JP4696358B2 - 回転蓄熱式熱交換装置および燃料電池システム用改質装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転により高温流体と低温流体との間で熱交換を行う回転蓄熱体を備える回転蓄熱式熱交換器および燃料電池システム用燃料装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは特願2000−261092号において、燃料電池から排出される未反応の燃料ガス(水素を含有するオフガス)を燃焼させ、回転蓄熱体を備えた回転蓄熱式熱交換器によりオフガス燃焼熱を回収する方法を提案している。
【0003】
この回転蓄熱式熱交換器の構成を図20に基づいて説明する。図20は熱交換器J20の断面構成を示している。回転蓄熱体J21は多数の貫通孔J21aが形成され、加熱したい低温流体が通過する低温流体通路と高温の燃焼ガス(オフガス)が通過する高温流体通路の双方を横切るように配置され、回転することで高温流体通路の熱を低温流体通路に移送するように構成されている。回転蓄熱体J21の貫通孔J21aが開口する両側の端面には、低温流体通路と高温流体通路との間の流体漏れを防ぐために一対の静止シール部材J22、J23が配置されており、回転蓄熱体J21はシール部材J22、J23の間を摺動回転するように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが回転蓄熱式熱交換器J20のシール部では、流体漏れを防止するためにシール部材J22、J23の摺動面を回転蓄熱体J21に常時押しつけることとなる。このため、蓄熱体J21あるいはシール部材J22、J23の少なくともいずれかに摩耗が進行することとなり熱交換器J20の寿命が短くなる。さらに、回転蓄熱体J21が摺動する際の摩擦抵抗により、回転蓄熱体J21の駆動動力が増大してシステムの効率性が低下する。
【0005】
また、図21に示すように、回転蓄熱体J21の高温側(図21中右側)では、高温の燃焼ガスに曝されることで熱変形して、回転蓄熱体J21本体が歪むこととなる。この場合、回転蓄熱体J21は、高温側の方が低温側に比較して伸びが大きくなり、高温側に向けて凸状に湾曲する。これにより、高温側では回転蓄熱体J21とシール部材J22、J23との隙間が拡大して流体漏れが増大するため、改質効率の低下をきたすという不具合が生じる。また、低温側では、回転蓄熱体J21とシール部材J22、J23との隙間が狭まるため回転蓄熱体J21とシール部材J22、J23とが接触し、回転抵抗が増大するとともに接触による破損が起こるという不具合が生じる。
【0006】
ところで、水蒸気改質反応により水素を生成する改質装置では、改質反応を行う改質部の下流側に多量の水素を含む水素リッチガスからCOを除去するCO除去部が設けられている。CO除去部はシフト反応(CO+H2O→H2+CO2)および酸化反応(CO+1/2O2→CO2)によりCOを除去するように構成されており、CO除去部ではシフト反応のために水分(水蒸気)を必要とする。このため、例えば改質原料中に含まれる水分を改質部における改質反応に必要な量より過剰にしておくことで、CO除去部に水分を供給している。
【0007】
ところが、このような構成では改質反応に必要な水分量より多くの水分を蒸発気化させることとなるため、改質原料を蒸発気化させるための蒸発部の負担が大きくなり設備が大きくなるという問題がある。一方、改質装置から水素が供給される燃料電池では、水分を多量に含んだ排ガスを排出している。
【0008】
また、改質装置にて生成され燃料電池に供給される水素リッチガス中には水素以外の窒素、二酸化炭素等の不純物が含まれている。このため、水素リッチガス中の水素濃度が低くなり、燃料電池における発電効率が悪くなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑み、高温流体と低温流体との間で熱交換を行う回転蓄熱式熱交換器において、シール効果を維持しつつ回転蓄熱体とシール部材の摩耗を防止することを目的とし、さらに、回転蓄熱体が熱変形した場合にも回転蓄熱体とシール部材の摩耗を防止することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、軸方向に多数の貫通孔(21a)が形成され、回転することにより低温流体が通過する低温流体通路(A)と高温流体が通過する高温流体通路(B)とを交互に移動して、高温流体の熱を低温流体に移送する回転蓄熱体(21)と、高温流体通路(B)において高温流体の流入側に位置する高温側シール部材(23)および高温流体の流出側に位置する低温側シール部材(22)とからなる一対のシール部材(22、23)とを備えた回転蓄熱式熱交換器であって、一対のシール部材(22、23)の間には、各シール部材(22、23)と回転蓄熱体(21)との間に所定の隙間が保持されるように、回転蓄熱体(21)の軸方向長さより長い軸方向長さを有する隙間保持部材(27、28)が配置されていることを特徴としている。
【0011】
これにより、回転蓄熱体(21)とシール部材(22、23)とを完全に密着させずに微少な固定隙間を確保でき、回転蓄熱体(21)が回転する際の摺動による摩耗を極めて少なくすることができる。従って、シール効果を発揮させてガス漏れを所定漏れ量に抑制しつつ、回転蓄熱体(21)およびシール部材(22、23)の摩耗を防止ないし極力少なくして装置の長寿命化を図ることができる。
【0012】
また、隙間保持部材は、請求項2に記載の発明のように、回転蓄熱体(21)より大きい直径を有する円筒形状であって、一対のシール部材(22、23)のフランジ部(22a、23a)の間に配置される円筒状スペーサ(27)、あるいは回転蓄熱体(21)の回転中心部を貫通する棒形状であって、一対のシール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23b)の間に配置される棒状スペーサ(28)の少なくとも一方とすることができる。
【0013】
また、隙間保持部材として少なくとも円筒状スペーサ(27)を備えている場合には、請求項3に記載の発明のように、回転蓄熱体(21)は円筒状スペーサ(27)に支持されているように構成することができ、隙間保持部材として少なくとも棒状スペーサ(28)を備えている場合には、請求項4に記載の発明のように、回転蓄熱体(21)は棒状スペーサ(28)に支持されているように構成することができる。
【0014】
また、請求項5に記載の発明では、棒状スペーサ(28)は、一対のシール部材のうち低温側シール部材(22)のクロスアーム部(22b)のみで支持されていることを特徴としている。これにより、高温側シール部材(23)が高温により熱変形した場合であっても、棒状スペーサ(28)はその影響を回避することができ、軸のずれが起きにくくなる。
【0015】
また、請求項6に記載の発明では、回転蓄熱体(21)と前記棒状スペーサ(28)との間には、弾性部材(33)が介在していることを特徴としている。これにより、回転蓄熱体(21)あるいは棒状スペーサ(28)が熱変形した場合に生ずる応力を吸収できる。
【0016】
また、請求項7に記載の発明では、回転蓄熱体(21)とシール部材(22、23)のフランジ部(22a、23a)との間に形成される隙間は、回転蓄熱体(21)とシール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23b)との間に形成される隙間より大きくなるように構成されていることを特徴としている。
【0017】
このように、回転蓄熱体(21)とシール部材(22、23)との隙間を、中心部に比較して外周部の方を大きくすることで、中心部側ではガス漏れ量を最小限に抑えつつ、外周側では回転蓄熱体(21)の熱変形を考慮した最適設計を行うことができる。
【0018】
また、請求項8に記載の発明では、一対のシール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23b)には、所定間隔の間隙(22d、23d)が形成されていることを特徴としている。これにより、クロスアーム部(22b、23b)の熱膨張による応力を吸収してシール部材(22、23)の変形を防ぐことができる。
【0019】
また、請求項9に記載の発明では、高温側シール部材フランジ部(23a)の回転蓄熱体(21)側における回転蓄熱体(21)の外周角部に対応する部位に、突出部(23e)が形成されており、回転蓄熱体(21)が熱変形したときに、突出部(23e)と回転蓄熱体(21)の外周角部との隙間が減少するように構成されていることを特徴としている。
【0020】
このような構成により、回転蓄熱体(21)が熱変形する際に、回転蓄熱体(21)と高温側ガスシール(23)との隙間を自動調整でき、回転蓄熱体(21)の熱変形に伴うガスの漏れ量増加を防止できる。
【0021】
また、請求項10に記載の発明では、回転蓄熱体(21)の外周部と円筒状スペーサ(27)との間に低温流体が導入されることを特徴としている。これにより、熱交換により高温となる回転蓄熱体(21)の駆動系を積極的に冷却することができる。従って、これらの部材の過熱を防止し、潤滑性を維持することができ、耐久性及び信頼性を確保することができる。
【0022】
また、請求項11に記載の発明では、高温側シール部材(23)における回転蓄熱体(21)の反対側に高温ガスシール(23)と平行に配置され、高温側シール部材(23)に対応するフランジ部(35a)とクロスアーム部(35b)とを有するサポート部材(35)と、高温側シール部材クロスアーム部(23b)とサポート部材クロスアーム部(35b)との間に配置される中心部スペーサ(37)と、中心部スペーサ(37)と同一の軸方向長さを有し、高温側シール部材フランジ部(23a)とサポート部材フランジ部(35a)との間に配置される外周部スペーサ(36)とを備え、外周部スペーサ(36)は、中心部スペーサ(37)より熱膨張係数が大きいものであることを特徴としている。
【0023】
これにより、回転蓄熱体(21)の熱変形に対応してシール部材(22、23)を移動させることができ、回転蓄熱体(21)が熱変形して回転蓄熱体(21)とシール部材(23)との間隔が大きくなることを防止することができるとともにシール部材(22)との間隔が小さくなり、接触による不具合を回避し、かつ最小間隔を維持することができる。従って、回転蓄熱体(21)が熱変形してもガスのシール漏れ増加を抑制することできる。
