JP4757788B2 - 脱窒素促進剤 - Google Patents

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Description

本発明は、下水等の排水の処理、または河川および人工池のいずれかから取り出した水、または養魚場および観賞用水槽のいずれかから取り出し、処理後、これに戻して使用すべき水等の用水の処理に関し、より詳しくは排水または用水の脱窒素処理を行うための脱窒素促進剤およびこれを用いた脱窒素処理方法に関する。
従来、生物ろ過を利用した脱窒素技術の分野において、メタノールを用いた排水処理が広く知られている。また、同様に水溶性の脱窒素促進材として、低分子のカルボン酸等または糖類を用いる方法も既に知られている。不溶性の脱窒素促進剤としては、生分解性樹脂を用いるもの、ならびに高級脂肪酸および高級アルコールを用いるもの等が既に知られている。
特開平10−314782号公報 特開平6−126298号公報 特開平9−299986号公報 特開平10−85782号公報 特開2000−33−4492号公報
従来のメタノールおよび低分子の糖類等の水溶性の脱窒素促進剤については、これを添加した時に溶解性有機炭素の濃度を著しく上昇させ、生態へ及ぼす影響が大きいという懸念があった。また、これらの水溶性の脱窒素促進剤は、揮発による蒸散、および処理系外への流出により、処理中に失われる量が多く、そのことは処理効率を落とす要因となっていた。また、従来の不溶性の脱窒素促進剤は、いずれも微粒子化しにくいため、これらの促進剤については、水との接触面積(即ち、表面積)を大きくして、処理能力の向上を図ることが困難であった。さらに、不溶性の脱窒素促進剤については、連続処理時において脱窒素促進剤の界面の変化により、脱窒素能力が低下し、安定した効果が持続しないという課題があった。
本発明は、従来の脱窒素促進剤の有する問題に鑑みてなされたものであり、添加時に溶解する有機炭素の量が少なく、揮発性がより小さく、より大きな表面積を有する形態で提供される脱窒素促進剤を提供することを目的とする。
本発明者らによる鋭意研究の結果、脂肪酸金属塩(特に、金属石鹸)を用いることにより、これら従来の課題を効果的に解決しうることを見出し、本発明を案出するに至った。即ち、本発明は、脂肪酸金属塩を含む分散質が、水系溶媒に分散してなる、脱窒素促進剤を提供する。この脱窒素促進剤は、分散質が固相である、懸濁液(サスペンションともいう)として提供され
前記脂肪酸金属塩は、ヒドロキシ脂肪酸を10重量%以上含有することが好ましい。ここでヒドロキシ脂肪酸の重量は、脂肪酸金属塩において、ヒドロキシ脂肪酸に由来する部分(例えば、ヒドロキシ脂肪酸の陰イオン等)の重量に相当する。
前記脂肪酸金属塩は、炭素数8以下の脂肪酸を5重量%以上70重量%以下含有することが好ましい。ここで、炭素数8以下の脂肪酸の重量は、脂肪酸金属塩において、炭素数8以下の脂肪酸に由来する部分(例えば、炭素数8以下の脂肪酸の陰イオン)の重量に相当する。
前記脂肪酸金属塩は、アルミニウムおよび鉄から選択される少なくとも1種の金属をその組成中に、1重量%以上50重量%未満含むことが好ましい。
本発明の脱窒素促進剤は、アルミニウムおよび鉄などの金属イオンが、脂肪酸のマトリクス中に分子レベルで分散した混晶状物質を分散質とし、0.1μm〜500μm程度の大きさの微粒子にして、液相である水系溶媒に分散させた分散系の形態をとる。本発明の脱窒素促進剤を対象となる処理水系に投入すると、固相部分が水中に良好に分散浮遊し、ろ過材がある場合にはその表面に吸着される。固相部分の表面には、やがてろ過バクテリアが定着し、分散質の成分を炭素源として、脱窒素反応が進行する。よって、本発明の脱窒素促進剤によれば、揮発性のより小さい分散質が、処理水系にとどまって、比較的長期間にわたって、脱窒効果を良好に発揮する。また、分散質は、水に懸濁するものであり、水に溶解しにくいから、本発明の脱窒素促進剤は、処理中の損失量が少なく、また、溶解に起因する問題を無くす又は軽減することができる。
