JP4760687B2 - 制振制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の振動を抑える制振制御装置に関するものである。
従来、車両の振動を抑える装置として、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この装置は、路面の凸凹を検知すると、スロットルバルブ、トランスミッション、燃料噴射弁、点火プラグを自動制御して、凸凹を通過する際に車速を減少させ、車両の振動を低減することで乗り心地を向上させる装置である。
特開平8−319863号公報
しかしながら、このような装置にあっては、車速を減少させることで振動を軽減することができても、振動自体をキャンセルするように働きかけて制振するものではなかったため、振動の軽減には限界がある。そこで、凸凹に合わせてエンジンのトルクを制御して制振することが考えられるが、例えば、路面の凸凹が狭い間隔で続く場合、すなわち高周波の振動が発生する場合において、応答が遅いスロットルバルブの開閉制御では振動を打ち消すようにトルクを制御することが困難である。一方、スロットルバルブの開閉制御よりも応答が速いエンジンの点火時期制御をトルク制御に用いる場合においても、MBT(Minimum spark Advance for Best Torque)制御を行う車両にあっては、エンジンのトルクが常に最大値となるように制御を行うため、点火時期の制御はトルクを下げる方向にしか行えない。このため、エンジンの点火時期制御によるトルク制御は、単なるくぼみがある場合など、使用できる場面が限定されており、高周波の振動に対応することは困難である。
そこで本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、高周波の振動に対しても制振制御が行える制振制御装置を提供することを目的とする。
すなわち本発明に係る制振制御装置は、エンジンのトルクを制御することで車両の制振制御を行なう制振制御装置であって、前記車両が走行する道路の路面情報を取得する路面情報取得手段と、取得した路面情報に基づいて、前記エンジンの点火時期による制振制御を行うか判断する実行判断手段と、前記エンジンの点火時期による制振制御を実行すると判断した場合、点火時期をずらしてトルクを所定値まで減少させる第一トルク制御手段と、前記エンジンの点火時期を制御してトルクを制御することにより、制振制御を行う第二トルク制御手段と、前記第二トルク制御手段で実際に行ったトルク制御の制御ゲインに基づいて路面状況を推定し、推定した路面状況に基づいて前記路面情報を補正する学習処理手段と、を備えて構成される。
この発明によれば、高応答が必要な路面の凹凸を判断し通過する前にエンジンの点火時期を制御してトルクを事前に下げて待機することにより、路面の凹凸を通過する際にエンジンの点火時期を制御してトルクを上げることもできるようになる。これにより、様々な路面の凹凸に対して制振制御を行う場合であっても、応答性に優れた点火時期の制御でエンジンのトルクを制御して制振制御を行うことができる。よって、高周波の振動が伴う路面の凹凸に対しても高応答で制振制御を行うことができる。また、トルク制御から推定した路面状況を基に路面情報を学習し補正することで、次回路面情報を使用する場合、実際の路面情報に近い情報を入力とすることができるため、高精度の制振制御を行なうことができる。
また、本発明に係る制振制御装置は、前記第一トルク制御手段によって減少したトルクを補うように、スロットルバルブを開弁制御してトルクを増加させる第三トルク制御手段を備えることが好適である。
この構成によって、エンジンの点火時期制御によって制振制御をするための準備をエンジンの総トルクを変化させずに実施することができる。これにより、点火時期の制御が運転に与える影響を小さくすることができる。
さらに、本発明に係る制振制御装置において、前記第二トルク制御手段は、車輪速をフィードバックしてエンジンの点火時期を制御することが好適である。
この構成によって、実際の車輪速変化を確認しながら点火時期の制御ができるため、高精度の制振制御を行うことができる。
