JP4758955B2 - 土留め壁の構造及び土留め壁の鏡切り方法 - Google Patents
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Description
シールド掘進機の発進立坑や到達立坑の周壁は、コンクリートやモルタルからなる覆工材の内部に、鉄筋やH鋼等の芯材を設けた土留め壁によって形成される。
シールド掘削機の発進時や到達時は、シールド掘進機の貫通部分の立坑背面の地盤改良を行い、人力にて鏡切りを行っていた。
本願の第2発明は、第1発明の土留め壁の構造において、前記中空部は、前記鋼材と、前記鋼材の対向するフランジ間に渡設した側面カバープレートと、によって囲繞され、側面カバープレートの上端部に設ける上面カバープレートと、側面カバープレートの下端に設ける下面カバープレートとによって封止されることを特徴とする、土留め壁の構造を提供する。
本願の第3発明は、第1発明の土留め壁の構造において、前記中空部は、前記鋼材と、前記鋼材のフランジの端部からウェブに向けて傾斜する側面カバープレートと、によって囲繞され、側面カバープレートの上端部に設ける上面カバープレートと、側面カバープレートの下端に設ける下面カバープレートと、によって封止されることを特徴とする、土留め壁の構造を提供する。
本願の第4発明は、第1発明の土留め壁の構造において、前記中空部は、前記鋼材の対向するフランジ間に挿入した袋体によって形成されることを特徴とする、土留め壁の構造を提供する。
本願の第5発明は、第1発明の土留め壁の構造において、前記中空部は、前記鋼材の対向するフランジ間に挿入した箱体によって形成されることを特徴とする、立坑土留め壁の構造を提供する。
本願の第6発明は、対向するフランジ間に中空部を形成した鋼材と、前記鋼材の周囲に充填された覆工材と、からなる土留め壁の鏡切り方法であって、覆工材を撤去して、背面に中空部を有する鋼材の掘削側のフランジを露出させ、前記掘削側のフランジを切断して撤去し、前記鋼材の周囲の覆工材を撤去し、前記鋼材のウェブと、地山側のフランジとを撤去することを特徴とする、土留め壁の鏡切り方法を提供する。
<1>芯材となる鋼材の、対向するフランジ間に中空部を有するため、ガス切断時の熱が芯材に集中すると共に、ガスが芯材を貫通し、鏡切り時の芯材のガス切断が容易となる。
<2>芯材となる鋼材の、対向するフランジ間に中空部を有するため、鏡切り時の覆工材の撤去体積が少なくなる。
本発明の立坑の土留め壁の構造は、図1に示すように、土留め壁の芯材となる鋼材10と、鋼材10に取り付けるカバープレート20と、鋼材10の周囲を覆う覆工材30と、鋼材10とカバープレート20とによって形成される中空部21と、からなる。
鋼材10は、図2に示すようにH形鋼又は略H形のボックス鋼である。
鋼材10は、一部にカバープレート20が取り付けられる。
カバープレート20は、図2に示すように、鋼材10のフランジ11a、11b間に渡設し、フランジ11a、11b及びウェブ12によって封止される中空部21を形成するための部材であり、鋼板等の矩形の板材からなる。
カバープレート20は、鋼材10の長さ方向に沿って取り付ける側面カバープレート22と、鋼材10の幅方向に沿って、側面カバープレート22の上端に取り付ける上面カバープレート23、側面カバープレート22の下端に取り付ける下面カバープレート24と、からなる。
カバープレート20は、図3に示すように、鏡切り作業によって撤去する範囲である、シールド掘進機の貫通予定範囲40に亘って中空部21を形成するように、溶接等の公知の取り付け方法により取り付ける。
覆工材30は、鋼材10の周囲を覆って土留め壁を構成するものであり、ソイルセメントやコンクリートからなる。
中空部21は鋼材10とカバープレート20によって封止されるため、覆工材30が入らずに空洞となる。
土留め壁は、掘削機により掘削したエレメントに覆工材30を打設し、打設した覆工材30に、複数本の鋼材10を所定の間隔を空けて建て込んで構築する。
土留め壁で囲まれた範囲の地盤を掘削し、立坑を形成する。
次に、土留め壁の鏡切り方法について説明する。
