JP4776562B2 - プリント配線板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スルーホールやインナービアホールなどのバイアホールの強度に優れ、低コストで信頼性が向上したプリント配線板の製造方法に関する。
近年、例えば車両のエンジンルーム内や室内に装着される電気接続箱には、電気回路を形成するために3次元的に折れ曲がった金属導体からなるバスバーで基板間を接続する代わりに、金属コアや導体層を内部に備えたプリント配線板が用いられ、これらの基板を収容する電気接続箱の小型化を図っている。
そして、このようなプリント配線板の構造上、導体層が積層されたプリント基板において任意の導体層同士を接続する手段としてスルーホールやインナービアホールなどのバイアホールが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
バイアホールの形成方法としては、プリント基板厚さ方向に貫通穴(スルーホール)をあけ、貫通穴壁面に厚さ20〜50μmの銅めっきを施し、任意の導体層間を電気的に接続する方法が一般的に用いられる。なお、プリント配線板は、エポキシ樹脂とガラス繊維をベースとした絶縁材料が用いられ、電気回路用導体として電解銅箔が用いられ、バイアホールには前述した銅めっきが施されている。
特開平8−162765号公報(第4−5頁、図1)
しかしながら、プリント配線板は、絶縁層の両側に電気回路を形成する18μm〜70μmの厚さを有する回路用銅箔が貼られる構成になっており、更に絶縁層と回路用銅箔の貼り合わせの繰り返しで数十層もの多層化構造のプリント配線板となる場合もある。又、配線板に大電流を流せるようにすると共に、配線板自体の均熱化や放熱性向上の要求を満たすために配線板内部に厚さ200μm以上の金属コアとしての厚銅板が使用される場合があり、配線板の厚みが増すと共にこの一部をなす絶縁層の厚みも増す傾向にある。そして、絶縁層の厚みが0.6mm以上になると、環境試験(温度加速度繰り返し試験)において絶縁材の膨張や縮小が繰り返し発生することで、バイアホールの銅めっきが破断してしまうことがある。
具体的には、銅めっき層と絶縁層とでは、それぞれの熱膨張率が異なるので、両者の熱膨張率の違いにより銅めっき層と絶縁層の境界において冷熱衝撃環境下の温度上昇により引っ張り応力が発生すると共に、温度下降により圧縮応力が発生する。このようにして、バイアホールの銅めっき層が冷熱衝撃環境下で温度の変動による熱応力による伸び縮みの繰り返しの応力疲労を受けるため、銅めっき層の伸び率や抗張力によっては電気抵抗値の増加や破断が生じ、プリント配線板のバイアホールの強度が熱サイクルの実用的な繰り返し回数まで耐えらない問題が生じる。
又、熱膨張係数が40〜65ppm/℃からなる一般のいわゆるFR−4材と呼ばれる絶縁材を絶縁層として用いたのでは、上述した例えば車両の電気接続箱に使用されるプリント配線板のようにバイアホールを介した回路接続の品質を満たせないような過酷な環境条件も生じてきており、この対応策として熱膨張係数が20〜30ppm/℃からなる高価ないわゆるFR−5材を絶縁層として使用しなければならず、コスト的に問題となっている。
本発明の目的は、スルーホールやインナービアホールなどのバイアホールの強度に優れ、低コストで信頼性が向上したプリント配線板の製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、
プリント配線板に備わった外部導体層間の電気的接続を図るか又は当該プリント配線板に実装される電子部品の支持部分を固定するためのスルーホールが備わったプリント配線板の製造方法において、
厚さが0.6mm以上である絶縁材からなる絶縁層の表面に所定の導体パターンを形成し、前記導体パターンの形成された基板の厚さ方向にスルーホール用の貫通穴を明け、
次いで、少なくとも前記貫通穴の表面にPd又はAgからなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成し、
次いで、前記触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層を形成し、
次いで、前記無電解めっき層の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層を形成するにあたって、当該電気銅めっき層を結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層で、前記2層以上からなる電気銅めっき層の厚さを30〜50μmとして形成することで、結晶粒界が不連続となる2層以上の電気銅めっき層を有するスルーホールを備えたプリント配線板を製造することを特徴としている。
