JP2002130161A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2002130161A JP2000333023A JP2000333023A JP2002130161A JP 2002130161 A JP2002130161 A JP 2002130161A JP 2000333023 A JP2000333023 A JP 2000333023A JP 2000333023 A JP2000333023 A JP 2000333023A JP 2002130161 A JP2002130161 A JP 2002130161A
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和孝 末藤
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Yasuhiro Yamamoto
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Yuji Komai
裕二 駒井
Toshikazu Harashima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油液供給手段が油中の異物を吸込むのを防止
し、冷却、潤滑を必要とする部位の寿命を延ばす。 【解決手段】 油槽4の底板4Bは、吸込管25の吸込
口と反対側の右側に向けて漸次下向きに傾斜させて設
け、この底板4Bの右側部分には異物収容凹部6を設け
る構成としている。これにより、油液5に混入して底板
4B上に堆積した摩耗粉、破片等の異物は、異物収容凹
部6内に収容することができ、油液供給装置による異物
の吸込みを防止することができる。また、油液5を吸込
む吸込管25は、その吸込口を油槽4の底板4Bよりも
高い位置に開口している。これにより、吸込管25が底
板4B上に堆積した異物を吸込むのを防止することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧縮機、真空
ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、下部
側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となったケーシン
グと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、前
記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、前記ケ
ーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ固
定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成する旋回スク
ロールとを備えたものが知られている。
【0003】また、スクロール式流体機械には、ケーシ
ングの油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み、該油液
を冷却、潤滑を必要とする部位、例えば旋回スクロール
と駆動軸との間に設けられた旋回軸受、ケーシングと旋
回スクロールとの摺動面等に供給する油液供給手段を備
えたものがある(例えば、特開平5−44402号公
報、特開平5−44668号公報等)。
【0004】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械では、電動モータ等によって駆動軸を回転駆動し、
旋回スクロールを固定スクロールに対し一定の偏心寸法
をもって旋回運動させることにより、固定スクロールの
外周側に設けた吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、
この流体を固定スクロールと旋回スクロールとの間に画
成される圧縮室内で順次圧縮し、固定スクロールの中心
部に設けた吐出口から圧縮流体を外部に向けて吐出す
る。
【0005】また、スクロール式流体機械の運転時に
は、油液供給手段が油槽に溜った油液を吸込み、この油
液を旋回軸受、摺動面等に供給する。そして、旋回軸受
等に供給された油液は、これらを冷却、潤滑した後にケ
ーシング内を流れ落ちて油槽に戻される。
【0006】さらに、スクロール式流体機械は、駆動軸
に冷却ファンを設けている。そして、冷却ファンは、駆
動軸と一緒に回転駆動されることにより、外気を冷却風
として吸込み、この冷却風を油槽側に供給することによ
り、各部を冷却して温度上昇した油槽内の油液を冷却し
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、摺動部分から
発生した摩耗粉や破片が油槽内の油液中に混入すること
があるために、油液供給手段の吸込側には異物を除去す
るストレーナを設ける構成としている。
【0008】しかし、このような異物には微細なものが
あり、微細な異物はストレーナを通過してしまう。そし
て、ストレーナを通過した異物は、油液と一緒に旋回軸
受等に供給されるから、この異物によって旋回軸受等が
偏摩耗等を生じてしまうという問題がある。
【0009】また、油槽内に溜った油液のうち、温度の
高いものは上層部分に、温度の低いものは下層部分に溜
る。従って、冷却ファンからの冷却風はケーシングの底
面を介して温度の低くなっている下層部分の油液を冷却
しているだけであるから、実際に冷却を必要とする上層
部分の油液を冷却することができないという問題があ
る。
【0010】また、旋回軸受、ケーシングと旋回スクロ
ールとの摺動面等を冷却した油液は、旋回スクロールの
背面側を流れて油槽に戻される。また、油液供給手段
は、例えば旋回スクロールの旋回動作を利用して油液の
吸込動作と吐出動作を行なう構成となっており、旋回ス
クロールの外周側近傍に配置されている。このため、油
槽に戻される油液は、油液供給手段の吸込口近傍に流れ
落ちることになる。従って、油液供給手段は、油槽に戻
されたばかりで温度の高い油液を吸込むことになるか
ら、旋回軸受等の冷却効率が低下してしまうという問題
がある。
【0011】一方、使用される地域、例えば関東と関西
とでは電圧が同じでも周波数が異なるから、スクロール
式流体機械を使用した場合に電動モータの回転数が異な
ることがある。従って、関東地域用に設計されたスクロ
ール式流体機械を関西地域で使用したときには、モータ
の回転数が高くなるから、冷却ファンの騒音が増大して
しまうという問題がある。同様にして、スクロール式流
体機械の出力が異なる場合には、同形状の冷却ファンを
共用すると、それぞれのスクロール式流体機械に適した
冷却風を供給することができないから、油液の冷却効率
の低下、騒音の増大等を招いてしまうという問題があ
る。
【0012】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、油液供給手段が油中の
異物を吸込むのを防止し、冷却、潤滑を必要とする部位
の寿命を延ばすことができるようにしたスクロール式流
体機械を提供することにある。
【0013】また、本発明の他の目的は、油槽内の油液
を全体に亘って効率よく冷却することができ、冷えた油
液を冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができ
るようにしたスクロール式流体機械を提供することにあ
る。
【0014】さらに、本発明の他の目的は、駆動軸の回
転数、出力等が異なる場合でも、1種類の冷却ファンを
共用することができるようにしたスクロール式流体機械
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるス
クロール式流体機械は、下部側が冷却、潤滑用の油液を
溜める油槽となったケーシングと、該ケーシングに設け
られた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に
設けられた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先
端側に旋回可能に設けられ固定スクロールとの間に複数
の圧縮室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシング
の油槽内に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷
却、潤滑を必要とする部位に供給する油液供給手段とを
備えている。
【0016】そして、上述した課題を解決するために、
請求項1の発明が採用する構成の特徴は、油槽の底面側
には異物収容凹部を設け、油液供給手段の吸込口は油槽
の底面よりも高い位置で、かつ前記異物収容凹部から離
れた位置に開口して設けたことにある。
【0017】このように構成したことにより、油槽内の
油中に混入した摩耗粉、破片等の異物は、油液供給手段
の吸込口と離れた位置に設けられた異物収容凹部内に収
容することができるから、吸込口の周囲から異物を排除
することができ、吸込口から異物が吸込まれるのを防止
することができる。しかも、油液供給手段の吸込口は、
油槽の底面よりも高い位置に設けられているから、これ
によっても吸込口が底面上の異物を吸込むのを防止する
ことができる。
【0018】請求項2の発明によると、油槽の底面は、
油液供給手段の吸込口から異物収容凹部に向けて下向き
に傾斜させる構成としたことにある。これにより、油槽
の底面に堆積した異物は、運転時の振動等により底面の
傾斜に沿って移動されるから、該異物を自動的に異物収
容凹部に収容することができる。
【0019】請求項3の発明によると、駆動軸には固定
スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周
に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油槽内には油液
供給手段の吸込側を構成する吸込管を設け、油液供給手
段の吸込口は前記油槽内で前記冷却ファンによる冷却風
の上流側に位置して前記吸込管に形成したことにある。
【0020】このように構成したことにより、油槽内で
冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷却ファ
ンからの冷却風によって油液が効率よく冷却されるか
ら、油液供給手段は、吸込管に形成された吸込口から油
液を吸込むことにより、冷えた油液を旋回スクロールと
駆動軸との間に設けられた旋回軸受、ケーシングと旋回
スクロールとの摺動面等の冷却、潤滑を必要とする部位
に供給することができる。
【0021】請求項4の発明によるスクロール式流体機
械は、下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽となっ
たケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スクロ
ールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸
と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能に
設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成す
る旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に向けて冷
却風を供給する冷却ファンとを備えたことにある。
【0022】そして、上述した課題を解決するために、
請求項4の発明が採用する構成の特徴は、油槽には冷却
ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通
路を設けたことにある。
