JP4765068B2 - 漿膜外露出腫瘍被覆のための手術用補助具とそれを用いた体腔内手術操作による腫瘍細胞の散逸防止方法 - Google Patents
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Description
このような場合、従来の手術手技においては、臓器外に表出したような進行癌を発見後には、既に転移があるものと手術中止の判断がされる場合が多かった。
ここで、一対の枠体については、厳密に一対の枠体という必要はなく、連結部を支点として重ね合わせた場合に、腸管を挟み込める状態になっている程度に同じ形状を有していればよいという意味で用いている。
確実に露出した腫瘍の被覆が可能であり、体腔内における手術操作による腫瘍細胞の人為的散逸を簡便に防止し得るのである。
枠体の自由端部の連結部と被覆体とが軟質性の樹脂を用いて一体成形される場合は、枠体表面に柔軟性ある樹脂で被覆する作業工程と、一対の枠体を連結する作業工程が同時に行われるといった利点がある。
なお、一体成形加工は、熱融着法、射出成形法、熱圧縮成形法または接着法による一体成形法を用いることができる。
ここで、柔軟性のある帯体とは、例えば、軟質性の樹脂で形成され、帯状に腸管を巻きつけることができるものをいい、帯状のみならず、ひも状のものも含まれる意味で用いている。
このほか、貫通孔に通される帯体の一部に鋸歯状凹凸部を設け、前記貫通孔に挿入した後に抜け難いように係止させることでも良い。
また、挟み込んでいる状態を解除する場合に、枠体を掴んで、貫通孔を有する一方の帯体を引っ張ることにより、挟み込んでいる状態を解くことができるのであるが、2つの帯体の色彩を相互に異なる色彩にすることによって、間違い防止を図っている。
。先端部を貫通孔に通す方の帯体の長さを長くすることで、手術時に貫通孔への挿入が容易となり、また、2つの帯体の長さを相互に異なる長さにすることによって、操作の間違い防止を図っている。
(1)開口部から本発明の漿膜外露出腫瘍被覆のための手術用補助具を挿入する段階と、
(2)漿膜浸潤部の周囲に前記一対の枠体を開いた状態で配置する段階
(3)前記帯体を貫通孔に挿通する段階
(4)貫通孔に挿通した前記帯体を引っ張ることにより、漿膜浸潤部の周辺の腸管を挟み込み、かつ、漿膜浸潤部を前記収納袋で被覆する段階
(5)挟み込んだ腸管の外側を切除する段階
(6)漿膜浸潤部の周辺の腸管を挟み込んだ前記手術用補助具を開口部から取り出す段階
従って、手術用補助具を用いることで、体腔内における手術操作による腫瘍細胞の人為的散逸を簡便に防止することができることになる。
腸管の表面を傷つけないよう保護するために、枠体の表面は、ポリウレタン樹脂で被覆している。実際の製造において、枠体(2,3)の被覆、一対の枠体(2,3)の連結、帯体(11,12)の作製といった3プロセスを、ポリウレタン樹脂の熱融着法による一体成形法によって、同時に加工している。
腸管の挟み込む部位をずらしたり等、挟み込んでいる状態を解除する場合、枠体(2,3)の連結部(16)を掴み、帯体(11)を引っ張ることにより、棒状体の先端部が貫通孔(13)から脱落し係止状態が解除できる。
図5(e)は、枠体(2,3)の連結部(16)を掴み、帯体(11)を引っ張って、貫通孔(13)から長い棒状体の先端部(15a)を脱落させて挟み込んでいる状態を解除させる状態を図示している。
これらのY字形状、U字形状、コ字形状の形状は、その自由端部(31,32,33)に向かう脚部(34,35,36)によって、所定の間隔を持って腸管を挟み込むことが可能であるからであると共に、手術時に切開部から器具の出し入れを容易にできるという利点がある。
なお、ここで示した枠体の全体形状は一例であって、四角形、台形を含む多角形、扇形等、様々な形状が考えられるであろう。
2 枠体1
3 枠体2
4,5 連結部
6 収納袋
7 係止部
11 帯体(貫通孔がある方)
12 帯体(貫通孔に挿通する方)
11a,12a 先端部
11b,12b 接合部
13 貫通孔
14 棒状体(短い方)
15 棒状体(長い方)
15a 棒状体(長い方)の先端部
16 連結部
21 腸管
22 腫瘍部位
31,32,33 自由端部
34,35,36 脚部
Claims (15)