本発明の脱窒素促進剤において、「脂肪酸金属塩」とは、脂肪酸の金属塩を指し、具体的には、石鹸(金属がアルカリ金属である場合)および金属石鹸(金属がアルカリ金属以外のものである場合)が含まれる。脂肪酸金属塩においては、脂肪酸(および/または脂肪酸の陰イオン)のマトリクスに金属イオンが2〜50重量%の比率で、分子または原子レベルで分散している。
本発明の脱窒素促進剤は、脂肪酸金属塩を含む分散質が、水系溶媒に懸濁してなる、分散系である。分散質は、脂肪酸金属塩を主たる成分として含むことが好ましく、具体的には、分散質の50重量%以上を占めることが好ましく、80重量%以上を占めることがより好ましい。
「水系溶媒」とは、水を主たる成分として50重量%含む溶媒であり、好ましくは水である。水は、工業的に通常用いられているものであればよく、例えば、水道水であってよく、あるいはイオン交換水または蒸留水等であってよい。
本発明の脱窒素促進剤は、分散質が固相である懸濁液として提供される
本発明の脱窒素促進剤は、固相部分が微粒子として、水と良好に接触する状態で懸濁するものであることが好ましい。そのため、脱窒素処理を促進する炭素源は、脂肪酸としてではなく、脂肪酸誘導体である金属塩(即ち、石鹸または金属石鹸)として導入することが必須である。また、親水性を高めて、効率的に作用させるためには、下記の3つの条件のいずれかを満たすことが、特に望ましい。
第一の条件は、本発明の脱窒素促進剤を構成する金属石鹸の組成において、ヒドロキシ脂肪酸が少なくとも10重量%以上含まれることである。ヒドロキシ脂肪酸を含むことにより、ヒドロキシ脂肪酸のもつ水酸基の効果により、水との親和性を向上させることができる。ヒドロキシ脂肪酸の含有率が10重量%以下であると、その効果が有効に得られないことがある。
第二の条件は、本発明の脱窒素促進剤を構成する金属石鹸の組成において、炭素数8以下の脂肪酸が5重量%以上70重量%以下含まれることである。それにより、固相部分の親水性を効果的に向上させ得る。炭素数8以下の脂肪酸の含有率が5重量%を下回ると、この改善効果が僅かとなる。また、含有率が70重量%を超えると、固相のマトリクスから遊離して水系に移行する脂肪酸が多くなり、蒸散または系外への流出によって、失われる成分が増加する傾向にある。
第三の条件は、本発明の脱窒素促進剤を構成する金属石鹸の組成において、金属がアルミニウムおよび/または鉄であり、金属石鹸組成中のアルミニウムおよび鉄(いずれか一方のみを含む場合には、当該一方)の含有量の合計が1重量%〜50重量%であることである。金属の含有量がこの範囲内にあると、固相の親水性の向上により、水への分散が良好となる。金属の含有量が1重量%未満であると、親水性が改善されないことがある。金属の含有量が70重量%を超えると、固相のマトリクスから離れて、金属酸化物として分離する成分が増加する傾向にある。
本発明の脱窒素促進剤において、固相と液相の比率は特に定められない。但し、液相を取り除いて乾燥させると分子構造が変化し、解膠が解けて、疎水性が増し、再び水に分散させにくくなるため、液相の比率は5重量%以上とすることが望ましい。
本発明の脱窒素促進剤は、排水および用水の処理のために用いることができる。排水は、例えば、生活排水および工業排水のいずれであってもよく、より具体的には、下水であってよい。用水は、生活用水および工業用水のいずれであってもよく、例えば、河川および人工池から取り出した水であってよい。あるいは、用水は、現に使用されている水をも含み、例えば、養魚場および観賞用水槽から取り出した水であって、処理後、再度戻して使用する水であってよい。養魚場および観賞用水槽から取り出され、処理後、廃棄される水は、排水である。
本発明の脱窒素促進剤による脱窒素処理は、脱窒素促進剤と水とを接触させることにより実施する。より具体的には、脱窒素促進剤を、例えば、処理すべき水が貯留されているタンクに投入し、当該タンクから別の場所へ、管等を通過させて水を移動させるときに、フィルターを通過させることにより、分散質(脂肪酸金属塩)をフィルターで捕集させることにより、脱窒素処理を行ってよい。その場合、フィルターで捕集された分散質の表面に、ろ過バクテリアが定着し、分散質の成分を炭素源として、脱窒素反応が進行する。このような方法は、特に、連続的に水を処理するのに適している。
