JP5892197B2 - 反応場を有するデバイスおよびセンサー - Google Patents

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Description

本発明は、例えば生物試料などの微量な試料に対して何らかの反応を生じさせるための場(反応場)を有するデバイス等に関する。
従来型のELISA(Enzyme-Linked ImmunoSorbent Assay)法による抗原抗体反応検出法では2次抗体反応時に抗体に固定化された酵素反応による色素反応によって抗原検出が行われる。その際、抗体反応及び逐次起こる色素発色反応にて効率よい反応が進行することが必要条件となる。色素反応の結果は色素の吸収度を光の透過度変化によって計測する方法が一般的である(例えば、非特許文献1参照)。
ところが、抗原の存在量が極微量である場合における増幅率が不十分となる場合が多く、検出感度に問題を有する。一般的な検体検査では、例えば3mL(ミリリットル)の試薬と20μL(マイクロリットル)の検体とを混合させて、酵素反応に基づく色素反応を誘起させ、反応によって変化する試薬液の吸光度をモニターする。同様の方法にて、特に、非常に微量の検体サンプル(例えば、2nL(ナノリットル)〜200nLの範囲のグルコースを含む液、又はグルコースを含む全血液、血漿、血清など)を扱う場合、試薬液を同様の比率にて反応液として使用する場合、3μLとして検体液と反応させると、液滴上の試薬液の体積が小さいため、空気中に暴露された状態にて、液体の乾燥が急速に起こる。その結果、反応完結に要する時間よりも短時間に液滴が消滅するため、反応色素の吸光度計測ができなくなる。また、微量液滴反応においても、反応を加速するために(特に、酵素反応主体の試薬系では)温度を約37℃に設定することが要求されるが、微量計測用の反応液の設定条件等が大きな技術課題となっていた。このため、液体を効率よく速やかに反応場へ導入する技術が求められていた。なお、このような技術的課題は、生体試料に関する計測に限られるものではなく、同様な計測を行う種々の場面においても共通するものである。
浦山修 他著,「臨床化学検査学」,第2版,医歯薬出版株式会社,2006年1月
本発明に係る具体的態様は、微少量の液体を用いた計測を行う場合における当該液体の導入を効率よく速やかに行うことが可能な技術を提供することを目的の一つとする。
本発明に係る反応場を有するデバイスは、一面側に凹部を有する基板と、貫通孔を有する被覆体と、を備え、平面視において、前記被覆体は前記貫通孔に、前記貫通孔の内側へ向けて突出する複数の突起部を有し、前記被覆体は、前記基板の一面側に、前記貫通孔と前記凹部が重畳するように設けられている、反応場を有するデバイスである。
かかる構成によれば、滴下された液体は表面エネルギーの高い突起部に集まりやすく、この集まった液体は各突起部の相互間の隙間から凹部へ進入するため、微少量の液体を凹部内へ効率よく速やかに導入することが可能となる。この効果は、各突起部の相互間の隙間を毛細管力が生じる程度に狭めた場合にはより顕著になる。
好ましくは、前記複数の突起部のそれぞれが角部を有する。更に好ましくは、前記角部が鋭角である。
各突起部が角部、すなわち尖って突き出た部分を有するようにすることで、凹部へ液体を引き込む効果がより強調される。この効果は、角部を鋭角にすることで更に高まる。
好ましくは、前記凹部を画定する内壁面が前記被覆体の表面の親液性よりも高くされる。
凹部の内壁表面と膜の表面のそれぞれを表面改質することによって表面エネルギーの差を設けているので、凹部上に膜を設けたことによって試料液の導入口が狭小になるにも関わらず、試料液の導入が困難となることがない。
好ましくは、前記凹部の前記内壁面が親液性に改質され、かつ、前記被覆体の表面が撥液性に改質される。
それにより、凹部の内壁表面と膜の表面との表面エネルギーの差をより大きく確保しやすい。
好ましくは、前記貫通孔が前記凹部の平面視における略中央に合わせて配置される。
それにより、膜の機械的強度を保ちやすい。また、膜による試料液の蒸発抑制効果が均一になる効果が期待される。
好ましくは、前記凹部の形状が略半球状である。
それにより、反応場としての凹部内における試料液の反応がより均一になることが期待される。
好ましくは、前記基板が透明な基板である。
それにより、凹部内に導入された試料液に光を照射して種々の計測を行うことが容易になる。
