JP4699637B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール式圧縮機、スクリュ式圧縮機、ベーン式圧縮機等の圧縮機に関し、特に冷却、潤滑用の油液を溜める油槽が設けられた圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、吸込んだ流体を圧縮して吐出する圧縮手段には、スクロール式、スクリュ式、ベーン式等があり、例えばスクロール式の圧縮手段を備えたスクロール式圧縮機は、下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロール、駆動軸、旋回スクロールからなる圧縮手段とを備えている。また、前記駆動軸の突出端側には、該駆動軸と一体的に回転することにより、前記油槽、圧縮手段に冷却風を供給する冷却ファンが設けられている。
【0003】
また、スクロール式圧縮機には、ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み、該油液を冷却、潤滑を必要とする部位、例えば旋回スクロールと駆動軸との間に設けられた旋回軸受、ケーシングと旋回スクロールとの摺動面等に供給する給油手段を備えたものがある(例えば、特開平5−44402号公報、特開平5−44668号公報等)。
【0004】
この種の従来技術によるスクロール式圧縮機では、電動モータ等によって駆動軸を回転駆動し、旋回スクロールを固定スクロールに対し一定の偏心寸法をもって旋回運動させることにより、吸込口から吸込んだ空気等の流体を固定スクロールと旋回スクロールとの間に画成される圧縮室内で順次圧縮し、吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出する。
【0005】
また、スクロール式圧縮機の運転時には、給油手段が油槽に溜った油液を吸込み、この油液を旋回軸受、摺動面等に給油する。そして、旋回軸受等に給油された油液は、これらを冷却、潤滑した後にケーシング内を流れ落ちて油槽に戻される。
【0006】
さらに、冷却ファンは、油槽の周囲に冷却風を供給しており、各部を冷却して温度上昇した状態で油槽に戻された油液を冷却風によって冷却している。これにより、旋回軸受、摺動面等には、油槽内で冷却された油液を給油手段によって給油している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるスクロール式圧縮機では、旋回軸受、ケーシングと旋回スクロールとの摺動面等を冷却した油液は、旋回スクロールの背面側を流れて油槽に戻される。また、給油手段は、例えば旋回スクロールの旋回動作を利用して油液の吸込動作と吐出動作を行なう構成となっているから、給油手段の吸込口は旋回スクロールの外周側に配置されている。
【0008】
このため、油槽に戻される油液は、給油手段の吸込口近傍に流れ落ちることになる。従って、給油手段は、油槽に戻されたばかりで温度の高い油液を吸込むことになるから、旋回軸受等の冷却効率が低下してしまうという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、油槽に戻された油液を給油手段に吸込まれるまでに効率よく冷却することができ、冷却、潤滑を必要とする部位に冷えた油液を給油できるようにした圧縮機を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による圧縮機は、下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられ吸込んだ流体を圧縮して吐出する圧縮手段と、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油する給油手段と、前記油槽、圧縮手段に向け冷却風を供給する冷却ファンとを備えている。
【0011】
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、ケーシングの長さ方向の一側には圧縮手段と給油手段を配置し、前記ケーシングの長さ方向の他側には冷却ファンと油冷却通路部を配置し、前記給油手段と油冷却通路部との間は管体によって接続する構成としたことにある。
【0012】
このように構成したことにより、油槽内に戻された油液は、油槽内を油冷却通路部側に流れ、該油冷却通路部に設けられた流入口から蛇行通路に流入する。また、蛇行通路は、蛇行して延びているから油液を流出口に向け長い距離を時間をかけて流通し、また冷却ファン側に配置されているから、該冷却ファンの冷却風によって油液を冷却することができる。しかも、ケーシングの長さ方向に離間した油冷却通路部から管体を介して給油手段に油液を流通することができる。そして、油冷却通路部の前記蛇行通路で冷却された油液は、流出口に接続された給油手段の吸込口に流出するから、十分に冷えた油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油することができる。
【0013】
請求項2の発明が採用する構成の特徴は、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油槽はケーシングの長さ方向に延びる油溜め部と該油溜め部の冷却ファン側の開口を閉塞する蓋部とからなり、油冷却通路部は前記蓋部に設けたことにある。
【0014】
このように構成したことにより、油冷却通路部は、油溜め部とは別々に設けられた蓋部を利用し、この蓋部に容易に設けることができる。
