JP4765490B2 - 火花点火内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、火花点火内燃機関に関する。
均質混合気を火花点火する均質燃焼又は点火プラグ近傍の可燃混合気を火花点火する成層燃焼を実施する火花点火内燃機関が公知である。成層燃焼に際しては、一般的に、圧縮行程後半に噴射された燃料により点火時期において点火プラグ近傍だけに可燃混合気が形成される。可燃混合気の形成に際して、噴射燃料をタンブル流及びスキッシュ流によって点火プラグ近傍に集中させることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−210472 特開2003−214167 特開平6−42352
一般的に、火花点火内燃機関において、点火プラグは気筒上部に位置しており、均質燃焼時の均質混合気又は成層燃焼時の可燃混合気のいずれにおいても、点火時期において点火プラグの点火ギャップは混合気周囲部に位置しており、混合気周囲部から燃焼が開始されて火炎が混合気を横断しては反対側の周囲部まで伝播しなければ燃焼が完了せず、燃焼速度をそれほど速くすることはできない。
従って、本発明の目的は、均質燃焼及び成層燃焼に係わらずに、気筒内に形成された混合気の燃焼速度を速めることができる火花点火内燃機関を提供することである。
本発明による請求項1に記載の火花点火内燃機関は、気筒上部に配置された点火プラグを具備し、気筒内の気流として、点火時期において発生したスキッシュ流とタンブル流とが合流して気筒内中央部へ向かって進行し、前記点火プラグの前記点火ギャップは中心電極と他方電極との間に形成され、前記他方電極は略L字形断面を有し、前記点火ギャップは三方向の開口を有し、前記点火プラグの前記他方電極は、前記点火プラグの中心軸線と略平行な平行面と略垂直な垂直面とを有し、前記点火プラグは、前記気流が前記他方電極の前記平行面及び前記垂直面と略平行に前記点火ギャップを通過するように配置され、前記点火プラグの前記点火ギャップにおいて発生させたアークを気筒内に形成されている混合気の中央部へ伸ばすようになっていることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、前記スキッシュ流が強くなる機関運転状態ほど前記点火プラグにおける点火エネルギを大きくすることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、吸気通路内に吸気流制御弁を具備し、前記吸気流制御弁の開度を制御し、機関回転数に応じて変化する前記スキッシュ流の強さに対応させて前記タンブル流を強めることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項に記載の火花点火内燃機関において、吸気不足が発生する時には前記吸気流制御弁の開度を増加させることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁により噴射される燃料により、機関回転数に応じて変化する前記スキッシュ流の強さに対応させて前記タンブル流を強めることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項に記載の火花点火内燃機関において、前記燃料は、設定回転数となるまでは機関回転数が高くなるほど前記タンブル流を大きく強め、前記設定回転数を超えると機関回転数が高くなるほど前記タンブル流を小さく強めることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項に記載の火花点火内燃機関において、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、吸気不足により前記吸気流制御弁の開度を増加させた時には、前記燃料噴射弁により噴射される燃料により、機関回転数に応じて変化する前記スキッシュ流の強さに対応させて前記タンブル流を強めることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項5から7のいずれか一項に記載の火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁により吸気下死点近傍において噴射される燃料により前記タンブル流を強めることを特徴とする。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関は、請求項に記載の火花点火内燃機関において、吸気下死点近傍において噴射される前記燃料は機関回転数が高いほど噴射時期が進角されることを特徴とする。
本発明による請求項10に記載の火花点火内燃機関は、請求項に記載の火花点火内燃機関において、前記燃料により前記タンブル流を強めることができない時及び前記タンブル流を強める必要がない時には、吸気下死点近傍及び吸気及び圧縮上死点近傍以外で燃料を噴射することを特徴とする。
本発明による請求項11に記載の火花点火内燃機関は、請求項5から7のいずれか一項に記載の火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁により圧縮上死点近傍において噴射される燃料により前記タンブル流を強めることを特徴とする。
本発明による請求項12に記載の火花点火内燃機関は、請求項11に記載の火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁は、圧縮上死点近傍以外においても気筒内へ燃料を噴射することを特徴とする。
本発明による請求項13に記載の火花点火内燃機関は、請求項12に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍以外の燃料の噴射時期は吸気下死点近傍であることを特徴とする。
本発明による請求項14に記載の火花点火内燃機関は、請求項12に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍以外の燃料の噴射時期は吸気下死点近傍以外であることを特徴とする。