- 各々の自由端部が回動自在に連結された一対の枠体と、開口部周縁が前記連結された一対の枠体と固着された収納袋と、該枠体の略中央部に配設され一対の枠体の閉状態を維持できる係止部を備え、前記係止部が、柔軟性のある2個の帯体と、一方の帯体に設けられた少なくとも1つ以上の貫通孔とから構成され、前記の各帯体が前記一対の各枠体の略中央部に配設され、他方の帯体が前記貫通孔に挿通されることにより、一対の枠体が閉状態に成されることを特徴とする手術用補助具。
- 各々の自由端部が回動自在に連結された一対の枠体と、開口部周縁が前記連結された一対の枠体と固着された収納袋と、該枠体の略中央部に配設され一対の枠体の閉状態を維持できる係止部を備え、前記係止部が、柔軟性のある帯体を一端に備えた硬質性の2本の棒状体と、一方の帯体に設けられた少なくとも1つ以上の貫通孔とから構成され、各棒状体が前記一対の各枠体の略中央部に配設され、他方の帯体が前記貫通孔に挿通されることにより、一対の枠体が閉状態に成されることを特徴とする手術用補助具。
- 各々の自由端部が回動自在に連結された一対の枠体と、開口部周縁が前記連結された一対の枠体と固着された収納袋と、該枠体の略中央部に配設され一対の枠体の閉状態を維持できる係止部を備え、前記係止部が、柔軟性のある帯体を一端に備えた硬質性の2本の棒状体と、一方の帯体に設けられた少なくとも1つ以上の貫通孔とから構成され、各棒状体が前記一対の各枠体の略中央部に配設され、前記2本の棒状体の長さに差が設けられ、短い棒状体に接合された帯体に貫通孔が設けられ、該貫通孔の位置が、2本の棒状体を揃えたときに長い棒状体の先端部に合致するように配設され、長い棒状体に接合された帯体を先端部側から全て貫通孔に挿通することにより、長い棒状体の先端部を貫通孔に嵌入させて係止できることを特徴とする手術用補助具。
- 前記枠体の表面が、軟質で屈曲性のある樹脂からなる被覆体で覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記帯体と、前記被覆体と、前記枠体の連結部とが、軟質で屈曲性のある樹脂を用いて一体成形されていることを特徴とする請求項4に記載の手術用補助具。
- 前記軟質で屈曲性のある樹脂が、ウレタン樹脂または低密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項4又は5に記載の手術用補助具。
- 前記枠体が金属または硬質性を有する樹脂であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記枠体の断面が、円形、楕円形、若しくは、多角形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記2本の棒状体の長さの差が、3〜7mmであることを特徴とする請求項3に記載の手術用補助具。
- 前記貫通孔に通される前記帯体の先端部の形状を細くし、貫通孔に挿入し易くしていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記貫通孔に通される前記帯体の一部に少なくとも1つの突起部を設け、前記帯体が貫通孔に挿入した後に抜け難いように係止させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記貫通孔に通される前記帯体の一部に鋸歯状凹凸部を設け、前記貫通孔に挿入した後に抜け難いように係止させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記帯体の色彩が、赤色に対して補色となる色彩を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記帯体の色彩が、赤色に対して補色となる色彩を有し、かつ、相互に異なる色彩を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
- 前記帯体の長さにおいて、前記貫通孔を有する帯体の長さが、他方の帯体の長さよりも短いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の手術用補助具。
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