JP4298841B2 - スクロール式流体機械 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空気圧縮機、真空ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、スクロール式流体機械は、下部が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となり、前側にスラスト受けが設けられ後側に軸受筒部が設けられたケーシングと、該ケーシングの前側に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングの軸受筒部内を軸方向に延びて設けられた駆動軸と、前記ケーシングの軸受筒部内に配置され、該駆動軸を回転可能に支持する軸受と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回軸受を介して旋回可能に設けられ、鏡板の前面に前記固定スクロールのラップ部と重なり合うラップ部が立設されると共に鏡板の背面が前記スラスト受けに摺接する旋回スクロールと、前記ケーシングに冷却風を供給することによって前記ケーシングを冷却する冷却ファンとによって大略構成されている。
【0003】
また、スクロール式流体機械には、ケーシングの油槽内に溜った油液を旋回軸受等の摺動部位に供給するポンプ手段を備えたものがある(例えば特開平5−44402号公報、特開平5−44668号公報等)。
【0004】
この種の従来技術によるスクロール式流体機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロールを固定スクロールに対して一定の偏心寸法をもって旋回運動させることにより、固定スクロールの外周側に設けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固定スクロールのラップ部と旋回スクロールのラップ部との間に画成される各圧縮室内で順次圧縮し、圧縮流体を固定スクロールの中心部に設けた吐出口から外部に向けて吐出する。
【0005】
また、スクロール式流体機械の運転時には、ポンプ手段がケーシングの油槽内に溜った油液を旋回軸受等の摺動部位に供給し、これらの部位を冷却、潤滑する。さらに、各部を冷却、潤滑した油液は流れ落ちて油槽内に戻る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるスクロール式流体機械によると、ポンプ手段によって旋回軸受等の摺動部位に供給された油液は、各摺動部位を冷却、潤滑して温度上昇した状態でケーシング内部の壁面等を流れて油槽に戻される。しかし、ケーシング内部の壁面は圧縮運転によって高温になっているから、油液は温度上昇したままの状態で油槽に戻される。しかも、油槽には温度上昇した多くの油液が戻されるから、該油槽内の油液全体を冷却することは困難なものとなってしまう。
【0007】
従って、熱によって油液が早期のうちに劣化してしまう上に、軸受等の摺動部位の潤滑、冷却作用が低下してしまい、これらの摺動部位の寿命が短くなるという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、摺動部位を潤滑して温度上昇した油液が油槽に戻る間にこの油液を冷却することができ、油液の早期劣化を防止し、摺動部位の寿命を延ばすことができるようにしたスクロール式流体機械を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のスクロール式流体機械は、下部が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となり、前側にスラスト受けが設けられ後側に軸受筒部が設けられたケーシングと、該ケーシングの前側に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、前記ケーシングの軸受筒部内を軸方向に延びて設けられた駆動軸と、前記ケーシングの軸受筒部内に配置され、該駆動軸を回転可能に支持する軸受と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回軸受を介して旋回可能に設けられ、鏡板の前面に前記固定スクロールのラップ部と重なり合うラップ部が立設されると共に鏡板の背面が前記スラスト受けに摺接する旋回スクロールと、前記ケーシングに冷却風を供給することによって前記ケーシングを冷却する冷却ファンとからなる。
【0010】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み、旋回軸受に向けて供給する油液供給手段と、駆動軸に設けられ、該油液供給手段によって旋回軸受に供給される油液をケーシングの軸受筒部内に流出する油液流出通路とを備えたことにある。
