JP2009063601A - マイクロチップ、マイクロチップの製造方法および成分検出方法 - Google Patents

マイクロチップ、マイクロチップの製造方法および成分検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の流れる流路を含むマイクロチップの構造をコンパクトにするとともに、試料を精度よく分析する技術を提供する。
【解決手段】マイクロチップ10は、試料の通る分離用流路28と、分離用流路28と交差する投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bとが形成された基板を含む。
【選択図】図1

Description

本発明はマイクロチップ、マイクロチップの製造方法、および成分検出方法に関する。
核酸やタンパク質等の生体分子を分離し、分離された試料の分析に用いられるマイクロチップは、臨床検査やプロチオミクス解析において強いニーズがある。このような試料の分析では、分離された微量の試料を光学的に検出する手法が用いられる。
図8は、特開平9−288090号公報に記載された毛細管電気泳動装置を示す図である。この毛細管電気泳動装置は、流路120が形成された基板114と、基板114に埋設された光ファイバ108と、光ファイバ108に接続された光源103と、基板114に接続された受光器135から構成される。この装置では、受光器135は流路120の上方に設けられており、試料溶液は蛍光試薬により誘導体化された状態で流路に導入される。光ファイバ108の他端には光源103から試料励起光が導入され、光ファイバ108から出射した光は流路120の検出部に照射される。液体試料は、検出部で光照射を受けて蛍光を発生し、発生した蛍光は受光器135に入射する。
また、図9は、実開昭62−108858号公報に記載された濃度測定装置を示す図である。この濃度測定装置は、光源221からの光を投光用光ファイバ束222を介して流体流路201に導き、投光用光ファイバ束222の端面から出射された光を流体流路201を介して受光用光ファイバ束223の端面に入射させて流体流路内を通流する流体の濃度を受光器224で計測する。
特開平9−288090号公報 実開昭62−108858号公報
しかし、特開平9−288090号公報に記載された装置のように、受光器135が流路120の上方に設けられる構成の場合、流路120が浅いと、上方からの観察では吸収計測のための光路長を充分に確保するのが困難である。
また、実開昭62−108858号公報に記載された装置のように、流体流路の両端に光ファイバ束を配置させる構成においては、投光用光ファイバ束222および受光用光ファイバ束223を正確に位置合わせするのが困難である。そのため、流路を流れる試料の濃度を精度よく測定できないおそれがある。
また、特開平9−288090号公報に記載された装置においては、基板114に形成された溝122に光ファイバ108を接着剤で固定する構成となっている。そのため、上述したような光ファイバの位置合わせを行うとともに接着剤で固定する工程が必要になり、製造方法が複雑である。
上記事情に鑑み、本発明は、微細な構造のマイクロチップにおいても、流路を流れる試料を精度よく分析できる技術を提供することを目的とする。また、本発明は、マイクロチップの構造を簡略化することを目的とする。
本発明の別の目的は、平面上に形成された極めて微小な流路においても、試料中の成分を光学的に検出できる技術を提供することである。本発明のまた別の目的は、浅い流路においても充分な光路長を確保し、流路を流れる試料中の成分を精度よく検出できる技術を提供することである。
本発明によれば、基板と、基板に形成され、試料の通る流路と、基板に流路と交差するように形成され、流路に光を導く光導波路と、を含むことを特徴とするマイクロチップが提供される。光導波路は、流路を流れる試料中の成分を分析するためのものである。ここで、流路と交差するとは、光導波路が流路と交差する領域において、流路と光学的に作用することをいう。たとえば、流路は、光導波路を二つに分割するように形成されてもよい。また、光導波路は、流路と物理的または光学的に接続するように形成されてもよい。光導波路と流路とは必ずしも同じ平面内で交差していなくてもよく、光導波路の一端から入射した光が流路を通る試料によって何らかの作用を受け、他端から出力される構成となっていればよい。
基板において、光導波路は、他の領域を構成する材料よりも屈折率の高い材料により構成することができる。流路は、基板の表面において、光導波路と交差するように形成することができる。
上述した実開昭62−108858号公報に記載された濃度測定装置では、流体流路を介して投光用光ファイバ束222の端面と受光用光ファイバ束223の端面とが対向するように設けられている。しかし、2本の光ファイバ束を互いに対向するように位置合わせをするのは困難である。本発明のマイクロチップにおいては、試料の通る流路と、流路と交差して設けられた光導波路とが基板に形成されるので、位置合わせをすることなく、流路を隔てた光導波路の一方側を投光用、他方側を受光用とすることができる。さらに、流路が基板に形成されるので、たとえばエッチングなど、微細な加工を行うことができる既存の技術を用いて、所望のサイズの流路を形成することができる。
また、本発明のマイクロチップは、光導波路が基板に形成されているため、従来の装置のように、基板に光ファイバを接着剤等で固定させる必要がなく、構造を簡略化することができる。また、光導波路が基板に平面状に形成されているため、微細な加工を行うことができ、また、マイクロチップの製造工程を簡略化することもできる。そのため、加工コストを低減することもできる。また、流路および光導波路を基板に形成するので、流路や光導波路のサイズを所望の値に制御性よく作製することができる。
本発明によれば、基板と、基板に形成され、試料の通る流路と、基板に流路と接するように形成され、流路に光を導く光導波路と、を含むことを特徴とするマイクロチップが提供される。
本発明のマイクロチップにおいて、流路は、試料を分離する分離領域と、分離領域で分離された試料を検出する検出部とを含むことができ、検出部において、光導波路から流路に光が導かれるようにできる。上述したように、本発明のマイクロチップによれば、流路および光導波路が基板に形成されているので、流路や光導波路のサイズを所望の値に制御性よく作製することができる。たとえば微細加工により流路に分離領域を設けた場合、検出部の流路の体積が大きいと、せっかく分離領域で分離された成分が検出部において混合してしまい、試料中の成分の検出が行えなかったり、分離した成分を回収することができなくなったりする。本発明のマイクロチップによれば、検出部も微細に形成することができるので、分離領域で分離された試料を分離された状態のまま精度よく検出することができ、分離された成分を回収することもできる。本発明によれば、光導波路のサイズを自在に制御することができるので、流路の深さをたとえば50nm〜5μm程度としてナノ加工により分離領域を形成することができる。
本発明のマイクロチップにおいて、流路は、基板に形成された溝とすることができる。基板表面に作り込まれた溝により流路が実現されるので、流路のサイズ(幅、深さ)を所望の値に制御性よく作製することができる。たとえば流路の幅を流路の深さよりも大きく形成することもできる。このように、流路のサイズを自在に制御することができるので、流路を、試料を精度よく分離するのに要求される深さに形成するとともに試料を精度よく検出するのに要求される幅に形成することができる。たとえば、溝の深さを5μm以下とすることができる。溝の深さの下限は特に限定されないが、たとえば50nm以上とすることができる。上述した実開昭62−108858号公報に記載された濃度測定装置では、流体流路を介して投光用光ファイバ束222の端面と受光用光ファイバ束223の端面とが対向するように設けられているが、このような構成を、たとえば5μm以下の深さの浅い流路に適用するのは困難である。
本発明のマイクロチップは、光導波路の一方の端部から光が導入され、流路を通過した光が光導波路の他方の端部から出力されるように構成することができる。このようにすると、光導波路の他方の端部から出力された光の強度等の特性に基づき、流路を流れる試料中の成分を検出することができる。
本発明のマイクロチップにおいて、光導波路はクラッド材で周囲を覆われたコア材により構成することができる。この場合、クラッド材は、コア材と接する内側から外側に向かって、屈折率が連続的に低くなるような構造とすることもできる。
クラッド材は、コア材よりも屈折率が低い材料により構成される。基板は、コア材と、コア材の下部および側部を覆うクラッド材とにより構成することができ、コア材表面にコア材と交差するように形成された流路を含むことができる。この場合、コア材の上部に、コア材よりも屈折率が低いクラッド材により構成されたカバー部を設けることができる。また、基板は、コア材の上部を覆うクラッド材をも構成要素として含むことができ、この場合、コア材の上部を覆うクラッド材表面にコア材と交差するように形成された流路を含むことができる。以上の構成により、コア材の周囲をクラッド材で覆うことができ、コア材が光導波路として機能する。
