JP4759837B2 - 水素供給装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質反応により水素を生成し、水素消費装置に水素を供給する水素供給装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特開平11−343101号公報に記載された水素供給装置がある。これは、燃料電池からのオフガスを燃焼させる燃焼部の熱を改質原料に伝達させるために、改質原料が通過する予熱部および気化部を、上記燃焼部の下流側から離れた位置に配置した構成である。かかる構成により、燃焼部の熱を予熱部および気化部を介してここを通過する改質原料に伝達させて改質原料を気化させ、改質器に導いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術では、予熱部および気化部を介して燃焼部の熱が間接的に改質原料に伝達されるので、改質原料に対しての熱伝達が充分でないし、予熱部および気化部が燃焼部から距離的に離れているので、燃焼部の熱が改質原料に対して効果的に伝達されないという課題がある。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑み、燃焼ガスの熱を直接的に改質原料に伝達し、また燃焼ガスから改質原料への熱の伝達距離を低減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、改質反応により生成した水素を水素消費装置(60)に供給する水素供給装置であって、改質反応に用いられる改質原料が通過する低温流体通路(A)と、燃焼ガスを発生させる燃焼ガス供給部(70)が設けられた高温流体通路(B)と、回転軸(26)を中心に回転駆動されることにより低温流体通路(A)と高温流体通路(B)とを交互に移動する回転蓄熱体(21)を有し、燃焼ガスの燃焼熱を改質原料に伝える熱交換部(20)とを備えていることを特徴としている。
【0006】
これにより、回転式蓄熱体を介して燃焼ガスの熱が改質原料に直接伝達されるため、改質原料の気化が促進される。しかも、回転式蓄熱体を採用したことで、高温流体通路から低温流体通路への熱伝達距離が低減されるため、燃焼ガスから改質原料への熱伝達を格段に向上することができる。
【0007】
ところで、請求項1のように熱交換器に回転蓄熱体を採用した場合には、2つの流体通路の圧力差により回転蓄熱体に当接し摺動するシール部から流体漏れが不可逆的に発生する。
【0008】
この回転式熱交換器に発生する流体漏れを図8に基づいて説明する。図8は回転式熱交換器J20の構成を示しており、図8(b)は熱交換器J20の拡大断面図であり、図8(a)(c)は流体の流れ方向からみたガスシールJ22、J23を示している。図8(b)に示すように、回転蓄熱体J21は多数の貫通孔J21aが形成され、改質原料が通過する低温流体通路Aと燃焼ガスが通過する高温流体通路Bの双方を横切るように配置されている。また、回転蓄熱体J21の貫通孔J21aが開口する両側の端面にはケーシングJ1に固定されたガスシールJ22、J23が配置されており、回転蓄熱体J21は図8(a)(c)の矢印L方向にガスシールJ22、J23の間を摺動回転するように構成されている。
【0009】
回転式熱交換器J20で発生するガス漏れには、回転蓄熱体J21とガスシールJ22、J23との間からの直接的なシール漏れMと、回転蓄熱体J21にトラップされ移送されることに起因する移送漏れNとがある。このうちシール漏れMは、低温流体通路Aと高温流体通路Bとの圧力差と回転蓄熱体J21とガスシールJ22、J23との当接面における隙間に起因して発生する。
【0010】
なお、移送漏れNの漏れ量は、回転蓄熱体J21の回転速度とともに増減するものであり、通常は低速回転域(例えば毎分50回転以下)で使用するので、シール漏れMに比べ、無視できるほど少ない。
【0011】
低温流体通路Aと高温流体通路Bは燃料電池を介して連通しており、圧力損失により、通常、上流側の低温流体通路Aに比較して下流側の高温流体通路Bの方が低圧になっている。このため、熱交換部J20におけるシール漏れは低温流体通路A→高温流体通路Bの方向で発生する。
【0012】
このようなシール漏れMには、低温流体通路AからガスシールJ22、J23のクロスアームJ22b、J23bを介して高温流体通路Bに侵入するガス漏れと、低温流体通路Aにおいて回転蓄熱体J21とケーシングJ1との間に形成された空間J28に入り込んだ流体が高温流体通路B側に回り込んで、ガスシールJ22、J23のフランジJ22a、J23aを介して高温流体通路Bに侵入するガス漏れとが存在している。
【0013】
以上のようなガス漏れにより、低温流体通路Aより未反応の燃料ガスや反応過程にある有害ガスが、シール部を介して高温流体通路Bに漏洩し、燃焼ガスと混合され外部に放出される。このため、有害ガスが外部に排出されてしまうとともに改質原料の損失が発生するという問題がある。
【0014】
これに対して、請求項に記載の発明では、高温流体通路(B)内を加圧する加圧手段(51)をさらに備えていることを特徴としている。
【0015】
これにより、高温流体通路圧力(Pb)を高くして熱交換部(20)における低温流体通路側圧力(Pa)と高温流体通路側圧力(Pb)を適切な圧力差にすることができる。このため、熱交換部(20)のシール部において低温流体通路(A)と高温流体通路(B)の圧力差に基づいて発生するガス漏れを防止することができる。
