JP4760338B2 - 低温成形加工における素材冷却方法、およびその装置 - Google Patents

低温成形加工における素材冷却方法、およびその装置 Download PDF

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本発明は、低温成形加工における素材冷却方法、および低温成形加工における素材冷却装置に関する。
素材を液体窒素または液体ヘリウムなどの冷却媒体に浸漬し、当該素材を約−50℃〜−196℃の低温域に冷却した後に、プレス成形を行う低温成形加工が知られている。アルミニウム板またはアルミニウム合金板などの素材を成形加工するに際して、低温成形加工を適用することによって、鋼板なみに成形性が向上することが知られている(特許文献1および特許文献2参照)。
特許文献2には、素材を低温域に冷却するために、ローラコンベアを用いて、素材を冷却媒体に浸漬させながら移動させる素材冷却装置が記載されている。
特開平5−339668号公報 特開平8−150424号公報
しかしながら、コンベア式の素材冷却装置は、装置の設置スペースが大きくなってしまい、また、量産速度に見合った速度で素材を冷却することも困難である。
本発明の目的は、設置スペースの省スペース化を図りつつ量産速度に見合った速度で素材を冷却することが可能な、低温成形加工における素材冷却方法およびその装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の本発明は、素材を冷却媒体に浸漬して当該素材を低温域に冷却した後にプレス成形を行う低温成形加工における素材の冷却方法であって、
複数の素材を保持自在な軸が回転自在に、かつ、鉛直方向に沿って配置されるとともに前記冷却媒体が充填された冷却タンク内に、前記軸に保持されるように前記素材を投入する工程と、
前記軸を回転することによって、前記軸に保持された前記複数の素材を前記冷却媒体の中に浸漬させながら回転移動させる工程と、
低温域に冷却された前記素材を前記軸から取り出す工程と、を有し
前記素材を投入する際には前記素材の上端部が前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態で前記素材を前記軸に保持し、前記軸の回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の中に浸漬させ、その後の前記軸のさらなる回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨ませ、前記素材を取り出す際には前記軸に保持された前記素材の前記上端部が前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態にする、低温成形加工における素材冷却方法である。
また、請求項に記載の本発明は、素材を冷却媒体に浸漬して当該素材を低温域に冷却した後にプレス成形を行う低温成形加工における素材冷却装置であって、
前記冷却媒体が充填された冷却タンクと、
前記冷却タンク内に鉛直方向に沿って配置され、複数の素材を保持自在な回転自在な軸と、
前記軸に保持されるように前記素材を前記冷却タンク内に投入する投入手段と、
前記軸を回転駆動することによって、前記軸に保持された前記複数の素材を前記冷却媒体の中に浸漬させながら回転移動させる駆動手段と、
低温域に冷却された前記素材を前記軸から取り出す取り出し手段と
前記素材を投入する位置において前記軸に保持された前記素材の上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態とし、前記軸の回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の中に浸漬させる第1の変位手段と、
前記軸の回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨ませ、前記素材を取り出す位置において前記軸に保持された前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態にする第2の変位手段と、を有してなる低温成形加工における素材冷却装置である。
本発明によれば、軸を回転することによって、軸に保持された複数の素材を冷却媒体の中に浸漬させながら回転移動させていることから、設置スペースの省スペース化を図りつつ量産速度に見合った速度で素材を冷却することが可能となる。素材冷却装置の小型化を通して、設備費を低減することができ、設備レイアウトの自由度を高めることができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した低温成形加工装置10を示す概略平面図、図2は、図1に示される素材冷却装置30の要部を示す斜視図、図3は、素材冷却装置30の冷却タンク50を示す平面図、図4(A)(B)は、素材冷却装置30におけるセット治具90および回転軸60をそれぞれ示す斜視図、図4(C)は、回転軸60に取り付けられたセット治具90に素材11を保持した状態を示す平面図、図5は、素材11を投入する位置および素材11を取り出す位置において、素材11の一部が冷却媒体12の液面12aよりも上側に臨んでいる状態の説明に使用する概念図である。
