JP2014230659A - スネア - Google Patents
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Abstract
【課題】術者の技術差によらず、スネアの絞断用ループによりポリープを確実に保持できるスネアを提供する。【解決手段】先端部に絞断用ループ16を有するワイヤー部15と、ワイヤー部15が挿通された管状のシース11とを有しており、絞断用ループ16が、管状のシース11の先端から突出してループ状になった状態において、先端が絞断用ループ16によって囲まれる空間16hの内方に向いた状態となるように形成された突起17を備えており、突起17は、絞断用ループ16を形成するワイヤーを屈曲して形成されたものであり、絞断用ループ16を形成するワイヤーの軸方向に沿って所定の大きさの力が加わると、先端の角度が大きくなるように変形し得る程度の強度に形成されている。絞断用ループ16によってポリープPを確実に保持できるし、ポリープPの局所的な焼けを防止でき、ポリープPを適切に切除できる。【選択図】図1
Description
本発明は、スネアに関する。さらに詳しくは、内視鏡によって発見された大腸ポリープ等の組織を切除して回収するために使用されるスネアに関する。
胃や大腸に形成されたポリープは、胃や大腸の粘膜などの面から茎をもって突出している部分である。このポリープには、良性のものと、悪性のものとがあり、最大径が10〜20mm径のポリープ(例えば大腸ポリープ等)は後者に属する可能性が高く、高度異型や癌病変のポリープである可能性が高い。
かかる高度異型や癌病変のポリープが内視鏡による検査によって発見された場合には、内視鏡の手技によって一括切除することが望ましいとされており、通常は、スネアによる内視鏡的粘膜切除によって切除される。
ここで、かかるポリープの切除に使用される内視鏡用スネアについて簡単に説明する。内視鏡用スネアは、絞断用ループを有するワイヤー部と、このワイヤー部が挿通された管状のシースとから構成されている。ワイヤー部は、一般に弾性ワイヤーからなり、その先端部を曲げて絞断用ループが形成されている。
また、ワイヤー部はシースの先端から絞断用ループが出没できるようになっている。具体的には、シースの手元側(つまり基端)からワイヤー部を操作すれば、絞断用ループをシースの先端内に出入りさせることができるようになっている。
そして、内視鏡用スネアは、ワイヤー部全体が弾性ワイヤーによって形成されているので、ワイヤー部の絞断用ループは、シース内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、シース内から前方に押し出されるとループ状に膨らんだ形状に戻るようになっている。
また、ワイヤー部はシースの先端から絞断用ループが出没できるようになっている。具体的には、シースの手元側(つまり基端)からワイヤー部を操作すれば、絞断用ループをシースの先端内に出入りさせることができるようになっている。
そして、内視鏡用スネアは、ワイヤー部全体が弾性ワイヤーによって形成されているので、ワイヤー部の絞断用ループは、シース内に引き込まれた状態では窄まった状態に弾性変形し、シース内から前方に押し出されるとループ状に膨らんだ形状に戻るようになっている。
内視鏡用スネアが以上のごとき構成を有しているので、絞断用ループをシースから突出させて絞断用ループをループ状に膨らませると、絞断用ループのループ内にポリープを配置することができる。絞断用ループのループ内にポリープを配置した状態でワイヤー部を操作して絞断用ループをシース内に引き込めば、絞断用ループの内径が小さくなるので、絞断用ループによってポリープを締め付けて保持することができる。そして、ポリープを締め付けながらワイヤー部に高周波電流を流せば、絞断用ループに接触している部分の生体組織を焼灼することができるので、ポリープの切断と、切断された部分の凝固および止血を同時に行うことができるのである。
ここで、絞断用ループをシース内に引き込む際に、絞断用ループによってポリープを締め付けることができれば、上記のごとくポリープを適切に切断することができる。しかし、術者の技術差やスネア自体の把持力不足により、ポリープを完全に切除できなかったり、治療の断念を余儀なくされたりすることも多い。