【0011】
このように構成したことにより、油液供給手段によって旋回軸受に向けて供給される油液は、駆動軸に設けられた油液流出通路を通ってケーシングの軸受筒部内に流出し、該軸受筒部に沿って流れ油槽に戻される。ここで、冷却ファンはケーシングに冷却風を供給しているから、軸受筒部に沿って流れる油液をこの冷却風により冷却することができる。また、油液流出通路によって軸受筒部内に油液を流出することにより、油液によって軸受筒部に設けられた軸受を冷却、潤滑することができる。
【0012】
請求項2の発明によると、油液供給手段は、ケーシングのスラスト受けと旋回スクロールとの間に設けられた給油ポンプと、ケーシングに設けられ油槽内の油液を吸込む吸込通路と、旋回スクロールに設けられ、前記給油ポンプから吐出された油液を油液流出通路に導く吐出通路とから構成したことにある。
【0013】
このように構成したことにより、油槽内の油液は、吸込通路から給油ポンプ側に吸込まれ、該給油ポンプから吐出通路側に吐出されるから、油槽内の油液を吸込通路、吐出通路を介して油液流出通路に導くことができる。
【0014】
請求項3の発明によると、油液流出通路は、駆動軸の軸方向に延びて設けられた軸方向通路と、該軸方向通路に連通して駆動軸の径方向に延びて設けられた径方向通路とによって構成したことにある。
【0015】
このように構成したことにより、旋回軸受に供給される油液は、軸方向通路によって駆動軸内を軸方向に流れた後、径方向通路を流れて開口から軸受筒部内に流出するから、油液流出通路で油液を円滑に流通することができる。
【0016】
請求項4の発明によると、冷却ファンの吸気口は、ケーシングの軸受筒部の周囲に開口する構成としたことにある。
【0017】
このように構成したことにより、冷却ファンの吸気口から外気を吸込んだときには、ケーシングの軸受筒部の周囲で積極的に外気を流通することができ、該軸受筒部内の油液を冷却することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、図1ないし図3に従って詳細に説明する。
【0019】
1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成する有底筒状のケーシングで、該ケーシング1は、軸線が水平状態となるように横置きに配置されている。ここで、ケーシング1は、環状の底部1Aと、該底部1Aの外周側から後述の固定スクロール5側に向けて前側に延びた大径筒部1Bと、前記底部1Aの内周側から該大径筒部1Bと反対側に後側に延び、小径筒部をなす軸受筒部1Cと、該軸受筒部1Cの外面から径方向に延びて設けられた3本のリブ1D,1D,…(図3参照)とによって大略構成されている。
【0020】
また、ケーシング1の下側には油槽2が一体的に設けられ、該油槽2はほぼ直方体状の容器をなし、その内部には油液としての潤滑油3を貯えている。さらに、油槽2の底部には、下向きに突出して前,後方向に延びる複数枚の冷却フィン2A,2A,…(1枚のみ図示)が設けられている。
【0021】
4はケーシング1の大径筒部1B前側に設けられた環状のスラスト受けで、該スラスト受け4の内周側には、前側に向けて環状凹部4Aが形成され、該環状凹部4A内には、後述する旋回スクロール10の鏡板10Aが配設されている。そして、スラスト受け4の環状凹部4Aには、前記旋回スクロール10の摺接面10Dが摺接する環状の摺接面4Bが形成され、該摺接面4Bは、旋回スクロール10に作用するスラスト荷重を受承するものである。
【0022】
5はケーシング1のスラスト受け4前側に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール5は、略円板状に形成され中心が後述する駆動軸6の軸線と一致するように配設された鏡板5Aと、該鏡板5Aに立設された渦巻き状のラップ部5Bと、前記鏡板5Aの外周側からラップ部5Bを取囲むように軸方向に突出した筒部5Cと、該筒部5Cの外周側から径方向外側に突出し、スラスト受け4に衝合して取付けられたフランジ部5Dとにより構成されている。
【0023】
6はケーシング1の軸受筒部1C内を軸方向に延びて設けられた駆動軸で、該駆動軸6は、後述の玉軸受7,8によって回転可能に支持され、その基端側には後述のプーリ16が取付けられ、先端側はクランク6Aとなってケーシング1内で旋回スクロール10に連結されている。そして、駆動軸6のクランク6Aは、その軸線が駆動軸6の軸線に対して所定寸法だけ偏心している。また、駆動軸6には後述の潤滑油流出通路26が形成されている。
【0024】