プリント配線板のスルーホールを構成する貫通穴に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層を形成することで、スルーホールの銅めっき層がこれに接する絶縁材の熱膨張などにより伸縮しても、この部分の電気銅めっき層が破断し難くなる。それによって、熱サイクルに対するスルーホールの強度が向上し、信頼性に優れたプリント配線板を低コストで製造できるようになる。
また、絶縁層がこのような厚さを有し、かつ結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層がこのような厚さを有することで、本発明の作用を特によく発揮できるようになる。
また、請求項2に記載の本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記絶縁層は内層導体か金属コアの少なくとも何れか一方を内部に備えていることを特徴としている。
また、請求項3に記載の本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜65ppm/℃であることを特徴としている。
絶縁層がこのような熱膨張係数を有することで、本発明の作用を特によく発揮できるようになる。
また、請求項4に記載の本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、
絶縁層を介して複数の導体を積層配置したプリント配線板の内部導体層間の電気的接続を図るためのインナービアホールが形成されたプリント配線板の製造方法において、
絶縁材からなる絶縁層の表面に所定の導体パターンを形成し、前記導体パターンの形成された基板の厚さ方向に、両端部間の距離が0.6mm以上となるインナービアホール用の貫通穴を明け、
次いで、少なくとも前記貫通穴の表面にPd又はAgからなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成し、
次いで、前記触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層を形成し、
次いで、前記無電解めっき層の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層を形成するにあたって、当該電気銅めっき層を結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層で、前記2層以上からなる電気銅めっき層の厚さを30〜50μmとして形成し、
次いで、前記導体の両面にそれぞれ少なくとも1つの絶縁層と導体を積層して当該導体に所定の回路パターンを形成することで多層構造の導体及び当該導体のうち任意の導体を電気的に接続すると共に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層を有するインナービアホールを内部に備えたプリント配線板を製造することを特徴としている。
プリント配線板のインナービアホールを構成する貫通穴に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層を形成することで、インナービアホールの銅めっき層がこれに接する絶縁材の熱膨張などにより伸縮しても、この部分の銅めっき層が破断し難くなる。それによって、熱サイクルに対するインナービアホールの強度が向上し、信頼性に優れたプリント配線板を低コストで製造できるようになる。
また、インナービアホールの両端部間の距離がこのような寸法となり、かつ結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層がこのような厚さを有することで、本発明の作用を特によく発揮できるようになる。
また、請求項5に記載の本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、請求項4に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記インナービアホールによって電気的に接続される内層導体間には絶縁層を介して金属コアが備わっていることを特徴としている。
また、請求項6に記載の本発明にかかるプリント配線板の製造方法は、請求項4又は請求項5に記載のプリント配線板の製造方法において、
前記絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜65ppm/℃であることを特徴としている。
絶縁層がこのような熱膨張係数を有することで、本発明の作用を十分発揮できるようになる。
