JP4851377B2 - プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コアとなる導体層を内部に有し、実装密度が高くかつ放熱性や量産性に優れた信頼性の高いプリント配線板及びその製造方法に関する。
近年、例えば車両のエンジンルーム内や室内に装着される電気接続箱には、大電流の電気回路を形成するために3次元的に構成された金属導体からなるバスバーの代わりに、金属コアを含む厚肉の導体層を内部に備えたプリント配線板が用いられ、これらの基板を収容する電気接続箱の小型化を図っている。
これは、電子機器の性能が向上するに伴い、搭載する部品の大容量化、配線帯自身の高密度化により放熱の必要性が増大していることから、放熱性に優れた金属コアを有する金属コアプリント配線板の必要性が高まっているためである。
そのため、例えば、放熱性、均熱性に優れた内層導体(金属コア)を備えたメタルコアプリント配線板が用いられている(例えば特許文献1参照)。
かかる内層部に金属コアを用いたプリント基板を製造するに当って、金属コアと接続せず金属コア以外の任意の導体層と接続するスルーホールやインナービアホールなどのバイアホールを形成する場合がある。このバイアホールの形成方法は、圧延銅箔からなる金属コアに予めバイアホールの穴径よりも大きい下穴加工を行うと共に、金属コアの両側にいわゆるプリプレグと呼ばれる絶縁層と、電気回路を形成する18μm以上の電解銅箔を積層プレスするようになっている。なお、金属コアの下穴形成方法は、プレス打ち抜き、ドリル加工、エッチング方法等が一般的である。
また、絶縁層を構成するプリプレグからなる樹脂材は半硬化樹脂のため、バイアホール形成の際、積層プレス時の加熱により樹脂の粘度が下がり金属コアの下穴加工した部分(空間)にその樹脂が流れ込んでこの空間に埋め込まれるようになっている。
近年におけるプリント配線板の実装部品及び発熱部品の増加に伴いプリント配線板には均熱や放熱、大電流化が要求されることで、金属コアの厚みやバイアホール用の下穴数が増し、その下穴が密集した箇所では下穴部分を埋め込む樹脂量が不足する状態となっている。そして、この下穴部分の樹脂量の不足により、ボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジングが発生し、基板特性異常を引き起こす要因となっている。
ここで、ボイドとは、積層プレスで絶縁層内に発生した気泡による空洞を言う。なお、気泡のサイズ及び発生箇所により異なる耐電圧異常が発生する。また、デラミネーションとは、基板内部での絶縁層間又は絶縁層と導体層間の剥離現象のことを言う。また、ミーズリングとは、ガラスクロスの縦糸と横糸の交点での剥離で、外観的には白点として見えるものを言う。また、クレイジングとは、基板表層もしくは内部でガラスクロスのヤーン自体の分離によって連続的な白点が発生することを言う。
図11は、バイアホール用の下穴を金属コア511に多数形成した従来のプリント配線板5に生じたボイドV、デラミネーションD、ミーズリングM、クレイジングC等を示した図2に対応する断面図である。なお、図11のプリント配線板5は、内部に厚さ0.3〜0.4mmの金属コア511を有すると共に、金属コア511の両側に(図中上下に)厚さ200μm程度の絶縁層521,522を介して厚さ70μm程度の外層導体512,513をそれぞれ1枚ずつ有した構成を備えることで、金属コア511を含む導体層が3層構造をなす金属コアプリント配線板となっているが、この配線板中にボイドV、ミーズリングM、デラミネーションD、クレイジングCが様々な箇所で生じていることが分かる。
そして、図12は、図11に示したプリント配線板5にスルーホール用の貫通穴を図中矢印方向から明けた状態を示す断面図である。図12からボイドVの空間の一部がスルーホール用の貫通穴に連通して、この貫通穴の内周面の一部に凹み部V1〜V3を生じさせていることが分かる。