【0016】
また、回転蓄熱体(21)は、軸方向に多数の貫通孔(21a)が形成されるともに、その貫通孔(21a)の開放側の端面が2つの領域に区画されており、一方の領域は低温流体通路(A)に位置し、他方の領域は高温流体通路(B)に位置しており、一方の領域に形成されている貫通孔(21a)には第1改質原料が通過し、他方の領域に形成されている貫通孔(21a)には燃焼ガスが通過するように構成されている。
【0017】
また、加圧手段(51)は、請求項に記載の発明のように、低温流体通路(A)と高温流体通路(B)は連通しており、低温流体通路(A)における熱交換部(20)と高温流体通路(B)における熱交換部(20)との間に設けられたガス圧縮機とすることができる。
【0018】
ガス圧縮機は吸入側より吐出側の圧力が高くなる。従って、低温流体通路(A)における熱交換部(20)と高温流体通路(B)における熱交換部(20)との間に設けることにより、ガス圧縮機に生ずる吸排気圧力差を利用して高温流体通路圧力(Pb)を高くして熱交換部(20)における低温流体通路側圧力(Pa)と高温流体通路側圧力(Pb)を適切な圧力差にすることができる。
【0019】
また、請求項に記載発明では、水素を含む改質ガスが改質ガス供給路(50)を介して水素消費装置(60)に供給され、水素消費装置(60)にて消費されなかった水素を含むオフガスがオフガス供給路(61)を介して燃焼ガス供給部(70)に供給され、オフガスの燃焼により燃焼ガスが生成されるように構成されており、ガス圧縮機(51)は改質ガス供給路(50)に設けられていることを特徴としている。
【0020】
通常、ガス圧縮機は吸込式より押し込み式の方が高効率であるため、圧力損失が大きい水素消費装置の上流側に押し込み式のガス圧縮機を設けることで、水素供給装置全体の効率を向上させることができる。
【0021】
また、請求項に記載の発明では、高温流体通路(B)における熱交換部(20)の下流側あるいは低温流体通路(A)における熱交換部(20)の上流側の少なくとも一方に圧力調整手段(14、83)を設けたことを特徴としている。これにより、高温流体通路圧力(Pb)あるいは低温流体通路圧力(Pa)を容易に調整することが可能となる。
【0022】
また、圧力調整手段は、請求項に記載の発明のように、流体通路の通路面積を変更可能な圧力制御弁(14、83)により構成することができる。このような圧力調整弁により流体通路面積を変更することで、吸入流体(空気)あるいは排出流体(排気ガス)の通過抵抗を調整して圧力を調整することができる。さらに、圧力調整手段は、流体通路の径を小さくして空気の吸入抵抗あるいは排気ガスの排気抵抗を大きくした絞り管路により構成することもできる。
【0023】
また、請求項に記載の発明では、低温流体通路(A)における回転蓄熱体(21)が設けられた部位の圧力(Pa)を検出する第1の圧力検出手段(80)と、高温流体通路(B)における回転蓄熱体(21)が設けられた部位の圧力(Pb)を検出する第2の圧力検出手段(81)と、第1、第2圧力検出手段(80、81)により検出した低温流体通路圧力(Pa)と高温流体通路圧力(Pb)に基づいて、圧力制御弁(14、83)の開度制御を行う制御手段(90)とを備えていることを特徴としている。
【0024】
これにより、ガス圧縮機による改質ガス供給量の変動に伴い、低温流体通路(A)および高温流体通路(B)の圧力が変動した場合でも、適切に低温流体通路(A)および高温流体通路(B)の圧力を調整することができる。
【0025】
また、請求項に記載の発明では、制御手段(90)は、高温流体通路圧力(Pb)と低温流体通路圧力(Pa)とが略等圧、あるいは高温流体通路圧力(Pb)が低温流体通路圧力(Pa)より高くなるように、圧力制御弁(14、83)の開度制御を行うことを特徴としている。
【0026】
これにより、高温流体通路圧力(Pb)と低温流体通路圧力(Pa)とが略等圧の場合には、両通路の間で圧力差に基づく隙間漏れは極小量となる。また、高温流体通路圧力(Pb)の方が低温流体通路圧力(Pa)より高い場合には、隙間漏れのガス流れは高温流体通路(B)→低温流体通路(A)となるため、低温流体通路(A)の未反応の改質原料が高温流体通路(B)に漏れて外部に放出されることを防止することができる。
【0027】
なお、本明細書でいう等圧には、熱交換部(20)におけるシール部の隙間を介して、低温流体通路(A)から高温流体通路(B)への流体漏れが発生しないか、流体漏れが発生しても外部への有害ガス排出が無視しうる範囲であれば、高温流体通路(Pb)が低温流体通路(Pa)より若干低い場合も含む。
【0028】
また、請求項に記載の発明のように、水素供給装置は燃料電池(60)に水素を供給するものとして好適に用いることができる。
【0029】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を適用した第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。図1は本第1実施形態の水素供給装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は水素供給装置の各構成要素の配置関係を示す概念図である。本第1実施形態の水素供給装置は、水素消費装置としての燃料電池60に水素を供給するように構成されている。