本発明によると、スルーホールやインナービアホールなどのバイアホールの強度に優れ、低コストで信頼性が向上したプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態にかかるプリント配線板の製造方法を説明する。本発明の第1の実施形態にかかるプリント配線板1の製造方法は、以下の手順で行われる。なお、以下の製造方法で示す各構成要素の符号は、プリント配線板1の完成した状態を示す図1に対応している。また、後述する本実施形態の変形例及び第2の実施形態における符号も同様に図2に対応している。
なお、図1はいわゆる両面板の例で、絶縁層の厚さがt0.6mm以上となったタイプのプリント基板においてクラックCR1が発生した状態を示している。この第1の実施形態にかかる絶縁層の厚さであるt0.6mm以上になるには、一般に用いられるFR−4と呼ばれるガラスエポキシ樹指からなる絶縁材の厚さt0.1mmを6枚、又は厚さt0.2mmを3枚使用することになる。この絶縁層10となる絶縁材の両面に回路パターン20を形成するための厚さ18μm〜70μmの回路用銅箔を積層プレスさせることにより絶縁層10の厚さが実質的に厚さt0.6mm以上で熱膨張係数が40ppm〜65ppm/℃の特性を有するプリント基板となる。
次いで、この導体層20をエッチングして所定の回路パターンが絶縁層上に形成される。次いで、この回路パターンの形成された絶縁層からなる基板の表面の所定位置に厚さ方向にわたって貫通する貫通穴31をドリル等で明ける。なお、絶縁層10の厚さが0.6mm以上なので、スルーホール用に明けた貫通穴31の両端部間の距離、即ちこの貫通穴31に銅めっきが施されてスルーホール30となった際のこの電気銅めっき層50に接する部分の絶縁層10の厚さは当然0.6mm以上となっている。
次いで、貫通穴10を含む基板表面にPd(パラジウム:Palladium)又はAg(銀)からなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成する。なお、この触媒層の厚さは数十オングストローム程度の非常に薄い層であり、図1においては図示していない。
次いで、触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層40を形成する。なお、この無電解めっき層40は約0.2μm〜0.3μm程度の厚さを有している。
次いで、無電解めっき層40の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層50を形成する。この電気銅めっき層50を形成するにあたって、電気銅めっき層50の結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層を形成する。本実施形態における電気銅めっき層50は、無電解めっき層40に積層される第1の電気銅めっき層51と、この第1の電気銅めっき層51に積層される第2の電気銅めっき層52から構成されている2層構造を有し、その厚さは30μm〜50μm程度となっている。このような工程を経て第1の実施形態に係るプリント配線板1の製造を完了する。
図1は、上述した工程で製造されたプリント配線板1をスルーホール30の中心軸線を含む厚さ方向断面で示した図である。この図から明らかなように、スルーホール30を構成するための貫通穴31の内周面にここでは図示しない触媒層が形成され、その触媒層に厚さ約0.2μm程度の無電解めっき層40が積層され、更にこの無電解めっき層40に図1中右下がりのハッチングで示す第1の電気銅めっき層51が積層され、この第1の電気銅めっき層51に図1中右上がりのハッチングで示す第2の電気銅めっき層52が更に積層されている。なお、上述したように第1の電気銅めっき層51と第2の電気銅めっき層52を合わせた電気銅めっき層50の厚さは30〜50μm程度となっている。しかしながら、図1においては、絶縁層10、導体層20、無電解めっき層40、第1の電気銅めっき層51、第2の電気銅めっき層52の厚さは説明の理解の容易化を図るために描かれており、これらを互いに正確な寸法比では示していない。
このような工程を経て製造されたプリント配線板1は、そのスルーホール30を構成する貫通穴31に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層50が形成されているので、スルーホール30の銅めっき層50がこれに接する絶縁層10の熱膨張などにより伸縮しても、この部分の銅めっき層50が破断し難くなる。それによって、熱サイクルに対するスルーホール30の強度が向上し、信頼性に優れたプリント配線板を低コストで製造できるようになる。
続いて、この第1の実施形態にかかるプリント配線板の製造方法の変形例について説明する。なお、上述のプリント配線板の製造方法と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。この変形例にかかるプリント配線板1’の製造方法は、以下の手順で行われる。なお、以下の説明中の符号に対応する構成を示す図2のプリント配線板は、インナービアホールも有しているが、本変形例では、説明の都合上から内層導体を有し、スルーホールのみを形成する工程について説明する。