本発明による請求項15に記載の火花点火内燃機関は、請求項12に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍の燃料噴射割合が大きくされるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする。
本発明による請求項16に記載の火花点火内燃機関は、請求項15に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、前記燃料噴射割合が決定されることを特徴とする。
本発明による請求項17に記載の火花点火内燃機関は、請求項11に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍の噴射時期が遅角されるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする。
本発明による請求項18に記載の火花点火内燃機関は、請求項17に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、圧縮上死点近傍の前記噴射時期が決定されることを特徴とする。
本発明による請求項19に記載の火花点火内燃機関は、請求項8又は11に記載の火花点火内燃機関において、燃料噴射方向が前記タンブル流を最も効率的に強める燃料噴射方向に近づけられるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする。
本発明による請求項20に記載の火花点火内燃機関は、請求項19に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、前記燃料噴射方向が決定されることを特徴とする。
本発明による請求項21に記載の火花点火内燃機関は、請求項8又は11に記載の火花点火内燃機関において、燃料噴射率が高められるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする。
本発明による請求項22に記載の火花点火内燃機関は、請求項21に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、前記燃料噴射率が決定されることを特徴とする。
本発明による請求項23に記載の火花点火内燃機関は、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、ピストン頂面には前記タンブル流の減衰を抑制するためのキャビティが形成され、前記キャビティは、タンブル流の流入側が流出側に比較して浅くされていることを特徴とする。
本発明による請求項1に記載の火花点火内燃機関によれば、気筒内の気流として、点火時期において発生したスキッシュ流とタンブル流とが合流して気筒内中央部へ向かって進行し、点火ギャップにおいて発生させたアークを気筒内に形成されている混合気の中央部へ伸ばすようになっているために、点火プラグが気筒上部に配置されていても、混合気の中央部が最初に燃焼して、この火炎が未燃の混合気の周囲部へ伝播されて燃焼が完了するために、混合気周囲部から燃焼が開始されて火炎が混合気を横断する一般的な場合に比較して、燃焼速度が速められ均質燃焼及び成層燃焼に係わらずに良好な燃焼を実現することができる。
た、スキッシュ流とタンブル流とを合流させることにより、スキッシュ流が気筒内中央部へ向かわない場合にも、気筒内中央部へ向かう気流を発生させることができ、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
また、点火プラグの他方電極は略L字形断面を有し、点火プラグの点火ギャップは三方向の開口を有し、点火プラグの他方電極は、点火プラグの中心軸線と略平行な平行面と略垂直な垂直面とを有し、点火プラグは、気流が他方電極の平行面及び垂直面と略平行に点火ギャップを通過するように配置されているために、アークは他方電極に関係なく自由に気流の下流側へ伸びることができる。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、スキッシュ流が強くなる機関運転状態ほど点火プラグにおける点火エネルギを大きくするようになっており、それにより、点火プラグの点火ギャップを通過する気流が強まってもアークが吹き消えるようなことはない。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、吸気通路内に吸気流制御弁を具備し、吸気流制御弁の開度を制御し、機関回転数に応じて変化するスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めるようになっている。機関回転数が高まるほどスキッシュ流は強められるが、タンブル流はそれほど強められない。それにより、吸気流制御弁の開度を制御してスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることにより、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項に記載の火花点火内燃機関において、吸気不足が発生する時には吸気流制御弁の開度を増加させるようになっている。それにより、吸気不足を解消することができる。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、燃料噴射弁により噴射される燃料により、機関回転数に応じて変化するスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めるようになっている。機関回転数が高まるほどスキッシュ流は強められるが、タンブル流はそれほど強められない。それにより、燃料噴射弁により噴射される燃料によりスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることにより、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項に記載の火花点火内燃機関において、噴射燃料は、設定回転数となるまでは機関回転数が高くなるほどタンブル流を大きく強め、設定回転数を超えると機関回転数が高くなるほどタンブル流を小さく強めるようになっている。