【0023】このように構成したことにより、冷却ファ
ンが駆動されると、この冷却風は冷却風通路に沿って流
れるから、該冷却風通路を流れる冷却風によって油槽内
の油液を冷却することができる。
【0024】請求項5の発明によると、油槽の底面には
冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数
本の凹凸溝を設け、冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形
成したことにある。
【0025】このように構成したことにより、凹凸溝の
溝間に形成された冷却風通路は、油槽内の油液中に入り
込んだ位置で冷却風を流通することができるから、冷却
風通路を流通する冷却風によって上層部分の高温な油液
を冷却することができる。
【0026】請求項6の発明によると、油槽の底面には
冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数
本の凹凸溝を設け、冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形
成し、該凹凸溝間には冷却風通路に突出する放熱フィン
を設けたことにある。
【0027】このように構成したことにより、凹凸溝の
溝間に形成された冷却風通路は、油槽内の油液中に入り
込んだ位置で冷却風を流通することができるから、冷却
風通路を流通する冷却風によって上層部分の高温な油液
を冷却することができる。しかも、放熱フィンによって
も油液を冷却することができる。
【0028】請求項7の発明によると、油槽には冷却フ
ァンからの冷却風の流れ方向に沿って油槽内を貫通する
冷却管を設け、冷却風通路は該冷却管によって形成した
ことにある。
【0029】このように構成したことにより、油槽内を
貫通した冷却管に形成された冷却風通路は、油槽内の油
液中に入り込んだ位置で冷却風を流通することができる
から、冷却管の冷却風通路を流通する冷却風によって上
層部分の高温な油液を冷却することができる。
【0030】請求項8の発明が採用する構成の特徴は、
油槽の底面には油液中に突出し互いに並行して延びる複
数枚の油冷却フィンを設け、油槽内には油液供給手段の
吸込側を構成する吸込管を該各油冷却フィンに沿って設
け、油液供給手段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形
成したことにある。
【0031】このように構成したことにより、油槽内の
油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿って
流通し、吸込管の先端部に形成された吸込口から吸込ま
れるから、各油冷却フィン間を流れている間に油液を冷
却することができる。
【0032】請求項9の発明によると、駆動軸には固定
スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周
に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油冷却フィンと
吸込管は該冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って
配設し、油供給手段の吸込口は前記冷却ファンによる冷
却風の上流側に配置する構成としたことにある。
【0033】このように構成したことにより、油槽内の
油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿って
冷却ファンによる冷却風の上流側に向けて流通し、この
冷却風の上流側位置で吸込管の先端部に形成された吸込
口から吸込まれる。ここで、油槽内で冷却ファンによる
冷却風の上流側位置では、該冷却ファンからの冷却風に
よって油液が効率よく冷却されるから、油液供給手段
は、冷えた油液を吸込管に形成された吸込口から吸込ん
で冷却、潤滑を必要とする部位に供給することができ
る。
【0034】請求項10の発明によると、吸込口は各油
冷却フィン間に位置して複数個設け、該複数個の吸込口
は吸込管の先端に向けて順次開口面積が大きくなるよう
に形成したことにある。
【0035】このように構成したことにより、最も油液
の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側
の吸込口で、油液を吸込むときの抵抗を小さくすること
ができ、一方、最も油液の流通距離が短く、流通すると
きの抵抗が小さい基端側の吸込口で、油液を吸込むとき
の抵抗を大きくすることができる。これにより、各吸込
口は、各油冷却フィン間からほぼ均等に油液を吸込むこ
とができる。
【0036】請求項11の発明によると、吸込管は、各
油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、各油冷却フ
ィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返して設け
られ開口端が油液供給手段の吸込口となった開口管部と
からなり、油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に
開口する構成としたことにある。
【0037】このように構成したことにより、開口管部
の開口端に形成された吸込口は、各油冷却フィン間に侵
入した位置に開口しているから、各油冷却フィン間から
のみ油液を吸込むことができ、該各油冷却フィン間で油
液を確実に流通して該油液を効率よく冷却することがで
きる。
【0038】請求項12の発明によると、開口管部は各
油冷却フィン間に位置して複数本設けたことにある。
【0039】このように構成したことにより、複数本の
開口管部は、複数枚の油冷却フィン間からそれぞれ油液
を吸込むことができ、各油冷却フィン間で油液を積極的
に流通することができる。
【0040】請求項13の発明によると、開口管部は各
油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本の開
口管部は吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなる
ように形成したことにある。
【0041】このように構成したことにより、最も油液
の流通距離が長く、流通するときの抵抗が大きい先端側
の開口管部で、油液を吸込むときの抵抗を小さくするこ
とができ、一方、最も油液の流通距離が短く、流通する
ときの抵抗が小さい基端側の開口管部で、油液を吸込む
ときの抵抗を大きくすることができる。これにより、各
開口管部に形成された吸込口は、各油冷却フィン間から
ほぼ均等に油液を吸込むことができる。
【0042】請求項14の発明によるスクロール式流体
機械は、下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油槽とな
ったケーシングと、該ケーシングに設けられた固定スク
ロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動
軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回可能
に設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮室を画成
する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に向けて
冷却風を供給する冷却ファンと、前記ケーシングと冷却
ファンとを囲んで設けられ前記冷却ファンにより外部か
ら吸込んだ冷却風を固定スクロール側と油槽側とに導く
ダクトとを備えている。
【0043】そして、上述した課題を解決するために、
請求項12の発明が採用する構成の特徴は、ダクトの吸
気側には冷却ファンの回転によって生じる冷却風の風量
を調整する風量調整手段を設けたことにある。
【0044】このように構成したことにより、例えば、
駆動軸の定常回転数、出力が異なる複数種類の流体機械
に対して同じ冷却ファンを取付けた場合でも、風量調整
手段によってダクトの吸気口から吸込まれる冷却風の風
量を調整することにより、1種類の冷却ファンを複数種
類の流体機械で共用することができる。
【0045】請求項15の発明によると、風量調整手段
は、ダクトの吸気側に交換可能に設けられた吸込抵抗の
異なる複数種類のフィルタによって構成したことにあ
る。これにより、フィルタを交換して冷却風の吸込抵抗
を調整することによって、冷却風の風量を駆動軸の定常
回転数、出力に対応させることができる。また、フィル
タによって冷却ファンの作動音を低減することができ
る。
【0046】請求項16の発明によると、風量調整手段
は、ダクトの一部をなして冷却ファンの周囲に交換可能
に設けられ冷却風を吸込む吸気口の開口面積が異なる複
数種類の吸気側ダクトによって構成したことにある。
【0047】このように構成したことにより、吸気側ダ
クトを吸気口の開口面積が異なる他の吸気側ダクトに交
換して冷却風の吸込抵抗を調整することによって、冷却
風の風量を駆動軸の定常回転数、出力に対応させること
ができる。
【0048】請求項17の発明によると、ケーシングに
は油槽の上側に位置して駆動軸を回転する電動モータを
設け、該電動モータと油槽との間には両者を隔てる隔壁
を設けたことにある。これにより、隔壁によって電動モ
ータを油液から保護することができる。また、油液が電
動モータに接触して温度上昇するのを防止することがで
きる。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械としてスクロール式空気圧縮機を
例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0050】まず、図1ないし図6は本発明の第1の実
施の形態を示している。1はスクロール式空気圧縮機の
外枠を形成する有底筒状のケーシングで、該ケーシング
1は、軸線が水平状態となるように横置きに配置されて
いる。そして、ケーシング1は、モータケース2、油槽
4およびスラスト受7によって構成され、モータケース
2内には後述の電動モータ9が内蔵されている。
【0051】2はケーシング1のモータケース2で、該
モータケース2は、図2に示す如く、前,後方向(水平
方向)に延び、前端側に環状の底部2Aが一体形成され
た筒部2Bと、該筒部2Bの後端側に設けられ、この筒
部2Bを施蓋する環状の蓋部2Cとによって大略構成さ
れている。また、底部2Aの前端側には後述の玉軸受1
4を固定するためのリテーナ2Dが設けられている。さ
らに、蓋部2Cの内周側には、後述の駆動軸12との間
を液密にシールするシールリング2Eが嵌着されてい
る。
【0052】ここで、モータケース2の底部2A、筒部
2Bの下側部分は、図3に示すように、電動モータ9と
油槽4との間を上,下に隔てるほぼ半円弧状の隔壁3と
なっている。そして、隔壁3は、油槽4内の油液5と電
動モータ9とを隔てることにより、電動モータ9の劣
化、電動モータ9による油液5の温度上昇等を防止する
ものである。
【0053】4はモータケース2の下部側に位置してケ
ーシング1に設けられた油槽で、該油槽4は、モータケ
ース2の筒部2B後端から下方に延びた後板4Aと、該
後板4Aの下端から前方へとケーシング1の長さ方向
(軸方向)に延びた底板4Bと、該底板4Bとモータケ
ース2の筒部2Bとの間に位置して後板4Aの左,右両
端から前方に延びた左側板4C、右側板4Dと、後述す
るスラスト受7の一部分等とによって有底の箱体として
形成されている。そして、油槽4内には油液5が溜めら
れている。
【0054】ここで、油槽4の底板4Bは、図2、図5
に示す如く、後側から前側に向けて漸次下向きに傾斜
し、かつ図3、図5に示す如く、後述する油液供給装置
20の吸込管25が設けられた左側から後述の異物収容
凹部6が設けられた右側に向けて漸次下向きに傾斜して