この構成によれば、光導波路がクラッド材で周囲を覆われたコア材により構成されるので、構造を簡略化することができる。このように、マイクロチップの構造を簡略化することができるため、微細な加工を行うことができ、またマイクロチップの製造工程を簡略化することもできる。そのため、本発明によれば、以下のような構成のマイクロチップも容易に製造することができる。
本発明のマイクロチップにおいて、光導波路は、流路と交差する領域において、光導波路の他の領域よりも幅広に形成された幅広部を有することができる。
この構成によれば、流路を隔てた光導波路の一方側から流路に入射する光の伝達領域が広がるので、流路を隔てた一方側から他方側に光を精度よく伝達することができ、流路を通る試料を透過した光の特性を精度よく検出することができる。
本発明のマイクロチップにおいて、基板は、互いに間隔を隔てて形成された複数の光導波路を含み、流路は、複数の光導波路と交差するようにできる。複数の光導波路は、互いに所定の間隔を隔てて形成されてもよく、また互いに略平行に形成されてもよい。
こうすることにより、流路の異なる位置を流れる試料を透過した光の特性を略同時に検出することができ、流路を流れる試料の分離パターンを検出することができる。また、流路の異なる位置に、所定の時間差で光を入射することにより、流路を流れる試料の経時変化を測定することができる。これにより、本発明のマイクロチップを試料中の成分の分離に用いる場合、分離中の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合であっても、各成分の流出時間を予見することができるので、目的の成分を確実に回収することができる。また、複数の光導波路のうちの一つを参照用として用いることもできる。これらにより、試料中の成分を精度よく検出することができる。
上述したように、本発明のマイクロチップは、光導波路が形成された基板において、光導波路と交差するように流路が形成されているので、位置合わせをすることなく流路を隔てた光導波路の一方側を投光用、他方側を受光用とすることができる。そのため、複数の光導波路が配置された構造を容易に形成することができる。また、マイクロチップの構造が簡略化されるので製造コストを低減することができる。
本発明のマイクロチップにおいて、光導波路は、端部において、光ファイバと接続可能に形成することができる。
基板に形成された光導波路を光ファイバと接続可能に形成することにより、たとえば外部の光源からの光や外部の検出器への光の伝達を光ファイバを介して行うことができる。また、このように構成すれば、必要に応じて光ファイバをマイクロチップに取り付けたり取り外したりすることができ、マイクロチップの構成を簡略化することができる。光ファイバは、マイクロチップの側面や上面に取り付け可能に構成することができる。マイクロチップにおいて、試料を投入したり分離した試料を取り出したりするための液溜めは、マイクロチップの上面側に設けられることが多い。そのため、光ファイバがマイクロチップの上面側に取り付け可能に構成された場合、操作面を同じ面とすることができ、マイクロチップの取り扱いの利便性を高めることができる。
本発明によれば、試料の通る流路と、流路を隔てた一方側において、それぞれ流路の異なる位置に光を導入する複数の投光用光導波路と、流路を隔てた他方側において、流路を通過した光を集光して出力する受光用光導波路と、が形成された基板を含むことを特徴とするマイクロチップが提供される。また、複数の投光用光導波路は、互いに所定の間隔を隔てて略平行となるように設けることができる。
この構成によれば、流路を隔てた一方側において、複数の投光用光導波路から流路の異なる位置に光が導入され、他方側において、流路を通過した光が受光用光導波路により集光されるので、流路を流れる試料の分離パターンを検出することができる。また、流路の異なる位置に、所定の時間差で光を入射することにより、流路を流れる試料の位置の経時変化を測定することができる。これにより、本発明のマイクロチップを試料中の成分の分離に用いる場合、分離中の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合、従来の装置ではその試料の流出時間を検知することができなかったが、本発明のマイクロチップによれば、各成分の流出時間を予見することができる。そのため、目的の成分を確実に回収することができる。さらに、後述するように、流路を流れる試料の移動速度を検出することもできる。
本発明のマイクロチップにおいて、受光用光導波路は、流路に沿って形成することができる。この場合、受光用光導波路の流路と接する側面と反対側の側面を予め鏡面加工しておくことができる。こうすることにより、流路を介して受光用光導波路に入射された光を損失無く受光用光導波路中で伝達することができ、試料中の成分を精度よく検出することができる。
本発明によれば、光導波路が形成された基板に、光導波路と交差する流路を形成する工程を含むことを特徴とするマイクロチップの製造方法が提供される。流路を形成する工程において、光導波路を分割するように流路を形成することができる。
流路は、エッチングにより形成することができる。また、光導波路が形成されたフィルムを金型で打ち抜く等して流路を形成し、フィルムを他のフィルムと貼りあわせて流路および光導波路が形成された基板を製造することもできる。このようにして形成された流路の表面は、親水性処理や試料が流路に付着するのを防止する付着防止処理を行うことができる。付着防止処理としては、細胞壁を構成するリン脂質に類似した構造を有する物質やフッ素樹脂を流路の側壁に塗布することができる。
本発明によれば、光導波路が形成された基板に、光導波路と接する流路を形成する工程を含むことを特徴とするマイクロチップの製造方法が提供される。
本発明のマイクロチップの製造方法は、基板の流路が形成された領域を、光導波路を構成する材料よりも屈折率の低い材料により覆う工程をさらに含むことができる。このようにすれば、流路が光導波路を構成する材料よりも屈折率の低い材料により覆われるので、光が流路を通過する際にも光の伝達率が低下せず、試料中の成分を精度よく検出することができる。
本発明のマイクロチップの製造方法は、コア材の周囲をクラッド材で覆うことにより光導波路を形成する工程と、基板の流路が形成された領域をクラッド材と実質的に屈折率が等しい材料により覆う工程と、をさらに含むことができる。これにより、コア材の周囲をクラッド材で覆うことができ、コア材が光導波路として機能する。また、基板の流路が形成された領域をクラッド材と実質的に屈折率が等しい材料により覆うことにより、光導波路として機能するコア材中の光の伝達率を高く保つことができる。
本発明によれば、互いに間隔を隔てて配置された複数の光導波路と、複数の光導波路と交差する流路とが形成された基板を含むマイクロチップを用いて試料中の成分を検出する方法であって、流路に試料を流すステップと、複数の光導波路の流路を隔てた一方側から流路に略同時に光を入射するステップと、流路を通過した光を、光が通過した流路の位置に対応付けて、複数の光導波路の流路を隔てた他方側から取り出すステップと、取り出された光の特性および流路の位置に基づき、流路を流れる試料中の成分を検出するステップと、を含むことを特徴とする成分検出方法、が提供される。
ここで、略同時とは複数の光源を用いて複数の光導波路に実質的に同時に光を入射することであってもよく、また後述するように、一つの光源からの光を走査して複数の光導波路に略同時に光を入射することであってもよい。光の特性とは、強度特性や波長特性等光のプロファイルのことである。この方法によれば、複数の光導波路から略同時に光が入射され、流路を通過した光を流路の位置に対応付けて取り出すことができるので、試料中の成分の分離パターンを検出することができる。これにより、本発明のマイクロチップを試料中の成分の分離に用いる場合、分離中の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合であっても、各成分の流出時間を予見することができるので、目的の成分を確実に回収することができる。
光を入射するステップにおいて、試料が流路を流れる速度よりも速い速度で流路の試料進行方向に光を走査して、当該光を複数の光導波路の一方側から流路に順次入射することができる。光を走査するとは、一つの光源からの光を用いて行うこともできるが、複数の光導波路の一方側の端部に複数の光源を直接、または光ファイバ等を介して接続しておき、これらの複数の光源を順次発光させることにより行うこともできる。ここで、光を走査する速度は、試料が流路のどの位置にあるかを検出可能な程度に、試料が流路を流れる速度に対して充分速くすることができる。このようにすれば、複数の光導波路に光を略同時に入射したのと同様の検出結果を得ることができる。この方法によれば、一つの光源を用いて複数の光導波路に光を入射することができる。これにより、流路を流れる試料の分離パターンを検出することができる。
光を取り出すステップにおいて、流路を通過した光を集光して順次取り出すことができる。このようにすれば、マイクロチップを外部の検出器に接続するための構造を簡略化することができ、マイクロチップを用いた試料中の成分の検出を容易に行うことができる。また、マイクロチップの構造を簡略化することができるので、マイクロチップの製造コストを低減することもできる。