機関回転数が設定回転数を超えると、吸気量が多くなってタンブル流が徐々にスキッシュ流と同様に強められるようになるために、設定回転数を超える時には機関回転数が高くなるほどタンブル流を小さく強めることにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流が強められ、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項に記載の火花点火内燃機関において、気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、吸気不足により吸気流制御弁の開度を増加させた時には、燃料噴射弁により噴射される燃料により、機関回転数に応じて変化するスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めるようになっている。それにより、吸気不足によって吸気流制御弁の開度を増加させると、タンブル流を強めることができないが、この時には燃料噴射弁により噴射される燃料によりスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流が強められ、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項5から7のいずれか一項に記載の火花点火内燃機関において、燃料噴射弁により吸気下死点近傍において噴射される燃料の慣性力を付勢力として、最も強い状態で気筒内を大きく旋回するタンブル流を強めるようにしている。
本発明による請求項に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項に記載の火花点火内燃機関において、吸気下死点近傍において噴射される燃料は機関回転数が高いほど噴射時期が進角されるようになっている。機関回転数が高いほどピストンの移動速度が上昇するために、意図するピストン位置においてタンブル流を噴射燃料により強めるためには、機関回転数が高いほど噴射時期を進角することが必要となる。
本発明による請求項10に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項に記載の火花点火内燃機関において、噴射燃料によりタンブル流を強めることができない時及びタンブル流を強める必要がない時には、吸気下死点近傍及び吸気及び圧縮上死点近傍以外で燃料を噴射するようになっている。それにより、不必要に吸気下死点近傍において燃料が噴射されて、シリンダボアへの燃料付着によりエンジンオイルが希釈したり、また、ピストン頂面のスキッシュを形成するためのスキッシュエリアへの燃料付着によりデボジットが堆積してスキッシュの発生を阻害したりすることは防止される。また、吸気及び圧縮上死点近傍において噴射された燃料がピストンにより跳ね返って、シリンダヘッド側のスキッシュエリアに付着してそこにデポジットが堆積することも防止される。
本発明による請求項11に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項5から7のいずれか一項に記載の火花点火内燃機関において、燃料噴射弁により圧縮上死点近傍において噴射される燃料の慣性力を付勢力として大きく減衰しているタンブル流をスキッシュ流との合流直前に強めるようになっている。
本発明による請求項12に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項11に記載の火花点火内燃機関において、前記燃料噴射弁は、圧縮上死点近傍以外においても気筒内へ燃料を噴射するようになっており、本発明による請求項13に記載の火花点火内燃機関によれば、圧縮上死点近傍以外の燃料の噴射時期は吸気下死点近傍とされる。それにより、吸気下死点近傍の噴射燃料の慣性力を付勢力として、最も強い状態で気筒内を大きく旋回するタンブル流を強めることができる。
本発明による請求項14に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項12に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍以外の燃料の噴射時期は吸気下死点近傍以外とされる。それにより、吸気下死点近傍において燃料が噴射されて、シリンダボアへの燃料付着によりエンジンオイルが希釈したり、また、ピストン頂面のスキッシュを形成するためのスキッシュエリアへの燃料付着によりデボジットが堆積してスキッシュの発生を阻害したりすることは防止される。
本発明による請求項15に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項12に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍の燃料噴射割合が大きくされるほど圧縮上死点近傍の燃料噴射量が増加され、タンブル流はより強められるようになっている。それにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めて、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項16に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項15に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、燃料噴射割合が決定されるようになっている。それにより、内燃機関毎のばらつきが考慮されて決定された燃料噴射割合で噴射された燃料により、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流が確実に強められ、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項17に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項11に記載の火花点火内燃機関において、圧縮上死点近傍の噴射時期が遅角されるほどタンブル流が強められてからスキッシュ流との合流までの時間が短くなり、合流時におけるタンブル流をより強くすることができる。それにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めて、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項18に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項17に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、圧縮上死点近傍の噴射時期が決定されるようになっている。それにより、内燃機関毎のばらつきが考慮されて決定された噴射時期で噴射された燃料により、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流が確実に強められ、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項19に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項8又は11に記載の火花点火内燃機関において、燃料噴射方向がタンブル流を最も効率的に強める燃料噴射方向に近づけられるほどタンブル流はより強められ、それにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めて、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項20に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項19に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、燃料噴射方向が決定されるようになっている。それにより、内燃機関毎のばらつきが考慮されて決定された燃料噴射方向で噴射された燃料により、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流が確実に強められ、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項21に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項8又は11に記載の火花点火内燃機関において、燃料噴射率が高められるほど噴射燃料の付勢力が高められ、タンブル流をより強めることができる。それにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めて、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項22に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項21に記載の火花点火内燃機関において、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、燃料噴射率が決定されるようになっている。それにより、内燃機関毎のばらつきが考慮されて決定された燃料噴射率で噴射された燃料により、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流が確実に強められ、合流する気流の進行方向を一定としてアークを混合気の中央部へ伸ばすことができる。
本発明による請求項23に記載の火花点火内燃機関によれば、請求項1に記載の火花点火内燃機関において、ピストン頂面にはタンブル流の減衰を抑制するためのキャビティが形成され、前記キャビティは、タンブル流の流入側が流出側に比較して浅くされている。それにより、キャビティの容積を小さくして圧縮比を高くすることができる。
図1は本発明による火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図であり、図2はピストン側から見たシリンダヘッドの底面図である。図1及び2において、1は気筒上部略中心に配置されて気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁であり、2は気筒上部に配置された点火プラグである。3は一対の吸気弁、4は一対の排気弁である。吸気弁3に比較して排気弁4の方が小さく、点火プラグ2は二つの排気弁4の間のスペースに配置されている。5はピストンである。
燃料噴射弁1は吸気行程で燃料を噴射し、点火時期において気筒内に均質混合気が形成される。6はシリンダヘッドの排気弁4側に設けられたスキッシュエリアであり、圧縮行程末期の点火時期において、これに対向するピストン側のスキッシュエリア6’に接近することにより、一点鎖線で示すスキッシュ流Sが排気弁4側から吸気弁3側へ向かって発生するようになっている。
一般的に、点火プラグは気筒上部に配置され、それほど気筒内へ突出させることはできない。それにより、点火プラグの点火ギャップは、気筒内全体に形成された均質混合気の周囲部内に位置して、均質混合気の周囲部から燃焼が開始される。こうして、周囲部で発生した火炎が均質混合気を横断して反対側の周囲部まで伝播しないと燃焼が完了せず、燃焼速度をそれほど速くすることはできない。
本実施形態においては、図1に示すように、点火時期において発生するスキッシュ流Sが気筒内中央部(三次元的な中央部)へ向かって進行し、点火ギャップにおいて発生させたアークAを気筒内に形成されている均質混合気の中央部へ伸ばすようになっている。それにより、均質混合気の中央部が最初に燃焼して、この火炎が放射状に未燃の混合気の周囲部へ伝播されて燃焼が完了するために、燃焼速度が速められた良好な均質燃焼を実現することができる。