図1を参照して、低温成形加工装置10は、多数の板状の素材11を収納したスタッカ20と、スタッカ20から供給された素材11を冷却媒体12に浸漬させて当該素材11を約−50℃〜−196℃の低温域に冷却する素材冷却装置30と、冷却された素材11をプレス成形するプレス装置40と、を有している。素材11は、例えば、アルミニウム板、アルミニウム合金板などであり、プレス成形品としては、例えば、ドアインナパネルを挙げることができる。素材11の板厚は、適宜選択できるが、例えば、1mmである。冷却媒体12は、例えば、液体窒素、液体ヘリウムなどである。
前記スタッカ20は、例えば、多数の素材11が積層されたリフタテーブル21と、リフタテーブル21上の素材11を1枚ごと取り出す図示しない搬送装置と、搬送装置によって取り出した素材11が載置される載置台22と、を有している。搬送装置は、例えば、ロボットから構成され、アームの先端には、素材11を1枚ごと保持するための保持具が設けられている。保持具は、バキュームカップや、クランプ装置などから構成されている。載置台22に載置された素材11が1枚ずつ素材冷却装置30に供給される。
前記プレス装置40は、相対的に接近離反移動自在な上下型を有し、下型41の成形面の上に、低温域に冷却された素材11が搬入される。
図1〜図5を参照して、素材冷却装置30は、概説すれば、液体窒素12が充填された冷却タンク50と、冷却タンク50内に配置され複数の素材11を保持自在な回転自在な回転軸60(軸に相当する)と、回転軸60に保持されるように素材11を冷却タンク50内に投入する投入ユニット70(投入手段に相当する)と、回転軸60を回転駆動することによって回転軸60に保持された複数の素材11を液体窒素12の中に浸漬させながら回転移動させる駆動ユニット80(駆動手段に相当する)と、低温域に冷却された素材11を回転軸60から取り出す取り出しユニット71(取り出し手段に相当する)と、を有している。素材冷却装置30は、素材11を保持するための複数個のセット治具90(治具に相当する)をさらに有している。複数個のセット治具90は、回転軸60を中心にして放射状に配置されるように回転軸60に取り付けられている。
なお、図1などに示される符号「T1」は、投入ユニット70が載置台22上の素材11を取り出す位置を示し、符号「T2」は、投入ユニット70が素材11を投入する位置を示している。また、符号「T3」は、取り出しユニット71が素材11を取り出す位置を示し、符号「T4」は、取り出しユニット71が下型41の成形面の上に素材11を載置する位置を示している。
以下、素材冷却装置30の構成を詳述する。
前記冷却タンク50は、円筒形状を有し、その外周面には断熱材が取り付けられている。冷却タンク50に隣接して、液体窒素12を貯蔵した貯蔵タンク51が設けられている。冷却タンク50と貯蔵タンク51とは、配管52を介して接続されている。配管52の途上には、貯蔵タンク51内の液体窒素12を冷却タンク50に供給する図示しないポンプが設けられている。冷却タンク50内の液体窒素12の充填量は、素材11の全体を浸漬させるのに十分な量とされている。液体窒素12は、冷却タンク50内の液面12aを一定に維持するように、貯蔵タンク51から随時補給される。冷却タンク50の上面には蓋部材53が取り付けられている(図3参照)。蓋部材53には、素材11を冷却タンク50内に投入したり、素材11を回転軸60から取り出したりするために、素材11が通過する窓部54が開口されている。本実施形態では、素材投入位置T2と、素材取出位置T3とが近接しているので、1個の窓部54のみを形成してある。なお、投入用の窓部と、取り出し用の窓部とを別個独立に形成することもできる。
前記回転軸60は、冷却タンク50内に回転自在に支持され、複数の素材11を周方向に沿って等間隔に保持している。図示する実施形態では、回転軸60は、鉛直方向に沿って配置されている。したがって、素材11のそれぞれは、鉛直方向に沿うように回転軸60に保持されている。
前記駆動ユニット80は、回転軸60に接続されて当該回転軸60を回転駆動するモータや減速機などから構成されている。駆動ユニット80により回転軸60を回転駆動することによって、回転軸60に保持された複数の素材11は、液体窒素12の中に浸漬されながら連続的に回転移動する。回転軸60の回転速度つまり各素材11の回転移動速度は、低温成形の特性を十分に得るための適正な冷却時間を確保する観点から決定されている。適正な冷却時間は、素材11の大きさや厚みによって適宜設定することができるが、例えば、3分以上に設定することが好ましい。
