JP4757918B2 - 空調システム - Google Patents

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Description

この発明は建造物の内部で室温制御等に用いられる空調システムに関する。
空調制御方法として、従来以下のような方法が知られている。
例えば、各部屋に設置された空調用ワイヤレスセンサから受信機がセンサの識別情報とセンサ値を受信し、制御ユニットへ中継する。制御ユニットには予め部屋の間仕切り情報(対応表)が入力されており、空調ユニットに対応する空調用ワイヤレスセンサのセンサ値から制御データを算出し、空調ユニットへこの制御データを送信する。空調ユニットは制御ユニットからの制御データに基づいて空調ユニットを制御する。レイアウトの変更をした場合には、間仕切り情報(対応表)の変更のみで済むことが知られている。(例えば、特許文献1参照)
また、別の従来例では、各部屋には単一または複数のアンテナが天井に設置され、室温センサを内蔵したワイヤレスリモコンを操作した場合、ワイヤレスリモコン操作位置を検出し、検出した位置に対応する制御対象機器を制御する。複数のワイヤレスリモコンが同一空間で操作された場合、センサ値である室温の平均値でなく、設定情報の平均値で制御対象機器を制御する。(例えば、特許文献2参照)
また、一般に使われているエアコンには室温センサが内蔵され、吸い込み空気温度が設定温度に一致するように制御される。
特開平07−318144号公報(図1、段落0012) 特開2005−016846号公報(図2、段落0033)
従来の空調システムは、エアコンの吸い込み空気温度を室温センサによって検出して制御しているので、冬の低温外気および夏の直射日光の影響を受ける窓際、パソコンやユーザなどの発熱の影響を受けて冬でも暑い室内奥側、重い低温の空気および床の輻射の影響を受けて夏でも寒い足元などはエアコンの吸込み口から遠く離れているためこれらの位置での正確な温度検知が困難である。また、天井設置型エアコンの場合には天井部分の空気温度が室温センサによって検知されるが、天井部分の空気温度はユーザの位置における空気温度より高い温度で検知されるのでユーザの要求に合った快適な制御が困難であった。
また、特許文献1に示される従来例では、設置位置自由のワイヤレスセンサを使用するため窓際・室内奥側・床・人の位置での温度検出が可能であるが、1箇所しか検知しないため、窓際にワイヤレスセンサを設置すると寒い窓の影響で空調ユニットはフル運転し、窓際は快適となるが窓際以外の室内奥側は暑くて不快となるという問題点があった。
また、特許文献2に示される従来例では、複数のユーザがそれぞれセンサ内蔵ワイヤレスリモコンを同一空間で操作した場合、センサ値である室温の平均値でなく、設定情報の平均値で制御対象機器を制御するので、寒い窓際のユーザは最高設定温度、暑い部屋奥側のユーザが最低設定温度と必ずしも快適設定温度を操作するとは限らず、平均設定情報では快適性は得られない。ワイヤレスセンサ位置を検出するアンテナの設置コストが高額となるという問題もあった。
また、特許文献1および2のワイヤレスセンサおよびリモコンは電池を電源としており定期的に電池交換が必要で手間がかかるとともに、電池交換を怠ると温度検知ができなくなるという問題点があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、主たる目的は、窓際・部屋奥側など空調負荷の異なる箇所でも、共通の空調ユニットを用い快適な空調を低コストで得ることにある。
この発明に係る空調システムは、空調空間の温度や湿度を検出してセンサ値として出力するセンサと、自身を識別する識別情報を生成するユニット識別設定手段と、ユニット識別設定手段が生成した識別情報とセンサが出力したセンサ値とを変調して送信する第1の無線伝送手段と、を有する複数のセンサユニットと、第1の無線伝送手段から識別情報とセンサ値を受信して復調する第2の無線伝送手段と、第2の無線伝送手段によって復調された識別情報に基づいて特定されるセンサユニットの第2の無線伝送手段によって復調されたセンサ値に重み値を加味した加重平均値に基づいて空調空間の温度や湿度を調整する制御手段と、を有する空調ユニットと、を備えたものである。
この発明によれば、空調ユニットの制御手段が複数のセンサからのセンサ情報に基づいて空調空間の温度や湿度などを調整するようにしたので、共通の空調ユニットを利用して快適な空調を得ることができる。
この発明の実施の形態1における空調システムの構成を示すブロック図である。 この発明の各実施の形態で使用される演算式を示す図である。 この発明の実施の形態1の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1における空調システムのインバータ回路を示す構成図である。 この発明の実施の形態2における空調システムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3における空調システムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態4におけるセンサユニットの操作スイッチの様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態4におけるフローチャートである。 この発明の実施の形態5におけるセンサユニットの操作スイッチと照度センサの様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態5における昼間と夜間の照度を示すグラフである。 この発明の実施の形態5におけるフローチャートである。 この発明の実施の形態6における空調システムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態6および8におけるフローチャートである。 この発明の実施の形態7におけるフローチャートである。 この発明の実施の形態8における空調システムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態8における判定手段のフローチャートである。 この発明の実施の形態9における空調システムの構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態10におけるUSBによる受電の様子を示す説明図である。 この発明の実施の形態11における室内機とセンサユニットの設置状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態12における室内機とセンサユニットの設置状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態12におけるルーバ制御システムの構成図(その1)である。 この発明の実施の形態12におけるルーバ制御システムの構成図(その2)である。 この発明の実施の形態13における室内機とセンサユニットの設置状態を示す説明図である。 この発明の実施の形態14における輻射センサを用いた構成図である。 この発明の実施の形態14の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態17におけるユーザの移動状況と室内機による空調制御との関係を示す説明図である。 この発明の実施の形態18における空調システムの動作(その1)を示す説明図である。 この発明の実施の形態18における空調システムの動作(その2)を示す説明図である。 この発明の実施の形態19における空調システムの動作を示す説明図である。 この発明の実施の形態19における空調システムの動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1:重み、2:重み、100: 設定ユニット、101:判定手段、102:伝送手段、102a:伝送手段、102b:伝送手段、103:記憶手段、200:伝送線、210:伝送専用線、220:信号線、300:室外機、301:伝送手段、302:制御手段、310:室内機、311:制御手段、312:伝送手段、313:記憶手段、320:冷媒配管、350:ラックマウントサーバ、360:RFIDリーダ、400:伝送ユニット、401:無線伝送手段、402:制御手段、403:伝送手段、410a,b:センサユニット、411:温度センサ、412:ユニット識別情報設定手段、413:無線伝送手段、420:外気温度センサ、430:受信ユニット、431:無線伝送手段、432:制御手段、433:伝送手段、451:交流電源、452:整流回路、453:平滑コンデンサ、454:インバータ、455:圧縮機モータ、456:インバータ駆動回路、500:パソコン、501:USBポート、510:USB(Universal Serial Bus)、520:USB端子、600:室内機制御基板、610a,b:コネクタ、620a,b:室温センサ、700:操作スイッチ、710:照度センサ、800:無線伝送手段、801:制御手段、1200:インターネット、1201:伝送手段、2101:ファン駆動回路、2102:ファンモータ、2103:ファン、2104:ルーバ、2105:ルーバ角度センサ、2106:ルーバ駆動回路、2107:ルーバ駆動モータ。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における空調システムの構成を示すブロック図、図2はそのシステムの制御のための演算式を示す図である。