また、図13は、図12に示したプリント配線板5に銅めっきを施した状態を示す断面図である。図13から分かるように、ボイドVのうち、スルーホール501との内周面に凹み部V1〜V2を形成した部分に銅めっきが入り込んでこの銅めっきを介して本来的には電気的に接続すべきではない金属コア511と外層導体512,513とを短絡していることが分かる。
また、図14は、図13に示したプリント配線板5のスルーホール501にはんだコートを施した状態を示す断面図である。図14において、凹み部V1〜V3には不純物が溜まり、スルーホール501が破断に至り易い状態になっている。
これらの図面からも明らかなように、ボイドV、デラミネーションD、ミーズリングM、クレイジングCがプリント配線板5の基板特性異常を引き起こしていることが分かる。
このような不具合を防止する対策として、以下の対策が取られている。図15は、従来のプリント配線板5において導体層間に複数の絶縁層521〜524を積層させた状態を示す積層工程時の断面図であり、図16は、ガラス繊維を縦編み方向と横編み方向に編んだ状態で絶縁樹脂を充填させ半硬化状態であるいわゆるプリプレグを示す断面図である。なお、図16に示す絶縁樹脂は、図15に示した各絶縁層521〜524を構成している。
また、図17は、従来のプリント配線板5において導体層間に絶縁層521,522の他に絶縁樹脂531,532を積層させた状態を示す断面図であり、図18の断面図に示す絶縁樹脂は、図17における導体層間において絶縁層521,522の他に積層される絶縁樹脂531,532である。
上述した樹脂不足による基板特性異常を防止するために、図15に示すように絶縁材料の重ね枚数を増やしたり、図17に示すように樹脂シートを加えたり、図16の状態のものであって、特注で樹脂量を増したタイプを購入したり、特許文献2のようにダミープリント基板を重ねたり等の対策がとられている。
特開平8−293659号公報 特開2001−185849号公報
しかしながら、このような対策では材料費が増す傾向にあり、プリント配線板のコスト高につながる。また、樹脂材に関して樹脂量の多いタイプなどの特注品を使用する場合、材料メーカー側は受注生産となるので、このような樹脂材の入手についても困難となり、プリント配線板の納品も遅れ気味になる問題も生じる。
本発明の目的は、コアとなる導体層を内部に有し、基板内にボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジングによる基板特性異常を生じ難い信頼性の高いプリント配線板及びその製造方法を提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明にかかるプリント配線板は、
2以上の金属箔と少なくとも1以上のコア導体層を有し、前記金属箔は少なくとも前記コア導体層の両側に1層ずつ配置され、前記金属箔同士間又は前記金属箔と前記コア導体層間は絶縁層を介しており、
前記絶縁層は、樹脂分が48〜55%で、厚さが0.2mm以下のガラスエポキシ樹脂からなり、
前記コア導体層と電気接続せずに前記金属箔同士を電気接続するスルーホール及び/又はインナービアホールのバイアホールを備え、
前記コア導体層の厚さは0.3〜0.4mmとなっており、
前記コア導体層のバイアホール形成用下穴の穴径dは1.0〜3.0mmとなっており、
かつ隣接する前記バイアホール形成用下穴同士で挟まれた領域の前記穴径方向の距離Lが前記バイアホール形成用下穴の前記穴径dに対して80%以上となっていることを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のプリント配線板がこのような構成を有することで、基板内層部となるコアに下穴加工した部分(空間)に積層プレス時の絶縁材の樹脂が流れ込んで埋め込まれる量が少なくなるので、この下穴部分の樹脂量の不足によるボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジングによる基板特性異常を引き起こし難くなる。これによって、基板特性異常が生じ難い信頼性の高いプリント配線板とすることができる。