複数の素材11のそれぞれは回転軸60を中心に回転移動していることから、素材投入位置T2と、素材取出位置T3とを近接させることが可能となる。すなわち、素材投入位置T2から回転軸60を中心にして1回転する直前の位置を素材取出位置T3に設定することによって、素材投入位置T2と素材取出位置T3とが近接する。このため、上述した蓋部材53に関しては、1個の窓部54を通して、素材11の投入および素材11の取り出しの両方を行うことができる。さらに、素材投入位置T2と素材取出位置T3とが近接することにより、投入ユニット70および取り出しユニット71を別個独立に設けるのではなく、素材11の投入および素材11の取り出しを1つのユニットによって行うことが可能となる。
そこで、本実施形態にあっては、図1に示すように、投入ユニット70および取り出しユニット71を、共通のロボット72から構成してある。アーム73の先端には、素材11の上端部11aを把持自在なクランプ装置74(図2参照)が取り付けられている。ロボット72は、位置T1において載置台22上の素材11を把持し、吊り下げるように持ち上げ、位置T2において回転軸60に保持されるように素材11を冷却タンク50内に投入する。このロボット72はさらに、位置T3において低温域に冷却された素材11を吊り下げるように持ち上げて回転軸60から取り出し、位置T4において下型41の成形面上の所定位置に素材11をセットする。
図4(A)に示すように、前記セット治具90は、鉛直方向に沿うサイド部91と、サイド部91の下端に連続する下部92とを有している。サイド部91および下部92のそれぞれには、U字状あるいは凹状の受け溝93が設けられている。これら受け溝93によって、素材11が保持される。下部92の下面には、冷却タンク50の底面50a上を転動するローラ94が回転自在に取り付けられている。ローラ94により、セット治具90の移動ひいては素材11の移動が円滑なものとなる。
図4(B)に示すように、回転軸60の外周面には、セット治具90のサイド部91を摺動自在に保持するための凹溝61が鉛直方向に沿って複数本形成されている。複数本の凹溝61は、回転軸60の周方向に沿って等間隔に形成されている。
図4(C)に示すように、各セット治具90のサイド部91を凹溝61に収納することによって、複数個のセット治具90は、回転軸60を中心にして放射状に配置されるように回転軸60に取り付けられる。素材11は、回転軸60に取り付けられたセット治具90に保持されることによって、回転軸60に保持されることになる。各セット治具90は、サイド部91が凹溝61に案内されながら鉛直方向に沿って移動自在となっている。また、サイド部91に形成した係合凹部95(図4(A)参照)と、凹溝61における対向する内面に形成した係合凸部62とが嵌まり合うことによって、回転軸60の回転に伴ってセット治具90が径方向にずれることを防止している。
回転軸60に取り付けるセット治具90の数つまり回転軸60に保持される素材11の数は適宜選択できるが、例えば、100mm径の回転軸60で45枚の素材11を保持することができる。
図5を参照して、本実施形態の素材冷却装置30はさらに、素材投入位置T2において素材上端部11a(素材11の少なくとも一部に相当する)を液体窒素12の液面12aよりも上側に臨ませる第1の変位手段101と、素材取出位置T3において素材上端部11a(素材11の少なくとも一部に相当する)を液面12aよりも上側に臨ませる第2の変位手段102と、を有している。第1の変位手段101は、素材上端部11aを、回転軸60の回転に伴って、液体窒素12の中に浸漬させるように構成されている。第2の変位手段102は、素材上端部11aを、回転軸60の回転に伴って、液面12aよりも上側に臨ませるように構成されている。図5は、冷却タンク50を展開して拡げた状態が概念的に示されている。
さらに詳しくは、冷却タンク50の底面50aの一部には、底面50aよりも高い高さを有する膨出部103が設けられている。膨出部103の底面50aからの高さHは、液体窒素12中に浸漬している素材上端部11aと液面12aとの間の距離hよりも大きい寸法に設定されている(H>h)。膨出部103の頂面104は、底面50aと平行な平坦面に形成されている。膨出部103における素材11の回転移動方向(図中左右方向)に沿う両端部は、底面50aに対して傾斜した傾斜面105a、105bに形成されている。膨出部103の頂面104のうち、素材11の回転移動方向に沿う上流側(図中左側)が素材取出位置T3とされ、下流側(図中右側)が素材投入位置T2とされている。素材投入位置T2を0度とすると、回転軸60を中心に例えば300度回転した位置に、傾斜面105aの開始点が設定されている。上記のような膨出部103を設けることにより、冷却タンク50の底面50aは、素材11の回転移動方向に沿って見れば、略らせん形状を有することになる。膨出部103に向かい合う位置に、蓋部材53の窓部54が設けられている。