例えば、絞断用ループをシース内に引き込んだ際に、絞断用ループがポリープの表面を滑ってしまう場合がある。この場合、絞断用ループによってポリープを締め付けることができないので、このような状況となると、ポリープの切断は諦めなければならない。
また、絞断用ループによってポリープをきちんと保持できない場合、病変の不十分な切除が生じる可能性がある。このような場合において、ポリープが癌であれば、断端が陽性または判定不能の病理結果であれば癌の再発を来すこともある。癌が再発した場合、その部分は線維瘢痕化してしまうため、再度内視鏡治療する際には難渋し、穿孔などの偶発症のリスクが生じる可能性が高い。
そこで、上述したような問題(ポリープの不十分な切除等)を解決するために、絞断用ループによってポリープを締め付けた際に、絞断用ループによりポリープを確実に保持できるようにしたスネアが開発されている(特許文献1〜4)。
特許文献1には、絞断用ループの弾性をその先端部と後端部で変化させたスネアが開示されており、特許文献1には、ポリープに対するスネアの角度を適切に合わせることができるので、ポリープを保持しやすくなる旨が記載されている。
また、特許文献2には、大きさの異なるポリープを適切に絞扼できる構造としたスネアが開示されている。このスネアは、絞断用ループが、半径の大きい第1のループと、第1のループの先端に設けられた第1ループよりも半径の小さい第2のループを有している。このため、小さい径のポリープでも、第2のループによって適切に保持できる旨が記載されている。
また、特許文献2には、大きさの異なるポリープを適切に絞扼できる構造としたスネアが開示されている。このスネアは、絞断用ループが、半径の大きい第1のループと、第1のループの先端に設けられた第1ループよりも半径の小さい第2のループを有している。このため、小さい径のポリープでも、第2のループによって適切に保持できる旨が記載されている。
上述したようなスネアでも、一般的なスネアに比べれば、ポリープの保持を失敗する可能性は低くなると考えられる。しかし、いずれのスネアでも、絞断用ループがポリープの表面を滑ることを防止するような機能は有していないので、ポリープの形状によっては、絞断用ループがポリープの表面を滑ってしまい、ポリープを保持できない可能性がある。
一方、特許文献3、4には、ポリープの表面を滑ることを防ぐ機能を備えた絞断用ループを有するスネアとして、絞断用ループにポリープに食い込む部分を設けたスネアが開示されている。
まず、特許文献3のスネアは、撚り線を構成する一部の線を切断して、絞断用ループに針状の突起を形成しており、特許文献3には、この突起をポリープに食い込ませることによって絞断用ループの滑りを防止できる旨の記載がある。
また、特許文献4のスネアは、弾性ワイヤーを螺旋状にして絞断用ループの部分に凹凸を形成しており、特許文献4には、この凹凸をポリープに食い込ませることによって絞断用ループの滑りを防止できる旨の記載がある。
しかるに、特許文献3のスネアは、針状の突起をポリープに食い込ませることができれば、絞断用ループがポリープの表面を滑ることを防止できる可能性がある。しかし、針状の突起はポリープを切除する際にも存在するので、ポリープを切除する際に、突起の接触抵抗が大きくなる。すると、特許文献3のスネアでは、通電した際に、突起の部分において発生する熱量が他の部分(突起のない部分)よりも大きくなり、突起と接触している組織が局所的に強く焼けてしまい、ポリープを適切に切除できなくなる可能性がある。
一方、特許文献4のスネアであれば、絞断用ループ全体に凹凸が形成されているので、特許文献3のスネアのような局所的な焼けなどは生じにくいと考える。
しかし、特許文献4のスネアでは、凹凸が非常に緩やかであるので、特許文献3のスネアのようなポリープへの十分な食い込みは期待できない。つまり、特許文献4のスネアでは、ポリープを適切に保持するという目的を達成することが難しい。
しかし、特許文献4のスネアでは、凹凸が非常に緩やかであるので、特許文献3のスネアのようなポリープへの十分な食い込みは期待できない。つまり、特許文献4のスネアでは、ポリープを適切に保持するという目的を達成することが難しい。
本発明は上記事情に鑑み、術者の技術差によらず、絞断用ループによりポリープを確実に保持できるスネアを提供することを目的とする。