最初に、厚さ200μm以上の銅箔からなる金属コア101を用意する。なお、金属コア101には予めスルーホール130を形成する位置にこのスルーホール130より大きな穴101Aを明けておく。
次いで、この金属コア101の両面に厚さ200μm程度で熱膨張係数が40〜65ppm/℃のガラスエポキシ樹脂からなる内側絶縁材111,112と厚さ200μm程度の銅箔からなる内層導体102,103を積層プレスする。なお、この場合、内側絶縁層111として厚さ100μmの絶縁材を2枚用いても良い。
積層プレスにより金属コア101に形成された穴101Aに内側絶縁層111,112から流れ出たエポキシ樹脂が充填される。
次いで、内層導体102,103を所定の回路パターンにエッチングする。
次いで、内層導体102,103の両面(図中上下面)に上述した内側絶縁層111,112と同等の厚さ及び熱膨張係数を有する外側絶縁層113,114と外層導体104,105を積層プレスによりこれらを一体化させると共に、内層導体102,103の回路間に形成された空間に外側絶縁層113,114から流れ出たエポキシ樹脂を充填させる。
次いで、外層導体104,105をエッチングして所定の回路パターンを形成すると共に、基板厚さ方向にドリル等でスルーホール用の貫通穴131を明ける。なお、スルーホール用に明けた貫通穴131の両端部間の距離、即ちこの貫通穴131に銅めっきが施されてスルーホール130となった際のこの電気銅めっき層150に接する部分の絶縁層及びこれから流れ出た絶縁層の厚さは0.6mm以上となっている。
次いで、貫通穴131を含む基板表面にPd又はAgからなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成する。なお、この触媒層の厚さは数十オングストローム程度の非常に薄い層である。
次いで、触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層140を形成する。なお、この無電解めっき層140は約0.2μm程度の厚さを有している。
次いで、無電解めっき層140の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層150を形成する。この電気銅めっき層150を形成するにあたって、電気銅めっき層150の結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層150を形成する。本実施形態における電気銅めっき層150は無電解めっき層140に積層される第1の電気銅めっき層151と、この第1の銅めっき層151に積層される第2の電気銅めっき層152から構成された2層構造を有し、その厚さは30μm〜50μm程度となっている。
図2は、上述した工程で製造されたプリント配線板1’をスルーホール130の中心軸線を含む厚さ方向断面で示した図である。なお、上述したように、図2においては、説明の都合上から上述の製造工程には含まれないインナービアホール230についても示している。この図から明らかなように、スルーホール130を構成するための貫通穴131の内周面にここでは図示しない触媒層が形成され、その触媒層に厚さ約0.2μm程度の無電解めっき層140が積層され、更にこの無電解めっき層140に図中右下がりのハッチングで示す第1の電気銅めっき層151が積層され、この第1の電気銅めっき層151に図中右上がりのハッチングで示す第2の電気銅めっき層152が更に積層されている。なお、上述したように第1の電気銅めっき層151と第2の電気銅めっき層152を積層した電気銅めっき層150の厚さは30μm〜50μm程度となっている。しかしながら、図2においては、絶縁層111〜114、金属コア101、導体102〜105、無電解めっき層140、第1の電気銅めっき層151、第2の電気銅めっき層152の厚さは説明の理解の容易化を図るために描かれており、これらを互いに正確な寸法比では示していない。
このような工程を経て製造されたプリント配線板1’は、そのスルーホール130を構成する貫通穴131に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層150を形成しているので、スルーホール130の銅めっき層150がこれに接する絶縁層111〜114及びこれから流れ出た絶縁材の熱膨張などにより伸縮しても、この部分の電気銅めっき層150が破断することがなくなる。それによって、熱サイクルに対するスルーホール130の強度が向上し、信頼性に優れたプリント配線板を低コストで製造できるようになる。