回転軸60の回転に伴って、セット治具90は、そのローラ94が底面50a上を転動しながら、膨出部103に向けて回転移動する。このときは、素材上端部11aは液面12aよりも下側である。回転軸60がさらに回転すると、セット治具90のローラ94が傾斜面105aを経て膨出部103の頂面104に乗り上がる。これにより、素材取出位置T3において、素材上端部11aが液面12aよりも上側に臨むことになる。
回転軸60がさらに回転すると、素材11が取り出されたセット治具90は、ローラ94が膨出部103の頂面104に乗り上がったまま、素材投入位置T2に達する。この素材投入位置T2において素材11を投入すると、素材上端部11aは液面12aよりも上側に臨んだままとなる。この後、回転軸60の回転に伴って、セット治具90のローラ94が傾斜面105bを経て底面50aまで降りる。これにより、素材上端部11aが液体窒素12の中に浸漬することになる。
このように本実施形態では、第1と第2の変位手段101、102は、膨出部103と、セット治具90のローラ94とから構成されている。なお、膨出部103の頂面104を傾斜面とし、素材取出位置T3における素材上端部11aの高さと、素材投入位置T2における素材上端部11aの高さとを異ならせてもよい。
次に、本実施形態の作用を説明する。
まず、搬送装置は、リフタテーブル21上に積層された素材11を1枚ごと取り出し、載置台22に載置する(図1参照)。
素材冷却装置30の冷却タンク50内には、貯蔵タンク51から供給された液体窒素12が充填されている。冷却タンク50内の液面12aを一定に維持するように、液体窒素12が随時補給されている。
ロボット72は、位置T1において、載置台22上の素材11をクランプ装置74によって把持し、吊り下げるように持ち上げる。
ロボット72は、素材投入位置T2において、回転軸60に保持されるように素材11を冷却タンク50内に投入する。素材11を投入する際には、素材11は、セット治具90を介して、回転軸60に保持される。素材投入位置T2においてはセット治具90のローラ94が膨出部103の頂面104に乗り上がったままである。このため、素材11を投入する際には、素材11は、その上端部11aが液面12aよりも上側に臨んだ状態で、回転軸60に保持される(図5参照)。素材11がセット治具90に保持されると、ロボット72は、クランプ装置74による素材11の把持を解除する。
回転軸60の回転に伴って、セット治具90のローラ94が傾斜面105bを経て底面50aまで降り、素材上端部11aも液体窒素12の中に浸漬する。セット治具90は、サイド部91が回転軸60の凹溝61に案内されながら下降する。
ロボット72は、セット治具90の数だけ、上述した素材11の投入動作を繰り返す。
回転軸60の回転に伴って、セット治具90は、そのローラ94が底面50a上を転動しながら、膨出部103に向けて回転移動する。このときは、素材上端部11aは液面12aよりも下側であり、素材11の全体が液体窒素12の中に浸漬している。
回転軸60がさらに回転すると、セット治具90のローラ94が傾斜面105aを経て膨出部103の頂面104に乗り上がる。素材11を取り出す際には、回転軸60に保持された素材11は、その上端部11aが液面12aよりも上側に臨んだ状態になる。セット治具90は、サイド部91が回転軸60の凹溝61に案内されながら上昇する。
ロボット72は、素材取出位置T3において、液面12aよりも上側に臨んだ素材上端部11aをクランプ装置74によって把持し、低温域に冷却された素材11を吊り下げるように持ち上げて回転軸60から取り出す。
ロボット72は、位置T4において、取り出した素材11を下型41の成形面上の所定位置にセットする。
そして、プレス装置40によって、低温域に冷却した素材11をプレス成形する。素材11を低温成形加工することによって、鋼板なみに成形性が向上する。プレス成形が終わると、型を開いて成形品を取り出せば、一連の低温成形加工が終了する。
複数個のセット治具90のすべてに素材11が保持されている状態では、素材11を取り出した一のセット治具90に、次の素材11が保持される。これにより、素材11の投入動作を常に円滑に行うことができる。
コンベアによって素材を移動する形態にあっては、量産速度に見合った速度で素材を冷却するためにはローラコンベアを長くしなければならず、素材冷却装置全体の設置スペースが大きくなる。これに対して、本実施形態にあっては、回転軸60を回転することによって、回転軸60に保持された複数の素材11を液体窒素12の中に浸漬させながら回転移動させていることから、コンベア方式に比べて、設置スペースの省スペース化を図りつつ量産速度に見合った速度で素材11を冷却することが可能となる。素材冷却装置30の小型化を通して、設備費を低減することができ、設備レイアウトの自由度を高めることができる。さらに、小型の素材冷却装置30によれば、既存の設備ラインに当該素材冷却装置30を追加して設置することが容易になり、既存のプレス成形ラインを、低温成形加工ラインに容易に改変することができる。本実施形態によれば、実際の生産に対応できる5枚/分の生産速度を実現できる。