7はケーシング1の軸受筒部1C基端部に設けられた主軸受となる第1の玉軸受、8は軸受筒部1Cの先端部となる奥所に設けられた副軸受となる第2の玉軸受で、第1の玉軸受7と第2の玉軸受8とは駆動軸6の軸方向に間隔をもって配設されている。また、各玉軸受7,8は、駆動軸6を回転可能に支持するもので、給油式の通常の玉軸受として形成されている。
【0025】
9はケーシング1の軸受筒部1Cと後述する旋回スクロール10のボス部10Cとの間に位置して駆動軸6の外周側に設けられたバランスウェイトで、該バランスウェイト9は、駆動軸6から径方向外側に向けて突出し、旋回スクロール10に対して駆動軸6の回転バランスをとるものである。
【0026】
10は固定スクロール5と対向してケーシング1内に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール10は、円板状に形成された鏡板10Aと、該鏡板10Aの前面に軸方向に立設された渦巻き状のラップ部10Bとによって大略構成されている。また、旋回スクロール10には、鏡板10Aの背面側中央にボス部10Cが突設され、該旋回スクロール10は、ボス部10C内に収容された旋回軸受としてのころ軸受11によって駆動軸6のクランク6Aに回転可能に取付けられている。そして、鏡板10Aは、その前面側が固定スクロール5のフランジ部5Dに摺接すると共に、背面側(裏面側)はスラスト受け4に摺接する摺接面10Dとなっている。
【0027】
ここで、旋回スクロール10は、固定スクロール5のラップ部5Bに対し例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部5B,10B間には複数の圧縮室12,12,…が画成される。また、旋回スクロール10とスラスト受け4との間には、自転防止機構を構成するオルダム継手(図示せず)が設けられ、該オルダム継手は、旋回スクロール10が自転するのを防止するものである。
【0028】
そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロール5の外周側に設けた吸込口(図示せず)から外周側の圧縮室12内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール10が旋回運動する間に各圧縮室12内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室12から固定スクロール5の中心に設けた吐出口13を介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0029】
14は油槽2の底部側に接続して画成されたストレーナ収容部、15は該ストレーナ収容部14内に収容されたストレーナで、該ストレーナ15は、油槽2内から吸込まれた潤滑油3に混入した異物を取り除き、清浄な潤滑油3を後述の給油ポンプ25側に供給するものである。
【0030】
16は駆動軸6の基端側に取付けられたプーリで、該プーリ16はVベルトを介して駆動モータ(いずれも図示せず)等に連結されている。また、プーリ16には、後述の冷却ファン17が一体に回転するように取付けられている。
【0031】
17はプーリ16に取付けられた冷却ファンで、該冷却ファン17は、内周側がケーシング1の軸受筒部1C周囲に開口する吸気口17Aとなっている。そして、冷却ファン17は、プーリ16と一緒に回転することにより、後述する第1のダクト18の開口18Aを介して吸気口17Aから吸込んだ外気を、外周側から吐出するシロッコファンとして形成されている。
【0032】
18は冷却ファン17を覆うようにケーシング1の各リブ1Dに取付けられた第1のダクト、19は油槽2の底面側を覆うように第1のダクト18の下流側に接続された第2のダクト、20は第2のダクト10の下流側に接続された第3のダクト、21は固定スクロール5の前面側を覆うように第3のダクト20の下流側に接続された第4のダクトをそれぞれ示している。また、第1のダクト18には、軸受筒部1Cの外周側に位置して外気を吸込むための開口18Aが形成されている。これにより、第1のダクト18の開口18Aから吸込んだ外気は、ダクト18,19,20,21内で流通し、ケーシング1、固定スクロール5側に冷却風として供給される。
【0033】
22は油液供給手段としての潤滑油供給機構で、該潤滑油供給機構22は、後述の吸込通路23、吐出通路24、給油ポンプ25等によって大略構成されている。
【0034】
23はスラスト受け4の径方向に形成された吸込通路で、該吸込通路23は、一端側がストレーナ収容部14の内周面に開口し、他端側が給油ポンプ25の吸込室Aに連通している。
【0035】
