JP4762943B2 - 車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板 - Google Patents

車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、圧延銅箔でできた金属コアを内部に有し、実装密度が高くかつ放熱性や量産性に優れた信頼性の高い車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板に関する。
近年、例えば車両のエンジンルーム内や室内に装着される電気接続箱には、大電流の電気回路を形成するために3次元的に折れ曲がった金属導体からなるバスバーの代わりに、金属コアを含む厚肉の導体層を内部に備えた金属コアプリント配線板が用いられ、これらの基板を収容する電気接続箱の小型化を図っている。
これは、電子機器の性能が向上するに伴い、搭載する部品の大容量化、配線板自身の高密度化により放熱の必要性が増大しているため、放熱性に優れた金属コアを有する金属コアプリント配線板の必要性が高まっているためである。
そのため、特許文献1に記載されているような、放熱性、均熱性に優れた内層導体(金属コア)を備えた金属コアプリント配線板が用いられている。
また、この金属コアプリント配線板の構造上、金属コアプリント配線板の厚さ方向を貫き任意の導体層との接続を取るべく当該任意の導体層間を金属めっきにより電気的に接続したスルーホールが用いられている。
このような例えば車両に搭載される電子機器の性能が向上するに伴い、搭載する電子部品の大容量化、配線板自身の高密度化により放熱の必要性が増大しているため、放熱性に優れた金属コアを有する金属コア多層プリント配線板の必要性が高まっている。また、金属コア多層プリント配線板を搭載する電子機器は、従来のように良好な環境ばかりではなく、氷点下から高温度まで曝される厳しい環境下で使用される場合が増えている。特に車両のエンジンルームなどに搭載された電気接続箱等に収容され、過酷な冷熱衝撃環境下におかれる金属コア多層プリント配線板に関して、導体層間の電子回路を接続するスルーホールには以下のような問題点がある。
具体的には金属コア多層プリント配線板は、多層プリント配線板に比べて厚さが厚くなるため、スルーホールを形成する金属めっき層と絶縁層の接触長さが長くなる。
そして、金属めっき層と絶縁層とでは、それぞれの熱膨張率が異なるので、両者の熱膨張率の違いにより金属めっき層と絶縁層の境界において冷熱衝撃環境下の温度上昇により引っ張り応力が発生すると共に、温度下降により圧縮応力が発生する。このようにして、スルーホールの金属めっき層は、冷熱衝撃環境下で温度の変動による熱応力による伸び縮みの繰り返しの応力疲労を受けるため、塑性歪が蓄積して破断が生じることで電気抵抗の増加を招き、金属コア多層プリント配線板が熱サイクルの実用的な繰り返し回数まで耐えらない問題が発生する。
このような問題を回避するため特許文献2には、多層プリント配線板の材料に適用した場合にスルーホール信頼性に優れた特性を与えるエポキシ樹脂の耐熱性並びに厚さ方向の寸法安定性を得るために、使用する絶縁層の樹脂の熱膨張率をスルーホールに施された金属めっきの熱膨張率に合わせ、絶縁層が接した部分における金属めっきの熱応力の緩和を図ることが記載されている。
特開平8−293659号公報 特開平5−301941号公報
しかしながら、特許文献2に記載されているような熱膨張率の低い樹脂は高価でありかつ膨張率を低く抑えるために添加物が多く配合されているため加工性が著しく悪いので、このような対策は適切な対策とは言えない。
また、スルーホールに施された金属めっきの厚さを厚くして絶縁層に接した部分の金属めっきが熱応力に耐えるようにすることも可能であるが、このような対策は工程管理上煩雑になり、かつ製造コストが増加することになって適切な対策とは言えない。
本発明の目的は、低コストで熱衝撃環境下での信頼性の高い車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板は、
プリント配線板の導体層として内部に圧延銅箔でできた金属コアを有すると共に、当該金属コアの厚さ方向両外側に内層導体を有し、更に前記内層導体の厚さ方向両外側に外層導体を有し、
前記金属コアと前記内層導体の間には内側絶縁層を有し、前内層導体と前記各外層導体の間にはそれぞれ外側絶縁層を有し、
前記プリント配線板には、当該プリント配線板の厚さ方向にスルーホールが形成され、前記スルーホールの内及び前記外層導体の表面には前記外層導体間を電気的に接続するように金属めっきが形成され、
前記内側絶縁層及び前記外側絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜70ppm/℃であり、