あるいは、発泡ポリエチレンのような担体に、脱窒素促進剤の分散質を吸着させて、この担体を処理すべき水に分散させることにより、脱窒素処理を行ってよい。脱窒素促進剤の分散質は、例えば、処理すべき水に担体を予め分散させておき、そこに脱窒素促進剤を投入することにより、担体に吸着させることができる。このような方法は、特に、バッチ式で水を処理するのに適している。
本発明を以下に挙げた実施例にて更に詳しく説明する。
各実施例で用いる評価水は、下記の手順で、水質を調整したものを用いている。
実施例1および実施例2
汚水原水:2次処理後の下水に硝酸カリウムを用いて総窒素量200mg/リットルとし、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH値を中性に調整したもの。
実施例3および実施例4
用水原水:河川水に硝酸カリウムを用いて総窒素量100mg/リットルとし、1N水酸化ナトリウム水溶液でpH値を中性に調整したもの。
実施例5
飼育原水:水道水を1N塩酸および1N水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH値を中性に調整したもの。
また、各実施例において、ろ過材として、下記のものを用いた。
・実施例1、実施例2、実施例3
PEろ材:積水化成品工業(株)製の1cm角の発ポリエチレン
・実施例3、実施例4
フィルター:ポリプロピレン製綿(厚さ1cm)
・実施例4
散水ろ床:厚さ1cmのポリエチレン繊維シートを5枚重ねたもの
・実施例5
セラミックろ材:観賞魚用の一般的な直径2cmリング状セラミックろ材
(実施例1)
水10リットルにステアリン酸(cas No.57−11−4)1Kgと水酸化ナトリウム3Kgを加え、温度90℃の反応釜にて溶解反応させた。これに硫酸バンド(cas No.10043−01−3、アルミニウムとして4重量%を含有)19Kgを添加し、十分に反応させた後、温度50℃まで降温し、プロピオン酸(cas No.79−09−4)2kgを加えて反応させた。これを常温まで冷却した後、1N希硫酸でpH値を中性に調整した。さらに、水で希釈することにより、アルミニウム石鹸を3重量%含む懸濁液よりなる、脱窒素促進剤を得た。生成された脱窒素処理剤は、ステアリン酸とプロピオン酸の比が重量比で1:2であり、固相部分にアルミニウムを20重量%含む、揮発性の比較的小さい白色沈殿性懸濁液であった。
この脱窒素促進剤10mlを汚水原水10Lに添加し、図1に示す曝気槽1に滞留させて曝気処理(曝気量 毎分1L)を行い、総窒素量の変化を測定した。曝気槽1は、ブロアー2および曝気ノズル3を備えている。曝気槽1においては、発泡PEろ材4を分散させた。また、比較として脱窒素促進剤を投入しない場合の総窒素量の変化を同様に測定した。試験開始後、5日目の結果をそれぞれ、実施例1、比較例1として、表1に示す。この結果により、本実施例の脱窒素促進剤を添加した下水処理において、添加しない下水処理と比較して、顕著な総窒素量の減少が認められた。
Figure 0004757788
(実施例2)
12ヒドロキシステアリン酸(cas No.106−14−9)1Kg、水酸化カリウム1.5Kg、ポリ硫酸第2鉄液(化学式 [Fe(OH)(SO3−n/2]、鉄として11重量%を含有)4Kgを用いて、一般的な複分解法により、金属石鹸を生成した。得られた金属石鹸を水に分散させて、固相における金属比率が30重量%である金属石鹸を3重量%含む、懸濁液である、脱窒素促進剤を生成した。生成された脱窒素促進剤は、易沈殿性を有する、淡く褐色に色づいた白色懸濁液であった。
この脱窒素促進剤50mlを、図2に示す曝気槽5に投入し、連続処理を行った。曝気槽の仕様は以下のとおりである。
・処理汚水量 5リットル/日
・有効容積 10リットル
・発PEろ材 1リットル使用
・曝気量 毎分1L
基質槽9に蓄えられた汚水原水は、移送ポンプ10によって曝気槽5に送り込み、処理した後、流出水11として排出した。曝気槽5は、ブロアー6と曝気ノズル7とを備えている。発PEろ材8には、本実施例の脱窒素促進剤の分散質が吸着しており、ここで脱窒素反応が進行した。この処理槽の流出水について、総窒素量の変化を測定した。また、比較として、脱窒素促進剤を投入しない場合の流出水について、総窒素量の変化を同様に測定した。結果をそれぞれ、実施例2、比較例2として、表2に示す。この結果により、本実施例の脱窒素促進剤を添加した下水処理において、添加しない下水処理と比較して、顕著な総窒素量の減少が認められた。