図1において、室外機300と室内機310は冷媒配管320と伝送線200で接続され空調ユニットを構成している。また、伝送ユニット400はZigBee(商標)(IEEE802.15.4)の標準規格に準拠した無線伝送手段401と、プロトコル変換を行う制御手段402と室内機310と通信する伝送手段403とを備えており、伝送専用線210を介して室内機310と接続されている。また、室内機310は、加重平均の計算を行い、この計算結果に基づいて運転を制御する制御手段311と伝送ユニット400との間で情報通信を行う伝送手段312を備えている。なお、制御手段311と伝送手段312は室内機310に標準装備されている。センサユニット410aおよび410bは、温度センサ411、自身の識別情報を設定するユニット識別情報設定手段412および伝送ユニット400の無線伝送手段401と送受信するためのZigBeeの標準規格に準拠した無線伝送手段413を備えている。
なお、この実施の形態1を含む各実施の形態において、センサユニットは2個に限らず、それより多くてもよい。また、無線伝送はZigBeeを利用するものにかぎられず、BluetoothやUWB(Universal Wide Band)など他の方式によるものであってもよい。
また、図3はこの実施の形態1の動作を示すフローチャートである。次に、実施の形態1の動作を図1〜3を用いて説明する。
個々のセンサユニット410a、bは自身の識別情報を設定するためのユニット識別情報設定手段412を備えており、このユニット識別情報設定手段412は、例えばDIPスイッチで実現することが可能である。この場合には、DIPスイッチをユーザが手操作により異なる値を設定することで個々のセンサユニット410a、bにそれぞれ固有なアドレスが割り付けられる。また、ユニット識別情報設定手段412を複数のジャンパー線で実現し、このジャンパ線の一部をそれぞれ異なるように切ることによって実現することも可能である。あるいは、ROMなどの不揮発性の記憶手段にソフトウェアを利用して直接センサユニット毎にそれぞれ異なるアドレス書き込むことで実現することも可能である。上記の手段により設定されたセンサユニットの識別情報はセンサユニットに電源が供給されている間はZigBee対応の無線伝送手段413経由で外部空間に送信することができる。また、センサユニット410a,bはサーミスタなどの温度を測定する温度センサ411を備えており、この温度センサ411が検出した温度をZigBee対応の無線伝送手段413経由で外部空間へ送信することが可能である。
センサユニット410aおよび410bはユニット識別情報設定手段412が設定した自身の識別情報と温度センサ411が測定した温度情報をZigBee対応の無線伝送手段413で変調した上で空間に送信する(ステップS31)。これらの情報は空間を伝搬して伝送ユニット400に伝達される。伝送ユニット400において、ZigBee対応の無線伝送手段401はこれらの情報を受信し、復調する(ステップS32)。制御手段402は復調された識別情報と温度情報を室内機用に変換した(ステップS33)上で伝送手段403及び伝送専用線210を介して室内機310へ送信する(ステップS34)。
室内機310において、制御手段311は、伝送専用線210および伝送手段312を介して識別情報と温度情報を受信すると(ステップS35)、図2の式に従い、予め記憶手段313に記憶されたセンサユニット410a,bに対する重みi値Wi(i=1〜n)のk乗(k=1〜nの任意の値)とそれぞれのセンサの温度情報であるセンサi値Si(i=1〜n)のm乗(m=1〜nの任意の値)に基づいて加重平均計算を行い、計算結果を制御値Cとする(ステップS36)。そして、制御値Cと設定温度を比較して(ステップS37)、一致しなければ、室内機310の制御手段311は、制御値に基づいて空調ユニットの運転を制御した(ステップS38)上でステップS31へ戻る。即ち、制御手段311は、制御値に基づいて例えばインバータにより空調ユニットの圧縮機を能力制御し、空調サイクルはこれに基づいて空調運転を実行する。ステップS37の比較において、制御値Cと設定温度が一致すれば、制御手段311は、空調制御をサーモ停止した(ステップS39)上でステップS31へ戻る。すなわち、室内機310の制御手段311は制御値が設定温度と一致するまで空調ユニットの運転を制御する。
なお、上記加重平均において、重みi値とはi番目の重みという意味である、センサi値とはi番目のセンサ値という意味である。
具体的には、図2の式に従い、例えばk=m=1とすると、制御手段311は、予め記憶手段313に記憶されたセンサユニット410aに対する重み1値(W1)の1乗とセンサユニット410bに対する重み2値(W2)の1乗を、それぞれのセンサの温度情報であるセンサ1値(S1)の1乗、センサ2値(S2)の1乗との加重平均計算を行い、計算結果を制御値Cとし、制御値が設定温度と一致するまで空調ユニットの運転を制御する。
図4は、この発明の実施の形態1におけるインバータ駆動による空調システムの構成を示す回路図である。図4に示すように空調システムは、圧縮機461、四方弁462、冷媒流量調節弁463、凝縮器464、絞り装置465、蒸発器466、アキュムレータ467から成る冷媒サイクルと、上記圧縮機461を能力制御するために交流電源451と、整流回路452と、平滑コンデンサ453と、インバータ454と、圧縮機モータ455と、インバータ駆動回路456とを備えたインバータシステムとによって構成されている。制御手段311は加重平均によって得られた制御値を上記インバータ駆動回路456に供給してインバータ454をPWM制御することで圧縮機モータ455を駆動する交流電源の周波数を制御する。また、制御手段311は上記制御値を冷媒流量調節弁463に指令値として供給して冷媒流量調節弁の開度あるいは開閉を調整することで冷媒の流量を所望の値に制御する。これにより、制御手段311からの制御値に応じた最適な空調運転が可能になる。
以上のように、この発明の空調システムによれば、空調ユニットに無線伝送手段を備えた伝送ユニットを接続し、無線伝送手段を備えた複数のセンサユニットからのセンサ情報に使用態様(設置場所、季節、時間帯、外気温度、照度(直射日光、消灯)など)に応じた重み値を加味した加重平均値を制御値として空調ユニットの運転を制御するようにしたので、窓際・部屋奥側など空調負荷の異なる箇所においても快適な空調を得ることができる。
また、室内機を束ねて管理するような特別な制御装置を必要とせず、室内機自ら判断するので安価に構成でき、小規模な空調システムにも適用できる。
実施の形態2.
以上の実施の形態1では、特別な制御装置を付加せず、室内機310自ら判断するようにしたものであるが、この実施の形態2では重み値を演算する判定手段を備えた設定ユニットを付加した実施の形態について説明する。
図5は、この発明の実施の形態2における空調システムの構成を示すブロック図である。図5において、図1と同符号は同一または相当部分であり、伝送線200を介して室内機310と情報交換を行う設定ユニット100が追加されている以外は、図1の構成と同じである。また、伝送ユニット400およびセンサユニット410a,bの構成は図1と同じである。設定ユニット100は各センサユニット410a,bに対する重み値を演算する判定手段101と、室内機310の伝送手段312と通信する伝送手段102と、スケジュールデータを記憶する記憶手段103とを備える。
次に、本実施の形態2の動作について図5を参照して説明する。
設定ユニット100の判定手段101に年間スケジュール機能を搭載する。このスケジュール機能は例えば、判定手段101にマイコンを組み込み、スケジュール機能を有するソフトウェアを記憶手段103に搭載し、このスケジュール機能を有するソフトウェアをマイコンが実行することで実現される。そして、判定手段101は、このケジュール機能を用いて毎日、予め設定した時刻になると、窓際や部屋奥側に設けられた各センサ毎に測定を数分間隔で複数回行い、その平均値を測定データとして各センサ毎に記憶手段103に記憶しておく。そしてこのデータを毎年蓄積しておく。そして、重みを計算する場合には、センサ毎に記憶手段103に蓄積された過去数年分の測定データを用いて重み値を演算する。演算方法としては、例えばセンサ毎に過去数年分の季節ごとの測定データの平均値(たとえば、夏ならば或る年の夏3ケ月分の毎日の測定データの平均値を算出し、算出された平均値を一夏分の平均値として記憶手段103に記憶し、同様にして過去数年分の夏の平均値を記憶手段に記憶させておく。そして、予め決めた過去複数年分(例えば過去10年分)の夏の平均値を記憶手段103から取り出してこの平均を計算して得られる平均値のことである。他の季節についても同様である)を当年度の各季節の重み値とする方法、3ケ月ごとの測定データの平均値に季節に応じて異なる値を加算した結果を重みとする方法、3ケ月ごとの測定データの平均値に季節に応じて異なる値を乗算した結果を重みとする方法などがある。また、向こう1週間の当該地区の天気予報の温度情報の平均値に基づいて重み値を算出する方法などが考えられる。なお、季節に応じて異なる値は定数であるが、定期的あるいは必要時に見直して適正な値に変更する場合もある。また、平均の計算において、単純に平均計算する方法や現在に近い測定データほどより大きい所定の値を割り付けて平均(加重平均)を計算する方法などがある。システムの条件に応じて上記のいずれかの方法を採用することで精度の高い重みが生成される。次に、判定手段101は、伝送手段102、伝送線200を介して室内機310へ重み値を伝達する。室内機310では、伝送手段312が重み値を受信する。重み値を用いた室内機310の動作は実施の形態1と同じである。
以上のようにこの実施の形態2によれば、設定ユニット100が重み値を演算するようにしたので、設定ユニットに過去数年間のスケジュール機能を搭載し、季節に応じて重み値を変えたり、設定ユニットにインターネット接続機能を搭載し、インターネットから得た天気に応じて重み値を変えたりすることができ、空調ユニット側を変更することなく標準品を用いて、より快適な空調を得ることができるので、幅広い適用が可能となる。
実施の形態3.