前記金属めっきと前記金属コア及び少なくとも一方の側の前記内層導体の間に絶縁部が形成され、前記絶縁部及び前記プリント配線板の厚さ方向で絶縁部に挟まれた内側絶縁層前記プリント配線板の厚さ方向に0.6mm以上連続して形成されており、
前記スルーホール内周面の金属めっきと前記導体層間に形成された前記絶縁部が前記スルーホールの径方向で0.5mm以下であることを特徴としている。
ここで、内層導体は金属コアの両側に配置しても良いし片側のみ配置しても良く、プリント配線板の内部に存在する各導体層の配置は任意のもので良い。また、プリント配線板の内部の導体層がスルーホールの金属めっきと接続されていても良い。
本発明にかかる金属コア多層プリント配線板がこのような構成を有することで、各絶縁層及びこの絶縁層から流れ出た絶縁材を含む絶縁部の、スルーホールの金属めっきに連続して接する領域の体積を少なくすることができる。その結果、スルーホールの金属めっき層が冷熱衝撃環境下で温度の変動による熱応力による伸び縮みの繰り返しの応力疲労を受ける程度が低くなり、この部分の塑性歪が蓄積し難く破断による電気抵抗の増加を招き難くなり、金属コア多層プリント配線板が熱サイクルの実用的な繰り返し回数まで耐えらない問題が解消する。
また、このような問題を解消するために熱膨張係数の低い高価な絶縁材を用いなくて済み、金属コア多層プリント配線板の製造コストを抑えることができる。
また、各絶縁層及び当該絶縁層から流れ出た絶縁材を含む絶縁のスルーホールに連続して接する部分の厚さが0.6mm以上であると、従来ではスルーホールの金属めっき層が冷熱衝撃環境下で温度の変動による熱応力による伸び縮みの繰り返しの応力疲労を受けて、この部分の塑性歪が蓄積し、スルーホールの信頼性を低下させる原因となるバレルクラック(スルーホール穴内の金属めっき層に生じるひび割れ)やコーナークラック(プリント配線板の外層の導体とスルーホールとの接続部分となるコーナー部分の金属めっき層に生じるひび)が生じ易くなるが、本発明にかかる金属コア多層プリント配線板がこのような構成を有することでこのようなバレルクラックやコーナークラックを発生し難くする。
特に車両の電気接続箱に使用される金属コア多層プリント配線板の場合、最も過酷な使用条件では、冷熱衝撃試験3000サイクルを満足させることが求められており、この観点から、本発明に係る車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板の構造は特に優れている。
本発明によると、低コストで熱衝撃環境下での信頼性の高い車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1をスルーホール(貫通導通穴)101の中心軸線に沿って配線板の厚さ方向に切断した断面図である。なお、本発明に関する図面においては、説明の理解の容易化を図るために、導体層を図中右上がりのハッチングで示し、絶縁層を図中波線のハッチングで示し、絶縁層から流れ出て隣接する空間に充填された樹脂材を図中右下がりのハッチングで示している。また、金属めっきは図中右下がりの目の細かいハッチングで示している。
本発明の第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1は、図1に示すように、内部に厚さ400μm程度の金属コア111を有すると共に、金属コア111の両側に(図中上下に)厚さ200μm程度の内側絶縁層121,122を介して厚さ175μm程度の内層導体112,113をそれぞれ1枚ずつ有し、かつ内層導体112,113の両側に(図中上下に)厚さ150μm程度の外側絶縁層123,124を介して厚さ18μm程度の外層導体114,115をそれぞれ1枚ずつ有した構成を備えることで、金属コア111を含む導体層が5層構造をなす金属コア多層プリント配線板となっている。
なお、金属コア111は圧延銅箔でできており、内層導体112,113、外層導体114,115は電解銅箔でできており、内側絶縁層121,122及び外側絶縁層123,124は、各絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜70ppm/℃のガラスエポキシ樹脂でできている。
また、金属コア多層プリント配線板1には、プリント配線板の厚さ方向を貫くスルーホール101が形成されている。そして、スルーホール101の内面全体及び内層導体112,113並びに外層導体114,115には厚さ25μm程度の金属めっき141が施され、図中上下の外層導体114,115を金属めっき141により電気的に接続している。
また、金属コア111とスルーホール101の金属めっき141とは互いに離間しており、その間の距離(図1におけるA)は0.5mm以下となっている。そして、この隙間は内側絶縁層121,122から流れ出たエポキシ樹脂からなる絶縁材131で充填されている。