この方法によれば、複数の光導波路から略同時に光が入射され、流路を通過した光を流路の位置に対応付けて順次取り出すことができるので、試料中の成分の分離パターンを検出することができる。従来、流路を流れる試料の位置を検出するのに、顕微鏡やCCDが用いられていたが、微細な流路を流れる試料の位置を検出する場合、顕微鏡やCCDでは、上部からの観察しかできず、また、狭い範囲のイメージしか得ることができなかった。そのため、流路の上部から複数回にわたって流路のイメージを撮影し、それらのイメージを合成することによってしか試料中の成分の分離パターンを検出することはできなかった。また、深さの浅い流路を上部から撮影した場合、充分な光路長がとれないので、試料成分の濃度に関する情報までを得ることはできなかった。本発明の成分検出方法によれば、光源からの光を複数の光導波路の一方側から流路に順次入射するだけで、流路の幅方向を通過した光を取り出して流路中の成分を検出することができるので、出力光の強度特性等から試料成分の濃度に関する情報を得ることもできる。
試料を分析するステップにおいて、流路の異なる位置における光の強度の一つを参照データとして用いることができる。この方法によれば、複数の光導波路において略同時に測定された光の特性を参照データとして用いるので、試料中の成分をより精度よく検出することができる。
本発明の成分検出方法において、光を入射するステップと光を取り出すステップとを所定の時間間隔で複数回繰り返すことができ、分析するステップにおいて、時間間隔に基づいて、流路を通る試料の移動速度を検出することができる。これにより、本発明のマイクロチップを試料中の成分の分離に用いる場合、分離中の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合、従来の装置ではその試料の各成分の移動速度を検出することができなかったが、各成分の移動速度を検出することができるので、目的の成分を確実に回収することができる。また、流路を流れる試料の移動速度を検出することができるので、移動速度にも基づいて、試料中の成分をより精度よく検出することができる。
以上説明したように本発明によれば、微細な構造のマイクロチップにおいても、流路を流れる試料を精度よく分析することができる。また、本発明によれば、マイクロチップの構造を簡略化することができる。さらに、本発明によれば、平面上に形成された極めて微小な流路においても、試料中の成分を光学的に検出することができる。さらに、本発明によれば、浅い流路においても充分な光路長を確保し、流路を流れる試料中の成分を精度よく検出することができる。さらに、投光用光導波路および受光用光導波路の位置合わせを行う必要がないため、マイクロチップの製造工程を簡略化することができる。
<第一の実施の形態>
図1は、本発明の第一の実施の形態に係るマイクロチップの一例を示す模式図である。本実施の形態におけるマイクロチップ10は、試料中の成分を分離する機能を有する。図1(a)は、マイクロチップ10の上面図を示す。マイクロチップ10には液溜め22a、液溜め22b、液溜め23、液溜め24、液溜め25a、および液溜め25bが設けられる。また、マイクロチップ10には光コネクタ40aを介して投光用光ファイバ42aが接続され、光コネクタ40bを介して受光用光ファイバ42bが接続される。
図1(b)は、図1(a)のA―A'断面図である。マイクロチップ10は、基板12と、カバー部材20とを含む。基板12は、下部クラッド材14と、下部クラッド材14上に設けられた投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bと、その上に設けられた上部クラッド材18とを含む。基板12表面には、投光用光導波路32aと受光用光導波路32bの間に分離用流路28が設けられる。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、分離用流路28を通る試料中の成分を検出するのに用いられる。投光用光ファイバ42aは、図示していない外部の光源に接続され、受光用光ファイバ42bは、図示していない外部の検出器に接続される。
図1(c)は、図1(b)のB―B'断面図である。液溜め22aと液溜め22bとの間には投入用流路26が、投入用流路26と液溜め24の間には分離用流路28が、液溜め25aと液溜め25bとの間には回収用流路27が形成されている。分離用流路28には検出部30が設けられ、検出部30の両側に分離用流路28と交差するように投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bが配置される。これにより、検出部30を通る試料を光学的に分析・検出することができる。各々の液溜め22a、22b、23、24、25aおよび25bには電極が設けられており、これを用いてたとえば分離用流路28の両端に電圧を印加することができる。
マイクロチップ10の外形寸法は用途に応じて適宜な値が選択されるが、ここでは、たとえば、縦5mm〜5cm、横3mm〜3cmである。また、下部クラッド材14の厚さはたとえば15μmとすることができ、カバー部材20の厚さは約200μmとすることができる。分離用流路28の幅は、投光用光導波路32aから分離用流路28に光を導入し、分離用流路28を通過した光を受光用光導波路32bから取り出す際に、透過光を精度よく検出するために必要な光路長、たとえば幅50〜200μmに形成することができる。分離用流路28の深さは、分離用流路28を流れる試料中の成分を分離できる程度の深さ、たとえば50nm〜5μmとすることができる。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32b、ならびに上部クラッド材18の厚さは、特に限定されないが、分離用流路28の深さよりも薄く形成することができる。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの幅は、たとえば1μm〜5μmとすることができる。
下部クラッド材14、投光用光導波路32a、受光用光導波路32b、上部クラッド材18、およびカバー部材20は、石英系材料または有機系ポリマー材料により形成することができる。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、下部クラッド材14および上部クラッド材18よりも屈折率が高くなるように形成される。これらの部材の屈折率の制御は、後述するように、材料に応じて適宜行われる。
以下、図6および図13を参照して、下部クラッド材14、投光用光導波路32a、受光用光導波路32b、上部クラッド材18、およびカバー部材20を石英系材料で構成したマイクロチップ10の製造方法を説明する。シリコンまたは石英ガラスから構成された下地基板61上に、テトラエチルオルソシリケート(Si(OC)からなる有機ソースをオゾン(O)により分解する常圧化学気相堆積法(TEOS−OによるAPCVD(Atmospheric pressure CVD))を用いて、リン(P)とボロン(B)を添加した石英系膜(BPSG:SiO+P+B)により下部クラッド材14を成膜する(図6(a))。その後、下部クラッド材14に溝を形成し、その溝内に光導波路32を形成する(図6(b))。
光導波路32の形成方法について、図13を参照して説明する。まず、フオトリソグラフイ及びリアクティブイオンエッチング(RIE)または反応性イオンビームエッチング(RIBE)により、下部クラッド材14に溝を形成する。この溝は、所望の光導波路32の形状に形成する。本実施の形態において、この溝の端部は斜面を有するように形成される(図13(a))。次いで、溝の表面に、クロムまたはチタン等を蒸着し、その上に金、銀、またはアルミニウム等を蒸着して反射層66を形成する(図13(b))。続いて、溝を埋め込むように、下部クラッド材14全面にP、ゲルマニウム(Ge)を添加した石英系膜(GPSG:SiO+P+GeO)からなるコア層62を成膜する(図13(c))。続いて、溝外部に形成された反射層66およびコア層62を研磨により除去して所定の形状の光導波路32を得る(図13(d))。ここで、光導波路32は、たとえば幅が約5μm、厚さが約1μmから5μmとなるように形成される。光導波路32は、分離用流路28に導入する波長の光を伝達できる厚さに形成されていれば、さらに薄くすることもできる。
図6に戻り、光導波路32を覆うように、下部クラッド材14の上に上部クラッド材18を成膜する(図6(c))。上部クラッド材18は下部クラッド材14と同様にして形成することができる。下部クラッド材14、コア層62および上部クラッド材18を成膜後にはそれぞれアニール処理を行うのが好ましい。なお、下部クラッド材14、上部クラッド材18、およびコア層62(図13参照)の材料としては、上記したものの他、P、GeあるいはBのうち一または複数のドーパントを含む石英系材料、あるいはSiON膜、SiN膜等種々の材料を用いることができる。下部クラッド材14、コア層62、および上部クラッド材18の屈折率は、P、Ge、またはB等のドーパントの濃度を変えることにより制御することができる。ここで、下部クラッド材14と上部クラッド材18の屈折率は同じになるように形成するのが好ましい。こうすることにより、後に形成される投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの周囲を同じ屈折率を有する材料で取り囲むことができるので、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bにおける光の伝達率を高く保つことができる。