【0015】
請求項3の発明によると、油槽の底面側にはケーシングの長さ方向に延びる複数枚の油冷却フィンを設け、油冷却通路部の流入口は該各油冷却フィン間に形成される油路に開口して設ける構成としたことにある。
【0016】
このように構成したことにより、各油冷却フィンは、給油部位から油槽内に戻された油液が該各油冷却フィン間の油路を流れるときに、熱を放出して油液を冷却することができる。そして、油冷却通路部は、各油冷却フィンで冷却された油液を流入口から蛇行通路に流入させることができ、油液を2段階で冷却することができる。
【0019】
請求項4の発明が採用する構成の特徴は、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油冷却通路部には流入口と流出口とを蛇行通路を経由せず直結する直結通路を設けたことにある。
【0020】
このように構成したことにより、例えば油漏れによって油槽内の油液の量が少なくなり、油液の液面レベルが蛇行通路の一部分よりも下がると、蛇行通路は、油冷却通路部の流入口から流入する油液を流出口に流すことができなくなる。このときに、直結通路は前記流入口から流出口に直接的に油液を流すことができるから、給油部位が焼付き等を生じないように油液を給油手段(給油部位)に供給することができる。
【0021】
請求項5の発明が採用する構成の特徴は、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油槽はケーシングの長さ方向に延びる油溜め部と該油溜め部の冷却ファン側の開口を閉塞し油溜め部側が開口した椀状の蓋部とによって形成し、該蓋部内には蛇行通路を形成する蛇行通路形成板を設け、前記蓋部には開口側を閉塞する内蓋を設け、蛇行通路は前記蓋部と蛇行通路形成板と内蓋とによって画成する構成としたことにある。
【0022】
このように構成したことにより、椀状の蓋部内に蛇行通路形成板を設け、該蓋部の開口側を内蓋で閉塞することにより、蓋部と蛇行通路形成板と内蓋とによって蛇行通路を画成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による圧縮機としてスクロール式空気圧縮機を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0024】
まず、図1ないし図3は本発明の第1の実施の形態を示している。1はスクロール式空気圧縮機の外枠を形成するケーシングで、該ケーシング1は、軸線が水平状態となるように横置きに配置されている。そして、ケーシング1は、後述のモータケース2、油槽3およびスラスト受7によって構成され、モータケース2内には後述の電動モータ9が内蔵されている。
【0025】
2はケーシング1のモータケースで、該モータケース2は、ケーシング1の長さ方向となる前,後方向(水平方向)に延び、前端側に環状の底部2Aが一体形成された筒部2Bと、該筒部2Bの後部に取付けられ、該筒部2Bを施蓋する環状の蓋部2Cとによって大略構成されている。また、底部2Aの前側には、後述の軸受13を軸方向に固定するためのリテーナ2Dが取付けられている。
【0026】
3はモータケース2の下部側に設けられた油槽で、該油槽3は、冷却、潤滑用の油液を溜めるものである。ここで、油槽3は、図2、図3に示すように、モータケース2の筒部2Bから下側に延びた左側板4A,右側板4Bおよび該側板4A,4Bの下端を左,右方向に延びて連結した底板4Cからケーシング1の長さ方向に延びた油溜め部4と、該油溜め部4の前側を閉塞する後述のスラスト受7の下側部位と、前記油溜め部4の後側開口を閉塞する後述の蓋部29とによって大略構成されている。
【0027】
5,5,…は油槽3構成する油溜め部4の底板4C上面に設けられた複数枚の油冷却フィンで、該各油冷却フィン5は、油槽3内の油液の熱を外部に逃がし、この油液を冷却するものである。また、各油冷却フィン5は、油液の流れ方向に沿うように前,後方向に延びて上向きに突出し、左,右方向に所定の間隔で並行に配設されている。これにより、各油冷却フィン5間には前,後方向に延びる油路5A,5A,…が形成されている。
【0028】
6,6,…は油溜め部4の底板4C下面に下向きに突出して設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱フィン6は、各油冷却フィン5等から伝わる熱を冷却風中に放出するものである。そして、各放熱フィン6は、後述する冷却ファン27からの冷却風の流通方向に沿って前,後方向に延び、左,右方向に所定の間隔で並行に配設されている。
【0029】
7はケーシング1を構成し、モータケース2の前側に設けられた環状のスラスト受で、該スラスト受7は、モータケース2、油溜め部4の前側に一体的に取付けられている。そして、スラスト受7の内周側には、前側に向けて環状凹部7Aが形成され、該環状凹部7A内には、後述する旋回スクロール16の鏡板16Aが配設されている。そして、スラスト受7の環状凹部7Aには、前記鏡板16Aと摺接する環状の摺接面7Bが形成され、該摺接面7Bは、旋回スクロール16に作用するスラスト荷重を鏡板16Aとの間で受承する構成となっている。
【0030】
また、スラスト受7の下側部位は、油槽3の一部をなすもので、油溜め部4の前側を閉塞する蓋部を構成している。さらに、スラスト受7の下部側には、後述のストレーナ23を収容するストレーナ収容部7Cが設けられている。
【0031】