本発明によれば、高周波の振動に対しても制振制御が可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る制振制御装置1は、エンジン3の点火時期を制御することでトルクを制御して制振制御を行う装置である。また、この装置はエンジン3のトルクが常に最大値となるようにエンジン3の点火時期を制御するMBT制御を採用している車両に用いられる。
図1を用いて本実施形態に係る制振制御装置の構成を説明する。図1は本発明の実施形態に係る制振制御装置の構成概要図である。
本実施形態に係る制振制御装置1の主要な構成として、点火時期の制御によって制振制御をするために事前準備を行う処理部と、エンジン3の点火時期を制御し制振制御を行う制御部を備えている。
まず、エンジン3の点火時期の制御をするために事前準備を行う処理部について説明する。制振制御装置1は、事前準備を行う処理部として、路面情報入力部10(路面情報入力手段)、高応答制御実施判断部11(実行判断手段)、第一点火時期制御部12(第一トルク制御手段)、電子スロットル制御部13(第三トルク制御手段)を備えている。また、入力情報の精度を向上させる処理として、学習処理部14(学習処理手段)を備えてもよい。
路面情報入力部10は、車両前方および走行予定の路面情報を取得する機能を備えている。この機能は、例えば、ナビゲーションシステム2に備わる路面情報記憶部20から路面情報を取得する機能である。また、車路間通信によってインフラ装置から路面情報を取得する機能であってもよいし、車車間通信によって他車両から路面情報を取得する機能であってもよい。ここで、ナビゲーションシステム2から取得する路面情報や、車車間または車路間通信によって取得する路面情報は、例えば自車両の前方数キロの区間の路面情報であり、路面の凹凸などの道路形状を含む情報である。また、路面情報入力部10は、取得した路面情報を高応答制御実施判断部11へ出力する機能を備えている。
高応答制御実施判断部11は、路面情報入力部10から路面情報を入力し、入力した路面情報から路面の凹凸の形状および大きさを参照し、高応答の制振をする必要がある路面の凹凸であるかを判断する機能を備えている。さらに、高応答制御実施判断部11によって制振する必要がある路面の凹凸と判断された場合、形状および大きさからどのようなトルク制御を行うかを推定する機能を備えている。また、判断結果および推定結果を電子スロットル制御部13および第一点火時期制御部12へ出力する機能を備えている。
第一点火時期制御部12は、高応答制御実施判断部11の推定結果に基づいて、点火時期を遅角側にずらす命令を出力する機能を備えている。この命令は、MBT制御によって設定されている点火時期(最適進角)をずらす命令であり、例えば点火時期を遅角側へずらす命令となる。この命令によって、エンジン3のトルクが所定値まで減少する。
電子スロットル制御部13は、高応答制御実施判断部11の推定結果に基づいて、スロットルバルブを開ける命令をエンジン3へ出力する機能を備えている。この命令によって、第一点火時期制御部12によって減少したトルクを補うようにエンジン3のトルクが増加する。
学習処理部14は、第二点火時期制御部15(第二トルク制御手段)から制御ゲインを入力し、入力した結果から路面状況を推定する機能を備えている。また、学習処理部14は、トルク制御結果から推定した路面状況を用いて、路面情報記憶部20に格納されている路面情報を補正する機能を備えている。
次に、エンジン3の点火時期を制御し制振制御を行う制御部を説明する。このような制御部として、第二点火時期制御部15を備えている。また、制御精度を向上させる処理として、フィードバック制御部17(フィードバック制御手段)、フィードフォワード制御部16を備えていてもよい。
第二点火時期制御部15は、点火時期を制御する命令をエンジン3へ出力する機能を備えている。また、制御ゲインを学習処理部14へ出力する機能を備えている。
フィードバック制御部17は、実加速度演算部18より実加速度を入力し、目標加速度に近づくように、トルク値を制御する命令を第二点火時期制御部15へフィードバックさせる制御である。実加速度演算部18は車輪速センサ5から車輪速パルスを入力し、実加速度を計算する機能を備えている。