【0024】
また、請求項12に記載の発明では、一対のシール部材(22、23)と、サポート部材(35)は同軸上で固定されていることを特徴としている。これにより、シール部材(22、23)とサポート部材(35)は中心部で固定され、シール部材(22、23)の外周部のみを、回転蓄熱体(21)の熱変形に応じて変形させることができる。
【0025】
また、請求項13に記載の発明では、外周部スペーサ(36)の熱膨張により高温側シール部材(23)とサポート部材(35)との間が押し広げられることを特徴としている。これにより、シール部材(22、23)が回転蓄熱体(21)の熱変形に応じて移動することとなる。さらに、請求項14に記載の発明のように、外周部スペーサ(36)の熱膨張により生じるシール部材(22、23)の変形量は、回転蓄熱体(21)の熱変形による生じる変形量と略同一に設定することで、回転蓄熱体(21)とシール部材(22、23)との間隔を常に最適値に維持することができる。
【0026】
また、請求項15に記載の発明では、低温流体通路(A)および高温流体通路(B)のそれぞれにおいて、高温側シール部材(23)とサポート部材(35)の間は伸縮可能な筒状部材(5a、6a)にて連結されていることを特徴としている。これにより、高温側シール部材(23)とサポート部材(35)との間には、高温側と低温側の流体流路が分離して形成され、高温流体と低温流体とが混合されるのを防ぐことができる。
【0027】
また、請求項16に記載の発明では、上記請求項1ないし9に記載の発明において、低温側シール部材(22)は耐熱性金属材料から構成され、高温側シール部材(23)はより耐熱性の高いセラミック材料から構成されることを特徴としている。
【0028】
また、請求項17に記載の発明では、上記請求項10ないし14に記載の発明において、高温側シール部材(23)および低温側シール部材(22)は耐熱性金属材料から構成されていることを特徴としている。このように各シール部材(22、23)に金属材料を用いることで、外周部スペーサ(36)の熱膨張により各シール部材(22、23)を容易に変形させることが可能となる。
【0029】
また、請求項18に記載の発明では、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器を用い、改質反応により改質原料から水素を生成する燃料電池システム用改質装置であって、低温流体は改質原料であり、高温流体は燃焼ガスであることを特徴としている。
【0046】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0047】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を適用した第1実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。本第1実施形態では、回転蓄熱式熱交換器を燃料電池システムの燃料改質装置(水素供給装置)に用いている。図1は改質装置の概略構成を示すブロック図であり、図2は改質装置の各構成要素の配置関係を示す概念図である。本第1実施形態の改質装置は、水素消費装置としての燃料電池50に水素を供給するように構成されている。
【0048】
図1、図2に示すように、本第1実施形態の改質装置は、改質原料供給部10、熱交換部(蒸発部)20、改質部40、CO除去部43、燃焼ガス供給部(オフガス供給部)60等を備えている。また、改質装置には、ハウジング1によって、改質原料が通過する低温流体通路(改質原料通路)Aと、燃焼ガスが通過する高温流体通路(燃焼ガス通路)Bとが並行して形成されている。低温流体通路Aと高温流体通路Bはそれぞれ独立しており、熱交換部20を介して熱の授受が行われる。
【0049】
低温流体通路Aでは、改質原料供給部10で供給された改質原料(水と空気と改質燃料の混合気)が熱交換部20で加熱・気化(蒸発)される。気化された改質原料は、改質部40にてH2およびCOを含む改質ガスに改質され、CO除去部43にてCOが除去された後、燃料電池50に供給される。
【0050】
燃料電池50には、水素とともに空気(酸素)が図示しない空気供給用ポンプにより供給されるように構成されており、水素と酸素との電気化学反応により発電する。燃料電池50では、発電に用いられなかった未反応水素を含んだオフガスが排出される。
【0051】
高温流体通路Bでは、オフガスがオフガス供給路61を介して燃焼ガス供給部60に供給され、燃焼して燃焼ガスとなる。この燃焼ガスの燃焼熱は、熱交換部20を介して高温流体通路Bから低温流体通路Aを流れる改質原料に伝えられる。なお、本実施形態では、改質燃料としてガソリンや灯油といった液体石油系燃料を用いている。
【0052】
図2に示すように低温流体通路Aの最上流部には、改質原料(水、空気、改質燃料)を供給する改質原料供給部10が配置されている。改質原料供給部10には、水流量制御弁11、空気流量制御弁12、燃料流量制御弁13、噴霧ノズル14、混合室15が設けられている。
【0053】
水流量制御弁11および燃料流量制御弁13にて流量制御された改質燃料および水は、噴霧ノズル14から混合室15に噴霧され、図示ない空気供給用送風機より供給された空気と混合されて、改質燃料と水と空気の混合気が生成する。
【0054】
低温流体通路Aにおける第1改質原料供給部20の下流側には、熱交換部(蒸発部)20が配置されている。本第1実施形態の熱交換部20は回転式熱交換器である。
【0055】
次に、熱交換部20について図3〜図6に基づいて説明する。図3は熱交換部20の拡大断面図であり、図4は熱交換部20の分解斜視図である。図3、図4に示すように、熱交換部20には、熱エネルギを蓄える回転蓄熱体(マトリクス)21と、回転蓄熱体21と微少隙間を介して密接してガス漏れを防止する一対の静止シール部材22、23と、回転蓄熱体21を回転駆動する駆動用モータ24が設けられている。
【0056】
熱交換部20では、低温流体通路Aを流れる高圧の改質原料が高温流体通路Bに漏れないように、回転蓄熱体21とハウジング1との間にシール部材22、23を介在させることでシールしている。シール部材22、23は、シール面22c、23cで回転蓄熱体21を軸方向の両側から挟んだ状態でハウジング1に固定されている。
【0057】
回転蓄熱体21は、コージェライト等の耐熱性セラミックからなり、円柱形状に形成されている。回転蓄熱体21は、軸方向に多数の貫通孔(セル)21aが形成されたハニカム構造となっている。
【0058】
図5は、回転蓄熱体21を構成するセル形状の例を示している。図4(a)は矩形形状セル、図4(b)は三角形状セルであり、それぞれの表面には酸化触媒(白金、パラジウム等の単体あるいは混合物)21bが添着(坦持)されている。これにより、高温流体通路Bに供給される燃料電池50のオフガスを触媒燃焼させることができる。
【0059】
熱交換部20には、回転蓄熱体21を回転駆動させるための電動モータ(駆動手段)24が設けられている。回転蓄熱体21の外周面にはリングギア25が設けられている。図3に示すように回転蓄熱体21とリングギア25との間にはエラストマのような弾性部材26を介在させている。電動モータ24からの回転力は、電動モータ24の回転軸24aに固定されたピニオン24bを介して、リングギア25に伝えられる。回転蓄熱体21とリングギア25との間に弾性部材26を介在させることで、回転蓄熱体21の熱変形よる応力を吸収してモータ24の駆動力を回転蓄熱体21に伝えることができる。
【0060】
シール部材22、23は、例えばステンレスのような耐熱性金属やセラミックのような耐熱性材料から形成されている。本第1実施形態では、低温ガスに接触する低温側シール部材22にはステンレスを用い、高温ガスに接触する高温側シール部材23にはより耐熱性の高いセラミックを用いている。
【0061】
図4に示すように、シール部材22、23は、円筒状フランジ部22a、23aとその中心を径方向に通るクロスアーム部22b、23bとが一体化してΘ型に構成されている。回転蓄熱体21は、シール部材22、23のクロスアーム部22b、23bにて2つの領域に区画される。クロスアーム部22b、23bには、クロスアーム部22b、23bの熱膨張による伸びを吸収するために所定間隔のスリット(間隙)22d、23dが形成されている。
【0062】
図4に示すように回転蓄熱体21におけるシール部材22、23と対向する外周側面部21bには、回転蓄熱体21が過度に熱変形した場合にシール部材22、23と接触して損傷するのを防ぐために、セメントコーティングされるか、あるいはソリッド状のセラミックリングが固着されることによってシール面が形成されていてもよい。
【0063】
低温側シール部材22と高温側シール部材23の間に隙間保持部材27、28を介在させ、各シール部材22、23と回転蓄熱体21との間に微少隙間を確保している。本第1実施形態では、隙間保持部材27、28として外周部と中心部に回転蓄熱体21の軸方向長さより若干長いスペーサ27、28を介在させ、各シール部材22、23と回転蓄熱体21との間に微少隙間を確保している。
【0064】
外周部に配置される円筒状スペーサ27は、回転蓄熱体21より大径の円筒形状となっている。中心部に配置される棒状スペーサ28は、両端部にシール部材22、23が保持される段差28aが設けられた棒状となっている。これらのスペーサ27、28には、インバーやセラミックのような低熱膨張材料を用いる。
【0065】
図6は熱交換部20の平面図である。図6に示すように円筒状スペーサ27には、ピニオンギア24bとリングギア25との接続を確保するともに、スペーサ27内に加熱前の改質原料を導入して回転蓄熱体21の駆動系を冷却するために複数のスリット27aが形成されている。
【0066】
ところで、上記発明が解決しようとする課題において図21に基づいて述べたように、回転蓄熱体21の高温側では、高温の燃焼ガスに曝されることで熱変形して回転蓄熱体21本体が歪む。このとき、回転蓄熱体21は中心部に比較して外周部の方が熱変形量が大きい。このため、回転蓄熱体21が熱変形してもシール部材22、23との間に隙間を確保できるように、スペーサ27、28によって形成される回転蓄熱体21とシール部材22、23との隙間は、中心部より外周部の方を大きくすることが望ましい。