8はケーシング1の長さ方向の一側となる前側に位置してスラスト受7に設けられた固定スクロールで、該固定スクロール8は、スラスト受7、後述の駆動軸12、旋回スクロール16等と共にスクロール式の圧縮手段を構成している。ここで、固定スクロール8は、円板状に形成され中心が後述する駆動軸12の軸線と一致するように配設された鏡板8Aと、該鏡板8Aの表面に立設された渦巻状のラップ部8Bと、前記鏡板8Aの外周側からラップ部8Bを取囲むように突出した筒部8Cと、該筒部8Cの開口端外周から径方向外側に突出してスラスト受7に固定して取付けられたフランジ部8Dとにより構成されれている。また、固定スクロール8の鏡板8A背面側には、上,下方向に延びる複数の放熱フィン8E,8E(2枚のみ図示)が立設されている。
【0032】
9はケーシング1のモータケース2内に設けられた電動モータで、該電動モータ9は、モータケース2の筒部2B内周側に固定して設けられた固定子10と、該固定子10の内周側に回転可能に配置された回転子11と、後述の駆動軸12とによって構成されている。そして、電動モータ9は、回転子11が駆動軸12の外周側に固定され、外部からの給電によって回転子11が固定子10に対して回転することにより駆動軸12を駆動するものである。
【0033】
12は外周側に回転子11が固定して取付けられた電動モータ9の駆動軸で、該駆動軸12は、ケーシング1内を軸方向(長さ方向)に延びて設けられ、先端側がモータケース2の底部2Aに軸受13を介して回転可能に支持され、基端側が蓋部2Cに軸受14を介して回転可能に支持されている。そして、駆動軸12の先端側には、クランク12Aが軸方向に突出して設けられ、該クランク12Aは、その軸線が駆動軸12の軸線に対して一定寸法だけ偏心している。
【0034】
また、15は駆動軸12のクランク12A外周側に取付けられたバランスウエイトで、該バランスウエイト15は、クランク12Aに取付けられた後述の旋回スクロール16に対して駆動軸12の回転バランスをとるものである。
【0035】
16はケーシング1内で駆動軸12に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該旋回スクロール16は、スラスト受7、固定スクロール8、駆動軸12等と共にスクロール式の圧縮手段を構成している。ここで、旋回スクロール16は、円板状に形成された鏡板16Aと、該鏡板16Aの表面に立設された渦巻状のラップ部16Bとによって大略構成されている。また、旋回スクロール16の鏡板16Aには、その背面中央に位置してボス部16Cが突設され、該ボス部16Cは、旋回軸受17を介して駆動軸12のクランク12Aに回転可能に取付けられている。そして、鏡板16Aは、その前面側が固定スクロール8のフランジ部8Dに摺接すると共に、背面側(裏面側)はスラスト受7に摺接する摺接面16Dとなっている。
【0036】
そして、旋回スクロール16は、固定スクロール8のラップ部8Bに対し例えば180度だけずらして重なり合うように配設され、両者のラップ部8B,16B間には複数の圧縮室18,18,…が画成される。そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロール8の外周側に設けた吸込口(図示せず)から外周側の圧縮室18内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール16が駆動軸12によって旋回運動する間に各圧縮室18内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室18から固定スクロール8の中心に設けた吐出口19を介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0037】
20はスラスト受7と旋回スクロール16との間に摺動可能に設けられたオルダムリングで、該オルダムリング20は、スラスト受7と旋回スクロール16との間で直交する2軸方向にガイドされ、旋回スクロール16の自転を防止するものである。
【0038】
21は油槽3内の油液を冷却、潤滑を必要とする部位、例えばスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等に給油する給油手段としての給油ポンプ装置で、該給油ポンプ装置21は、圧縮手段をなす固定スクロール8、旋回スクロール16等と同じくケーシング1の長さ方向の前側に配設され、後述の吸込通路22、給油ポンプ24、吐出通路25、吸込管26等によって大略構成されている。
【0039】
22はスラスト受7に設けられた吸込通路で、該吸込通路22は、一端側が後述する吸込管26を介して油冷却通路部28の流出側に接続され、他端側は給油ポンプ24の吸込側に連通している。また、吸込通路22の途中には、ストレーナ収容部7C内に位置して油液中に混入した摩耗粉、破片等の異物を捕らえるストレーナ23が設けられている。
【0040】
24はスラスト受7と旋回スクロール16との間に設けられた給油ポンプで、該給油ポンプ24は、例えば本出願人が先に出願した特開2000−249087号公報に記載された給油ポンプとほぼ同様に構成され、旋回スクロール16と一体に動くことにより油槽3内の油液を吸込通路22から吸込みつつ後述の吐出通路25に向けて吐出するものである。
【0041】
25は旋回スクロール16の鏡板16A内部に径方向に延びて設けられた吐出通路で、該吐出通路25は、その一端側が給油ポンプ24の吐出側に連通し、他端側は旋回スクロール16のボス部16C内、スラスト受7の摺接面7Bと旋回スクロール16の摺接面16Dとの間等に開口している。