フィードフォワード制御部16は、目標加速度入力部4から目標加速度を入力し、入力した目標加速度から損失トルクを想定して、想定した損失トルクを含んだトルクで制御する命令を、第二点火時期制御部15へ送信する機能を備えている。目標加速度入力部4は、例えば、アクセルペダルである。
次に、図2を用いて本実施形態に係る制振制御装置1における高応答トルク制御準備処理の動作について説明する。図2は本実施形態に係る制振制御装置1の高応答トルク制御準備処理の動作を示すフローチャートである。図2の処理は、例えばイグニッションオンで開始され、所定の間隔で繰り返し実行される。
図2の処理が開始すると、S10において位置情報および前方路面情報入力処理が開始される。S10の処理は、例えば、ナビゲーションシステム2から路面情報入力部10が自車両の前方路面情報を入力する処理である。また、この情報入力元はナビゲーションシステム2に限られず、車車間通信や路車間通信によって他車両が認識している路面情報を入力してもよいし、車載センサやカメラ等で前方路面の凹凸を判断してもよい。S10の処理が終了すると、前方路面状況判断へ移行する(S16)。
S16の処理は、高応答制振制御判断部11で実行される処理であり、S10で入力した路面情報を基に、走行予定の路面に凹凸があるか判断する処理である。凹凸の有無は、路面情報を基に凹凸の傾斜角度および凹凸の長さや、穴および突起の大きさなどが所定の大きさより大きいか否かで判断すればよく、例えば、穴および突起がタイヤ幅以上であるか否かで判断すればよい。S16の処理で凹凸があると判断された場合、高応答制振制御実施判断処理へ移行する(S18)。S16の処理で路面の凹凸が無いと判断された場合は、図2の処理を終了する。
S18の処理は、高応答制振制御判断部11で実行される処理であり、S10で入力した路面情報を基に、高応答の制振制御が必要か否かを判断する処理である。例えば、前方の路面の凹凸が所定値以下の緩やかな傾斜である場合は高応答の制御は必要ないと判断する。また、例えば、所定の凹凸が所定の間隔以下で連続する場合など、高周波の振動が想定されるは、高応答の制振制御が必要と判断する。S18の処理で高応答の制振制御が必要と判断した場合は、トルクを上げる制御を行うか否かを判断する処理へ移行する(S20)。S18の処理で高応答の制振制御が必要ないと判断された場合は図2の処理を終了する。
S20の処理は、高応答制振制御判断部11で実行される処理であり、S18の処理において高応答の制振制御が必要と判断された場合、S10で入力した路面情報を基に、トルクを上げる制御を行うか否かを判断する処理である。この判断は、路面の凹凸の形状によって判断され、例えば単純なくぼみの場合、トルクを下げることで制振制御するため、トルクを上げる制御は行わないと判断される。S20の処理で、トルクを上げる処理を行うと判断した場合は、最大トルク上昇値の予測処理へ移行する(S22)。トルクを上げる処理を行わないと判断した場合は、点火時期制御フラグ更新処理へ移行する(S28)。
S22の処理は、最大トルク上昇値の予測を行う処理であり、S10で入力した路面情報を基に、その路面情報に基づいた制振制御のトルク制御パターンを想定し、トルク上昇最大値を算出する処理である。このS22の処理は、高応答制振制御判断部11で実行される処理である。S22が終了すると、点火時期の遅角制御処理に移行する(S24)。
S24の処理は、MBT制御を中止し、S22で求めたトルク上昇最大値を基に点火時期を最適進角からずらす処理である。例えば、図5に示すようにMBTによってトルクを最大値に制御している場合において、S22で得られた値を参照して点火時期を遅角側に制御することによってトルクを下げる処理を行う。S22で得られたトルク上昇最大値がαとすると、進角量をθからθへずらすことによってトルクをPから(P−α)以下の所定値へ下げる処理となる。このS24の処理は、第一点火時期制御部12で実行される処理である。S24の処理が終了すると、電子スロットルバルブ開弁処理へ移行する(S26)。