また、内層導体112,113とスルーホール101の金属めっき141とも互いに離間しており、その間の距離(図1におけるA)はそれぞれ0.5mm以下となっている。そして、この隙間は外側絶縁層123,124から流れ出たエポキシ樹脂からなる絶縁材132,133で充填されている。
そして、各絶縁層121〜124及びこの絶縁層121〜124から流れ出た絶縁材131〜133の、スルーホール101に連続して接する領域の厚さ(図1におけるB)は0.6mm以上となっている。
図2は、この各絶縁層121〜124及びこの絶縁層121〜124から流れ出た絶縁材131〜133の、スルーホール101に連続して接する領域Rを細かいドットで示した図1に対応する断面図である。なお、同図ではこの発明の理解の容易化を図るためにスルーホール101の金属めっき141を除いてハッチング等の断面表示を省略している。図2からも、この領域R1の厚さ(図2におけるB)が0.6mm以上となっており、かつ金属コア111及び内層導体112,113とスルーホール101の金属めっき141とが互いに離間しており、その離間距離(図2におけるA)がそれぞれ0.5mm以下となっていることが分かる。
なお、2つの内層導体112,113は、図1及び図2の断面図では図示しない所定の回路パターンとして構成され、それぞれ内側絶縁層121,122と外側絶縁層123,124との間に延在している。
続いて、本発明の第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1の具体的な作用について説明する。金属コア多層プリント配線板1がこのような構造、即ち、各絶縁層121〜124の厚さ方向の熱膨張係数が45〜70ppm/℃であり、金属コア111及び内層導体112,113とスルーホール101の金属めっき141との距離がそれぞれ0.5mm以下となっていることで(図1及び図2のA参照)、各絶縁層121〜124及びこの絶縁層121〜124から流れ出た絶縁材131〜133の、スルーホール101に連続して接する領域(図2における領域R1参照)の厚さ(図1及び図2におけるB参照)が0.6mm以上となっていても、金属めっき141のこの部分における熱サイクルによって蓄積される歪エネルギーを低下させることができる。
即ち、金属めっき141とこれに接する各絶縁層121〜124が温度変化による膨張や縮みを繰り返すことで金属めっき141が歪を受けても、温度サイクルの増加によりその歪が余り蓄積することがなく、金属めっき141の疲労破断を生じ難くすることができる。その結果、従来の金属コア多層プリント配線板とは異なり、スルーホール101の金属めっき141にバレルクラックやコーナークラックが発生し難くなる。
なお、この第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1を従来例にかかる金属コア多層プリント配線板と比較した優位性については後述する実施例でより明らかにする。
続いて、本発明の第2の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板について図3に基づいて説明する。なお、上述の第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。この第2の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板2は、各絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜70ppm/℃であり、金属コア111及び上側の内層導体112とスルーホール101の金属めっき141との距離がそれぞれ0.5mm以下となっている点については第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1と構成上一致するが、下側の内層導体119がスルーホール101の金属めっき141と直接接続されている点で第1の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1とは構成上異なっている。
即ち、スルーホール101の金属めっき141は一方の内層導体119に接すると共に、それ以外の部分には金属コア多層プリント配線板2の加圧成型時において金属コア111や内層導体112に形成された空間が内側絶縁層121,122及び外側絶縁層123から流れ出たエポキシ樹脂からなる絶縁材131,132で充填されてこの領域が金属めっき141に接している。そして、金属コア111とスルーホール101の金属めっき141との距離(図3におけるA)は0.5mm以下となっている。また、上側の内層導体112とスルーホール101の金属めっき141との距離(図3におけるA)も0.5mm以下となっている。