【0042】
26は油槽3内に設けられた管体としての吸込管で、該吸込管26は、給油ポンプ装置21の吸込口を構成している。ここで、吸込管26は、基端側が吸込通路22に接続され、先端側がクランク状に上側に折れ曲り、その先端部が後述の内蓋33を介して蛇行通路34の流出側通路部34Cに接続されている。
【0043】
27は固定スクロール8等と反対側となるケーシング1の後側に位置して駆動軸12の基端部に設けられた冷却ファンで、該冷却ファン27は、駆動軸12と一体に回転することにより冷却風を発生し、この冷却風を後述のダクト36を介して油槽3、固定スクロール8の外周に向け供給するものである。
【0044】
次に、28はケーシング1の冷却ファン側(後側)に設けられた油冷却通路部で、該油冷却通路部28は、油槽3から給油ポンプ装置21に吸込まれる油液を冷却するものである。そして、油冷却通路部28は、後述の蓋部29、横板30,31,32、内蓋33、蛇行通路34等によって大略構成されている。
【0045】
29は油溜め部4に取付けられた油槽3の一部をなす蓋部で、該蓋部29は、油溜め部4の冷却ファン27側となる後側の開口を閉塞している。また、蓋部29は、図3に示すように、上板29A、下板29B、左側板29C、右側板29Dおよび背板29Eによって油溜め部4側が開口した左,右方向に長尺な椀状に形成されている。
【0046】
30,31,32は蓋部29内に設けられた蛇行通路形成板を構成する1枚または複数枚、例えば3枚の横板で、該各横板30,31,32は、左,右方向に延びて配設されている。ここで、各横板30,31,32は、蓋部29の上板29Aと下板29Bとの間でそれぞれ上,下方向にほぼ同じ間隔をもって配置されている。そして、下側の横板30は、左端が左側板29Cとの間に間隔を有し、右端が右側板29Dに当接している。また、中間の横板31は、左端が左側板29Cに当接し、右端が右側板29Dとの間に間隔を有している。さらに、上側の横板32は、後述の蛇行通路34の上蓋をなすもので左端が左側板29Cに当接し、右端が右側板29Dに当接している。このように各横板30,31,32は、横板30,31を左,右方向にずらして配置することにより、後述の蛇行通路34を形成している。
【0047】
33は蓋部29の開口側を閉塞するように取付けられた内蓋で、該内蓋33は、蓋部29の開口側を覆うことにより、蓋部29、横板30,31,32と共に後述の蛇行通路34を画成するものである。また、内蓋33には、油槽3内の各油冷却フィン5間に形成された油路5Aに開口すると共に、後述する蛇行通路34の流入側通路部34Aに対応する位置に油冷却通路部28の流入口をなす複数本の流入管33A,33A,…が前側に突出して設けられている。また、内蓋33には、蛇行通路34の流出側通路部34Cの最下流部に対応する左端の上側位置に流出口33Bが設けられ、該流出口33Bには給油ポンプ装置21の吸込管26先端が接続されている。
【0048】
34は蓋部29、各横板30,31,32、内蓋33によって画成された蛇行通路で、該蛇行通路34は、蓋部29の下板29Bと下側の横板30との間の下側部分が流入側通路部34Aとなっている。また、下側の横板30と中間の横板31との間が中間通路部34Bとなり、中間の横板31と上側の横板32との間の上側部分が流出側通路部34Cとなっている。そして、蛇行通路34は、図3中に示す矢示の如く、流入側通路部34Aに油液が流入すると、この油液を左側に流通させた後、中間通路部34Bで右側に流通し、さらに上側の流出側通路部34Cで左側に流通させる。これにより、蛇行通路34は、上,下方向に向けて左,右方向に蛇行しており、流入口33Aから流入した油液は、流入側通路部34A、中間通路部34B、流出側通路部34Cを流出口33Bに向け蛇行しながら長い距離を時間をかけて流通することになる。
【0049】
35,35,…は蓋部29から後方および下方に突出して設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱フィン35は、蛇行通路34を流通する油液の熱を冷却風中に放出するものである。そして、各放熱フィン35は、冷却ファン27からの冷却風の流通方向に沿って前,後方向に延び、左,右方向に所定の間隔で並行に配設されている。
【0050】
このように構成された油冷却通路部28は、各油冷却フィン5間を流通して冷却された油液が内蓋33の各流入管33Aから蛇行通路34の流入側通路部34Aに流入すると、この油液を蛇行通路34で流通させることにより、油液の熱を各放熱フィン35から放出してさらに冷却する。また、油冷却通路部28は、冷却ファン27側に配設されているから、該冷却ファン27からの冷却風を各放熱フィン35の周囲で積極的に流通させることができ、油液を効率よく冷却することができる。そして、油冷却通路部28は、十分に冷却された油液を流出側通路部34Cに接続された吸込管26に流出し、給油ポンプ装置21に供給する。
【0051】
なお、36はケーシング1、固定スクロール8、冷却ファン27を上,下方向と前,後方向とから覆うように設けられたダクトで、該ダクト36は、ケーシング1等を上側から覆うように設けられた前,後の上側ダクト36A,36B(図1参照)と、ケーシング1等を下側から覆うように設けられた前,後の下側ダクト36C,36Dとからなり、該ダクト36は、冷却ファン27からの冷却風をケーシング1、油槽3、固定スクロール8等に導き、これらを外側から冷却するものである。