S26の処理は、電子スロットルを制御してトルク増加させる処理であり、S24の処理で減少させたトルクを補うように、スロットルバルブを開弁してトルクを増加させる処理である。この処理によって、総トルク値は(P−α)以下の所定値から元のトルク値Pに復帰する。なお、S24およびS26の処理は、総トルク値に変動が無いようにほぼ同時に行われる。また、S26の処理は、電子スロットル制御部13で実行される処理である。S26の処理が終了すると、点火時期制御フラグ更新処理へ移行する(S28)。
S28の処理は、点火時期制御による制振制御を行う準備が完了したため、点火時期制御の制振制御を開始するために点火時期制御フラグを0から1へ変更する処理である。このフラグを1にすると図3で示す制振制御処理が開始される。図3の動作については後述する。S28の処理が終了すると、位置情報および前方路面情報入力処理へ移行する(S30)。
S30の処理は、自車両前方の路面情報を入力する処理であり、S10の処理と同様の処理である。S30の処理が終了すると、道路判断処理へ移行する(S32)。
S32は、S30の処理を基に前方に路面の凹凸があるかを判断する処理であり、S16の処理と同様の処理である。S32の処理で路面の凹凸があると判断された場合は、路面の凹凸が無くなるまで前方確認を行うため、位置情報および前方路面情報入力処理へ移行する(S30)。S32の処理で路面の凹凸がないと判断された場合は、点火時期制御フラグ更新処理へ移行する(S34)。
S34の処理は、S32で前方に路面の凹凸が無いと判断されたため、図3で示す点火時期制御による制振制御を開始しないように点火時期制御フラグを1から0へ変更する処理である。これによって点火時期制御が終了する。S34の処理が終了すると、電子スロットルバルブ閉弁処理へ移行する(S36)。
S36の処理は、点火時期制御による制振制御が終了したため、電子スロットルを制御してS26で増加させたトルクを下げる処理であり、点火時期制御による制振制御実施前のトルク値に戻す処理である。例えば、S26の処理でトルクをαだけ増加させた場合は、S36の処理でトルクをαだけ減少させる処理である。このS36の処理は、電子スロットル制御部13で実行される。S36の処理が終了すると、点火時期の進角制御処理へ移行する(S38)。
S38の処理は、点火時期制御による制振制御が終了したため、点火時期の進角制御を行い、点火時期制御による制振制御実施前のトルク値に戻す処理である。例えば、S28の処理でトルクをαだけ減少させた場合は、S38の処理でトルクをαだけ増加させる処理である。そして、S36およびS38の処理はトルク値に変動が無いようにほぼ同時に行われる。また、S38の処理は、第一点火時期制御部12で実行される。S38の処理が終了すると、点火時期制御はMBT制御となり、図2の処理は終了する。
以上のように、図2の処理を行うことで、高応答が必要な路面の凹凸を判断し通過する前にエンジン3の点火時期を制御してトルクを事前に下げて待機することにより、路面の凹凸を通過する際にエンジン3の点火時期を制御してトルクを上げることもできるようになる。これにより、様々な路面の凹凸に対して制振制御を行う場合であっても、応答性に優れた点火時期の制御でエンジン3のトルクを制御して制振制御を行うことができる。よって、高周波の振動が伴う路面の凹凸に対しても高応答で制振制御を行うことができる。
また、図2の処理を行うことで、エンジン3の点火時期制御によって制振制御をするための準備をエンジン3の総トルクを変化させずにすることができる。これにより、点火時期の制御が運転に与える影響を小さくすることができる。
また、常に点火時期を最適進角から遅角側にずらしておくことが無いため、エンジンの排気管触媒の後燃えによって排ガス浄化性能の耐久性を損なうことなく制振制御を行える。さらに、エンジンの性能を十分に使い切りながら制振制御を行うことができる。
次に、図3を用いて本実施形態に係る制振制御装置1における点火時期制御による制振制御の動作について説明する。図3は本実施形態に係る制振制御装置1の制振制御の動作を示すフローチャートである。図3の処理は、例えばイグニッションオンで開始され、所定の間隔で繰り返し実行される。