Figure 0004757788
(実施例3)
12ヒドロキシステアリン酸(cas No.106−14−9)1Kg、水酸化アルミニウム(cas No.21645−51−2)2Kg、および反応開始剤として少量の水酸化ナトリウムを用いて、直接法により、金属石鹸を生成した。得られた金属石鹸は水に分散させて、固相における金属比率が40重量%であるアルミニウム石鹸を3重量%含む、懸濁液である、脱窒素促進剤を生成した。生成された脱窒素促進剤は、易沈殿性を有する、白色懸濁液であった。
この脱窒素促進剤100mlを、図3に示す水処理システムの曝気槽12に投入して、連続処理を行った。曝気槽12の仕様は以下のとおりである。
・処理汚水量 5リットル/日
・有効容積 10リットル
・発PEろ材 1リットル使用
・曝気量 毎分1L
また、沈殿槽の仕様は以下のとおりである。
・有効容積 10リットル
基質槽18に蓄えられた用水原水は、移送ポンプ19によって、定量ずつ、曝気ノズル14とブロアー13とを備える曝気槽14に送り、処理した後、経路aより沈殿槽16に流入させた。このとき沈殿性の汚泥は移送ポンプ17により、経路bを通って曝気槽に返送され、上澄み液のみ流出水20として排出した。発PEろ材15には本実施例の脱窒素促進剤の分散質が吸着しており、ここで脱窒素反応が進行した。
この処理システムの流出水について、総窒素量の変化を測定した。また、比較として、脱窒素促進剤を投入しない場合の流出水について、総窒素量の変化を同様に測定した。結果をそれぞれ、実施例3、比較例3として、表3に示す。この結果により、本実施例の脱窒素促進剤を添加した用水処理において、添加しない用水処理と比較して顕著な総窒素量の減少が認められた。
Figure 0004757788
(実施例4)
12ヒドロキシステアリン酸(cas No.106−14−9)1Kg、ステアリン酸(cas No.57−11−4)2Kg、水酸化カリウム2Kg、硫酸バンド(cas No.10043−01−3、アルミニウムとして4重量%を含有)10Kg、ポリ硫酸第2鉄(化学式 [Fe(OH)(SO3−n/2]、鉄として11重量%を含有)3.7Kgを用いて、一般的な複分解法により、12ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸、アルミニウム、鉄の固相おける比率が、それぞれ20重量%、40重量%、20重量%、20重量%である金属石鹸を得た。この金属石鹸を水に分散させて、金属石鹸を3重量%含む、懸濁液である、脱窒素促進剤を生成した。
この脱窒素促進剤1リットルを、図4に示す循環ろ過システムの散水ろ床26を中心に投入して、養魚水槽21における総窒素量の変化を測定した。また、比較として脱窒素促進剤を投入しない場合の養魚水槽21における総窒素量の変化について同様に測定した。養魚水槽の容量は1トンであり、循環系すべての用水量は1.2トンであり、初期状態にて、これをすべて用水原水で満たした。循環ろ過システムの処理量は毎分20リットルである。
この循環ろ過システムにおいて、養魚水槽21より流入した用水はまず、ろ過槽22のフィルター23によって粗粒子が除去され、散水ノズル24より散水ろ床26に散水される。散水ろ床26には本実施例の脱窒素促進剤が吸着集積しており、ここで脱窒素反応が進行した。処理後の用水は水槽25に溜まった後、移送ポンプ27によって酸素供給機28を通過し、養魚水槽21に返送された。
結果をそれぞれ、実施例4、比較例4として表4に示す。この結果により、本実施例の脱窒素促進剤を添加した用水処理において、添加しない用水処理と比較して顕著な総窒素量の減少が認められた。
Figure 0004757788
(実施例5)
12ヒドロキシステアリン酸(cas No.106−14−9)1Kg、水酸化カリウム1.5Kg、硫酸バンド(cas No.10043−01−3、アルミニウムとして4重量%を含有)11Kgを用いて、一般的な複分解法により、固相におけるアルミニウム含有率30%の12ヒドロキシステアリン酸石鹸を得た。この金属石鹸を水に分散させて、金属石鹸を3重量%含む、懸濁液である、脱窒素促進剤を生成した。