また、スルーホール101の金属めっき141に接する下側の内層導体119より上側であって内側絶縁層121,122及び上側の外側絶縁層123並びにこの絶縁層間に充填した絶縁材131,132からなる、スルーホール101の金属めっき141に連続して接する領域の厚さ(図3におけるC)は0.6mm以上になっている。また、下側の外側絶縁層124は150μm程度の厚さを有している。
図4は、この各絶縁層121〜123及びこの絶縁層121〜123から流れ出た絶縁材131,132の、スルーホール101に連続して接する領域R2を細かいドットで示した図3に対応する断面図である。なお、同図ではこの発明の理解の容易化を図るためにスルーホール101の金属めっき141を除いてハッチング等の断面表示を省略している。図4からも、この領域R2の厚さ(図4におけるC)が0.6mm以上となっており、かつ内層導体112,113とスルーホール101の金属めっき141とも互いに離間しており、その間の距離(図4におけるA)がそれぞれ0.5mm以下となっていることが分かる。
金属コア多層プリント配線板2がこのような構造を有することで、下側の内層導体119より上側に積層され、内側絶縁層121,122及び上側の外側絶縁層123並びにこの絶縁層間に充填した絶縁材131,132からなる、スルーホール101に連続して接する領域R2の体積が少なくなり、熱サイクルによって金属めっき141のこの領域R2に接する部分に蓄積される歪エネルギーを低下させることができる。即ち、金属めっき141とこれに接する各絶縁層121〜123及びこの各絶縁層間に充填された絶縁材131,132が温度変化による膨張や縮みを繰り返すことでスルーホール101の金属めっき141が歪を受けても、温度サイクルの増加によりその歪が余り蓄積することがなく、金属めっき141の疲労破断を生じ難くすることができる。その結果、従来の金属コア多層プリント配線板とは異なり、スルーホール101の金属めっき141にバレルクラックやコーナークラックが発生し難くなる。
なお、この第2の実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板2を従来例にかかる金属コア多層プリント配線板と比較した優位性については後述する実施例でより明らかにする。
続いて、本実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板1の製造方法について図5に基づいて説明する。図5中の各構成要素の符号については主要な符号のみを示す。また、図5においては図示簡略化のために断面ハッチングを省略して示している。また、以下の製造方法の説明においても主要な構成要素の符号についてのみ記載する。
本実施形態にかかる金属コア多層プリント配線板の製造を実施するにあたって、最初に、厚さ400μmの圧延銅箔からなる金属コア111を用意し(図5(a)参照)、この金属コアの表面と裏面とを貫通するスルーホール用の下穴をエッチングやパンチングにより形成する(図5(b)参照)。この際、金属コアのスルーホール用の下穴の内径は金属コア多層プリント配線板1の完成時に金属コアとスルーホール101の金属めっき141との距離が0.5mm以下となるような寸法でこの下穴を形成する。
次いで、金属コア111の表面を粗面化処理する(図5では図示せず)。この金属コア表面に粗面を形成する方法としては、プリント配線基板の製造方法で一般的に行われているように、金属コア表面に酸化物を形成する方法、この酸化物層の形状を維持して還元剤により金属銅に還元する方法(例えば、特許第3395854号公報参照)、又は無電解めっき又は電解めっきにより粒径の粗い金属銅を形成する方法を用いる。
次いで、金属コア111の両面に厚さ200μmで熱膨張係数の厚さ方向が45〜70ppm/℃のいわゆるFR−4材と呼ばれるガラスエポキシ樹脂からなる内側絶縁層121,122と厚さ175μmの電解銅箔からなる内層導体112,113(119)とを積層し、金属コア、絶縁層、及び内層導体を加熱状態にしてプレス加工して一体化した1次基板を形成する(図5(c)参照)。
この加圧成型により、内側絶縁層のエポキシ樹脂のみがスルーホール周囲の金属コアの非導通穴に流れ込んで充填される。なお、エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂なので、加圧プレスするときに樹脂が溶融して溶融状態での樹脂の流れで隙間が埋められる。
次いで、内層導体112,113に金属めっき141を施す(図5(d)参照)。
次いで、インナービアホール(プリント配線板内の別々の層にある導体を互いに接続する埋め込まれた穴)が必要な際は、ここでは図示しないがインナービアホールを形成する部分だけに貫通穴をドリル又はプレス抜きで開け、上下の内層導体間の導通を得るためにこの貫通穴の内側に金属めっきを施す。