【0067】
本第1実施形態では、外周部における隙間、すなわち回転蓄熱体21とシール部材フランジ部22a、23aとの隙間を20〜30μm程度とし、中心部における隙間、すなわち回転蓄熱体21とシール部材クロスアーム部22b、23bとの隙間を10μm程度としている。
【0068】
なお、回転蓄熱体21が熱変形する際には高温側の伸びが大きいため、回転蓄熱体21の外周部は図3中左側の低温側シール部材22方向に変形する。従って、外周部における隙間は、回転蓄熱体21と低温側シール部材22との隙間のみを大きくするように構成してもよい。
【0069】
図3、図6に示すように、シール部材22、23の外周部には複数のスプリング(弾性部材)31を設けている。シール部材22、23は外周部側面をスプリング31の収縮弾性力により押圧され、円筒状スペーサ27を挟み込むように固定されている。シール部材22、23の外周部には、スプリング31固定用の孔22d、23dが複数形成されている。
【0070】
また、図3に示すように、シール部材22、23は、クロスアーム部22b、23bを弾性ナット32によって棒状スペーサ28を挟み込むように押圧固定されている。弾性ナット32はバネ部32aからなる弾性構造を有しており、バネ部32aで低温側シール部材22を押さえつけている。これにより、棒状スペーサ28は低温側シール部材22および高温側シール部材23のクロスアーム部22b、23bで支持される。
【0071】
このように本第1実施形態では、シール部材22、23を溶接等によりスペーサ27、28に完全に固定するのではなく、スプリング31や弾性ナット32により押さえつけて固定することで、シール部材22、23やスペーサ27、28の熱変形を吸収することが可能となる。
【0072】
回転蓄熱体21は、回転式軸受け29、30を介して円筒状スペーサ27に回転可能に支持されている。軸受け29、30は半径の異なる外輪と内輪と転動体(球)とから構成されている。外輪は円筒状スペーサ27に固定され、内輪はリングギア25に固定され回転蓄熱体21とともに回転する。本第1実施形態の回転蓄熱体21と棒状スペーサ28との間は接触しておらず、隙間が形成されている。これにより、回転蓄熱体21は円筒状スペーサ27を介してシール部材22、23に固定される。
【0073】
シール部材22、23は、低温流体通路Aの高温側と高温流体通路Bの高温側及び低温側において、ベローズ2a〜4aを介してケーシング1のフランジ部2〜4に固定されている。これにより熱交換部20全体がベローズ2a〜4aを介してケーシング1に固定されることとなる。ベローズ2a〜4aはステンレス薄板のような耐熱性金属から構成されており弾性を有している。
【0074】
また、低温流体通路Aの低温側では、ケーシング1と低温側シール部材22は固定されていない。このため、加熱前の低温の改質原料がケーシング1と熱交換部20との間に形成された空間に入り込むこととなり、高温となる回転蓄熱体21のリングギア25や電動モータ24のピニオン24b等を冷却することができる。
【0075】
図3に示すように回転蓄熱体21は、並行する低温流体通路Aと高温流体通路Bの双方を横断するように配置される。このとき、シール部材22、23のクロスアーム部22b、23bで区画された一方の領域は低温流体通路Aに位置し、他方の領域は高温流体通路Bに位置する。回転蓄熱体21はシール部材22、23の間を摺動回転し、改質原料が通過する低温流体通路Aとオフガス(燃焼ガス)が通過する高温流体通路Bとを交互に移動する。回転蓄熱体21は、高温流体通路Bにおいて貫通孔21aを通過する燃焼ガスから熱を受け取った後、低温流体通路Aに移動して貫通孔21aを通過する改質原料に熱を伝えて加熱・気化させる。
【0076】
熱交換部20の下流側には改質部40が設けられている。本第1実施形態の改質部40では、部分酸化改質(発熱反応)と水蒸気改質(吸熱反応)とが併用される。改質部40には、改質触媒(酸化ニッケル、酸化銅、白金、パラジウム等の単体あるいは混合物)が添着されている。改質部40では、熱交換部20による加熱で気化した改質原料を改質し、H2とCOを含んだ改質ガスを生成する。また、改質部40には、改質触媒の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)41が設けられている。
【0077】
改質部40の下流側には、改質ガスをCO除去に必要な温度まで冷却するための冷却部42が設けられ、冷却部42の下流側には改質ガスからCOを除去するCO除去部43が設けられている。CO除去部43にてCOを除去された改質ガス(水素リッチガス)は、水素消費装置としての燃料電池50に供給される。燃料電池50には、水素とともに空気(酸素)が供給され、水素と酸素との電気化学反応により発電する。燃料電池50では、発電に用いられなかった未反応水素を含んだオフガスが排出される。
【0078】
高温流体通路Bにおける熱交換部20の上流側には、熱交換部20を加熱するための燃焼ガス供給部(オフガス供給部)60が設けられている。燃焼ガス供給部60には、オフガス流量制御弁61、燃料流量制御弁(燃焼用燃料供給部)62、オフエア流量制御弁63、噴霧ノズル64、点火プラグ(着火手段)65、混合・燃焼室66が設けられている。
【0079】
燃焼ガス供給部60には、燃料電池50から排出される未反応の水素を含むオフガスがオフガス供給路51を介して供給される。これにより低温流体通路Aと高温流体通路Bは改質ガス供給路50およびオフガス供給路51を介して連通している。さらに燃焼ガス供給部60には、燃料電池50から排出される未反応の酸素を含むオフエアが、オフエア供給路52を介して供給される。
【0080】
オフガスおよびオフエアは噴霧ノズル64から混合・燃焼室66に噴霧され、オフガス混合気となる。オフガス混合気は、熱交換部20に供給され、熱交換部20に設けられた酸化触媒にて触媒燃焼して燃焼ガスを生ずる。この燃焼ガスの燃焼熱で回転蓄熱体21が加熱される。回転蓄熱体21は高温流体通路Bで熱を受け取り、回転して低温流体通路Aにて改質原料を加熱する。
【0081】
改質装置の始動時には、オフガスに代えて、燃料流量制御弁にて流量制御された始動用燃料(燃焼用燃料)を燃焼室66に噴霧し、点火プラグ65にて着火して、火炎燃焼により燃焼ガスを生じさせるように構成されている。なお、本第1実施形態では、始動用燃料として改質燃料と同様の液体石油系燃料を用いている。
【0082】
図7は、本実施形態の改質装置の制御系を示している。図7に示すように、本第1実施形態の改質装置には、各種制御を行う制御部(ECU)70が設けられている。制御部70には、温度センサ41にて検出した温度信号等が入力され、各流量制御弁11〜13、61〜63、回転蓄熱体駆動用モータ24、点火プラグ65等に制御信号を出力するように構成されている。
【0083】
以下、上記構成の改質装置の作動について説明する。まず、改質装置の始動時について説明する。改質部40において改質反応が開始するためには、改質部40に供給される改質原料が蒸発・気化しており、かつ改質部40の改質触媒が改質反応を開始可能な所定温度まで昇温している必要がある。
【0084】
そこで、まず燃焼ガス供給部60の燃焼室66にて始動用燃料と空気との混合気を生成し、点火プラグ65にて着火して火炎燃焼させる。この火炎燃焼により生成した燃焼ガスは、高温流体通路Bを流れて熱交換部20を貫流する。これにより、回転蓄熱体21のうち高温流体通路Bに位置する部位は燃焼ガスにより加熱される。回転蓄熱体21が回転することで、燃焼ガスにて加熱された部位が低温流体通路Aに移動し、低温流体通路Aを流れる空気が加熱される。この加熱空気が低温流体通路Aを流れることにより、熱交換部20の下流側の各構成要素が急速に暖気される。
【0085】
燃焼ガスの燃焼熱により、熱交換部20、改質部40、CO除去部(シフト部、浄化部)43といった改質システムの各構成要素が急速に暖気(予熱)される。そして、温度センサ41にて検出した改質部40の温度が所定改質反応開始温度に到達した場合に、改質触媒を含めた改質システムの構成要素が改質反応を開始することができる温度に到達したと判断して、燃焼ガス供給部60での始動用燃料の供給を中断して火炎燃焼を停止する。
【0086】
各構成要素の暖気が完了すると、改質原料供給部10にて改質原料(水、空気、改質燃料の混合気)の供給が開始される。改質原料は熱交換部20にて加熱・気化される。気化された改質原料は、改質部40にてH2とCOを含む改質ガスに改質される。改質ガスは、CO除去部43にてCOが除去され、燃料電池50に供給される。
【0087】
燃料電池50では、水素と酸素との化学反応により発電するとともに、未反応水素を含むオフガスと未反応の酸素を含むオフエアが排出される。オフガスはオフガス導入経路51を介して、オフエアはオフエア供給路52を介して高温流体通路Bの燃焼ガス供給部60に導入され、オフガス混合気となる。オフガス混合気は、熱交換部20に供給され、回転蓄熱体21を通過する際に触媒燃焼を開始する。このオフガスの触媒燃焼によって発生した熱は回転蓄熱体21に蓄えられ、回転蓄熱体21が回転移動することにより、低温流体通路Aを通過する改質原料を加熱・気化する。
【0088】
このように、オフガスの触媒燃焼による熱により、改質原料を加熱して気化するとともに、加熱された改質原料を介して下流側の改質部40をも加熱することができる。これにより、熱交換部20、改質部40の加熱は、始動用燃料の火炎燃焼による加熱からオフガス燃焼による加熱に切り替わり、改質装置は自立運転を開始することができる。
【0089】
本第1実施形態の熱交換部20では、スペーサ27、28により回転蓄熱体21とシール部材22、23とを完全に密着させずに微少な固定隙間を確保しているので、回転蓄熱体21が回転する際の摺動による摩耗は極めて少ない。このため、シール効果を発揮させてガス漏れを所定漏れ量に抑制しつつ、回転蓄熱体21やシール部材22、23の摩耗を防止ないし極力少なくして装置の長寿命化を図ることができる。
【0090】
また、シール部材22、23で回転蓄熱体21を押圧しないので摩擦抵抗を極めて小さくすることができる。この結果、回転蓄熱体21の駆動動力を大幅に低減させることができ、駆動機構を簡便にすることができる。
【0091】