【0052】
本実施の形態によるスクロール式空気圧縮機は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0053】
まず、電動モータ9により駆動軸12を回転させ、旋回スクロール16を旋回させると、固定スクロール8のラップ部8Bと旋回スクロール16のラップ部16Bとの間に画成された圧縮室18,18,…が連続的に縮小する。これにより、固定スクロール8の吸込口から吸込んだ外気を各圧縮室18で順次圧縮しつつ、この圧縮空気を固定スクロール8の吐出口19から外部の空気タンク(図示せず)等に貯留させる。
【0054】
一方、運転時には給油ポンプ装置21の給油ポンプ24が駆動されるから、油槽3内の油液は、油冷却通路部28、吸込管26、吸込通路22を通じて給油ポンプ24内に吸込まれ、吐出通路25からスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等の給油部位に供給される。そして、これらの給油部位を潤滑、冷却した油液は油槽3内に戻される。
【0055】
また、各部を冷却して温度上昇した状態で油槽3内に戻された油液は、各油冷却フィン5間の油路5Aを油冷却通路部28に向け流通する間に、その熱が油冷却フィン5、底板4C、放熱フィン6等を介して冷却ファン27による冷却風に放出される。
【0056】
さらに、各油冷却フィン5間を流通して冷却された油液は、油冷却通路部28の蛇行通路34に流入し蛇行して流通する。これにより、油液の熱は、蛇行通路34の流入側通路部34Aから流出側通路部34Cに流通する間に各放熱フィン35から放出され、さらに冷却される。
【0057】
これにより、給油ポンプ装置21は、油冷却フィン5等によって冷却され、油冷却通路部28でさらに冷却された油液を吸込管26から吸込むことができ、十分に冷却された油液をスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等に給油することができる。
【0058】
かくして、本実施の形態によれば、油槽3には油液が流入する流入側通路部34Aから給油ポンプ装置21に油液を流出する流出側通路部34Cにかけて蛇行して延びる蛇行通路34等からなる油冷却通路部28を設けているので、油槽3内の油冷却フィン5等によって冷却された油液を油冷却通路部28によって2段階で冷却することができる。この結果、給油ポンプ装置21の吸込管26には、十分に冷却された油液を吸込ませることができるから、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等の給油部位に冷えた油液を給油することができる。これにより、各給油部位を確実に冷却することができ、信頼性や寿命を向上することができる。
【0059】
また、油冷却通路部28は、油槽3の蓋部29を利用して設けているから、蛇行通路34を形成する各横板30,31,32を容易に形成することができ、例えば各横板30,31,32を蓋部29と一体成形(鋳造等)によって設けることができ、低コストで製造することができる。
【0060】
さらに、油冷却通路部28は、冷却ファン27の近傍に設けているから、該冷却ファン27からの冷却風によって蛇行通路34を流通する油液を効率よく冷却することができる。しかも、放熱フィン35を設けているから、より一層効率よく油液を冷却することができる。
【0061】
次に、図4および図5は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、油冷却通路部には流入口と流出口とを蛇行通路を経由せず直結する直結通路をたことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0062】
41は本実施の形態による吸込管で、該吸込管41は、基端側が吸込通路22に接続され、先端側が真直ぐに延び、その先端部が後述の内蓋47を介して蛇行通路48の流出側通路部48Dに接続されている。
【0063】
次に、42はケーシング1の冷却ファン側に設けられた本実施の形態による油冷却通路部で、該油冷却通路部42は、後述の蓋部43、横板44,45,46、内蓋47、蛇行通路48、直結通路49等によって大略構成されている。
【0064】
43は油溜め部4に取付けられた蓋部で、該蓋部43は、図5に示すように、上板43A、下板43B、左側板43C、右側板43Dおよび背板43Eによって油溜め部4側が開口した左,右方向に長尺な椀状に形成されている。
【0065】
44,45,46は蓋部43内に設けられた蛇行通路形成板を構成する1枚または複数枚、例えば3枚の横板で、該各横板44,45,46は、左,右方向に延びて配設されている。ここで、各横板44,45,46は、蓋部43の上板43Aと下板43Bとの間でそれぞれ上,下方向にほぼ同じ間隔をもって配置されている。そして、下側の横板44は、左端が左側板43Cとの間に大きな間隔を有し、右端が右側板43Dに当接している。また、中間の横板45は、左端側が左側板43Cと横板44の左端とのほぼ中間部で下向きに屈曲して下板43Bに当接する縦板部45Aとなり、右端が右側板43Dとの間に間隔を有している。さらに、上側の横板46は、上蓋をなすもので左端が左側板43Cに当接し、右端が右側板43Dに当接している。このように各横板44,45,46は、横板44,45を左,右方向にずらして配置することにより、後述の蛇行通路48を形成している。