また、請求項2に記載のプリント配線板の製造方法は、請求項1に記載のプリント配線板の製造方法であって、
厚さ0.3〜0.4mmの前記コア導体層に複数の穴径dが1.0〜3.0mmの前記バイアホール形成用下穴を前記穴径方向の距離Lが前記穴径dに対して80%以上離間した位置に形成する下穴形成工程と、
前記コア導体層に樹脂分48〜55%で厚さ0.2mm以下のガラスエポキシ樹脂からなる樹脂材と前記金属箔を挟む積層工程と、
前記コア導体層と前記樹脂材を加圧プレスして積層体を形成するプレス工程と、
前記積層体に前記スルーホール及び/又は前記インナービアホールを形成するホール形成工程と、
前記ホール形成工程後に金属めっきを施すめっき工程と、
前記めっき工程後に前記積層体に回路を形成する回路形成工程と、
を備えたことを特徴としている。
本発明の請求項2に記載の多層プリント配線板がこのような工程によって製造されることで、コア導体層の下穴加工した部分(空間)に積層プレス時の絶縁材の樹脂が流れ埋め込まれる量がより少なくなるので、この下穴部分の樹脂量の不足によるボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジングによる基板特性異常をより引き起こし難くできる。これによって、基板特性異常がより生じ難い信頼性の高いプリント配線板とすることができる。
本発明によると、コア導体層を内部に有し、基板内にボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジングによる基板特性異常を生じ難い信頼性の高い多層プリント配線板及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態にかかるプリント配線板を図面に基いて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかるプリント配線板1をスルーホール101の中心軸線に沿って配線板の厚さ方向に切断した断面図である。また、図2は、図1に示したプリント配線板1のスルーホール101や図1では図示しないインナービアホールなどのいわゆるバイアホール形成前の状態を配線板厚さ方向に沿って示した断面図である。
本発明の一実施形態にかかるプリント配線板1は、図1に示すように、内部に厚さ0.3〜0.4mmのコア導体層111を有すると共に、コア導体層111の両側に(図中上下に)厚さ200μm程度の絶縁層121,122を介して厚さ70μm程度の金属箔(外層導体)112,113をそれぞれ1枚ずつ有した構成を備えることで、コア導体層111を含む導体層が3層構造をなすプリント配線板となっている。
なお、コア導体層111は圧延銅箔などからなる金属コアや紙又はガラス布などを補強材とした硬質のリジットCCL(copper clad laminate)でできており、金属箔(外層導体)112,113は電解銅箔でできており、絶縁層121,122は熱膨張係数が45ppm/℃以上のガラスエポキシ樹脂でできている。
また、プリント配線板1には、プリント配線板の厚さ方向を貫くスルーホール101が形成されている。そして、スルーホール101の内面全体には厚さ25〜50μm程度の金属めっき141が施され、図中上下の金属箔(外層導体)112,113を金属めっき141により電気的に接続している。また、コア導体層111にはスルーホール101の形成位置に対応してスルーホール101よりも大きい多数の下穴(図1では下穴111a〜111cのみ図示)が明けられ、スルーホール101の金属めっきとコア導体層111の下穴111a〜111dとの間にそれぞれ樹脂材が充填されて、コア導体層111とスルーホール101とが絶縁されている。
そして、図2乃至図4に示すように、コア導体層111のスルーホール形成用下穴の穴径dは1.0〜3.0mmとなっており、コア導体層111の、隣接するスルーホール形成用下穴同士で挟まれた領域の下穴穴径方向の距離Lはこの穴径dに対して80%以上となっている。このとき、距離Lが穴径dの80%以上であれば距離Lは穴径dに対してL>dでも良い。なお、コア導体層111における下穴の形成パターンについては、図3のような形成パターンでも良く、図4のような形成パターンでも良く、これらを組み合わせた形成パターンでも良い。