また、スペーサ27、28によって形成される回転蓄熱体21とシール部材22、23との隙間を、中心部に比較して外周部の方を大きくすることで、中心部側ではガス漏れ量を最小限に抑えつつ、外周側では回転蓄熱体21の熱変形を考慮した最適設計を行うことができる。
【0092】
また、シール部材22、23のクロスアーム部22b、23bに微少間隔のスリット22d、23dを設けることで、クロスアーム部22b、23bの熱膨張による応力を吸収してシール部材22、23の変形を防ぐことができる。
【0093】
また、シール部材22、23を、スプリング31や弾性ナット32によりスペーサ27、28に押圧して固定することで、シール部材22、23の熱変形を吸収することが可能となる。
【0094】
このような回転蓄熱式熱交換器であれば、熱交換する流体が高圧力差であるとともに小流量という特徴を有する燃料電池システムの燃料改質用熱交換器にも好適に用いることができ、シール漏れと回転駆動力を低減させてシステム効率の向上および耐久性の向上を図ることができる。
【0095】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図8に基づいて説明する。本第2実施形態は、上記第1実施形態に比較して回転蓄熱体21の固定方法が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
図8は、本第2実施形態の改質装置における熱交換部20の拡大断面図である。図8に示すように、本第2実施形態では回転蓄熱体21は、棒状スペーサ28に固定されている。棒状スペーサ28の周囲には円筒状のグラファイト部材(軸受け)34が配置され、回転蓄熱体21にはエラストマといった弾性部材33を介して軸受け34が接続されている。摺動部位である軸受け34は高温雰囲気で用いられるため、高温無潤滑材料(硬質カーボン材等)によって形成されている。
【0097】
これにより、回転蓄熱体21は、棒状スペーサ28を介してシール部材22、23に固定される。このような構成により、回転蓄熱体21は、棒状スペーサ28を回転軸として回転することとなる。
【0098】
以上、本第2実施形態の熱交換部20の構成によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0099】
また、回転蓄熱体21と棒状スペーサ28との間に弾性部材33を介在させているので、回転蓄熱体21や棒状スペーサ28の軸方向の伸びに対する応力を吸収することができる。
【0100】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を図9に基づいて説明する。本第3実施形態は、上記第2実施形態に比較して回転蓄熱体21の固定方法が異なるものである。上記第2実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】
図9は、本第3実施形態の改質装置における熱交換部20の拡大断面図である。図9に示すように、軸状スペーサ28は低温側シール部材22のみで支持されている。なお、本第3実施形態では弾性ナットではなく、弾性構造を有しない通常のナット32を用いている。
【0102】
以上、本第3実施形態の熱交換部20の構成によれば、棒状スペーサ28は高温側シール部材23に固定されていないので、高温側シール部材23が熱変形しても棒状スペーサ28はその影響を回避することができ、軸のずれが起きにくくなる。
【0103】
また、棒状スペーサ28が固定されていない高温側シール部材23では、スリット23dは必ずしもクロスアーム部23bの中心部に設ける必要はない。
【0104】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を図10、図11に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態に比較して回転蓄熱体21および高温側シール部材23に回転蓄熱体21が熱変形した際のガス漏れ防止機構が設けられている点が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0105】
図10は本第4実施形態の改質装置における熱交換部20の拡大断面図である。図10に示すように、回転蓄熱体21の高温側(図10中右側)における外周角部には段差部21cが形成されている。また、高温側シール部材23のフランジ部23aには、回転蓄熱体21の外周角部に対応する位置に突出部23eが形成されている。回転蓄熱体21の段差21cと高温側シール部材23の突出部23dは、それぞれ対応する相対ステップ面となっている。
【0106】
図11は図10中Cの部分拡大断面図であり、図11中の回転蓄熱体21は熱変形後の状態を示し、図11中の一点鎖線が熱変形前の回転蓄熱体21を示している。回転蓄熱体21は熱変形により高温側の伸びが大きくなるため、図11に示すように高温側に凸状に湾曲する。この結果、回転蓄熱体21と高温側シール部材23との間隔ΔLoが大きくなる。しかしながら、回転蓄熱体21の外周角部と突出部23dとの間隔δが小さくなるため、結果として回転蓄熱体21と高温側シール部材23との間隔は増大しない。従って、回転蓄熱体21と高温側ガスシール23との隙間を自動調整でき、回転蓄熱体21の熱変形に伴うガスの漏れ量増加を防止できる。
【0107】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を図12に基づいて説明する。本第5実施形態は、上記第1実施形態に比較して回転蓄熱体21の駆動部に低温流体が導入できるように構成されている点が異なるものである。上記第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0108】
図12は本第5実施形態の改質装置における熱交換部20の拡大断面図である。図12に示すように、本第5実施形態では、ハウジング1における熱交換部20近傍に、熱交換部20に低温流体を導入するための低温流体導入路5が設けられている。シール部材22、23には、ピニオンギア24bやリングギア25等からなる回転蓄熱体21の駆動部に低温流体を流通させるための貫通孔22f、23fが形成されている。さらに、リングギア25にも貫通孔25aが形成されている。
【0109】
低温流体としては、改質原料供給部10から供給される改質原料に合流させる必要があるので、改質原料を構成する空気、水、改質燃料のいずれかを用いることができる。本第5実施形態では低温流体として空気を用いている。なお、低温流体が通過する通路を改質原料が通過する低温流体通路Aと別個に設け、低温流体が改質原料と合流しない構成にした場合には、低温流体として改質原料を構成する空気、水、改質燃料以外の流体を用いることができる。
【0110】
低温流体導入路5より導入された低温流体は、一部がケーシング1と熱交換部20との間の空間を貫流するとともに、高温側シール部材23の貫通孔23fより回転蓄熱体21の外周部と円筒状スペーサ27とシール部材22、23とから構成される内部空間に導入される。低温流体は、リングギア25、弾性部材26、ピニオンギア24b、軸受け29、30等を冷却した後に、低温側シール部材22の貫通孔22fより流出し、上流側の改質原料供給部10から供給される改質原料に合流して、改質原料の一部となる。
【0111】
以上、第5実施形態の構成によれば、熱交換により高温となるリングギア25、弾性部材26、ピニオンギア24b、軸受け29、30等を積極的に冷却することができる。これにより、これらの部材の過熱を防止し、潤滑性を維持することができ、耐久性及び信頼性を確保することができる。また、リングギア25等から熱を受け取った低温流体は、加熱すべき改質原料に合流するため、外部への熱損失を防止することができる。
【0112】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態を図13〜図15に基づいて説明する。本第6実施形態は、上記第5実施形態に比較して回転蓄熱体21の熱変形に対応させてシール部材22、23を変形させるように構成されている点が異なるものである。上記第5実施形態と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
【0113】
図13は本第6実施形態の改質装置における熱交換部20の拡大断面図である。図13に示すように、本第6実施形態では、高温側シール部材23とハウジング1の間に、サポート部材35が高温側シール部材23と平行に配置されている。サポート部材35はシール部材22、23と同様の形状であり、フランジ部35aとクロスアーム部35bを備えている。
【0114】
フランジ部35aには、低温流体導入路5から流入した低温流体を通過させるために貫通孔35cが形成されている。本第6実施形態では、高温側シール部材23に代えてサポート部材35がベローズ2a、3aを介してケーシング1に固定されている。
【0115】
なお、高温側シール部材23とサポート部材35との間は、略半円断面形の高温側流体通路Aおよび低温側流体通路Bのそれぞれにおいて、伸縮自在な筒状部材であるベローズ(半円断面形)5a、6aにて連結されている。これにより、高温側シール部材23とサポート部材35との間には、高温側と低温側の流体流路が分離して形成され、高温流体と低温流体とが混合されるのを防ぐことができる。
【0116】
また、本第6実施形態では、外周部における隙間(回転蓄熱体21とシール部材フランジ部22a、23aとの隙間)と、中心部における隙間(回転蓄熱体21とシール部材クロスアーム部22b、23bとの隙間)を等しくしている。
【0117】
高温側シール部材23とサポート部材35との間には、高温側シール部材23とサポート部材35との間隔を保持するために、直径の異なる2つの円筒形状のスペーサ(間隔保持部材)36、37が介在している。外周部スペーサ36は高温側シール部材23のフランジ部23aとサポート部材35のフランジ部35aとの間に配置され、中心部スペーサ37は高温側シール部材23のクロスアーム部23bとサポート部材35のクロスアーム部35bとの間に配置される。本第6実施形態では、棒状スペーサ28は高温側シール部材23側が長く形成されており、中心部スペーサ37およびサポート部材35のクロスアーム部35bは棒状スペーサ28にはめ込まれて固定される。
【0118】