【0031】
図1、図2に示すように、本第1実施形態の水素供給装置は、改質原料供給部10、熱交換部(蒸発部)20、改質部30、CO除去部42、44、ガス圧縮機(加圧手段)50、燃焼ガス供給部(オフガス供給部)70等を備えている。また、水素供給装置には、ハウジング1によって、改質原料が通過する低温流体通路(改質原料通路)Aと、燃焼ガスが通過する高温流体通路(燃焼ガス通路)Bとが並行して形成されている。低温流体通路Aと高温流体通路Bはそれぞれ独立しており、熱交換部20を介して熱の授受が行われる。
【0032】
低温流体通路Aでは、改質原料供給部10で供給された改質原料(水と空気と改質燃料の混合気)が熱交換部20で加熱・気化(蒸発)される。気化された改質原料は、改質部30にてH2およびCOを含む改質ガスに改質され、CO除去部42、44にてCOが除去された後、水素リッチガスとしてガス圧縮機51により燃料電池60に供給される。
【0033】
燃料電池60には、水素とともに空気(酸素)が図示しない空気供給用ポンプにより供給されるように構成されており、水素と酸素との電気化学反応により発電する。燃料電池60では、発電に用いられなかった未反応水素を含んだオフガスが排出される。
【0034】
高温流体通路Bでは、オフガスがオフガス供給路61を介して燃焼ガス供給部70に供給され、燃焼して燃焼ガスとなる。この燃焼ガスの燃焼熱は、熱交換部20を介して高温流体通路Bから低温流体通路Aを流れる改質原料に伝えられる。なお、本実施形態では、改質燃料としてガソリンや灯油といった液体石油系燃料を用いている。
【0035】
図2に示すように低温流体通路Aの最上流部には、改質原料(水、空気、改質燃料)を供給する改質原料供給部10が配置されている。改質原料供給部10には、燃料流量制御弁11、水流量制御弁12、空気供給通路13、噴霧ノズル15、混合室16が設けられている。空気供給通路13には、空気供給通路13の通路面積を変化させることができる吸気制御弁(圧力調整手段)14が設けられている。
【0036】
燃料流量制御弁11および水流量制御弁12にて流量制御された改質燃料および水は、噴霧ノズル15から混合室16に噴霧され、空気供給通路13から流入した空気と混合されて、改質燃料と水と空気の混合気が生成する。なお、空気は後述のガス圧縮機51による吸入によって混合室16に供給されるように構成されている。
【0037】
低温流体通路Aにおける第1改質原料供給部20の下流側には、熱交換部(蒸発部)20が配置されている。本第1実施形態の熱交換部20は回転式熱交換器である。
【0038】
図3は熱交換部(蒸発部)20の分解斜視図である。図3に示すように、熱交換部20には、熱エネルギを蓄える回転蓄熱体(マトリクス)21と、マトリクス21と密着摺動してガス漏れを防止する一対の静止ガスシール22、23と、マトリクス21を回転駆動する駆動用モータ24が設けられている。
【0039】
マトリクス21は、コージェライト等の耐熱性セラミックからなる円盤形状に形成されている。マトリクス21は、軸方向に多数の貫通孔(セル)21aが形成されたハニカム構造となっている。マトリクス21におけるガスシール22、23と接触する外周側面部21bは、セメントコーティングされるか、あるいはソリッド状のセラミックリングが固着されることによって、シール面が形成されている。
【0040】
図4は、回転蓄熱体21を構成するセル形状の例を示している。図4(a)は矩形形状セル、図4(b)は三角形状セルであり、それぞれの表面には酸化触媒(白金、パラジウム等の単体あるいは混合物)25が添着(坦持)されている。これにより、高温流体通路Bに供給される燃料電池60のオフガスを触媒燃焼させることができる。
【0041】
マトリクス21は、回転軸26とハウジング1側に設けられた軸受け27によって支持されている。回転軸26は、マトリクス21の中心部に設けられたソリッド状のハブ21dに固着されている。マトリクス21は電動モータ24により回転駆動される。マトリクス21の外周面にはリングギア21cが設けられている。電動モータ24からの回転力は、電動モータ24の回転軸に固定されたピニオン24aを介して、リングギア21cに伝えられる。摺動部位である軸受け27は高温雰囲気で用いられるため、高温無潤滑材料(硬質カーボン材等)によって形成されている。
【0042】
ガスシール22、23は、例えばステンレスのような耐熱性金属やセラミックから形成されている。低温流体通路Aの上流側であって高温流体通路Bの下流側に位置する第1のガスシール22は、半円筒状フランジ22aとその中心を径方向に通るクロスアーム22bとが一体化してD型に構成されている。一方、低温流体通路Aの下流側であって高温流体通路Bにおける上流側に位置する第2のガスシール23は、円筒状フランジ23aとその中心を径方向に通るクロスアーム23bとが一体化してΘ型に構成されている。
【0043】
クロスアーム22b、23bの摺動面と、マトリクス21の外周側面部21bと接触するガスシールのシール面22c、23cには、マトリクス21およびガスシール22、23の摩耗を少なくするため、摩擦係数の低い高温無潤滑材料層(図示せず)がコーティング等によって形成されている。
【0044】