また、上記デバイスは前記被覆体の前記基板と向き合う面に設けられた反射膜を更に含んで構成されることも好ましい。この反射膜は、例えば前記凹部と重畳する範囲に設けられることがより好ましい。
それにより、基板が透明な場合には当該基板の裏面側から光を入射させ、この光を金属層によって反射させて得られた反射光を基板の裏面側で検出することができる。従って、光学的な計測が容易になる。
一実施形態の反応場を有するデバイスの構造を示す模式断面図である。 凹部と被覆体の模式的な平面図を示す図である。 突起部の形状について、他の態様を示した図である。 図1に示すデバイスへの試料の導入過程を説明するための模式断面図である。 他の態様のデバイスの構成を示す模式的な斜視図である。 デバイスの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 デバイスの製造方法の一例を説明するための工程断面図である。 変形実施例に係るデバイスの構成とその使用態様について説明する模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、一実施形態の反応場を有するデバイス(以下、単に「デバイス」という)の構造を示す模式断面図である。図1に示すデバイス1は、一面側に凹部12を有する基板10と、この基板10の一面上に設けられた被覆体14と、を含んで構成されている。
基板10は、例えば、プラスチック基板、石英ガラス基板などの透明基板である。基板10として透明基板を用いることにより、詳細を後述する光学的な計測に都合がよい。基板10の厚さは、例えば0.05mm〜2.5mm程度である。なお、光学的な計測が不要である場合等においては、基板10は不透明なものであってもよく、例えばシリコン基板などの半導体基板を基板10として用いることもできる。
凹部12は、上述したように基板10の一面側に設けられている。この凹部12は、例えばフォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を用いて形成される。本実施形態においては、凹部12は略半球状に形成されている。凹部12の径D1は、例えば0.1mm〜5.0mm程度である。この凹部12が、試料(試薬溶液)を導入する微小な反応場として機能する。
被覆体14は、凹部12を覆うようにして基板10の一面上に設けられている。この被覆体14は、例えばプラスチック基板やガラス基板などの小片からなる。また、被覆体14は、貫通孔16を有しており、この貫通孔16と凹部12とが重畳した状態となるように設けられている。本実施形態における貫通孔16は、その径D2が凹部12の径D1よりも小さい。貫通孔16の径D2は、例えば10μm程度である。
図2は、凹部12と被覆体14の模式的な平面図を示す図である。図2に示すように、被覆体14は、凹部12の開口部分よりも広い面積を有しており、凹部12を覆って設けられている。図示の例では、被覆体14は矩形状であるが、形状はこれに限定されない。また、本実施形態においては、図2に示すように貫通孔16が凹部12の平面視における略中央に合わせて配置されている。
ここで、図2を参照しながら被覆体14と貫通孔16の形状について詳細に説明する。図2に示したように、被覆体14は、平面視において貫通孔16の内側へ向けて突出する複数の突起部14aを有する。図2に示す一例の被覆体14は8個の突起部14aを有する。なお、図面が煩雑になるのを回避するために図2では1つの突起部14aにのみ符号を付している。図2に示す一例の各突起部14aは、それぞれ、角部(尖って突き出た部分)を有する。各突起部14aは、例えば50μm程度のサイズである。また、各突起部14aの相互間ピッチは例えば100μm程度である。
図3は、突起部の形状について、他の態様を示した図である。図3(A)は4個の突起部、図3(B)は5個の突起部、図3(C)は16個の突起部、図3(D)及び図3(E)は更に多数の突起部を有する被覆体14の構成例を示している。いずれの突起部も角部を有している。更に、図3(C)〜図3(E)に示す各突起部は、それぞれ角部が鋭角に形成されている。換言すれば、本実施形態における被覆体14は、貫通孔16の平面視における形状がスターバスト形状に形成されている。なお、各突起部が角部を有することやこれらの角部が鋭角であることはそれぞれ好ましい態様であるが、必須条件ではない。各突起部は、角部を有しない形状であってもよい。貫通孔16の径D2(図1参照)は、例えば10μm程度である。ここで、本実施形態における貫通孔16の径D2とは、各突起部14aの先端を通る円の円周に対する径とする。