外周部スペーサ36および中心部スペーサ37は、それぞれ熱膨張係数の異なる材質から構成され、外周部スペーサ36の方が中心部スペーサ37より熱膨張係数が大きくなるように構成されている。それぞれのスペーサ36、37は、熱膨張していない状態では同一の軸方向長さを有している。
【0119】
外周部に配置される外周部スペーサ36には、耐熱鋼である炭素鋼やステンレス鋼といった高熱膨張材料を用いる。一方、中心部に配置される中心部スペーサ37には、インバーやセラミックといった低熱膨張材料を用いる。外周部スペーサ36の熱膨張率は温度、長さ、材質等により異なるが、本第6実施形態では、外周部スペーサ36の熱膨張率は中心部スペーサ37に比較して十数倍となるように設定されている。この外周部スペーサ36の熱膨張率の設定は、回転蓄熱体21の外周部の熱変形量と、外周部スペーサ36の熱膨張に伴うガスシール22、23の移動量がほぼ等しくなるように行われる。
【0120】
なお、本第6実施形態では、低温側シール部材22、高温側シール部材23、サポート部材35のいずれも、外周部スペーサ36の熱膨張により変形させる必要があるので、セラミック材は用いず、ステンレスといった耐熱性金属材料を用いている。また、シール部材22、23と、サポート部材35は同軸上で固定されている。このため、シール部材22、23とサポート部材35は中心部が固定され、シール部材22、23およびサポート部材35の外周部のみが、外周部スペーサ36の熱膨張により変形する。
【0121】
次に、熱変形の前後における熱交換部20を図14、図15に基づいて説明する。図14は熱変形前の熱交換部20の概略断面図であり、図15は熱変形後の熱交換部20の概略断面図である。
【0122】
熱変形前では、図14に示すように、回転蓄熱体21とシール部材22、23との間には所定の微少隙間が保持されている。これに対し、熱変形後には、図15に示すように、回転蓄熱体21は、高温側(図15中右側)の伸びが低温側(図15中左側)より大きくなるため、高温側が凸状となるように熱変形する。
【0123】
このとき、高熱膨張材である外周部スペーサ36は高熱により膨張し、高温側シール部材23とサポート部材35の外周を押し広げることとなる。これに対し、低熱膨張材である中心部スペーサ37は、外周部スペーサ36に比較して熱膨張係数が小さいため、高温側シール部材23とサポート部材の中心部は固定されたままとなる。
【0124】
従って、図15に示すように高温側シール部材23とサポート部材35との間は、中心部が引きつけられたまま外周部のみが押し広げられる。これに伴い、低熱膨張材であるスペーサ27、28で間隔を規定されている低温側シール部材22と高温側シール部材23は、熱膨張前と同様の間隔を保持したまま図15中左側に平行に変形することとなる。なお、高温側シール部材23とサポート部材35とを連結しているベローズ5a、6aは伸縮可能に構成されているので、高温側ガスシール23とサポート部材35の変形に対応して変形する。
【0125】
これにより、回転蓄熱体21の熱変形に対応してシール部材22、23が移動し、回転蓄熱体21が熱変形して回転蓄熱体21とシール部材22、23との間隔が大きくなることを防止することができる。従って、回転蓄熱体21とシール部材22、23との間隔を常に最適値に維持することができ、回転蓄熱体21が熱変形してもガスのシール漏れ増加を抑制することできる。
【0126】
また、本第6実施形態では、回転蓄熱体21とシール部材22、23との間隔を常に最適値に維持することができるので、外周部における隙間(回転蓄熱体21とシール部材フランジ部22a、23aとの隙間)を、中心部における隙間(回転蓄熱体21とシール部材クロスアーム部22b、23bとの隙間)より大きくする必要がない。
【0127】
(第7実施形態)
次に本発明の第7実施形態を図16に基づいて説明する。図16は本第7実施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。なお、図16中の実線矢印は熱の移動方向を示し、破線矢印は水分(水蒸気)の移動方向を示している。
【0128】
図16に示すように、本第7実施形態の水素供給装置は、改質原料供給部110、蒸発部120、改質部130、CO除去部140、ガス圧縮機(加圧手段)151、燃焼ガス供給部170等を備えている。本第7実施形態では、蒸発部120、改質部130、CO除去部140が回転蓄熱体として構成されている。
【0129】
また、水素供給装置には、ハウジング100によって、改質原料が通過する低温流体通路(改質原料通路)Aと、燃焼ガスが通過する高温流体通路(燃焼ガス通路)Bとが並行して形成されている。低温流体通路Aと高温流体通路Bはそれぞれ独立しており、蒸発部120および改質部130を介して熱の授受が行われる。
【0130】
また、本第7実施形態の水素供給装置においては、低温流体通路Aの下流側には改質部130にて生成した改質ガスが通過する改質ガス通路Cが形成され、高温流体通路Bの上流側には燃料電池160より排出される排ガスが通過する排ガス通路Dが形成されている。改質ガス通路Cと排ガス通路Dはそれぞれ独立して並列的に形成されており、CO除去部140を介して熱の授受および排ガス通路Dから改質ガス通路Cへの水分(水蒸気)の回収が行われる。
【0131】
低温流体通路Aでは、改質原料供給部10で供給された第1改質原料(水と空気との混合気)が蒸発部120で加熱・気化(蒸発)される。蒸発部120の下流側で第1改質原料に第2の改質原料(改質燃料)が混合され、改質原料(水と空気と改質燃料との混合気)が生成する。改質原料は改質部130にてH2およびCOを含む改質ガスに改質され、改質ガス通路CにおいてCO除去部140によりCOが除去された後、水素リッチガスとして燃料電池160に供給される。なお、CO除去部140においてCO除去反応に必要な特定物質としての水分(水蒸気)は、排ガス通路Dの排ガスから回収した水分が用いられる。
【0132】
燃料電池160には、水素とともに空気(酸素)が供給され、水素と酸素との電気化学反応により発電する。燃料電池160では、未反応水素を含むオフガスと未反応酸素を含むオフエアとが排ガスとして排出される。燃料電池160に供給される水素および空気は加湿されており、さらに燃料電池160内の電気化学反応によって水分が生成するので、燃料電池160から排出される排ガスは水蒸気を多量に含んだ湿潤状態となっている。
【0133】
燃料電池160より排出された排ガスは、水素供給装置の排ガス通路Dにて水分(水蒸気)を回収された後、高温流体通路Bに供給される。高温流体通路Bでは、オフガスおよびオフエアが燃焼ガス供給部170に供給され、燃焼して燃焼ガスとなる。この燃焼ガスの燃焼熱は、改質部130および蒸発部120を介して高温流体通路Bから低温流体通路Aを流れる改質原料に伝えられる。なお、本実施形態では、改質燃料としてガソリンや灯油といった液体石油系燃料を用いている。
【0134】
図16に示すように低温流体通路Aの最上流部には、第1の改質原料(水、空気)を供給する改質原料供給部10が配置されている。改質原料供給部110には、水流量制御弁111、空気流量制御弁112、噴霧ノズル114、混合室115が設けられている。なお、空気は後述のガス圧縮機151による吸入によって混合室115に供給されるように構成されている。
【0135】
低温流体通路Aにおける改質原料供給部110の下流側には、蒸発部120が配置されている。本第7実施形態の蒸発部120は回転式熱交換器であり、上記第1実施形態の蒸発部20と同様の構成を有している。蒸発部120は、一対のガスシールに挟まれた回転蓄熱体121を備えている。また、蒸発部120の下流側には、蒸発部120にて蒸発気化された第1の改質原料(水、空気)に、第2の改質原料(改質燃料)を供給・混合するための燃料流量制御弁113、噴霧ノズル116、混合室117が設けられている。
【0136】
蒸発部120の下流側には改質部130が設けられている。本第7実施形態の改質部130は、蒸発部120と同様の回転蓄熱体131を備えており、回転蓄熱体131の貫通孔内部の表面には改質触媒が添着されている。このような構成により、本第7実施形態の改質部130では高温流体通路Bの燃焼ガスの燃焼熱によって改質触媒を加熱できる。また、改質部130の下流側には、改質触媒の温度を間接的に検出する温度センサ(温度検出手段)132が設けられている。
【0137】
改質部30の下流側には、改質ガスから一酸化炭素(CO)を除去するCO除去部140が設けられている。CO除去部140では、COシフト反応(CO+H2O→CO2+H2+CO)と、CO酸化反応(CO+1/2O2→CO2)により改質ガス中のCOを除去するように構成されている。COシフト反応ではCO除去のために水分が必要とされる。また、CO除去部140の上流側には改質ガス温度をCO除去反応に必要な温度に冷却するための冷却部141が設けられている。
【0138】
本第7実施形態におけるCO除去部140は、蒸発部120と同様の構成を有する回転蓄熱体142を備えている。CO除去部140の回転蓄熱体142は、低温流体通路Aの下流側に位置する改質ガス通路Cと、高温流体通路Bの上流側に位置する排ガス通路Dとを横切るように配置されており、回転することにより改質ガス通路Cと排ガス通路Dとを交互に移動する。
【0139】
CO除去部140の回転蓄熱体142における貫通孔内部の表面(伝熱面)には、水蒸気吸着層が形成されている。水蒸気吸着層は、例えばゼオライトやシリカゲルといった水分を吸着可能な多孔質の吸着剤から構成されている。吸着剤には多数の細孔が形成されており、水分を選択的に吸着できるように細孔の大きさが定められている。CO除去部140では、COシフト反応のためのシフト触媒(例えばFe−Cr系触媒、Cu−Zn系触媒等)と、CO酸化反応のための酸化触媒(例えばPt、Pd、Rh等)が設けられており、水蒸気吸着層の表面にこれらのシフト触媒や酸化触媒からなるCO浄化触媒が添着されている。
【0140】
なお、蒸発部120、改質部130、CO除去部140における回転蓄熱体121、131、142は、それぞれ同一の回転軸123上に配置されており、蒸発部120の回転モータ122により回転駆動されるように構成されている。
【0141】