いる。従って、運転時には、底板4B上に堆積した摩耗
粉、破片等の異物を振動によって吸込管25の吸込口2
5Aから最も離間した前部右側に移動することができ
る。
【0055】6は油槽4に設けられた本実施の形態によ
る異物収容凹部で、該異物収容凹部6は、油槽4の底板
4Bで低い位置となる右側部分に凹陥して形成されてい
る。そして、異物収容凹部6は、油液5に混入した摩耗
粉、破片等の異物を収容し、旋回軸受16等に異物が供
給されるのを防止している。
【0056】7はケーシング1のモータケース2前端側
に設けられた環状のスラスト受で、該スラスト受7は、
モータケース2、油槽4の前端側に一体的に取付けられ
ている。そして、スラスト受7の内周側には、前側に向
けて環状凹部7Aが形成され、該環状凹部7A内には、
後述する旋回スクロール15の鏡板15Aが配設されて
いる。そして、スラスト受7の環状凹部7Aには、前記
鏡板15Aと摺接する環状の摺接面7Bが形成され、該
摺接面7Bは、旋回スクロール15に作用するスラスト
荷重を鏡板15Aとの間で受承する構成となっている。
【0057】8はケーシング1のスラスト受7前側に設
けられた固定スクロールで、該固定スクロール8は、略
円板状に形成され中心が後述する駆動軸12の軸線と一
致するように配設された鏡板8Aと、該鏡板8Aの表面
に立設された渦巻状のラップ部8Bと、前記鏡板8Aの
外周側からラップ部8Bを取囲むように軸方向に突出し
た筒部8Cと、該筒部8Cの外周側から径方向外側に突
出し、スラスト受7に衝合して取付けられたフランジ部
8Dとによって構成されている。また、固定スクロール
8の鏡板8A背面側には、前側に突出して上,下方向に
延びる複数枚の放熱フィン8E,8E,…が設けられて
いる。
【0058】9はケーシング1のモータケース2内に設
けられた電動モータで、該電動モータ9は、モータケー
ス2の筒部2B内周側に固定して設けられた固定子10
と、該固定子10の内周側に回転可能に配置された回転
子11と、後述の駆動軸12とによって構成され、前記
回転子11は駆動軸12の外周側に固定して取付けられ
ている。そして、電動モータ9は、外部からの給電によ
って回転子11が固定子10に対して回転することによ
り、駆動軸12を駆動するものである。
【0059】12は電動モータ9の駆動軸で、該駆動軸
12は、基端側(後端側)がモータケース2の蓋部2C
に玉軸受13を介して支持され、先端側(前端側)は底
部2Aに玉軸受14を介して支持されている。そして、
この駆動軸12の先端側は、モータケース2の底部2A
から突出してクランク12Aとなり、該クランク12A
は、その軸線が駆動軸12の軸線に対して一定寸法だけ
偏心している。
【0060】15はケーシング1内で電動モータ9の駆
動軸12に旋回可能に設けられた旋回スクロールで、該
旋回スクロール15は、円板状に形成された鏡板15A
と、該鏡板15Aの表面側から軸方向に立設された渦巻
状のラップ部15Bとによって大略構成されている。ま
た、旋回スクロール15の鏡板15Aには、その背面側
の中央にボス部15Cが突設され、該ボス部15Cは旋
回軸受16を介して駆動軸12のクランク12Aに回転
可能に取付けられている。そして、鏡板15Aは、その
前面側が固定スクロール8のフランジ部8Dに摺接する
と共に、背面側(裏面側)はスラスト受7に摺接する摺
接面15Dとなっている。
【0061】そして、旋回スクロール15は、固定スク
ロール8のラップ部8Bに対し例えば180度だけずら
して重なり合うように配設され、両者のラップ部8B,
15B間には、複数の圧縮室17,17,…が画成され
る。そして、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固
定スクロール8の外周側に設けた吸込口(図示せず)か
ら外周側の圧縮室17内に空気を吸込みつつ、この空気
を旋回スクロール15が旋回運動する間に各圧縮室17
内で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室17から固定ス
クロール8の中心に設けた吐出開口18、後述の吐出パ
イプ31を介して外部に圧縮空気を吐出する。
【0062】19はスラスト受7と旋回スクロール15
との間に摺動可能に設けられたオルダムリングで、該オ
ルダムリング19は、旋回スクロール15が旋回運動す
るときに、旋回スクロール15の背面側で互いに直交す
る2軸方向に摺動し、この旋回スクロール15の自転を
防止するものである。
【0063】20は油槽4内の油液5を冷却、潤滑を必
要とする部位、例えばスラスト受7の摺接面7B、旋回
軸受16等に供給する油液供給手段としての油液供給装
置で、該油液供給装置20は、後述の吸込通路21、吐
出通路22、給油ポンプ23、ストレーナ24、吸込管
25等によって大略構成されている。
【0064】21はスラスト受7の径方向に形成された
吸込通路で、該吸込通路21は、一端側が油槽4に後向
きに開口し、他端側が給油ポンプ23の吸込室Aに連通
している。また、吸込通路21の一端側には、後述する
ストレーナ24を収容するストレーナ収容部21Aが拡
径して形成されている。
【0065】22は旋回スクロール15の鏡板15Aに
径方向に形成された吐出通路で、該吐出通路22は、一
端側が給油ポンプ23の油溜め23Gを介して吐出室B
に連通し、他端側が旋回スクロール15のボス部15C
等に開口している。
【0066】23はスラスト受7と旋回スクロール15
との間に位置して設けられた給油ポンプで、該給油ポン
プ23は、例えば図6に示す如く、スラスト受7の摺接
面7B側に凹設された旋回子収容凹部23Aと、該旋回
子収容凹部23Aから離間してスラスト受7の摺接面7
Bに凹設された凹窪部23Bと、該凹窪部23Bと旋回
子収容凹部23Aとの間に位置して前記摺接面7B側に
設けられたガイド溝23Cと、旋回スクロール15の摺
接面15Dから旋回子収容凹部23Aに向けて突設され
た旋回子23Dと、旋回スクロール15の摺接面15D
から前記凹窪部23B内に向けて突設された駆動突起2
3Eと、前記ガイド溝23C内にスライド可能に設けら
れたスライド板23Fとによって大略構成されている。
また、スライド板23Fは、両端側が旋回子23Dと駆
動突起23Eとに摺接し、旋回子収容凹部23A内を吸
込通路21に連通する吸込室Aと吐出通路22に連通す
る吐出室Bとに画成している。
【0067】また、24は吸込通路21のストレーナ収
容部21A内に収容されたストレーナで、該ストレーナ
24は、吸込通路21に油槽4内の油液5を吸込むとき
に、この油液5に混入した摩耗粉、破片等の異物を捕え
るものである。
【0068】25は油槽4内に設けられた吸込管で、該
吸込管25は、断熱性を有する樹脂材料、セラミックス
材料等からなり、基端側が吸込通路21の一端部に連通
して取付けられている。また、吸込管25の先端側は、
冷却ファン26からの冷却風の上流側となる後側に向け
て油槽4内を延び、その先端部は吸込口25Aとなって
油槽4内に開口している。ここで、吸込管25の吸込口
25Aは、油槽4の底板4Bよりも高い位置に開口して
設けられ、これにより、吸込管25によって油槽4内の
油液5を吸込むときに、底板4B上の異物が吸込まれる
のを防止している。
【0069】油液供給装置20はこのように構成される
もので、給油ポンプ23の旋回子23D、駆動突起23
Eが旋回スクロール15に追従して動き、これに伴って
スライド板23Fがガイド溝23Cに沿ってガイドされ
ることにより、吸込室Aと吐出室Bとをそれぞれ拡大,
縮小し、吸込管25、吸込通路21から吸込室A内に吸
込んだ油液5を吐出室Bから油溜め23Gを介して吐出
通路22に吐出し、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸
受16等の給油部位に供給するものである。
【0070】26は固定スクロール8と反対側に位置し
て駆動軸12の基端部に設けられた冷却ファンで、該冷
却ファン26は、駆動軸12と一体に回転することによ
り冷却風を発生させ、この冷却風を後述の吸気側ダクト
27、上側ダクト28、下側ダクト30等を介して固定
スクロール8、油槽4の外周に向けて供給するものであ
る。
【0071】27は冷却ファン26を外側から覆うよう
に設けられた吸気側ダクトで、該吸気側ダクト27は、
冷却ファン26の吸気側に対応する位置に開口して設け
られた吸気口27Aを有している。また、吸気側ダクト
27は、ケーシング1の上側と下側で前側に開口してい
る。
【0072】28はケーシング1の上側に設けられた上
側ダクトで、該上側ダクト28は、図1に示すように、
ケーシング1(モータケース2、スラスト受7)の上側
および固定スクロール8の上側を囲むように前,後方向
(軸方向)に沿って延びて設けられている。そして、上
側ダクト28の上流側は、吸気側ダクト27に接続さ
れ、下流側は固定スクロール8を覆うスクロール側ダク
ト29に接続されている。
【0073】30はケーシング1の下側に設けられた下
側ダクトで、該下側ダクト30は、油槽4の下側、スラ
スト受7の下側を囲むように前,後方向に沿って延びて
設けられている。そして、下側ダクト30の上流側は、
吸気側ダクト27に接続され、下流側はスクロール側ダ
クト29に接続されている。また、下側ダクト30の下
流側には、各部を冷却した冷却風を流出するための排気
口30Aが設けられている。
【0074】31は基端側が吐出開口18に接続された
吐出パイプで、該吐出パイプ31は、先端側がスクロー
ル側ダクト29を貫通し、外部に突出している。そし
て、吐出パイプ31は、圧縮室17から吐出される圧縮
空気を外部の空気タンク(図示せず)等に供給するもの
である。
【0075】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は、上述の如き構成を有するもので、次に、その圧縮
動作について説明する。
【0076】まず、電動モータ9により駆動軸12を回
転させると、旋回スクロール15は駆動軸12を中心と
して一定の旋回半径をもった円運動(旋回運動)を行
い、固定スクロール8のラップ部8Bと旋回スクロール
15のラップ部15Bとの間に画成された圧縮室17,
17,…を連続的に縮小する。これにより、固定スクロ
ール8の吸込口から吸込んだ外気は、各圧縮室17で順
次圧縮されつつ、この圧縮空気は固定スクロール8の吐
出開口18から吐出パイプ31等を介して外部の空気タ
ンク等に貯留される。
【0077】次に、前述した圧縮運転時におけるスクロ
ール式空気圧縮機の冷却作用について説明する。
【0078】まず、冷却ファン26が駆動軸12と一体
に回転することにより、外気が冷却風として吸気口27
Aから吸気側ダクト27内に吸込まれる。そして、吸気
側ダクト27内に吸込まれた冷却風の一部は、上側ダク
ト28からスクロール側ダクト29を流れるから、この
冷却風によってケーシング1、固定スクロール8等を冷
却することができる。一方、吸気側ダクト27から下側
ダクト30に流れる冷却風は、油槽4(油液5)を冷却
する。このようにして各部を冷却した冷却風は、下側ダ
クト30の排気口30Aから外部に排出される。
【0079】次に、油液供給装置20によって油槽4内
の油液5をスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等
に供給する場合の動作について説明する。
【0080】まず、圧縮運転時には、油液供給装置20
の給油ポンプ23が駆動されるから、油槽4内の油液5
は、吸込管25から吸込通路21に吸込まれ、吐出通路
22からスラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等の
給油部位に供給される。そして、これらの給油部位を冷
却、潤滑した油液5は、順次流れ落ちて油槽4に戻され
る。