低温流体通路Aを流れる高圧の改質原料が高温流体通路Bに漏れないように、マトリクス21とハウジング1との間にガスシール22、23を介在させることでシールしている。ガスシール22、23は、シール面22c、23cでマトリクス21を軸方向の両側から挟んだ状態でハウジング1に固定されている。マトリクス21は、ガスシール22、23のクロスアーム22b、23bにて2つの領域に区画される。
【0045】
図2に示すようにマトリクス21は、並行する低温流体通路Aと高温流体通路Bの双方を横断するように配置される。このとき、ガスシール22、23のクロスアーム22b、23bで区画された一方の領域は低温流体通路Aに位置し、他方の領域は高温流体通路Bに位置する。マトリクス21はガスシール22、23の間を摺動回転し、改質原料が通過する低温流体通路Aとオフガス(燃焼ガス)が通過する高温流体通路Bとを交互に移動する。マトリクス21は、高温流体通路Bにおいて貫通孔21aを通過する燃焼ガスから熱を受け取った後、低温流体通路Aに移動して貫通孔21aを通過する改質原料に熱を伝えて加熱・気化させる。
【0046】
このとき、マトリクス21の回転速度を制御することで、高温流体通路Bから低温流体通路Aへの伝熱速度を調整することができる。すなわち、マトリクス21の回転速度を上げることで伝熱速度を上げることができ、回転速度を下げることで伝熱速度を下げることができる。
【0047】
また、第1ガスシール22はD型に構成されているため、回転蓄熱体21の低温流体通路Aにおける上流側はシールされていない。このため、低温流体通路Aにおいて、加熱される前の低温の改質原料が、ケーシング1と回転蓄熱体21との間に形成された空間28に入り込むこととなる。これにより、高温となる回転蓄熱体21のリングギア21aや電動モータ24のピニオン24aを冷却することができる。
【0048】
第2ガスシール23はΘ型に構成されているため、回転蓄熱体21の低温流体通路Aにおける下流側はシールされている。これにより、低温流体通路Aにてケーシング1と回転蓄熱体21との間の空間28に入り込んだ改質ガスが回転蓄熱体21をショートパスすることを防止して、改質ガスを確実に回転蓄熱体21を通過させることができる。
【0049】
熱交換部20の下流側には改質部30が設けられている。本第1実施形態の改質部30では、部分酸化改質(発熱反応)と水蒸気改質(吸熱反応)とが併用される。改質部30には、改質触媒(酸化ニッケル、酸化銅、白金、パラジウム等の単体あるいは混合物)が添着されている。改質部30では、熱交換部20による加熱で気化した改質原料を改質し、H2とCOを含んだ改質ガスを生成する。また、改質部30には、改質触媒の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)40が設けられている。
【0050】
改質部30の下流側には、改質ガスからCOを除去するCO除去部42、44が設けられている。CO除去部42、44は、COシフト部42およびCO浄化部44とから構成される。COシフト部42にはCOシフト反応(H2O+CO→CO2+H2+CO)のためのシフト触媒が設けられ、CO浄化部44にはCO浄化反応(CO+1/2O2→CO2)のための浄化触媒が設けられている。
【0051】
COシフト部42の上流側には改質ガス温度をCOシフト反応に必要な温度に冷却するための第1冷却部41が設けられ、CO除去部44の上流側には改質ガス温度をCO除去反応に必要な温度の冷却するための第2冷却部43が設けられている。
【0052】
また、後述のようにCO除去部42、44の下流側にはガス圧縮機51および燃料電池60が設けられており、ガス圧縮機51は吸入流体の温度が低温であるほうが吸入効率がよく、燃料電池60は所定温度(80℃程度)のときに発電効率が最もよい。そこで、CO除去部42、44の下流側には、ガス圧縮機51の吸入効率向上および燃料電池60の発電効率向上のために第3冷却部45が設けられている。
【0053】
改質ガスを燃料電池60に供給するための改質ガス供給路50には押し込み式のガス圧縮機51が設けられている。ガス圧縮機51は電動モータ52により駆動される。ガス圧縮機51は、燃料電池60に対する出力要求の変化に応じて燃料電池60への改質原料の供給量を変化させる。ガス圧縮機51による吸入により、改質原料供給部10に空気が吸引供給される。ガス圧縮機51は、吸入側より吐出側の圧力が高くなるため、吸入側に位置する低温流体通路Aの圧力Paより高温流体通路Bの圧力Pbの方が高くなるように圧力調整できる。
【0054】
ガス圧縮機51の下流側には、ガス圧縮機51における改質ガスの圧縮に伴って昇温した改質ガスを、燃料電池60における電気化学反応に適した温度に冷却するための第4冷却部53が設けられている。
【0055】
第4冷却部53の下流側は、水素消費装置としての燃料電池60に接続されており、水素を含んだ改質ガスが供給される。燃料電池には、水素とともに空気(酸素)が供給され、水素と酸素との電気化学反応により発電する。燃料電池60では、発電に用いられなかった未反応水素を含んだオフガスが排出される。
【0056】
高温流体通路Bにおける熱交換部20の上流側には、熱交換部20を加熱するための燃焼ガス供給部(オフガス供給部)70が設けられている。燃焼ガス供給部70には、オフエア流量制御弁71、燃料流量制御弁(燃焼用燃料供給部)72、噴霧ノズル73、点火プラグ(着火手段)74、混合・燃焼室75が設けられている。
【0057】