【0066】
47は蓋部43の開口側を閉塞するように取付けられた内蓋で、該内蓋47は、蓋部43の開口側を覆うことにより、蓋部43、横板44,45,46と共に後述の蛇行通路48を画成するものである。また、内蓋47には、油槽3内の各油冷却フィン5間に形成された油路5Aに開口すると共に、後述する蛇行通路48の流入側通路部48Aに対応する位置に油冷却通路部42の流入口をなす複数本の流入管47A,47A,…が前側に突出して設けられている。また、内蓋47には、蛇行通路48の流出側通路部48Dの最下流部に対応する左端の下側位置に流出口47Bが設けられ、該流出口47Bには給油ポンプ装置21の吸込管41先端が接続されている。
【0067】
48は蓋部43、各横板44,45,46、内蓋47によって画成された蛇行通路で、該蛇行通路48は、蓋部43の下板43Bと下側の横板44との間の下側部分が流入側通路部48Aとなっている。また、下側の横板44と中間の横板45との間が中間通路部48Bとなり、中間の横板45と上側の横板46との間の間が上側通路部48Cとなっている。さらに、上側通路部48Cの左端から蓋部43の左側板43Cと横板45の縦板部45Aとの間を下側に延びた部分が流出側通路部48Dとなっている。
【0068】
そして、蛇行通路48は、図5中に示す矢示の如く、流入側通路部48Aに油液が流入すると、この油液を左側に流通させた後、中間通路部48Bで右側に流通し、さらに上側通路部48Cで左側に流通し、流出側通路部48Dで下側に流通させる。これにより、蛇行通路48は、上,下方向に向けて左,右方向に蛇行しており、流入口47Aから流入した油液は、流入側通路部48A、中間通路部48B、上側通路部48C、流出側通路部48Dを流出口47Bに向け蛇行しながら流通することになる。
【0069】
49は横板45の縦板部45Aに設けられた直結通路で、該直結通路49は、下側の横板44とほぼ同じ高さ位置で、蛇行通路48の中間通路部48B、上側通路部48Cを経由することなく、内蓋47の流入管47A(流入側通路部48A)と流出口47B(流出側通路部48D)とを直結している。また、直結通路49は、流入側通路部48Aから流出側通路部48Dに油液を流通するものであるが、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等の給油部位で焼付きを生じない程度の少量の油液を流通させるもので、蛇行通路48よりも小さな通路面積をもって形成されている。
【0070】
ここで、直結通路49の作用について述べると、例えば油漏れによって油槽3内の油液の量が少なくなり、油液の液面レベルが中間の横板45よりも下がると、蛇行通路48は、横板45,46間の上側通路部48Cで遮断され流出側通路部48Dに油液を流通することができなくなる。そこで、直結通路49は、流入側通路部48Aと流出側通路部48Dとの間を常時連通することにより、油槽3内の液面レベルが下がった場合でも、流入側通路部48Aから流出側通路部48Dに直接的に油液を流すことができる。これにより、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等の給油部位で焼付きが生じるのを防止することができる。
【0071】
また、50,50,…は蓋部43から後方および下方に突出して設けられた複数枚の放熱フィンを示している。
【0072】
かくして、このように構成された本実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態では、内蓋47の流入管47A(流入側通路部48A)と流出口47B(流出側通路部48D)とを直結する直結通路49を設けているから、油漏れ等によって油槽3内の液面レベルが下がり、蛇行通路48を経由しては流出側通路部48Dに油液を供給できなくなった場合でも、直結通路49は流出側通路部48Dに油液を給油することができ、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受17等の焼付きを防止して、寿命を延ばし、信頼性の向上することができる。
【0073】
なお、各実施の形態では、油溜め部4の底板4C上面に複数枚の油冷却フィン5を設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば図6に示す変形例のように、各油冷却フィン5の上側を覆うように長方形状の板体61を設ける構成としてもよい。この場合には、熱を持った上層部の油液と各油冷却フィン5間の油路5Aとを切離し、油路5Aを流通して冷却された油液だけを油冷却通路部28に供給することができるから、油液の冷却効率をより一層高めることができる。
【0074】
また、第1の実施の形態では、油槽3を構成する蓋部29を油冷却通路部28の一部として利用した場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば蓋部と別個に設けられた油冷却通路部を該蓋部内に収容して設ける構成としてもよい。この構成は第2の実施の形態にも適用することができるものである。
【0075】
また、第1の実施の形態では、蓋部29の下板29Bと上側の横板32との間で2枚の横板30,31を左,右方向にずらして配設することにより蛇行通路34を形成した場合を例に挙げて説明したが、これに替えて、例えば2枚の蛇行板によって蛇行通路を形成したり、1枚の板材に切削加工を施すことによって蛇行通路を形成する構成としてもよい。この構成は第2の実施の形態にも適用することができるものである。