なお、本実施形態においては、コア導体層111のバイアホール形成用下穴穴径dとコア導体層111の隣接する下穴間の距離Lは上述した寸法関係で規定されているが、本発明においては、図5に示すように金属コアの厚さが0.3〜0.4mm、L/d=80%以上であれば、本発明の作用効果を発揮し得る。この点については、後述する実施形態で明らかにする。
続いて、かかる構成を有するプリント配線板1の製造方法について説明する。なお、ここではスルーホール101を備えたプリント配線板1を製造する方法について説明し、インナービアホールを備えたプリント配線板の製造方法については説明を省略する。
図6(a)〜(i)は、プリント配線板1の製造方法を説明するための側方断面図である。まず、図6(a)に示すように厚さは0.3〜0.4mmの圧延銅箔からなるコア導体層111を用意し、図6(b)に示すように、コア導体層111の表面と裏面とを貫通するスルーホール用の下穴111a〜111d、回路パターンをエッチングやパンチング等により形成する。ここで、コア導体層111のスルーホール用下穴の穴径dは1.0〜3.0mmであり、コア導体層111の、隣接するバイアホール形成用下穴同士で挟まれた領域の下穴穴径方向の距離Lは穴径dに対して80%以上となっている。なお、コア導体層111の下穴形成方法については、プレス打ち抜き、ドリル加工、エッチング方法等の一般的な下穴形成方法を用いる。
続いて、図6(c)に示すように圧延銅箔からなるコア導体層111の両面を粗面化する。このコア導体層111表面に粗面を形成する方法としては、プリント配線板の製造方法で一般的に行われているように、コア導体層111表面に酸化物を形成する方法、この酸化物層の形状を維持して還元剤により金属銅に還元する方法(例えば、特許第3395854号公報参照)、又は無電解めっき又は電解めっきにより粒径の粗い金属銅を形成する方法を用いる。
そして、図6(d)に示すように厚さ0.2mm以下で樹脂分が重量法で48〜55%となったプリプレグからなる絶縁材121,122をコア導体層111と接するように積層すると共に、絶縁材121,122の両面側に厚さ70μm程の電解銅箔からなる金属箔(外層導体)112,113を積層し、加熱プレス加工を施すことで、図6(e)に示すようにこれらを一体化し、積層体を形成する。この際、コア導体層111のスルーホール用下穴として加工した部分には、積層プレス時に絶縁材121,122の樹脂が流れ込んでこの空間に樹脂材が充填される。
続いて、図6(f)に示すように金属箔(外層導体)112,113を貫通するスルーホール用の貫通穴を形成し、図6(g)に示すように貫通穴に金属めっき141を形成してスルーホール101とすると共に、金属箔(外層導体)112,113に対しても金属めっき141を形成する。
続いて、図6(h)に示すように基板両面の金属箔(外層導体)112,113及び金属めっき141をエッチングして回路パターンを形成する。
続いて、図6(i)に示すようにスルーホール101及び金属箔(外層導体)112,113にはんだ不要の部分にレジスト142を行った後、はんだコート143を施し、プリント配線板の製造を完了する。図6では図示しないが、スルーホール101のランド部分もあわせてはんだコート143を施す。
以下、このような構成を有するプリント配線板1の作用について説明する。
本発明の上述した実施形態に係るプリント配線板1がこのような構成を有することで、コア導体層111の下穴加工した部分(空間)に積層プレス時の絶縁材121,122の樹脂が流れ込んで埋め込まれる量が少なくなるので、この下穴部分の樹脂量の不足によるボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジングによる基板特性異常を引き起こし難くなる。