【0081】以上のように、本実施の形態によれば、油
槽4の底板4Bは、吸込管25の吸込口25Aと反対側
の右側に向けて漸次下向きに傾斜させ、この右側部分に
凹陥して異物収容凹部6を設ける構成としている。これ
により、油液5に混入した摩耗粉、破片等の異物は、異
物収容凹部6内に収容することができるから、異物が油
液供給装置20に吸込まれるのを防止することができ
る。この結果、ストレーナ24に付着する異物の量が少
なくなるから、該ストレーナ24の寿命を延ばすことが
できる。しかも、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受
16等の給油部位が異物によって損傷するのを防止する
ことができ、信頼性や寿命を向上することができる。
【0082】また、油槽4の底板4Bを異物収容凹部6
に向けて下向きに傾斜させることにより、旋回スクロー
ル15を駆動したときの振動を利用して、底板4B上の
異物を異物収容凹部6に自動的に移動することができ
る。
【0083】一方、油槽4内の油液5を吸込む吸込管2
5は、その吸込口25Aを油槽4の底板4Bよりも高い
位置に開口しているから、底板4B上に堆積した異物が
吸込管25に吸込まれるのを防止でき、異物による各部
の損傷等をより確実に防止することができる。
【0084】さらに、吸込管25の吸込口25Aは、冷
却ファン26による冷却風の上流側に配置しているか
ら、冷却ファン26からの冷却風によって最も冷却され
た油液5を吸込むことができる。これにより油液供給装
置20は、スラスト受7の摺接面7B、旋回軸受16等
の給油部位に冷えた油液5を供給することができ、これ
ら給油部位を確実に冷却することができる。
【0085】次に、図7および図8は本発明の第2の実
施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、油槽には冷却
ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通
路を設け、該冷却風通路は、油槽の底面に冷却ファンか
らの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝の
溝間に形成したことにある。なお、本実施の形態では、
前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0086】41は第1の実施の形態によるケーシング
1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシング
で、該ケーシング41は、底部42A、筒部42B、蓋
部42C等からなるモータケース42と、該モータケー
ス42の下部側に配設された後述の油槽44と、環状凹
部43A、摺接面43Bを有する環状のスラスト受43
とによって構成されている。
【0087】44はモータケース2の下部側に位置して
ケーシング1に設けられた本実施の形態による油槽で、
該油槽44は、後板44A、底板44B、左側板44
C、右側板44Dと、スラスト受43の一部分等とによ
って有底の箱体として形成されている。
【0088】45は油槽44の底板44Bに設けられた
凹凸溝で、該凹凸溝45は、図8に示す如く、底板44
Bから油槽44内に向けて上向きに突出した断面コ字状
の内側突条部46,46,…と、該各内側突条部46間
に位置して底板44Bから下向きに突出した断面U字状
の外側突条部47,47,…とを組合せることにより凹
凸形状に形成され、これら突条部46,47は、冷却フ
ァン26からの冷却風の流通方向、即ち駆動軸12の軸
方向に延びて形成されている。
【0089】ここで、内側突条部46の上端面は、油液
5のほぼ上層部分で油液5の液面よりも低い位置に配設
されている。これにより、油液5に対する内側突条部4
6の接触部位は、両側面と上端面になるから、接触面積
を大きくして油液5の冷却効率を高めることができる。
【0090】さらに、48,48,…は各内側突条部4
6に対応する外側面、即ち各外側突条部47間に設けら
れた複数本の冷却風通路で、該各冷却風通路は、油槽4
4内の油液5中に入り込んだ位置で冷却ファン26から
の冷却風を流通するものである。
【0091】かくして、このように構成された本実施の
形態によれば、油槽44の底板44Bに凹凸溝45を設
け、該凹凸溝45には、油槽44内の油液5中に入り込
んだ位置で冷却ファン26からの冷却風を流通する冷却
風通路48を設けているから、該冷却風通路48を流通
する冷却風によって高温となった上層部分の油液5を冷
却することができ、油液5の冷却効率を高めることがで
きる。
【0092】次に、図9は本発明の第3の実施の形態を
示す。本実施の形態の特徴は、油槽には冷却ファンから
の冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路を設け、
該冷却風通路は、油槽に冷却ファンからの冷却風の流れ
方向に沿って油槽内を貫通する冷却管によって形成した
ことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施
の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明
を省略するものとする。
【0093】51は第1の実施の形態によるケーシング
1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシング
で、該ケーシング51は、底部52A、筒部52B、蓋
部52C等からなるモータケース52と、該モータケー
ス52の下部側に配設され、後板53A、底板53B、
左,右の側板53C(片方のみ図示)と、スラスト受5
4の一部分等とによって有底の箱体として形成された油
槽53と、環状凹部54A、摺接面54Bを有する環状
のスラスト受54とによって構成されている。
【0094】55は油槽53を貫通して設けられた複数
本の冷却管(1本のみ図示)で、該流通管55は、冷却
ファン26からの冷却風の流通方向、即ち駆動軸12の
軸方向に延びて左,右方向にほぼ平行に列設されてい
る。また、冷却管55は、油槽53の底板53Bよりも
上側位置、即ち油液5の上層部分近傍に配置されてい
る。そして、冷却管55の内部は、冷却ファン26から
の冷却風が流通する冷却風通路55Aとなっている。
【0095】一方、56は吸気口56Aを有する吸気側
ダクトで、該吸気側ダクト56の下側は各冷却管55に
接続されている。57は吸気側ダクト56の上側に接続
された上側ダクトで、該上側ダクト57は、スクロール
側ダクト58を介して後述の排気側ダクト59に接続さ
れている。
【0096】59は固定スクロール8の下側に配設され
た排気側ダクトで、該排気側ダクト59は、各冷却管5
5とスクロール側ダクト58に接続されている。また、
排気側ダクト59には、各部を冷却した冷却風が流出す
る排気口59Aが設けられている。
【0097】かくして、このように構成された本実施の
形態によれば、油液5のほぼ上層部分を通るように油槽
53を貫通して複数本の冷却管55を設けているから、
冷却管55の冷却風通路55Aを流通する冷却風によっ
て高温となった上層部分の油液5を冷却することがで
き、油液5の冷却効率を高めることができる。
【0098】次に、図10ないし図12は本発明の第4
の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、油槽の底
面には油液中に突出し互いに並行して延びる複数枚の油
冷却フィンを設け、油槽内には油液供給手段の吸込側を
構成する吸込管を該各油冷却フィンに沿って設け、油液
供給手段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形成したこ
とにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の
形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。
【0099】61は第1の実施の形態によるケーシング
1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシング
で、該ケーシング61は、底部62A、筒部62B、蓋
部62C等からなるモータケース62と、該モータケー
ス62の下部側に配設され、後板63A、底板63B、
左側板63C、右側板63Dと、スラスト受64の一部
分等とによって有底の箱体として形成された油槽63
と、環状凹部64A、摺接面64Bを有する環状のスラ
スト受64とによって構成されている。
【0100】65,65,…は油槽63の底板63B上
面に設けられた4枚の油冷却フィンで、該各油冷却フィ
ン65は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に延
びるように油液5中に突出している。また、各油冷却フ
ィン65は、図11に示すように、所定の間隔をもって
左,右方向に平行に配設されている。
【0101】また、66,66,…は油槽63の底板6
3B下面に設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱
フィン66は、図10、図12に示すように、下側ダク
ト30内に突出し、冷却ファン26からの冷却風の流通
方向に沿って延びている。
【0102】67は油槽63内に設けられた本実施の形
態による吸込管で、該吸込管67は、油液供給装置20
の吸込通路21の一部を構成するもので、第1の実施の
形態で述べた吸込管25と同様に、断熱性を有する樹脂
材料、セラミックス材料等からなり、その基端側が吸込
通路21の一端部に連通してスラスト受64に取付けら
れている。また、吸込管67は、図11、図12に示す
如く、油冷却フィン65に沿って油槽63内を冷却ファ
ン26による冷却風の上流側に向けて延び、その先端側
が油冷却フィン65と直交するように屈曲して各油冷却
フィン65と油槽63の後板63Aとの間を右方向に延
びている。
【0103】さらに、吸込管67の先端側には、4枚の
油冷却フィン65,65,…間に開口するように、3個
の吸込口67A,67B,67Cが形成されている。こ
こで、3個の吸込口67A,67B,67Cは、各油冷
却フィン65間からほぼ均等に油液5を吸込むことがで
きるように、吸込管67の先端に向けて順次開口面積が
大きく形成されている。
【0104】かくして、このように構成された本実施の
形態によれば、油槽4内に油冷却フィン65を設けてい
るから、油液5に対する接触面積を大きすることがで
き、油液5の熱を効率よく放出することができる。しか
も、吸込管67には、先端側を屈曲して各油冷却フィン
65間に開口する吸込口67A,67B,67Cを形成
しているから、油槽63に戻された高温な油液5を各油
冷却フィン65間で流通させることができ、各油冷却フ
ィン65間で流通している間に油液を冷却することがで
きる。
【0105】次に、図13は本発明の第5の実施の形態
を示す。本実施の形態の特徴は、ダクトの吸気側には冷
却ファンの回転によって生じる冷却風の風量を調整する
風量調整手段を設け、該風量調整手段は、ダクトの吸気
側に交換可能に設けられた吸込抵抗の異なる複数種類の
フィルタによって構成したことにある。なお、本実施の
形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0106】71は冷却ファン26を外側から覆うよう
に設けられた本実施の形態による吸気側ダクトで、該吸
気側ダクト71は、第1の実施の形態による吸気側ダク
ト27と同様に、冷却ファン26の吸気側に対応する位
置に開口する吸気口71Aを有している。
【0107】72,73,74は吸気側ダクト71の吸
気口71Aに交換可能に取付けられる例えば3種類の流
量調整手段をなすフィルタで、該フィルタ72,73,