図3の処理が開始すると、点火時期制御による制振制御を行える状態か否かを判断する処理が開始される(S40)。この判断は、点火時期制御フラグが1であるか否かを判断すればよい。点火時期制御フラグは、図2の制御処理において点火時期制御を行う準備が完了した場合に0から1へ更新されるフラグである。点火時期制御フラグが0の場合、すなわち点火時期制御を行う準備が出来ていない場合は、図3の処理を終了する。点火時期制御フラグが1の場合、すなわち点火時期制御を行う準備が出来ている場合は、車輪速入力処理へ移行する(S42)。
S42の処理は、車輪速パルスを車輪速センサ5から実加速度演算部18に入力する処理である。S42の処理が終了すると車輪速変動値算出処理へ移行する(S44)。
S44の処理は、S42の測定結果より、実加速度演算部18によって車体の加速度を算出し、加速度が路面の凹凸によって目標制御加速度からどの程度変動したかを算出する処理である。この目標制御加速度は、目標加速度入力部4から入力された目標加速度にフィードフォワード制御部16で算出した損失トルクを上乗せした加速度である。また、加速度の変動値算出は、フィードバック制御部17で実施される。S44の処理が終了すると、点火時期制御処理へ移行する(S46)。
S46の処理は、S44で得られた加速度の変動値を基に点火時期を制御して制振制御する処理である。この制振制御は、加速度の変動値に対して変動を打ち消すようにトルクを制御する。これによって路面の凹凸による車体加速度の変動を抑えることができるため、車体は制振される。また、S46の処理は、第二点火時期制御15で実施される。S46の処理が終了すると、学習処理へ移行する(S48)。
S48の処理は、走行中の路面の凹凸に対してどのような点火制御をしたのかを学習する制御である。具体的には図4を用いて後述する。S48の処理が終了すると、図3の処理は終了する。
以上のように、図3の処理を繰り返し行うことで、実際の加速度の変化を確認し、結果をフィードバックして点火時期の制御ができるため、高精度の制振制御を行うことができる。
次に、図4を用いて本実施形態に係る制振制御装置1における学習処理の動作について説明する。図4は本実施形態に係る制振制御装置1の学習処理部14の動作を示すフローチャートである。図4の処理は、図3の処理の中で呼び出されて開始される。
図4の処理が開始すると、位置情報を入力する処理が開始される(S50)。S50の処理は、自車両の位置情報を入力する処理であり、例えば、ナビゲーションシステム2から情報を入力する処理となる。また、例えば車車間通信や車路間通信によって位置情報を入力してもよい。S50の処理が終了すると、制御ゲインの入力処理へ移行する(S52)。
S52の処理は、図3のS46で実施した制振制御の制御ゲインを入力する処理である。制振制御の制御ゲインは、例えばトルクの制御パターンで表される。S52が終了すると、路面情報の推定処理へ移行する(S54)。
S54の処理は、S52で得られた制御ゲインを基に実際の路面状況を推定する処理である。例えば、トルクの制御パターンの波形から実際の路面状況、すなわち路面の凹凸がどの程度のものだったのかを推定する。S54の処理が終了すると、路面情報補正処理へ移行する(S56)。
S56の処理は、S54で得られた推定路面状況を、現在地点の路面情報として補正する処理であり、例えば、ナビゲーションシステム2に備わる路面情報記憶部20に格納された路面情報を補正する処理である。これにより、次回走行する場合、ナビゲーションシステム2等で得られた路面情報ではなく、実際の制振制御で利用したトルクパターンから路面状況を推定した値を採用することができる。S56が終了すると、図4の処理は終了する。
以上のように、図4の処理を行うことで、点火時期制御から推定した路面状況を基に路面情報を補正することで、次回路面情報を使用する場合、実際の路面情報に近い情報を入力とすることができるため、高精度の制振制御を行なうことができる。
