JP2008093247A - 内視鏡用先端フード及び内視鏡 - Google Patents

Abstract

【課題】内視鏡の鉗子孔を使用することなく局注可能とすると共に、フード内での操作を可能として、局注を円滑に行なえるようにする。
【解決手段】内視鏡１０の先端に装着されるフード２０であって、内視鏡１０の外側を通るチューブ（局注チューブ２４）を、内視鏡１０の内腔に向けて挿入するための挿入ガイド孔２３を斜めに形成する。前記挿入ガイド孔２３は、前記チューブ（２４）を挿通・進退可能とすることができる。前記挿入ガイド孔２３は、ガイドチューブ２２に形成することができる。
【選択図】図２

Description

本発明は、内視鏡用先端フード及び内視鏡に係り、特に、内視鏡下粘膜下層切開剥離術（ＥＳＤ：Endoscopic Submucoal Dissection）において、局注針を用いることなく生理食塩水等の液体を患部に局注（粘膜内注入）することが可能な内視鏡用先端フード、及び、これを装着した内視鏡に関する。

食道・胃・小腸・大腸表在癌の内視鏡治療において、その低侵襲性を活かし、診断的側面と治療の確実度を重視する立場から、内視鏡切除術の積極的導入と、治療における一括切除のため、広範囲切除のできるＥＭＲ（Endoscopic Mucosal Resection）手技が行なわれている。最近では、同様の考えから、更に広範囲一括切除の確実性が高いＥＳＤ手技が導入されている。このＥＳＤでは、局注することで粘膜下層を明らかにし、切開を安全に行なえるようにしている。

一方、本発明に関係するものとして、内視鏡の先端に取り付けるフードに電気メス若しくはナイフ機能を取り付け、取り付けられた同機能を内視鏡の鉗子孔を使用せずに可能にすることで、鉗子孔には把持鉗子等の処置具を挿入し、病変若しくは切除面を把持することにより、可視下に安定した視野で、切除・切開・剥離等の操作を可能にした内視鏡用フードナイフが特許文献１に提案されている。

特開２００５−１９２６７５号公報

しかしながら、局注針は、図１に示すフード１２でなく、内視鏡１０の鉗子孔１０Ｈを使用して通しているため、切開用ナイフ（針状の通電可能な鉗子）と入れ替える必要があり、手間がかかるという問題点を有していた。

一方、図１に示した如く、内視鏡１０の先端に配設されるフード１２の側面に、スネア等の針金を通すためのチューブ１４を接着剤１６等で固着した処置フードが知られており、このチューブ１４に局注針を通すことも考えられるが、従来の処置フードは、針金の挿入孔１５がフード１２と平行に存在し、処置具が、矢印Ａに示す如く、内視鏡１０と平行に出ているため、フード１２の外に処置具が出てしまい、フード１２内の操作ができないという問題点を有していた。

本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、内視鏡の鉗子孔を使用することなく局注可能で、しかもフード内での操作が可能で、局注を円滑に行える内視鏡用先端フード、及び、このフードが装着された内視鏡を提供することを課題とする。

本発明は、内視鏡の先端に装着されるフードであって、内視鏡の外側を通るチューブを、内視鏡の内腔に向けて挿入するための挿入ガイド孔が斜めに形成されていることを特徴とする内視鏡用先端フードにより、前記課題を解決したものである。

前記挿入ガイド孔は、前記チューブを挿通・進退可能とすることができる。

前記挿入ガイド孔は、ガイドチューブに形成することができる。

前記挿入ガイド孔の内径を、鉗子孔の内径と略同一とすることができる。

本発明は、又、前記の先端フードが装着されていることを特徴とする内視鏡を提供するものである。

本発明によれば、図２に例示する如く、先端フード２０の挿入ガイド孔２３が、フード２０の内腔に向かって斜めに伸びているので、図３に例示する如く、内視鏡１０の鉗子孔１０Ｈから出た処置具（例えばフックナイフ３０）と近接することができる。従って、例えばＥＳＤに際して、ナイフ３０を抜くことなく、フード２０の挿入ガイド孔２３を通した局注チューブ２４による局注に移行して、切開していくナイフ３０のすぐ傍に局注することが可能となり、手技を大変円滑に行なえるようになる。又、針を使わないので、粘膜下層以遠に到達し難く、安全性も高くなる。更に、局注チューブ２４がフード２０から斜めに出るため、適切な位置への局注が可能となる。

特に、前記挿入ガイド孔２３が、局注チューブ２４を挿通・進退可能とした場合には、フード２０への挿入長さを変えることによって、任意の位置への局注が可能となる。

更に、挿入ガイド孔２３を、ガイドチューブ２２に形成した場合は、局注チューブ２４の円滑な進退が可能である。

又、前記挿入ガイド孔２３の内径を、鉗子孔１０Ｈの内径と略同一とした場合には、挿入ガイド孔２３に鉗子や針状ナイフ、フックナイフ等の処置具を通すことも可能である。この場合には、通常の鉗子孔１０Ｈを通した処置具（例えばメス）では処置（例えばカット）し難いときに、図４や図５に例示する如く、挿入ガイド孔２３に処置具（図４はフックナイフ３０の例、図５は鉗子３４の例）を通すことで、処置（例えばカット）の方向を変えることができる。図４において、３２は、フックナイフ３０の軸である。