以上の実施の形態1,2では、各室内機310へそれぞれ伝送ユニット400を一々取り付けたが、本実施の形態3では、各室内機310へ伝送ユニット400を装着せず、且つ制御手段311は加重平均もせず、受信ユニット430が一括してセンサユニット410a,bの情報を受信する実施の形態を説明する。
図6は、この発明の実施の形態3における空調システムの構成を示すブロック図である。図6において、図5と同符号は同一または相当部分である。また、センサユニット410の構成は図1と同じである。判定手段101はさらに室内機310の制御手段311の代わりに加重平均の計算を行う機能を有する。受信ユニット430は各センサユニット410a,bと通信するためのZigBeeの標準規格に準拠した無線伝送手段431とプロトコルを変換する制御手段432と設定ユニット100の伝送手段102と通信するための伝送手段433とを備えている。
次に、この実施の形態3の動作を、図6を参照して説明する。
受信ユニット430は常時すべてのセンサユニット410a、bからの信号の有無を監視している。受信ユニット430の無線伝送手段431は、各センサユニット410a,bから変調された温度情報とセンサユニットの識別情報を受信すると、これらの信号を復調する。制御手段432は、復調された温度情報と識別情報を室内機用にプロトコル変換した後、伝送手段433、伝送線200を介して設定ユニット100へ伝達する。設定ユニット100では、伝送手段102が温度情報とセンサユニットの識別情報を受信すると、判定手段101が実施の形態1における室内機の制御手段311と同様に図2の演算式に従い制御値を演算し、その制御値を伝送手段102、伝送線200を介して室内機310へ伝達する。室内機310では、伝送手段312が設定ユニット100から制御値を受信すると、制御手段311はこの制御値が設定温度と一致するまで空調ユニットの運転を制御する。
以上のようにこの実施の形態3によれば、各室内機310へ伝送ユニット400を個々に装着する必要がないので、室内機の数が多いシステムでは無線伝送手段の数量が少なくて済み、安価に構成できる。また、室内機310内では特別な演算をする必要がなく、標準の室内機を利用することができる。
なお、設定ユニット100に無線伝送手段を備え、受信ユニットを兼用するようにしてもよい。
また、上記の例では室内機310の制御手段311が加重平均の計算をしない場合について説明したが、制御手段に加重平均計算させてもよいことはいうまでもない。
実施の形態4.
以上の実施の形態1、2、3では、センサユニット410a,bは設置された場所の温度を検出するだけであったが、本実施の形態4では、センサユニット410a,bは操作スイッチを備え、ユーザの温度感覚意志を反映できる実施の形態について説明する。なお、この実施の形態4では、図1、図5、図6のいずれの構成も適用可能である。
図7はこの発明の実施の形態4におけるセンサユニット410a,bの操作スイッチの様子を示す説明図である。ユーザは暑いもしくは寒いと感じた時、図7のセンサユニット410に備えられた操作スイッチ700を操作する。センサユニット410は操作スイッチの操作状態をZigBeeの標準規格に準拠した無線伝送手段を介して送信する。このスイッチの操作状態情報は図1または図5の構成例では、伝送ユニット400に伝達され、実施の形態1と同様にして室内機310の制御手段311に渡される。制御手段311は、図8のフローチャートに従い制御値を演算する。また、図6の構成例では、上記スイッチの操作状態情報は受信ユニット430に伝達され、実施の形態3と同様にして設定ユニット100の判定手段101に渡される。判定手段101は、図8のフローチャートに従い制御値を演算する。次に、制御手段311あるいは判定手段101の動作を図8のフローチャートを用いて説明する。
制御手段311(あるいは判定手段101)は、初期値をセンサユニット410aおよび410bそれぞれに対応する重み1値、重み2値をα(αは0以上の任意の数値である。ここでは、例えばα=5とする)として設定し(ステップS81)、ステップS82で操作スイッチ700の操作があったか否かを判定し、操作スイッチの操作がなければステップS84に進み、操作スイッチの操作があった場合には重み値を+β(βは任意の正の値である。ここでは、例えばβ=1とする)して(ステップS83)、ステップS86に進む。ステップS84では、操作スイッチ700の操作があったか否かを判定し、操作スイッチの操作がなければステップS86に進み、操作スイッチの操作のあった場合には重み値を+γ(γは任意の正の値である。ここでは、例えばγ=1とする)して(ステップS85)、ステップS86に進む。ステップS86では、以上のステップで得られた重み値を基に図2と同じ式を用いて加重平均計算を行いステップS82へ戻る。ユーザは依然として暑いもしくは寒いと感じた時は再度操作スイッチ700を操作することでさらに重み値が増し、制御値は操作されたセンサユニットの値がより濃く反映される。
この場合、操作されたセンサユニットが検知したセンサ値がより濃く反映された値に設定温度を近づけるよう空調ユニットは運転される。ユーザが設定温度を変更した場合は快適温度に設定するのではなく最高もしくは最低温度に設定される場合があるが、設定温度は快適温度に維持され、ユーザの温度感覚に応じたきめ細かい対応が可能であり、ユーザが暑い寒いと感じたセンサユニットの場所を快適な設定温度に近づけることができる。
実施の形態5.
ここでは、センサユニット410a,bに照度センサ710を設け、照度センサのレベルに応じて重み付けを変える場合の実施の形態5を図9、図10および図11に示す。なお、この実施の形態5では、図1、図5、図6のいずれの構成も適用可能である。
センサユニット410は照度センサ710が検出した照度情報をZigBeeの標準規格に準拠した無線伝送手段を介して送信する。
制御値を演算する室内機310の制御手段311もしくは設定ユニット100の判定手段101において、図11のフローチャートに従い、照度センサ710が検出した照度レベルに応じてセンサユニット410を3つのグループにグループ分けする(ステップS111)。グループ分けについては、例えば、図10に示すように、直射日光の当たる領域に配置されたセンサユニット、点灯、消灯の3グループとし、それぞれのグループの重み値を+5、±0、−5とした。なお、昼間と夜間では窓からの光の影響で点灯および消灯の照度レベル絶対値は異なるが、相対的にグループ分けすることで区別することができる。制御手段311もしくは判定手段101は、各レベルに応じた重み値を設定し(ステップS112)、この重み値に基づいて制御値を演算し(ステップS113)、室内機310はこの制御値が設定温度に一致するまで空調ユニットの運転を制御する。
この実施の形態5によれば、照度センサのレベルに応じて、例えば直射日光が射した窓際の影響度は上がり、人が不在と考えられる消灯部分は影響度を下げて空調制御されるので、より快適な空調が行われる。
なお、ここでは、照度センサのレベルを3つのグループにしたが、別の複数のグループに分けて、それぞれの重み値を設定してもよい。
実施の形態6.
