JP4757993B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気圧縮機、真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール式流体機械は、下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールとを備えたものが知られている。
【0003】
また、スクロール式流体機械には、ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み、該油液を冷却、潤滑を必要とする部位、例えば旋回スクロールと駆動軸との間に設けられた旋回軸受、ケーシングと旋回スクロールとの摺動面等に供給する油液供給手段を備えたものがある(例えば、特開平5−44402号公報、特開平5−44668号公報等)。
【0004】
この種の従来技術によるスクロール式流体機械では、電動モータ等によって駆動軸を回転駆動し、旋回スクロールを固定スクロールに対し一定の偏心寸法をもって旋回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固定スクロールと旋回スクロールとの間に画成される圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出する。
【0005】
また、スクロール式流体機械の運転時には、油液供給手段が油槽に溜った油液を吸込み、この油液を旋回軸受、摺動面等に供給する。そして、旋回軸受等に供給された油液は、これらを冷却、潤滑した後にケーシング内を流れ落ちて油槽に戻される。
【0006】
さらに、スクロール式流体機械は、駆動軸に冷却ファンを設けている。そして、冷却ファンは、駆動軸と一緒に回転駆動されることにより、外気を冷却風として吸込み、この冷却風を油槽側に供給することにより、各部を冷却して温度上昇した油槽内の油液を冷却している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるスクロール式流体機械では、摺動部分から発生した摩耗粉や破片が油槽内の油液中に混入することがあるために、油液供給手段の吸込側には異物を除去するストレーナを設ける構成としている。
【0008】
しかし、このような異物には微細なものがあり、微細な異物はストレーナを通過してしまう。そして、ストレーナを通過した異物は、油液と一緒に旋回軸受等に供給されるから、この異物によって旋回軸受等が偏摩耗等を生じてしまうという問題がある。
【0009】
また、油槽内に溜った油液のうち、温度の高いものは上層部分に、温度の低いものは下層部分に溜る。従って、冷却ファンからの冷却風はケーシングの底面を介して温度の低くなっている下層部分の油液を冷却しているだけであるから、実際に冷却を必要とする上層部分の油液を冷却することができないという問題がある。
【0010】
また、旋回軸受、ケーシングと旋回スクロールとの摺動面等を冷却した油液は、旋回スクロールの背面側を流れて油槽に戻される。また、油液供給手段は、例えば旋回スクロールの旋回動作を利用して油液の吸込動作と吐出動作を行なう構成となっており、旋回スクロールの外周側近傍に配置されている。このため、油槽に戻される油液は、油液供給手段の吸込口近傍に流れ落ちることになる。従って、油液供給手段は、油槽に戻されたばかりで温度の高い油液を吸込むことになるから、旋回軸受等の冷却効率が低下してしまうという問題がある。
【0011】
一方、使用される地域、例えば関東と関西とでは電圧が同じでも周波数が異なるから、スクロール式流体機械を使用した場合に電動モータの回転数が異なることがある。従って、関東地域用に設計されたスクロール式流体機械を関西地域で使用したときには、モータの回転数が高くなるから、冷却ファンの騒音が増大してしまうという問題がある。同様にして、スクロール式流体機械の出力が異なる場合には、同形状の冷却ファンを共用すると、それぞれのスクロール式流体機械に適した冷却風を供給することができないから、油液の冷却効率の低下、騒音の増大等を招いてしまうという問題がある。
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、油液供給手段が油中の異物を吸込むのを防止し、冷却、潤滑を必要とする部位の寿命を延ばすことができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0013】
また、本発明の他の目的は、油槽内の油液を全体に亘って効率よく冷却することができ、冷えた油液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、駆動軸の回転数、出力等が異なる場合でも、1種類の冷却ファンを共用することができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によるスクロール式流体機械は、下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に向けて冷却風を供給する冷却ファンとを備えている。
【0022】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、油槽には冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、前記油槽の底面には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝を設け、前記冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形成し、該凹凸溝間には前記冷却風通路に突出する放熱フィンを設けたことにある。
【0023】
このように構成したことにより、冷却ファンが駆動されると、この冷却風は冷却風通路に沿って流れるから、該冷却風通路を流れる冷却風によって油槽内の油液を冷却することができる。そして、凹凸溝の溝間に形成された冷却風通路は、油槽内の油液中に入り込んだ位置で冷却風を流通することができるから、冷却風通路を流通する冷却風によって上層部分の高温な油液を冷却することができる。しかも、放熱フィンによっても油液を冷却することができる。
【0028】
請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給する油液供給手段を備え、前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、前記油槽の底面には油液中に突出し互いに並行して延びる複数枚の油冷却フィンを設け、前記油槽内には前記油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を該各油冷却フィンに沿って設け、前記油液供給手段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形成したことにある。
【0029】
このように構成したことにより、油槽内の油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿って流通し、吸込管の先端部に形成された吸込口から吸込まれるから、各油冷却フィン間を流れている間に油液を冷却することができる。
【0030】
請求項3の発明が採用する構成の特徴は、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給する油液供給手段を備え、前記駆動軸には前記固定スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給する前記冷却ファンを設け、前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、前記油槽内には前記油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を設け、前記油液供給手段の吸込口は前記油槽内で前記冷却ファンによる冷却風の上流側に位置して前記吸込管に形成したことにある。
【0031】
このように構成したことにより、油槽内で冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷却ファンからの冷却風によって油液が効率よく冷却されるから、油液供給手段は、吸込管に形成された吸込口から油液を吸込むことにより、冷えた油液を旋回スクロールと駆動軸との間に設けられた旋回軸受、ケーシングと旋回スクロールとの摺動面等の冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができる。
【0032】
請求項4の発明によると、駆動軸には固定スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油冷却フィンと吸込管は該冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って配設し、油供給手段の吸込口は前記冷却ファンによる冷却風の上流側に配置する構成としたことにある。
【0033】
このように構成したことにより、油槽内の油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿って冷却ファンによる冷却風の上流側に向けて流通し、この冷却風の上流側位置で吸込管の先端部に形成された吸込口から吸込まれる。ここで、油槽内で冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷却ファンからの冷却風によって油液が効率よく冷却されるから、油液供給手段は、冷えた油液を吸込管に形成された吸込口から吸込んで冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができる。
