JP4761932B2 - 真空バルブ用接点材料 - Google Patents
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Description
第1の実施形態は、Cuを主成分とした導電成分のCuマトリックス12中に、耐弧成分としてCr粒子13を複合化したCu−50wt%Cr接点材料である。図1は、第1の実施形態の組織を撮影した写真の模式図である。図2は第1の実施形態に係る接点材料が適用される真空バルブの断面図、図3は図2に示した真空バルブの電極部分の拡大断面図である。表1は第1の実施形態における具体的な実施例1および比較例1の製造条件、組織方向性の指標および電気試験結果を示した表である。
発明者らは、接点材料中の耐弧成分の組織に方向性を持たせることで、遮断特性と耐電圧特性を向上させることができるといった知見を得た。そこで、この知見に基づき、本実施形態では、次のような焼結溶浸法によって接点材料を製造することで、耐弧成分であるCr粒子13の形状を制御し、組織としての方向性を持たせた。
以上のようにして製造したCu−50wt%Cr合金を、所定の接点形状(φ50mm,t5mm)に加工し、接点として真空バルブに組み込む。ここで、真空バルブの構成について図3および図4を用いて説明する。すなわち、真空バルブ3には遮断室1が設けられている。遮断室1は、絶縁材料によりほぼ円筒状に形成された絶縁容器2と、この両端に封止金具を介して設けた金属製の蓋体2a、2bとで真空気密に構成されている。
図1は、実施例1においてCu−50wt%Cr合金の底面に垂直な面で切断した場合の模式図である。ここで、正方形の組織写真に各辺に平行な2直線x、yを引き、接点材料の組織を断面から見てCuマトリックス12とCr粒子13の境界部に前記2直線x、yが通過させた場合に、各直線x、yの通過回数X、Y(前記直線と前記境界部との交点)を計測する。そして、この計測をそれぞれの方向で5回ずつ測定して平均値を算出し、両者の比をパーセンテージで求める(Y/Xの100倍)。本実施形態ではこの比を「組織の方向性指標」とする。
以上のような本実施形態に係る接点材料を真空バルブ3の接点5a、5bとして組み込んで、遮断試験と耐電圧試験を実施した。遮断試験は、5kAから徐々に電流値を上げていく方法で最大遮断電流を測定した。
実施例1の電気特性の評価結果は、遮断特性と耐電圧特性は比較例1のそれぞれ1.0倍と1.1倍であり、耐電圧特性は比較例1よりも向上した(表1参照)。このような本実施形態によれば、Cr粒子13の方向性を制御して、通電方向と平行な方向に、通電方向と垂直な方向よりも多くのCr粒子13を存在させることで、耐電圧性能の向上を図ることができ、優れた接点性能を有する真空バルブ3を得ることができた。
第2の実施形態は、固相焼結法によって製造したCu−50wt%Cr接点材料であり、前記第1の実施形態における接点と同一の接点形状に加工して真空バルブに組み込んだものである。
まず、均一粒径のCu粉末およびCr粉末を所定量混合し(混合工程)、重量比1:1となるようにφ60mmの金型で7t/cm2で加圧成形して圧粉体を得る(加圧工程)。ついで、この圧粉体を水素雰囲気中で1000℃×5時間の条件で固相焼結する(焼結工程)。このような加圧工程と焼結工程を2回ずつ繰り返して実施し、ほぼ円柱状のCu−50wt%Cr合金を複数枚得た。
図4は、実施例2においてCu−50wt%Cr合金の底面に垂直な面で切断した場合の模式図である。ここで、正方形の組織写真に各辺に平行な2直線x、yを引き、接点材料の断面組織においてCr粒子13の断面上に前記2直線x、yが通過するとして、通過した線分の長さの総和A、Bを、「組織の方向性指標」としている。
以上のような実施例2および比較例2に係る接点材料を真空バルブ3の接点5a、5bとして組み込んで、前記第1の実施形態と同様の遮断試験と耐電圧試験を実施した。その結果、比較例2における遮断特性と耐電圧特性は比較例1のそれぞれ1.0倍と0.9倍であったのに対して、実施例2における遮断特性と耐電圧特性は比較例1のそれぞれ1.0倍と1.1倍であった(表2参照)。
第3の実施形態は、焼結温度に限定を加えたものであり、Cu−25wt%Cr接点材料である。表3は第3の実施形態における具体的な実施例3、4および比較例3の製造条件、組織方向性の指標および電気試験結果を示した表である。
第3の実施形態では、真空雰囲気中の焼結工程での焼結温度を、導電成分であるCuマトリックス12の溶融温度1083℃を基準にして、これよりも200℃低い温度を下限値とし、それ以上の温度で焼結工程を実施することを特徴としている。