【0076】
また、各実施の形態では、給油手段としての給油ポンプ装置21は、旋回スクロール16の旋回動作を利用して給油部位に油液を供給するものとして説明したが、これに替えて、例えば電動モータ等の他の動力源によって駆動されるポンプを給油手段として用いてもよい。
【0077】
また、各実施の形態では、ケーシング1に電動モータ9を内蔵したスクロール式空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば外部の動力源によって駆動軸を回転駆動する形式のスクロール式空気圧縮機に適用してもよい。
【0078】
さらに、各実施の形態では、スクロール式の圧縮手段を備えたスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばスクリュ式圧縮機、ベーン式圧縮機、往復動式圧縮機等の他の圧縮手段を備えた圧縮機に適用してもよい。また、空気圧縮機に替えて例えば真空ポンプ、冷媒圧縮機等にも広く適用することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、冷却、潤滑用の油液を溜める油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記ケーシングの長さ方向の一側には前記圧縮手段と給油手段を配置し、前記ケーシングの長さ方向の他側には前記冷却ファンと油冷却通路部を配置し、前記給油手段と油冷却通路部との間は管体によって接続する構成としている。従って、油冷却通路部は、油槽内に戻された油液を流入口から蛇行通路に流入させ、蛇行通路で油液を流出口に向け長い距離を時間をかけて流通させる。これにより、油冷却通路部は、油液が蛇行通路を流通している間に、この油液を冷却ファンからの冷却風によって効率よく冷却することができる。そして、ケーシングの長さ方向に離間した油冷却通路部から管体を介して給油手段に油液を流通することができる。
【0080】
この結果、油冷却通路部は、蛇行通路で冷却された油液を流出側通路部から管体を介して給油手段の吸込口に流出することにより、十分に冷えた油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油することができるから、給油部位を確実に冷却することができ、信頼性や寿命を向上することができる。
【0081】
請求項2の発明によれば、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油槽はケーシングの長さ方向に延びる油溜め部と該油溜め部の冷却ファン側の開口を閉塞する蓋部とからなり、油冷却通路部は前記蓋部に設けているので、油冷却通路部は、油溜め部とは別々に設けられた蓋部を利用し、この蓋部に容易に設けることができる。
【0082】
請求項3の発明によれば、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油槽の底面側にはケーシングの長さ方向に延びる複数枚の油冷却フィンを設け、油冷却通路部の流入口は該各油冷却フィン間に形成される油路に開口して設ける構成としている。従って、各油冷却フィンは、給油部位から油槽内に戻された油液が該各油冷却フィン間の油路を流れるときに、熱を放出して油液を冷却することができる。そして、油冷却通路部は、各油冷却フィンで冷却された油液を流入口から蛇行通路に流入させることができるから、油液を2段階で冷却することができ、冷却効率をより一層向上することができる。
【0084】
請求項4の発明によれば、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油冷却通路部には流入口と流出口とを蛇行通路を経由せず直結する直結通路を設けている。これにより、例えば油漏れによって油槽内の油液の量が少なくなり、油液の液面レベルが蛇行通路の一部分よりも下がると、蛇行通路は、油冷却通路部の流入口から流入する油液を流出口に流すことができなくなる。しかし、直結通路は前記流入口から流出口に直接的に油液を流すことができるから、給油部位が焼付き等を生じないように油液を給油手段(給油部位)に給油することができ、寿命を延ばし、信頼性を向上することができる。
【0085】
請求項5の発明によれば、油槽には、給油手段に吸込まれる油液を冷却するために冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は油槽内に開口し、流出口は給油手段の吸込口に接続する構成とし、前記油槽はケーシングの長さ方向に延びる油溜め部と該油溜め部の冷却ファン側の開口を閉塞し油溜め部側が開口した椀状の蓋部とによって形成し、該蓋部内には蛇行通路を形成する蛇行通路形成板を設け、前記蓋部には開口側を閉塞する内蓋を設け、蛇行通路は前記蓋部と蛇行通路形成板と内蓋とによって画成する構成としている。これにより、椀状の蓋部内に蛇行通路形成板を設け、該蓋部の開口側を内蓋で閉塞することにより、蓋部と蛇行通路形成板と内蓋とによって蛇行通路を簡単に画成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に適用されるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】スクロール式空気圧縮機を図1中の矢示II−II方向からみた横断面図である。