具体的には、従来のプリント配線板のようにボイドの発生した箇所にスルーホールを形成することで、スルーホールの銅めっきがボイド内に入り込んで本来的に電気接続すべきでない金属コアと外層導体をスルーホールの銅めっきを介して短絡させてしまうような不具合を回避することができる。
また、このようなボイドによって生じた凹み部にはんだの不純物が溜まってスルーホールが破断に至るような不具合を回避することもできる。これによって、基板特性異常を生じ難い信頼性の高いプリント配線板とすることができる。
なお、上述した実施形態のプリント配線板は、スルーホール101のみ形成されていたが、これに限らずインナービアホールが形成されたプリント配線板であって、インナービアホールとコア導体のインナービアホール形成用下穴の穴径が上述した寸法関係を有する場合であっても本発明の作用効果を発揮し得ることは言うまでもない。具体的には、絶縁層を構成する厚みが0.2mm以下で樹脂分が重量法で48〜55%の樹脂材をコア導体と接するように積層プレスを行い、更に厚さが0.3〜0.4mmであるコア導体のインナービアホール形成用下穴の穴径dが1.0〜3.0mmとなっており、コア導体の、隣接するインナービアホール形成用下穴同士で挟まれた領域の下穴の穴径方向の距離はこの穴径に対して80%以上となっているプリント配線板であれば、本発明の作用効果を発揮し得る。
また、上述の実施形態においてはコア導体111を含む導体層が3層構造のプリント配線板1について説明したが、コア導体を含む導体層が5層構造のプリント配線板についても本発明は適用可能である。
即ち、ここでは図示しないが、内部に厚さ0.3〜0.4mmのコア導体を有すると共に、コア導体の両側に(図中上下に)厚さ200μm程度の内側絶縁層を介して厚さ70μm程度の金属箔(内層導体)をそれぞれ1枚ずつ有し、かつ金属箔(内層導体)の両側に(図中上下に)厚さ200μm程度の外側絶縁層を介して厚さ70μm程度の金属箔(外層導体)をそれぞれ1枚ずつ有したコア導体を含む導体層が5層構造をなすプリント配線板であって、絶縁層を構成する樹脂材の厚みが0.2mm以下で樹脂分が重量法で48〜55%の樹脂材をコア導体と接するように積層プレスを行い、更にコア導体のバイアホール形成用下穴の穴径dが1.0〜3.0mm、かつコア導体の、隣接するバイアホール形成用下穴同士で挟まれた領域の下穴穴径方向の距離Lが穴径dに対して80%以上となっているプリント配線板であっても、本発明の作用効果を発揮し得る。
以下、本発明の上述の一実施形態に係るプリント配線板についての有用性を従来のプリント配線板との比較において明らかにする評価試験を行ったので、この評価試験結果について説明する。
なお、この評価試験におけるスペックは、図7に示すプリント配線板のスペックに基づき行い、具体的には以下の通りとした。
・厚さ200μmの樹脂材を積層して絶縁層を形成し、
・樹脂材であるプリプレグ(ガラスエポキシ樹脂)の熱膨張係数は、厚さ方向45ppm/℃とし、
・コア導体を厚さ400μmの圧延銅箔とし、
・金属箔(外層導体)を厚さ70μmの電解銅箔とした。
このような評価スペックのもと、信頼性試験条件として基板サイズ340×510mmのプリント配線板を使用して断面解体によるボイド有無の判定試験を行った。そして、判定基準としては、図8に示すようにこのプリント配線板のn1〜n3のサンプリング箇所におけるボイドの発生の有無を調べた。なお、図9及び図10の評価試験結果における埋め込み性(判定)の評価内容については、各サンプリング箇所に発生したボイドの大きさ(長さや直径)が0.1mm以下の場合を○、0.1〜0.5mmの場合を△、0.5mm以上のものを×とした。
図9は、コア導体の下穴d=Φ1.0mm、コア導体の隣接する下穴同士の間隔L=1.0×α(但し、α=L/d)とした場合の樹脂分が重量法で47%未満、48〜55%未満、56%以上における樹脂材のコア導体下穴への埋め込み性を判定した判定結果である。
図9に示すように樹脂分が47%未満の場合は、α=50%(L=0.5mm)、α=60%(L=0.6mm)、α=70%(L=0.7mm)、α=80%(L=0.8mm)の全てにおいてサンプリング箇所n1〜n3の全ての埋め込み性(判定)が×であった。