図3は本発明による火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図であり、前述の第一実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の火花点火内燃機関は、ペントルーフ形状のシリンダヘッド側の凹部の容積が大きく、スキッシュ流Sがそのままでは、点火時期の気筒内空間における軸線方向中央に対してピストン5側を進行し、気筒内中央部へ向かっては進行しないようになっている。
それにより、本実施形態では、吸気行程において吸気弁3側を下降して排気弁3側を上昇するタンブル流Tを形成し、このタンブル流Tを圧縮行程末期まで持続させて、点火時期において発生するスキッシュ流Sと合流させることにより、図3に示すように、気筒内中央部へ向かう気流を発生させる。
この気流によって、点火ギャップにおいて発生させたアークAは気筒内に形成されている均質混合気の中央部へ伸ばされ、第一実施形態と同様に、燃焼速度の速い良好な均質燃焼を実現することが可能となる。
図4は本発明による火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図であり、前述の第二実施形態との違いについてのみ以下に説明する。本実施形態の火花点火内燃機関は、ピストン5’の頂面にキャビティ5a’が形成されており、スキッシュ流Sがそのままでは、点火時期の気筒内空間における軸線方向中央に対してシリンダヘッド側を進行し、気筒内中央部へ向かって進行しないようになっている。キャビティ5a’は、タンブル流T’の流入側が流出側に比較して浅くされている。このようなキャビティ5a’の形状でも吸気行程において生成されたタンブル流のピストン頂面での抵抗を低減し、圧縮行程末期までタンブル流を持続させることができる。また、タンブル流の流入側も流出側と同様に深くしたキャビティに比較して、キャビティの容積は小さくなり、圧縮比を高くすることができる。
それにより、本実施形態では、吸気行程において排気弁4側を下降して吸気弁3側を上昇するタンブル流T’(第二実施形態のタンブル流Tとは旋回方向が逆である)を形成し、このタンブル流T’を圧縮行程末期まで持続させて、点火時期において発生するスキッシュ流Sと合流させることにより、図4に示すように、気筒内中央部へ向かう気流を発生させる。
この気流によって、点火ギャップにおいて発生させたアークAは気筒内に形成されている均質混合気の中央部へ伸ばされ、第一実施形態と同様に、燃焼速度の速い良好な均質燃焼を実現することが可能となる。
図5は点火プラグ2の正面図であり、図6は図5の側面図である。これらの図に示すように、点火プラグ2の先端には、中心軸線上の中心電極2aと、中心電極2aとの間に点火ギャップ2bを形成する他方電極2cとが設けられている。一般的には、他方電極は接地電極であるが、中心電極が接地電極となることもある。他方電極は、点火プラグ2の中心軸線と略平行な平行部21cと、略垂直な垂直部22cとを有し、図6に示すように略L字形断面形状を有している。
こうして、点火プラグ2の点火ギャップ2bは、他方電極2cの平行部21c及び垂直部22cにより二方向が閉鎖されるが、三方向の開口を有している。これらのうちの一つの開口は、正面開口21bであり、他方電極2cの平行部21cに垂直な方向の開口である。また、これらのうちの残り二つの開口は、側面開口22b及び23bであり、他方電極2cの平行部21cに平行な方向の開口であり、互いに対向している。
このような点火プラグ2の一般的な構成において、点火ギャップ2bにおいて発生させたアークを気流によって気流の下流側へ伸ばすためには、気流が点火プラグ2の点火ギャップ2bの三つの開口のうちの互いに対向する二つの側面開口22b及び23bを通って、点火ギャップ2bを通過することが好ましい。特に、前述した三つの実施形態において、点火プラグ2は、スキッシュ流Sが他方電極2cの平行面21c及び垂直面22cと略平行に点火ギャップ2bを通過するように配置されている(図1、図3、及び図4の点火プラグ2の他方電極の向きは図5と同じである)ために、アークAは他方電極2cに邪魔されることなく自由にスキッシュ流(偏向されてもされなくても)の下流側へ伸びることができる。
第二及び第三実施形態において、タンブル流との合流以前のスキッシュ流Sが点火プラグ2の点火ギャップ2bを通過するようにしたが、第三実施形態において、図7に示すように、スキッシュ流Sとの合流以前のタンブル流T’が二つの側面開口22b及び23bを通って点火ギャップ2bを通過するように、点火プラグ2を配置するようにしても良い。また、第二及び第三実施形態において、スキッシュ流Sとタンブル流T又はT’との合流部に点火ギャップ2bが位置するように、点火プラグ2を配置するようにしても良い。
ところで、一般的に、機関回転数が高くなるほど、点火時期において発生するスキッシュ流Sは強くなる。それにより、点火時期において、常に同じ点火エネルギしか提供されないのでは、高回転時において、非常に強いスキッシュ流Sによって点火ギャップ2bで発生させたアークAは吹き消されて失火することがある。それにより、スキッシュ流が強くなる機関運転状態ほど点火プラグ2における点火エネルギを大きくすることが好ましい。
前述したように、機関回転数が高くなるほど、図8に実線で示すように、スキッシュ流は強くなる。一方、スキッシュ流との合流直前のタンブル流T及びT’も機関回転数が高くなるほど強くなるが、図8に点線で示すように、スキッシュ流に比較して、それほどは強められない。それにより、このままでは、スキッシュ流とタンブル流とを合流させる第二及び第三実施形態において、機関回転数によっては、強められたスキッシュ流に対応してタンブル流は強められず、合流させた気流を意図するように気筒内中央部へ進行させることができなくなる。
ここで、図8におけるスキッシュ流の強さ及びタンブル流の強さはそれぞれにスケールを有しており、両者が一致してもスキッシュ流の強さとタンブル流の強さが数値的に一致しているとは限らないが、この時には、スキッシュ流とタンブル流とが合流して意図するように気筒中央部へ進行することを意味している。すなわち、各機関回転数において、スキッシュ流とタンブル流とが合流して意図するように気筒中央部へ進行するようにするためには、図8において、点線で示すタンブル流の強さが、実線で示すスキッシュ流の強さに重なるように、各機関回転数においてタンブル流を強めることが好ましいこととなる。