【図3】油槽の油溜め部、油冷却通路部の蓋部、横板、内蓋等を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に適用されるスクロール式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図5】油槽の油溜め部、油冷却通路部の蓋部、横板、内蓋、直結通路等を拡大して示す分解斜視図である。
【図6】本発明の変形例による油槽を図3と同様位置からみた分解斜視図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 油槽
4 油溜め部
4C 底板
5 油冷却フィン
7 スラスト受(圧縮手段)
8 固定スクロール(圧縮手段)
12 駆動軸(圧縮手段)
16 旋回スクロール(圧縮手段)
21 給油ポンプ装置(給油手段)
26,41 吸込管(吸込口)
27 冷却ファン
28,42 油冷却通路部
29,43 蓋部
30,31,32,44,45,46 横板
33,47 内蓋
33A,47A 流入管(流入口)
33B,47B 流出口
34,48 蛇行通路
35,50 放熱フィン
49 直結通路
Claims (5)
- 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられ吸込んだ流体を圧縮して吐出する圧縮手段と、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油する給油手段と、前記油槽、圧縮手段に向け冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなる圧縮機において、
前記油槽には、前記給油手段に吸込まれる油液を冷却するために前記冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は前記油槽内に開口し、流出口は前記給油手段の吸込口に接続する構成とし、
前記ケーシングの長さ方向の一側には前記圧縮手段と給油手段を配置し、前記ケーシングの長さ方向の他側には前記冷却ファンと油冷却通路部を配置し、
前記給油手段と油冷却通路部との間は管体によって接続する構成としたことを特徴とする圧縮機。 - 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられ吸込んだ流体を圧縮して吐出する圧縮手段と、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油する給油手段と、前記油槽、圧縮手段に向け冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなる圧縮機において、
前記油槽には、前記給油手段に吸込まれる油液を冷却するために前記冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は前記油槽内に開口し、流出口は前記給油手段の吸込口に接続する構成とし、
前記油槽は前記ケーシングの長さ方向に延びる油溜め部と該油溜め部の冷却ファン側の開口を閉塞する蓋部とからなり、
前記油冷却通路部は前記蓋部に設ける構成としたことを特徴とする圧縮機。 - 前記油槽の底面側には前記ケーシングの長さ方向に延びる複数枚の油冷却フィンを設け、前記油冷却通路部の流入口は該各油冷却フィン間に形成される油路に開口して設ける構成としてなる請求項1または2に記載の圧縮機。
- 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられ吸込んだ流体を圧縮して吐出する圧縮手段と、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油する給油手段と、前記油槽、圧縮手段に向け冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなる圧縮機において、
前記油槽には、前記給油手段に吸込まれる油液を冷却するために前記冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は前記油槽内に開口し、流出口は前記給油手段の吸込口に接続する構成とし、
前記油冷却通路部には前記流入口と流出口とを前記蛇行通路を経由せず直結する直結通路を設ける構成としたことを特徴とする圧縮機。 - 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられ吸込んだ流体を圧縮して吐出する圧縮手段と、前記ケーシングの油槽内に溜った油液を吸込み該油液を冷却、潤滑を必要とする部位に給油する給油手段と、前記油槽、圧縮手段に向け冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなる圧縮機において、
前記油槽には、前記給油手段に吸込まれる油液を冷却するために前記冷却ファン側に位置して蛇行して延びる蛇行通路からなる油冷却通路部を設け、該油冷却通路部の流入口は前記油槽内に開口し、流出口は前記給油手段の吸込口に接続する構成とし、
前記油槽は前記ケーシングの長さ方向に延びる油溜め部と該油溜め部の冷却ファン側の開口を閉塞し油溜め部側が開口した椀状の蓋部とによって形成し、
該蓋部内には蛇行通路を形成する蛇行通路形成板を設け、
前記蓋部には開口側を閉塞する内蓋を設け、
前記蛇行通路は前記蓋部と蛇行通路形成板と内蓋とによって画成する構成としたことを特徴とする圧縮機。
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