【0034】
請求項5の発明によると、吸込口は各油冷却フィン間に位置して複数個設け、該複数個の吸込口は吸込管の先端に向けて順次開口面積が大きくなるように形成したことにある。
【0035】
このように構成したことにより、最も油液の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側の吸込口で、油液を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最も油液の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい基端側の吸込口で、油液を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。これにより、各吸込口は、各油冷却フィン間からほぼ均等に油液を吸込むことができる。
【0036】
請求項6の発明によると、吸込管は、各油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、各油冷却フィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返して設けられ開口端が油液供給手段の吸込口となった開口管部とからなり、油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に開口する構成としたことにある。
【0037】
このように構成したことにより、開口管部の開口端に形成された吸込口は、各油冷却フィン間に侵入した位置に開口しているから、各油冷却フィン間からのみ油液を吸込むことができ、該各油冷却フィン間で油液を確実に流通して該油液を効率よく冷却することができる。
【0038】
請求項7の発明によると、開口管部は各油冷却フィン間に位置して複数本設けたことにある。
【0039】
このように構成したことにより、複数本の開口管部は、複数枚の油冷却フィン間からそれぞれ油液を吸込むことができ、各油冷却フィン間で油液を積極的に流通することができる。
【0040】
請求項8の発明によると、開口管部は各油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本の開口管部は吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなるように形成したことにある。
【0041】
このように構成したことにより、最も油液の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側の開口管部で、油液を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最も油液の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい基端側の開口管部で、油液を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。これにより、各開口管部に形成された吸込口は、各油冷却フィン間からほぼ均等に油液を吸込むことができる。
【0048】
請求項9の発明によると、ケーシングには油槽の上側に位置して駆動軸を回転する電動モータを設け、該電動モータと油槽との間には両者を隔てる隔壁を設けたことにある。これにより、隔壁によって電動モータを油液から保護することができる。また、油液が電動モータに接触して温度上昇するのを防止することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0050】
まず、図1ないし図6は本発明の前提となる第1の参考例を示している。1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成する有底筒状のケーシングで、該ケーシング1は、軸線が水平状態となるように横置きに配置されている。そして、ケーシング1は、モータケース2、油槽4およびスラスト受7によって構成され、モータケース2内には後述の電動モータ9が内蔵されている。
【0051】
2はケーシング1のモータケース2で、該モータケース2は、図2に示す如く、前,後方向(水平方向)に延び、前端側に環状の底部2Aが一体形成された筒部2Bと、該筒部2Bの後端側に設けられ、この筒部2Bを施蓋する環状の蓋部2Cとによって大略構成されている。また、底部2Aの前端側には後述の玉軸受14を固定するためのリテーナ2Dが設けられている。さらに、蓋部2Cの内周側には、後述の駆動軸12との間を液密にシールするシールリング2Eが嵌着されている。
【0052】
ここで、モータケース2の底部2A、筒部2Bの下側部分は、図3に示すように、電動モータ9と油槽4との間を上,下に隔てるほぼ半円弧状の隔壁3となっている。そして、隔壁3は、油槽4内の油液5と電動モータ9とを隔てることにより、電動モータ9の劣化、電動モータ9による油液5の温度上昇等を防止するものである。
【0053】
4はモータケース2の下部側に位置してケーシング1に設けられた油槽で、該油槽4は、モータケース2の筒部2B後端から下方に延びた後板4Aと、該後板4Aの下端から前方へとケーシング1の長さ方向(軸方向)に延びた底板4Bと、該底板4Bとモータケース2の筒部2Bとの間に位置して後板4Aの左,右両端から前方に延びた左側板4C、右側板4Dと、後述するスラスト受7の一部分等とによって有底の箱体として形成されている。そして、油槽4内には油液5が溜められている。
【0054】
ここで、油槽4の底板4Bは、図2、図5に示す如く、後側から前側に向けて漸次下向きに傾斜し、かつ図3、図5に示す如く、後述する油液供給装置20の吸込管25が設けられた左側から後述の異物収容凹部6が設けられた右側に向けて漸次下向きに傾斜している。従って、運転時には、底板4B上に堆積した摩耗粉、破片等の異物を振動によって吸込管25の吸込口25Aから最も離間した前部右側に移動することができる。
【0055】
6は油槽4に設けられた第1の参考例による異物収容凹部で、該異物収容凹部6は、油槽4の底板4Bで低い位置となる右側部分に凹陥して形成されている。そして、異物収容凹部6は、油液5に混入した摩耗粉、破片等の異物を収容し、旋回軸受16等に異物が供給されるのを防止している。
【0056】
7はケーシング1のモータケース2前端側に設けられた環状のスラスト受で、該スラスト受7は、モータケース2、油槽4の前端側に一体的に取付けられている。そして、スラスト受7の内周側には、前側に向けて環状凹部7Aが形成され、該環状凹部7A内には、後述する旋回スクロール15の鏡板15Aが配設されている。そして、スラスト受7の環状凹部7Aには、前記鏡板15Aと摺接する環状の摺接面7Bが形成され、該摺接面7Bは、旋回スクロール15に作用するスラスト荷重を鏡板15Aとの間で受承する構成となっている。
【0057】
8はケーシング1のスラスト受7前側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール8は、略円板状に形成され中心が後述する駆動軸12の軸線と一致するように配設された鏡板8Aと、該鏡板8Aの表面に立設された渦巻状のラップ部8Bと、前記鏡板8Aの外周側からラップ部8Bを取囲むように軸方向に突出した筒部8Cと、該筒部8Cの外周側から径方向外側に突出し、スラスト受7に衝合して取付けられたフランジ部8Dとによって構成されている。また、固定スクロール8の鏡板8A背面側には、前側に突出して上,下方向に延びる複数枚の放熱フィン8E,8E,…が設けられている。
【0058】
9はケーシング1のモータケース2内に設けられた電動モータで、該電動モータ9は、モータケース2の筒部2B内周側に固定して設けられた固定子10と、該固定子10の内周側に回転可能に配置された回転子11と、後述の駆動軸12とによって構成され、前記回転子11は駆動軸12の外周側に固定して取付けられている。そして、電動モータ9は、外部からの給電によって回転子11が固定子10に対して回転することにより、駆動軸12を駆動するものである。
【0059】
12は電動モータ9の駆動軸で、該駆動軸12は、基端側(後端側)がモータケース2の蓋部2Cに玉軸受13を介して支持され、先端側(前端側)は底部2Aに玉軸受14を介して支持されている。そして、この駆動軸12の先端側は、モータケース2の底部2Aから突出してクランク12Aとなり、該クランク12Aは、その軸線が駆動軸12の軸線に対して一定寸法だけ偏心している。
【0060】
15はケーシング1内で電動モータ9の駆動軸12に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール15は、円板状に形成された鏡板15Aと、該鏡板15Aの表面側から軸方向に立設された渦巻状のラップ部15Bとによって大略構成されている。また、旋回スクロール15の鏡板15Aには、その背面側の中央にボス部15Cが突設され、該ボス部15Cは旋回軸受16を介して駆動軸12のクランク12Aに回転可能に取付けられている。そして、鏡板15Aは、その前面側が固定スクロール8のフランジ部8Dに摺接すると共に、背面側(裏面側)はスラスト受7に摺接する摺接面15Dとなっている。
【0061】