74は、吸気口71Aに対応して円形状に形成された
網、スポンジ等によって構成されている。ここで、フィ
ルタ72は、目が粗く吸込抵抗が小さいために、冷却風
の風量を多くすることができる。また、フィルタ73
は、フィルタ72よりも目が細かいために、該フィルタ
72による冷却風の風量よりも少なくなる。さらに、フ
ィルタ74は、フィルタ73よりも目が細かいために、
該フィルタ73による冷却風の風量よりもさらに少なく
なる。
【0108】そこで、フィルタ72の使用方法について
説明する。例えば同一機種のスクロール式空気圧縮機を
電源の周波数が異なる地域、100V60Hzの関西地
域で使用した場合、100V50Hzの関東地域で使用
した場合よりも電動モータ9の回転数が高くなる。従っ
て、スクロール式空気圧縮機の冷却系統の設定が関東地
域の設定、例えば目の粗いフィルタ72が取付けられて
いる場合には、関西地域で使用したときに冷却ファン2
6の回転が必要以上に高くなるから、適切な冷却ができ
なくなり、また、冷却ファン26による騒音が増大する
等の問題が生じる。
【0109】しかし、本実施の形態によれば、関西地域
で使用する場合にスクロール式空気圧縮機の吸気側ダク
ト71の吸気口71Aに目の細かいフィルタ73を取付
けることにより、冷却ファン26の回転が高い場合で
も、フィルタ73によって冷却風を吸込むときの抵抗力
を大きくして吸込まれる冷却風の風量を少なくすること
ができる。これにより、冷却ファン26によって適切な
冷却を行なうことができる。また、フィルタ72は、冷
却ファン26の動作音を低減することができる。さら
に、スクロール式空気圧縮機を、例えば定格電源電圧よ
りも高い電源電圧で使用する場合には、吸気側ダクト7
1にフィルタ74を取付けることにより、同様の作用効
果を得ることができる。
【0110】かくして、本実施の形態によれば、電動モ
ータ9(冷却ファン26)の回転数等が異なる場合で
も、吸気側ダクト71の吸気口71Aにフィルタ72,
73,74の中から適切な吸込抵抗を有するもの選択し
て取付けることにより、冷却ファン26を変更すること
なく、所望の冷却性能を得ることができ、また騒音を低
減することができる。この結果、電動モータ9、冷却フ
ァン26等を複数機種のスクロール式空気圧縮機で共用
することができ、コストの低減等を図ることができる。
さらに、圧縮運転時の出力が異なる機種においても、同
様の効果を得ることができる。
【0111】次に、図14は本発明の第6の実施の形態
を示す。本実施の形態の特徴は、ダクトの吸気側には冷
却ファンの回転によって生じる冷却風の風量を調整する
風量調整手段を設け、風量調整手段は、ダクトの一部を
なして冷却ファンの周囲に交換可能に設けられ冷却風を
吸込む吸気口の開口面積が異なる複数種類の吸気側ダク
トによって構成したことにある。なお、本実施の形態で
は、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0112】81は流量調整手段をなす吸気側ダクト
で、該吸気側ダクト81は、第1の実施の形態による吸
気側ダクト27と同様に、冷却ファン26の吸気側に対
応する位置に開口する吸気口81Aを有している。
【0113】また、82は吸気側ダクト81に交換して
取付けられる流量調整手段をなす他の吸気側ダクトで、
該吸気側ダクト82は、吸気口82Aの径寸法が小さ
く、該吸気口82Aの流路面積が小さく形成されてい
る。
【0114】かくして、本実施の形態によれば、吸気側
ダクト81,82ををスクロール式空気圧縮機の性能に
応じて交換して取付けることにより、回転数、出力が異
なるスクロール式空気圧縮機でも、電動モータ9、冷却
ファン26等を共用することができる。
【0115】次に、図15ないし図17は本発明の第7
の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、吸込管
は、各油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、各油
冷却フィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返し
て設けられ開口端が油液供給手段の吸込口となった開口
管部とからなり、油液供給手段の吸込口は各油冷却フィ
ン間に開口する構成としたことにある。なお、本実施の
形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同
一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0116】91は第1の実施の形態によるケーシング
1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシング
で、該ケーシング91は、底部92A、筒部92B、蓋
部92C等からなるモータケース92と、該モータケー
ス92の下部側に配設され、後板93A、底板93B、
左側板93C、右側板93Dと、スラスト受94の一部
分等とによって有底の箱体として形成された油槽93
と、環状凹部94A、摺接面94Bを有する環状のスラ
スト受94とによって構成されている。
【0117】95,95,…は油槽93の底板93B上
面に設けられた4枚の油冷却フィンで、該各油冷却フィ
ン95は、冷却ファン26からの冷却風の流通方向に延
びるように油液5中に突出している。また、各油冷却フ
ィン95は、図16に示すように、所定の間隔をもって
左,右方向に平行に配設されている。
【0118】また、96,96,…は油槽93の底板9
3B下面に設けられた複数枚の放熱フィンで、該各放熱
フィン96は、図15、図17に示すように、下側ダク
ト30内に突出し、冷却ファン26からの冷却風の流通
方向に沿って延びている。
【0119】97は油槽93内に設けられた本実施の形
態による吸込管で、該吸込管97は、油液供給装置20
の吸込通路21の一部を構成するもので、断熱性を有す
る樹脂材料、セラミックス材料等によって形成されてい
る。そして、吸込管97は、後述の吸込管本体98と開
口管部99とによって構成されている。
【0120】98は吸込管本体で、該吸込管本体98
は、第4の実施の形態で述べた吸込管67とほぼ同様
に、その基端側が吸込通路21の一端部に連通してスラ
スト受94に取付けられている。また、吸込管本体98
は、図16、図17に示す如く、油冷却フィン95に沿
って油槽93内を冷却ファン26による冷却風の上流側
に向けて延び、その先端側が油冷却フィン95と直交す
るように屈曲して各油冷却フィン95と油槽93の後板
93Aとの間を右方向に延びている。
【0121】99,99,…は吸込管本体98の先端部
に設けられた3本の開口管部で、該各開口管部99は、
吸込管本体98の先端部で折返すように延び、その先端
側が4枚の油冷却フィン95,95,…間に位置してい
る。また、各開口管部99は、それぞれの径寸法がほぼ
等しく形成されている。そして、各開口管部99の開口
端は、それぞれ油冷却フィン95間に開口する吸込口9
9Aとなっている。これにより、各開口管部99の吸込
口99Aは、各油冷却フィン95間に侵入した位置に開
口しているから、油液5を吸込んだときには各油冷却フ
ィン95間からのみ吸込むことができ、該各油冷却フィ
ン95間で油液5を確実に流通することができる。
【0122】かくして、このように構成された本実施の
形態によれば、前記第4の実施の形態による作用効果に
加えて次のような作用効果を得ることができる。即ち、
本実施の形態では、各油冷却フィン95間まで延びた開
口管部99の先端に吸込口99Aを設けているから、該
吸込口99Aから油液5を吸込んだときには、各油冷却
フィン95間からのみ油液5を吸込んで該各油冷却フィ
ン95間で確実に流通することができ、油液5を効率よ
く冷却することができる。
【0123】また、3本の開口管部99を設けているか
ら、各油冷却フィン95間からそれぞれ油液5を吸込む
ことができ、各油冷却フィン95間で油液を積極的に流
通し、油槽4内の油液5全体を冷却することができる。
【0124】次に、図18ないし図20は本発明の第8
の実施の形態を示す。本実施の形態の特徴は、開口管部
は各油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本
の開口管部は吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短く
なるように形成したことにある。なお、本実施の形態で
は、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符
号を付し、その説明を省略するものとする。
【0125】101は第1の実施の形態によるケーシン
グ1に代えて用いられた本実施の形態によるケーシング
で、該ケーシング101は、底部102A、筒部102
B、蓋部102C等からなるモータケース102と、該
モータケース102の下部側に配設され、後板103
A、底板103B、左側板103C、右側板103D
と、スラスト受104の一部分等とによって有底の箱体
として形成された油槽103と、環状凹部104A、摺
接面104Bを有する環状のスラスト受104とによっ
て構成されている。
【0126】105,105,…は油槽103の底板1
03B上面に設けられた4枚の油冷却フィンで、該各油
冷却フィン105は、冷却ファン26からの冷却風の流
通方向に延びるように油液5中に突出している。また、
各油冷却フィン105は、図19に示すように、所定の
間隔をもって左,右方向に平行に配設されている。
【0127】また、106,106,…は油槽103の
底板103B下面に設けられた複数枚の放熱フィンで、
該各放熱フィン106は、図18、図20に示すよう
に、下側ダクト30内に突出し、冷却ファン26からの
冷却風の流通方向に沿って延びている。
【0128】107は油槽103内に設けられた本実施
の形態による吸込管で、該吸込管107は、油液供給装
置20の吸込通路21の一部を構成するもので、断熱性
を有する樹脂材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン等の熱可塑性樹脂材料等によって形成されている。そ
して、吸込管107は、後述の吸込管本体108と開口
管部112,113,114とによって構成されてい
る。
【0129】108は吸込管本体で、該吸込管本体10
8は、第4の実施の形態で述べた吸込管67とほぼ同様
に、その基端側が吸込通路21の一端部に連通してスラ
スト受104に取付けられている。また、吸込管本体1
08は、図19、図20に示す如く、油冷却フィン10
5に沿って油槽103内を冷却ファン26による冷却風
の上流側に向けて延びたパイプ状の平行管部109と、
該平行管部109の先端部で油冷却フィン105と直交
するように屈曲し、各油冷却フィン105と油槽103
の後板103Aとの間を右方向に延びた直交管部110
と、後述の嵌合溝部111とによって大略構成されてい
る。
【0130】ここで、直交管部110は、前面板110
A、後面板110B、左側面板110C、右側面板11
0D、上面板110Eおよび下面板110Fによって
左,右方向に長尺な箱型形状をなしている。また、前面
板110Aには、左側の端部に位置して平行管部109
が一体的に接続されている。
【0131】111,111,…は直交管部110に設
けられた4個の嵌合溝部で、該各嵌合溝部111は、各
油冷却フィン105の後部側に嵌合するもので、該各油
冷却フィン105の位置に対応するように、前面板11
0Aから下面板110Fに亘って上,下方向に切欠いて
形成されている。
【0132】そして、このように構成された吸込管本体
108は、直交管部110に形成された各嵌合溝部11
1を油冷却フィン105に嵌合することにより、油槽1
03内の正確な位置に容易に組付けることができる。こ