次に、図4(b)のように、覆工材30を撤去することによって露出した、掘削した立坑側のフランジ11を切断して撤去する。合わせて、カバープレート20を撤去する。
切断はガス切断により行うが、フランジ11の鋼材背面には中空部21があるため鋼材に熱が集中することで溶解すると共に、吹出しているガスが鋼材背面に貫通するため、容易に切断することができる。
カバープレート20によって形成した中空部21内には覆工材30が充填されていないため、撤去する覆工材30の体積が少なくなり、鏡切り作業を削減でき、鏡切り工程を短縮することができる。
最後に、図4(d)のように、覆工材30を撤去することで露出した、ウェブ12を切断して撤去し、地山側フランジ11を撤去して、鏡切りを完了する。
上記実施例では、側面カバープレート22をフランジ11a、11b間を渡設するように設けたが、図5に示すように、各フランジの端部からウェブ12の中央に向けて傾斜するように、側面カバープレート22を設けてもよい。上面カバープレート23と、下面カバープレート24は、側面カバープレート22とフランジ11とウェブ12とによって形成される三角形状として、側面カバープレート22の上端と下端に取り付けて、中空部21を形成する。
このように構成することにより、前記実施例で覆工材30を打設後に鋼材10を建て込んでいたが、図6に示すように、覆工材30打設前に鋼材10を建て込み、隣接する鋼材10の間にトレミー管50を挿入して、覆工材30を打設することができる。
また、図8に示すように、箱体70をフランジ11a、11b間に取り付け、覆工材30打設後に箱体70を抜いて中空部21を形成することもできる。
土留め壁の芯材となる鋼材10の内部に中空部21を設けることにより、立坑土留め壁の鏡切り作業に限らず、土留め壁の撤去作業を削減することができる。
12 ウェブ
20 カバープレート 21 中空部
22 側面カバープレート 23 上面カバープレート
24 下面カバープレート
30 覆工材
40 貫通予定範囲
50 トレミー管
60 袋体
70 箱体
Claims (6)
- 土留め壁の構造であって、
土留め壁の芯材となる鋼材と、
前記鋼材の周囲に充填された覆工材と、からなり、
撤去を行う範囲に亘って、前記鋼材の対向するフランジ間に中空部を形成したことを特徴とする、
土留め壁の構造。 - 請求項1に記載の土留め壁の構造において、前記中空部は、前記鋼材と、前記鋼材の対向するフランジ間に渡設した側面カバープレートと、によって囲繞され、
側面カバープレートの上端部に設ける上面カバープレートと、側面カバープレートの下端に設ける下面カバープレートとによって封止されることを特徴とする、土留め壁の構造。 - 請求項1に記載の土留め壁の構造において、
前記中空部は、前記鋼材と、前記鋼材のフランジの端部からウェブに向けて傾斜する側面カバープレートと、によって囲繞され、
側面カバープレートの上端部に設ける上面カバープレートと、側面カバープレートの下端に設ける下面カバープレートと、によって封止されることを特徴とする、
土留め壁の構造。 - 請求項1に記載の土留め壁の構造において、
前記中空部は、前記鋼材の対向するフランジ間に挿入した袋体によって形成されることを特徴とする、
土留め壁の構造。 - 請求項1に記載の土留め壁の構造において、
前記中空部は、前記鋼材の対向するフランジ間に挿入した箱体によって形成されることを特徴とする、
土留め壁の構造。 - 対向するフランジ間に中空部を形成した鋼材と、前記鋼材の周囲に充填された覆工材と、からなる土留め壁の鏡切り方法であって、
覆工材を撤去して、背面に中空部を有する鋼材の立坑側のフランジを露出させ、
前記立坑側のフランジを切断して撤去し、
前記鋼材の周囲の覆工材を撤去し、
前記鋼材のウェブと、地山側のフランジとを撤去することを特徴とする、
土留め壁の鏡切り方法。
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JP2007175089A JP4758955B2 (ja) | 2007-07-03 | 2007-07-03 | 土留め壁の構造及び土留め壁の鏡切り方法 |
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