JP4761613B2 - セラミックスボールの製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばベアリング等の製造に用いられるセラミックスボール用素材及びセラミックスボールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックスボールはベアリング等に用いられるものである。セラミックスボールは回転させて用いるため、表面が平坦であり、かつ真球に近いことが重要である。
【0003】
通常、セラミックスボールは窒化ケイ素や酸化ジルコニウムなどの各種のセラミックス原料粉末を焼結助剤及び添加剤と混合し、解砕し、スプレードライヤー等で造粒し、この造粒された粉末をプレス成形法を用いて球形に成形し、さらにこの成形体を焼成することによりセラミックスボール用素材を形成し、必要に応じ表面加工を施し作製される。
【0004】
従来のセラミックスボール用素材は図1に示されるように、上部金型1と下部金型2の間に紛体を挿入し、上部金型1と下部金型2に圧力をかけて紛体をプレス成形することによって成形体を作製し、この成形体を焼成することによって得られている。
【0005】
しかしながら、このようなプレス成形によってベアリングボールを作製する際、金型を保護するためにわずかに上部金型1の先端部分3と下部金型2の先端部分4の間に隙間を設けてプレス成形しなければならない。従って、プレス成形の際、粉末が金型の先端部分3、4の間に入ってしまい、図2に示されるようにセラミックスボール用素材5の外周に帯状部6が環状に形成されてしまう。この帯状部6は、研磨、みがき加工等により除去しなければならない。仮に、金型を接触するようにプレスすると、プレス圧により金型に割れやカケが生じ、すぐに金型が消耗してしまうことになる。従来のセラミックスボール用素材では、真球外周に帯状部6が形成されていたため、帯状部が球より突出したような形状となっており、これが研磨の際に主に研磨材、砥石等と接触し、それらを磨耗、損傷させてしまっていた。
【0006】
また、セラミックスの硬度が高くなるにつれて、このようなセラミックスボール用素材表面の帯状部による研磨材の磨耗も大きくなるようになった。このため、研磨やみがき加工に用いる部材を長期間使用することができず、特に、窒化ケイ素のような高硬度なもので、かつ小径のものにおいては、このような帯状部が研磨材等に及ぼす影響が一層顕著となり、経済的にも問題となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
セラミックスボールは、表面に凹凸がなく、真球であることが好ましい。しかしながら、セラミックスボールを作るためのセラミックスボール用素材は粉末をプレス成形することによって作られており、必然的にセラミックスボール用素材の表面上に帯状部ができてしまう。
【0008】
通常、これらの帯状部は研磨材等により除去している。しかしながら、近年セラミックスボールの硬度向上等により、研磨材の消耗が激しくなり、研磨材を頻繁に取り替えなければならない等の問題が発生している。特に、窒化ケイ素からなる高硬度で小径なものでは、研磨材の磨耗、損傷は重大な問題となっていた。
【0009】
本発明は、従来のセラミックスボール用素材よりも容易に加工を行え、かつセラミックスボール用素材の表面を加工する際に用いる研磨材等の磨耗、損傷を抑制することを可能とするベアリングボール用素材の提供を目的としている。
【0010】
また本発明は、研磨材等の磨耗、損傷を抑制し、効率的にセラミックスボールを製造するための製造方法の提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のセラミックスボールの製造方法は、主として窒化ケイ素からなる粉末を、両端部に極径とそれに垂直な方向の極径の比が異なる略球面状の球面部を有し、中央部に円周方向全体にわたる帯状部が形成された形状にプレス成形し、その後焼成を行い、前記帯状部の前記球面部からの高さが1mm以下、前記帯状部の幅が5mm以下、前記帯状部の対角径と前記球面部の極径との差を60μm以下、前記球面部の極径を50mm以下としたセラミックスボール用素材を作製する工程と、前記セラミックスボール用素材を砥石により研磨する工程とからなるものであり、砥石の耐久性を向上させたものである