次に、エッチングにより上部クラッド材18の光導波路32の上方領域に光導波路32に達する接続孔18aおよび18bを形成し(図6(d))、接続孔18aおよび18bを埋め込むように、上部クラッド材18上部にコア層64を成膜する。コア層64はコア層62と同様の材料により同様に形成する(図6(e))。続いて、接続孔18aおよび18b外部に形成されたコア層64をたとえばRIEにより除去し、接続部31aおよび31bを形成する(図6(f))。
次に、光導波路32を二つに分割するように、エッチングにより光導波路32に交差する分離用流路28を形成する。これにより、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bが形成される(図6(g))。なお、分離用流路28の表面は、たとえば熱酸化法やCVD法(化学気相成長法)によりシリコン酸化膜とすることができる。これにより、分離用流路28に試料の水溶液を流すことができる。次に、接続部21aおよび接続部21bが形成されたカバー部材20を上部クラッド材18上に配置し、接着剤等で上部クラッド材18に固定する。接続部21aおよび接続部21bは、光ファイバを保持する光コネクタを収容可能に形成される(図6(e)。ここで、接続部21aおよび21bは、接続される光コネクタに応じて種々のサイズに形成され得るが、たとえば直径3mmとすることができる。
以上によりマイクロチップ10が形成される。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの端部に、反射層66が形成された斜面を設けることにより、上方から入射した光を投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32b中を介して再び上方から取り出すことができる。このようにして形成されたマイクロチップ10に光ファイバを保持した光コネクタを接続することにより、図1に示した構成とすることができる。マイクロチップ10の投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bと光ファイバとの接続は、既存の各種光コネクタ等を用いて行うことができる。光ファイバは、マイクロチップ10に固定することもできるが、着脱可能な光コネクタを用いて取り外し可能に接続することもできる。
なお、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、図19に示したように、投光用光ファイバ42aおよび受光用光ファイバ42bと接続する部分において幅広となるように形成することができる。このようにすれば、投光用光導波路32aと投光用光ファイバ42aとの接続、および受光用光導波路32bと受光用光ファイバ42bとの接続をより確実に行うことができる。
次に、下部クラッド材14、投光用光導波路32a、受光用光導波路32b、上部クラッド材18、およびカバー部材20を有機系ポリマー材料で形成する方法を例示する。ここでも、図6を参照して説明する。まず、下地基板61上にスピンコート法によりエポキシ樹脂を塗布したのち、加熱処理を行って樹脂を固化させ、下部クラッド材14を形成する。次に、石英ガラスの例で図13を参照して説明したのと同様にフオトリソグラフイ及びリアクティブイオンエッチング(RIE)または反応性イオンビームエッチング(RIBE)により、下部クラッド材14に所定の形状の溝を形成し(図13(a))、反射層66を形成する(図13(b))。続いて、下部クラッド材14と同様の方法により、下部クラッド材14の構成材料よりも屈折率の高い材料(たとえばエポキシ樹脂)を用いてコア層62を形成する(図13(c))。溝外部に形成された反射層66およびコア層62を除去して所定の形状の光導波路32を得る(図13(d))。次に、下地基板61上の全面に、下部クラッド材14と同様の方法により、下部クラッド材14と同一の構成材料を用いて上部クラッド材18を形成する(図6(c))。なお、下部クラッド材14、コア層62および上部クラッド材18は、それらの各下地層上に光硬化性樹脂を塗布したのち、この光硬化性樹脂に対して光照射を行って樹脂を硬化させることにより形成するようにしてもよい。
その後、たとえばRIEにより接続孔18aおよび18bを形成し(図6(d))、コア層62と同様の方法により、コア層62と同一の構成材料を用いてコア層64を形成する(図6(e))。続いて、接続孔18aおよび18b外部に形成されたコア層64をたとえばRIEにより除去し、接続部31aおよび31bを形成する(図6(f))。次に、上部クラッド材18上に、フォトレジスト膜を形成し、フォトレジスト膜に所定の露光処理および現像処理を施してフォトレジスト膜を分離用流路28に対応する所定のパターンに加工する。次に、フォトレジスト膜をマスクとして、たとえばRIEにより光導波路32の異方性エッチングを行う。これにより、光導波路32と交差する分離用流路28が形成される。その後、フォトレジスト膜を除去する(図6(g))。
以上のように、本実施の形態においては、下部クラッド材14上に光導波路32を形成した後に、分離用流路28を形成して光導波路32を投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bに分断するので、従来、問題となっていた投光用光ファイバと受光用光ファイバの位置合わせの問題を解決することができる。
また、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、以下の方法により形成することもできる。以下、図10および図11を参照して説明する。まず、機械加工あるいはエッチング法によりマスタを製作し、このマスタを電気鋳造反転して製作した金型を用いて、射出成形または射出圧縮成形により溝部70が形成された下部クラッド材14を形成する。ここでも、溝部70の端部は斜面状に形成され、その斜面の表面は鏡面加工が施される(図10(a))。その後、下部クラッド材14の溝部70に、硬化させると下部クラッド材14よりも屈折率が高くなるコア材料71をモノマー状態で塗布し(図10(b))、その上から下部クラッド材14と同様の材料により構成された上部クラッド材18をクランプ治具を用いて押しつけ、余分なコア材料71を除去した後、全体に紫外線を照射してコア材料71を硬化させる(図10(c))。図11(a)は、このようにして形成された基板の上面図を示す。このようにして形成された基板に、たとえばRIEにより分離用流路28を形成して投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bを形成することができる(図11(b))。
また、図12(a)に示すように、所定の領域に光導波路32が形成されたフィルム状のクラッドシート72を準備し、分離用流路28に対応する領域を金型で打ち抜く等して開口部74を形成する(図12(b))。その後、クラッドシート72を、クラッドシート72を構成する材料と同じ材料により構成されたクラッド基板76に貼りあわせて下部クラッド材14、分離用流路28、投光用光導波路32a、および受光用光導波路32bを形成することができる(図12(c))。ここで、クラッドシート72とクラッド基板76の貼りあわせは、超音波圧着や熱圧着、または接着剤等により行うことができる。
下部クラッド材14、投光用光導波路32a、受光用光導波路32b、上部クラッド材18、およびカバー部材20は、用途に応じて種々の材料により構成することができるが、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、下部クラッド材14および上部クラッド材18を構成する材料よりも屈折率の高い材料により構成することができる。たとえば、下部クラッド材14および上部クラッド材18は、屈折率が1.52程度のエポキシ樹脂により構成することができ、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、屈折率が1.54程度のエポキシ樹脂により構成することができる。また、下部クラッド材14、投光用光導波路32a、受光用光導波路32b、上部クラッド材18、およびカバー部材20は、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの屈折率が下部クラッド材14および上部クラッド材18の屈折率よりも大きいという条件を満たすものであれば、他の材料、たとえば、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート(PMMA:Polymethyl Methacrylate)などのアクリル樹脂、ポリエチレンやポリスチレンなどのポリオレフィン樹脂、あるいは合成ゴムにより構成されていてもよい。