例えば、吸気通路内に吸気流制御弁が設けられていれば、この吸気流制御弁の開度を小さくすることにより、吸気を吸気ポート上壁に沿わせて気筒内へ流入させ、タンブル流を強めることができる。それにより、吸気流制御弁の開度を制御し、機関回転数に応じて変化するスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めるようにすれば良い。こうして、機関回転数に係わらずに、スキッシュ流とタンブル流との合流後の気流の進行方向がほぼ一定となり、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
ここで、図8に示すように、設定回転数N2までは、機関回転数が高いほどスキッシュ流に比較してタンブル流は大きく強められるが、設定回転数N2を超えると、吸気量が多くなるために、機関回転数が高いほどタンブル流に比較してスキッシュ流は大きく強められる。それにより、タンブル流とスキッシュ流とがそれぞれほぼ同じ割合で強められるように、設定回転数N2までは、機関回転数が高くなるほど吸気流制御弁の開度は徐々に小さくされ、設定回転数N2を超えると、機関回転数が高くなるほど吸気流制御弁の開度は徐々に大きくされる。しかしながら、設定回転数N2までにおいて、機関回転数が高くなるほど吸気量が多くなるにも係わらずに、吸気流制御弁の開度が小さくされるために、吸気不足が発生することがあり、この時には、吸気流制御弁の開度を大きくすることが好ましい。
吸気流制御弁以外によりタンブル流を強める手段として、燃料噴射弁1から気筒内へ直接的に噴射される燃料の慣性力を利用することができる。すなわち、燃料の慣性力をタンブル流を強める付勢力として利用するのである。こうして、燃料噴射弁により噴射される燃料によりスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることにより、機関回転数に係わらずに、スキッシュ流とタンブル流との合流後の気流の進行方向がほぼ一定となり、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
ここで、吸気流制御弁において説明したと同様に、設定回転数N2までは、機関回転数が高くなるほど噴射燃料によりタンブル流を大きく強め、設定回転数N2を超えると、機関回転数が高くなるほど噴射燃料によりタンブル流を小さく強めることとなる。
吸気不足により吸気流制御弁の開度を増加させた時には、吸気流制御弁によっては意図するようにタンブル流を強めることができなくなるために、この時に噴射燃料により機関回転数に応じて変化するスキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めるようにしても良い。
ところで、噴射燃料によりタンブル流を強めるには、図9に示すように、吸気下死点近傍においてタンブル流が気筒内を最も強く大きく旋回している時が好ましい。すなわち、吸気下死点近傍において、実線矢印で示すように、タンブル流T’の旋回方向にタンブル流T’に合流するように燃料を噴射してタンブル流T’を強めることが好ましい。
吸気下死点近傍での噴射燃料によりタンブル流を強めるためには、機関回転数が高いほどピストンの移動速度が速まるために、意図するピストン位置においてタンブル流を噴射燃料により強めるためには、機関回転数が高いほど噴射時期を進角することが好ましい。
吸気下死点近傍において燃料を噴射すると、噴射燃料の一部がシリンダボアに付着してエンジンオイルを希釈させることがある。また、ピストン頂面のスキッシュエリア6’に燃料が付着すると、スキッシュエリアにデボジットが堆積して、スキッシュの発生に悪影響を与えることがある。それにより、図8に示すように、設定回転数N1より低い回転数では、スキッシュ流は殆ど強められず、この時には、タンブル流を強める必要がないために、吸気下死点近傍以外の燃料噴射時期において燃料を噴射することが好ましい。
また、各機関回転数において、吸気下死点近傍ではタンブル流は最も強くなる。それにより、所定回転数を超えると、吸気下死点近傍でのタンブル流を、噴射燃料により強めることはできなくなり、それにより、所定回転数を超える時には、吸気下死点近傍において燃料を噴射しても意味はなく、この時にも吸気下死点近傍以外において燃料を噴射することが好ましい。
吸気下死点近傍以外の燃料噴射時期として、吸気及び圧縮上死点近傍で燃料を噴射すると、燃料噴射弁1からピストン頂面までの距離が短いために、噴射燃料がピストン頂面に衝突して跳ね返り、これがシリンダヘッドのスキッシュエリア6に付着すると、スキッシュエリア6にデボジットが堆積して、スキッシュの発生に悪影響を与えることがある。それにより、噴射燃料によりタンブル流を強めることができない時及びタンブル流を強める必要がない時には、吸気下死点近傍及び吸気及び圧縮上死点近傍以外で燃料を噴射するようにすることが好ましい。
また、噴射燃料によりタンブル流を強めるには、図10に示すように、圧縮上死点近傍においてタンブル流T’が大きく減衰している時も好ましい。すなわち、圧縮上死点近傍において、実線矢印で示すように、タンブル流T’の旋回方向にタンブル流T’に合流するように燃料を噴射してタンブル流T’を強めることが好ましい。こうして、タンブル流T’は、燃料の慣性力を付勢力としてスキッシュ流との合流直前に強められる。
しかしながら、圧縮上死点近傍において、現在の運転状態に対して必要な燃料の全てを噴射すると、点火までに全ての燃料を十分に気化させることができないことがある。それにより、必要燃料量の一部を圧縮上死点近傍以外で噴射し、必要燃料量の残りを圧縮上死点近傍で噴射することが好ましい。必要燃料量の残りを吸気下死点近傍において噴射して、前述したようにタンブル流を強めるようにしても良い。また、エンジンオイルの希釈及びピストン側のスキッシュエリア6’へのデポジットの付着を抑制するために、必要燃料量の残りは、前述同様に、吸気下死点近傍以外に噴射されるようにしても良い。