のときに、直交管部110は、その前面板110Aによ
って各油冷却フィン105との隙間を閉塞することがで
きる。
【0133】次に、112,113,114は吸込管本
体108の直交管部110に設けられた3本の開口管部
で、該各開口管部112,113,114は、それぞれ
吸込管本体108の先端部で折返すように直交管部11
0の前面板110Aから前方に延びている。そして、3
本の開口管部112,113,114は、4枚の油冷却
フィン105,105,…間に位置している。
【0134】ここで、開口管部112,113,114
は、前面板110Aから前方に向けて漸次縮径する円錐
状の筒体を所定の長さ位置で切除することにより管体と
して形成されている。即ち、図19に示す如く、吸込管
本体108の最も基端側(下流側)となる直交管部11
0の左側に配設された開口管部112は、前面板110
Aから突出した長さ寸法がL1となり、吸込口112A
の開口面積を決定する開口径はD1となっている。ま
た、開口管部112よりも先端側(上流側)となる直交
管部110の中央に配設された開口管部113は、その
長さ寸法L2が開口管部112の長さ寸法L1よりも短
く、これにより、吸込口113Aの開口径D2は吸込口
112Aの開口径D1よりも大きくなっている。さら
に、最も先端側(上流側)に位置する右側の開口管部1
14は、その長さ寸法L3が開口管部113の長さ寸法
L2よりも短く、これにより、吸込口114Aの開口径
D3は吸込口113Aの開口径D2よりも大きくなってい
る。
【0135】以上の点から基端側に位置する開口管部1
12の長さ寸法L1と、中間に位置する開口管部113
の長さ寸法L2と、先端側に位置する開口管部114の
長さ寸法L3とは、下記数1の関係にある。
【0136】
【数1】L1>L2>L3
【0137】また、基端側に位置する開口管部112の
開口径D1と、中間に位置する開口管部113の開口径
D2と、先端側に位置する開口管部114の開口径D3と
は、下記数2の関係にある。
【0138】
【数2】D1<D2<D3
【0139】これにより、最も油液5の流通距離が長
く、流通するときの抵抗が大きい先端側の開口管部11
4で、油液5を吸込むときの抵抗を小さくすることがで
き、最も油液5の流通距離が短く、流通するときの抵抗
が小さい基端側の開口管部112で、油液5を吸込むと
きの抵抗を大きくすることができる。このことから、吸
込口112A,113A,114Aは、各油冷却フィン
105間からほぼ均等に油液5を吸込むことができる。
【0140】かくして、このように構成された本実施の
形態によれば、前記第7の実施の形態による作用効果に
加えて次のような作用効果を得ることができる。即ち、
本実施の形態では、吸込管本体108に設けられた開口
管部112,113,114は、吸込管本体108の先
端に向けて順次長さ寸法が短くなり、開口径(開口面
積)が大きくなるように形成しているから、吸込口11
2A,113A,114Aは、各油冷却フィン105間
からほぼ均等に油液5を吸込むことができ、全体の油液
5を均等に冷却することができる。
【0141】また、開口管部112,113,114
は、前面板110Aから前方に向けて漸次縮径する円錐
状の筒体を所定の長さ位置で切除することにより管体と
して形成しているから、切除する位置を適宜設定するこ
とにより、吸込口112A、113A,114Aの開口
径を自由に変更することができる。
【0142】一方、吸込管本体108の直交管部110
には、油冷却フィン105に嵌合する各嵌合溝部111
を設けているから、吸込管107を油槽103内に組付
けるときに、各嵌合溝部111を油冷却フィン105に
嵌合することにより、吸込管107を正確な位置に容易
に組付けることができ、組立時の作業性を向上すること
ができる。
【0143】さらに、吸込管107を油槽103に組付
けた状態では、吸込管本体108の直交管部110は、
その前面板110Aによって各油冷却フィン105との
隙間を閉塞している。これにより、開口管部112,1
13,114の吸込口112A,113A,114A
は、各油冷却フィン105間の油液5だけを吸込むこと
ができるから、各油冷却フィン105間で油液5を確実
に流通させて、油液5の冷却効率より一層高めることが
でき、油液5、スクロール式空気圧縮機の寿命を延ばす
ことができる。
【0144】なお、第1の実施の形態では、油槽4の底
板4Bを、後側から前側に向けて漸次下向きに傾斜し、
かつ吸込管25が設けられた左側から異物収容凹部6が
設けられた右側に向けて漸次下向きに傾斜する構成とし
ている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例
えば図21に示す第1の変形例のように、油槽121の
底板121Bは、前,後方向に傾斜することなくほぼ平
坦とし、左側から右側に向けてのみ漸次下向きに傾斜す
る構成とし、この右側部分に異物収容凹部122を設け
る構成としてもよい。
【0145】また、第1の実施の形態では、ケーシング
1に電動モータ9を内蔵したスクロール式空気圧縮機を
例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えば
図22に示す第2の変形例のように、電動モータが廃止
され、ケーシング131、固定スクロール132、駆動
軸133、旋回スクロール134、油液供給装置13
5、冷却ファン136、ダクト137等によって構成さ
れ、駆動軸133に外部動力源に接続されるプーリ13
8が設けられたスクロール式空気圧縮機に第1の実施の
形態による特徴部分である異物収容凹部を設けるように
してもよい。この構成は、他の実施の形態にも同様に適
用することができるものである。
【0146】また、第1の実施の形態では、油槽4は中
空の箱形状に形成した場合を例に挙げて図示したが、本
発明はこれに限るものではなく、例えば図23、図24
に示す第3の変形例のように、モータケース2の筒部2
B下側と油槽4の底板4Bとの間に補強用リブ141,
141を設ける構成としてもよい。この第3の変形例で
は、油液5に混入した異物を異物収容凹部6に向けて移
動させるために、図24に示す如く、各リブ141前側
部分に切欠141Aを設けている。
【0147】また、第1の実施の形態では、ケーシング
1のモータケース2を、底部2A、筒部2B、蓋部2
C、リテーナ2Dおよび蓋部2Cと駆動軸12との間を
シールするシールリング2Eによって構成した場合を例
に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るもので
はなく、例えば図25に示す第4の変形例のように、ケ
ーシング151のモータケース152を、底部152
A、筒部152B、蓋部152C、リテーナ152D、
シールリング152Eおよびリテーナ152Dと駆動軸
との間をシールする他のシールリング152Fによって
構成してもよい。この場合には、第1の実施の形態で用
いていた玉軸受13,14に代えてグリース封入式の玉
軸受153,154を用いる構成とすればよい。この変
形例によれば、電動モータ9に付設される回転センサ等
を油液5から確実に保護することができる。
【0148】一方、第2の実施の形態では、油槽44の
底板44Bに内側突条部46、外側突条部47からなる
凹凸溝45を設け、各外側突条部47間に冷却風通路4
8を設ける構成とした場合を例示したが、本発明はこれ
に限らず、例えば図26に示す第5の変形例のように、
凹凸溝161は、内側突条部162、外側突条部163
からなり、各外側突条部163間には冷却風通路164
に突出する放熱フィン165を設ける構成としてもよ
い。この場合には油液5の冷却効率を放熱フィン165
によってより一層高めることができる。
【0149】また、第5の実施の形態では、吸気側ダク
ト71の吸気口71Aにフィルタ72を交換可能に取付
ける構成としたが、これに替えて、例えば図27に示す
第6の変形例のように、吸気側ダクト171の吸気口1
71A内側にフィルタ差込み部171Bを設け、該フィ
ルタ差込み部171Bに吸込抵抗の異なる複数種類のフ
ィルタ172(1種類のみ図示)を差込むことにより冷
却風の風量を調整する構成としてもよい。
【0150】また、第7の実施の形態では、吸込管97
を、吸込管本体98と、該吸込管本体98の先端部に設
けられた3本の開口管部99,99,…とによって構成
し、各開口管部99(吸込口99A)はそれぞれの径寸
法がほぼ等しくなるように形成した場合を例に挙げて説
明したが、本発明はこれに限らず、例えば図28に示す
第7の変形例のように、吸込管181は、吸込管本体1
82と、該吸込管本体182の先端部に折返して設けら
れ、該吸込管本体182の先端に向けて順次径寸法が大
きくなるように配置された3本の開口管部183,18
4,185とによって構成してもよい。
【0151】ここで、吸込管181は、該吸込管本体1
82の先端に向けて順次径寸法が大きくなるように開口
管部183,184,185を設けることにより、最も
油液5の流通距離が長く流通するときの抵抗が大きい先
端の開口管部185で、油液5を吸込むときの抵抗を小
さくすることができ、一方、最も油液5の流通距離が短
く流通するときの抵抗が小さい開口管部183で、油液
5を吸込むときの抵抗を大きくすることができる。これ
により、吸込口183A,184A,185Aは、各油
冷却フィン95間からほぼ均等に油液5を吸込むことが
でき、全体の油液5を均等に冷却することができる。
【0152】さらに、各実施の形態では、スクロール式
流体機械としてスクロール空気圧縮機を例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限らず、例えば真空ポンプ、冷
媒圧縮機等にも広く適用できる。
【0153】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、油槽の底面側には異物収容凹部を設け、油液供給
手段の吸込口は油槽の底面よりも高い位置で、かつ前記
異物収容凹部から離れた位置に開口して設けているの
で、油槽内の油中に混入した摩耗粉、破片等の異物は、
油液供給手段の吸込口と離れた位置に設けられた異物収
容凹部内に収容することができるから、吸込口の周囲か
ら異物を排除することができ、吸込口から異物が吸込ま
れるのを防止することができる。しかも、油液供給手段
の吸込口は、油槽の底面よりも高い位置に設けられてい
るから、これによっても吸込口が底面上の異物を吸込む
のを防止することができる。
【0154】この結果、旋回スクロールと駆動軸との間
に設けられた旋回軸受、ケーシングと旋回スクロールと
の摺動面等の冷却、潤滑を必要とする部位に供給される
油液に異物が混入するのを油液供給手段によって防止す
ることができるから、これら給油部位の寿命を延ばすこ
とができ、信頼性を向上することができる。
【0155】請求項2の発明によれば、油槽の底面は、
油液供給手段の吸込口から異物収容凹部に向けて下向き
に傾斜させる構成としているので、油槽の底面に堆積し
た異物は、運転時の振動等により底面の傾斜に沿って移
動することができるから、該異物を自動的に異物収容凹
部に収容することができる。
【0156】請求項3の発明によれば、駆動軸には固定
スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周
に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油槽内には油液
供給手段の吸込側を構成する吸込管を設け、油液供給手
段の吸込口は油槽内で前記冷却ファンによる冷却風の上
流側に位置して前記吸込管に形成している。従って、油
槽内で冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷
却ファンからの冷却風によって油液が効率よく冷却され