次いで、内層導体をエッチングして内層導体に所望の回路パターンを形成する。(図5(e)参照)。ここで図5(e)の左下側の内層導体は本発明の第1の実施形態に対応するようにエッチングされ、図5(e)の右下側の内層導体は本発明の第2の実施形態に対応するようにエッチングされている。なお、内層導体のエッチングに際して、金属コア多層プリント配線板の完成時に内層導体とスルーホールの金属めっきとが離間する場合は両者の離間距離が0.5mm以下となるように内層導体をエッチングする。
内層導体の回路パターンが形成された後に、上述の金属コア表面を粗面化処理したのと同様に内層導体表面の粗面化処理を行なう(図5では図示せず)。
次いで、外側絶縁層123,124を形成する厚さ150μmで熱膨張係数の厚さ方向が45〜70ppm/℃のいわゆるFR−4材と呼ばれるガラスエポキシ樹脂からなる外側絶縁層と厚さ18μmの電解銅箔からなる外層導体114,115とを内層導体の両側に積層して加圧成型して2次基板を形成する(図5(f)参照)。ここで、内層導体の表面を粗面化処理しているので、内層導体の両側に外側絶縁層をしっかりと積層することができる。この加圧成型の際、図5では図示しないインナービアホールの内部に外側絶縁層のエポキシ樹脂が一部流れ込んで、インナービアホールの内部がエポキシ樹脂で充填される。また、内層導体と外層絶縁層との間に形成された空間(図5ではスルーホールが形成される部分)にもエポキシ樹脂が同様に流れ込んでこの空間がエポキシ樹脂で充填される。
次いで、外側絶縁層及び外層導体のプレス成形が終わった後、2次基板の両面に形成された外層導体を貫通するスルーホール用の貫通穴を明ける(図5(g)参照)。
次いで、外層導体及び貫通穴に金属めっき141を施し(図5(h)参照)、外層導体及びめっき層をエッチングして所定の回路パターンを形成して所望の回路パターンとスルーホール101を完成させ(図5(i)参照)、金属コア多層プリント配線板の製造を終了する。
以下、本発明の有用性を評価する評価試験を行なったので、この試験内容と試験結果について説明する。評価試験には、以下の寸法を有する金属コア多層プリント配線板のうち本発明の上述した第1の実施形態の構成を有する金属コア多層プリント配線板、即ち金属コア及び内層導体とスルーホールの金属めっきとが全て離間した金属コア多層プリント配線板であってスルーホールの金属めっきに連続して接する絶縁層の厚さが0.6mm以上、金属コア及び内層導体とスルーホールの金属めっき間の距離Aが0.5mmのものを第1実施例とし、上述した第2の実施形態の構成を有する金属コア多層プリント配線板、即ち下側内層導体とスルーホールの金属めっきとが接続されている以外、金属コア及び上側内層導体とスルーホールの金属めっきとが全て離間した金属コア多層プリント配線板であってスルーホールの金属めっきに連続して接する絶縁層の厚さが0.6mm以上、金属コア及び上側内層導体とスルーホールの金属めっき間の距離Aが0.5mmのものを第2実施例とした。
一方、上述した第1の実施形態に対応する構成を有する金属コア多層プリント配線板、即ち金属コア及び内層導体とスルーホールの金属めっきとが全て離間した金属コア多層プリント配線板であってスルーホールの金属めっきに連続して接する絶縁層の厚さが0.6mm以上、金属コア及び内層導体とスルーホールの金属めっき間の距離Aが1.0mmのものを第1比較例とし、上述した第2の実施形態に対応する構成を有する金属コア多層プリント配線板、即ち下側内層導体とスルーホールの金属めっきとが接続されている以外、金属コア及び上側内層導体とスルーホールの金属めっきとが全て離間した金属コア多層プリント配線板であってスルーホールの金属めっきに連続して接する絶縁層の厚さが0.6mm以上、金属コア及び上側内層導体とスルーホールの金属めっき間の距離Aが1.0mmのものを第2比較例とした。
なお、この評価試験におけるスペックは具体的に以下の通りとした。
・絶縁層をなすガラスエポキシ樹脂の熱膨張係数は、厚さ方向45ppm/℃とし、
・ランドサイズについては、スルーホールの径に0.4mmから1.0mmを加えた寸法とし、
・スルーホールの金属めっきについては、厚さ25μmの硫酸銅めっきを使用し、
・スルーホールの穴径としては、金属めっき後の内径0.3mmとし、
・導体間の絶縁層厚さを200μmとし、
・金属コアを厚さ400μmの圧延銅箔とし、
・内層導体を厚さ175μmの電解銅箔とし、
・外層導体を厚さ18μmの電解銅箔とした。
このような評価スペックのもと、信頼性試験条件として−40℃〜120℃の冷熱衝撃試験を行った。そして、判定基準としては、スルーホール導通抵抗値の変動10%以下のものを合格とし、スルーホール導通抵抗値の変動10%を超えるものを不合格とした。なお、導通抵抗値の変化率は、試験前の値と試験後の値の比を表している。