圧縮上死点近傍の燃料噴射割合(必要燃料量に対する圧縮上死点近傍での燃料噴射量)が大きくされるほど圧縮上死点近傍の燃料噴射量が増加され、タンブル流をより強めることができる。それにより、これを利用して、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることにより、機関回転数に係わらずに、スキッシュ流とタンブル流との合流後の気流の進行方向がほぼ一定となり、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
また、圧縮上死点近傍の噴射時期が遅角されるほどタンブル流が強められてからスキッシュ流との合流までの時間が短くなり、合流時におけるタンブル流をより強くすることができる。それにより、これを利用して、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることにより、機関回転数に係わらずに、スキッシュ流とタンブル流との合流後の気流の進行方向がほぼ一定となり、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
また、圧縮上死点近傍での燃料噴射及び前述の吸気下死点近傍での燃料噴射においては、燃料噴射方向がタンブル流を最も効率的に強める燃料噴射方向に近づけられるほどタンブル流をより強くすることができる。例えば、軸線方向に噴射方向の異なる複数の噴孔を形成し、弁体のリフト位置を変化させることにより燃料が噴射される噴孔を選択可能な燃料噴射弁を使用すれば、燃料噴射方向を変化させることができる。こうして燃料噴射方向を変化させることにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることができ、機関回転数に係わらずに、スキッシュ流とタンブル流との合流後の気流の進行方向がほぼ一定となり、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
また、圧縮上死点近傍での燃料噴射及び前述の吸気下死点近傍での燃料噴射において、燃料噴射率が高められるほど噴射燃料の付勢力が高められ、タンブル流をより強めることができる。それにより、例えば、蓄圧室の燃料圧を変化させて燃料噴射率を変化させることにより、スキッシュ流の強さに対応させてタンブル流を強めることができ、機関回転数に係わらずに、スキッシュ流とタンブル流との合流後の気流の進行方向がほぼ一定となり、アークを混合気の中央部へ伸ばすことが可能となる。
こうして、吸気下死点近傍の燃料噴射又は圧縮上死点近傍の燃料噴射により、スキッシュ流とタンブル流とを合流させて気流の進行方向をほぼ一定とするために、機関回転数に応じてタンブル流が強められる。そのためには、前述したように、吸気下死点近傍の燃料噴射における燃料噴射方向又は燃料噴射率や、圧縮上死点近傍の燃料噴射における燃料噴射割合、噴射時期、燃料噴射方向、又は、燃料噴射率を制御することとなる。これらのうちから選択されて実際の制御で使用する制御パラメータは、機関回転数毎に予め設定されることとなる。
しかしながら、実際において、タンブル流の僅かな強弱によってスキッシュ流とタンブル流とを合流させた気流の進行方向が僅かに変化して機関出力を低下させることがある。それにより、制御パラメータは、内燃機関毎に各機関運転状態で設定し直すことが好ましい。例えば、内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように制御パラメータを変化させて、内燃機関毎の各機関運転状態における最適な制御パラメータを決定することが好ましい。このような制御パラメータの決定は、車両の出荷前において工場で実施されても良いし、また、実際の車両走行中の定常運転時において実施されても良い。
これまで説明した実施形態において、気筒内への噴射燃料によりタンブル流を強める必要がない場合には、燃料噴射弁を吸気ポートに配置して、吸気同期又は吸気非同期での燃料噴射により気筒内へ燃料を供給して均質燃焼を実施するようにしても良い。もちろん、気筒内へ直接的に燃料を噴射するための燃料噴射弁以外に燃料噴射弁を吸気ポートにも配置して、タンブル流を強めるために気筒内へ噴射される燃料以外の燃料を吸気ポートへ噴射するようにしても良い。
これまで、均質混合気を燃焼させる均質燃焼に関して説明したが、これは本発明を限定するものではなく、成層混合気を燃焼させる成層燃焼にも本発明を適用することができる。この場合には、点火時期における気筒内空間の中央部を中心に可燃混合気(気筒内全体として理論空燃比よりリーンとなる)を形成するために、圧縮行程後半にタンブル流の内側の淀み空間内に燃料を噴射すればよい。このように形成された可燃混合気は、前述したようにして気筒内中央部へ伸ばされるアークによって中央部から放射状に短時間で燃焼させることができ、燃焼速度の速い良好な成層燃焼を実現することができる。
前述したように噴射燃料によりタンブル流を強める場合において、可燃混合気を形成するために圧縮行程後半にタンブル流の内側へ燃料を噴射するには、燃料噴射弁は二方向に(必要に応じて噴射時期を異ならせて)燃料を噴射することが必要になる。そのためには、前述したような燃料噴射方向を変化させることができる燃料噴射弁を使用すれば良い。
前述した実施形態において点火プラグは一つとしたが、スキッシュ流の進行方向と平行に気筒内空間を複数の領域に分けて考えて、領域毎に点火プラグを配置してアークを各領域の中央部へ伸ばして気筒内の混合気を多点着火させるようにしても良い。この場合において、各点火プラグのアークを各領域の中央部へ伸ばすためには、前述同様に、スキッシュ流だけを使用しても、スキッシュ流とタンブル流とを合流させて使用するようにしても良い。
本発明による火花点火内燃機関の第一実施形態を示す概略縦断面図である。 図1の火花点火内燃機関のピストン側から見たシリンダヘッドの底面図である。 本発明による火花点火内燃機関の第二実施形態を示す概略縦断面図である。 本発明による火花点火内燃機関の第三実施形態を示す概略縦断面図である。 点火プラグの拡大正面図である。 図5の点火プラグの側面図である。 図4の火花点火内燃機関の変形例を示す概略縦断面図である。 回転数に対するスキッシュ流及びタンブル流の強さの変化を示すグラフである。 吸気下死点近傍の燃料噴射を説明する図である。 圧縮上死点近傍の燃料噴射を説明する図である。