次に、図6を用いて本実施形態に係る制振制御装置1におけるトルク制御による制振制御について説明する。図6は、ある路面の凹凸に対して本実施形態に係る制振制御装置1の制振制御のトルク値を示す図である。図6の(a)〜(e)のグラフの横軸は時間である。図6の(a)は、ナビゲーションシステム2等により入力した路面情報によって取得した路面入力である。図6の(b)は、車輪速センサ5から取得した路面入力である。図6の(c)は、点火時期制御におけるトルク値である。図6の(d)は、電子スロットル制御におけるトルク値である。図6の(e)は、制振制御における総トルク値であり、図6の(c)および図6の(d)に示したトルク値の総和を示している。
まず、制振制御を行う前に、図6の(a)で示す路面入力波形を参照する。図6の(a)は、路面情報入力部10がナビゲーションシステム2等から取得した路面情報から推測された路面入力波形である。この波形から、どの地点に凹凸があり、いつから制振制御の準備を開始する必要があるかを読み取る。ここでは、時刻t2までに点火時期制御の準備を行う必要があるとし、時刻t1から点火時期制御の準備を行うこととする。なお、この準備開始時刻は現在車速や電子スロットルのレスポンス等から適宜決定すればよい。さらに、図6の(a)から、点火時期制御をした場合、どの程度トルクが上昇するかを算出する。ここでは、算出された上昇トルク値を(P-P)とする。なお、路面入力波形を路面情報から推定している例を示したが、路面情報に路面入力波形が含まれていてもよく、その場合は、推定する処理が不要となる。
次に、図6の(a)から算出した上昇トルク値と点火時期制御の準備開始時刻をもとに、点火時期制御の準備を行う。MBT制御を中断し、時刻t〜tの間に第一点火時期制御部12によって、トルクをPからPへ下げる処理が行われる(図6の(c))。それと同時に、電子スロットル制御部13によって時刻t〜tの間において、トルクを(P−P)だけ増加させる処理が行われる(図6の(d))。これによって、時刻t〜tの間において総トルク値は一定値Pとなり、時刻tまでに総トルク値を維持しながら点火時期制御を行える準備が完了する(図6の(e))。
時刻t2の時点で準備が完了すると、時刻t〜tの間において、路面の凹凸にあわせて点火時期制御によって高応答のトルク制御が行われることで、高周波に対応した制振制御が行われる(図6の(e))。
次に、図6の(a)から車両前方に路面の凹凸がないと判断した場合、点火時期制御の終了処理を行う。まず、第一点火時期制御部12によって時刻t〜tの間において、トルクをPからPへ上げる処理が行われる(図6の(c))。それと同時に、電子スロットル制御部13によって時刻t〜tの間において、トルクを(P−P)だけ減少させる処理が行われる(図6の(d))。これによって、時刻t〜tの間において総トルク値は一定値Pとなり、総トルク値を維持しながら通常の点火時期制御であるMBT制御に復帰する(図6の(e))。
以上のように、本実施形態に係る制振制御装置1によれば、高応答が必要な路面の凹凸を判断し通過する前にエンジン3の点火時期を制御してトルクを事前に下げて待機することにより、路面の凹凸を通過する際にエンジン3の点火時期を制御してトルクを上げることができるようになる。これにより、様々な路面の凹凸に対して制振制御を行う場合であっても、応答性に優れた点火時期の制御でエンジン3のトルクを制御して制振制御を行うことができる。よって、高周波の振動が伴う路面の凹凸に対しても高応答で制振制御を行うことができる。
また、本実施形態に係る制振制御装置1によれば、点火時期制御のトルク減少を電子スロットル制御で補うことで、エンジン3の点火時期制御によって制振制御をするための準備を、エンジン3の総トルクを変化させずに実施することができる。これにより、点火時期の制御が運転に与える影響を小さくすることができる。
さらに、本実施形態に係る制振制御装置1によれば、実際の車輪速変化を確認しながら点火時期の制御ができるため、高精度の制振制御を行うことができる。