また、樹脂分が48〜55%の場合は、α=50%(L=0.5mm)、α=60%(L=0.6mm)においてサンプリング箇所n1〜n3の全ての埋め込み性(判定)が×であったのに対し、α=70%(L=0.7mm)においては、サンプル数3つのうちサンプリング箇所n1についての判定は○であったが、サンプリング箇所n2とn3についての判定は△であり、この2つについて0.1mm〜0.5mmの大きさのボイドが発生していることが分かった。また、α=80%(L=0.8mm)においては、サンプル数3つのうち全ての埋め込み性(判定)が○であった。
また、樹脂分が56%以上の場合は、α=50%(L=0.5mm)においてサンプリング箇所n1〜n3の全ての埋め込み性(判定)が×であったのに対し、α=60%(L=0.6mm)においては、サンプル数3つのうちサンプリング箇所n1とn3の埋め込み性(判定)が○であったが、サンプリング箇所n2についての埋め込み性(判定)は△であった。一方、α=70%(L=0.7mm)α=80%(L=0.8mm)においては、サンプル数3つ全ての埋め込み性が○であった。
図10は、コア導体の下穴d=Φ3.0mm、コア導体の隣接する下穴同士の間隔L=3.0×αとした場合の樹脂分が重量法で47%未満、48〜55%未満、56%以上について埋め込み性を判定した判定結果である。
図10に示すように樹脂分が47%未満の場合は、α=50%(L=1.5mm)、α=67%(L=2.0mm)、α=77%(L=2.3mm)、α=80%(L=2.4mm)の全てにおいて埋め込み性(判定)が×であった。また、樹脂分が48〜55%の場合は、α=50%(L=1.5mm)、α=67%(L=2.0mm)において埋め込み性が×であったのに対し、α=77%(L=2.3mm)においては、サンプル数3つのうちサンプリング箇所n1とn3については埋め込み性(判定)が○であったがサンプリング箇所n2においては埋め込み性(判定)が△で0.1mm〜0.5mmのボイドが発生していることが分かった。また、α=80%(L=2.4mm)においては、サンプル数3つのうち全ての埋め込み性(判定)が○であった。また、樹脂分が56%以上の場合は、α=50%(L=1.5mm)においてサンプル数3つの全ての埋め込み性(判定)が×であったのに対し、α=67%(L=2.0mm)においては、サンプル数3つのうちサンプリング箇所n1の埋め込み性(判定)は○であったが、残りのサンプリング箇所n2とn3の埋め込み性(判定)が△でサンプリング箇所n2とn3において2つが0.1mm〜0.5mmのボイドが発生していることが分かった。一方、α=77%(L=2.3mm)α=80%(L=2.4mm)においては、サンプル数3つのうち全てについて埋め込み性(判定)が○であった。
以上のことから、絶縁層を構成する厚みが0.2mm以下で樹脂分が重量法で48〜55%の樹脂材をコア導体と接するように積層プレスを行い、更にコア導体の厚さが0.3〜0.4mmで、コア導体のバイアホール形成用下穴の穴径dが1.0〜3.0mm、かつコア導体の、隣接するバイアホール形成用下穴同士で挟まれた領域の下穴穴径方向の距離Lがこの下穴穴径dに対して80%以上となっている本発明品については、バイアホールとコア導体の下穴間への樹脂材の充填性(埋め込み性)が十分となり、基板特性異常の発生につながるような大きさのボイドの発生を抑えることが分かった。その結果、本実施例によって本発明の有用性を確認できた。