ここでは、室外機300に外気温度センサ420を設けた実施の形態6を図12および図13に示す。図12において、図6と同符号は同一または相当部分を示す。外気温度センサ420は信号線220を介して室外機300に接続されている。また、室外機300は外気温度センサの温度情報を受信する伝送手段301と制御手段302を標準装備している。
次に、実施の形態6の動作を図12及び図13を用いて説明する。
外気温度センサ420が検出した外気温度は信号線220を介して室外機300に伝達される。室外機300では、標準装備の伝送手段301が外気温度を或るポートから受信すると、制御手段302は、この外気温度を同じ伝送手段301の別のポートから送信する。室外機300から送信された外気温度は、送線200を介して制御値を演算する室内機310もしくは設定ユニット100に外気温度値を伝達する。制御値を演算する室内機310の制御手段311もしくは設定ユニット100の判定手段101は図13に示すフローチャートに従い、外気温度が30℃超または0℃未満の場合には(ステップS131、S132)窓際に設置されたセンサユニット410aまたは410bの重み値を増加させる(ステップS133)。
この実施の形態6により、外気温度が暑いまたは寒い時、制御値に窓際の温度をより濃く反映させる。
なお、室外機300に外気温度センサ420および湿度センサを備え、これらの検出値に基づいて外気のエンタルピーを算出し、算出された外気のエンタルピーに基づいて重み値を演算するようにしてもよい。
実施の形態7.
ここでは、設定ユニット100にスケジュール機能を備えた実施の形態7を図14に示す。
設定ユニット100はスケジュールに従い重み値を変化させる。例えば、図14のフローチャートにおいて、6〜9月の夏季および12月〜2月の冬季は(ステップS141、S145)、窓際に設置されたセンサユニット410aの重み1値を基準値+5(ステップS142、S146)、部屋奥側に設置されたセンサユニット410bの重み2値を基準値−5とし、3月〜5月および10月〜11月の中間期は(ステップS143)、窓際に設置されたセンサユニット410aおよび部屋奥側に設置されたセンサユニット410bの重み値を同じ基準値+0とし温度を均等に処理する(ステップS144)。
これにより、外気温度が暑いまたは寒い季節、制御値に窓際の温度をより濃く反映させることができる。また、外気温度センサを設置する必要がなく低コストとなる。
なお、重み値の変化は月単位ではなく、時間単位として朝、昼、夜区分けするようにしてもよい。
実施の形態8.
ここでは、設定ユニット100をインターネットと接続した実施の形態8を図15に示す。
図15において、図1と同符号は同一または相当部分である。図15に示すように、設定ユニット100はインターネット1200に接続されている。
また、図16はこの実施の形態8における判定手段101の動作を示すフローチャートである。
次に、この実施の形態8の動作を図15及び図16を用いて説明する。
設定ユニット100において、判定手段101は、伝送手段1201を介してインターネット1200に接続された他のサイトから天気予報の情報(以下、天気情報という)を得る(ステップS161)。そしてインターネット1200から得られた当該地区の天気情報の外気温度が、人間が室内で耐えられる範囲を超えるような予め定めた値である場合には重みを所定の値だけ増加させる(ステップS164)。具体的には、外気温度が30℃超または0℃未満が予測される場合(ステップS162、S163)、窓際に設置されたセンサユニット410aの重み値を所定の値だけ(例えば、ここでは5つだけ)増加させる。次に、判定手段101は、この重み値に基づいて図2の式に従って、制御値を算出し(ステップS165)、この制御値を伝送手段102a、伝送線200を介して室内機310へ伝送する(ステップS166)。室内機310において、制御手段311は伝送手段312を介して制御値を受信すると、この制御値に従って空調機を制御する。
これにより、窓際に対してより重点的な空調が行われることになるため、外気の異常温度が窓を通じて室内に影響を与え、ユーザの耐えられる温度範囲を超えるのを防ぐことができる。
以上のように、外気温度が暑いまたは寒い時、制御値に窓際の温度をより濃く反映させることができる。また、外気温度センサを設置する必要がなく低コストとなる。
実施の形態9.
ここでは、無線伝送手段を室内機310と着脱式にした実施の形態9を図17に示す。
室内機310は室内機制御基板600と室温センサ620aを内蔵している。室内機制御基板600はコネクタ610aを備え、コネクタ610bを備えた伝送ユニット400を接続することができる。室内機310は、また無線伝送手段630および室温センサ620bを備えたセンサユニット410と、伝送ユニット400を介して情報交換することができる。室内機310は室温センサ620aと620bの利用を選択手段により選択することができる。
こうすることで、ワイヤレスセンサを利用したくないユーザには、伝送ユニット400を付属する必要がないのでコストダウンとなる。
実施の形態10.
この実施の形態10では、センサユニット410a,bはパソコンなどの電子機器に装着されているUSB(Universal Serial Bus)510から電源を得る実施の形態を図18に示す。
センサユニット410a,bはそれぞれUSB端子520を備え、パソコン500とUSB510により接続され、パソコン500のUSBポート501には、AC100Vの端子と0Vの端子が設けられており、パソコンが稼動中は、この端子から電源を得ることが可能である。そこで、このUSBポート501とUSB端子520をUSB510で接続することにより、センサユニット410a,bに電源が供給される。なお、センサユニット410には充電式電池を備え、パソコン500が電源遮断された場合でも動作継続するようにしてもよいし、パソコン500が電源遮断された場合にはユーザは在席しておらず、その場所の室温は無視しても問題はない場合は、電池を備えず、パソコン500が電源遮断された場合には動作が停止するようにしてもよい。
近年は、室内で使用される各種電子機器に、USBポートが設けられていることが多くなっており、USBポートを室内で探すことは困難ではなくなっている。これにより、定期的な電池交換が不要なワイヤレスセンサを得ることができる。
実施の形態11.
この実施の形態11では、室内において温度むらが顕著に発生しているようなオフィスでは、1台の空調機で空調することができないことがある。この場合には温度むらの激しい箇所に重点的に複数かつ最小限の数の空調機を設けてこれをより木目細かく制御することにより温度むらの問題を解消することが可能である。この実施の形態11では、このような実施の形態について説明する。
この実施の形態11では図1も参照される。図19に示すように予め、室内エリアの温度むらの状況を調べておき、特に温度むらの激しいエリア毎に1台の室内機と複数のセンサユニットを設置しておく。なお、温度むらの状況調査ほどのような方法で行ってもよいが、例えば、後述する輻射センサなどを利用して行うことができる。図19の例では、エリアAでは室内機310aとセンサユニット410a〜c、エリアBでは室内機310bとセンサユニット410d〜e、エリアCでは室内機310cとセンサユニット410f〜hを設置しておく。
そして、図1に示すように各センサユニット410のユニット識別情報設定手段412が設定した識別情報と温度センサ411が測定した温度情報を無線伝送手段413、伝送ユニット400、伝送専用線210を介して室内機310(310a、310b、310c)に伝達する。
室内機310において、制御手段311は伝送ユニット400および伝送専用線210を介して識別情報と温度情報を受信すると、図2の式に従い、予め記憶された各エリア毎の各センサユニット410a〜hに対する重みi値Wi(i=a,b,・・・,h)とそれぞれのセンサの温度情報であるセンサi値Siに基づいて加重平均計算を行い計算結果を制御値Cとし、制御値が設定温度と一致するまで各空調ユニット310a、310b、310cの運転を制御する。
このように、室内の各エリア毎に配置された室内機が複数の温度センサが検出した温度とユニット識別情報からの加重平均をとり、この結果に基づいて当該エリアの温度を室内機に制御させることで、室内の温度むらを木目細かく防止することが可能になる。
実施の形態12.