複数の素材11のそれぞれは回転軸60を中心に回転移動していることから、素材投入位置T2と、素材取出位置T3とを近接させることができ、投入ユニット70および取り出しユニット71を1台のロボット72から構成することが可能となる。したがって、設置スペースの省スペース化を一層図ることができ、設備費をさらに低減することができる。
コンベアによって素材を移動する形態にあっては、搬送速度に限界があるので、素材を液体窒素の中から取り出してプレス装置に投入するまでに比較的長時間を要し、素材温度の上昇により低温成形加工による成形性の向上を確保できない虞がある。これに対して、本実施形態にあっては、ロボット72が回転軸60から取り出した素材11をそのまま下型41にセットしているので、素材11の取り出しからプレス装置40内に投入するまでに要する時間を短縮し、素材11をより低温の状態に維持しつつプレス成形することができる。したがって、低温成形加工による成形性の向上を十分に確保することができる。
素材11をセット治具90に保持することによって、当該素材11が回転軸60に保持されるようにしてあるので、各素材11を確実かつ安定して回転移動させることができる。
膨出部103とセット治具90のローラ94とから構成した第1と第2の変位手段101、102によって、素材投入位置T2および素材取出位置T3においては、素材上端部11aが液面12aよりも上側に臨んでいる。このため、ロボット72のアーム73やクランプ装置74を液体窒素12の中に入れることなく、素材11を投入したり取り出したりすることができる。したがって、ロボット72のアーム73やクランプ装置74を低温耐久性を考慮した材質から形成する必要がなく、一般的なステンレス材から形成することができる。
また、セット治具90のローラ94が膨出部103から下ったり、膨出部103に昇ったりするという簡易な機構によって、回転軸60を回転駆動するだけで、素材投入位置T2において液面12aよりも上側に臨んでいた素材上端部11aを液体窒素12の中に浸漬させたり、液体窒素12の中に浸漬していた素材上端部11aを素材取出位置T3において液面12aよりも上側に臨ませたりすることができる。
参考例
図6は、参考例に係る素材冷却装置130の要部を示す断面図である。図1〜図5に示される部材と共通する部材には同一の符号を付してその説明は省略する。
第1の実施形態では回転軸60を鉛直方向に沿って配置したが、図6に示すように、回転軸160を水平方向に沿って配置することもできる。
かかる構成においても、回転軸160を回転することによって、回転軸160に保持された複数の素材11を液体窒素12の中に浸漬させながら回転移動させていることから、コンベア方式に比べて、設置スペースの省スペース化を図りつつ量産速度に見合った速度で素材11を冷却することが可能となる。素材冷却装置130の小型化を通して、設備費を低減することができ、設備レイアウトの自由度を高めることができる。また、素材投入位置T2と素材取出位置T3とを近接させることもでき、投入ユニット70および取り出しユニット71を1台のロボット72から構成することが可能となる。
この参考例では、第1と第2の変位手段101、102は回転軸160そのものから構成され、素材投入位置T2および素材取出位置T3においては、素材上端部11aを液面12aよりも上側に臨ませることができる。また、回転軸160を回転駆動するだけで、素材投入位置T2において液面12aよりも上側に臨んでいた素材上端部11aを液体窒素12の中に浸漬させることができ、液体窒素12の中に浸漬していた素材上端部11aを素材取出位置T3において液面12aよりも上側に臨ませることができる。
セット治具90は、回転軸160の回転に伴って素材11が脱落することを防止する図示しないストッパを有している。このストッパは、素材投入位置T2および素材取出位置T3における素材11の投入および取り出しを許容するように、素材11の移動軌跡に干渉しない位置に退避される。
本発明を適用した低温成形加工装置を示す概略平面図である。 図1に示される素材冷却装置の要部を示す斜視図である。 素材冷却装置の冷却タンクを示す平面図である。 図4(A)(B)は、素材冷却装置におけるセット治具および回転軸をそれぞれ示す斜視図、図4(C)は、回転軸に取り付けられたセット治具に素材を保持した状態を示す平面図である。 素材を投入する位置および素材を取り出す位置において、素材の一部が冷却媒体の液面よりも上側に臨んでいる状態の説明に使用する概念図である。 参考例に係る素材冷却装置の要部を示す断面図である。