また、24は旋回スクロール10の鏡板10Aに径方向に形成された吐出通路で、該吐出通路24は、一端側が給油ポンプ25の油溜め25Gを介して吐出室Bに連通し、他端側がスラスト受け4の摺接面4Bに摺接する摺接面10Dに開口している。また、吐出通路24の中間位置は、旋回スクロール10のボス部10C内に開口している。そして、この吐出通路24は、給油ポンプ25から吐出された潤滑油3を、スラスト受け4の摺接面4Bと旋回スクロール10の摺接面10Dとの間、ボス部10C内のころ軸受11等の摺動部位に供給するものである。
【0036】
25はスラスト受け4と旋回スクロール10との間に位置して設けられた給油ポンプで、該給油ポンプ25は、例えば図2に示す如く、スラスト受け4の摺接面4B側に凹設された旋回子収容凹部25Aと、該旋回子収容凹部25Aから離間してスラスト受け4の摺接面4B側に凹設された凹窪部25Bと、該凹窪部25Bと旋回子収容凹部25Aとの間に位置して前記摺接面4B側に設けられたガイド溝25Cと、旋回スクロール10の摺接面10Dから旋回子収容凹部25Aに向けて突設された旋回子25Dと、旋回スクロール10の摺接面10Dから前記凹窪部25B内に向けて突設された駆動突部25Eと、前記ガイド溝25C内にスライド可能に設けられたスライド板25Fとによって大略構成されている。また、スライド板25Fは、両端側が旋回子25Dと駆動突部25Eとに摺接し、旋回子収容凹部25A内を吸込通路23に連通する吸込室Aと吐出通路24に連通する吐出室Bとに画成している。
【0037】
そして、この給油ポンプ25は、旋回子25D、駆動突部25Eが旋回スクロール10に追従して動き、これに伴ってスライド板25Fがガイド溝25Cに沿ってガイドされることにより、吸込室Aと吐出室Bとをそれぞれ拡大、縮小し、吸込通路23から吸込室A内に吸込んだ潤滑油3を吐出室Bから油溜め25Gを介して吐出通路24に吐出し、摺接面4B,10D、ころ軸受11等に向けて供給するものである。
【0038】
26は駆動軸6に設けられた油液流出通路としての潤滑油流出通路で、該潤滑油流出通路26は、駆動軸6の中心を軸方向に延びて設けられた1本の軸方向通路26Aと、各玉軸受7,8間に位置して駆動軸6の径方向に延びて設けられ、基端側が該軸方向通路26Aに連通し先端側が駆動軸6の周面に開口した複数本の径方向通路26B,26B,…とによって構成されている。また、各径方向通路26Bは、図3に示す如く、周方向にほぼ90度の間隔をもって4本ずつ設けられている。
【0039】
そして、潤滑油流出通路26は、ころ軸受11に向けて潤滑油3を供給するために、潤滑油供給機構22の吐出通路24から旋回スクロール10のボス部10C内に供給される潤滑油3を、軸方向通路26Aで流通し、各径方向通路26Bから軸受筒部1C内に流出するものである。
【0040】
27は第1の玉軸受7の下側近傍に位置してケーシング1の軸受筒部1Cに設けられた油戻し通路で、該油戻し通路27は、駆動軸6に設けられた潤滑油流出通路26から軸受筒部1C内に流出した潤滑油3を油槽2に流下し、該油槽2内に積極的に戻すものである。
【0041】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0042】
まず、駆動モータによって駆動軸6を回転すると、旋回スクロール10は駆動軸6を中心として一定の偏心寸法をもった旋回運動を行い、固定スクロール5のラップ部5Bと旋回スクロール10のラップ部10Bとの間に画成された圧縮室12,12,…が連続的に縮小する。これにより、固定スクロール5の吸込口から吸込んだ外気は、各圧縮室12で順次圧縮されつつ、吐出口13から外部の空気タンク(図示せず)等に向け吐出される。
【0043】
また、スクロール式空気圧縮機の運転時には、給油ポンプ25が作動し、油槽2内の潤滑油3をストレーナ15を介して吸込通路23に吸込み、吐出通路24からスラスト受け4の摺接面4Bと旋回スクロール10の摺接面10Dとの間、ボス部10C内のころ軸受11等に向けて供給する。そして、摺接面4B,10D間を冷却、潤滑した潤滑油3は、摺接面4B,10Dの隙間から流出し、油槽2内に戻される。
【0044】
また、ころ軸受11に供給される潤滑油3およびころ軸受11を冷却、潤滑した潤滑油3は、黒色矢印で示すように、駆動軸6に設けられた潤滑油流出通路26を通ってケーシング1の軸受筒部1C内に流出し、一部の潤滑油3は、軸受筒部1Cに設けられた玉軸受7,8を冷却、潤滑した後に油槽2内に戻され、その他の潤滑油3は油戻し通路27を通って油槽2内に戻される。
【0045】
ここで、圧縮機の運転時には、冷却ファン17によって油槽2、固定スクロール5等に冷却風が供給され、これらを冷却している。この際、冷却ファン17は、ケーシング1の軸受筒部1Cの周囲に形成された開口18Aを介して吸気口17Aから外気を吸入しているから、該軸受筒部1Cの周囲では、図1中に白抜き矢印で示すように、吸気口17Aに向けて空気が積極的に流通する。
【0046】