そして、旋回スクロール15は、固定スクロール8のラップ部8Bに対し例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部8B,15B間には、複数の圧縮室17,17,…が画成される。そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロール8の外周側に設けた吸込口(図示せず)から外周側の圧縮室17内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール15が旋回運動する間に各圧縮室17内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室17から固定スクロール8の中心に設けた吐出開口18、後述の吐出パイプ31を介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0062】
19はスラスト受7と旋回スクロール15との間に摺動可能に設けられたオルダムリングで、該オルダムリング19は、旋回スクロール15が旋回運動するときに、旋回スクロール15の背面側で互いに直交する2軸方向に摺動し、この旋回スクロール15の自転を防止するものである。
【0063】
20は油槽4内の油液5を冷却、潤滑を必要とする部位、例えばスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等に供給する油液供給手段としての油液供給装置で、該油液供給装置20は、後述の吸込通路21、吐出通路22、給油ポンプ23、ストレーナ24、吸込管25等によって大略構成されている。
【0064】
21はスラスト受7の径方向に形成された吸込通路で、該吸込通路21は、一端側が油槽4に後向きに開口し、他端側が給油ポンプ23の吸込室Aに連通している。また、吸込通路21の一端側には、後述するストレーナ24を収容するストレーナ収容部21Aが拡径して形成されている。
【0065】
22は旋回スクロール15の鏡板15Aに径方向に形成された吐出通路で、該吐出通路22は、一端側が給油ポンプ23の油溜め23Gを介して吐出室Bに連通し、他端側が旋回スクロール15のボス部15C等に開口している。
【0066】
23はスラスト受7と旋回スクロール15との間に位置して設けられた給油ポンプで、該給油ポンプ23は、例えば図6に示す如く、スラスト受7の摺接面7B側に凹設された旋回子収容凹部23Aと、該旋回子収容凹部23Aから離間してスラスト受7の摺接面7Bに凹設された凹窪部23Bと、該凹窪部23Bと旋回子収容凹部23Aとの間に位置して前記摺接面7B側に設けられたガイド溝23Cと、旋回スクロール15の摺接面15Dから旋回子収容凹部23Aに向けて突設された旋回子23Dと、旋回スクロール15の摺接面15Dから前記凹窪部23B内に向けて突設された駆動突起23Eと、前記ガイド溝23C内にスライド可能に設けられたスライド板23Fとによって大略構成されている。また、スライド板23Fは、両端側が旋回子23Dと駆動突起23Eとに摺接し、旋回子収容凹部23A内を吸込通路21に連通する吸込室Aと吐出通路22に連通する吐出室Bとに画成している。
【0067】
また、24は吸込通路21のストレーナ収容部21A内に収容されたストレーナで、該ストレーナ24は、吸込通路21に油槽4内の油液5を吸込むときに、この油液5に混入した摩耗粉、破片等の異物を捕えるものである。
【0068】
25は油槽4内に設けられた吸込管で、該吸込管25は、断熱性を有する樹脂材料、セラミックス材料等からなり、基端側が吸込通路21の一端部に連通して取付けられている。また、吸込管25の先端側は、冷却ファン26からの冷却風の上流側となる後側に向けて油槽4内を延び、その先端部は吸込口25Aとなって油槽4内に開口している。ここで、吸込管25の吸込口25Aは、油槽4の底板4Bよりも高い位置に開口して設けられ、これにより、吸込管25によって油槽4内の油液5を吸込むときに、底板4B上の異物が吸込まれるのを防止している。
【0069】
油液供給装置20はこのように構成されるもので、給油ポンプ23の旋回子23D、駆動突起23Eが旋回スクロール15に追従して動き、これに伴ってスライド板23Fがガイド溝23Cに沿ってガイドされることにより、吸込室Aと吐出室Bとをそれぞれ拡大,縮小し、吸込管25、吸込通路21から吸込室A内に吸込んだ油液5を吐出室Bから油溜め23Gを介して吐出通路22に吐出し、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等の給油部位に供給するものである。
【0070】
26は固定スクロール8と反対側に位置して駆動軸12の基端部に設けられた冷却ファンで、該冷却ファン26は、駆動軸12と一体に回転することにより冷却風を発生させ、この冷却風を後述の吸気側ダクト27、上側ダクト28、下側ダクト30等を介して固定スクロール8、油槽4の外周に向けて供給するものである。
【0071】
27は冷却ファン26を外側から覆うように設けられた吸気側ダクトで、該吸気側ダクト27は、冷却ファン26の吸気側に対応する位置に開口して設けられた吸気口27Aを有している。また、吸気側ダクト27は、ケーシング1の上側と下側で前側に開口している。
【0072】
28はケーシング1の上側に設けられた上側ダクトで、該上側ダクト28は、図1に示すように、ケーシング1(モータケース2、スラスト受7)の上側および固定スクロール8の上側を囲むように前,後方向(軸方向)に沿って延びて設けられている。そして、上側ダクト28の上流側は、吸気側ダクト27に接続され、下流側は固定スクロール8を覆うスクロール側ダクト29に接続されている。
【0073】
30はケーシング1の下側に設けられた下側ダクトで、該下側ダクト30は、油槽4の下側、スラスト受7の下側を囲むように前,後方向に沿って延びて設けられている。そして、下側ダクト30の上流側は、吸気側ダクト27に接続され、下流側はスクロール側ダクト29に接続されている。また、下側ダクト30の下流側には、各部を冷却した冷却風を流出するための排気口30Aが設けられている。
【0074】
31は基端側が吐出開口18に接続された吐出パイプで、該吐出パイプ31は、先端側がスクロール側ダクト29を貫通し、外部に突出している。そして、吐出パイプ31は、圧縮室17から吐出される圧縮空気を外部の空気タンク(図示せず)等に供給するものである。
【0075】
本発明の第1の参考例によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その圧縮動作について説明する。
【0076】
まず、電動モータ9により駆動軸12を回転させると、旋回スクロール15は駆動軸12を中心として一定の旋回半径をもった円運動(旋回運動)を行い、固定スクロール8のラップ部8Bと旋回スクロール15のラップ部15Bとの間に画成された圧縮室17,17,…を連続的に縮小する。これにより、固定スクロール8の吸込口から吸込んだ外気は、各圧縮室17で順次圧縮されつつ、この圧縮空気は固定スクロール8の吐出開口18から吐出パイプ31等を介して外部の空気タンク等に貯留される。
【0077】
次に、前述した圧縮運転時におけるスクロール式空気圧縮機の冷却作用について説明する。
【0078】
まず、冷却ファン26が駆動軸12と一体に回転することにより、外気が冷却風として吸気口27Aから吸気側ダクト27内に吸込まれる。そして、吸気側ダクト27内に吸込まれた冷却風の一部は、上側ダクト28からスクロール側ダクト29を流れるから、この冷却風によってケーシング1、固定スクロール8等を冷却することができる。一方、吸気側ダクト27から下側ダクト30に流れる冷却風は、油槽4(油液5)を冷却する。このようにして各部を冷却した冷却風は、下側ダクト30の排気口30Aから外部に排出される。
【0079】
次に、油液供給装置20によって油槽4内の油液5をスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等に供給する場合の動作について説明する。
【0080】
まず、圧縮運転時には、油液供給装置20の給油ポンプ23が駆動されるから、油槽4内の油液5は、吸込管25から吸込通路21に吸込まれ、吐出通路22からスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等の給油部位に供給される。そして、これらの給油部位を冷却、潤滑した油液5は、順次流れ落ちて油槽4に戻される。
【0081】
以上のように、本発明の第1の参考例によれば、油槽4の底板4Bは、吸込管25の吸込口25Aと反対側の右側に向けて漸次下向きに傾斜させ、この右側部分に凹陥して異物収容凹部6を設ける構成としている。これにより、油液5に混入した摩耗粉、破片等の異物は、異物収容凹部6内に収容することができるから、異物が油液供給装置20に吸込まれるのを防止することができる。この結果、ストレーナ24に付着する異物の量が少なくなるから、該ストレーナ24の寿命を延ばすことができる。しかも、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等の給油部位が異物によって損傷するのを防止することができ、信頼性や寿命を向上することができる。
【0082】
また、油槽4の底板4Bを異物収容凹部6に向けて下向きに傾斜させることにより、旋回スクロール15を駆動したときの振動を利用して、底板4B上の異物を異物収容凹部6に自動的に移動することができる。
【0083】
一方、油槽4内の油液5を吸込む吸込管25は、その吸込口25Aを油槽4の底板4Bよりも高い位置に開口しているから、底板4B上に堆積した異物が吸込管25に吸込まれるのを防止でき、異物による各部の損傷等をより確実に防止することができる。
【0084】