第1発明のスネアは、先端部に絞断用ループを有するワイヤー部と、該ワイヤー部が挿通された管状のシースとを有しており、前記絞断用ループが、前記管状のシースの先端から突出してループ状になった状態において、先端が該絞断用ループによって囲まれる空間の内方に向いた状態となるように形成された突起を備えており、該突起は、前記絞断用ループを形成するワイヤーを屈曲して形成されたものであり、該絞断用ループを形成するワイヤーの軸方向に沿って所定の大きさの力が加わると、先端の角度が大きくなるように変形し得る程度の強度に形成されていることを特徴とする。
第2発明のスネアは、第1発明において、前記絞断用ループは、前記一対の突起を備えており、該一対の突起は、該絞断用ループの長手方向に沿った中心線の両側に位置するように形成されていることを特徴とする。
第3発明のスネアは、第1または第2発明において、前記突起は、該絞断用ループの長手方向の中間よりも前方に位置するように形成されていることを特徴とする。
第4発明のスネアは、第1、第2または第3発明において、前記突起が複数設けられており、該複数の突起は、前記絞断用ループの長手方向における位置がずれるように形成されていることを特徴とする。
第5発明のスネアは、第1、第2、第3または第4発明において、前記絞断用ループは、該絞断用ループの長手方向に沿った中心線上に、先端が該絞断用ループの基端側を向くように形成された先端突起を備えていることを特徴とする。
第2発明のスネアは、第1発明において、前記絞断用ループは、前記一対の突起を備えており、該一対の突起は、該絞断用ループの長手方向に沿った中心線の両側に位置するように形成されていることを特徴とする。
第3発明のスネアは、第1または第2発明において、前記突起は、該絞断用ループの長手方向の中間よりも前方に位置するように形成されていることを特徴とする。
第4発明のスネアは、第1、第2または第3発明において、前記突起が複数設けられており、該複数の突起は、前記絞断用ループの長手方向における位置がずれるように形成されていることを特徴とする。
第5発明のスネアは、第1、第2、第3または第4発明において、前記絞断用ループは、該絞断用ループの長手方向に沿った中心線上に、先端が該絞断用ループの基端側を向くように形成された先端突起を備えていることを特徴とする。
第1発明によれば、ワイヤー部の絞断用ループを管状のシースの先端から突出させれば、絞断用ループがループ状(輪状)になり内部に突起が形成された絞断用ループを形成することができる。すると、この絞断用ループの空間内にポリープを配置した状態で、ワイヤー部を操作して絞断用ループをシース内に引き込めば、絞断用ループの突起をポリープに突き立てることができる。この状態でワイヤー部に通電すれば、突起を確実にポリープに突き刺す状態とすることができる。したがって、絞断用ループによってポリープを確実に保持できる。そして、ワイヤー部を操作して絞断用ループをシース内に引き込めば、絞断用ループに軸方向に沿った張力が加わるので、突起の角度が開いて、絞断用ループを突起のないループにすることができる。すると、絞断用ループの内面全面がポリープと接触する状態となるので、ポリープの局所的な焼けを防止でき、ポリープを適切に切除できる。
第2発明によれば、絞断用ループがシースに引き込まれる際に、その幅が狭くなれば、一対の突起は、絞断用ループの長軸方向を挟む両側からポリープに接触するので、突起が接触したときにポリープの逃げを防止できる。
第3発明によれば、絞断用ループがシースに引き込まれる側の反対側から突起がポリープに当たるので、絞断用ループがシースに引き込まれる際に、突起を確実にポリープに突き立てることができる。
第4発明によれば、絞断用ループがシースに収容されたときに、複数の突起が干渉しないので、シースに収容された状態における絞断用ループの幅を狭くすることができる。
第5発明によれば、絞断用ループの先端に先端突起が設けられているので、ポリープをより確実に保持することができる。
第2発明によれば、絞断用ループがシースに引き込まれる際に、その幅が狭くなれば、一対の突起は、絞断用ループの長軸方向を挟む両側からポリープに接触するので、突起が接触したときにポリープの逃げを防止できる。
第3発明によれば、絞断用ループがシースに引き込まれる側の反対側から突起がポリープに当たるので、絞断用ループがシースに引き込まれる際に、突起を確実にポリープに突き立てることができる。