続いて、本発明の第2の実施形態にかかるプリント配線板の製造方法について説明する。なお、上述のプリント配線板の製造方法と同等の構成については対応する符号を付して詳細な説明を省略する。この第2の実施形態にかかるプリント配線板2の製造方法は、以下の通りである。
最初に、厚さ200μm以上の銅箔からなる金属コア101を用意する。なお、金属コア101には予めインナービアホール230を形成する位置にこのインナービアホール230より大きな穴101Bを明けておく。
次いで、この金属コア101の両面に厚さ200μm程度で熱膨張係数が40〜65ppm/℃のガラスエポキシ樹脂からなる内側絶縁材111,112と厚さ200μm程度の銅箔からなる内層導体102,103を積層する。なお、この場合、内側絶縁層111として厚さ100μmの内側絶縁材を2枚用いても良い。
次いで、これらを加圧プレスする。これによって、金属コア101に形成された穴に内側絶縁層111,112から流れ出たエポキシ樹脂が充填される。
そして、内層導体102,103をエッチングして所定の回路パターンを形成する。
次いで、この基板の厚さ方向にインナービアホール用の貫通穴231をドリル等で明ける。なお、インナービアホール用に明けた貫通穴231の両端部間の距離、即ちこの貫通穴231に銅めっきが施されると共に、その内部に絶縁材が充填されインナービアホール230となった際のこの電気銅めっき層250に接する部分の絶縁層111〜114及びこれから流れ出た絶縁材の厚さは0.6mm以上となっている。そして、この貫通穴231の内面に本発明特有の銅めっき処理を施す。具体的には、貫通穴231を含む基板表面にPd又はAgをからなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成する。なお、この触媒層の厚さは数十オングストローム程度の非常に薄い層である。
次いで、触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層240を形成する。なお、この無電解めっき層240は約0.2μm程度の厚さを有している。
次いで、無電解めっき層240の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層250を形成する。この電気銅めっき層250を形成するにあたって、電気銅めっき層250の結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層251,252を形成する。本実施形態における電気銅めっき層251,252は2層構造を有し、その厚さは30〜50μm程度となっている。
次いで、内層導体102,103の両面に上述した内側絶縁層111,112と同等の厚さ及び熱膨張係数を有する外側絶縁材113,114と外層導体104,105を積層プレスによりこれらを一体化させると共に、内層導体102,103の回路パターン間に形成された空間やインナービアホール内の空間に外側絶縁層113,114から流れ出たエポキシ樹脂を充填させる。
次いで、外層導体104,105をエッチングして所定の回路パターンを形成する。インナービアホールの他にスルーホール130をプリント配線板2に形成する場合は、スルーホール用の貫通穴131を基板に明ける。そして、上述した本発明特有の銅めっき処理を基板表面全体に施す。
図2は、上述した工程で製造されたプリント配線板2をインナービアホールの中心軸線を含む厚さ方向断面で示した図である。この図から明らかなように、インナービアホール230を構成するための貫通穴231の内周面にここでは図示ない触媒層が形成され、その触媒層に厚さ約0.2μm程度の無電解めっき層240が積層され、更にこの無電解めっき層240に図中右下がりのハッチングで示す第1の電気銅めっき層251が積層され、この第1の電気銅めっき層251に更に第2の電気銅めっき層252が積層されている。なお、上述したように第1の電気銅めっき層251と第2の電気銅めっき層252を積層した電気銅めっき層の厚さは30μm〜50μm程度となっている。しかしながら、図2においては、絶縁層111〜114、金属コア101、導体101〜105、無電解めっき層240、第1の電気銅めっき層251、第2の電気銅めっき層252の厚さは説明の理解の容易化を図るために描かれており、これらを互いに正確な寸法比では示していない。
このような工程を経て製造されたプリント配線板2は、そのインナービアホール230を構成する貫通穴に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層251,252を形成しているので、インナービアホール230の電気銅めっき層250がこれに接する絶縁層211〜214及びこれから流れ出た絶縁材の熱膨張などにより伸縮しても、この部分の銅めっき層250が破断し難くなる。それによって、熱サイクルに対するインナービアホール230の強度が向上し、信頼性に優れたプリント配線板2を低コストで製造できるようになる。