改質ガスを燃料電池160に供給するための改質ガス供給路150には押し込み式のガス圧縮機151が設けられている。ガス圧縮機151は電動モータにより駆動される。ガス圧縮機151は、燃料電池160に対する出力要求の変化に応じて燃料電池160への改質原料の供給量を変化させる。ガス圧縮機151による吸入により、改質原料供給部110に空気が吸引供給される。ガス圧縮機151は、吸入側より吐出側の圧力が高くなるため、吸入側に位置する低温流体通路Aの圧力Paより高温流体通路Bの圧力Pbの方が高くなるように圧力調整できる。同様に改質ガス通路Cの圧力Pcより排ガス通路Dの圧力Pdが高くなるように圧力調整することができる。
【0142】
水素供給装置にて生成した水素を含んだ改質ガスは、燃料電池160に供給される。燃料電池160には、水素とともに空気側ガス圧縮機152により空気(酸素)が供給されることで、以下の水素と酸素との電気化学反応が起こり電気エネルギが発生する。
(負極側)H2→2H++2e-
(正極側)2H++1/2O2 +2e-→H2O
燃料電池160では、発電時の電気化学反応のために燃料電池160内部の電解質膜を水分を含んだ状態にしておく必要がある。このため、通常運転時において燃料電池160には加湿された空気および水素が供給される。これにより、燃料電池160内部は湿潤状態で作動する。また、酸素極側では上記電気化学反応により水分が生成する。
【0143】
燃料電池160では、発電に用いられなかった未反応水素を含んだオフガスと発電に用いられなかった酸素を含むオフエアが排出される。オフガスおよびオフエアからなる排ガスは、多量の水蒸気を含んだ状態(通常は飽和状態)でオフガス供給路161、オフエア供給路162を介して排ガス通路Dに供給される。
【0144】
排ガス通路Dの下流側であって高温流体通路Bにおける改質部130の上流側には、改質部130および蒸発部120を加熱するための燃焼ガス供給部170が設けられている。燃焼ガス供給部170には、燃料流量制御弁(燃焼用燃料供給部)171、噴霧ノズル172、点火プラグ(着火手段)173、混合・燃焼室174が設けられている。
【0145】
燃焼ガス供給部170には、排ガス通路Dを通過したオフガスおよびオフエアからなる排ガスが供給される。排ガスは改質部130および蒸発部120に供給され、改質部130および蒸発部120に設けられた酸化触媒にて触媒燃焼して燃焼ガスを生ずる。この燃焼ガスの燃焼熱で回転蓄熱体131、121が加熱される。これにより改質部130の回転蓄熱体131は改質触媒を加熱するとともに、蒸発部120の回転蓄熱体121は低温流体通路Aにて改質原料を加熱して蒸発させる。
【0146】
水素供給装置の始動時には、オフガスに代えて、燃料流量制御弁171にて流量制御された始動用燃料(燃焼用燃料)を燃焼室174に噴霧し、点火プラグ173にて着火して、火炎燃焼により燃焼ガスを生じさせるように構成されている。なお、本第7実施形態では、始動用燃料として改質燃料と同様の液体石油系燃料を用いている。
【0147】
また、高温流体通路Bにおける蒸発部120の下流側には絞り管部(燃焼ガス排気通路)101が設けられ、絞り管部101には通路面積を変化させることができる排気制御弁(圧力調整手段)102が設けられている。上記ガス圧縮機151および排気制御弁102とで高温流体通路Bおよび排ガス通路Dを加圧することができる。具体的にはガス圧縮機51の作動時に、燃焼ガス排気通路82の通路面積を排気制御弁83で小さくして排気抵抗を大きくすることで、低温流体通路圧力Paおよび改質ガス通路圧力Pcに比較して、高温流体通路圧力Pbおよび排ガス通路圧力Pdを高くすることができる。
【0148】
本第7実施形態の水素供給装置においても、上記第1実施形態と同様の各種制御を行う制御部(ECU)180が設けられている。
【0149】
以下、上記構成の水素供給装置の作動について説明する。まず、水素供給装置の始動時について説明する。改質部130において改質反応が開始するためには、改質部130に供給される改質原料が蒸発・気化しており、かつ改質部130の改質触媒が改質反応を開始可能な所定温度まで昇温している必要がある。
【0150】
そこで、まず燃焼ガス供給部170の燃焼室174にて始動用燃料と空気との混合気を生成し、点火プラグ173にて着火して火炎燃焼させる。この火炎燃焼により生成した燃焼ガスは、高温流体通路Bを流れて改質部130および蒸発部120を貫流する。これにより、回転蓄熱体121、131のうち高温流体通路Bに位置する部位は燃焼ガスにより加熱される。このときガス圧縮機151を作動させ、改質原料供給部110に空気のみを供給する。
【0151】
蒸発部120の回転蓄熱体121が回転することで、燃焼ガスにて加熱された部位が低温流体通路Aに移動し、低温流体通路Aを流れる空気が加熱される。この加熱空気が低温流体通路Aを流れることにより、熱交換部120の下流側の各構成要素が急速に暖気される。また、改質部130の回転蓄熱体131が回転することで、改質触媒は高温流体通路Bで直接的に加熱される。
【0152】
燃焼ガスの燃焼熱により、蒸発部120、改質部130、CO除去部140といった改質システムの各構成要素が急速に暖気(予熱)される。そして、温度センサ132にて検出した改質部130の温度が所定改質反応開始温度に到達した場合に、改質触媒を含めた改質システムの構成要素が改質反応を開始することができる温度に到達したと判断して、燃焼ガス供給部170での始動用燃料の供給を中断して火炎燃焼を停止する。なお、所定改質反応開始温度は改質燃料の種類等に応じて任意に設定できるが、本第7実施形態のように改質燃料として石油系燃料を用いる場合には300℃〜400℃と設定することができる。
【0153】
各構成要素の暖気が完了すると、改質原料供給部110にて第1の改質原料(水、空気の混合気)の供給が開始される。第1の改質原料は蒸発部120にて加熱・気化される。蒸発部120にて気化された第1の改質原料は、蒸発部120の下流側にて第2の改質原料(改質燃料)が混合され、水、空気、改質燃料からなる改質原料となり、改質部30に供給される。改質原料は、改質部130にてH2とCOを含む改質ガスに改質される。改質ガスはCO除去部140にてCOが除去され、ガス圧縮機151により燃料電池160に供給される。
【0154】
燃料電池160では、水素と酸素との電気化学反応により発電するとともに、未反応水素を含むオフガスと未反応の酸素を含むオフエアが排出される。電気化学反応の際、燃料電池160内部は湿潤状態にあるので、オフガスおよびオフエアは多量の水蒸気を含んだ状態で排出される。オフガスはオフガス供給路161を介して、オフエアはオフエア供給路162を介して排ガス通路Dに導入される。
【0155】
このとき、改質ガス通路Cより排ガス通路Dの方が高圧となっており、さらに、改質ガス(100〜120℃程度)の方が燃料電池160の排ガス(80〜90℃程度)より高温となっている。
【0156】
従って、CO除去部140では、低温高圧の排ガス通路D側で燃料電池160の排ガス中に含まれる水蒸気を回転蓄熱体142の水蒸気吸着層に吸着させることができる。そして、回転蓄熱体142が回転することにより水蒸気が吸着した部位が改質ガス通路C側に移動し、高温低圧の改質ガス通路Cにおいて水蒸気を脱離させることができる。この水蒸気はCOシフト反応に用いられる。
【0157】
また、CO除去部140におけるCO除去反応(シフト反応、酸化反応)はいずれも発熱反応を呈する。改質ガス通路C側で高温となった回転蓄熱体142は排ガス通路D側で冷却されるため、触媒の劣化を防止して最適な反応速度を維持することができる。
【0158】
排ガス通路Dを通過して水蒸気を回収された排ガスは、高温流体通路Bの燃焼ガス供給部70に導入される。排ガスは、改質部30および蒸発部20に供給され、回転蓄熱体131、121を通過する際に触媒燃焼を開始する。このオフガスの触媒燃焼によって発生した熱は回転蓄熱体121、131に蓄えられる。これにより、改質部130の回転蓄熱体131は改質触媒を加熱するとともに、蒸発部120の回転蓄熱体121は低温流体通路Aにて改質原料を加熱して蒸発させる。
【0159】
このように、オフガスの触媒燃焼による熱により、蒸発部120においては改質原料を加熱して気化するとともに、改質部130においては改質触媒を加熱することができる。これにより、蒸発部120、改質部130の加熱は、始動用燃料の火炎燃焼による加熱からオフガス燃焼による加熱に切り替わり、水素供給装置は自立運転を開始することができる。
【0160】
このとき、ガス圧縮機151の出力調整および排気制御弁102の開度調整により、高温流体通路圧力Pbの方が低温流体通路圧力Paより高くなるように圧力調整を行う。
【0161】
次に、燃料電池160における負荷が変動した場合には、燃料電池160での負荷変動に応じてガス圧縮機151、152により改質原料の供給量を調整して、燃料電池160への水素供給量および空気供給量を調整する。このとき、ガス圧縮機151による改質ガス供給量が増加した場合には高温流体通路圧力Pbおよび排ガス通路圧力Pdが高くなり、減少した場合には高温流体通路圧力Pbおよび排ガス通路圧力Pdが低くなる。このため、排気制御弁82の開度を調整することで、各通路A、B、C、Dの圧力差が適正になるように圧力調整を行う。
【0162】
水素供給装置から燃料電池60への水素の供給を停止する場合には、改質燃料と水の供給を停止し、次に空気の供給を停止する。この間、低温流体通路A内に残存する可燃混合気は、高温流体通路Bにおいて蒸発部120および改質部130内またはその表面部での触媒燃焼により燃焼完結するので、エミッションの排出を抑制することができる。
【0163】
以上、本第7実施形態の水素供給装置のようにCO除去部140に吸着剤を備えた回転蓄熱体142を設けることで、CO除去反応に必要とされる水分は燃料電池160より排出される排ガスから回収することができる。これにより、CO除去部140に水分を供給するために、改質原料に改質反応に必要とされる以上の水分を含める必要が無くなり、水素供給装置の蒸発気化手段を簡略化することができる。
【0164】
このように回転蓄熱体142の貫通孔表面に特定物質を選択的に吸着できる吸着剤を設けることで、2つの通路間において熱のみならず物質をも移送させることができるようになる。
【0165】
さらに、本第7実施形態のように、回転蓄熱体142に水蒸気吸着層とシフト触媒とを設けることで、排ガス通路Dにおいて排ガスより回収した水蒸気を液化することなく、水蒸気の状態で改質ガス通路Cに移送してCO除去反応に用いることができる。
【0166】