第3の実施形態では、Cr粒子13における組織の方向性の指標として、前記第1の実施形態と同じく、Cuマトリックス12とCr粒子13の境界部に対する2直線x、yの通過回数X、Yの比(Y/Xの100倍)とする。この比を求めたところ、実施例3、4では115%、130%であった。また、比較例3において同様に2直線x、yの通過回数X、Yの比(Y/Xの100倍)を算出したところ、両者の比は115%であった(表3参照)。
第3の実施形態の作用効果は次の通りである。以上の実施例3、4および比較例3に係る接点材料を真空バルブ3の接点5a、5bとして組み込んで、前記第1の実施形態と同様の遮断試験と耐電圧試験を実施した結果を表3に示す。
(4−1)構成
第4の実施形態は、真空雰囲気中の固相焼結法により製造したCu−20wt%Cr接点材料であり、上記実施例2と同様に2回加圧と2回焼結で製造した後に、真空雰囲気中で30分の熱処理を行い、熱処理温度をパラメータとしている。
以上のような実施例5〜7および比較例4、5に係る接点材料を真空バルブ3の接点5a、5bとして組み込んで、前記第1の実施形態と同様の遮断試験と耐電圧試験を実施し、電気特性を評価したところ、遮断特性と耐電圧特性は、次の通りであった。
なお、本発明は上記の実施形態および実施例に限定されるものではなく、以下のものも包含する。すなわち、前記実施例1〜7では、導電成分がCu、耐弧成分がCrである接点材料の事例について述べたが、本発明の主旨はこれに限るものではなく、導電成分や耐弧成分、さらには補助的な成分など、適宜選択可能である。
2…絶縁容器
3…真空バルブ
4a、4b…導電棒
5a、5b…接点
6a…固定電極
6b…可動電極
7…ベローズ
8、9…アークシールド
12…Cuマトリックス
13…Cr粒子
A…通電方向に平行な直線yにおけるCr粒子13上を通過する長さの総和
B…通電方向に垂直な直線xにおけるCr粒子13上を通過する長さの総和
X…通電方向に垂直な直線xにおける境界部の通過回数
Y…通電方向に平行な直線yにおける境界部の通過回数
Claims (3)
- 導電成分のマトリックス中に少なくとも粒子状の耐弧成分を有する真空バルブ用接点材料であって、
前記導電成分は、少なくともCuまたはAgのどちらか一方を主成分とし、
前記耐弧成分は、長粒径を有する金属粉末を原料として、Cr,W,Nb,Ta,Ti,Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1種類を含有した成分であり、
さらに、前記導電成分を占める領域及び前記耐弧成分を占める領域の組織断面上に、前記真空バルブの通電方向に垂直な直線と、前記真空バルブの通電方向に平行な直線を引き、これら互いに直交する2つの直線が、前記組織断面において前記導電成分を占める領域及び前記耐弧成分を占める領域を通過するとき、一方の直線が前記導電成分と前記耐弧成分との境界部を通過した回数と、他方の直線が前記導電成分と前記耐弧成分との境界部を通過した回数とを、それぞれ数え、両者の通過回数のうち、前記真空バルブの通電方向に垂直な直線における通過回数の方を基準として、この基準とした通過回数で、前記真空バルブの通電方向に平行な直線における通過回数を割った比率が、パーセンテージで表して110%以上となることを特徴とする真空バルブ用接点材料。 - 導電成分のマトリックス中に少なくとも粒子状の耐弧成分を有する真空バルブ用接点材料であって、
前記導電成分は、少なくともCuまたはAgのどちらか一方を主成分とし、
前記耐弧成分は、長粒径を有する金属粉末を原料として、Cr,W,Nb,Ta,Ti,Mo及びこれらの炭化物の内の少なくとも1種類を含有した成分であり、
さらに、前記導電成分を占める領域及び前記耐弧成分を占める領域の組織断面上に、前記真空バルブの通電方向に垂直な直線と、前記真空バルブの通電方向に平行な直線を引き、これら互いに直交する2つの直線が、前記組織断面において前記耐弧成分を占める領域を通過するとき、一方の直線が前記耐弧成分を占める領域を通過した際の線分の長さの総和と、他方の直線が前記耐弧成分を占める領域を通過した際の線分の長さの総和とを、それぞれ求め、両者の長さの総和のうち、前記真空バルブの通電方向に垂直な直線における線分の長さの総和の方を基準として、この基準とした線分の長さの総和で、前記真空バルブの通電方向に平行な直線における線分の長さの総和を割った比率が、パーセンテージで表して110%以上となることを特徴とする真空バルブ用接点材料。 - 前記接点材料の補助成分として、Bi,Te,Sbの内の少なくとも1種類を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空バルブ用接点材料。
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