さらに、吸込管25の吸込口25Aは、冷却ファン26による冷却風の上流側に配置しているから、冷却ファン26からの冷却風によって最も冷却された油液5を吸込むことができる。これにより油液供給装置20は、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等の給油部位に冷えた油液5を供給することができ、これら給油部位を確実に冷却することができる。
【0085】
次に、図7および図8は本発明の第1の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、油槽には冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、該冷却風通路は、油槽の底面に冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝の溝間に形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0086】
41は第1の参考例によるケーシング1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシングで、該ケーシング41は、底部42A、筒部42B、蓋部42C等からなるモータケース42と、該モータケース42の下部側に配設された後述の油槽44と、環状凹部43A、摺接面43Bを有する環状のスラスト受43とによって構成されている。
【0087】
44はモータケース2の下部側に位置してケーシング1に設けられた本実施の形態による油槽で、該油槽44は、後板44A、底板44B、左側板44C、右側板44Dと、スラスト受43の一部分等とによって有底の箱体として形成されている。
【0088】
45は油槽44の底板44Bに設けられた凹凸溝で、該凹凸溝45は、図8に示す如く、底板44Bから油槽44内に向けて上向きに突出した断面コ字状の内側突条部46,46,…と、該各内側突条部46間に位置して底板44Bから下向きに突出した断面U字状の外側突条部47,47,…とを組合せることにより凹凸形状に形成され、これら突条部46,47は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向、即ち駆動軸12の軸方向に延びて形成されている。
【0089】
ここで、内側突条部46の上端面は、油液5のほぼ上層部分で油液5の液面よりも低い位置に配設されている。これにより、油液5に対する内側突条部46の接触部位は、両側面と上端面になるから、接触面積を大きくして油液5の冷却効率を高めることができる。
【0090】
さらに、48,48,…は各内側突条部46に対応する外側面、即ち各外側突条部47間に設けられた複数本の冷却風通路で、該各冷却風通路は、油槽44内の油液5中に入り込んだ位置で冷却ファン26からの冷却風を流通するものである。
【0091】
かくして、このように構成された本実施の形態によれば、油槽44の底板44Bに凹凸溝45を設け、該凹凸溝45には、油槽44内の油液5中に入り込んだ位置で冷却ファン26からの冷却風を流通する冷却風通路48を設けているから、該冷却風通路48を流通する冷却風によって高温となった上層部分の油液5を冷却することができ、油液5の冷却効率を高めることができる。
【0092】
次に、図9は本発明の第2の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、油槽には冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、該冷却風通路は、油槽に冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って油槽内を貫通する冷却管によって形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0093】
51は第1の参考例によるケーシング1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシングで、該ケーシング51は、底部52A、筒部52B、蓋部52C等からなるモータケース52と、該モータケース52の下部側に配設され、後板53A、底板53B、左,右の側板53C(片方のみ図示)と、スラスト受54の一部分等とによって有底の箱体として形成された油槽53と、環状凹部54A、摺接面54Bを有する環状のスラスト受54とによって構成されている。
【0094】
55は油槽53を貫通して設けられた複数本の冷却管(1本のみ図示)で、該流通管55は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向、即ち駆動軸12の軸方向に延びて左,右方向にほぼ平行に列設されている。また、冷却管55は、油槽53の底板53Bよりも上側位置、即ち油液5の上層部分近傍に配置されている。そして、冷却管55の内部は、冷却ファン26からの冷却風が流通する冷却風通路55Aとなっている。
【0095】
一方、56は吸気口56Aを有する吸気側ダクトで、該吸気側ダクト56の下側は各冷却管55に接続されている。57は吸気側ダクト56の上側に接続された上側ダクトで、該上側ダクト57は、スクロール側ダクト58を介して後述の排気側ダクト59に接続されている。
【0096】
59は固定スクロール8の下側に配設された排気側ダクトで、該排気側ダクト59は、各冷却管55とスクロール側ダクト58に接続されている。また、排気側ダクト59には、各部を冷却した冷却風が流出する排気口59Aが設けられている。
【0097】
かくして、このように構成された本実施の形態によれば、油液5のほぼ上層部分を通るように油槽53を貫通して複数本の冷却管55を設けているから、冷却管55の冷却風通路55Aを流通する冷却風によって高温となった上層部分の油液5を冷却することができ、油液5の冷却効率を高めることができる。
【0098】
次に、図10ないし図12は本発明の第3の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、油槽の底面には油液中に突出し互いに並行して延びる複数枚の油冷却フィンを設け、油槽内には油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を該各油冷却フィンに沿って設け、油液供給手段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0099】
61は第1の参考例によるケーシング1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシングで、該ケーシング61は、底部62A、筒部62B、蓋部62C等からなるモータケース62と、該モータケース62の下部側に配設され、後板63A、底板63B、左側板63C、右側板63Dと、スラスト受64の一部分等とによって有底の箱体として形成された油槽63と、環状凹部64A、摺接面64Bを有する環状のスラスト受64とによって構成されている。
【0100】
65,65,…は油槽63の底板63B上面に設けられた4枚の油冷却フィンで、該各油冷却フィン65は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に延びるように油液5中に突出している。また、各油冷却フィン65は、図11に示すように、所定の間隔をもって左,右方向に平行に配設されている。
【0101】
また、66,66,…は油槽63の底板63B下面に設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱フィン66は、図10、図12に示すように、下側ダクト30内に突出し、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に沿って延びている。
【0102】
67は油槽63内に設けられた本実施の形態による吸込管で、該吸込管67は、油液供給装置20の吸込通路21の一部を構成するもので、第1の参考例で述べた吸込管25と同様に、断熱性を有する樹脂材料、セラミックス材料等からなり、その基端側が吸込通路21の一端部に連通してスラスト受64に取付けられている。また、吸込管67は、図11、図12に示す如く、油冷却フィン65に沿って油槽63内を冷却ファン26による冷却風の上流側に向けて延び、その先端側が油冷却フィン65と直交するように屈曲して各油冷却フィン65と油槽63の後板63Aとの間を右方向に延びている。
【0103】
さらに、吸込管67の先端側には、4枚の油冷却フィン65,65,…間に開口するように、3個の吸込口67A,67B,67Cが形成されている。ここで、3個の吸込口67A,67B,67Cは、各油冷却フィン65間からほぼ均等に油液5を吸込むことができるように、吸込管67の先端に向けて順次開口面積が大きく形成されている。
【0104】
かくして、このように構成された本実施の形態によれば、油槽4内に油冷却フィン65を設けているから、油液5に対する接触面積を大きすることができ、油液5の熱を効率よく放出することができる。しかも、吸込管67には、先端側を屈曲して各油冷却フィン65間に開口する吸込口67A,67B,67Cを形成しているから、油槽63に戻された高温な油液5を各油冷却フィン65間で流通させることができ、各油冷却フィン65間で流通している間に油液を冷却することができる。
【0105】
次に、図13は本発明の第2の参考例を示す。第2の参考例の特徴は、ダクトの吸気側には冷却ファンの回転によって生じる冷却風の風量を調整する風量調整手段を設け、該風量調整手段は、ダクトの吸気側に交換可能に設けられた吸込抵抗の異なる複数種類のフィルタによって構成したことにある。なお、第2の参考例では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0106】
