JP4764343B2 - 成長段階でコムギの二次加工性状を推定する方法 - Google Patents
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Payne, P.I., Holt, L.M., Law, C.N. (1981) Theor Appl Genet 60:229-236 Payne, P.I., Corfield, K. G., Holt, L. M., Blackman, J. A. (1981) J Sci Food Agric 32:51-60 Flavell, R. B., Goldsbrough, A.P., Robert, L.S., Schnick, D., Thompson, R.D. (1989) Barro, F., Rooke, B., Bekes, F., Gras, P., Tatham, A.S., Fido, R., Lazzeri, P.S., Shewry, P.R. and Barcelo, P. (1997) Nature Biotec 15:1295-1299 Greenwell, P. and Schofield, J. (1986) Cereal Chem. 63:379-380 Jolly, C.J., Rahman, S., Kortt, A.A. and Higgins, T.J.V. (1993) Theor Appl Genet 86:589-597 Dubreil, L., Meliande, S., Chiron, H., Compoint, J.P., Quillien, L. Branlard, G. and Marion, D. (1998) Cereal Chem. 75:222-229
配列番号1〜121のいずれかの塩基配列で特定される遺伝子を特異的に増幅するための、10〜40塩基長の連続したプライマーから選ばれる少なくとも1のプライマー、及び/又は配列番号1〜121のいずれかの塩基配列で特定される遺伝子に特異的にハイブリダイズする、10〜40塩基長の連続したプローブから選ばれる少なくとも1のプローブを含む、該キット。
(a)配列番号1の塩基配列で特定される遺伝子を特異的に増幅するプライマーセットとして、配列番号130で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号131で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセットが挙げられ、
(b)配列番号8の塩基配列で特定される遺伝子を特異的に増幅するプライマーセットとして、配列番号133で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号134で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセットが挙げられ、
(c)配列番号34の塩基配列で特定される遺伝子を特異的に増幅するプライマーセットとして、配列番号136で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号137で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセットが挙げられ、
(d)配列番号48の塩基配列で特定される遺伝子を特異的に増幅するプライマーセットとして、配列番号139で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号140で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセットが挙げられ、
(e)配列番号45の塩基配列で特定される遺伝子を特異的に増幅するプライマーセットとして、配列番号142で表される塩基配列からなるフォワードプライマーと配列番号143で表される塩基配列からなるリバースプライマーとのセットが挙げられる。
開花直前まで外で成育させたコムギを15℃の人工気象室で生育させた。開花後10日目に一部を20℃又は10℃の環境下に移し、開花後15日目まで同一環境下で生育させた。開花後15日目に一部の未成熟種子を回収し、発現遺伝子解析用の試料とした。残りの一部を15℃の環境に移動し開花後50日目を完熟とみなし、成分分析に供した。
三温度帯にて育成したコムギ未成熟種子からSDS−フェノール法にて全RNAを抽出した。すなわち、種子を粉砕し抽出バッファー(100mM Tris−HCl(pH8.0)、10mM EDTA(pH8.0)、100mM LiCl、1% SDS)に懸濁後、フェノール/クロロホルム処理を行った。さらにフェノール/クロロホルム処理を行った後、LiCl沈殿を行った。沈殿物を400μlのDEPC処理水に溶解し、フェノール/クロロホルム処理、クロロホルム処理、EtOH沈殿処理を行った。乾燥後200μlの0.1M酢酸ナトリウム(pH6.0)に溶解し、20μlのEtOHを加え、多糖類を沈殿させて除いた。上清をEtOH沈殿し、乾燥後、DEPC処理水に溶解した。この溶液からMicro−FastTrackTM 2.0 mRNA Isolation Kit(Invitrogen社製)を用いてmRNAを精製した。精製法は、キットに付属のマニュアルに従った。