燃焼ガス供給部70には、燃料電池60から排出される未反応の水素を含むオフガスがオフガス供給路61を介して供給される。これにより低温流体通路Aと高温流体通路Bは改質ガス供給路50およびオフガス供給路61を介して連通している。さらに燃焼ガス供給部70には、燃料電池60から排出される未反応の酸素を含むオフエアが、オフエア供給路62を介して供給される。
【0058】
オフガスおよびオフエアは噴霧ノズル73から混合・燃焼室75に噴霧され、オフガス混合気となる。オフガス混合気は、熱交換部20に供給され、熱交換部20に設けられた酸化触媒にて触媒燃焼して燃焼ガスを生ずる。この燃焼ガスの燃焼熱で回転蓄熱体21が加熱される。回転蓄熱体21は高温流体通路Bで熱を受け取り、回転して低温流体通路Aにて改質原料を加熱する。
【0059】
水素供給装置の始動時には、オフガスに代えて、燃料流量制御弁にて流量制御された始動用燃料(燃焼用燃料)を燃焼室75に噴霧し、点火プラグ74にて着火して、火炎燃焼により燃焼ガスを生じさせるように構成されている。なお、本第1実施形態では、始動用燃料として改質燃料と同様の液体石油系燃料を用いている。
【0060】
低温流体通路Aにおける熱交換部20近傍(本実施形態では熱交換部20の上流側)には、低温流体通路Aにおける回転蓄熱体21が設けられた部位の圧力Paを検出する第1の圧力センサ(第1の圧力検出手段)80が設けられている。また、高温流体通路Bにおける熱交換部20近傍(本実施形態では熱交換部20の下流側)には、高温流体通路Bにおける回転蓄熱体21が設けられた部位の圧力Pbを検出する第2の圧力センサ(第2の圧力検出手段)81が設けられている。圧力センサ80、81は、回転蓄熱体21における低温流体通路A側および高温流体通路B側の貫通孔21aを通過する流体の圧力Pa、Pbを検出する。
【0061】
また、高温流体通路Bにおける熱交換部20の下流側には絞り管部(燃焼ガス排気通路)82が設けられ、絞り管部82には通路面積を変化させることができる排気制御弁(圧力調整手段)83が設けられている。
【0062】
上記ガス圧縮機51および排気制御弁83とで高温流体通路Bを加圧することができる。また、ガス圧縮機51および改質原料挙休部10における空気供給通路13の吸気制御弁14とで低温流体通路Aを減圧することができる。具体的にはガス圧縮機51の作動時に、燃焼ガス排気通路82の通路面積を排気制御弁83で小さくして排気抵抗を大きくすることで高温流体通路圧力Pbを高くすることができる。また、ガス圧縮機51の作動時に、空気供給通路13の通路面積を吸気制御弁14で小さくして吸気抵抗を大きくすることで低温流体通路圧力Paを低くすることができる。
【0063】
図5は、本実施形態の水素供給装置の制御系を示している。図5に示すように、本第1実施形態の水素供給装置には、各種制御を行う制御部(ECU)90が設けられている。制御部90には、温度センサ40にて検出した温度信号、圧力センサ80、81にて検出した圧力信号が入力され、各流量制御弁11、12、71、72、圧力制御弁14、83、回転蓄熱体駆動用モータ24、点火プラグ74に制御信号を出力するように構成されている。
【0064】
以下、上記構成の水素供給装置の作動について説明する。まず、水素供給装置の始動時について説明する。改質部30において改質反応が開始するためには、改質部30に供給される改質原料が蒸発・気化しており、かつ改質部30の改質触媒が改質反応を開始可能な所定温度まで昇温している必要がある。
【0065】
そこで、まず燃焼ガス供給部70の燃焼室75にて始動用燃料と空気との混合気を生成し、点火プラグ74にて着火して火炎燃焼させる。この火炎燃焼により生成した燃焼ガスは、高温流体通路Bを流れて熱交換部20を貫流する。これにより、回転蓄熱体21のうち高温流体通路Bに位置する部位は燃焼ガスにより加熱される。このときガス圧縮機51を作動させ、改質原料供給部10に空気を供給する。
【0066】
回転蓄熱体21が回転することで、燃焼ガスにて加熱された部位が低温流体通路Aに移動し、低温流体通路Aを流れる空気が加熱される。この加熱空気が低温流体通路Aを流れることにより、熱交換部20の下流側の各構成要素が急速に暖気される。
【0067】
このとき、燃焼ガス供給部70で発生した燃焼ガスには不完全燃焼等により有害ガスが含まれるが、燃焼ガスは回転蓄熱体21を通過する際に、貫通孔21aの表面に添着された酸化触媒25により触媒燃焼(触媒酸化反応)する。従って、始動用燃料と空気との混合割合を適切に調整して火炎燃焼させ、さらに熱交換部20にて燃焼ガス中の有害成分を触媒燃焼させることによって、燃焼ガスを完全酸化反応(完全燃焼)させることができる。これにより、燃焼ガス中の有害ガスを十分に清浄化させた上で、外部に排出することができる。
【0068】
燃焼ガスの燃焼熱により、熱交換部20、改質部30、CO除去部(シフト部、浄化部)42、44といった改質システムの各構成要素が急速に暖気(予熱)される。そして、温度センサ40にて検出した改質部30の温度が所定改質反応開始温度に到達した場合に、改質触媒を含めた改質システムの構成要素が改質反応を開始することができる温度に到達したと判断して、燃焼ガス供給部70での始動用燃料の供給を中断して火炎燃焼を停止する。
【0069】
なお、所定改質反応開始温度は改質燃料の種類等に応じて任意に設定できるが、本第1実施形態のように改質燃料として石油系燃料を用いる場合には300℃〜400℃と設定することができる。
【0070】