従って、潤滑油流出通路26から軸受筒部1Cに流出した潤滑油3は、冷却ファン17によって軸受筒部1Cの周囲で流通する外気によって冷却されるから、潤滑油3は十分に冷却された状態で油槽2に戻される。
【0047】
かくして、本実施の形態によれば、駆動軸6には、潤滑油供給機構22によってボス部10C内のころ軸受11に供給される潤滑油3をケーシング1の軸受筒部1C内に流出する潤滑油流出通路26を設けると共に、冷却ファン17の吸気口17Aをケーシング1側に開口して設ける構成としているから、潤滑油流出通路26から軸受筒部1Cに流出した潤滑油3を、冷却ファン17に向けて流れる外気によって冷却することができる。
【0048】
この結果、冷却された潤滑油3を油槽2に戻すことができるから、潤滑油3の温度を低い状態に保持することができ、潤滑油3の劣化を防止することができる。しかも、冷却された潤滑油3をスラスト受け4の摺接面4Bと旋回スクロール10の摺接面10Dとの間、ボス部10C内のころ軸受11、玉軸受7,8等の摺動部位に供給することができ、これらの摺動部位の寿命を延ばし、信頼性を向上することができる。
【0049】
また、潤滑油流出通路26は、駆動軸6の軸方向に延びる軸方向通路26Aと、該軸方向通路26Aから駆動軸6の径方向に延び、該駆動軸6の周面に開口する径方向通路26Bとによって構成し、前記径方向通路26Bを第1の玉軸受7と第2の玉軸受8との間に開口しているから、各玉軸受7,8間のスペースを利用して軸受筒部1Cで潤滑油3を効率よく冷却することができる。
【0050】
また、軸受筒部1Cの奥所に位置する第2の玉軸受8に潤滑油3を供給することができるから、該玉軸受8は、潤滑油を封入するためのシールを有する高価な無給油式の玉軸受とする必要がなく、安価な給油式の玉軸受として形成することができ、コストを低減することができる。
【0051】
また、潤滑油流出通路26の径方向通路26Bを軸方向通路26Aの長さ方向に離間して複数本設ける構成としているから、軸受筒部1Cの内面全体に潤滑油3を広げるように流出することができ、該潤滑油3を効率よく冷却することができる。
【0052】
一方、冷却ファン17の吸気口17Aをケーシング1の軸受筒部1Cの周囲に開口して設けているから、冷却ファン17の開口18Aから外気を吸込んだときには、軸受筒部1Cの周囲で積極的に外気を流通することができ、該軸受筒部1C内の潤滑油3を効果的に冷却することができる。
【0053】
さらに、ケーシング1の軸受筒部1Cに油戻し通路27を設けているから、潤滑油流出通路26から軸受筒部1C内に流出した潤滑油3を該油戻し通路27を通して油槽2に積極的に戻すことができ、潤滑油3の流れを円滑にすることができる。
【0054】
なお、実施の形態では、潤滑油流出通路26の径方向通路26Bを、軸方向通路26Aの長さ方向の4箇所にそれぞれ90度間隔で4本設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、径方向通路26Bの本数、穴径は、スクロール式空気圧縮機の構造、潤滑油3の特性等によって適宜設定することができる。
【0055】
また、実施の形態では、冷却ファン17を遠心ファンとなるシロッコファンとして構成した場合を例示したが、軸流ファン等の他のファンを用いてもよい。
【0056】
また、実施の形態では、ケーシング1と別体にスラスト受け4を設ける構成としたが、本発明はこれに限るものではなく、ケーシングとスラスト受けとを一体に形成してもよい。
【0057】
また、実施の形態では、給油ポンプ25として、旋回スクロール10の旋回運動を利用して潤滑油3を吐出するロータリ式の給油ポンプ25を例示したが、本実施の形態はこのような形式の油圧ポンプに限るものではなく、先に特開平5−44402号公報、特開平5−44668号公報等に記載されたような形式のロータリ式の給油ポンプを用いてもよい。一方、給油ポンプとして圧縮室12から吐出される圧縮空気の一部を利用して潤滑油に圧力を加えることにより、潤滑油を潤滑部位に供給する形式の給油ポンプとしてもよい。
【0058】
さらに、実施の形態では、スクロール式流体機械としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用できる。
【0059】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み、旋回軸受に向けて供給する油液供給手段と、駆動軸に設けられ、該油液供給手段によって旋回軸受に供給される油液をケーシングの軸受筒部内に流出する油液流出通路とを備えているから、油液供給手段によって旋回軸受に向けて供給される油液は、駆動軸に設けられた油液流出通路を通してケーシングの軸受筒部内に流出し、該軸受筒部に沿って流し油槽に戻すことができる。このときに冷却ファンはケーシングに冷却風を供給しているから、軸受筒部に沿って流れる油液をこの冷却風によって冷却することができる。この結果、油液を冷却した状態で油槽に戻すことができ、油液の温度を低い状態に保持して油液の劣化を防止することができる。しかも、スラスト受けと旋回スクロールとの間、旋回軸受に対して冷却された油液を供給できるから、これらの摺動部位の寿命を延ばし、信頼性を向上することができる。