下部クラッド材14および光導波路32を疎水性の材料により構成した場合、分離用流路28を形成した後に、適宜、親水性を付与するための表面処理を行うことができる。親水性を付与するための表面処理としては、たとえば、親水基をもつカップリング剤を分離用流路28の側壁に塗布することができる。親水基をもつカップリング剤としては、たとえばアミノ基を有するシランカップリング剤が挙げられ、具体的にはN−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が例示される。これらのカップリング剤は、スピンコート法、スプレー法、ディップ法、気相法等により塗布することができる。また、流路壁に試料の分子が粘着するのを防ぐために、分離用流路28に付着防止処理を行うことができる。付着防止処理としては、たとえば、細胞壁を構成するリン脂質に類似した構造を有する物質を分離用流路28の側壁に塗布することができる。このような処理により、試料がタンパク質等の生体成分である場合、成分の変性を防ぐことができると共に、分離用流路28における特定の成分の非特異吸着を抑制することができ、回収率を向上することができる。親水性処理および付着防止処理としては、たとえば、リピジュア(登録商標、日本油脂社製)を用いることができる。この場合、リピジュア(登録商標)を0.5wt%となるようにTBEバッファ等の緩衝液に溶解させ、この溶液で分離用流路28内を満たし、数分間放置することによって分離用流路28の内壁を処理することができる。この後、溶液をエアガン等で吹き飛ばして分離用流路28を乾燥させる。付着防止処理の他の例としては、たとえばフッ素樹脂を分離用流路28の側壁に塗布することができる。
図1に戻り、マイクロチップ10を使って試料中の成分を分離して検出する方法を説明する。試料中の成分の検出に先立ち、マイクロチップ10の投光用光導波路32aは、投光用光ファイバ42aを介して外部の光源と接続され、受光用光導波路32bは、受光用光ファイバ42bを介して外部の検出器と接続される。検出器としては、たとえば吸光光度計等、受光用光ファイバ42bを介して伝達される光の特性を検出可能な種々の装置を用いることができる。
まず試料を液溜め22aまたは液溜め22bに注入する。液溜め22aに注入した場合は、液溜め22bの方向へ試料が流れるように電圧を印加し、液溜め22bに注入した場合は、液溜め22aの方向へ試料が流れるように電圧を印加する。これにより、試料は投入用流路26へと流入し、結果的に投入用流路26の全体を満たす。この時、分離用流路28上では、試料は投入用流路26との交点にのみ存在する。
次に、液溜め22a、液溜め22bの間への電圧印加をやめ、液溜め23と液溜め24の間に、試料が液溜め24の方向へ流れるように電圧を印加する。これにより試料は分離用流路28を通過することになる。マイクロチップ10は、分離用流路28において、たとえばキャピラリー電気泳動の原理を利用して試料中の成分を分離することができる。これにより、分離用流路28を通過した試料は種々の成分のバンドに分離される。また、分離用流路28は、内部に、たとえばナノ加工技術により形成された多数の柱状体がー定の間隔で配設された構成とすることもできる。このように配設された柱状体の間隔を通る際の通りやすさは、分子のサイズ等にしたがって変化する。そのため、様々なサイズの分子を含む試料を多数の柱状体が配設された分離用流路28中に導くと、その大きさにしたがって、分離用流路28を通過する速度が異なり、それぞれ異なる速度で移動するバンドに分離される。バンドとは、試料中に含まれる各成分が細い幅の集団を形成したものを指す。
これらの分離されたバンドは、検出部30に至ると、光学的な方法で検出される。光学的な検出方法としては、たとえば可視・紫外線吸収スペクトル法(UVスペクトル)を用いることができる。たとえば、タンパク質は280nm付近に極大をもつ紫外吸収スペクトルを示し、DNAやRNAは260nm付近に極大をもつ紫外吸収スペクトルを示す。したがって、タンパク質、DNA、またはRNAを検出対象とする場合、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、UV透過性の材料により構成するのが好ましい。また、たとえばヘモグロビン等の色素タンパク質の場合、たとえば550nm付近に極大をもつ吸収スペクトルを示す。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、検出対象の成分の吸収スペクトルの極大値となる波長の光を透過する材料により構成することができる。検出部30において、投光用光導波路32aを介して外部の光源からの光が入射され、分離用流路28中の分離されたバンドを透過した光は受光用光導波路32bを介して外部の検出器に伝達される。これにより、外部の検出器において、分離されたバンドを透過した光の強度等の特性を検出することができる。既知の物質であれば、その物質の吸光係数を用いて、試料の吸光度から試料の濃度を検出することができる。分離されたバンドは、さらに、バンドごとに回収することができる。所望のバンドが検出部30を通過したことを目安に、液溜め23、液溜め24間への電圧印加をやめ、代わりに液溜め25aと液溜め25bの間に電圧を印加する。すると分離用流路28中と、回収用流路27の交差点に存在するバンドは、回収用流路27に流れこむ。液溜め25aと液溜め25bの間への電圧印加を一定時間の後に停止すると、液溜め25aまたは液溜め25bに、分離されたバンドに含まれる所望の成分が回収される。本実施の形態におけるマイクロチップ10は、電圧を印加することによって試料を移動させる方式を採用しているが、電圧の印加に代え、圧力を加える方式や毛細管現象により試料を移動させる方式を採用することもできる。
本実施の形態におけるマイクロチップ10は、様々な物質を検出・定量することに応用できるが、グルコース、アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルブミン、アルカリ性フォスファターゼ、アミラーゼ、カルシウムイオン、総コレステロール、過酸化脂質、クレアチニン、カリウムイオン、ビリルビン、総蛋白などの血液生化学検査;Hbs抗原・抗体、HCV抗体、HIV抗体などの免疫血清学的検査;CEA、CA19−9、PSA、CA−125などの腫瘍マーカーの分析への応用が例示される。
グルコースの検出の場合、分離用流路28の検出部30にグルコースオキシターゼ、ペルオキシダーゼ、ならびに4−アミノアンチピリンおよびN−エチル−N‐(2−ヒドロキシ‐3−スルホプロピル)−m−トルイジン・ナトリウム等の発色性の混合微粒子またはこれらを含有する乾燥試薬ビーズ等を導入しておくことにより、発色性の混合微粒子の発色に基づきグルコースの存在を確認することができる。この原理は以下のとおりである。検出部30において、水分を吸収してゲル化した上記試薬ビーズ内にグルコースが移行すると、グルコースはグルコースオキシダーゼの作用により過酸化水素とグルコン酸に分解される。分解された過酸化水素は、ペルオキシターゼの作用により、4−アミノアンチピリンおよびN‐エチル−N−(2‐ヒドロキシ‐3‐スルホプロピル)‐m−トルイジン・ナトリウムと反応し、キノン系色素が生成し、赤紫色に発色する。このキノン系色素の呈色を測定することにより、グルコースの定量が行える。本実施の形態におけるマイクロチップ10は、微細な構造に形成することができるので、微量の試料でも精度のよい測定をすることができる。
なお、上記の乾燥試薬ビーズは次のようにして作製することができる。まず賦形剤として、アガロースやポリアクリルアミド、メチルセルロースなどの吸水性ポリマーを含むゾルを調製する。こうしたゾルは時間とともに自然にゲル化する。このゾルと、所定量のグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリンおよびN−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン・ナトリウムを混合する。こうして得られたゾルを乾燥空気中に噴霧することにより液滴とする。当該液滴は落下中にゲル化し、乾燥するため、目的の乾燥試薬ビーズを得ることができる。
また、上記の乾燥試薬ビーズの作製方法として、次の方法を採用することもできる。フラスコなどの表面において、上記の試薬を含有するゾルをゲル化させた後、真空凍結乾燥させる。その結果、多数の空胞を有する固形物が得られる。この固形物は容易に粉砕でき、ビーズないしパウダーとすることが可能である。
次に、以上のようにして形成した乾燥試薬ビーズをマイクロチップ10に充填させる方法を説明する。まず、液溜め23から適量の吸水部材を挿入しておく。次いで、上記乾燥試薬ビーズおよび水の混合体を液溜め23から流し込む。当該乾燥試薬ビーズは、毛細管現象により分離用流路28中を液溜め24の方向への移動することにより充填される。当該乾燥試薬ビーズ中に含まれる水分は上記の吸水部材により吸収される。吸水部材による吸水が終了後、当該吸水部材を取り除き、マイクロチップ10を真空乾燥、減圧乾燥、または真空凍結乾燥等により乾燥し、乾燥試薬ビーズをマイクロチップ10の分離用流路28に充填することができる。また、たとえば試薬およびバインダを溶剤に溶解ないし均一に懸濁させ、その溶液ないし懸濁液を分離用流路28に流し込み、真空乾燥、減圧乾燥、または真空凍結乾燥等により乾燥させることにより発色性の混合微粒子をマイクロチップ10に充填することもできる。