符号の説明
10 低温成形加工装置、
11 素材、
11a 上端部、
12 液体窒素(冷却媒体)、
12a 液面、
30 素材冷却装置、
50 冷却タンク、
50a 底面、
53 蓋部材、
54 窓部、
60 回転軸(軸)、
61 凹溝、
70 投入ユニット(投入手段)、
71 取り出しユニット(取り出し手段)、
72 ロボット(投入手段、取り出し手段)、
73 アーム、
74 クランプ装置、
80 駆動ユニット(駆動手段)、
90 セット治具(治具)、
91 サイド部、
92 下部、
93 受け溝、
94 ローラ、
101 第1の変位手段、
102 第2の変位手段、
103 膨出部、
104 頂面、
105a、105b 傾斜面、
130 素材冷却装置、
160 回転軸(軸、第1と第2の変位手段)
T2 素材投入位置、
T3 素材取出位置。

Claims (7)

  1. 素材を冷却媒体に浸漬して当該素材を低温域に冷却した後にプレス成形を行う低温成形加工における素材の冷却方法であって、
    複数の素材を保持自在な軸が回転自在に、かつ、鉛直方向に沿って配置されるとともに前記冷却媒体が充填された冷却タンク内に、前記軸に保持されるように前記素材を投入する工程と、
    前記軸を回転することによって、前記軸に保持された前記複数の素材を前記冷却媒体の中に浸漬させながら回転移動させる工程と、
    低温域に冷却された前記素材を前記軸から取り出す工程と、を有し
    前記素材を投入する際には前記素材の上端部が前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態で前記素材を前記軸に保持し、前記軸の回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の中に浸漬させ、その後の前記軸のさらなる回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨ませ、前記素材を取り出す際には前記軸に保持された前記素材の前記上端部が前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態にする、低温成形加工における素材冷却方法。
  2. 前記素材を保持するための複数個の治具が前記軸を中心にして放射状に配置されるように前記軸に取り付けられ、
    前記素材を投入する際には、前記素材は、前記治具を介して、前記軸に保持されることを特徴とする請求項1に記載の低温成形加工における素材冷却方法。
  3. 前記複数個の治具のすべてに前記素材が保持されている状態では、前記素材を取り出した一の治具に、次の素材が保持されることを特徴とする請求項2に記載の低温成形加工における素材冷却方法。
  4. 素材を冷却媒体に浸漬して当該素材を低温域に冷却した後にプレス成形を行う低温成形加工における素材冷却装置であって、
    前記冷却媒体が充填された冷却タンクと、
    前記冷却タンク内に鉛直方向に沿って配置され、複数の素材を保持自在な回転自在な軸と、
    前記軸に保持されるように前記素材を前記冷却タンク内に投入する投入手段と、
    前記軸を回転駆動することによって、前記軸に保持された前記複数の素材を前記冷却媒体の中に浸漬させながら回転移動させる駆動手段と、
    低温域に冷却された前記素材を前記軸から取り出す取り出し手段と、
    前記素材を投入する位置において前記軸に保持された前記素材の上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態とし、前記軸の回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の中に浸漬させる第1の変位手段と、
    前記軸の回転に伴って前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨ませ、前記素材を取り出す位置において前記軸に保持された前記素材の前記上端部を前記冷却媒体の液面よりも上側に臨んだ状態にする第2の変位手段と、を有してなる低温成形加工における素材冷却装置。
  5. 前記軸を中心にして放射状に配置されるように前記軸に取り付けられ、前記素材を保持するための複数個の治具をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の低温成形加工における素材冷却装置。
  6. 前記投入手段および前記取り出し手段は、共通のロボットから構成されていることを特徴とする請求項4に記載の低温成形加工における素材冷却装置。
  7. 前記取り出し手段は、前記軸から取り出した素材をそのままプレス成形装置にセットすることを特徴とする請求項4に記載の低温成形加工における素材冷却装置。
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