各構成要素の暖気が完了すると、改質原料供給部10にて改質原料(水、空気、改質燃料の混合気)の供給が開始される。改質原料は熱交換部20にて加熱・気化される。気化された改質原料は、改質部30にてH2とCOを含む改質ガスに改質される。改質ガスは、CO除去部42、44にてCOが除去され、ガス圧縮機51により燃料電池60に供給される。
【0071】
燃料電池60では、水素と酸素との化学反応により発電するとともに、未反応水素を含むオフガスと未反応の酸素を含むオフエアが排出される。オフガスはオフガス導入経路61を介して、オフエアはオフエア供給路62を介して高温流体通路Bの燃焼ガス供給部70に導入され、オフガス混合気となる。オフガス混合気は、熱交換部20に供給され、回転蓄熱体21を通過する際に触媒燃焼を開始する。このオフガスの触媒燃焼によって発生した熱は回転蓄熱体21に蓄えられ、回転蓄熱体21が回転移動することにより、低温流体通路Aを通過する改質原料を加熱・気化する。
【0072】
このように、オフガスの触媒燃焼による熱により、改質原料を加熱して気化するとともに、加熱された改質原料を介して下流側の改質部30をも加熱することができる。これにより、熱交換部20、改質部30の加熱は、始動用燃料の火炎燃焼による加熱からオフガス燃焼による加熱に切り替わり、水素供給装置は自立運転を開始することができる。
【0073】
このとき、ガス圧縮機51の出力調整および吸気制御弁14、排気制御弁82の開度調整により、圧力センサ80、81にて検出した高温流体通路Bの圧力Pbと低温流体通路Aの圧力Paとが等圧程度になるように、あるいは高温流体通路圧力Pbの方が低温流体通路圧力Paより高くなるように圧力調整を行う。シール漏れによるガス漏れを防止するという点で、低温流体通路圧力Paと高温流体通路圧力Pbは等圧であることがより望ましい。
【0074】
なお、本明細書でいう等圧には、熱交換部20における回転蓄熱体21とガスシール22、23とのシール部の隙間を介して、低温流体通路Aから高温流体通路Bへの流体漏れが発生しないか、流体漏れが発生しても外部への有害ガス排出が無視しうる範囲であれば、高温流体通路Bの圧力Pbが低温流体通路Aの圧力Paより若干低い場合も含む。
【0075】
次に、燃料電池60における負荷が変動した場合には、燃料電池60での負荷変動に応じてガス圧縮機51により改質原料の供給量を調整して、燃料電池60への水素供給量を調整する。このとき、ガス圧縮機51による改質ガス供給量が増加した場合には高温流体通路圧力Pbが高くなり、減少した場合には高温流体通路圧力Pbが低くなる。このため吸気制御弁14および排気制御弁82の開度を調整し、低温流体通路圧力Pa≦高温流体通路圧力Pbとなるように圧力調整を行う。
【0076】
水素供給装置において水素供給量を増加させた場合には、改質部30の改質反応に伴う吸熱量増加により改質部30の温度が低下するため、改質部30の加熱量を増加させる必要がある。ところが、水素供給装置の水素供給量増加に伴う燃料電池60のオフガス排出量増加には、タイムラグがある。このため、水素供給装置での水素供給量を急速に増加させた場合には、オフガス燃焼による燃焼熱が不足する場合がある。このような場合には、一時的に燃焼ガス供給部70にて始動用燃料を噴霧して点火プラグ74で着火することで、火炎燃焼による燃焼熱を利用して熱補給することができる。これにより、常に適温下で改質反応を促進することができる。
【0077】
また、改質原料中の空気の混合割合を増加させることで、改質部30における部分酸化反応(発熱反応)の割合を増加させ、改質部30での発熱量を増加させることができる。これによっても、オフガス燃焼の燃焼熱の不足を補うことができる。さらに、回転蓄熱体21の回転を速めることによっても、高温流体通路Bから低温流体通路Aへの伝熱速度を速くすることができる。これによっても、オフガス燃焼の燃焼熱の不足を補うことができる。
【0078】
なお、燃料電池60における負荷増加の伴う改質部30の温度低下は、温度センサ40にて直接的に検出することができる。あるいは燃料電池60が例えば車両走行用モータの駆動電源として用いられている場合には、アクセル開度に基づいて燃料電池60の負荷変動を予測し、改質部30の温度変化を予測するように構成してもよい。
【0079】
水素供給装置から燃料電池60への水素の供給を停止する場合には、改質燃料と水の供給を停止し、次に空気の供給を停止する。この間、低温流体通路A内に残存する可燃混合気は、高温流体通路Bにおいて熱交換部20内またはその表面部での触媒燃焼により燃焼完結するので、エミッションの排出を抑制することができる。また、水素供給装置の停止時に吸気制御弁14、排気制御弁83を閉じることにより、有害ガスを水素供給装置内に閉じこめることができ、有害ガスが外部に排出されることを有効に防止できる。
【0080】
ここで、図6に基づいて回転式熱交換器20にて発生するガス漏れについて説明する。図6は、ガスシール22、23による回転蓄熱体21のシール状態を示す拡大断面図である。図6(b)は回転蓄熱体21およびガスシール22、23の断面構成を示しており、図6(a)(c)はそれぞれ流体の流れ方向からみたガスシール22、23を示している。回転蓄熱体21は矢印L方向に回転する。
【0081】