第4発明によれば、絞断用ループがシースに収容されたときに、複数の突起が干渉しないので、シースに収容された状態における絞断用ループの幅を狭くすることができる。
第5発明によれば、絞断用ループの先端に先端突起が設けられているので、ポリープをより確実に保持することができる。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明のスネアは、内視鏡を使用してポリープ等の組織(以下、単にポリープ等という)を切除する際に使用される器具であり、ポリープ等を確実に絞扼して切除することができるようにしたことに特徴を有している。
本発明のスネアは、内視鏡を使用してポリープ等の組織(以下、単にポリープ等という)を切除する際に使用される器具であり、ポリープ等を確実に絞扼して切除することができるようにしたことに特徴を有している。
本発明のスネアによって切除される対象となるポリープには、例えば、2cmを越えない一括切除が必要な全てのポリープが該当する。とくに、本発明のスネアが有用となる切除対象のポリープとしては、癌の混在が疑われ確実に断端を確保しなければいけないポリープや、局注液にて病変が平坦化し従来のスネアによる絞扼が困難と予想されるポリープを挙げることができる。また、本発明のスネアによって切除される組織はポリープに限られず、膵嚢胞内の壊死組織や腹腔内のリンパ節などの組織を挙げることができるが、これらに限定されないのは、いうまでもない。
つぎに、本実施形態のスネア10について説明する。
図1に示すように、本実施形態のスネア10は、管状のシース11と、弾性を有するワイヤーによって形成されたワイヤー部15と、を備えている。
なお、図1では、スネア10の先端部のみを記載しており、スネア10の基端部(つまり術者が操作する端部)は図示していないが、スネア10の基端部は、一般的なスネアと同等の構造を有しており、この基端部には、ワイヤー部15を操作する操作部が設けられている。
図1に示すように、本実施形態のスネア10は、管状のシース11と、弾性を有するワイヤーによって形成されたワイヤー部15と、を備えている。
なお、図1では、スネア10の先端部のみを記載しており、スネア10の基端部(つまり術者が操作する端部)は図示していないが、スネア10の基端部は、一般的なスネアと同等の構造を有しており、この基端部には、ワイヤー部15を操作する操作部が設けられている。
まず、シース11は、管状の部材であり、軸方向の一端と他端との間を連通する貫通孔を有している。このシース11を形成する素材はとくに限定されないが、一般的なスネアのシースに使用される素材、具体的には、可撓性および絶縁性を有しかつ生体に対して影響を与えない素材によって形成されている。例えば、シリコンチューブやポリ塩化ビニル製のチューブなどの樹脂製チューブをシースとして使用できるが、とくに限定されない。
つぎに、ワイヤー部15を説明する。
ワイヤー部15は、操作用ワイヤー19と、操作用ワイヤー19の先端部に設けられた絞断用ループ16と、を備えている。
ワイヤー部15は、操作用ワイヤー19と、操作用ワイヤー19の先端部に設けられた絞断用ループ16と、を備えている。
操作用ワイヤー19は、弾性ワイヤーによって形成されたものであり、シース11の貫通孔に挿通されている。操作用ワイヤー19の基端は、上述した操作部に連結されている。そして、操作用ワイヤー19は、操作部を操作することによって、貫通孔の軸方向に沿って(言い換えれば操作用ワイヤー19の軸方向に)移動できるように設けられている。
なお、操作用ワイヤー19の長さはとくに限定されないが、操作部によってシース11の基端側に移動されると、その先端がシース11の貫通孔内に収容され、かつ、絞断用ループ16もシース11の貫通孔内に収容できる程度の長さに調整されている。
図1に示すように、ワイヤー部15は、弾性ワイヤーを曲げてループ状(輪状)に形成された絞断用ループ16を備えている。この絞断用ループ16は、前述した操作用ワイヤー19の先端に接続されており、操作部によって操作用ワイヤー19を操作すると、シース11の貫通孔から出没するように設けられている。
しかも、絞断用ループ16は、シース11の貫通孔から突出するとループ状(図1参照)になり、シース11の貫通孔内に収容されるときには、その幅が狭まって、ほぼ棒状または線状になるように形成されている。つまり、絞断用ループ16は、シース11の貫通孔内に収容されるときには、その幅方向(図1では上下方向)が狭まり、その長手方向(図1では左右方向)に長くなるように形成されている。