実施の形態11では、室内の温度むらが発生している場合、複数台の室内機で室内空調を制御する場合について説明した。しかし、空調機の数を1台に減らして、ルーバの吹出し方向毎にエリアを分け、各エリア毎にエリア内に存在する複数の温度センサが検出した温度の加重平均をとり、この結果に基づいて上記室内機のルーバを制御して風向きを変えてやることで低コストで温度むらを減らすことができる。この実施の形態12では、このような実施の形態について説明する。
次に、この実施の形態12の動作を説明する。図1はこの実施の形態12でも使用される。図20はこの発明の実施の形態12における室内機310とセンサユニット410a〜gの設置状態を示す説明図である。また、図21は、この発明の実施の形態12におけるルーバ制御システムの構成図である。図21に示すようにルーバ制御システムは室内機310に設けられており、室内機標準装備のファン駆動機構(図示せず)の代わりに、ファン駆動回路2101、ファンモータ2102、ファン2103、ルーバ2104の角度を検出するルーバ角度センサ2105から構成されている。次に、この実施の形態12の動作について図20及び図21を用いて説明する。
室内機が稼働している間、リモコンから風向きの自動スイングを設定すれば、室内機310に標準装備のルーバ駆動機構(図示せず)によりルーバ2104は常時、最小角度から最大角度までの範囲内で一定の速度で変化しながら風を吹き出すことができる。そこで、室内機310にルーバ2104の角度を検出するルーバ角度センサ2105を設ける。また、予め各センサユニット410a〜gの位置を測定し、ルーバの角度(所定の刻み、例えば、1度刻みあるいは数度の刻み)と、その角度に対応する空気吹き出し方向に存在するセンサユニット及びその重み値を対応させた表を室内機310の記憶手段313に登録しておく。
そして、ルーバ角度センサ2105がルーバの角度の変化を検出する都度、室内機310の制御手段311は記憶手段に記憶された表を読み出して前記ルーバの角度に対応する空気吹き出し方向に存在するセンサユニットとその重み値を取得する。
例えば、室内機310が黒の矢印で示す吹き出し方向にルーバ2104が向いた場合には、室内機310の制御手段311は記憶手段に記憶された表に基づいてその方向のエリアにセンサユニット410aと410bが存在していることを知るとともにその重み値を取得する。そこで、これらのセンサユニット410a、bから送られる温度情報と上記のように表より得られた重み値による加重平均を演算することで、この方向での制御値を得ることができ、この制御値に基づいて当該方向における空調ユニットの吹出し量を制御する。すなわち、制御手段311がファン駆動回路2101に算出された制御値を出力することでファンモータ2102が制御値に応じた回転数で回転し、ファン2103から回転数に応じた量の風が吹き出される。
また、室内機310が白の矢印で示す吹き出し方向にルーバ2104が向いた場合に、室内機310の制御手段311は同様にしてその方向のエリアにセンサユニット410cと410dが存在するのを知るので、これらのセンサユニットから送られる温度情報と予め設定された重み値による加重平均をとることで、この方向での制御値を得ることができ、この制御値に基づいてこの方向における空調ユニットの吹出し量を上記と同様にして制御する。
以上ようにこの実施の形態12によれば、1台の室内機で室内を制御する場合には、ルーバの吹出し方向毎にエリアを分け、各エリア毎にエリア内に存在する複数のセンサユニットからの温度情報と予め設定された重みとの加重平均を演算し、この演算結果に基づいて上記室内機のルーバの向きに応じて風の吹出し量を制御するようにしたので、実施の形態11よりも低コストで温度むらを減らすことができる。
なお、上記の例では、ルーバの向きを一定の速度で変化させながら吹き出し量を制御する場合について説明したが、単位時間の吹き出し量を一定にして、ルーバ2104の向きの移動速度を制御するようにしてもよい。図22はこの一例を示す構成図である。この場合には、室内機310に標準装備のルーバ駆動機構の代わりに、ルーバ2104の角度を制御するためのステッピングモータなどのルーバ駆動モータ2107とこのルーバ駆動モータ2107を制御するためのルーバ駆動回路2106をさらに追加する。室内機310の制御手段311はファン駆動回路2101には所定の値を指令値として出力することで、この指令値に対応した吹き出し量を出させる。この指令値は不変とすることで、吹き出し量を一定に保持できる。なお、ファンについては室内機標準装備のファン機構を用いてもよい。
また、制御手段311は、ルーバ2104の角度情報を持ち、この角度情報と上記表とに基づいてセンサユニット410(410a、bまたは410c、d)を特定し、このセンサユニット410(410a、bまたは410c、d)から送られる温度情報と表より得られた重み値による加重平均を演算することで、この方向での制御値を得ることができる。次に、制御手段311は、この制御値に基づいて現在のルーバ角度の滞在時間を決定する。そして、制御手段311は、室内機の運転中、ルーバ駆動回路2106にルーバ2104の角度情報とその角度における滞在時間を指令値として出力する。これにより、ルーバ駆動回路2106はルーバ駆動モータ2107を駆動し、これにより、ルーバ2104の角度が指令された通りに移動する。
なお、制御手段311が出力する角度情報は、予め定めた最小値から予め定めた最大値(例えば0〜90度)までの範囲内で所定の刻み(例えば、1度刻みあるいは数度の刻み)で逐次変化させるものである。例えば、制御手段311は、ルーバ2104の角度を制御値に応じた速度で順次大きくし、上記最大値に達したら、今度は逆に制御値に応じた速度で順次小さくし、上記最小値に達したら、今度は再び一定の速度で順次大きくするという動作を繰り返す。これにより、大きい重みで算出された制御値におけるルーバ2104の角度はゆっくりと移動し、小さい重みで算出された制御値におけるルーバ2104の角度は速く移動することになる。
このように、各エリア毎にエリア内に存在する複数のセンサユニットからの温度情報と予め設定された重みとの加重平均を演算し、この演算結果に基づいて上記室内機のルーバの向きを制御して風向きを変えつつその風の吹出し時間を制御するようにしたので、ルーバの或る方向でのトータルの風の吹き出し量は上記と同じであり、同様の効果を奏する。
実施の形態13.