71は冷却ファン26を外側から覆うように設けられた第2の参考例による吸気側ダクトで、該吸気側ダクト71は、第1の参考例による吸気側ダクト27と同様に、冷却ファン26の吸気側に対応する位置に開口する吸気口71Aを有している。
【0107】
72,73,74は吸気側ダクト71の吸気口71Aに交換可能に取付けられる例えば3種類の流量調整手段をなすフィルタで、該フィルタ72,73,74は、吸気口71Aに対応して円形状に形成された網、スポンジ等によって構成されている。ここで、フィルタ72は、目が粗く吸込抵抗が小さいために、冷却風の風量を多くすることができる。また、フィルタ73は、フィルタ72よりも目が細かいために、該フィルタ72による冷却風の風量よりも少なくなる。さらに、フィルタ74は、フィルタ73よりも目が細かいために、該フィルタ73による冷却風の風量よりもさらに少なくなる。
【0108】
そこで、フィルタ72の使用方法について説明する。例えば同一機種のスクロール式空気圧縮機を電源の周波数が異なる地域、100V60Hzの関西地域で使用した場合、100V50Hzの関東地域で使用した場合よりも電動モータ9の回転数が高くなる。従って、スクロール式空気圧縮機の冷却系統の設定が関東地域の設定、例えば目の粗いフィルタ72が取付けられている場合には、関西地域で使用したときに冷却ファン26の回転が必要以上に高くなるから、適切な冷却ができなくなり、また、冷却ファン26による騒音が増大する等の問題が生じる。
【0109】
しかし、第2の参考例によれば、関西地域で使用する場合にスクロール式空気圧縮機の吸気側ダクト71の吸気口71Aに目の細かいフィルタ73を取付けることにより、冷却ファン26の回転が高い場合でも、フィルタ73によって冷却風を吸込むときの抵抗力を大きくして吸込まれる冷却風の風量を少なくすることができる。これにより、冷却ファン26によって適切な冷却を行なうことができる。また、フィルタ72は、冷却ファン26の動作音を低減することができる。さらに、スクロール式空気圧縮機を、例えば定格電源電圧よりも高い電源電圧で使用する場合には、吸気側ダクト71にフィルタ74を取付けることにより、同様の作用効果を得ることができる。
【0110】
かくして、第2の参考例によれば、電動モータ9(冷却ファン26)の回転数等が異なる場合でも、吸気側ダクト71の吸気口71Aにフィルタ72,73,74の中から適切な吸込抵抗を有するもの選択して取付けることにより、冷却ファン26を変更することなく、所望の冷却性能を得ることができ、また騒音を低減することができる。この結果、電動モータ9、冷却ファン26等を複数機種のスクロール式空気圧縮機で共用することができ、コストの低減等を図ることができる。さらに、圧縮運転時の出力が異なる機種においても、同様の効果を得ることができる。
【0111】
次に、図14は本発明の第3の参考例を示す。第3の参考例の特徴は、ダクトの吸気側には冷却ファンの回転によって生じる冷却風の風量を調整する風量調整手段を設け、風量調整手段は、ダクトの一部をなして冷却ファンの周囲に交換可能に設けられ冷却風を吸込む吸気口の開口面積が異なる複数種類の吸気側ダクトによって構成したことにある。なお、第3の参考例では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0112】
81は流量調整手段をなす吸気側ダクトで、該吸気側ダクト81は、第1の参考例による吸気側ダクト27と同様に、冷却ファン26の吸気側に対応する位置に開口する吸気口81Aを有している。
【0113】
また、82は吸気側ダクト81に交換して取付けられる流量調整手段をなす他の吸気側ダクトで、該吸気側ダクト82は、吸気口82Aの径寸法が小さく、該吸気口82Aの流路面積が小さく形成されている。
【0114】
かくして、第3の参考例によれば、吸気側ダクト81,82をスクロール式空気圧縮機の性能に応じて交換して取付けることにより、回転数、出力が異なるスクロール式空気圧縮機でも、電動モータ9、冷却ファン26等を共用することができる。
【0115】
次に、図15ないし図17は本発明の第4の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、吸込管は、各油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、各油冷却フィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返して設けられ開口端が油液供給手段の吸込口となった開口管部とからなり、油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に開口する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0116】
91は第1の参考例によるケーシング1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシングで、該ケーシング91は、底部92A、筒部92B、蓋部92C等からなるモータケース92と、該モータケース92の下部側に配設され、後板93A、底板93B、左側板93C、右側板93Dと、スラスト受94の一部分等とによって有底の箱体として形成された油槽93と、環状凹部94A、摺接面94Bを有する環状のスラスト受94とによって構成されている。
【0117】
95,95,…は油槽93の底板93B上面に設けられた4枚の油冷却フィンで、該各油冷却フィン95は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に延びるように油液5中に突出している。また、各油冷却フィン95は、図16に示すように、所定の間隔をもって左,右方向に平行に配設されている。
【0118】
また、96,96,…は油槽93の底板93B下面に設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱フィン96は、図15、図17に示すように、下側ダクト30内に突出し、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に沿って延びている。
【0119】
97は油槽93内に設けられた本実施の形態による吸込管で、該吸込管97は、油液供給装置20の吸込通路21の一部を構成するもので、断熱性を有する樹脂材料、セラミックス材料等によって形成されている。そして、吸込管97は、後述の吸込管本体98と開口管部99とによって構成されている。
【0120】
98は吸込管本体で、該吸込管本体98は、第4の実施の形態で述べた吸込管67とほぼ同様に、その基端側が吸込通路21の一端部に連通してスラスト受94に取付けられている。また、吸込管本体98は、図16、図17に示す如く、油冷却フィン95に沿って油槽93内を冷却ファン26による冷却風の上流側に向けて延び、その先端側が油冷却フィン95と直交するように屈曲して各油冷却フィン95と油槽93の後板93Aとの間を右方向に延びている。
【0121】
99,99,…は吸込管本体98の先端部に設けられた3本の開口管部で、該各開口管部99は、吸込管本体98の先端部で折返すように延び、その先端側が4枚の油冷却フィン95,95,…間に位置している。また、各開口管部99は、それぞれの径寸法がほぼ等しく形成されている。そして、各開口管部99の開口端は、それぞれ油冷却フィン95間に開口する吸込口99Aとなっている。これにより、各開口管部99の吸込口99Aは、各油冷却フィン95間に侵入した位置に開口しているから、油液5を吸込んだときには各油冷却フィン95間からのみ吸込むことができ、該各油冷却フィン95間で油液5を確実に流通することができる。
【0122】
かくして、このように構成された本実施の形態によれば、前記第4の実施の形態による作用効果に加えて次のような作用効果を得ることができる。即ち、本実施の形態では、各油冷却フィン95間まで延びた開口管部99の先端に吸込口99Aを設けているから、該吸込口99Aから油液5を吸込んだときには、各油冷却フィン95間からのみ油液5を吸込んで該各油冷却フィン95間で確実に流通することができ、油液5を効率よく冷却することができる。
【0123】
また、3本の開口管部99を設けているから、各油冷却フィン95間からそれぞれ油液5を吸込むことができ、各油冷却フィン95間で油液を積極的に流通し、油槽4内の油液5全体を冷却することができる。
【0124】
次に、図18ないし図20は本発明の第5の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、開口管部は各油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本の開口管部は吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなるように形成したことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の参考例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0125】
101は第1の参考例によるケーシング1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシングで、該ケーシング101は、底部102A、筒部102B、蓋部102C等からなるモータケース102と、該モータケース102の下部側に配設され、後板103A、底板103B、左側板103C、右側板103Dと、スラスト受104の一部分等とによって有底の箱体として形成された油槽103と、環状凹部104A、摺接面104Bを有する環状のスラスト受104とによって構成されている。