また、CO除去部140に回転蓄熱体142を設けることで、改質ガス通路CにおけるCO除去反応により発熱した触媒を、低温の排ガス通路Dにて冷却することができる。これにより、触媒の劣化を防止するとともに最適な反応温度を維持することができる。
【0167】
なお、改質部130とCO除去部140との間に設けられた冷却部141は、過剰な温度となった改質ガスを冷却するために、外部に設けられた図示しない冷却装置と熱媒体を介して熱交換できるように構成してもよい。
【0168】
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態を図17に基づいて説明する。図17は、本第8実施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。本第8実施形態は、上記第7実施形態と比較して、CO除去部140の構成の点が異なるものである。上記第7実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0169】
図17に示すように、本第8実施形態の水素供給装置におけるCO除去部140には、蒸発部120の回転蓄熱体121と同様の構成を有する2つの回転蓄熱体142、144が設けられている。第1の回転蓄熱体142は、改質ガス通路Cにおいては第2の回転蓄熱体144の上流側に位置し、排ガス通路Dにおいては第2の回転蓄熱体144の下流側に位置する。第1の回転蓄熱体142では排ガス通路Dを流れる燃料電池排ガスからの水分(水蒸気)回収を行い、第2の回転蓄熱体144ではCO除去反応(シフト反応、酸化反応)を行うように構成されている。
【0170】
第1の回転蓄熱体142には、貫通孔内部の表面(伝熱面)にゼオライト等からなる水蒸気吸着層が形成されている。また、第2の回転蓄熱体144には、貫通孔内部の表面(伝熱面)にCO除去反応のためのCO除去触媒(シフト触媒、酸化触媒)が添着されている。また、改質ガス通路Cには高温の改質ガスを冷却するために、第1の回転蓄熱体142の上流側には第1の冷却部141が設けられ、第1の回転蓄熱体142と第2の回転蓄熱体144と間には第2の冷却部143が設けられている。
【0171】
このような構成により、本第8実施形態の水素供給装置におけるCO除去部140は以下のように作動する。
【0172】
まず、第1の回転蓄熱体142で低温高圧の排ガス通路Dを流れる燃料電池排ガスから水蒸気を吸着回収し、改質ガス通路Cに移送する。第1の回転蓄熱体142にて吸着された水蒸気は、高温低圧の改質ガス通路Cにて脱離する。このとき、第1の回転蓄熱体142では、改質ガスの熱を排ガス通路Dに放熱することで改質ガス通路Cを流れる改質ガスを冷却することができる。
【0173】
改質ガス通路Cにて第1の回転蓄熱体142より脱離した水蒸気は、第2の回転蓄熱体144に供給される。第2の回転蓄熱体144では、この水蒸気を用いたCO除去反応が起こり、改質ガス中のCOを除去することができる。このとき、第2の回転蓄熱体144ではCO除去反応に伴い発熱するが、低温の排ガス通路Dにて触媒を冷却することができる。
【0174】
以上、本第8実施形態の水素供給装置の構成によっても、上記第7実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本第8実施形態のように、CO除去部140において、2つの回転蓄熱体142、144を用いて水分回収とCO除去反応を分離して行うことで、水分(水蒸気)の吸着効率を向上させることができる。
【0175】
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態を図18に基づいて説明する。図18は、本第9実施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。本第9実施形態は、上記第7実施形態と比較して、改質用空気加湿部200が付加された点が異なるものである。上記第7実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0176】
図18に示すように、本第9実施形態の水素供給装置では、改質原料に用いられる空気を加湿するための改質用空気加湿部200が設けられている。改質用空気加湿部200には、改質用空気が通過する改質用空気通路Eと、燃料電池160から排出される排ガスが通過する空気加湿用排ガス通路Fとが形成されている。改質用空気通路Eを通過した空気は改質原料供給部110に供給され、改質原料の一部として用いられる。また、空気加湿用排ガス通路Fを通過した排ガスは、排ガス通路Dに供給される。
【0177】
また、改質原料加湿部200の改質用空気通路Eと改質原料供給部110の間には、空気圧送のためのガス圧縮機118が設けられている。これにより、ガス圧縮機118の吸入側に位置する改質原料加湿部200の改質用空気通路Eは低圧となる。
【0178】
改質用空気加湿部200には、蒸発部120における回転蓄熱体121と同様の構成を有する回転蓄熱体201が設けられている。回転蓄熱体201には、貫通孔内部の表面(伝熱面)にゼオライト等からなる水蒸気吸着層が形成されている。回転蓄熱体201は、回転軸202を中心にして図示しない駆動機構により回転駆動される。
【0179】
このような構成により、改質用空気加湿部200では、空気加湿用排ガス通路Fにおいて燃料電池160から排出される排ガスより水蒸気を吸着回収し、改質用空気通路Eにて水蒸気を脱離する。このとき、空気加湿用排ガス通路Fと改質用空気通路Eとの間の温度差は小さいが、改質用空気通路Eの方が空気加湿用排ガス通路Fより低圧であるため、空気加湿用排ガス通路Fの水蒸気を吸着により改質用空気通路Eに移送させることができる。空気加湿用排ガス通路Fを通過した排ガスは排ガス通路Dに供給され、さらに水分を回収された後に高温流体通路Bにて燃焼ガスとして利用される。
【0180】
以上のような本第9実施形態の構成によれば、燃料電池160の排ガス中の水蒸気を回収して改質原料に用いられる空気を加湿することができるため、改質原料供給部110における水供給装置を小型化あるいは不要とすることができる。
【0181】
なお、改質用空気加湿部200にて回収した水蒸気を水蒸気のまま改質原料供給部110に移送するために、改質用空気加湿部200における改質用空気通路Eと改質原料供給部110との間の経路を断熱構造とすることが望ましい。また、高温流体通路Bの下流側で水素供給装置から排出される燃焼ガスによって、改質用空気加湿部200における改質用空気通路Eと改質原料供給部110との間の経路を加熱できるように構成してもよい。
【0182】
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態を図19に基づいて説明する。図19は、本第8実施形態の水素供給装置の概略構成を示す概念図である。本第10実施形態は、上記第7実施形態と比較して、改質ガス中に含まれる水素以外の不純物(窒素、二酸化炭素等)を吸着除去する不純物除去部190が設けられている点が異なるものである。上記第7実施形態と同様の部分は同一の符号を付して説明を省略する。なお、図19中の交差斜線矢印は不純物の移動方向を示している。
【0183】
改質部130では、改質反応により改質原料(水、空気、改質燃料の混合気)を改質して、水素、一酸化炭素、二酸化炭素を生成する。また、改質原料に含まれる空気には、窒素等が含まれている。従って、改質ガス中には、水素以外の不純物が含まれており、水素濃度が低いものとなっている。
【0184】
そこで、本第10実施形態における水素供給装置では、図19に示すように、改質ガス通路CにおけるCO除去部140の下流側には、改質部130にて生成した改質ガス中に含まれる水素以外の不純物(窒素、二酸化炭素等)を吸着除去するための不純物除去部190が設けられている。
【0185】
不純物除去部190は、蒸発部120における回転蓄熱体121と同様の構成を有する回転蓄熱体191を備えている。回転蓄熱体191には、貫通孔内部の表面(伝熱面)に不純物吸着層が形成されている。不純物吸着層は、多孔質材料のゼオライト等から構成されており、表面には多数の細孔が形成されている。
【0186】
不純物吸着層では、吸着しようとする不純物分子の大きさに応じて細孔の大きさを設定することにより、特定の不純物を選択的に吸着することができる。本第10実施形態における改質ガス中の主な不純物は窒素および二酸化炭素である。
【0187】
本第10実施形態の水素供給装置では、改質原料供給部110における空気流量制御弁110の上流側には、図示しない押し込み式のガス圧縮機が設けられている。これにより、改質ガス通路Cより下流側に位置する排ガス通路Dは、圧力損失のため圧力低下し、排ガス通路圧力Pdは改質ガス通路圧力Pcより低圧となる。
【0188】
このような構成により、不純物除去部190は以下のように作動する。まず、不純物除去部190には、改質ガス通路CにおいてCO除去部140で一酸化炭素を除去された改質ガスが供給される。不純物除去部190では、不純物吸着層により改質ガス中に含まれる窒素、二酸化炭素を選択的に物理吸着する。このとき、改質ガス通路Cと排ガス通路Dとの間の温度差は小さいが、排ガス通路Dの方が改質ガス通路Cより低圧であるため、改質ガス通路Cの不純物を吸着により排ガス通路Dに移送させることができる。
【0189】
次に、回転蓄熱体191が回転することにより窒素等を吸着した部位が排ガス通路D側に移動する。ここで、不純物吸着層に吸着された窒素等は脱離して、排ガスとともに水素供給装置の外部に排出される。
【0190】
以上の本第10実施形態の構成によれば、不純物除去部190により改質ガス中の窒素、二酸化炭素を選択的に物理吸着して、排ガス通路D側に脱離、放出することができ、燃料電池160に供給される改質ガス中の水素濃度を高めて良質な燃料を燃料電池160に供給することができる。これにより燃料電池160における発電効率を向上させることができる。
【0191】
なお、不純物除去部190は改質ガス通路CにおけるCO除去部140の上流側に設けてもいい。但し、CO除去部140においてもCO除去反応により二酸化炭素が発生するため、不純物除去部190は改質ガス通路CにおけるCO除去部140の下流側に設けることが望ましい。また、CO除去反応後の低温となった改質ガスから不純物を除去することで、吸着剤の吸着効率を高くすることができる。