上述した本発明に係るプリント配線板の製造方法の有用性を評価する評価試験を行ったのでその評価試験結果について以下に説明する。
この評価試験にあたって、上述した第1の実施形態に係るプリント配線板の製造方法で製造したプリント配線板を本実施例とした。
具体的には、図3に示すように、電気銅めっき層の厚さが20μm〜25μm、層数が2層のものを第1実施例とし、電気銅めっきの厚さが10μm〜15μm、層数が4層のものを第2実施例とした。
また、従来のプリント配線板の製造方法で製造し、上述の実施例と同等の寸法や材質を基板自体が有するが、電気銅めっき層が単層の構造を有するプリント配線板を比較例とした。具体的には、この比較例は、電気銅めっき層の厚さが20μm〜25μm、層数が1層のものを利用した。そして、これらの実施例と比較例を利用して熱サイクル試験を行った。
この熱サイクル試験の環境試験条件としては、−40℃〜120℃の冷熱衝撃を3000サイクル加え、初期抵抗値との変化が10%以下のものを合格(○)とし、初期抵抗値との変化が10%を超えるものを不合格(×)とした。
図3に示す評価試験結果から分かるように、第1実施例及び第2実施例が合格となる一方、比較例は500〜1000サイクルの冷熱衝撃で抵抗変化が10%を超え、不合格となり、本発明の有用性を立証できた。
図4は、上述した第2実施例と比較例について3000サイクルの冷熱衝撃試験を行い、スルーホールの断面部分を拡大した写真である。この図4から分かるように、比較例はスルーホールのコーナークラックが電気銅めっき層の厚さ方向を完全に破断するように生じているのに対し、第2実施例ではこのようなクラックが発生していないことが分かった。
また、図5は、比較例におけるバレルクラックを示したスルーホールの断面部の写真である。同図から分かるように、比較例はスルーホールのバレルクラックが電気銅めっき層の厚さ方向を完全に破断するように生じている。しかしながら、第2実施例では上述したコーナークラックの場合と同様にこのようなクラックが発生し難いと考えられる。
これは図6に示すように、電気銅めっき層を複数層とすることで、この層間で結晶粒界が不連続となり、冷熱衝撃を加えることで電気銅めっき層の内側の一部にクラックCRが発生しても、そのクラックCRが他の層との境界領域で止まり、電気銅めっき層の厚さ方向の一部にしか発生しないためと思われる。
図7及び図8は、従来のプリント配線板の構造を示す断面部であり、それぞれ本発明の図1及び図2に対応して示している。また、本発明と共通する構成については、同等の符号を付して電気銅めっき層の部分だけを単層の銅めっき層90,190,290として示している。ここで、図1、図7、図8に示すクラックCR(CR1,CR2)は、電気銅めっき層に生じたクラックを模式的に示したもので、図7及び図8における従来の製造方法で製造したプリント配線板では、そのスルーホールやインナービアホールに電気銅めっき層を厚さ方向に完全に破断させるクラックCR2が生じるのに対し、図1及び図2における本発明の製造方法で製造されたプリント配線板では、絶縁層との境界で発生したクラックCR1が電気銅めっき層の第1層目で止まり、第2層目までは達していないことを示している。
以上説明したように、本発明によるプリント配線板の製造方法によると、プリント配線板のスルーホールやインナービアホールを構成する貫通穴に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層を形成することで、スルーホールやインナービアホールの銅めっきがこれに接する絶縁材の熱膨張などにより伸縮しても、この部分の銅めっきが破断し難くなった。それによって、熱サイクルに対するスルーホールやインナービアホールの強度が向上し、信頼性に優れたプリント配線板を低コストで製造できるようになった。
なお、上述の第1の実施形態及びその変形例並びに第2の実施形態では、電気銅めっき層は2層構造の電気銅めっき層であったが、必ずしもそれに限る必要はなく、3層以上の電気銅めっき層から構成されても良いことは言うまでもない。
本発明の第1の実施形態にかかるプリント配線板をスルーホールの中心軸線に沿った配線板の厚さ方向の断面図である。 本発明の第1の実施形態の変形例及び第2の実施形態にかかるプリント配線板をスルーホール及びインナービアホールの中心軸線に沿った配線板の厚さ方向の断面図である。 本発明の評価試験において本実施例(第1実施例及び第2実施例)と比較例を比較した評価試験結果を示す表である。 本発明の評価試験における第2実施例と比較例を示した写真の写しである。 本発明の評価試験における比較例を示した写真の写しである。 本発明の作用を分かり易く説明するための電気銅めっき層の部分における微視的な断面図である。 図1に対応する従来のプリント配線板の断面図である。 図2に対応する従来のプリント配線板の断面図である。