【0016】
状部の対角径と球面部の極径との差を60μm以下とすることにより、球面部より帯状部が突出しない形状とし、セラミックスボール用素材の帯状部及び球面部の極部等が平均して研磨材等に接触し、帯状部の接触による研磨材の磨耗、損傷を抑制することができる。
【0017】
また、帯状部の球面部からの高さを1mm以下とすることによって、研磨の際に帯状部が研磨材を磨耗させることを抑制することができる。
【0018】
さらに、前記帯状部の幅を5mm以下とすることによって、より一層研磨の際の研磨材の磨耗を抑制することができる。
【0019】
また、セラミックスボール用素材をベアリングボール用素材として使用することで、転がり寿命等に優れたベアリングボールを容易に作製することができる。セラミックスボール用素材を主として窒化ケイ素からなるものとすることで、例えばビッカース硬度が1400以上といった優れた強度を有し、転がり寿命等に優れたベアリングボールを作製することができる。
【0020】
さらに、本発明のセラミックスボールの製造方法を用いることによって、強度等に優れたセラミックスボールを、研磨材等を必要以上に傷めずに効率的に作製することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図3に本発明のセラミックスボール用素材の断面図を示す。
【0023】
本発明のセラミックスボール用素材は、両端部に略球面状の球面部を有し、中央部に円周方向全体にわたる帯状部が形成されたもので、前記帯状部の対角径と前記球面部の極径との差を100μm以下としたものである。
【0024】
ここで、図3中、rは帯状部の対角径をあらわし、rは略球面状の球面部の極径をあわわすものである。なお、帯状部にテーパが設けられているときは、その断面に対角線を引いた場合に最も長い対角線をrとする。
【0025】
つまり、本発明のセラミックスボール用素材では、
|r−r| ≦ 100μm
とするものである。
【0026】
このように、球面部を完全な真球とせずに略球面状とし、かつ帯状部の対角径と球面部の極径との差を100μm以下とすることによって、帯状部6のみが研磨材等に接触するのを抑制し、セラミックスボール用素材全体を均等に研磨材等に接触させ、研磨材等の磨耗、損傷を抑制するものである。従って、このようなセラミックスボール用素材よりセラミックスボールを作製することで、研磨材等の寿命を延ばし、効率的にセラミックスボールを作製することができる。
【0027】
また、本発明のセラミックスボール用素材においては、帯状部6の球面部からの高さを1mm以下とすることによって、帯状部6のみが研磨材等と接触するのを防ぎ、研磨材等の磨耗、損傷を抑制することができる。図3中、Hは帯状部の球面部からの高さを表す。
【0028】
さらに、本発明のセラミックスボール素材においては、帯状部の幅を5mm以下とすることによって、より一層研磨材等の磨耗、損傷を抑制することができる。これは、帯状部の幅が広すぎると、主に帯状部が研磨材等と接触するため、これらを磨耗、損傷させてしまうからである。図3中、Wは帯状部6の幅をあらわす。このような本発明においては、主として窒化ケイ素からなるものが好ましい。窒化ケイ素をセラミックスボール用素材に用いることによって、強度、耐食性に優れたセラミックスボールを作製することが可能となる。
【0029】
セラミックスボールの研磨方法には、ラッピング加工など様々な加工方法がある。ラッピング加工などの研磨加工では、様々な粗さ(番数)の砥石が使用されており、セラミックスボールにおいては番数#80〜#600程度の砥石が使われることが多い。
【0030】
従来の方法等では、窒化ケイ素からなるものは硬度が高いため、研磨材等を磨耗、損傷させやすかった。特にプレス成形により作製されたものは、外周部に帯状部が存在するため、この帯状部が研磨材等を磨耗、損傷させてしまった。本発明のセラミックスボール用素材では、このような硬度に優れるものを用いることによっても、研磨材等の磨耗、損傷を抑制し、効率的にセラミックスボールを作製することが可能となる。