【0192】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、シール部材22、23と回転蓄熱体21との間に所定の微少隙間を確保するための隙間保持部材27、28として、外周部に円筒状スペーサ27、中心部に棒状スペーサ28を配置したが、これに限らず、シール部材22、23と回転蓄熱体21との間に所定の微少隙間を確保できれば、円筒状スペーサ27あるいは棒状スペーサ28のいずれか一方のみを配置するように構成してもよい。
【0193】
また、図17で示した第8実施形態では、第1の回転蓄熱体142で水分回収を行い、第2の回転蓄熱体144でCO除去(シフト反応、酸化反応)を行うように構成したが、これに限らず、シフト反応と酸化反応を分離し、第1の回転蓄熱体142にて水分回収と同時にシフト反応を行い、下流側の第2の回転蓄熱体144では酸化反応のみを行うように構成してもよい。この場合には、第1の回転蓄熱体142にシフト触媒を設ければよい。
【0194】
また、上記各実施形態では、本発明の回転蓄熱式熱交換器を燃料電池システムの改質装置に適用したが、これに限らず、例えばガスタービン等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の改質装置のブロック図である。
【図2】図1の改質装置の概念図である。
【図3】図1の改質装置における熱交換部の断面図である。
【図4】図1の改質装置の熱交換部の分解斜視図である。
【図5】図4の熱交換部の流体流れ方向における断面図である。
【図6】図3の熱交換部の平面図である。
【図7】図1の改質装置の制御系の説明図である。
【図8】第2実施形態の改質装置における熱交換部の断面図である。
【図9】第3実施形態の改質装置における熱交換部の断面図である。
【図10】第4実施形態の改質装置における熱交換部の断面図である。
【図11】図10の熱交換部の部分拡大図である。
【図12】第5実施形態の改質装置における熱交換部の断面図である。
【図13】第6実施形態の改質装置における熱交換部の断面図である。
【図14】図13の熱交換部の熱変形前の状態を示す断面図である。
【図15】図13の熱交換部の熱変形後の状態を示す断面図である。
【図16】上記第7実施形態の改質装置の概念図である。
【図17】上記第8実施形態の改質装置の概念図である。
【図18】上記第9実施形態の改質装置の概念図である。
【図19】上記第10実施形態の改質装置の概念図である。
【図20】従来技術の回転蓄熱式熱交換装置における熱変形前の状態を示す断面図である。
【図21】従来技術の回転蓄熱式熱交換装置における熱変形後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…改質原料供給部、20…熱交換器、21…回転蓄熱体、22、23…シール部材、25…リングギア、27…円筒状スペーサ、28…棒状スペーサ、29、30…軸受け、31…スプリング、32…弾性ナット、40…改質部、50…燃料電池。
Claims (18)
- 軸方向に多数の貫通孔(21a)が形成され、回転することにより低温流体が通過する低温流体通路(A)と高温流体が通過する高温流体通路(B)とを交互に移動して、前記高温流体の熱を前記低温流体に移送する回転蓄熱体(21)と、
前記回転蓄熱体(21)における前記貫通孔(21a)が開口する両端面に対向するように配置され、前記高温流体通路(B)において前記高温流体の流入側に位置する高温側シール部材(23)および前記高温流体の流出側に位置する低温側シール部材(22)とからなる一対のシール部材(22、23)とを備え、
前記各シール部材(22、23)は、フランジ部(22a、23a)とその中心を径方向に通るクロスアーム部(22b、23b)とを有しており、前記回転蓄熱体(21)における前記貫通孔(21a)が開口する両端面のそれぞれが前記クロスアーム部(22b、23b)により2つの領域に区画されており、一方の領域は前記低温流体通路(A)に位置するとともに、他方の領域は前記高温流体通路(B)に位置するように構成された回転蓄熱式熱交換器であって、
前記一対のシール部材(22、23)の間には、前記各シール部材(22、23)と前記回転蓄熱体(21)との間に所定の隙間が保持されるように、前記回転蓄熱体(21)の軸方向長さより長い軸方向長さを有する隙間保持部材(27、28)が配置されていることを特徴とする回転蓄熱式熱交換器。 - 前記隙間保持部材は、前記回転蓄熱体(21)より大きい直径を有する円筒形状であって、前記一対のシール部材(22、23)のフランジ部(22a、23a)の間に配置される円筒状スペーサ(27)、あるいは前記回転蓄熱体(21)の回転中心部を貫通する棒形状であって、前記一対のシール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23b)の間に配置される棒状スペーサ(28)の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記隙間保持部材として少なくとも前記円筒状スペーサ(27)を備えている場合には、前記回転蓄熱体(21)は前記円筒状スペーサ(27)に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記隙間保持部材として少なくとも前記棒状スペーサ(28)を備えている場合には、前記回転蓄熱体(21)は前記棒状スペーサ(28)に支持されていることを特徴とする請求項2に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記棒状スペーサ(28)は、前記一対のシール部材のうち前記低温側シール部材(22)のクロスアーム部(22b)のみによって支持されていることを特徴とする請求項4に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記回転蓄熱体(21)と前記棒状スペーサ(28)との間には、弾性部材(33)が介在していることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記回転蓄熱体(21)と前記シール部材(22、23)のフランジ部(22a、23a)との間に形成される隙間は、前記回転蓄熱体(21)と前記シール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23b)との間に形成される隙間より大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記一対のシール部材(22、23)のクロスアーム部(22b、23b)には、所定間隔の間隙(22d、23d)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記高温側シール部材フランジ部(23a)の前記回転蓄熱体(21)側における前記回転蓄熱体(21)の外周角部に対応する部位に、突出部(23e)が形成されており、
前記回転蓄熱体(21)が熱変形したときに、前記突出部(23e)と前記回転蓄熱体(21)の外周角部との隙間が減少するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。 - 前記回転蓄熱体(21)の外周部と前記円筒状スペーサ(27)との間に低温流体が導入されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記高温側シール部材(23)における前記回転蓄熱体(21)の反対側に前記高温ガスシール(23)と平行に配置され、前記高温側シール部材(23)に対応するフランジ部(35a)とクロスアーム部(35b)とを有するサポート部材(35)と、
前記高温側シール部材クロスアーム部(23b)と前記サポート部材クロスアーム部(35b)との間に配置される中心部スペーサ(37)と、
前記中心部スペーサ(37)と同一の軸方向長さを有し、前記高温側シール部材フランジ部(23a)と前記サポート部材フランジ部(35a)との間に配置される外周部スペーサ(36)とを備え、
前記外周部スペーサ(36)は、前記中心部スペーサ(37)より熱膨張係数が大きいものであることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。 - 前記一対のシール部材(22、23)と、前記サポート部材(35)は同軸上で固定されていることを特徴とする請求項11に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記外周部スペーサ(36)の熱膨張により前記高温側シール部材(23)と前記サポート部材(35)との間が押し広げられることを特徴とする請求項10または請求項12に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記外周部スペーサ(36)の熱膨張により生じる前記シール部材(22、23)の変形量は、前記回転蓄熱体(21)の熱変形による生じる変形量と略同一に設定されていることを特徴とする請求項13に記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記低温流体通路(A)および前記高温流体通路(B)のそれぞれにおいて、前記高温側シール部材(23)と前記サポート部材(35)の間は伸縮可能な筒状部材(5a、6a)にて連結されていることを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記低温側シール部材(22)は耐熱性金属材料から構成され、前記高温側シール部材(23)はセラミック材料から構成されていることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 前記低温側シール部材(22)および前記高温側シール部材(23)は耐熱性金属材料から構成されていることを特徴とする請求項10ないし15のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器。
- 請求項1ないし16のいずれか1つに記載の回転蓄熱式熱交換器を用い、改質反応により改質原料から水素を生成する燃料電池システム用改質装置であって、前記低温流体は前記改質原料であり、前記高温流体は燃焼ガスであることを特徴とする燃料電池システム用改質装置。
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