そして、絞断用ループ16には、その内面に突起17が設けられている。この突起17は、絞断用ループ16を構成する弾性ワイヤーを頂点ができるように屈曲して形成されたものである。しかも、突起17は、弾性ワイヤーに対して軸方向に所定の大きさの力が加わると、その先端の角度が大きくなるように変形し得る程度の強度に形成されている。言い換えれば、弾性ワイヤーに対して軸方向に所定の大きさの力が加わると、突起17自体がなくなるように変形し得る程度の強度に形成されている。この所定の大きさの力とは、絞断用ループ16によってポリープPを締め付けていくときに、ポリープPに若干の変形(図2(B)、(C)参照)が生じたときに、弾性ワイヤーの軸方向に加わる力に相当する力である。
突起17を設ける位置はとくに限定されないが、以下のように配置することができる。
例えば、図1(A)の絞断用ループ16では、その長手方向を挟むように一対の突起17,17が設けられている。このような位置に一対の突起17,17を設ければ、絞断用ループ16の幅が狭まったときに、ポリープPをその両側から一対の突起17,17によって挟むことができる。すると、一対の突起17,17がポリープPに接触したときに、ポリープPが逃げにくくなる。
例えば、図1(A)の絞断用ループ16では、その長手方向を挟むように一対の突起17,17が設けられている。このような位置に一対の突起17,17を設ければ、絞断用ループ16の幅が狭まったときに、ポリープPをその両側から一対の突起17,17によって挟むことができる。すると、一対の突起17,17がポリープPに接触したときに、ポリープPが逃げにくくなる。
とくに、図4(A)に示すように、一対の突起17,17を絞断用ループ16の長手方向の中間よりも前方に設ければ、絞断用ループ16がシース11に引き込まれる側の反対側から一対の突起17,17がポリープに当たる。すると、絞断用ループ16がシース11に引き込まれる際に、一対の突起17,17を確実にポリープPに突き立てることができる。
さらに、図1(B)に示すように、絞断用ループ16の長手方向に沿った中心線上に先端突起18を設けてもよい。この場合、先端突起18は、その先端が絞断用ループ16の基端側(図1では右側)を向くように形成する。すると、ポリープPにおいて、絞断用ループ16がシース11に引き込まれる方向と逆側に位置する面に先端突起18が接触するので、絞断用ループ16によってポリープPをより確実に保持することができる。
もちろん、絞断用ループ16内において突起17を設ける位置は、上述したような位置(つまり長手方向の中間よりも前方)だけでなく、長手方向の後方(つまり手前側)に設けてもよい(図4(A)における破線参照)。 また、図4(A)に示すように、突起17を、長手方向の中間よりも前方と後方の両方に設けてもよい。例えば、絞断用ループ16の空間にポリープPを配置したときに、複数の突起17によってポリープPが囲まれるように、突起17を設けてもよい。つまり、突起17は、絞断用ループ16によってポリープPを締め付けたときにポリープPが逃げないように保持できるのであれば、絞断用ループ16内のどの位置に設けてもよく、スネア10によって切除するポリープ等の大きさ形状などに合わせて、適切な位置に形成すればよい。
なお、上述したように、絞断用ループ16の長手方向を挟むように一対の突起17,17を設けた場合、絞断用ループ16がシース11の貫通孔に収容されるときに、一対の突起17,17同士が干渉する可能性がある。しかし、図4(B)に示すように、一対の突起17,17を、互いに絞断用ループ16の長手方向における位置がずれるように形成すれば、一対の突起17,17が干渉しない。この場合、シース11の貫通孔に収容された状態における絞断用ループ16の幅を狭くすることができる。すると、絞断用ループ16がシース11の貫通孔に引きこむ際の抵抗を小さくできるので、スネア10を操作し易くなる。
また、図1および図4では、突起17が2つまたは3つの場合を説明したが、絞断用ループ16に設ける突起17の数はとくに限定されない。突起17の数が多くなると、ポリープPを保持しやすくなる一方、絞断用ループ16に所定の力が加わったときに、突起17自体がなくなるように変形しにくくなる。したがって、絞断用ループ16に設ける突起17の数は、2〜4個程度が好ましい。