【0031】
このような本発明においてより一層研磨材の磨耗、損傷を防ぐには、rを帯状部の対角径とし、rを略球面状の球面部の極径とした場合、
|r−r| ≦ 60μm
とすることがよい。
【0032】
また、Hを帯状部の球面部からの高さとし、Wを帯状部の幅とした場合、
H ≦ 0.2mm
W ≦ 5mm
とすることがよい。さらに、上記Wの値に関してはrの1/2以下、つまりはW≦r/2を満たす構造が好ましい。
【0033】
このようにすることで、帯状部が研磨材等と接触する割合を減らすことができ、それらの磨耗、損傷をより一層減少させることができる。
【0034】
また、上記したような帯状部の接触による研磨材等の磨耗、損傷の問題は、セラミックスボールが小さいほど顕著となる。具体的には、セラミックスボール用素材の対角径rや略球面部の極径rが10mm以下の場合、これらの問題の発生が顕著となる。
【0035】
従って、本発明のセラミックスボール用素材は、セラミックスボール用素材の対角径rや略球面部の極径rが10mm以下のものに対して用いると、特に効果的である。
【0036】
次に、本発明のセラミックスボール用素材の作製例を示す。
【0037】
原料となる窒化ケイ素に適当量の焼結助剤、添加剤、溶剤及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行う。
【0038】
このようにして作製した粉末を、例えば図4に示すような略球面状の凹部7、8を有する金型1、2によりプレス成形し、さらに焼結させて作製する。セラミックスボール用素材の帯状部の対角径rや球面部の極径rは、この金型1、2の略球面状の凹部7、8の形状を変化させることにより調節することができる。凹部7、8の形状としては、例えば真球をある軸方向に引き伸ばしたような形状のもの、つまりある極径とそれに垂直な方向の極径の比が異なるようなものが挙げられる。また、帯状部の高さHは、図4における金型1、2の先端部3、4の厚さを変化させることにより調節することができる。さらに、帯状部の幅Wはプレス成形する際の金型1、2の先端部3、4の間隔を調整することにより調整することができる。
【0039】
また、本発明のセラミックスボール用素材よりセラミックスボールを作製する方法としては、例えば上記した条件をみたすセラミックスボール用素材を、上下に平行に設けられた研磨用板の間に挿入し、研磨用板の運動により、セラミックスボール用素材より帯状部を除去して真球状に加工することが挙げられる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明のセラミックスボール用素材の実施例について説明する。
【0041】
実施例1〜3、比較例1〜3
原料となる窒化ケイ素に焼結助剤、添加剤、溶剤及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行った。
【0042】
このようにして作製した粉末をプレス成形し、さらに脱脂、焼成を行い、焼結した後のセラミックスボール用素材がrを帯状部の対角径とし、rを略球面状の球面部の極径とした場合、|r−r| ≦ 100μmを満たすセラミックスボール用素材を作製した (以下、実施例1〜3とする)。
【0043】
同様の方法により、比較例として焼結後のセラミックスボール用素材が|r−r| > 100μmであるものを作製した(以下、比較例1〜3とする)。
【0044】
なお、|r−r|の調整は、図4に示されるような金型において略球面状の凹部の形状を変化させて、プレス成形することにより行った。また、ビッカース硬度はいずれも1500に統一した。
【0045】
このようにして作製された実施例及び比較例のセラミックスボール用素材を用いて、これらのセラミックスボール用素材が砥石に与える影響について検討を行った。評価は、各セラミックスボール用素材を番数#180の砥石を用いて加工する際、本発明のセラミックスボール用素材1万個を1バッチとし、砥石が何バッチに耐えうるかを調べることにより行った。なお、実施例1及び比較例1は結果的に5/16インチのセラミックスボールになるための素材であり、実施例2及び比較例2は3/8インチ、実施例3と比較例3は1/2インチのセラミックスボールになるための素材である。