ガス漏れは、回転蓄熱体21とガスシール22、23との間からの直接的なシール漏れMと、回転蓄熱体21にトラップされ移送されることに起因する移送漏れNがある。すなわち、熱交換部20におけるガス漏れは、低温流体通路Aと高温流体通路Bとの圧力差と回転蓄熱体21とガスシール22、23との当接面における隙間に比例する隙間漏れ量と、ガスシール22、23のクロスアーム22b、23bと回転蓄熱体21の貫通孔21aによって形成される空間移動容積(回転蓄熱体の回転に伴う移動)による移送漏れ量(キャリーオーバーロス)との合計になる。
【0082】
そこで、本第1実施形態では、ガス圧縮機51および圧力制御弁14、83を設け、高温流体通路Bの圧力Pbを低温流体通路Aの圧力Paと同程度あるいは高温流体通路Bの圧力Pbの方を高くなるように圧力調整している。これにより、低温流体通路Aから高温流体通路Bへの隙間漏れMを防止して、影響の少ない僅かな移送漏れNのみとすることができる。
【0083】
すなわち、高温流体通路圧力Pb=低温流体通路圧力Paの場合には、両通路の間で圧力差に基づく隙間漏れはなくなる。また、高温流体通路圧力Pb>低温流体通路圧力Paの場合には、隙間漏れの流れは高温流体通路B→低温流体通路Aとなるため、低温流体通路Aの未反応の改質原料が高温流体通路Bに漏れて外部に放出されることを防止することができる。このとき、高温流体通路Bの燃焼ガスが隙間漏れにより低温流体通路Aに漏れることになるが、水素供給装置内を循環するため、エミッションが外部に排出されるという問題はない。
【0084】
以上のように、本第1実施形態の水素供給装置によれば、ガス圧縮機51を、低温流体通路Aにおける熱交換部20と高温流体通路Bにおける熱交換部20との間に配置することで、圧縮機51に生ずる吸排気圧力差を利用して簡易な構成で回転蓄熱体21とガスシール22、23とのシール部で発生する流体漏れを防止することができる。
【0085】
また、圧力調整手段として圧力制御弁14、82を設けることで、ガス圧縮機51による改質ガス供給量が変動して低温流体通路圧力Paと高温流体通路圧力Pbが変動しても、これらの圧力を適正に調整することができる。
【0086】
また、燃料電池60における圧力損失が大きいため、本第1実施形態のように燃料電池60の上流側に押し込み式のガス圧縮機51を設けることで、ガス圧縮機51の効率を向上させることができる。さらに、ガス圧縮機51の上流側に冷却部45を設けることで、冷却された改質ガスをガス圧縮機51に供給することができ、ガス圧縮機51の吸入効率を向上させることができる。さらに、ガス圧縮機51の上流側および下流側に冷却部45、53を設けることで、ガス圧縮機51における圧縮により昇温した改質ガスを冷却し、燃料電池60に電気化学反応に適した温度にすることができる。
【0087】
また、水素供給装置の停止時に吸気制御弁14および排気制御弁83を閉じることにより、有害ガスを水素供給装置内に閉じこめることができ、有害ガスが外部に排出されることを有効に防止できる。
【0088】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態における水素供給装置を図7に基づいて説明する。本第2実施形態は上記第1実施形態に比較して改質原料を蒸発・気化させる蒸発部および改質原料を改質する改質部の構成が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。本第2実施形態では、蒸発部と改質部で熱交換部を構成している。
【0089】
図7に示すように、本第2実施形態では、回転式熱交換器が回転蓄熱体21、31を2個備えた2段構成となっており、蒸発部20および改質部30を構成している。2個の回転蓄熱体21、31は同軸上に配置されており、1個の駆動用モータ24にて回転駆動される。これらの回転蓄熱体21、31は、上記図3で示した第1実施形態と同様の構成であり、改質部30では、一対のガスシール32、33が両方ともガスシール23と同様のΘ型に構成されている。また、改質部30の回転蓄熱体31には改質触媒が坦持されている。
【0090】
改質原料供給部10では、水と空気との混合気が供給され、改質燃料は蒸発部20と改質部30の間に設けられた噴霧ノズル17より低温流体通路Aに供給される。改質燃料は、蒸発部20にて蒸発・気化した水・空気混合気と混合されて改質部30に供給される。
【0091】
以上、本第2実施形態のような2段式の回転式熱交換器においても、ガス圧縮機51および圧力制御弁14、83によって高温流体通路Bの圧力Pbを低温流体通路Aの圧力Paと等圧程度、あるいは高温流体通路圧力Pbの方を高くすることにより、回転蓄熱体21、31とガスシール22、23、32、33とのシール部で発生する流体漏れを防止することができる。
【0092】
また、本第2実施形態のような構成であれば、改質部30の改質触媒が高温流体通路Bにて燃焼ガスで直接的に加熱されるので、改質部30を早期に昇温させることができる。
【0093】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、ガス圧縮機51を燃料電池60の上流側に設けたが、これに限らず、低温流体通路Aにおける熱交換部20の下流側であって高温流体通路Bにおける熱交換部20の上流側であれば任意の場所に設けることができる。例えば、ガス圧縮機51を燃料電池60の下流側に設けてもよい。この場合にはガス圧縮機51における圧縮で発生する熱を考慮する必要がないため、ガス圧縮機51の下流側の冷却部53を省略できる。
【0094】