5’末端にビオチンを付加させたオリゴdT(5’−ビオチン−TTTTTTTTTTTTTTTTTT−3’)をプライマーとして、SuperscriptTM Double−strand cDNA Synthesis Kit(Invitrogen社製)を用いて2本鎖cDNAを合成した。この2本鎖cDNAを制限酵素MspIで消化した後、MspIアダプター(5’−AATGGCTACACGAACTCGGTTCATGACA−3’及び5’−CGTGTCATGAACCGAGTTCGTGTAGCCATT−3’)を付加し、アビジン磁性粒子(Dynabeads M−280 Streptavidin;Dynal社製)を用いてポリA側断片のみを集めた。続いて制限酵素MseIで消化してからMseIアダプター(5’−AAGTATCGTCACGAGGCGTCCTACTGCG−3’及び5’−TACGCAGTAGGACGCCTCGTGACGATACTT−3’)を付加し、アビジン磁性粒子を用いてポリA側断片を捨てた。残った断片を以下の選択的PCR用のテンプレートに用いた。
上記アダプターと結合するようにプライマーを設計し、PCRを行った。その際にプライマーの端をcDNA断片側に2塩基はみだすように設計し、16通り全てのパターンを行った。またMspI側のプライマーにFAMを用いた蛍光標識を行った。プライマーには蛍光プライマーとしてMspI−プライマー(5’−FAM−ACTCGGTTCATGACACGGNN−3’)とMseI−プライマー(5’−AGGCGTCCTACTGCGTAANN−3’)を用い、PCRサイクルは95℃−1分:1サイクル,(95℃−20秒,71.5℃−30秒,72℃−1分):28サイクル,60℃−30分:1サイクルで行った。
PCR産物を適当な濃度に薄めて3μlとり、ホルムアミド10μl、ROXマーカー(Applied Biosystems社製)0.3μlを加えてABI Prism 3100(Applied Biosystems社製)にて泳動を行った。得られた結果をGeneScan3.7(Applied Biosystems社製)を用いて解析し、発現量の変化している断片を選抜した。
20x40cmのガラス板にアクリルアミドゲルを作製した。(4)にて選抜した断片が含まれるPCR混合物を泳動し、目的断片を切り出した。切り出した断片を1xTEバッファーに懸濁し、その懸濁液をテンプレートにPCRを行い、切り出した断片と目的断片が同じであるか否かを確認した。プライマーはMspI−universal T7 プライマー(5’−TAGGTAATACGACTCACTATAGGGCGAATTGGGTACTCGGTTCATGACACGG−3’)とMseI−universalプライマー(5’−AGGCGTCCTACTGCGTAA−3’)であった。同じ分子量のPCR産物が得られたら、ダイレクトシークエンスにてその配列を読んだ。その際にはT7プライマー(5’−TAATACGACTCACTATAGGG−3’)を用いた。
表2に挙げた遺伝子のリストから、相同検索において既知の遺伝子と高い相同性が確認された遺伝子から、5種の遺伝子を選択した。すなわち、α−アミラーゼをコードする遺伝子(配列番号1)、カタラーゼをコードする遺伝子(配列番号8)、α−、β−グリアジンをコードする遺伝子(配列番号34)、熱ショックタンパク質70kDaをコードする遺伝子(配列番号48)、γ−グリアジンをコードする遺伝子(配列番号45)である。そして、これらのターゲット遺伝子について、開花後15日目のコムギ(T.aestivum L.)種子中における発現量の定量を試みた。遺伝子解析ソフトPrimer Express Ver.2を用い、それぞれターゲット遺伝子内に、定量リアルタイムPCR用のプライマー及びプローブを設計した。その配列を表3に示す。
粉砕したコムギ完熟種子に少量の水を加え生地を作り、水中で揉み出しグルテンのみを取り出した。残りの澱粉懸濁液を遠心分離にかけ、沈殿物を乾燥し澱粉試料とした。アミロース含量測定は、Williamsらの方法(Williams, P.C., Kuzina, F.D., and Hlynak, I. (1970) Cereal Chem. 47:411-420)に従った。この試料の水分を測定後、約100mgを精秤し、1mlの95% EtOHと9mlの1N NaOHを加え熱湯中で10分間熱処理した。室温まで冷やした後、澱粉液を水で洗いながら別容器に回収した。100mlにフィルアップし、1mlの1M AcOHと2mlのヨード液を加えた。良く混ぜた後、20分間静置し、分光光度計で620nmの吸光度を測った。ポテトアミロース、アミロペクチンで検量線を引き、各試料のアミロース含量を決定した。
小泉らの方法(Koizumi, K., Fukuda, M., and Hizukuri, S. (1991) J. Chromatogr. 585:233-238)に従い、アミロペクチンの側鎖長分布を解析した。澱粉試料を熱メタノールで処理しアミラーゼを失活させた。水に懸濁し、100℃で1時間処理しゲル化した。酢酸緩衝液(pH4.5)中でイソアミラーゼ処理を行った(40℃、8時間)。さらに酵素を追加し16時間処理した。その後、沸騰水中で失活させ、側鎖分布をHPAECで決定した。イソアミラーゼ処理した澱粉試料を0.4M NaOHに溶解し、フィルターで夾雑物を除き、パルス電流滴定装置付きの陰イオン交換クロマトグラフ(HPAE−PAD)に供した。コントロールとしてグルコース、マルトース、マルトトリオース、マルトテトラオースなどを同様にHPAE−PADにかけ、各試料のアミロペクチン鎖長を比較した。