【0046】
試験の結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004761613
|r−r| ≦ 100μmとした本発明の実施例においては、砥石の磨耗量が少なく、いずれの実施例においても砥石を長持ちさせられることが認められた。
【0048】
これに対して、|r−r| > 100μmとした比較例では、砥石の磨耗が進行し、どれも実施例1〜3の1/3程度しかもたないことが分かった。
【0049】
以上のことより、帯状部の対角径と、帯状部に垂直な極径との差を100μm以下とすることで、砥石の磨耗を抑え、砥石の寿命を長くできることが確認された。
【0050】
実施例4、5、比較例4、5
原料となる窒化ケイ素に焼結助剤、添加剤、溶剤及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行った。このようにして作製した粉末をプレス成形し、さらに脱脂、焼成を行い、|r−r| ≦ 100μmを満たし、かつ帯状部の球面部からの高さ(H)が1mm以下であるものを作製した(以下、実施例4、5とする)。また、同様の方法を用いて、帯状部の球面部からの高さ(H)を1.0mm超としたものを作製した(以下、比較例4、5とする)。
【0051】
なお、各部の調整は、プレス成形する際の金型の凹部の形状及び金型の先端部の厚さを変化させることにより行った。また、ビッカース硬度はいずれも1500に統一した。
【0052】
このようにして作製された実施例及び比較例のセラミックスボール用素材を用いて、これらのセラミックスボール用素材が砥石に与える影響について検討を行った。評価は、実施例1と同様の方法によりラッピング加工の砥石の耐久性で調べた。なお、実施例4、5及び比較例4、5はいずれも最終的に5/16インチのセラミックスボールを形成するための素材とした。
【0053】
試験の結果を表2に示す。
【表2】
Figure 0004761613
表2に示される結果から明らかなように、帯状部の球面部からの高さ(H)を1mm以下としたものでは、15回以上の加工まで砥石が耐えられることが分かった。
【0054】
これに対して、帯状部の球面部からの高さを1mm超とした比較例では、砥石が7回の加工までしか耐えられないことが分かった。
【0055】
以上のことより、帯状部の球面部からの高さ(H)を1.0mm以下にすることによって、砥石の磨耗を抑制し、砥石の寿命を延ばすことができることが分かった。
【0056】
実施例6、7、比較例6、7
原料となる窒化ケイ素に焼結助剤、添加剤、溶剤及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行った。このようにして作製した粉末をプレス成形し、さらに脱脂、焼成を行い、焼結した後のセラミックスボール用素材が|r−r| ≦ 100μmを満たし、かつ帯状部の幅(W)が5mm以下のものを作製した(以下、実施例6、7とする)。また同様の方法により、帯状部の幅(W)が5mm超のものを作製した(以下、比較例6、7とする)。
【0057】
なお、各部の調整は、プレス成形する際の金型の凹部の形状、金型間の間隔等を変化させることにより行った。また、ビッカース硬度はいずれも1500に統一した。
【0058】
このようにして作製された実施例及び比較例のセラミックスボール用素材を用いて、これらのセラミックスボール用素材が砥石に与える影響について検討を行った。評価は、実施例1と同様の方法によりラッピング加工の砥石の耐久性で調べた。なお、実施例6、7及び比較例6、7はいずれも5/16インチのセラミックスボールを形成するための素材である。
【0059】
試験の結果を表3に示す。
【表3】
Figure 0004761613
帯状部の幅(W)を5mm以下とした本発明の実施例においては、砥石の磨耗量が少なく、10回の加工にまで砥石が耐えられることがことが分かった。
【0060】
これに対して、帯状部(W)を5mm超とした比較例においては、砥石の磨耗量が多く、砥石が5回の加工までしか耐えられないことが分かった。