また、試料中のHCV抗体を検出することを目的として、たとえば固層免疫定量法やELISA法(Enzyme−Linked immuno−sorbent Assay)を利用することができる。この場合、たとえばHCVの構造蛋白であるコア蛋白を分離用流路28の検出部30底面に付着させる。具体的には、バッファーに当該コア蛋白を分散させたものを分離用流路28に導入することにより、分離用流路28の底面に当該コア蛋白を付着させることができる。その後、当該コア蛋白を認識するHCV抗体が試料中に含まれるときは、当該抗体が上記コア蛋白と結合し、抗体−抗原複合体を形成する。ついで、バッファーを液溜め22aまたは液溜め22bより導入し、当該バッファーを分離用流路28内に流通させることにより分離用流路28内を洗浄する。そして上記HCV抗体を認識するポリクローナル抗体(二次抗体)を分離用流路28へ導入し、二次抗体を上記抗体−抗原複合体にさらに結合させ、再度分離用流路28内を上記と同様にして洗浄する。このとき、二次抗体に蛍光標識またはアルカリホスファターゼなどの酵素を結合させておくことにより、HCV抗原の高感度な検出が実現する。蛍光標識を二次抗体に結合させた場合は、ブラックライトなどで分離用流路28内を照射することにより、HCV抗体の存在を確認することができる。一方、アルカリホスファターゼを二次抗体に結合させた場合、p−ニトロフェニルフォスフェートなどの発色基質を分離用流路28へ導入すると、アルカリホスファターゼによる酵素反応が生じ、発色するため、これによりHCV抗体を検出することができる。
上記では、試料中に含まれる抗体の検出について、HCV抗体の例を用いて述べたが、試料中の特定の蛋白、たとえばHCVの構造蛋白であるコア蛋白を検出することを目的として、次のような手法を採用することもできる。HCVの構造蛋白であるコア蛋白のN末端の領域を認識するモノクローナル抗体(一次抗体)を分離用流路28の底面に結合させておく。液溜め22aまたは液溜め22bから試料を導入し、毛細管現象により分離用流路28へ移動させる。当該試料に上記コア蛋白が含まれているときは、一次抗体とコア蛋白とが抗体−抗原複合体を形成する。次いで、上記と同様にして分離用流路28内を洗浄する。そして上記コア蛋白のN末端以外の領域を認識するモノクローナル抗体(二次抗体)を分離用流路28へ導入し、二次抗体を上記抗体−抗原複合体にさらに結合させ、再度分離用流路28内を上記と同様にして洗浄する。このとき、二次抗体に蛍光標識またはアルカリホスファターゼなどの酵素を結合させておくことにより、上記HCV抗体の場合と同様の手法でHCV抗原についても高感度な検出が可能である。
<第二の実施の形態>
図2は、本発明の第二の実施の形態に係るマイクロチップを示す断面図である。本実施の形態において、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの形状が第一の実施の形態において図1(c)に示したものと異なる。
投光用光導波路32aを介して外部の光源から伝達された光が分離用流路28に入射すると、分離用流路28内で光が広がったり散乱したりするため、受光用光導波路32bに伝搬する光の量が減少してしまう。そのため、本実施の形態においては、分離用流路28との境界領域において、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、他の領域よりも幅広に形成された幅広部を有するように形成される。たとえば、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの他の領域の幅を約5μmとすることができ、分離用流路28との境界領域における幅を約10μmとすることができる。これにより、受光用光導波路32bに伝搬する光の量の減少を抑えることができ、外部の検出器に充分な量の光を伝達することができるので、試料中の成分をより精度よく検出することができる。
<第三の実施の形態>
図3は、本発明の第三の実施の形態に係るマイクロチップを示す模式図である。図3(a)は、マイクロチップ52の上面図を示す。図3(b)は、マイクロチップ52の上面断面図を示す。本実施の形態において、マイクロチップ52が二つの投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの組み合わせ、ならびに投光用光導波路34aおよび受光用光導波路34bの組み合わせを有する点で第一の実施の形態と異なる。投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32b、ならびに投光用光導波路34aおよび受光用光導波路34bは、それぞれ、分離用流路28を挟んで対向して設けられる。本実施の形態における構成により、分離用流路28の異なる位置を流れる試料を同時に分析することができる。たとえば、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの組み合わせ、または投光用光導波路34aおよび受光用光導波路34bの組み合わせのいずれか一方を参照用に用いることができる。これにより、同じ条件下で測定した参照データを用いて測定データの補正を行うことができるので、試料をより精度よく分析することができる。また、分離用流路28の異なる位置における試料を分析することにより、分離された各試料の移動速度を検出することができる。これにより、分離中の試料の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合であっても、各成分の流出時間を予見することができるので、目的の成分を確実に回収することができる。
本実施の形態においても、第二の実施の形態で示したように、分離用流路28との境界領域において、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32b、ならびに投光用光導波路34aおよび受光用光導波路34bは、他の領域よりも幅広に形成された幅広部を有するように形成することができる。
<第四の実施の形態>
図4は、本発明の第四の実施の形態に係るマイクロチップを示す断面模式図である。本実施の形態において、図1に示した第一の実施の形態と同様の構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。マイクロチップ54は、複数の投光用光導波路56を有する点、およびこれら複数の投光用光導波路56に分離用流路28を挟んで対向するように設けられた受光用光導波路58を有する点で第一の実施の形態と異なる。
本実施の形態において、複数の投光用光導波路56は、分離用流路28の試料進行方向に実質的に垂直な方向に、互いに所定の間隔を隔てて配置される。また、受光用光導波路58は、分離用流路28に沿って、分離用流路28の試料進行方向に実質的に平行な方向に配置される。本実施の形態において、投光用光導波路56の幅は約3μmに形成され、複数の投光用光導波路56は、それぞれ約6μmの間隔を隔てて配置される。受光用光導波路58の幅も約3μmに形成される。
各投光用光導波路56は、分離用流路28と接する一端56aとは異なる領域において、外部の光源からの光が入射可能に形成される。たとえば、本実施の形態においては、各投光用光導波路56は、分離用流路28と接する一端56aとは反対の他端56bから外部の光源の光を入射可能に形成される。外部の光源からの光は、直接、または光ファイバ等を介して間接的に光投光用光導波路56の他端56bから入射される。ここで、一つの外部の光源を走査することにより、複数の投光用光導波路56の各他端56bに光を順次入射することができる。また、複数の投光用光導波路56のそれぞれの他端56bに発光ダイオード(LED)を直接、または光ファイバ等を介して間接的に接続し、それらの発光ダイオードを順に発光させることにより、複数の投光用光導波路56の各他端56bに光を順次入射することができる。本実施の形態においては、一つの外部の光源からの光をフォーカスレンズ60でフォーカスして、当該外部の光源を走査することにより、複数の投光用光導波路56に順次光を入射する。受光用光導波路58は、外部の検出器に接続可能に構成される。たとえば、本実施の形態においては、受光用光導波路58の端部58aは、表面が鏡面加工された斜面状に形成される。これにより、受光用光導波路58中を伝達してきた光を端部58aにおいて上方に伝達することができ、第一の実施の形態で示したマイクロチップ10と同様に、マイクロチップ54の上方向から取り出すことができる。このような構成は、第一の実施の形態において図6および図13を用いて説明したのと同様にして形成することができる。
次に、マイクロチップ54を用いて試料の分離を行い、分離された試料に光を照射して試料を透過した光の強度を測定する方法を説明する。ここで、マイクロチップ10の受光用光導波路58は、図示しない外部の検出器に接続される。
第一の実施の形態において説明したのと同様、まず、液溜め22aおよび液溜め22bに試料を注入する。この試料は、それぞれ投入用流路26を通過し、投入用流路26および分離用流路28とが交差する箇所で、分離用流路28に導かれる。ここで、分離用流路28内の試料は、電圧の印加により液溜め24の方向に流動される。