早川らの手法(Hayakawa, K., Tanaka, K., Nakamura, T., Endo, S., and Hoshino, T. (1997) Cereal Chem. 74(5):576-580)に従った。すなわち、DSC(示差走査熱分析計)により澱粉の糊化ピーク温度を測定した。DSC専用の銀製パンに澱粉10mgを採り蒸留水40μlを加え蓋をシールした。25℃から150℃に一定速度(毎分5℃)で昇温し澱粉糊化に伴う吸熱を測定した。糊化のピーク温度(Tp)を糊化温度として測定した。
一般に良く知られているケルダール分解法により測定した。粉砕した完熟コムギ種子を加水分解後、遊離窒素を測定した。タンパク質換算係数5.7をかけ粗タンパク質含量とした。
Blumenthalらの方法(Blumenthal, C., Bekes, F., Gras, P.W., Barlow, W.R., and Wrigley, C.W. (1995) Cereal Chem. 72(6):539-544)に従った。すなわち、タンパク質を還元剤なしで完熟コムギ種子の粉砕物から抽出した。SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)を含むリン酸緩衝液中に懸濁し、超音波処理を施し十分に溶解した。フィルターろ過した後、サイズ排除型HPLCにかけた。最初に出現するピークを凝集したグルテニンとして2番目に出現するピークを単体のグリアジンとして定義し、面積比をグルテニン/グリアジン比として算出した。
開花後15日目〜20日目の麺用国内産コムギの未成熟種子を一部収穫した。一方、収穫後の完熟種子も収穫した。この未成熟種子から全RNAを抽出した。方法は、上記実施例2に示した手順に従った。分光光度計で濃度を測定後、同様の方法で、cDNAを合成し定量リアルタイムPCRに供した。
開花後20日目から30日目と思われる国内産コムギの未成熟種子を一部収穫した。一方、収穫後の完熟種子もサンプリングした。この未成熟種子から全RNAを抽出した。方法は、対照実験に示した手順に拠った。分光光度計で濃度を測定後、同様の方法で、cDNAを合成し定量リアルタイムPCRに供した。定量リアルタイムPCRの結果、ユビキチン遺伝子の発現量に対する相対発現量は、表9に示すとおりだった。
Claims (6)
- 未成熟コムギにおいて、配列番号1、8、34、48及び45のそれぞれの塩基配列で特定される5種の遺伝子の発現量を測定することを含む、コムギの完熟種子における二次加工性状を推定する方法。
- さらに、配列番号2〜7、9〜33、35〜44、46、47、49〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子から選ばれる少なくとも1種の遺伝子の発現量を測定することを含む、請求項1記載の方法。
- 逆転写定量PCR法により遺伝子の発現量を測定する、請求項1又は2記載の方法。
- 未成熟コムギを用いてコムギの完熟種子における二次加工性状を推定するためのキットであって、
配列番号1、8、34、48及び45のそれぞれの塩基配列で特定される5種の遺伝子を特異的に増幅するための、配列番号1、8、34、48及び45の塩基配列またはその相補鎖の塩基配列において少なくとも連続した15塩基をそれぞれ含むプライマーセット、及び/又は配列番号1、8、34、48及び45のそれぞれの塩基配列で特定される5種の遺伝子に特異的にハイブリダイズする、配列番号1、8、34、48及び45の塩基配列またはその相補鎖の塩基配列において少なくとも連続した15塩基をそれぞれ含むプローブセットを含む、該キット。 - さらに、配列番号2〜7、9〜33、35〜44、46、47、49〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子から選ばれる少なくとも1種の遺伝子を特異的に増幅するための、該配列番号2〜7、9〜33、35〜44、46、47、49〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子から選ばれる少なくとも1種の遺伝子の塩基配列またはその相補鎖の塩基配列において、少なくとも連続した15塩基をそれぞれ含むプライマーセット、及び/又は配列番号2〜7、9〜33、35〜44、46、47、49〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子から選ばれる少なくとも1種の遺伝子に特異的にハイブリダイズする、該配列番号2〜7、9〜33、35〜44、46、47、49〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子から選ばれる少なくとも1種の遺伝子の塩基配列またはその相補鎖の塩基配列において、少なくとも連続した15塩基をそれぞれ含むプローブセットを含む、請求項4記載のキット。
- 未成熟コムギを用いてコムギの完熟種子における二次加工性状を推定するためのキットであって、配列番号1〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子の塩基配列またはその相補鎖の塩基配列において、少なくとも連続した15塩基をそれぞれ含むプライマーセット、及び/又は配列番号1〜121のそれぞれの塩基配列で特定される遺伝子の塩基配列またはその相補鎖の塩基配列において、少なくとも連続した15塩基をそれぞれ含むプローブセットを含み、該セットの少なくとも1つのプライマー又はプローブを用いて、未成熟コムギを用いてコムギの完熟種子における二次加工性状を推定する、上記キット。
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