【0061】
以上のことより、帯状部の幅は研磨材の磨耗に大きな影響を与えることが分かり、特に帯状部の幅が5mmを超える場合には、砥石の磨耗が顕著になり、砥石の耐久性を著しく落とすことが分かった。
【0062】
実施例8〜11、比較例8〜11
原料となる窒化ケイ素に焼結助剤、添加剤、溶媒及びバインダー等を加え混合、解砕し、スプレードライヤーにて造粒を行った。このようにして作製した粉末をプレス成形し、さらに脱脂、焼成を行いビッカース硬度の異なるセラミックスボール用素材を作製した(実施例8〜11)。
【0063】
なお、セラミックスボール用素材は5/16インチ用とし、|r−r|を60μm、帯状部の球面部からの高さ(H)を0.8mm、帯状部の幅(W)を2mmに統一した。
【0064】
また、上記実施例との比較のために、|r−r|を110μmに変え、上記実施例と同様にビッカース硬度を変えたセラミックスボール用素材を作製した(比較例8〜11)。なお、比較例においては、|r−r|を110μmとした以外は上記実施例と同様の形状とした。
【0065】
次に、各セラミックスボール用素材に対し、実施例1と同様にラッピング加工を行い砥石の耐久性を確認した。また、ラッピング加工によりベアリングボールを作製し、各ベアリングボールに対して転がり寿命試験を行った。
【0066】
転がり寿命試験としては、スラスト試験機を用い、相手材がSUJ2鋼製の平板上を回転させる方法で、荷重は1球あたり最大接触応力5.9GPa、回転数1200rpm、タービン油の油浴潤滑条件下で最高400時間まで行い、各ベアリングボールの表面が剥離するまでの転がり寿命を測定することにより対応した。各試験結果を表4に示す。なお、表4の転がり寿命試験の結果については、400時間以上剥離しなかったものを転がり寿命「良好」とし、400時間未満で剥離したものを「不良」とした。
【0067】
【表4】
Figure 0004761613
表4から分かる通り、ビッカース硬度が1400以上となると、本発明の効果が一層顕著となることが分かる。
【0068】
また、硬度が低い実施例8および比較例8のセラミックスボール用素材においては、共に砥石の耐久回数を10回以上とすることができるものの、このようなビッカース硬度の低いものは転がり寿命が十分ではないため、ベアリングボール等の用途に適用することは困難である。
【0069】
以上のことより、本発明のセラミックスボール用素材は、特に硬度が高く、転がり寿命が必要とされるもの、例えば窒化ケイ素からなるビッカース硬度が1400以上のベアリングボールの作製に有効であると言える。
【0070】
【発明の効果】
本発明のセラミックスボール用素材は容易に加工を行え、かつセラミックスボール用素材の加工に用いる研磨材、砥石等の磨耗、損傷を大幅に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な金型を示した断面図。
【図2】 従来のセラミックスボール用素材を示した断面図。
【図3】 本発明のセラミックスボール用素材の一例を示した断面図。
【図4】 本発明のセラミックスボール用素材の作製に用いられる金型の一例を示した断面図。
【符号の説明】
5……セラミックスボール用素材
6……帯状部

Claims (2)

  1. 主として窒化ケイ素からなる粉末を、両端部に極径とそれに垂直な方向の極径の比が異なる略球面状の球面部を有し、中央部に円周方向全体にわたる帯状部が形成された形状にプレス成形し、その後焼成を行い、前記帯状部の前記球面部からの高さが1mm以下、前記帯状部の幅が5mm以下、前記帯状部の対角径と前記球面部の極径との差を60μm以下、前記球面部の極径を50mm以下としたセラミックスボール用素材を作製する工程と、
    前記セラミックスボール用素材を砥石により研磨する工程と
    からなることにより砥石の耐久性を向上させたことを特徴とするセラミックスボールの製造方法。
  2. 前記セラミックスボール用素材はビッカース硬度が1400以上であることを特徴とする請求項1記載のセラミックスボールの製造方法。
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