【0126】
105,105,…は油槽103の底板103B上面に設けられた4枚の油冷却フィンで、該各油冷却フィン105は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に延びるように油液5中に突出している。また、各油冷却フィン105は、図19に示すように、所定の間隔をもって左,右方向に平行に配設されている。
【0127】
また、106,106,…は油槽103の底板103B下面に設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱フィン106は、図18、図20に示すように、下側ダクト30内に突出し、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に沿って延びている。
【0128】
107は油槽103内に設けられた本実施の形態による吸込管で、該吸込管107は、油液供給装置20の吸込通路21の一部を構成するもので、断熱性を有する樹脂材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂材料等によって形成されている。そして、吸込管107は、後述の吸込管本体108と開口管部112,113,114とによって構成されている。
【0129】
108は吸込管本体で、該吸込管本体108は、第4の実施の形態で述べた吸込管67とほぼ同様に、その基端側が吸込通路21の一端部に連通してスラスト受104に取付けられている。また、吸込管本体108は、図19、図20に示す如く、油冷却フィン105に沿って油槽103内を冷却ファン26による冷却風の上流側に向けて延びたパイプ状の平行管部109と、該平行管部109の先端部で油冷却フィン105と直交するように屈曲し、各油冷却フィン105と油槽103の後板103Aとの間を右方向に延びた直交管部110と、後述の嵌合溝部111とによって大略構成されている。
【0130】
ここで、直交管部110は、前面板110A、後面板110B、左側面板110C、右側面板110D、上面板110Eおよび下面板110Fによって左,右方向に長尺な箱型形状をなしている。また、前面板110Aには、左側の端部に位置して平行管部109が一体的に接続されている。
【0131】
111,111,…は直交管部110に設けられた4個の嵌合溝部で、該各嵌合溝部111は、各油冷却フィン105の後部側に嵌合するもので、該各油冷却フィン105の位置に対応するように、前面板110Aから下面板110Fに亘って上,下方向に切欠いて形成されている。
【0132】
そして、このように構成された吸込管本体108は、直交管部110に形成された各嵌合溝部111を油冷却フィン105に嵌合することにより、油槽103内の正確な位置に容易に組付けることができる。このときに、直交管部110は、その前面板110Aによって各油冷却フィン105との隙間を閉塞することができる。
【0133】
次に、112,113,114は吸込管本体108の直交管部110に設けられた3本の開口管部で、該各開口管部112,113,114は、それぞれ吸込管本体108の先端部で折返すように直交管部110の前面板110Aから前方に延びている。そして、3本の開口管部112,113,114は、4枚の油冷却フィン105,105,…間に位置している。
【0134】
ここで、開口管部112,113,114は、前面板110Aから前方に向けて漸次縮径する円錐状の筒体を所定の長さ位置で切除することにより管体として形成されている。即ち、図19に示す如く、吸込管本体108の最も基端側(下流側)となる直交管部110の左側に配設された開口管部112は、前面板110Aから突出した長さ寸法がL1となり、吸込口112Aの開口面積を決定する開口径はD1となっている。また、開口管部112よりも先端側(上流側)となる直交管部110の中央に配設された開口管部113は、その長さ寸法L2が開口管部112の長さ寸法L1よりも短く、これにより、吸込口113Aの開口径D2は吸込口112Aの開口径D1よりも大きくなっている。さらに、最も先端側(上流側)に位置する右側の開口管部114は、その長さ寸法L3が開口管部113の長さ寸法L2よりも短く、これにより、吸込口114Aの開口径D3は吸込口113Aの開口径D2よりも大きくなっている。
【0135】
以上の点から基端側に位置する開口管部112の長さ寸法L1と、中間に位置する開口管部113の長さ寸法L2と、先端側に位置する開口管部114の長さ寸法L3とは、下記数1の関係にある。
【0136】
【数1】
L1>L2>L3
【0137】
また、基端側に位置する開口管部112の開口径D1と、中間に位置する開口管部113の開口径D2と、先端側に位置する開口管部114の開口径D3とは、下記数2の関係にある。
【0138】
【数2】
D1<D2<D3
【0139】
これにより、最も油液5の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側の開口管部114で、油液5を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、最も油液5の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい基端側の開口管部112で、油液5を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。このことから、吸込口112A,113A,114Aは、各油冷却フィン105間からほぼ均等に油液5を吸込むことができる。
【0140】
かくして、このように構成された本実施の形態によれば、前記第7の実施の形態による作用効果に加えて次のような作用効果を得ることができる。即ち、本実施の形態では、吸込管本体108に設けられた開口管部112,113,114は、吸込管本体108の先端に向けて順次長さ寸法が短くなり、開口径(開口面積)が大きくなるように形成しているから、吸込口112A,113A,114Aは、各油冷却フィン105間からほぼ均等に油液5を吸込むことができ、全体の油液5を均等に冷却することができる。
【0141】
また、開口管部112,113,114は、前面板110Aから前方に向けて漸次縮径する円錐状の筒体を所定の長さ位置で切除することにより管体として形成しているから、切除する位置を適宜設定することにより、吸込口112A、113A,114Aの開口径を自由に変更することができる。
【0142】
一方、吸込管本体108の直交管部110には、油冷却フィン105に嵌合する各嵌合溝部111を設けているから、吸込管107を油槽103内に組付けるときに、各嵌合溝部111を油冷却フィン105に嵌合することにより、吸込管107を正確な位置に容易に組付けることができ、組立時の作業性を向上することができる。
【0143】
さらに、吸込管107を油槽103に組付けた状態では、吸込管本体108の直交管部110は、その前面板110Aによって各油冷却フィン105との隙間を閉塞している。これにより、開口管部112,113,114の吸込口112A,113A,114Aは、各油冷却フィン105間の油液5だけを吸込むことができるから、各油冷却フィン105間で油液5を確実に流通させて、油液5の冷却効率より一層高めることができ、油液5、スクロール式空気圧縮機の寿命を延ばすことができる。
【0144】
なお、第1の参考例では、油槽4の底板4Bを、後側から前側に向けて漸次下向きに傾斜し、かつ吸込管25が設けられた左側から異物収容凹部6が設けられた右側に向けて漸次下向きに傾斜する構成としている。しかし、これに限るものではなく、例えば図21に示す第1の変形例のように、油槽121の底板121Bは、前,後方向に傾斜することなくほぼ平坦とし、左側から右側に向けてのみ漸次下向きに傾斜する構成とし、この右側部分に異物収容凹部122を設ける構成としてもよい。
【0145】
また、第1の参考例では、ケーシング1に電動モータ9を内蔵したスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば図22に示す第2の変形例のように、電動モータが廃止され、ケーシング131、固定スクロール132、駆動軸133、旋回スクロール134、油液供給装置135、冷却ファン136、ダクト137等によって構成され、駆動軸133に外部動力源に接続されるプーリ138が設けられたスクロール式空気圧縮機に第1の参考例による特徴部分である異物収容凹部を設けるようにしてもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
【0146】
また、第1の参考例では、油槽4は中空の箱形状に形成した場合を例に挙げて図示したが、これに限るものではなく、例えば図23、図24に示す第3の変形例のように、モータケース2の筒部2B下側と油槽4の底板4Bとの間に補強用リブ141,141を設ける構成としてもよい。この第3の変形例では、油液5に混入した異物を異物収容凹部6に向けて移動させるために、図24に示す如く、各リブ141前側部分に切欠141Aを設けている。
【0147】
また、第1の参考例では、ケーシング1のモータケース2を、底部2A、筒部2B、蓋部2C、リテーナ2Dおよび蓋部2Cと駆動軸12との間をシールするシールリング2Eによって構成した場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限るものではなく、例えば図25に示す第4の変形例のように、ケーシング151のモータケース152を、底部152A、筒部152B、蓋部152C、リテーナ152D、シールリング152Eおよびリテーナ152Dと駆動軸との間をシールする他のシールリング152Fによって構成してもよい。この場合には、第1の参考例で用いていた玉軸受13,14に代えてグリース封入式の玉軸受153,154を用いる構成とすればよい。この変形例によれば、電動モータ9に付設される回転センサ等を油液5から確実に保護することができる。