(本実施形態のスネア10によるポリープPの絞扼切除作業の説明)
つぎに、本実施形態のスネア10によるポリープPを絞扼切除する作業を説明する。
なお、以下の説明では、図1(A)に示した絞断用ループ16を有するスネア10によって絞扼切除する作業を説明する。
つぎに、本実施形態のスネア10によるポリープPを絞扼切除する作業を説明する。
なお、以下の説明では、図1(A)に示した絞断用ループ16を有するスネア10によって絞扼切除する作業を説明する。
まず、本実施形態のスネア10によってポリープPを絞扼切除する場合には、まず、スネア10を内視鏡Eの鉗子口hに挿通し、スネア10を内視鏡Eの鉗子口hから突出させる。そして、本実施形態のスネア10の操作部を操作して、絞断用ループ16をシース11の先端から突出させる。すると、絞断用ループ16が展開して、絞断用ループ16を内部に空間16h(ポリープ収容空間16h)を有するループ状に形成することができる。
図2(A)および図3(A)に示すように、絞断用ループ16が展開すると、内視鏡Eなどを操作して、絞断用ループ16の空間にポリープPを配置する。
絞断用ループ16の空間にポリープPが配置されると、操作部を操作して、絞断用ループ16をシース11の貫通孔に引きこむ方向に移動させる。すると、絞断用ループ16は、その基端部分(内視鏡E側の部分)がシース11の貫通孔に引き込まれるにつれ、そのポリープ収容空間16hが小さくなるように変形する。すると、絞断用ループ16の突起17がポリープPに接触し、若干ポリープPに食い込むようになる(図2(B)および図3(B))。
図2(B)および図3(B)の状態においてワイヤー部15に高周波電流を通電すると、ポリープPと突起17の先端部分が接触している部分に電流が集中して流れるので、その部分のポリープPの粘膜が焼かれて切開される。すると、突起17の先端はポリープPの切開された部分に確実に食い込んだ状態となり、絞断用ループ16によってポリープPがしっかりと保持される(図2(B)および図3(B))。
なお、この通電の際には、絞断用ループ16の他の部分とポリープPとが接触していても、突起17以外の部分とポリープPとが接触している部分に流れる電流は少ない。したがって、ポリープPと突起17の先端部分が接触している部分および/またはその近傍のみが焼かれることになる。
突起17の先端がポリープPに確実に食い込んだ状態からさらに絞断用ループ16をシース11の貫通孔に引き込むと、ポリープ収容空間16hがさらに小さくなり、ポリープPが絞断用ループ16によって絞扼される。このとき、突起17の先端がポリープPに確実に食い込んでいるので、絞断用ループ16はポリープPの表面を滑らない。したがって、ポリープPの所望の水平断端(つまり意図する位置および角度)を絞断用ループ16によって絞扼することができる(図2(C)および図3(C))。
ここで、絞断用ループ16によってポリープPを絞扼した場合、突起17によって絞断用ループ16はポリープPに引っかかった状態に維持される。このため、絞断用ループ16をシース11の貫通孔に引き込んだ際には、ポリープPが絞断用ループ16の移動の抵抗となる。すると、この抵抗に起因して、絞断用ループ16を形成する弾性ワイヤーには、弾性ワイヤーを軸方向に引っ張る力が発生する。そして、ポリープPを絞扼できる程度の力が発生すると、突起17はその形状を維持できなくなるので、突起17はその先端の角度が大きくなるように変形し、やがて突起17がなくなる。つまり、絞断用ループ16は突起17の無い単なるループになり、ポリープPは、突起17の無い絞断用ループ16によって絞扼された状態となる。言い換えれば、絞断用ループ16の内面全面がポリープPの表面に接した状態となる(図2(C)および図3(C))。
なお、絞断用ループ16の突起17がなくなると、絞断用ループ16においてポリープPの切開された部分への食い込みがなくなるので、絞断用ループ16がポリープPの表面を滑ることが懸念される。しかし、上述したように、軽い絞扼と同時にワイヤー部15に対する通電を行うことで、突起17が粘膜に食い込み把持される。続いてポリープP全体の絞扼を行う際には突起17がなくなり、絞断用ループ16が円形のループとなる。最終的に、絞断用ループ16がポリープP全体を絞扼した状況下では、ポリープPがくびれた状態に変形しており、くびれの部分に絞断用ループ16が位置しているので、絞断用ループ16がポリープPの表面を滑って絞断用ループ16が抜けてしまうことはない。