次に、凹部12と被覆体14の各々の表面の特性について説明する。凹部12の内壁の表面には、この凹部12に導入されるべき試料(試薬溶液)の極性に一致した表面処理が行われる。具体的には、親液性(親水性)反応試薬および検体導入の場合には、凹部12の内壁の表面には親液処理(親水処理)が行われる。すなわち、凹部12を画定する内壁の表面が被覆体14の表面よりも相対的に親液性が高くなるように、凹部12の内壁の表面が改質されるということである。本実施形態では、凹部12の内壁の表面が親液性に改質され、かつ、被覆体14の表面が撥液性に改質されている。親液化処理は、例えばPEG(ポリエチレングリコール)系分子膜剤を用いることによって実現できる。詳細には、アミノ系シラン化反応剤で凹部12の内壁表面を反応させ、その後、NHSエステルにて末端機能化されたPEG系反応剤にて反応させる。それにより、凹部12の内壁の表面の親液性が高くなる。また、撥液化処理は、例えば、フッ素系シラン化剤を用いて上述した被覆体14の表面を改質することによって実現できる。
図4は、図1に示すデバイスへの試料の導入過程を説明するための模式断面図である。図示のように、基板10上の被覆体14に設けられた貫通孔16を介して凹部12に試料液20を導入する。例えば、微少量の試料液20を複数回に分けて貫通孔16に滴下する。微少量の試料液20の滴下には、例えば液滴吐出法(インクジェット法)が適している。微少量とは、例えば液滴の径が貫通孔16の径よりも小さいことをいう。このとき、図示のように試料液20を貫通孔16の中心mからずらした位置に滴下することがより望ましい。例えば、図示のように貫通孔16のエッジ部分に試料液20を滴下するとよい。貫通孔16の外縁に沿って配置された各突起部14aの効果により試料液20が表面エネルギーの高い突起部14aに集まりやすくなる。そしてこの集まった液体は各突起部14aの相互間の隙間から凹部12へ進入するため、微少量の液体を凹部12内へ効率よく速やかに導入することが可能となる。この効果は、各突起部14aの相互間の隙間を毛細管力が生じる程度に狭めた場合にはより顕著になる。更に本実施形態では、被覆体14の表面が撥液性であるため、貫通孔16のエッジ部分に付着した試料液20はすばやく被覆体14の表面から、内壁表面が親液性である凹部12へ入り込む。このように、凹部12と被覆体14の各々の表面エネルギーの差を利用することにより、微量な試料液20をより確実に凹部12へ導入することができる。また、凹部12内へ導入された試料液に空気が含まれている場合には、基板10を微振動させることによりその空気を除去することが可能である。
図5は、他の態様のデバイスの構成を示す模式的な斜視図である。上述したデバイス1は1つの凹部12、被覆体14及び貫通孔16を有していたのに対して、図5に示すデバイス1aは複数の凹部12と、各凹部12に対応して設けられた複数の貫通孔16を有する被覆体114と、を備える。すなわち、図4に示すデバイス1aでは、各凹部12を覆う被覆体が1つに共通化されている。なお、各凹部12および各貫通孔16に対応して個別に被覆体を設けてもよい。また、図5に示す例のデバイス1aでは、各凹部12および各貫通孔16がマトリクス状に配列されているが、配列状態はこれに限定されない。
次に、本実施形態に係るデバイス1の製造方法について好適な例を説明する。なお、デバイス1aについても同様に製造できる。
図6は、デバイス1の製造方法の一例を説明するための工程断面図である。概略的に説明すると、本実施形態に係るデバイス1は、図6(A)に示すように、凹部12を有する基板10と、貫通孔16を有する被覆体14と、をそれぞれ個別に形成し、その後図6(B)に示すように、基板10と被覆体14とを貼り合わせることによって製造することができる。以下、いくつかの具体的な態様について説明する。
具体的態様の一つとして樹脂(プラスチック)の射出成形を用いる態様が挙げられる。この場合には、例えば汎用的な樹脂の一つであるポリスチレンを射出成形することにより、図6(A)に示したような、凹部12を有する基板10、貫通孔16を有する被覆体14のそれぞれが形成され、併せて各突起部14aも形成される。次に、図6(B)に示したように基板10と被覆体14とを貼り合わせる。例えば、基板10の一面上にスピンコート等の方法によってキシレン等の溶剤を均一に塗布する(例えば膜厚1μm程度)。基板10の一面が溶解したら、被覆体14を基板10上に配置し、加圧する。それにより、基板10と被覆体14とが接合(融着)する。溶剤のキシレン等は貫通孔16から蒸発するので、凹部12内に溶剤が残留することはない。なお、樹脂はポリスチレンに限定されず、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、SNP、TPX等も使用可能である。また、基板10と被覆体14とを貼り合わせる方法としては、上記のほか、接着剤を使う方法、摩擦熱を使う方法、超音波融着による方法、振動融着による方法など種々の方法を適宜採用し得る。