るから、油液供給手段は、吸込管に形成された吸込口か
ら油液を吸込むことにより、冷えた油液を旋回軸受、摺
動面等の冷却、潤滑を必要とする部位に供給することが
でき、これらの冷却効率を向上することができる。
【0157】請求項4の発明によれば、油槽には冷却フ
ァンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる冷却風通路
を設けているので、冷却ファンが駆動されたときには、
この冷却ファンからの冷却風を冷却風通路に沿って流通
し、該冷却風通路を流れる冷却風によって油槽内の油液
を冷却することができ、油液の冷却効率を高めることが
できる。
【0158】請求項5の発明によれば、油槽の底面には
冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数
本の凹凸溝を設け、冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形
成しているので、凹凸溝の溝間に形成された冷却風通路
は、油槽内の油液中に入り込んだ位置で冷却風を流通す
ることができる。これにより、冷却風通路を流通する冷
却風によって上層部分の高温な油液を積極的に冷却する
ことができる。
【0159】請求項6の発明によれば、油槽の底面には
冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って延びる複数
本の凹凸溝を設け、冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形
成し、該凹凸溝間には冷却風通路に突出する放熱フィン
を設けているので、凹凸溝の溝間に形成された冷却風通
路は、油槽内の油液中に入り込んだ位置で冷却風を流通
することができる。これにより、冷却風通路を流通する
冷却風によって上層部分の高温な油液を積極的に冷却す
ることができる。しかも、放熱フィンによって油液をよ
り一層冷却することができる。
【0160】請求項7の発明によれば、油槽には冷却フ
ァンからの冷却風の流れ方向に沿って油槽内を貫通する
冷却管を設け、冷却風通路は該冷却管によって形成して
いるので、油槽内を貫通した冷却管に形成された冷却風
通路は、油槽内の油液中に入り込んだ位置で冷却風を流
通することができる。これにより、冷却管の冷却風通路
を流通する冷却風によって上層部分の高温な油液を積極
的に冷却することができる。
【0161】請求項8の発明によれば、油槽の底面には
油液中に突出し互いに並行して延びる複数枚の油冷却フ
ィンを設け、油槽内には油液供給手段の吸込側を構成す
る吸込管を該各油冷却フィンに沿って設け、油液供給手
段の吸込口は、前記吸込管の先端部に形成している。従
って、油槽内の油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却
フィンに沿って流通し、吸込管の先端部に形成された吸
込口から吸込まれるから、各油冷却フィン間を流れてい
る間に油液を冷却することができ、油液の冷却効率を向
上することができる。
【0162】請求項9の発明によれば、駆動軸には固定
スクロールとは長さ方向の反対側に位置して油槽の外周
に冷却風を供給する冷却ファンを設け、油冷却フィンと
吸込管は該冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って
配設し、油供給手段の吸込口は前記冷却ファンによる冷
却風の上流側に配置する構成としている。従って、油槽
内の油液は、各油冷却フィン間を該各油冷却フィンに沿
って冷却ファンによる冷却風の上流側に向けて流通さ
せ、この冷却風の上流側位置で吸込管の先端部に形成さ
れた吸込口から吸込むことができる。ここで、油槽内で
冷却ファンによる冷却風の上流側位置では、該冷却ファ
ンからの冷却風によって油液が効率よく冷却されるか
ら、油液供給手段は、冷えた油液を吸込管に形成された
吸込口から吸込んで冷却、潤滑を必要とする部位に供給
することができる。この結果、これら給油部位を確実に
冷却でき、信頼性や寿命を向上することができる。
【0163】請求項10の発明によれば、吸込口は各油
冷却フィン間に位置して複数個設け、該複数個の吸込口
は吸込管の先端に向けて順次開口面積が大きくなるよう
に形成しているので、最も油液の流通距離が長く、流通
するときの抵抗が大きい先端側の吸込口で、油液を吸込
むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最も油液
の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい基端側
の吸込口で、油液を吸込むときの抵抗を大きくすること
ができる。この結果、各吸込口は、各油冷却フィン間か
らほぼ均等に油液を吸込むことができるから、全体の油
液を均等に冷却することができる。
【0164】請求項11の発明によれば、吸込管は、各
油冷却フィンに沿って延びた吸込管本体と、各油冷却フ
ィン間に位置して該吸込管本体の先端部に折返して設け
られ開口端が油液供給手段の吸込口となった開口管部と
からなり、油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に
開口する構成としているので、開口管部の開口端に形成
された吸込口は、各油冷却フィン間に侵入した位置に開
口しているから、各油冷却フィン間からのみ油液を吸込
むことができる。従って、各油冷却フィン間で油液を確
実に流通することができ、各油冷却ファイン間を流通す
る間に油液を効率よく冷却することができる。
【0165】請求項12の発明によれば、開口管部は各
油冷却フィン間に位置して複数本設けているので、複数
本の開口管部は、複数枚の油冷却フィン間からそれぞれ
油液を吸込むことができ、各油冷却フィン間で油液を積
極的に流通し、油槽内の油液全体を冷却することができ
る。
【0166】請求項13の発明によれば、開口管部は各
油冷却フィン間に位置して複数本設け、当該複数本の開
口管部は吸込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなる
ように形成しているので、最も油液の流通距離が長く、
流通するときの抵抗が大きい先端側の開口管部で、油液
を吸込むときの抵抗を小さくすることができ、一方、最
も油液の流通距離が短く、流通するときの抵抗が小さい
基端側の開口管部で、油液を吸込むときの抵抗を大きく
することができる。この結果、各開口管部に形成された
吸込口は、各油冷却フィン間からほぼ均等に油液を吸込
むことができるから、全体の油液を均等に冷却すること
ができる。
【0167】請求項14の発明によれば、ダクトの吸気
側には冷却ファンの回転によって生じる冷却風の風量を
調整する風量調整手段を設けているので、例えば、駆動
軸の定常回転数、出力が異なる複数種類の流体機械に対
して同じ冷却ファンを取付けた場合でも、風量調整手段
によってダクトの吸気口から吸込まれる冷却風の風量を
調整することができる。この結果、1種類の冷却ファン
を複数種類の流体機械で共用することができ、コストの
低減を図ることができる。
【0168】請求項15の発明によれば、風量調整手段
は、ダクトの吸気側に交換可能に設けられた吸込抵抗の
異なる複数種類のフィルタによって構成しているので、
フィルタを交換して冷却風の吸込抵抗を調整することに
よって、冷却風の風量を駆動軸の定常回転数、出力に容
易に対応させることができる。また、フィルタによって
冷却ファンの作動音を低減することができる。
【0169】請求項16の発明によれば、風量調整手段
は、ダクトの一部をなして冷却ファンの周囲に交換可能
に設けられ冷却風を吸込む吸気口の開口面積が異なる複
数種類の吸気側ダクトによって構成しているので、吸気
側ダクトを吸気口の開口面積が異なる他の吸気側ダクト
に交換して冷却風の吸込抵抗を調整することにより、冷
却風の風量を駆動軸の定常回転数、出力に容易に対応さ
せることができる。
【0170】請求項17の発明によれば、ケーシングに
は油槽の上側に位置して駆動軸を回転する電動モータを
設け、該電動モータと油槽との間には両者を隔てる隔壁
を設けているので、隔壁によって電動モータを油液から
保護することができる。また、油液が電動モータに接触
して温度上昇するのを防止することができ、冷えた油液
によって冷却を必要とする部位を効率よく冷却すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機を示す外観斜視図である。
【図2】スクロール式空気圧縮機を図1中の矢示II−II
方向からみた縦断面図である。
【図3】ケーシング、電動モータを図2中の矢示III−I
II方向からみた横断面図である。
【図4】油槽を図2中の矢示IV−IV方向からみた断面図
である。
【図5】油槽を単体で示す断面斜視図である。
【図6】給油ポンプを図2中の矢示VI−VI方向からみた
要部拡大断面図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図8】凹凸溝、冷却風通路をケーシング、電動モータ
と共に図7中の矢示VIII−VIII方向からみた横断面図で
ある。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるスクロール式
空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態によるスクロール
式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図11】油槽を図10中の矢示XI−XI方向からみた断
面図である。
【図12】油槽の底板、各フィン、吸込管を拡大して示
す断面斜視図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態によるスクロール
式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図14】本発明の第6の実施の形態によるスクロール
式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図15】本発明の第7の実施の形態によるスクロール
式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図16】油槽を図15中の矢示XVI−XVI方向からみた
断面図である。
【図17】油槽の底板、各フィン、吸込管を拡大して示
す断面斜視図である。
【図18】本発明の第8の実施の形態によるスクロール
式空気圧縮機を示す縦断面図である。
【図19】油槽を図18中の矢示XIX−XIX方向からみた
断面図である。
【図20】油槽の底板、各フィン、吸込管を拡大して示
す断面斜視図である。
【図21】本発明の第1の変形例による油槽を単体で示
す断面斜視図である。
【図22】本発明の第2の変形例によるスクロール式空
気圧縮機を示す縦断面図である。
【図23】本発明の第3の変形例によるケーシング等を
図3と同様位置からみた横断面図である。
【図24】油槽内のリブ形状を図23中の矢示XXIV−XX
IV方向からみた断面図である。
【図25】本発明の第4の変形例によるスクロール式空
気圧縮機を示す縦断面図である。
【図26】本発明の第5の変形例による凹凸溝をケーシ
ング等と共に図3と同様位置からみた横断面図である。
【図27】本発明の第6の変形例によるスクロール式空
気圧縮機を示す縦断面図である。
【図28】本発明の第7の変形例による吸込管を油槽の
底板、各フィンと共に拡大して示す断面斜視図である。
【符号の説明】
1,41,51,61,91,101,131,151
ケーシング 3 隔壁 4,44,53,63,93,103,121 油槽 4B,44B,53B,63B,93B,103B,1