そして、絞断用ループ16の内面全面がポリープPの表面に接した状態でワイヤー部15に高周波電流を通電すると、ポリープPの全周において、ポリープPと絞断用ループ16との間にはほぼ同じ電流がながれる。すると、ポリープPの全周においてほぼ同じようにポリープPが焼かれるので、高周波電流を通電しながら絞断用ループ16をシース11の貫通孔にさらに引き込めば、絞断用ループ16によってポリープPを所望の位置で確実に切断することができる。
以上のように、本実施形態のスネア10によれば、ポリープPを確実に保持して絞扼することができるので、術者の技術差によらず、ポリープを所望の位置で確実に切断できる。
本発明のスネアは、通電切除が必要な生体内の突起物等(例えば大腸ポリープなど)の組織を切除するための器具として適している。
10 スネア
11 シース
15 ワイヤー部
16 絞断用ループ
16h ポリープ収容空間
17 突起
18 先端突起
19 操作用ワイヤー
P ポリープ
E 内視鏡
h 鉗子口
11 シース
15 ワイヤー部
16 絞断用ループ
16h ポリープ収容空間
17 突起
18 先端突起
19 操作用ワイヤー
P ポリープ
E 内視鏡
h 鉗子口
Claims (5)
- 先端部に絞断用ループを有するワイヤー部と、該ワイヤー部が挿通された管状のシースとを有しており、
前記絞断用ループが、
前記管状のシースの先端から突出してループ状になった状態において、先端が該絞断用ループによって囲まれる空間の内方に向いた状態となるように形成された突起を備えており、
該突起は、
前記絞断用ループを形成するワイヤーを屈曲して形成されたものであり、
該絞断用ループを形成するワイヤーの軸方向に沿って所定の大きさの力が加わると、先端の角度が大きくなるように変形し得る程度の強度に形成されている
ことを特徴とするスネア。 - 前記絞断用ループは、
前記一対の突起を備えており、
該一対の突起は、
該絞断用ループの長手方向に沿った中心線の両側に位置するように形成されている
ことを特徴とする請求項1記載のスネア。 - 前記突起は、
該絞断用ループの長手方向の中間よりも前方に位置するように形成されている
ことを特徴とする請求項1または2記載のスネア。 - 前記突起が複数設けられており、
該複数の突起は、
前記絞断用ループの長手方向における位置がずれるように形成されている
ことを特徴とする請求項1、2または3記載のスネア。 - 前記絞断用ループは、
該絞断用ループの長手方向に沿った中心線上に、先端が該絞断用ループの基端側を向くように形成された先端突起を備えている
ことを特徴とする請求項1、2、3または4記載のスネア。
Priority Applications (1)
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JP2013113221A JP2014230659A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | スネア |
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JP2013113221A JP2014230659A (ja) | 2013-05-29 | 2013-05-29 | スネア |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2014230659A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017136001A (ja) * | 2016-02-02 | 2017-08-10 | 八洲電業株式会社 | 電源駆動型栽培装置および非電源駆動型栽培装置 |
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2013
- 2013-05-29 JP JP2013113221A patent/JP2014230659A/ja active Pending
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