また、SNP解析には、サードウェイブテクノロジーズ,Inc(米国ウィスコンシン州マディソン市)が開発したインベーダー法を用いてもよい。
次に、上述した試薬容器1の試薬収容部5を実際に密封フィルム8によって密封する場合について説明する。なお、実施例1〜4はそれぞれTgの異なる熱可塑性ポリエステル樹脂をブレンドしたものであり、比較例1,2は従来のブレンドを行わない場合を示している。
試薬容器1は、特にシール強度を得難い汎用樹脂であるポリカーボネート成形体とし、図1に示すように、断面半円状に形成された試薬収容部5を備えた試薬容器1とした。この試薬収容部5の開口部3の直径を6mmとし、この試薬収容部5に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によってシール条件160℃,0.5MPa,1.0秒でシールして剥離強度を測定した。
密封フィルム8は、基材9として厚さ10μmの硬質アルミニウムを用いるとともに、シール層10として、東亞合成株式会社製 製品名PES−360S30(Tg:65℃)と東亞合成株式会社製 製品名PES310S30(Tg:8℃)とを固形分質量比7:3でブレンドしたものを基材9に乾燥厚4μmとなるように塗布したものを用いた。
上述した実施例1と同様に、試薬容器1は、特にシール強度を得難い汎用樹脂であるポリカーボネート成形体とし、図1に示すように、断面半円状に形成された試薬収容部5を備えた試薬容器1とした。この試薬収容部5の開口部3の直径を6mmとし、この試薬収容部5に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によってシール条件160℃,0.5MPa,1.0秒でシールして剥離強度を測定した。
密封フィルム8は、基材9として厚さ10μmの硬質アルミニウムを用いるとともに、シール層10として、東亞合成株式会社製 製品名PES−360S30(Tg:65℃)と東亞合成株式会社製 製品名PES355R3S30(Tg:−4℃)とを固形分質量比7:3でブレンドしたものを乾燥厚4μmとなるように塗布したものを用いた。
上述した実施例1,2と同様に、試薬容器1は、特にシール強度を得難い汎用樹脂であるポリカーボネート成形体とし、図1に示すように、断面半円状に形成された試薬収容部5を備えた試薬容器1とした。この試薬収容部5の開口部3の直径を6mmとし、この試薬収容部5に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によってシール条件160℃,0.5MPa,1.0秒でシールして剥離強度を測定した。
密封フィルム8は、基材9として厚さ10μmの硬質アルミニウムを用いるとともに、シール層10として、東亞合成株式会社製 製品名PES−360S30(Tg:65℃)と東洋紡績株式会社製 製品名バイロン550(Tg:−17℃)とを固形分質量比7:3でブレンドしたものを乾燥厚4μmとなるように塗布したものを用いた。
上述した実施例1〜3と同様に、試薬容器1は、特にシール強度を得難い汎用樹脂であるポリカーボネート成形体とし、図1に示すように、断面半円状に形成された試薬収容部5を備えた試薬容器1とした。この試薬収容部5の開口部3の直径を6mmとし、この試薬収容部5に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によってシール条件160℃,0.5MPa,1.0秒でシールして剥離強度を測定した。
密封フィルム8は、基材9として厚さ10μmの硬質アルミニウムを用いるとともに、シール層10として、東洋紡績株式会社製 製品名バイロン885(Tg:79℃)と東亞合成株式会社製 製品名PES355R3S30(Tg:−4℃)とを固形分質量比7:3でブレンドしたものを乾燥厚4μmとなるように塗布したものを用いた。
(比較例1)
試薬容器1は、特にシール強度を得難い汎用樹脂であるポリカーボネート成形体とし、図1に示すように、断面半円状に形成された試薬収容部5を備えた試薬容器1とした。この試薬収容部5の開口部3の直径を6mmとし、この試薬収容部5に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によってシール条件160℃,0.5MPa,1.0秒でシールして剥離強度を測定した。
密封フィルム8は、基材9として厚さ10μmの硬質アルミニウムを用いるとともに、シール層10として、東亞合成株式会社製 製品名PES−360S30(Tg:65℃)を乾燥厚4μmとなるように塗布したものを用いた。
(比較例2)
比較例1と同様に、試薬容器1は、特にシール強度を得難い汎用樹脂であるポリカーボネート成形体とし、図1に示すように、断面半円状に形成された試薬収容部5を備えた試薬容器1とした。この試薬収容部5の開口部3の直径を6mmとし、この試薬収容部5に液体12を充填して、開口部3を密封フィルム8によってシール条件160℃,0.5MPa,1.0秒でシールして剥離強度を測定した。