【0148】
一方、第1の実施の形態では、油槽44の底板44Bに内側突条部46、外側突条部47からなる凹凸溝45を設け、各外側突条部47間に冷却風通路48を設ける構成とした場合を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば図26に示す第5の変形例のように、凹凸溝161は、内側突条部162、外側突条部163からなり、各外側突条部163間には冷却風通路164に突出する放熱フィン165を設ける構成としてもよい。この場合には油液5の冷却効率を放熱フィン165によってより一層高めることができる。
【0149】
また、第2の参考例では、吸気側ダクト71の吸気口71Aにフィルタ72を交換可能に取付ける構成としたが、これに替えて、例えば図27に示す第6の変形例のように、吸気側ダクト171の吸気口171A内側にフィルタ差込み部171Bを設け、該フィルタ差込み部171Bに吸込抵抗の異なる複数種類のフィルタ172(1種類のみ図示)を差込むことにより冷却風の風量を調整する構成としてもよい。
【0150】
また、第4の実施の形態では、吸込管97を、吸込管本体98と、該吸込管本体98の先端部に設けられた3本の開口管部99,99,…とによって構成し、各開口管部99(吸込口99A)はそれぞれの径寸法がほぼ等しくなるように形成した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば図28に示す第7の変形例のように、吸込管181は、吸込管本体182と、該吸込管本体182の先端部に折返して設けられ、該吸込管本体182の先端に向けて順次径寸法が大きくなるように配置された3本の開口管部183,184,185とによって構成してもよい。
【0151】
ここで、吸込管181は、該吸込管本体182の先端に向けて順次径寸法が大きくなるように開口管部183,184,185を設けることにより、最も油液5の流通距離が長く流通するときの抵抗が大きい先端の開口管部185で、油液5を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最も油液5の流通距離が短く流通するときの抵抗が小さい開口管部183で、油液5を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。これにより、吸込口183A,184A,185Aは、各油冷却フィン95間からほぼ均等に油液5を吸込むことができ、全体の油液5を均等に冷却することができる。
【0152】
さらに、各実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できる。
【0157】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、油槽には冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設けているので、冷却ファンが駆動されたときには、この冷却ファンからの冷却風を冷却風通路に沿って流通し、該冷却風通路を流れる冷却風によって油槽内の油液を冷却することができ、油液の冷却効率を高めることができる。
【0158】
しかも、油槽の底面には冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝を設け、冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形成しているので、凹凸溝の溝間に形成された冷却風通路は、油槽内の油液中に入り込んだ位置で冷却風を流通することができる。これにより、冷却風通路を流通する冷却風によって上層部分の高温な油液を積極的に冷却することができる。
【0159】
さらに、前記凹凸溝間には冷却風通路に突出する放熱フィンを設けているので、該放熱フィンによって油液をより一層冷却することができる。
【0160】
請求項2の発明によれば、ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給する油液供給手段を備え、前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、油槽の底面には油液中に突出し互いに並行して延びる複数枚の油冷却フィンを設け、油槽内には油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を該各油冷却フィンに沿って設け、油液供給手段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形成している。従って、油槽内の油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿って流通し、吸込管の先端部に形成された吸込口から吸込まれるから、各油冷却フィン間を流れている間に油液を冷却することができ、油液の冷却効率を向上することができる。
【0161】
請求項3の発明によれば、駆動軸には固定スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油槽内には油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を設け、油液供給手段の吸込口は油槽内で前記冷却ファンによる冷却風の上流側に位置して前記吸込管に形成している。従って、油槽内で冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷却ファンからの冷却風によって油液が効率よく冷却されるから、油液供給手段は、吸込管に形成された吸込口から油液を吸込むことにより、冷えた油液を旋回軸受、摺動面等の冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができ、これらの冷却効率を向上することができる。
【0162】
請求項4の発明によれば、駆動軸には固定スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油冷却フィンと吸込管は該冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って配設し、油供給手段の吸込口は前記冷却ファンによる冷却風の上流側に配置する構成としている。従って、油槽内の油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿って冷却ファンによる冷却風の上流側に向けて流通させ、この冷却風の上流側位置で吸込管の先端部に形成された吸込口から吸込むことができる。ここで、油槽内で冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷却ファンからの冷却風によって油液が効率よく冷却されるから、油液供給手段は、冷えた油液を吸込管に形成された吸込口から吸込んで冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができる。この結果、これら給油部位を確実に冷却でき、信頼性や寿命を向上することができる。
【0163】
請求項5の発明によれば、吸込口は各油冷却フィン間に位置して複数個設け、該複数個の吸込口は吸込管の先端に向けて順次開口面積が大きくなるように形成しているので、最も油液の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側の吸込口で、油液を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最も油液の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい基端側の吸込口で、油液を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。この結果、各吸込口は、各油冷却フィン間からほぼ均等に油液を吸込むことができるから、全体の油液を均等に冷却することができる。
【0164】
請求項6の発明によれば、吸込管は、各油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、各油冷却フィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返して設けられ開口端が油液供給手段の吸込口となった開口管部とからなり、油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に開口する構成としているので、開口管部の開口端に形成された吸込口は、各油冷却フィン間に侵入した位置に開口しているから、各油冷却フィン間からのみ油液を吸込むことができる。従って、各油冷却フィン間で油液を確実に流通することができ、各油冷却フィン間を流通する間に油液を効率よく冷却することができる。
【0165】
請求項7の発明によれば、開口管部は各油冷却フィン間に位置して複数本設けているので、複数本の開口管部は、複数枚の油冷却フィン間からそれぞれ油液を吸込むことができ、各油冷却フィン間で油液を積極的に流通し、油槽内の油液全体を冷却することができる。
【0166】