また、上記各実施形態では、圧力調整手段として吸気制御弁14および排気制御弁83を設けたが、これに限らず、これら圧力制御弁14、83を省略して加圧手段としてのガス圧縮機51のみで高温流体通路Bの圧力Pbを高くするように構成してもよい。さらに、ガス圧縮機51に加えて排気制御弁83あるいは吸気制御弁14のいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。圧力調整手段は、制御弁14、83に限らず、流体通路の径を小さくして空気の吸入抵抗あるいは排気ガスの排気抵抗を大きくした絞り管路により構成することもできる。
【0095】
また、上記各実施形態では、燃料電池60から排出されるオフエアが燃焼ガス供給部70での燃焼に利用されるように構成されているが、燃料電池60で酸素を消費されたオフエアは酸素濃度が低くなっているため、燃焼には不十分な場合が考えられる。そこで、燃料電池60に供給される空気の一部を燃料電池60をバイパスさせる通路を設け、燃料電池60をバイパスした空気を燃焼ガス供給部70に供給するように構成してもよい。
【0096】
また、上記各実施形態では、改質燃料としてガソリン、軽油等の液状石油系燃料を用いたが、これに限らず、改質燃料としてメタノール、天然ガス等の各種炭化水素化合物を用いることができ、さらに例えばアンモニアのような炭素を含まない水素化合物を用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の水素供給装置のブロック図である。
【図2】図1の水素供給装置の概念図である。
【図3】図1の水素供給装置の熱交換部の分解斜視図である。
【図4】図3の熱交換部の拡大断面図である。
【図5】図1の水素供給装置の制御系の説明図である。
【図6】ガスシールによる回転蓄熱体のシール状態を示す拡大断面図である。
【図7】第2実施形態の水素供給装置の概念図である。
【図8】従来技術における、ガスシールによる回転蓄熱体のシール状態を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
10…改質原料供給部、14…吸気制御弁、20…熱交換部(蒸発部)、30…改質部、51…ガス制御弁(加圧手段)、60…燃料電池(水素消費装置)、70…燃焼ガス供給部、80、81…圧力センサ(圧力検出手段)、83…排気制御弁。

Claims (8)

  1. 改質反応により生成した水素を水素消費装置(60)に供給する水素供給装置であって、
    前記改質反応に用いられる改質原料が通過する低温流体通路(A)と、
    燃焼ガスを発生させる燃焼ガス供給部(70)が設けられた高温流体通路(B)と、
    回転軸(26)を中心に回転駆動されることにより前記低温流体通路(A)と前記高温流体通路(B)とを交互に移動する回転蓄熱体(21)を有し、前記燃焼ガスの燃焼熱を前記改質原料に伝える熱交換部(20)と
    前記高温流体通路(B)内を加圧する加圧手段(51)とを備えていることを特徴とする水素供給装置。
  2. 前記低温流体通路(A)と前記高温流体通路(B)は連通しており、前記加圧手段(51)は、前記低温流体通路(A)における前記熱交換部(20)と前記高温流体通路(B)における前記熱交換部(20)との間に設けられたガス圧縮機であることを特徴とする請求項に記載の水素供給装置。
  3. 水素を含む改質ガスが改質ガス供給路(50)を介して水素消費装置(60)に供給され、前記水素消費装置(60)にて消費されなかった水素を含むオフガスがオフガス供給路(61)を介して前記燃焼ガス供給部(70)に供給され、前記オフガスの燃焼により前記燃焼ガスが生成されるように構成されており、
    前記ガス圧縮機(51)は前記改質ガス供給路(50)に設けられていることを特徴とする請求項に記載の水素供給装置。
  4. 前記高温流体通路(B)における前記熱交換部(20)の下流側あるいは前記低温流体通路(A)における前記熱交換部(20)の上流側の少なくとも一方に圧力調整手段(14、83)を設けたことを特徴とする請求項1ないしのいずれ1つに記載の水素供給装置。
  5. 前記圧力調整手段は、流体通路の通路面積を変更可能な圧力制御弁(14、83)であることを特徴とする請求項に記載の水素供給装置。
  6. 前記低温流体通路(A)における前記回転蓄熱体(21)が設けられた部位の圧力(Pa)を検出する第1の圧力検出手段(80)と、
    前記高温流体通路(B)における前記回転蓄熱体(21)が設けられた部位の圧力(Pb)を検出する第2の圧力検出手段(81)と、
    前記第1、第2圧力検出手段(80、81)により検出した低温流体通路圧力(Pa)と高温流体通路圧力(Pb)に基づいて、前記圧力制御弁(14、83)の開度制御を行う制御手段(90)とを備えていることを特徴とする請求項に記載の水素供給装置。
  7. 前記制御手段(90)は、前記高温流体通路圧力(Pb)と前記低温流体通路圧力(Pa)とが略等圧、あるいは前記高温流体通路圧力(Pb)が前記低温流体通路圧力(Pa)より高くなるように、前記圧力制御弁(14、83)の開度制御を行うことを特徴とする請求項に記載の水素供給装置。
  8. 前記水素消費装置(60)は燃料電池であることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の水素供給装置。
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