ここでは、発熱量の大きい機器類の空調制御について説明する。例えば、サーバ計算機が複数台のラックにマウントされているラックマウントサーバは他の電気品に比べて発熱量が極めて大きいため、周囲の空気温度が上昇しやすい。従って、このラックマウントサーバの冷却が不十分であると、サーバの稼動温度帯を超えてしまい誤動作を起こすおそれがある。そこで、このラックマウントサーバの冷却を十分に行って稼動温度帯を維持する必要がある。この実施の形態13では、このような実施の形態について説明する。
次に、この実施の形態13の動作を説明する。図1はこの実施の形態13でも使用される。図23はこの発明の実施の形態13における室内機310とセンサユニット410の設置状態を示す説明図である。
室内機310の制御手段311は、機器の稼働温度帯と対応するセンサユニットの識別情報及びその重み値を記憶手段313に表として記憶しておく。また、制御手段311は、定期的にすべてのセンサユニット410a〜gからの温度情報と記憶手段313に記憶された稼動温度帯を比較する。ラックマウントサーバ350に設けられたセンサユニット410eからの温度情報が記憶手段313に記憶されているラックマウントサーバの稼動温度帯を超えていれば、制御手段311は、表からその稼動温度帯に対応するセンサユニットの識別情報を読み出すことで、対応するセンサユニット410eを特定し、当該センサユニット410eの重みを増やして加重平均を計算し、この結果を制御値として室内機310を運転する。制御手段311は、このような動作をセンサユニット410eからの温度情報が予め登録してあるラックマウントサーバの稼動温度帯内に収まるまで繰り返す。
また、加重平均をとる際にラックマウントサーバの冷却を最優先にするためにラックマウントサーバに設けられたセンサ以外の重み値を0にするのが好ましい。これにより、ラックマウントサーバの冷却が最優先に行なわれる。
また、センサユニット410eを定期的監視から常時監視に切替えるか、あるいは定期的監視のインターバルを短くする。これによりラックマウントサーバ周囲の温度をより早く稼動温度帯内に収めることができる。
また、加重平均の重みは、ラックマウントサーバ稼動温度帯とセンサ温度との偏差に比例した重みとするのが好ましい。これにより、ラックマウンドサーバが稼動温度帯よりかなり熱い場合には急激な冷却が行なわれ、稼動温度帯近くになると行き過ぎないようにスムーズに稼動温度帯に入りやすくなり、結果的にはラックマウントサーバが極めて迅速に稼動温度帯に収まることになる。
この実施の形態13によれば、発熱量の大きい機器類に最も近い温度センサの重みを最大にして加重平均した結果に基づいて空調制御するので、発熱量の大きい機器類の稼動温度帯を維持することが可能である。
実施の形態14.
通常、人が集まっている場所の温度は人のいない場所の温度より高い。例えば、人のいない場所の温度が32℃前後であるとき、人が集まっている場所の温度は35〜36℃近くに達している。そこで、この実施の形態では、天井設置型室内機に設けられ、下方の温度制御対象領域の赤外線を左右150°の範囲で室内を広範囲に監視できる輻射センサ(例えばムーブアイ(商標))と、図1の構成を利用した空調システムを説明する。
図24はこの実施の形態14における輻射センサを用いた構成図である。図24において、図22と同符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。ここでは、図22の構成に輻射センサ2401が追加されている。また、図25はこの実施の形態14の動作を示すフローチャートである。
次に、この実施の形態14の動作を図24及び図25を用いて説明する。
また、例えば、基準温度を34℃とし、この基準温度を予め内部の記憶手段に保存しておく。また、輻射センサの向きを示す角度とこの角度の方向へ吹出す風の及ぼす範囲内に存在する少なくとも1つのセンサユニットの識別情報を最も近い方から順番に対応させた表を記憶手段に保存しておく。
この状態で、輻射センサ2401は左右150°の範囲で室内を一定の速度で順次角度を変えながら温度が上記基準温度以上の場所をサーチして監視する(ステップS251)。そして、予め定めた閾値より強い赤外線が検出されたら(ステップS252)、輻射センサ2401は、室内機310の制御手段311はその方角の位置にユーザが集まっていると判断し、この方角を記憶手段に保存する(ステップS253)とともに、記憶手段から表を読み出し(ステップS254)、センサユニットの識別情報に基づきその方角の位置に最も近い方から少なくとも1つのセンサユニットを選択し(ステップS255)、このセンサユニットの重み値を増やし(ステップS256)、図2の式を用いて加重平均を算出することで制御値を得る(ステップS257)。そして、制御手段311は、輻射センサが検出した方角に対してルーバを向け、制御値に基づいて実施の形態12と同様にしてファンからの吹き出し量を制御する(ステップS258)。
このように実施の形態14によれば、天井設置型室内機に設けられ、下方の温度制御対象領域を監視する輻射センサにより、人の存在する空間に対して重点的に空調を行うことが可能であり、快適な環境を維持することが可能になる。
実施の形態15.
この実施の形態15では、学習機能を追加する。例えば、1シーズンの間、重み付けを実施した結果を定期的に記録しておき、この結果を平均したデータをデフォルト値として温度設定を行い、空調機を制御する。
また、平均をとる際に、記憶しておくデータ量を所定の値に制限し、最新のデータを記憶する都度、最も古くなったデータを消し去り、データが新しいほどより大きな重みを適用して加重平均を行うようにしてもよい。
なお、メモリの容量の制限がある場合には、調査期間の長さに応じて記録をとるインターバルを調整する。例えば、メモリ領域が31しかない場合には、1ケ月単位で記録をとる場合には毎日1回、季節単位で記録をとる場合には4日毎に1回、1年単位で記録をとる場合には、12日に1回、1週間単位で記録をとる場合には、1日に4回数という具合に記録をとるインターバルを変える。
以上のようにこの実施の形態15によれば、ユーザは操作部から温度設定操作をする必要がなく、起動後、本人の現在の体調により近い空調環境をデフォルト値として早期に立ち上げるので、快適な空調が即座に得られる。
実施の形態16.
この実施の形態16では、オフィスなどの室内にいる複数のユーザを対象とした実施の形態について説明する。
予め、手作業などによりユーザの数を室内機の制御手段の記憶手段に登録しておく。
また、室温を制御するために必要な各センサの重み、を予め実験などにより学習しておき、室温と、この室温に対応する各センサの重み、とを例えば1℃刻みで対応付けた表を上記記憶手段に予め記憶しておく。
作業者からの温度設定がある都度、どの作業者からの要求温度であるか、及び作業者の人数をカウンタで数える。
そして、作業者の人数が予め定めた割合、例えば半数を超えた設定温度が現れた場合にのみ、記憶手段から対応表を読み出し、設定温度に対応する重みを取り出し、この重みを加重平均の重みに切替える。以後の動作は実施の形態1と同様である。
以上のようにこの実施の形態16によれば、温度変更要求者の人数が予め定めた割合を超えた設定温度になった場合には、温度切り替えするように重みを変えるので、室内の半数以上のユーザに快適な環境を提供することができる。
なお、ここでは半数以上の人の要求に合わせるようにしたが、これは適宜定めてよく、2/3以上や全員としてもよい。
実施の形態17.
実施の形態14では、人の温度と、センサユニットが検出する空気の最高温度とを、所定の基準温度により識別する実施の形態について説明した。しかしながら、真夏の暑い季節では、窓際の温度は真昼時には、その基準温度(例えば34℃)を超えてしまう場合があり、人か否かを区別することが難しい場合がある。特に日本よりも赤道に近い国々ではこの傾向が強い。そこで、この実施の形態17では、人であることを確実に判断できるようにするためにRFIDタグを利用する実施の形態について説明する。
図26に示すように無線伝送手段800を搭載したRFIDリーダ360(360a〜360d)を複数箇所(例えば室内の4隅)に設けておく。また、複数のセンサユニット410a〜gを室内に設置しておき、その位置を予め本発明とは無関係の方法での測定により室内機310の制御手段311に把握させておく。
また、RFIDリーダ360a〜dから定期的(例えば、100m秒毎)に読み取りコマンドを区間に発射してRFIDタグから応答があるか否かを監視する。
そして、顧客やVIPなどの重要ユーザが来訪した場合には、このユーザにRFIDリーダ360a〜dからの読み取りコマンドに対して固有の識別情報をRFIDリーダ360a〜dに送信するRFIDタグを付けて頂き、この重要ユーザが移動しても常にその位置を2台以上のRFIDリーダ360によって監視し、RFIDリーダ360の制御手段801から読み取った重要ユーザの位置情報と時刻情報を無線伝送手段800を介して室内機310の制御手段311に送信する。室内機310において、制御手段311は、無線伝送手段312を介して2台以上のRFIDリーダから重要ユーザの位置情報と時刻情報を受信すると、これらの情報を基に公知の三角測量法によりこの重要ユーザの位置を算出する。制御手段311は、さらに算出された重要ユーザの位置に最も近いセンサユニット410を表から抽出し、この抽出されたセンサユニット410に重点的に重みを付けて加重平均を計算し、この計算結果を制御量として吹出し方向をこの重要ユーザに向くようにルーバの向きを変えて空調制御する。
また、RFIDリーダ360a〜dからの重要ユーザの位置情報と時刻を最新のものから新しい順に複数個記憶手段に記憶させておき、これらの記憶された位置情報と時刻に基づいて、重要ユーザの移動スピードと移動方向を算出し、室内の移動先に設置されたセンサユニット410fおよび410eの重みを大きくする。この重み値に基づいて図26の黒で塗りつぶした太い矢印に示すように事前に移動先に対して空調運転を行うことにより、重要ユーザがその位置を通るときにすでに空調の効いた快適な環境を構築しておくことができる。
なお、図26の黒で塗りつぶした細い矢印は重要ユーザの移動を示している。
以上のようにこの実施の形態17によれば、1台の空調機で重要顧客が室内にいる間はいつでも快適になるように空調制御を行うことがで、当該重要顧客の満足度を高められる。
実施の形態18.