符号の説明
1,1’,2 プリント配線板
10 絶縁層
20 導体層
30 スルーホール
31 貫通穴
40 無電解めっき層
50 電気銅めっき層
51 第1の銅めっき層
52 第2の電気銅めっき層
90 単層の銅めっき層
101 金属コア
101A,101B 穴
102,103 内層導体
104,105 外層導体
111,112 内側絶縁層
113,114 外側絶縁層
130 スルーホール
131 貫通穴
140 無電解めっき層
150 電気銅めっき層
151 第1の電気銅めっき層
152 第2の電気銅めっき層
190 単層の銅めっき層
230 インナービアホール
231 貫通穴
240 無電解めっき層
250 電気銅めっき層
251 第1の電気銅めっき層
252 第2の電気銅めっき層
290 単層の銅めっき層
CR(CR1,CR2) クラック

Claims (6)

  1. プリント配線板に備わった外部導体層間の電気的接続を図るか又は当該プリント配線板に実装される電子部品の支持部分を固定するためのスルーホールが備わったプリント配線板の製造方法において、
    厚さが0.6mm以上である絶縁材からなる絶縁層の表面に所定の導体パターンを形成し、前記導体パターンの形成された基板の厚さ方向にスルーホール用の貫通穴を明け、
    次いで、少なくとも前記貫通穴の表面にPd又はAgからなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成し、
    次いで、前記触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層を形成し、
    次いで、前記無電解めっき層の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層を形成するにあたって、当該電気銅めっき層を結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層で、前記2層以上からなる電気銅めっき層の厚さを30〜50μmとして形成することで、結晶粒界が不連続となる2層以上の電気銅めっき層を有するスルーホールを備えたプリント配線板を製造することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  2. 前記絶縁層は内層導体か金属コアの少なくとも何れか一方を内部に備えていることを特徴とする、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法。
  3. 前記絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜65ppm/℃であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載のプリント配線板の製造方法。
  4. 絶縁層を介して複数の導体を積層配置したプリント配線板の内部導体層間の電気的接続を図るためのインナービアホールが形成されたプリント配線板の製造方法において、
    絶縁材からなる絶縁層の表面に所定の導体パターンを形成し、前記導体パターンの形成された基板の厚さ方向に、両端部間の距離が0.6mm以上となるインナービアホール用の貫通穴を明け、
    次いで、少なくとも前記貫通穴の表面にPd又はAgからなる触媒微粒子を分散析出させた触媒層を形成し、
    次いで、前記触媒層の表面に導電性を与えるための化学還元型の無電解めっき層を形成し、
    次いで、前記無電解めっき層の表面に電気化学的に溶解中の金属イオンを陰極に金属として析出させる電気銅めっき層を形成するにあたって、当該電気銅めっき層を結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層で、前記2層以上からなる電気銅めっき層の厚さを30〜50μmとして形成し、
    次いで、前記導体の両面にそれぞれ少なくとも1つの絶縁層と導体を積層して当該導体に所定の回路パターンを形成することで多層構造の導体及び当該導体のうち任意の導体を電気的に接続すると共に結晶粒界が不連続となるような2層以上の電気銅めっき層を有するインナービアホールを内部に備えたプリント配線板を製造することを特徴とするプリント配線板の製造方法。
  5. 前記インナービアホールによって電気的に接続される内層導体間には絶縁層を介して金属コアが備わっていることを特徴とする、請求項4に記載のプリント配線板の製造方法。
  6. 前記絶縁層の厚さ方向の熱膨張係数が45〜65ppm/℃であることを特徴とする、請求項4又は請求項5に記載のプリント配線板の製造方法。
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