21B 底板 5 油液 6,122 異物収容凹部 7,43,54,64,94,104 スラスト受 8,132 固定スクロール 9 電動モータ 12,133 駆動軸 15,134 旋回スクロール 17 圧縮室 20,135 油液供給装置 25,67,97,107,181 吸込管 25A,67A,67B,67C,99A,112A,
113A,114A,183A,184A,185A
吸込口 26,136 冷却ファン 27,56,71,81,82,171 吸気側ダクト 27A,56A,71A,81A,82A,171A
吸気口 45,161 凹凸溝 46,162 内側突条部 47,163 外側突条部 48,55A,164 冷却風通路 55 冷却管 65,95,105 油冷却フィン 72,73,74,172 フィルタ 98,108,182 吸込管本体 99,112,113,114,183,184,18
5 開口管部 106,165 放熱フィン 109 平行管部 110 直交管部 111 嵌合溝部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 義雄 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 坂本 晋 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 岩野 公宣 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 末藤 和孝 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 福井 宏治 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 山本 泰洋 神奈川県綾瀬市小園1116番地 トキコ株式 会社相模工場内 (72)発明者 駒井 裕二 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 原島 寿和 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 (72)発明者 三宅 信吾 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA02 AA15 AA21 AB03 AB06 BB12 BB36 BB44 CC09 CC24 CC26 CC44 CC47 3H039 AA02 AA05 AA09 AA12 BB04 BB13 BB16 CC28 CC33 CC49

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油
    槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固
    定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ
    た駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋
    回可能に設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮室
    を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽内
    に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を
    必要とする部位に供給する油液供給手段とを備えてなる
    スクロール式流体機械において、 前記油槽の底面側には異物収容凹部を設け、前記油液供
    給手段の吸込口は油槽の底面よりも高い位置で、かつ前
    記異物収容凹部から離れた位置に開口して設けたことを
    特徴とするスクロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記油槽の底面は、前記油液供給手段の
    吸込口から前記異物収容凹部に向けて下向きに傾斜させ
    る構成としてなる請求項1に記載のスクロール式流体機
    械。
  3. 【請求項3】 前記駆動軸には前記固定スクロールとは
    長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給
    する冷却ファンを設け、前記油槽内には油液供給手段の
    吸込側を構成する吸込管を設け、前記油液供給手段の吸
    込口は前記油槽内で前記冷却ファンによる冷却風の上流
    側に位置して前記吸込管に形成してなる請求項1または
    2に記載のスクロール式流体機械。
  4. 【請求項4】 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油
    槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固
    定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ
    た駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋
    回可能に設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮室
    を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽に
    向けて冷却風を供給する冷却ファンとを備えてなるスク
    ロール式流体機械において、 前記油槽には前記冷却ファンからの冷却風の流れ方向に
    沿って延びる冷却風通路を設けたことを特徴とするスク
    ロール式流体機械。
  5. 【請求項5】 前記油槽の底面には前記冷却ファンから
    の冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝を設
    け、前記冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形成してなる
    請求項4に記載のスクロール式流体機械。
  6. 【請求項6】 前記油槽の底面には前記冷却ファンから
    の冷却風の流れ方向に沿って延びる複数本の凹凸溝を設
    け、前記冷却風通路は該各凹凸溝の溝間に形成し、該凹
    凸溝間には前記冷却風通路に突出する放熱フィンを設け
    てなる請求項4に記載のスクロール式流体機械。
  7. 【請求項7】 前記油槽には前記冷却ファンからの冷却
    風の流れ方向に沿って前記油槽内を貫通する冷却管を設
    け、前記冷却風通路は該冷却管によって形成してなる請
    求項4に記載のスクロール式流体機械。
  8. 【請求項8】 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める油
    槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた固
    定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ
    た駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋
    回可能に設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮室
    を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽内
    に溜った油液を吸込口から吸込み該油液を冷却、潤滑を
    必要とする部位に供給する油液供給手段とを備えてなる
    スクロール式流体機械において、 前記油槽の底面には油液中に突出し互いに並行して延び
    る複数枚の油冷却フィンを設け、前記油槽内には油液供
    給手段の吸込側を構成する吸込管を該各油冷却フィンに
    沿って設け、前記油液供給手段の吸込口は、前記吸込管
    の先端部に形成したことを特徴とするスクロール式流体
    機械。
  9. 【請求項9】 前記駆動軸には前記固定スクロールとは
    長さ方向の反対側に位置して油槽の外周に冷却風を供給
    する冷却ファンを設け、前記油冷却フィンと吸込管は該
    冷却ファンからの冷却風の流れ方向に沿って配設し、前
    記油供給手段の吸込口は前記冷却ファンによる冷却風の
    上流側に配置する構成としてなる請求項8に記載のスク
    ロール式流体機械。
  10. 【請求項10】 前記吸込口は前記各油冷却フィン間に
    位置して複数個設け、該複数個の吸込口は前記吸込管の
    先端に向けて順次開口面積が大きくなるように形成して
    なる請求項8に記載のスクロール式流体機械。
  11. 【請求項11】 前記吸込管は、前記各油冷却フィンに
    沿って延びた吸込管本体と、前記各油冷却フィン間に位
    置して該吸込管本体の先端部に折返して設けられ開口端
    が前記油液供給手段の吸込口となった開口管部とからな
    り、前記油液供給手段の吸込口は各油冷却フィン間に開
    口する構成としてなる請求項8に記載のスクロール式流
    体機械。
  12. 【請求項12】 前記開口管部は前記各油冷却フィン間
    に位置して複数本設けてなる請求項11に記載のスクロ
    ール式流体機械。
  13. 【請求項13】 前記開口管部は前記各油冷却フィン間
    に位置して複数本設け、当該複数本の開口管部は前記吸
    込管の先端に向けて順次長さ寸法が短くなるように形成
    してなる請求項11に記載のスクロール式流体機械。
  14. 【請求項14】 下部側が冷却、潤滑用の油液を溜める
    油槽となったケーシングと、該ケーシングに設けられた
    固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けら
    れた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に
    旋回可能に設けられ固定スクロールとの間に複数の圧縮
    室を画成する旋回スクロールと、前記ケーシングの油槽
    に向けて冷却風を供給する冷却ファンと、前記ケーシン
    グと冷却ファンとを囲んで設けられ前記冷却ファンによ
    り外部から吸込んだ冷却風を固定スクロール側と油槽側
    とに導くダクトとを備えてなるスクロール式流体機械に
    おいて、 前記ダクトの吸気側には前記冷却ファンの回転によって
    生じる冷却風の風量を調整する風量調整手段を設けたこ
    とを特徴とするスクロール式流体機械。
  15. 【請求項15】 前記風量調整手段は、前記ダクトの吸
    気側に交換可能に設けられた吸込抵抗の異なる複数種類
    のフィルタによって構成してなる請求項14に記載のス
    クロール式流体機械。
  16. 【請求項16】 前記風量調整手段は、前記ダクトの一
    部をなして前記冷却ファンの周囲に交換可能に設けられ
    冷却風を吸込む吸気口の開口面積が異なる複数種類の吸
    気側ダクトによって構成してなる請求項14に記載のス
    クロール式流体機械。
  17. 【請求項17】 前記ケーシングには前記油槽の上側に
    位置して前記駆動軸を回転する電動モータを設け、該電
    動モータと油槽との間には両者を隔てる隔壁を設けてな
    る請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,
    11,12,13,14,15または16に記載のスク
    ロール式流体機械。
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