この実施の形態18では、複数のオフィスの机上作業者を対象とした場合の形態について説明する。
予め、全ての作業者の数を登録しておく。また、加重平均を行う温度範囲を登録しておく。室内に複数の作業者がいる場合、各作業者が異なる温度を次々に設定することが予想される。また、作業者によっては、所定時間内に設定を頻繁にやる人もいれば、少ない頻度で設定する人もいる。所定時間内での設定回数の多い場合には、この作業者の設定要望の緊急性が高いことを示しており、この作業者の在席位置の温度環境が他よりも悪く、そこから遠ざかるに従って徐々に温度環境がよくなっていくと考えられる。また、多くの温度設定回数が複数箇所から発生している場合には、その複数箇所での温度環境が芳しくないことが考えられる。
そこで、各作業者の温度設定回数を所定の刻み単位(例えば温度1℃単位)で数え、周期的に作業者毎の温度毎の設定回数を調べ、(なお、設定回数の調査が済んだら、次の調査時にこの設定回数データが残っていると処理が難しくなるので、このテーブル内の設定回数を0にリセットする)その回数が最も多い温度と、その次に回数が多い温度と、さらにその次に回数が多い温度と、・・・というように回数の多い方からいくつかの温度を取りだして、この回数に対応した重みを付ける。例えば、設定回数に比例した値を重みとする。そして、この重みに基づいて加重平均を計算し、計算結果に基づいて空調機を制御する。
図27と図28は以上の動作を示すフローチャートである。図27は温度設定の都度、その回数を更新する機能のフローチャートであり常時実行される。また、図28は更新された温度設定回数の多い方からいくつかの温度を取りだして、この回数に対応した重みを出力する機能を示すフローチャートである。いずれも室内機310の制御手段311が実行するが、設定ユニット100の判定手段101が実行してもよい。
次に、図27の動作を説明する。ステップS271において、ユーザによる温度設定が有ったか否かを調べる。温度設定がなければ、ステップS271に戻り同じ監視を続ける。ユーザによる温度設定があれば、どのユーザからの設定か調べるため、リモコンあるいはセンサユニットの識別情報を調べる(ステップS272)。このフローチャートでは3人の分しか示していないが、実際には、ユーザの数分ある。
そして、受信したものの識別情報がAであれば、記憶手段のカウント値CTaを1つ増やす(ステップS273)。受信したものの識別情報がBであれば、記憶手段のカウント値CTbを1つ増やす(ステップS274)。受信したものの識別情報がCであれば、記憶手段のカウント値CTcを1つ増やす(ステップS275)。
次に、図28の動作を説明する。
ステップS281において、制御手段311は記憶手段313からすべてのユーザのカウント値CTi(ここでは3人分でi=a、b、c)を取り出して比較し、カウント値が最大のものを選択する(ステップS282)。次に、このカウント値に比例係数N(このNの値は任意であり、システムに合わせて決める)を乗算して重み値Wjを生成する(ステップS283)。そして値jを1つ増やす(ステップS284)。なお、jの値は予め0に設定されてあるとする。次に、jが必要数に達したか否かを調べ(ステップS285)、必要数に達していなければ、さらに、次にカウント値が大きいものを選択して(ステップS286)、ステップS283に戻り、その重み値Wjを生成する。必要数に達したら、得られた重み値を基に図2の式を用いて加重平均の計算を行い制御値を得る(ステップS287)。以後は、フローチャートでは示されていないが、実施の形態1と同様に制御手段311は算出された制御値に基づいて空調制御を行う。
以上のようにこの実施の形態18によれば、温度設定回数の多い人の重みを大きくするようにしたので、温度状況の厳しい作業環境にいる作業者の温度環境を改善することができる。
なお、各作業者毎の設定回数を更新して登録する場合には、リモコンと、リモコン所有の作業者とを1対1に対応させ、即ち、作業者が自分のリモコンを操作して温度を設定する都度、リモコンから発生するリモコンの識別コードを作業者コードと対応付ける。また、リモコンを操作することでリモコンから発生する温度情報とリモコンの識別コードを管理装置が受信する都度、管理装置は温度1℃毎に受信したリモコン識別コードの回数を数え内蔵するメモリに温度とリモコン識別コードを対応させて記録する。
以上の動作を全ての作業者について実施する。
一方、各作業者毎の設定回数を数える場合には、制御手段が別の読み出し専用のソフトウェアを実行することで、周期的に各作業者の各温度の設定回数をメモリから読み出して調べる。
実施の形態19.
ユーザが設定温度と実際の空調空間の温度との偏差が加重平均可能な範囲を超えるような温度設定をした場合、一旦加重平均計算による空調制御を停止して従来の空調制御により作業者が希望する設定温度に切り替えるようにしてもよい。この実施の形態19ではこのような実施の形態について説明する。
予め、全てのユーザの数を記憶手段に登録しておく。
ユーザの数が1人のとき、作業者によって設定された温度と実際の空調空間の温度との偏差が加重平均可能な範囲を超える場合、室内機310の制御手段311は空調機の運転制御を従来の空調制御に切替える。
また、図29の2910で示すように加重平均による空調制御を実行しているときに、所定時間内に複数のユーザが設定温度と実際の空調空間の温度との偏差が加重平均可能な範囲を超えるような温度設定をした場合、室内機310の制御手段311は、この温度設定を行なったユーザの数を当該設定温度情報を発したリモコンの数に基づいて数え上げ、このユーザ数が記憶手段に登録されている全ユーザ数の予め定めた割合、例えば半分以上であると判断した場合、一旦加重平均計算による空調機制御を停止して、図29の2920で示すように従来の室温センサによる空調機制御に切替える。これにより、空調機の吸込み温度が設定値と同じになるように制御される。この場合、空調機が天井設置型である場合には、吸い込み温度と実際の人の位置とでは離れているため、誤差があり余り正確な制御でないが、加重平均による空調制御よりも強力な空調制御であるため、加重平均による空調制御に比べて急速にユーザの所望する温度に近づけることができる。
そして、この従来方式の空調制御により、センサユニット410が検出した温度情報に基づいて制御手段が加重平均可能な範囲内に入ったと判断したら、今度は従来方式の空調制御を停止し、図29の2930で示すように加重平均による空調制御を再開する。これにより、行き過ぎを防止でき、しかも設定値温度へ正確かつスムーズな形で到達できる。以上により全体として迅速かつ正確にユーザの設定温度に近づける空調制御が可能になる。
上記の動作を図30に示す。
加重平均による空調制御を行い(ステップS301)、この間に温度設定があるか調べ(ステップS302)、温度設定がなければステップS302に戻り空調制御を続行する。ステップS302において、温度設定があった場合、設定温度が加重平均可能範囲を超えているか調べ(ステップS303)、超えていなければステップS302に戻り空調制御を続行する。ステップS303において、設定温度が加重平均可能範囲を超えていればユーザ数を意味する記憶手段のカウント値を1つ増やし(ステップS304)、次にカウント値が利用者数に対する予め定めた割合、ここでは半分をこえているか否かを調べる(ステップS305)。超えていなければステップS302に戻り空調制御を続行する。
ステップS305において、カウント値が利用者数の半分を超えていれば、加重平均計算による空調機制御から従来の空調機制御に切り替える(ステップS306)。そして、この設定温度が加重平均可能範囲を超えているか否かを調べ(ステップS307)、超えていればステップS307に戻り従来の空調機制御を続行する。ステップS307において、設定温度が加重平均可能範囲内に入ったと判断したら、従来方式の空調制御から
加重平均による空調制御に切り替える(ステップS308)。
以上のようにこの実施の形態19によれば、温度設定値と実際の空調空間の温度との偏差が空調加重平均可能な範囲を超えるような温度設定をした人の数が予め定めた割合を超える場合には、一旦加重平均による空調制御でなく、従来の空調制御に切替えるようにしたので、厳しい温度環境にいたユーザの温度環境を迅速に改善することができる。
実施の形態20.