スルーホールを備えた本発明の一実施形態に係るプリント配線板の厚さ方向に沿って示す断面図である。 図1に示したプリント配線板のスルーホール形成前の状態を配線板厚さ方向に沿って示す断面図である。 図2に示したコア導体に形成された各下穴間の寸法関係を示す平面図である。 図2に示したコア導体に図3とは異なるパターンで形成された各下穴間の寸法関係を示す平面図である。 コア導体のバイアホール形成用下穴の直径dと隣接する下穴間で挟まれるコア導体の領域の距離Lとの関係を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るプリント配線板の製造工程を説明する工程説明図である。 本発明の実施例においてサンプルとして用いたコア導体の基本的構成を示す断面図である。 本発明の実施例におけるプリント配線板上のサンプリング箇所を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施例における評価試験結果を示す一覧表である。 図9に続く本発明の実施例における評価試験結果を示す一覧表である。 従来のプリント配線板に生じたボイド、デラミネーション、ミーズリング、クレイジング等を示した図1に対応する断面図である。 図11に示したプリント配線板にスルーホール用の貫通穴を明けた状態を示す断面図である。 図12に示したプリント配線板に金属めっきを施した状態を示す断面図である。 図13に示すプリント配線板にはんだコートを施した状態を示す断面図である。 従来のプリント配線板において導体層間に複数の絶縁層を積層させた状態を示す図1に対応する断面図である。 ガラス繊維を縦編み方向と横編み方向に編んだ状態で絶縁層を半硬化状態で充填させたいわゆるプリプレグを示す断面図である。 従来のプリント配線板において導体層間に絶縁層の他に絶縁樹脂を積層させた状態を示す図1に対応する断面図である。 いわゆるガラス不織布プリプレグと呼ばれる絶縁樹脂のみを示す断面図である。
符号の説明
1,5 プリント配線板
101 スルーホール
111 コア導体
111a〜111d 下穴
112,113 金属箔(外層導体)
121,122 絶縁層(絶縁材)
141 金属めっき
142 レジスト
143 はんだコート
501 スルーホール
511 コア導体
512,513 金属箔(外層導体)
521〜524 絶縁層
531,532 絶縁樹脂
C クレイジング
D デラミネーション
M ミーズリング
L 下穴穴径方向の距離
V ボイド
V1〜V3 凹み部
d 下穴穴径
n1〜n3 サンプリング箇所

Claims (2)

  1. 2以上の金属箔と少なくとも1以上のコア導体層を有し、前記金属箔は少なくとも前記コア導体層の両側に1層ずつ配置され、前記金属箔同士間又は前記金属箔と前記コア導体層間は絶縁層を介しており、
    前記絶縁層は、樹脂分が48〜55%で、厚さが0.2mm以下のガラスエポキシ樹脂からなり、
    前記コア導体層と電気接続せずに前記金属箔同士を電気接続するスルーホール及び/又はインナービアホールのバイアホールを備え、
    前記コア導体層の厚さは0.3〜0.4mmとなっており、
    前記コア導体層のバイアホール形成用下穴の穴径dは1.0〜3.0mmとなっており、
    かつ隣接する前記バイアホール形成用下穴同士で挟まれた領域の前記穴径方向の距離Lが前記バイアホール形成用下穴の前記穴径dに対して80%以上となっていることを特徴とするプリント配線板。
  2. 請求項1に記載のプリント配線板の製造方法であって、
    厚さ0.3〜0.4mmの前記コア導体層に複数の穴径dが1.0〜3.0mmの前記バイアホール形成用下穴を前記穴径方向の距離Lが前記穴径dに対して80%以上離間した位置に形成する下穴形成工程と、
    前記コア導体層に樹脂分48〜55%で厚さ0.2mm以下のガラスエポキシ樹脂からなる樹脂材と前記金属箔を挟む積層工程と、
    前記コア導体層と前記樹脂材を加圧プレスして積層体を形成するプレス工程と、
    前記積層体に前記スルーホール及び/又は前記インナービアホールを形成するホール形成工程と、
    前記ホール形成工程後に前記積層体に金属めっきを施すめっき工程と、
    前記めっき工程後に前記積層体に回路を形成する回路形成工程と、
    を備えたことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
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