また、具体的態様の他の一つとしてガラス基板を用いる態様が挙げられる。この場合には、ガラス基板に対してウェットエッチングを行うことにより、凹部12を有する基板10を形成する(図6(A))。また、他のガラス基板に対してウェットエッチングを行うことにより、貫通孔16を有し、当該貫通孔16に各突起部14aが設けられた被覆体14を形成する(図6(A))。エッチング溶液としては、例えば一水素二フッ化アンモニウム(例えば、濃度5%程度)を用いることができる。このようなエッチング溶液を用いて等方性エッチングを行うことにより、ガラス基板に半球状の凹部12を形成し、また、他のガラス基板に突起部14aを有する貫通孔16を形成することができる。エッチング速度は、例えば約50nm/分である。次に、基板10と被覆体14とを貼り合わせる(図6(B))。それぞれガラス基板からなる基板10と被覆体14との貼り合わせは、例えば、熱と圧力を加えることによる直接接合によって行うことができる。また、いわゆる水ガラス(ケイ酸ナトリウムの濃度の高い水溶液)などの接着剤を用いて基板10と被覆体14とを貼り合わせてもよい。
また、具体的態様の他の一つとしてガラス基板と半導体基板(シリコン基板)とを組み合わせて用いる態様が挙げられる。この場合には、凹部12を有する基板10については、上記と同様にガラス基板に対してウェットエッチングを行うことによって形成する(図6(A))。また、貫通孔16を有する被覆体14については、シリコン基板等の半導体基板をエッチングすることによって形成する(図6(A))。その後、ガラス基板からなる基板10と半導体基板からなる被覆体14とを貼り合わせる(図6(B))。ここでは、例えば陽極接合によって基板10と被覆体14とを貼り合わせることができる。
図7は、デバイス1の製造方法の他の一例を説明するための工程断面図である。以下、この態様について詳細に説明する。
図7(A)に示すように、ガラス基板に対してエッチングを行うことにより、凹部12を有する基板10を形成する。具体的な条件は上記と同様である。次いで、図7(B)に示すように、基板10の凹部12に樹脂等からなる犠牲層(犠牲材)22を埋設する。このとき、図示のように基板10の一面が平坦となるように犠牲層22を形成する。
次に、図7(C)に示すように、基板10の一面上に樹脂等からなる層24を形成する。層24の形成は、例えばスピンコート法によって行うことができる。次いで、この層24に対してエッチングを行うことにより、不要部分を除去する。これにより、貫通孔16を有し、当該貫通孔に各突起部14aが設けられた被覆体14が基板10の一面上に形成される(図7(D))。
次に、プラズマエッチング等の方法によって、基板10の凹部12内に埋設されていた犠牲層22を除去する。それにより、図7(E)に示すように、本実施形態に係るデバイス1が完成する。
以上のような本実施形態によれば、液体が表面エネルギーの高い突起部14aに集まりやすく、この集まった液体は各突起部14aの相互間の隙間から凹部12へ進入するため、微少量の液体を凹部12内へ効率よく速やかに導入することが可能となる。この効果は、各突起部14aの相互間の隙間を毛細管力が生じる程度に狭めた場合にはより顕著になる。
また、凹部12に重畳して設けられた被覆体14により、凹部12の開口部分がある程度塞がれた状態となるので、凹部12による反応場の体積を確保しつつ、この凹部12に導入される試料20の蒸発を抑制することができる。
また、凹部12の内壁表面と被覆体14の表面のそれぞれを表面改質することによって表面エネルギーの差を設けているので、凹部12上に被覆体14を設けたことによって試料液の導入口が狭小になるにも関わらず、試料液の導入が困難となることがない。
次に、変形実施の一態様について説明する。以下に説明する態様は、試料液に対して光学的な手法による計測を行うのに特に適している。
図8は、変形実施例に係るデバイスの構成とその使用態様について説明する模式的な断面図である。図8に示すデバイス1bの基本的な構成は上記した実施形態に係るデバイス1と同様である(図1等参照)。両者に共通する構成には同符号を付した上で当該構成の詳細な説明は省略する。