ファン異常などにより、空調対象の機器の温度が急激に上昇し、この機器の近くの温度センサからの温度情報が加重平均をかなり超えてしまうような値になる場合も考えられる。
そこで、加重平均加重平均の計算を行う前に、各温度センサが検出した温度情報と過去の温度情報の平均値とを比較して、或る温度センサが検出した温度情報が過去の温度情報の平均値よりも所定の値以上大きく外れた場合には誤りと判断して加重平均の計算対象から除外し、残りのセンサ情報に基づいて加重平均計算するとともに当該異常温度を検出したセンサユニットの設置された機器が異常であることを外部の警報装置に警報表示または警報鳴動させる。
このように実施の形態20によれば、機器の異常をユーザに知らせることができ、対応が可能になるだけでなく、誤った温度情報による誤った空調制御を防止することができる。
なお、各実施の形態中に示した構成要素としての「手段」は、具体的には、「回路」、「装置」、又は「プログラム」等である。
また、上述の実施の形態では、複数のセンサ値を加重平均したが、複数のセンサ値を加味して空調制御できるのであれば、どの様な方法で制御を行ってもよい。

Claims (13)

  1. 空調空間の温度や湿度を検出してセンサ値として出力するセンサと、自身を識別する識別情報を生成するユニット識別設定手段と、このユニット識別設定手段が生成した識別情報と前記センサが出力したセンサ値とを変調して送信する第1の無線伝送手段と、を有する複数のセンサユニットと、
    このセンサユニットの、前記第1の無線伝送手段から前記識別情報と前記センサ値を受信して復調する第2の無線伝送手段と、この第2の無線伝送手段によって復調された識別情報に基づいて特定されるセンサユニットの前記第2の無線伝送手段によって復調されたセンサ値に重み値を加味した加重平均値に基づいて前記空調空間の温度や湿度を調整する制御手段と、を有する空調ユニットと、
    を備えたことを特徴とする空調システム。
  2. さらに前記空調ユニットを管理する設定ユニットを備え、
    前記空調ユニットは、さらに前記重み値を外部から受信する第1の伝送手段を備え、
    前記設定ユニットは、前記重み値を算出する判定手段と、この判定手段によって算出された重み値を前記空調ユニットの、前記第1の伝送手段へ伝達する第2の伝送手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  3. 空調空間の温度や湿度を検出してセンサ値として出力するセンサと、自身を識別する識別情報を生成するユニット識別設定手段と、このユニット識別設定手段が生成した識別情報と前記センサが出力したセンサ値とを変調して送信する第1の無線伝送手段と、を有する複数のセンサユニットと、
    この複数のセンサユニットの、前記第1の無線伝送手段から前記識別情報と前記センサ値を一括して受信して復調する第2の無線伝送手段と、この第2の無線伝送手段によって復調された識別情報とセンサ値を送信する第1の伝送手段とを有する受信ユニットと、
    この受信ユニットの、前記第1の伝送手段から前記識別情報と前記センサ値を受信する第2の伝送手段と、重み値を記憶する記憶手段と、前記第2の伝送手段が受信したセンサ値に前記記憶手段に記憶された重み値を加味した加重平均値を制御値として出力する判定手段と、この判定手段によって出力された制御値を伝送する第3の伝送手段と、
    を有する設定ユニットと、
    この設定ユニットの、前記第3の伝送手段から前記制御値を受信して復調する第4の伝送手段と、この第4の伝送手段によって復調された制御値に基づいて前記空調空間の温度や湿度を調整する制御手段とを有する空調ユニットと、を備えたことを特徴とする空調システム。
  4. 前記センサユニットは操作スイッチを備え、この操作スイッチからの入力情報は前記第1の無線伝送手段により送信されて、前記センサユニットの重み値の変化に供されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の空調システム。
  5. 前記センサユニットは照度を検出する照度センサを備え、この照度センサからの照度情報は前記第1の無線伝送手段により送信されて、前記センサユニットの重み値の変化に供されることを特徴とする請求項1または請求項3に記載の空調システム。
  6. 前記空調ユニットの制御手段は、外気温度に基づき重み値を決定することを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  7. 前記設定ユニットの判定手段は、時間又は期間に応じて重み値を変化させるスケジュール機能を備えていることを特徴とする請求項2記載の空調システム。
  8. 前記空調ユニットは、空調空間の温度や湿度などを測定するセンサを備え、前記第2の無線伝送手段を着脱可能として、前記空調ユニットのセンサとセンサユニットのセンサのいずれかを選択して空調制御を行うことを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  9. 前記センサユニットはUSB端子を備え、このUSB端子から受電することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の空調システム。
  10. 前記空調ユニットと前記複数のセンサユニットは室内エリアを所定の基準に基づいて分割して成る分割エリアの各々に配備され、各エリアの空調ユニットが有する制御手段は、同一エリア内の少なくとも1つのセンサユニットからのセンサ値と、そのセンサに対応する、予め保有する重み値とに基づいて加重平均の演算を行い、演算結果に基づいて空調制御することを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  11. 前記空調ユニットは、
    ルーバと、
    このルーバの方向とその方向に存在するセンサユニット及びその重み値を対応させた表を記憶する記憶手段と、を備え、
    前記制御手段は、ルーバの方向を変える都度、前記記憶手段に記憶された表を読み出して前記ルーバの方向に存在するセンサユニットとその重み値を取得し、得られたセンサユニットから得られる温度情報と得られた重み値とに基づいて加重平均の演算を行うことを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  12. 前記空調ユニットは、機器の稼働温度帯と対応するセンサユニット及びその重み値を表として記憶する記憶手段を備え、
    前記制御手段は、各センサユニットから得られた温度情報と前記記憶手段に記憶された稼動温度帯を比較し、前記温度情報が前記稼動温度帯を超えている機器がある場合に、前記表に基づいて対応するセンサユニットを特定し、この特定したセンサユニットの重みを規定値よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
  13. 天井設置型室内機に設けられ、下方の温度制御対象領域の温度情報を赤外線により所定の範囲に渡り監視する輻射センサを備え、
    前記制御手段は、前記輻射センサによって受信された温度情報を予め保有する基準値と比較してユーザの位置を特定し、ユーザの位置に最も近い方から複数個のセンサユニットを選択し、このセンサユニットの重み値を大きくすることを特徴とする請求項1記載の空調システム。
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