密封フィルム8は、基材9として厚さ10μmの硬質アルミニウムを用い、シール層10として、東亞合成株式会社製 製品名PES−310S30(Tg:8℃)を乾燥厚4μmとなるように塗布したものを用いた。これらの結果を下記表1に記載する。
Figure 0004765595
したがって、上述の実施の形態によれば、シール層10をガラス転移点10℃以下の熱可塑性ポリエステル樹脂とガラス転移点60℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂のブレンドにより構成することで、上記表1に示すように、薄いシール層10で基材9と試薬容器1との両方のシール強度(剥離のし難さである剥離強度)を比較例1,2の0.9N/15mm、0.5N/15mmよりも十分に高い、それぞれ7.7N/15mm(実施例1)、7.1N/15mm(実施例2)、5.2N/15mm(実施例3)、5.7N/15mm(実施例4)とすることができ、さらに、タックを抑制して密封フィルム8のブロッキングを防止することができるため、信頼性を向上しつつ試薬の分取を容易に行うことができる。
また、基材9を10μm以下の硬質アルミニウムで構成することで、開口部3をシールする密封フィルム8のシール強度を向上することができるとともに、密封フィルム8に、例えば、ピペットチップや注射針等を突き刺して貫通させる際にピペットチップや注射針等の外周面に密封フィルム8が密着するのを防止することができるため、液体12を安定的に分取することができる。
そして、密封フィルム8の基材9の上面に保護層11を設ける3層構造とした場合には、ハンドリングが良好となり、強度を向上させることができ、この結果、商品性を向上することができる。
尚、この発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、基板2に形成された試薬収容部5以外に、例えば、チューブ状、ボトル状等の様々な形状の容器に液体12を充填してこの開口部3を密封フィルム8で閉塞するようにしても良い。
さらに、上記実施の形態ではシール層10によってアルミニウムである基材9と汎用樹脂製の試薬容器1とをシールする場合について説明したが、さらに他の態様として、図4に示すように、基材9とシール層10との間に樹脂製のフィルム層9aを設けて、シール層10によって樹脂製のフィルム層9aと樹脂製の試薬容器1とをシールするようにしても良い。このようにフィルム層9aを設けることで、仮にシール層10の一部が、例えば酸性またはアルカリ性に偏った液体12で侵されたとしても、液体12と基材9とが直接的に接触して基材9が溶解又は酸化するのを防止することができるため、密封フィルム8の耐久性を向上することができ有利となる。
そして、上記実施の形態では、シール層10を基材9に塗布することで形成しているが、シール層10を形成する方法は塗布に限られるものではなく、その厚さが2〜4μm程度にできるものであればよい。
また、上記の実施の形態では、密封フィルム8で複数の試薬収容部5の開口部3を閉塞するようにしたが、密封フィルム8で試薬収容部5の開口部3を個別に閉塞するようにしてもよい。
本発明の実施の形態におけるチップの斜視図である。 本発明の実施の形態における図1のA−A線に沿うチップの断面図である。 本発明の実施の形態における他の態様の図2に相当する断面図である。 本発明の実施の形態におけるさらに他の態様の図2に相当する断面図である。
符号の説明
2 基板
3 開口部
5 試薬収容部
6 反応部
7 検出部
8 密封フィルム(被覆フィルム)
9 基材(アルミニウム層)
10 シール層
11 保護層
12 液体(試薬)

Claims (3)

  1. 試薬が保存可能な試薬収容部を有する樹脂成形体を有し、前記試薬収容部の開口部を、少なくともアルミニウム層及びシール層を含む被覆フィルムで閉塞し、ピペットチップ又は注射針の先端を前記被覆フィルムに貫通させて前記試薬を分取可能な試薬用容器であって、
    前記アルミニウム層は、厚さが10μm以下、伸びが1%/cm 以下、破裂度が0.5kg/cm 以下の硬質アルミニウムで構成され、
    前記シール層は熱可塑性ポリエステル樹脂を主成分とし、且つ、ガラス転移点10℃以下の熱可塑性ポリエステル樹脂がブレンド比10%〜50%、ガラス転移点60℃以上の熱可塑性ポリエステル樹脂がブレンド比50%〜90%でブレンドされ厚さ2〜4μmで構成されることを特徴とする試薬用容器。
  2. 前記被覆フィルムは、前記アルミニウム層の下面にフィルム層およびシール層、上面に保護層を有することを特徴とする請求項に記載の試薬用容器。
  3. 前記保護層は、脆性樹脂であることを特徴とする請求項に記載の試薬用容器。
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