【0060】
請求項2の発明によれば、油液供給手段は、ケーシングのスラスト受けと旋回スクロールとの間に設けられた給油ポンプと、ケーシングに設けられ油槽内の油液を吸込む吸込通路と、旋回スクロールに設けられ、前記給油ポンプから吐出された油液を油液流出通路に導く吐出通路とによって構成しているから、油槽内の油液は、吸込通路から給油ポンプ側に吸込み、該給油ポンプから吐出通路側に吐出することができ、油槽内の油液を吸込通路、吐出通路を介して油液流出通路に確実に導くことができる。
【0061】
請求項3の発明によれば、油液流出通路は、駆動軸の軸方向に延びて設けられた軸方向通路と、該軸方向通路に連通して駆動軸の径方向に延びて設けられた径方向通路とによって構成しているから、旋回軸受に供給される油液は、軸方向通路によって駆動軸内を軸方向に流した後、径方向通路から軸受筒部内に流出することができ、油液流出通路で油液を円滑に流通することができる。
【0062】
請求項4の発明によれば、冷却ファンの吸気口は、ケーシングの軸受筒部の周囲に開口する構成としているから、冷却ファンの吸気口から外気を吸込んだときには、ケーシングの軸受筒部の周囲で積極的に外気を流通することができ、該軸受筒部内の油液を効果的に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】給油ポンプを拡大して示す図1中の矢示II−II方向からみた拡大断面図である。
【図3】ケーシングの軸受筒部、リブ、駆動軸、潤滑油流出通路等を拡大して示す図1中の矢示 III−III 方向からみた横断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
1C 軸受筒部
2 油槽
3 潤滑油(油液)
4 スラスト受け
5 固定スクロール
5A,10A 鏡板
5B,10B ラップ部
6 駆動軸
7 第1の玉軸受
8 第2の玉軸受
10 旋回スクロール
11 ころ軸受(旋回軸受)
17 冷却ファン
17A 吸気口
22 潤滑油供給機構(油液供給手段)
23 吸込通路
24 吐出通路
25 給油ポンプ
26 潤滑油流出通路
26A 軸方向通路
26B 径方向通路
Claims (4)
- 下部が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となり、前側にスラスト受けが設けられ後側に軸受筒部が設けられたケーシングと、
該ケーシングの前側に設けられ、鏡板に渦巻状のラップ部が立設された固定スクロールと、
前記ケーシングの軸受筒部内を軸方向に延びて設けられた駆動軸と、
前記ケーシングの軸受筒部内に配置され、該駆動軸を回転可能に支持する軸受と、
前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回軸受を介して旋回可能に設けられ、鏡板の前面に前記固定スクロールのラップ部と重なり合うラップ部が立設されると共に鏡板の背面が前記スラスト受けに摺接する旋回スクロールと、
前記ケーシングに冷却風を供給することによって前記ケーシングを冷却する冷却ファンとからなるスクロール式流体機械において、
前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み、前記旋回軸受に向けて供給する油液供給手段と、
前記駆動軸に設けられ、該油液供給手段によって前記旋回軸受に供給される油液を前記ケーシングの軸受筒部内に流出する油液流出通路とを備えたことを特徴とするスクロール式流体機械。 - 前記油液供給手段は、前記ケーシングのスラスト受けと旋回スクロールとの間に設けられた給油ポンプと、前記ケーシングに設けられ前記油槽内の油液を吸込む吸込通路と、前記旋回スクロールに設けられ、前記給油ポンプから吐出された油液を前記油液流出通路に導く吐出通路とから構成してなる請求項1に記載のスクロール式流体機械。
- 前記油液流出通路は、前記駆動軸の軸方向に延びて設けられた軸方向通路と、該軸方向通路に連通して前記駆動軸の径方向に延びて設けられた径方向通路とによって構成してなる請求項1または2に記載のスクロール式流体機械。
- 前記冷却ファンの吸気口は、前記ケーシングの軸受筒部の周囲に開口する構成としてなる請求項1,2または3に記載のスクロール式流体機械。
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