この評価試験結果を図6及び図7に示す。同図に示す評価試験結果から明らかなように、熱衝撃サイクル数が3000サイクルと大幅に増えても、第1実施例と第2実施例にかかる金属コア多層プリント配線板の場合、電気抵抗率の変化がかなり抑えられていることが分かった。より具体的には、図6及び図7の評価試験結果から明らかなように、第1実施例及び第2実施例は、熱衝撃サイクル数が少なくとも3000サイクルまで信頼試験で合格していることが確認できた。
一方、第1比較例は図6に示すように熱衝撃サイクル数が1500サイクルで不合格となり、第2比較例は図7に示すように熱衝撃サイクル数が1200サイクルで不合格となることが分かった。
そして、本評価試験に基づく知見により、金属コア多層プリント配線板の冷熱衝撃環境下でのスルーホールの電気抵抗値の増加や破断に関しては、金属コア多層プリント配線板の厚み方向のスルーホールに連続して接触する絶縁層及び絶縁層から流れ出た絶縁材の体積に関連があることが明らかになった。
以上のことから、例えば車両の電気接続箱に使用される金属コア多層プリント配線板のように、最も過酷な使用条件では、冷熱衝撃試験3000サイクルを満足させることが求められており、このためには、上述した第1の実施形態や第2の実施形態の構成を有する金属コア多層プリント配線板の構造が優れていることが分かった。
以上説明したように、本発明によると放熱性に優れかつ過酷な冷熱衝撃環境に耐えられる金属コア多層プリント配線板を提供できた。
また、熱膨張率が金属めっきの熱膨張率に近い樹脂を絶縁層に適用することなしに安価な樹脂を用いて過酷な冷熱衝撃環境に耐えられる金属コア多層プリント配線板を製造できた。
また、スルーホールを形成する金属めっきを手間が掛かり煩雑な厚付けすることなしに、過酷な冷熱衝撃環境に耐えられる金属コア多層プリント配線板を製造できた。
なお、上述した各実施形態では、金属コアを含む導体層が5層構造の金属コア多層プリント配線板について説明したが、必ずしもこれに限定されず、導体層が5層を超えた金属コアプリント多層プリント配線板に対しても本発明が適用可能であることは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態にかかるプリント配線板をスルーホールの中心軸線に沿って配線板厚さ方向に示した断面図である。 図1に示した第1の実施形態にかかるプリント配線板の断面を補足説明する断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかるプリント配線板をスルーホールの中心軸線に沿ってプリント配線板厚さ方向に示した断面図である。 図3に示した第2の実施形態に係るプリント配線板の断面を補足説明する断面図である。 図1に示したプリント配線板の製造プロセスの工程図である。 本発明の評価試験において第1実施例と第1比較例を比較した第1の評価試験結果である。 本発明の評価試験において第2実施例と第2比較例を比較した第2の評価試験結果である。
符号の説明
1,2 金属コア多層プリント配線板
101 スルーホール
111 金属コア
112,113 内層導体
114,115 外層導体
119 内層導体
121,122 内側絶縁層
123,124 外側絶縁層
131,132,133 絶縁材
141 金属めっき
R 領域

Claims (1)

  1. プリント配線板の導体層として内部に圧延銅箔でできた金属コアを有すると共に、当該金属コアの厚さ方向両外側に内層導体を有し、更に前記内層導体の厚さ方向両外側に外層導体を有し、
    前記金属コアと前記内層導体の間には内側絶縁層を有し、前内層導体と前記各外層導体の間にはそれぞれ外側絶縁層を有し、
    前記プリント配線板には、当該プリント配線板の厚さ方向にスルーホールが形成され、前記スルーホールの内及び前記外層導体の表面には前記外層導体間を電気的に接続するように金属めっきが形成され、
    前記内側絶縁層及び前記外側絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜70ppm/℃であり、
    前記金属めっきと前記金属コア及び少なくとも一方の側の前記内層導体の間に絶縁部が形成され、前記絶縁部及び前記プリント配線板の厚さ方向で絶縁部に挟まれた内側絶縁層前記プリント配線板の厚さ方向に0.6mm以上連続して形成されており、
    前記スルーホール内周面の金属めっきと前記導体層間に形成された前記絶縁部が前記スルーホールの径方向で0.5mm以下であることを特徴とする車両の電気接続箱用金属コア多層プリント配線板。
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