符号の説明
1 燃料噴射弁
2 点火プラグ
3 吸気弁
4 排気弁
5 ピストン
6 シリンダヘッド側のスキッシュエリア
6’ ピストン側のスキッシュエリア

Claims (23)

  1. 気筒上部に配置された点火プラグを具備し、気筒内の気流として、点火時期において発生したスキッシュ流とタンブル流とが合流して気筒内中央部へ向かって進行し、前記点火プラグの点火ギャップは中心電極と他方電極との間に形成され、前記他方電極は略L字形断面を有し、前記点火ギャップは三方向の開口を有し、前記点火プラグの前記他方電極は、前記点火プラグの中心軸線と略平行な平行面と略垂直な垂直面とを有し、前記点火プラグは、前記気流が前記他方電極の前記平行面及び前記垂直面と略平行に前記点火ギャップを通過するように配置され、前記点火プラグの前記点火ギャップにおいて発生させたアークを気筒内に形成されている混合気の中央部へ伸ばすようになっていることを特徴とする火花点火内燃機関。
  2. 前記スキッシュ流が強くなる機関運転状態ほど前記点火プラグにおける点火エネルギを大きくすることを特徴とする請求項1に記載の火花点火内燃機関。
  3. 吸気通路内に吸気流制御弁を具備し、前記吸気流制御弁の開度を制御し、機関回転数に応じて変化する前記スキッシュ流の強さに対応させて前記タンブル流を強めることを特徴とする請求項1に記載の火花点火内燃機関。
  4. 吸気不足が発生する時には前記吸気流制御弁の開度を増加させることを特徴とする請求項3に記載の火花点火内燃機関。
  5. 気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、前記燃料噴射弁により噴射される燃料により、機関回転数に応じて変化する前記スキッシュ流の強さに対応させて前記タンブル流を強めることを特徴とする請求項1に記載の火花点火内燃機関。
  6. 前記燃料は、設定回転数となるまでは機関回転数が高くなるほど前記タンブル流を大きく強め、前記設定回転数を超えると機関回転数が高くなるほど前記タンブル流を小さく強めることを特徴とする請求項5に記載の火花点火内燃機関。
  7. 気筒内へ直接的に燃料を噴射する燃料噴射弁を具備し、吸気不足により前記吸気流制御弁の開度を増加させた時には、前記燃料噴射弁により噴射される燃料により、機関回転数に応じて変化する前記スキッシュ流の強さに対応させて前記タンブル流を強めることを特徴とする請求項4に記載の火花点火内燃機関。
  8. 前記燃料噴射弁により吸気下死点近傍において噴射される燃料により前記タンブル流を強めることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の火花点火内燃機関。
  9. 吸気下死点近傍において噴射される前記燃料は機関回転数が高いほど噴射時期が進角されることを特徴とする請求項8に記載の火花点火内燃機関。
  10. 前記燃料により前記タンブル流を強めることができない時及び前記タンブル流を強める必要がない時には、吸気下死点近傍及び吸気及び圧縮上死点近傍以外で燃料を噴射することを特徴とする請求項8に記載の火花点火内燃機関。
  11. 前記燃料噴射弁により圧縮上死点近傍において噴射される燃料により前記タンブル流を強めることを特徴とする請求項5から7のいずれか一項に記載の火花点火内燃機関。
  12. 前記燃料噴射弁は、圧縮上死点近傍以外においても気筒内へ燃料を噴射することを特徴とする請求項11に記載の火花点火内燃機関。
  13. 圧縮上死点近傍以外の燃料の噴射時期は吸気下死点近傍であることを特徴とする請求項12に記載の火花点火内燃機関。
  14. 圧縮上死点近傍以外の燃料の噴射時期は吸気下死点近傍以外であることを特徴とする請求項12に記載の火花点火内燃機関。
  15. 圧縮上死点近傍の燃料噴射割合が大きくされるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする請求項12に記載の火花点火内燃機関。
  16. 内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、前記燃料噴射割合が決定されることを特徴とする請求項15に記載の火花点火内燃機関。
  17. 圧縮上死点近傍の噴射時期が遅角されるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする請求項11に記載の火花点火内燃機関。
  18. 内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、圧縮上死点近傍の前記噴射時期が決定されることを特徴とする請求項17に記載の火花点火内燃機関。
  19. 燃料噴射方向が前記タンブル流を最も効率的に強める燃料噴射方向に近づけられるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする請求項8又は11に記載の火花点火内燃機関。
  20. 内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、前記燃料噴射方向が決定されることを特徴とする請求項19に記載の火花点火内燃機関。
  21. 燃料噴射率が高められるほど前記タンブル流は強められることを特徴とする請求項8又は11に記載の火花点火内燃機関。
  22. 内燃機関毎に各機関運転状態で最大機関出力が得られるように、前記燃料噴射率が決定されることを特徴とする請求項21に記載の火花点火内燃機関。
  23. ピストン頂面には前記タンブル流の減衰を抑制するためのキャビティが形成され、前記キャビティは、タンブル流の流入側が流出側に比較して浅くされていることを特徴とする請求項1に記載の火花点火内燃機関。
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