図8に示すデバイス1bは、被覆体14の裏面(凹部12と向き合う面)に反射膜15が設けられている。この反射膜15は、凹部12の少なくとも一部と重畳して配置される。また、反射膜15は、被覆体14の裏面であって、被覆体14と基板10との貼り合わせに支障がない範囲に形成される。この反射膜15は、例えば金などの金属からなる膜である。このような反射膜15を有するデバイス1bの製造方法は基本的に上述した実施形態(図6参照)と同様である。具体的には、被覆体14となるべき基板等の一面の所定位置に金属膜を形成し、これを適宜エッチングする等によって整形することにより、予め反射膜15を形成しておけばよい。
次にデバイス1bの使用態様の一例について説明する。図8に示すように、基板10の裏面側から、凹部12内の試料液20に向けて光を入射させる。図示のように、入射光が基板10の裏面に対して斜めに入射し、被覆体14の反射膜15によって反射する。この反射光は、図示のようにCCD等からなる測定光収集32に集まる。この測定光収集板32に集まった光(反射光)の強度等を光検出装置30によって検出する。それにより、凹部12内の試料液20の変化を計測できる。例えば、酵素反応を利用した色素反応をモニターすることができる。このとき、複数の光源を用意してそれぞれから光を入射させることにより、検出情報が増幅されるので、高感度の検出が可能となる。反応性試薬としては、例えば血糖値検査試薬が使用される。この試薬中、グルコースオキシダーゼ、過酸化脱水素酵素、及び4−アミノアンチピリン(色素前駆体)が存在し、血清中に含まれる血糖(グルコース)と反応して発色する。この試薬及び血清を、例えば上記した必要量にて使用して凹部12内に導入することにより、高感度検出が可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上述した実施形態においては、本発明に係る反応場を有するデバイスの典型的な適用例として生体試料を扱うためのセンサー(いわゆるバイオセンサー)を例示していたが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。
また、上述した説明においては、貫通孔の周囲に配置された複数の突起部を有する被覆体に対して、更に表面改質を組み合わせた実施形態を例示していたが、必ずしも表面改質を組み合わせなくともよい。
1…反応場を有するデバイス、10…基板、12…凹部、14…被覆体、14a…突起部、15…反射膜、16…貫通孔、20…試料液。

Claims (11)

  1. 凹部を有する基板と、
    前記凹部へ試料液を導入するための貫通孔を有し、前記貫通孔が前記凹部と重畳するように設けられた被覆体と、を備え、
    前記被覆体は、前記凹部と重畳するように設けられ前記貫通孔の内側に向けて突出する複数の突起部を有し、
    前記突起部は、鋭角の角部を有する、反応場を有するデバイス。
  2. 前記突起部の数が16個以上である、請求項1に記載の反応場を有するデバイス。
  3. 前記突起部の数が16個以上32個以下である、請求項2に記載の反応場を有するデバイス。
  4. 前記貫通孔の径と前記凹部の径との比が、1:10〜1:500である、請求項1から3の何れか1項に記載の反応場を有するデバイス。
  5. 前記凹部の内壁面の親液性が前記被覆体の表面の親液性よりも高い、請求項1乃至4の何れか1項に記載の反応場を有するデバイス。
  6. 前記凹部の前記内壁面が親液性に改質され、かつ、前記被覆体の表面が撥液性に改質された、請求項5に記載の反応場を有するデバイス。
  7. 前記被覆体の前記貫通孔が、前記凹部の略中央に合わせて配置された、請求項1乃至6の何れか1項に記載の反応場を有するデバイス。
  8. 前記凹部が略半球状である、請求項1乃至7の何れか1項に記載の反応場を有するデバイス。
  9. 前記基板が透明な基板である、請求項1乃至8の何れか1項に記載の反応場を有するデバイス。
  10. 前記被覆体は、少なくとも一部が前記凹部と重畳する反射膜を有する、請求項1乃至9
    の何れか1項に記載の反応場を有するデバイス。
  11. 請求項10に記載の反応場を有するデバイスと、
    前記反射膜により反射された光を検出可能な光検出装置と、を備えるセンサー。
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