また、本実施形態に係る制振制御装置1によれば、トルク制御から推定した路面状況を基に路面情報を学習し補正することで、次回路面情報を使用する場合、実際の路面情報に近い情報を入力とすることができるため、高精度の制振制御を行なうことができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る制振制御装置の一例を示すものである。本発明に係る制振制御装置は、これらの実施形態に係る制振制御装置に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、実施形態に係る制振制御装置を変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、本実施形態においては、制振制御装置において点火時期制御と電子スロットル制御の組み合わせの実施例を示したが、応答性が悪いが作動範囲に制限が無いものと応答性が良いが作動範囲に制限があるものを組み合わせることで両者の短所を補う構成とすることができ、実施形態と同様の効果を得ることができる。このような構成の一例として、点火時期制御とシフトポジション制御、点火時期制御と燃料噴射量制御が挙げられる。
また、本実施形態において、制振制御の準備をする際に、トルク量を減少させるために点火時期を最適進角から遅角側へずらす例を示したが、制振制御の準備は点火時期制御によってトルク量を減少させることができれば足りる。このため、例えば、点火時期を最適進角から進角側にずらした場合であっても、トルク量が減少することができる場合は実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本発明に係る制振制御装置は、具体的には点火時期の進角量やスロットルの開閉の大きさなどを制御して制振制御を行っているが、全体的にはトルクというパラメータによって制振制御している。このため、将来的にトルクディマンド型の制御構造が要求された場合においても、好適に使用することができる。
また、エンジンの排気管触媒の温度などによって、制振制御自体をするかしないか制御することも可能である。
また、本発明に係る制振制御装置において、制振制御を行う場合、一時的に、ロックアップクラッチを係合したり、エアコンやオイルネータなどの補記類を停止させたりすることで、制振制御の応答性を向上させてもよい。
本実施形態に係る制振制御装置の構成図である。 図1の制振制御装置におけるトルク制御準備の動作を示すフローチャートである。 図1の制振制御装置におけるトルク制御の動作を示すフローチャートである。 図1の制振制御装置における学習処理の動作を示すフローチャートである。 図1の制振制御装置における点火位置制御の説明図である。 図1の制振制御装置における制振制御の説明図である。
符号の説明
1…制振制御装置、10…路面情報入力部、11…高応答制御実施判断部、12…第一点火時期制御部、13…電子スロットル制御、14…学習処理部、15…第二点火時期制御部、16…フィードフォワード制御部、17…フィードバック制御部、18…実加速度演算部、2…ナビゲーションシステム、20…路面情報記憶部、3…エンジン、4…目標加速度入力部、5…車輪速センサ。

Claims (3)

  1. エンジンのトルクを制御することで車両の制振制御を行なう制振制御装置であって、
    前記車両が走行する道路の路面情報を取得する路面情報取得手段と、
    取得した路面情報に基づいて、前記エンジンの点火時期による制振制御を行うか判断する実行判断手段と、
    前記エンジンの点火時期による制振制御を実行すると判断した場合、点火時期をずらしてトルクを所定値まで減少させる第一トルク制御手段と、
    前記エンジンの点火時期を制御してトルクを制御することにより、制振制御を行う第二トルク制御手段と、
    前記第二トルク制御手段で実際に行ったトルク制御の制御ゲインに基づいて路面状況を推定し、推定した路面状況に基づいて前記路面情報を補正する学習処理手段と、
    を備えたことを特徴とする制振制御装置。
  2. 前記第一トルク制御手段によって減少したトルクを補うように、スロットルを開弁制御してトルクを増加させる第三トルク制御手段を備えたこと、
    を特徴とする請求項1に記載の制振制御装置。
  3. 前記第二トルク制御手段は、車輪速をフィードバックしてエンジンの点火時期を制御する請求項1または2に記載の制振制御装置。
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