以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。

本実施形態に係る先端フード２０には、図２に内視鏡１０の先端に装着された状態を示す如く、内視鏡１０の外側を通る局注チューブ２４を、フード２０の内腔に向けて挿入するための挿入ガイド孔２３が形成されたガイドチューブ２２の先端が斜めに固定されている。

前記フード２０及びガイドチューブ２２は、例えば透明のシリコンチューブ製とすることができる。

前記ガイドチューブ２２は、図６に例示する内視鏡の全体構成の如く、体外の内視鏡操作部１１付近迄、延びており、このガイドチューブ２２の手前の孔から、局注チューブ２４が挿入される。一方、ガイドチューブ２２の先端は、例えばフード２０の内側面と略同じ深さで止まるか、少しフード２０内に出る程度とされる。

図３に、内視鏡１０の鉗子孔１０Ｈに、処置具の一例としてフックナイフ３０を通した状態を示す。

図７に、フード装着時の内視鏡の画面の例を示す。図において、２４は、ガイドチューブ２２の先端から出る局注チューブ、３２は、内視鏡１０の鉗子孔１０Ｈから出るフックナイフ３０の軸である。

手術に際しては、例えば図８に示す如く、固有筋層５０と粘膜筋板５４の間の粘膜下層５２に生理食塩水（生食）４０を注入しながら、フックナイフ３０により粘膜上皮５６から病変部を切開する。

粘膜剥離に際しては、図９に示す如く、病変６０の周囲にマーク６２を施し、粘膜６４の下層に生食等の液体を注射し、持ち上がる粘膜面をマーク外側でナイフ３０により切開し、切開された粘膜６４を剥離する。

局注前は、図１０（Ａ）に示す如く、粘膜が切開線から離れなかったのが、図１０（Ｂ）に示す如く切開線に向けて局注することで、図１０（Ｃ）に示す如く、切開局注した粘膜下層に液体が貯留し、粘膜が持ち上がって、切開剥離を行なう切り口が現われる。

本実施形態においては、挿入ガイド孔２３がガイドチューブ２２に形成されているので、局注チューブ２４の挿通・進退が円滑に行なわれる。なお、ガイドチューブ２２を省略して、フード２０に直接、挿入ガイド孔２３を形成することも可能である。

又、本実施形態においては、フード２０やガイドチューブ２２の材質が透明なシリコンチューブとされていたので、フードの外側も観察できる。なお、フード２０やガイドチューブ２２の材質は透明なシリコンチューブに限定されない。

又、鉗子孔１０Ｈや挿入ガイド孔２３の数も１つずつに限定されず、それぞれ２つ以上あっても良い。

適用対象も食道表在癌に限定されず、胃癌や大腸癌・小腸癌や線腫等にも応用可能である。また、内視鏡超音波検査（ＥＵＳ）、拡大観察、ポリペクトミーなど、様々な検査、処置、治療において、多目的に使用できる。

従来のフードの一例の構成を示す斜視図 本発明の実施形態の構成を示す斜視図 前記実施形態を内視鏡に装着した状態を示す斜視図 同じくガイドチューブにフックナイフを通した例を示す斜視図 同じくガイドチューブに鉗子を通した例を示す斜視図 前記実施形態を装着した内視鏡全体の構成例を示す斜視図 フード装着時の内視鏡画面の例を示す図 前記実施形態によりカットしている状態を示す断面図 粘膜剥離の原理を示す斜視図 局所注入の効果を説明するための図

符号の説明

１０…内視鏡
１０Ｈ…鉗子孔
２０…フード
２２…ガイドチューブ
２３…挿入ガイド孔
２４…局注チューブ
３０…フックナイフ
３４…鉗子

Claims (5)

1. 内視鏡の先端に装着されるフードであって、
   内視鏡の外側を通るチューブを、内視鏡の内腔に向けて挿入するための挿入ガイド孔が斜めに形成されていることを特徴とする内視鏡用先端フード。
2. 前記挿入ガイド孔が、前記チューブを挿通・進退可能とされていることを特徴とする請求項１に記載の内視鏡用先端フード。
3. 前記挿入ガイド孔が、ガイドチューブに形成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の内視鏡用先端フード。
4. 前記挿入ガイド孔の内径が、鉗子孔の内径と略同一とされていることを特徴とする請求項１乃至３のいずれかに記載の内視鏡用先端フード。
5. 請求項１乃至４のいずれに記載の内視鏡用先端フードが装着されていることを特徴とする内視鏡。

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