続いて、図示したように、外部の光源からの光をフォーカスレンズ60でフォーカスして、各投光用光導波路56の他端56bに順次光が入射するように光を走査する。各投光用光導波路56の他端56bから入射した光は各投光用光導波路56を通り、一端56aから分離用流路28に入射する。分離用流路28を流れる試料を透過した光は受光用光導波路58を介して、受光用光導波路58の端部58aから外部の検出器に伝達される。これにより、外部の検出器において、分離用流路28を通る試料を透過した光の強度を検出することができる。ここで、各投光用光導波路56の他端56bに光を走査する速度は、分離用流路28中の試料の移動速度に比べて充分速くなるように設定される。光を走査する速度は、1m/秒〜10m/秒以上とすることができる。たとえば分離用流路28中の試料の移動速度は約100μm/秒程度であるので、光を走査する速度を1m/秒としても、分離用流路28中の試料の移動速度に比べて充分速い。そのため、試料が分離用流路28中のどの位置にあるかを検出することができる。この条件下において、外部の光源からの光を一回走査することにより、受光用光導波路58の端部58aから取り出された光は、略同時に測定されたものとして取り扱うことができる。したがって、外部の光源からの光を一回走査することにより、分離用流路28中を移動する試料の分離パターンを検知することができる。また、所定の時間間隔を隔てて外部の光源からの光を走査して試料を透過した光の強度を測定することにより、分離された各試料の移動速度を検出することもできる。また、試料中の成分の移動速度を検出することができるので、移動速度にも基づいて、試料中の各成分をより精度よく検出することができる。たとえば、試料とともに基準物質を導入しておき、その基準物質の移動速度と各成分との移動速度を比較することにより、各成分の検出を行うことができる。
図5は、時間t、および時間tから所定の時間経過後の時間tを開始時間として、外部の光源からの光を走査して各投光用光導波路56の他端56bに順次光を入射したときに得られた出力光の強度を示す図である。図中縦軸は光強度、横軸は外部の光源からの光の照射位置(時間)を示す。これにより、分離用流路28中のどの位置に試料があるかを略リアルタイムに検知することができる。ここで、たとえば時間tにおいて、分離用流路28中には試料中の成分a、bおよびcが分離していることがわかる。また、時間tにおいて、成分bおよびcの間隔が時間tにおける成分bおよびcの聞隔に比ベて開いていることがわかる。時間tおよび時間tにおける各成分a、bおよびcの位置の変化量と時間tおよび時間tの時聞間隔とから各成分の移動速度を検出することができる。このように、本実施の形態のマイクロチップ54によれば、分離用流路28を流れる試料の分離パターンおよび各試料の移動速度を検出することができるので、分離中の試料の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合であっても、各成分の流出時間を予見することができるので、目的の成分を確実に回収することができる。また、目的の物質の同定を精度よく行うことができる。
以上のように、本実施の形態によれば、分離中の試料の成分のピーク位置を検出するという従来の装置にはなかった機能を実現することができる。
また、マイクロチップ54は、図7に示したような構成とすることもできる。図7において、マイクロチップ54は、分離用流路28を隔てて複数の投光用光導波路56にそれぞれ対向して設けられた複数の受光用光導波路59を有する。複数の受光用光導波路59は、分離用流路28と接する領域とは反対側の端部において受光用光導波路58と光学的に接続される。また、この場合も受光用光導波路58は、図4に示したのと同様に端部58aから上方に光を取り出すことができるように形成される。これにより、図4に示したのと同様に、複数の投光用光導波路56のそれぞれから入射された光を集光して一つの出力として取り出すことができる。これにより、分離中の試料の成分の回収タイミングを検知することができる。特に未知の試料を分離・回収する場合であっても、各成分の流出時間を予見することができるので、目的の成分を確実に回収することができる。
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。これらの実施の形態は例示であり、その各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、そうした例を説明する。
以上の実施の形態において、投光用光導波路には光ファイバを介して外部の光源からの光が入射されるとしたが、たとえば第四の実施の形態で説明したように、投光用光導波路には光源からの光がフォーカスレンズを介して、または直接入射されるようにすることができる。また、実施の形態において、受光用光導波路からは光ファイバを介して外部の検出器に光が伝達されるとしたが、受光用光導波路からの光を伝達する手段は光ファイバに限られず、たとえば直接検出器により検出される構成としたり、他の手段を介して検出器に光が伝達される構成とすることができる。
また、図14および図18に示すように、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、側面で投光用光ファイバ42aおよび受光用光ファイバ42bに接続される構成とすることもできる。図14は、このような形態のマイクロチップ10およびコネクタ41の断面図である。図18は、このような形態のマイクロチップ10およびコネクタ41の上面図である。この場合、マイクロチップ10の投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは、それぞれ、コネクタ41を介して投光用光ファイバ42aおよび受光用光ファイバ42bに接続される。コネクタ41は、クラッド材43およびコア材45を含み、クラッド材43は、マイクロチップ10を収容可能な凹部を含むように形成することができる。また、コネクタ41は、マイクロチップ10をクラッド材43に形成された凹部に収容した際に、マイクロチップ10の投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bがそれぞれコア材45に接続されるように形成される。
コネクタ41および/または基板12には、コネクタ41を基板12に位置あわせするための位置あわせ部が形成される。位置あわせ部としては、種々の構成が挙げられるが、たとえば図18に示したように、基板12に凸部80a、80b、80c、および80dを形成することができる。また、コネクタ41に凸部を形成し、基板12にその凸部と係合する溝を形成することもできる。また、カバー部材20に、コネクタ41aを所定の位置に収容可能な切欠部を形成し、当該切欠部にコネクタ41を収容するようにすることもできる。
さらに、実施の形態においては、マイクロチップ10の分離用流路28が投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bの間に設けられるとしたが、図15(a)に示すように、投光用光導波路32aおよび受光用光導波路32bは一体の光導波路32として形成され、光導波路32が分離用流路28に接して設けられてもよい。この場合、光導波路32に導入された光が分離用流路28と接する領域において、分離用流路28中にエバネッセント波としてしみ出す。このエバネッセント波と分離用流路28中の試料との相互作用を検出することにより、試料中の成分を検出することができる。図15(b)は、図15(a)におけるC−C'断面図である。このように、この形態においても、光導波路32の端部は斜面状に形成され、その表面に反射層66が形成された構成とすることができる。これにより、基板12の上方向から入射した光を光導波路32中に伝達することができ、光導波路32を通過した光を再び基板12の上方向から取り出すことができる。
さらに、図16に示すように、光導波路32は、分離用流路28の下方に形成することもできる。この場合、光導波路32には基板12の側面から光が導入され、同様に、基板12の側面から光が取り出される。図16(b)は、図16(a)におけるD−D'断面図である。図16(c)は、図16(a)の投光用光導波路32cおよび受光用光導波路32dが形成された側面を示す図である。この例においても、光導波路32に導入された光が分離用流路28と接する領域において、分離用流路28中にエバネッセント波としてしみ出す。このエバネッセント波と分離用流路28中の試料との相互作用を検出することにより、試料中の成分を検出することができる。なお、投光用光導波路32cおよび受光用光導波路32dと、外部の光源および外部の検出器とは、図14に示したのと同様のコネクタ41を用いて光ファイバを介して接続することができる。
さらに、図17に示すように、マイクロチップ10は、分離用流路28および回収用流路27との間に、分離用流路28および回収用流路27に対して角度を有して設けられた検出用流路29を含むこともできる。この例においては、たとえば毛細管現象や圧力の印加により、液溜め23に導入された試料が液溜め24の方向に移動する。この場合、検出部30は検出用流路29に設けられる。