請求項8の発明によれば、開口管部は各油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本の開口管部は吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなるように形成しているので、最も油液の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側の開口管部で、油液を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最も油液の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい基端側の開口管部で、油液を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。この結果、各開口管部に形成された吸込口は、各油冷却フィン間からほぼ均等に油液を吸込むことができるから、全体の油液を均等に冷却することができる。
【0170】
請求項9の発明によれば、ケーシングには油槽の上側に位置して駆動軸を回転する電動モータを設け、該電動モータと油槽との間には両者を隔てる隔壁を設けているので、隔壁によって電動モータを油液から保護することができる。また、油液が電動モータに接触して温度上昇するのを防止することができ、冷えた油液によって冷却を必要とする部位を効率よく冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の参考例によるスクロール式空気圧縮機を示す外観斜視図である。
【図2】 スクロール式空気圧縮機を図1中の矢示II−II方向からみた縦断面図である。
【図3】 ケーシング、電動モータを図2中の矢示III−III方向からみた横断面図である。
【図4】 油槽を図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。
【図5】 油槽を単体で示す断面斜視図である。
【図6】 給油ポンプを図2中の矢示VI−VI方向からみた要部拡大断面図である。
【図7】 本発明の第1の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図8】 凹凸溝、冷却風通路をケーシング、電動モータと共に図7中の矢示VIII−VIII方向からみた横断面図である。
【図9】 本発明の第2の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図10】 本発明の第3の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図11】 油槽を図10中の矢示XI−XI方向からみた断面図である。
【図12】 油槽の底板、各フィン、吸込管を拡大して示す断面斜視図である。
【図13】 本発明の第2の参考例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図14】 本発明の第3の参考例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図15】 本発明の第4の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図16】 油槽を図15中の矢示XVI−XVI方向からみた断面図である。
【図17】 油槽の底板、各フィン、吸込管を拡大して示す断面斜視図である。
【図18】 本発明の第5の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図19】 油槽を図18中の矢示XIX−XIX方向からみた断面図である。
【図20】 油槽の底板、各フィン、吸込管を拡大して示す断面斜視図である。
【図21】 第1の変形例による油槽を単体で示す断面斜視図である。
【図22】 第2の変形例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図23】 第3の変形例によるケーシング等を図3と同様位置からみた横断面図である。
【図24】 油槽内のリブ形状を図23中の矢示XXIV−XXIV方向からみた断面図である。
【図25】 第4の変形例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図26】 第5の変形例による凹凸溝をケーシング等と共に図3と同様位置からみた横断面図である。
【図27】 第6の変形例によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図28】 第7の変形例による吸込管を油槽の底板、各フィンと共に拡大して示す断面斜視図である。
Claims (9)
- 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に向けて冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなるスクロール式流体機械において、
前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、
前記油槽の底面には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝を設け、
前記冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形成し、該凹凸溝間には前記冷却風通路に突出する放熱フィンを設けたことを特徴とするスクロール式流体機械。 - 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に向けて冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなるスクロール式流体機械において、
前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給する油液供給手段を備え、
前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、
前記油槽の底面には油液中に突出し互いに並行して延びる複数枚の油冷却フィンを設け、
前記油槽内には前記油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を該各油冷却フィンに沿って設け、
前記油液供給手段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形成したことを特徴とするスクロール式流体機械。 - 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に向けて冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなるスクロール式流体機械において、
前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給する油液供給手段を備え、
前記駆動軸には前記固定スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給する前記冷却ファンを設け、
前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、
前記油槽内には前記油液供給手段の吸込側を構成する吸込管を設け、
前記油液供給手段の吸込口は前記油槽内で前記冷却ファンによる冷却風の上流側に位置して前記吸込管に形成したことを特徴とするスクロール式流体機械。 - 前記駆動軸には前記固定スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給する前記冷却ファンを設け、前記油冷却フィンと吸込管は、前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って配設し、前記油供給手段の吸込口は前記冷却ファンによる冷却風の上流側に配置する構成としてなる請求項2に記載のスクロール式流体機械。
- 前記吸込口は前記各油冷却フィン間に位置して複数個設け、該複数個の吸込口は前記吸込管の先端に向けて順次開口面積が大きくなるように形成してなる請求項2に記載のスクロール式流体機械。
- 前記吸込管は、前記各油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、前記各油冷却フィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返して設けられ開口端が前記油液供給手段の吸込口となった開口管部とからなり、前記油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に開口する構成としてなる請求項2に記載のスクロール式流体機械。
- 前記開口管部は前記各油冷却フィン間に位置して複数本設けてなる請求項6に記載のスクロール式流体機械。
- 前記開口管部は前記各油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本の開口管部は前記吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなるように形成してなる請求項6に記載のスクロール式流体機械。
- 前記ケーシングには前記油槽の上側に位置して前記駆動軸を回転する電動モータを設け、該電動モータと油槽との間には両者を隔てる隔壁を設けてなる請求項1,2,3,4,5,6,7または8に記載のスクロール式流体機械。
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