図17(a)に示すように、光導波路32は、検出用流路29に接して設けられる。この例においても、光導波路32に導入された光が検出用流路29と接する領域において、検出用流路29中にエバネッセント波としてしみ出す。このエバネッセント波と検出用流路29中の試料との相互作用を検出することにより、試料中の成分を検出することができる。光導波路32は、図17(b)に示すように、検出用流路29の下方に形成することもできる。図17(c)は、図17(b)に示したマイクロチップ10のD−D'断面図である。図17に示したような構成とすれば、たとえば図14に示したコネクタ41を用いることにより、光導波路32と投光用光ファイバ42aおよび受光用光ファイバ42bとを簡単に接続することができる。
光導波路が形成された基板は、実施の形態で説明したものに限られず、種々の方法で作製することができる。たとえば、石英系材料の場合、減圧CVD(LPCVD)、プラズマCVD法や、火炎堆積法、蒸着法、スパッタ法、ゾルゲル法、イオン拡散法等により作製することができる。
また、実施の形態において、マイクロチップは液溜め23と液溜め24との間に分離用流路28を有するとして説明したが、マイクロチップは、分離用に限られず、試料を移動させるだけのもの等、他の目的の流路を含むこともできる。
本発明の第一の実施の形態に係るマイクロチップを示す模式図である。 本発明の第二の実施の形態に係るマイクロチップを示す断面図である。 本発明の第三の実施の形態に係るマイクロチップを示す模式図である。 本発明の第四の実施の形態に係るマイクロチップを示す断面模式図である。 受光用光導波路から出力された光の強度を示す図である。 図1に示したマイクロチップの製造工程を示す図である。 図4に示したマイクロチップの変形例を示す図である。 従来の毛細管電気泳動装置を示す図である。 従来の濃度測定装置を示す図である。 マイクロチップの製造工程の一例を示す図である。 マイクロチップの製造工程の一例を示す図である。 マイクロチップの製造工程の一例を示す図である。 マイクロチップの光導波路の製造工程の一例を示す図である。 マイクロチップの構造の他の例を示す図である。 マイクロチップの構造の他の例を示す図である。 マイクロチップの構造の他の例を示す図である。 マイクロチップの構造の他の例を示す図である。 図14に示したマイクロチップの上面図である。 図1に示したマイクロチップの他の例を示す模式図である。
符号の説明
10 マイクロチップ
12 基板
14 下部クラッド材
18 上部クラッド材
20 カバー部材
21a 接続部
21b 接続部
22a 液溜め
22b 液溜め
23 液溜め
24 液溜め
25a 液溜め
25b 液溜め
26 投入用流路
27 回収用流路
28 分離用流路
29 検出用流路
30 検出部
31a 接続部
31b 接続部
32 光導波路
32a 投光用光導波路
32b 受光用光導波路
32c 投光用光導波路
32d 受光用光導波路
34a 投光用光導波路
34b 受光用光導波路
40a 光コネクタ
40b 光コネクタ
41 コネクタ
42a 投光用光ファイバ
42b 受光用光ファイバ
43 クラッド材
45 コア材
52 マイクロチップ
54 マイクロチップ
56 投光用光導波路
58 受光用光導波路
59 受光用光導波路
60 フォーカスレンズ
61 下地基板
62 コア層
64 コア層
66 反射層
70 溝部
71 コア材料
72 クラッドシート
74 開口部
76 クラッド基板
80a 凸部
80b 凸部
80c 凸部
80d 凸部

Claims (24)

  1. 基板と、
    前記基板に形成され、試料の通る流路と、
    前記基板に前記流路と交差するように形成され、前記流路に光を導く光導波路と、
    を含むことを特徴とするマイクロチップ。
  2. 前記流路は、前記光導波路を二つに分割するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載のマイクロチップ。
  3. 前記光導波路は、前記流路と交差する領域において、前記光導波路の他の領域よりも幅広に形成された幅広部を有することを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロチップ。
  4. 前記基板は、互いに間隔を隔てて形成された複数の前記光導波路を含み、前記流路は、前記複数の光導波路と交差することを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載のマイクロチップ。
  5. 基板と、
    前記基板に形成され、試料の通る流路と、
    前記基板に前記流路と接するように形成され、前記流路に光を導く光導波路と、
    を含むことを特徴とするマイクロチップ。
  6. 前記流路は、前記基板に形成された溝であることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載のマイクロチップ。
  7. 前記溝の深さが5μm以下であることを特徴とする請求項6に記載のマイクロチップ。
  8. 前記流路は、試料を分離する分離領域と、前記分離領域で分離された試料を検出する検出部とを含み、前記検出部において、前記光導波路から前記流路に前記光が導かれることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載のマイクロチップ。
  9. 前記光導波路の一方の端部から光が導入され、前記流路を通過した光が前記光導波路の他方の端部から出力されるように構成されたことを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載のマイクロチップ。
  10. 前記光導波路は、端部において、光ファイバと接続可能に形成されたことを特徴とする請求項1乃至9いずれかに記載のマイクロチップ。
  11. 前記光導波路はクラッド材で周囲を覆われたコア材により構成されたことを特徴とする請求項1乃至10いずれかに記載のマイクロチップ。
  12. 試料の通る流路と、前記流路を隔てた一方側において、それぞれ前記流路の異なる位置に光を導入する複数の投光用光導波路と、前記流路を隔てた他方側において、前記流路を通過した光を集光して出力する受光用光導波路と、が形成された基板を含むことを特徴とするマイクロチップ。
  13. 前記複数の投光用光導波路は、互いに所定の間隔を隔てて略平行となるように設けられたことを特徴とする請求項12に記載のマイクロチップ。
  14. 前記受光用光導波路は、前記流路に沿って形成されたことを特徴とする請求項12または13に記載のマイクロチップ。
  15. 光導波路が形成された基板に、前記光導波路と交差する流路を形成する工程を含むことを特徴とするマイクロチップの製造方法。
  16. 前記流路を形成する工程において、前記光導波路を分割するように前記流路を形成することを特徴とする請求項15に記載のマイクロチップの製造方法。
  17. 光導波路が形成された基板に、前記光導波路と接する流路を形成する工程を含むことを特徴とするマイクロチップの製造方法。
  18. 前記基板の前記流路が形成された領域を、前記光導波路を構成する材料よりも屈折率の低い材料により覆う工程をさらに含むことを特徴とする請求項15乃至17いずれかに記載のマイクロチップの製造方法。
  19. コア材の周囲をクラッド材で覆うことにより前記光導波路を形成する工程と、
    前記基板の前記流路が形成された領域を前記クラッド材と実質的に屈折率が等しい材料により覆う工程と、
    をさらに含むことを特徴とする請求項15乃至18いずれかに記載のマイクロチップの製造方法。
  20. 互いに間隔を隔てて配置された複数の光導波路と、前記複数の光導波路と交差する流路とが形成された基板を含むマイクロチップを用いて試料中の成分を検出する方法であって、
    前記流路に試料を流すステップと、
    前記複数の光導波路の前記流路を隔てた一方側から前記流路に略同時に光を入射するステップと、
    前記流路を通過した光を、前記光が通過した流路の位置に対応付けて、前記複数の光導波路の前記流路を隔てた他方側から取り出すステップと、
    取り出された前記光の特性および前記流路の位置に基づき、前記流路を流れる前記試料中の成分を検出するステップと、
    を含むことを特徴とする成分検出方法。
  21. 前記光を入射するステップにおいて、前記試料が前記流路を流れる速度よりも速い速度で前記流路の試料進行方向に前記光を走査して、当該光を前記複数の光導波路の前記一方側から前記流路に順次入射することを特徴とする請求項20に記載の成分検出方法。
  22. 前記光を取り出すステップにおいて、前記流路を通過した光を集光して順次取り出すことを特徴とする請求項20または21に記載の成分検出方法。
  23. 前記試料を分析するステップにおいて、前記流路の異なる位置における前記光の強度の一つを参照データとして用いることを特徴とする請求項20乃至22いずれかに記載の成分検出方法。
  24. 前記光を入射するステップと前記光を取り出すステップとを所定時間間隔で複数回繰り返し、前記分析するステップにおいて、前記時間間隔に基づいて、前記流路を通る試料の移動速度を検出することを特徴とする請求項20乃至23いずれかに記載の成分検出方法。
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