飼育水槽29にて実際に魚の飼育を行いながら、この脱窒素促進剤100mlを、図5
に示す循環ろ過システムのろ過槽30に投入し、投入後の観賞用水槽29における総窒素量の変化を測定した。また、比較として同条件にて、脱窒素促進剤を投入しない場合の観賞用水槽29における総窒素量の変化について同様に測定した。魚の飼育条件は以下のとおりである。
・魚種および魚数 コメット(体長4cm) 15匹
・給餌 金魚用飼料ドライペレット(2mm径)
・給餌量 30g/日
・エアポンプにて毎分0.5Lの曝気を実施。
観賞用水槽の容量は100リットルであり、循環系すべてを含めた飼育水量は130リットルであり、初期状態にて、これをすべて飼育原水で満たした。ろ過槽30の有効容積は25リットルであり、循環ろ過システムの処理量は毎分5リットルである。セラミックろ材32は2Kg使用した。
この循環ろ過システムにおいて、飼育水槽29より経路eを通ってろ過槽30に流入した用水は、フィルター31により粗粒子を除去された後、セラミックろ材32と接触させた。セラミックろ材32には、本実施例の脱窒素促進剤の分散質が吸着しており、ここで脱窒素反応が進行した。処理後の用水は経路fより移送ポンプ33によって飼育水槽29に返送した。
結果をそれぞれ、実施例5、比較例5として、表5に示す。この結果により、本実施例の脱窒素促進剤を添加した用水処理において、添加しない用水処理と比較して顕著な総窒素量の減少が認められた。
Figure 0004757788
本発明の脱窒素促進剤は、汚水等に含まれる窒素を除去または減少させることができ、工業排水および生活排水、ならびに用水を処理するのに有用であり、それらの水を処理するシステムにおいて使用することができる。
下水処理における閉鎖系の曝気槽を示した平面図 下水処理における一般的な曝気槽を示した平面図 河川水の処理における水処理システムの一例を示した平面図 養魚水槽の用水処理における散水ろ床式の循環ろ過システムの一例を示した平面図 観賞用水槽の飼育水処理における循環ろ過システムの一例を示した平面図。
1 曝気槽
2 ブロアー
3 曝気ノズル
4 発泡PEろ過材
5 曝気槽
6 ブロアー
7 曝気ノズル
8 発泡PEろ過材
9 基質槽
10 移送ポンプ
11 流出水
12 曝気槽
13 ブロアー
14 曝気ノズル
15 発泡PEろ過材
16 沈殿槽
17 移送ポンプ
18 基質槽
19 移送ポンプ
20 流出水
21 養魚水槽
22 ろ過槽
23 フィルター
24 散水ノズル
25 水槽
26 散水ろ床
27 移送ポンプ
28 酸素供給機
29 観賞用水槽
30 ろ過槽
31 フィルタ
32 セラミックろ材
33 移送ポンプ
a 経路
b 経路
e 経路
f 経路

Claims (9)

  1. 脂肪酸金属塩を含む分散質が、水系溶媒に懸濁してなり分散質の成分を炭素源とする微生物の脱窒素反応により、脱窒素を促進する、脱窒素促進剤。
  2. 前記脂肪酸金属塩が、ヒドロキシ脂肪酸を10重量%以上含むことを特徴とする、請求項1記載の脱窒素促進剤。
  3. 前記脂肪酸金属塩が、炭素数8以下の脂肪酸を5重量%以上70重量%以下含むことを特徴とする、請求項1記載の脱窒素促進剤。
  4. 前記脂肪酸金属塩が、アルミニウムおよび鉄から選択される少なくとも1種の金属をその組成中に1重量%以上50重量%未満含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の脱窒素促進剤。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の脱窒素促進剤を、処理すべき水と接触させることを含む、脱窒素処理法。
  6. 前記処理すべき水に担体を予め分散させておき、そこに前記脱窒素促進剤を投入することにより、前記脱窒素促進剤の分散質を前記担体に吸着させるとともに、前記脱窒素促進剤を前記処理すべき水と接触させる、請求項に記載の脱窒素処理方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の脱窒素促進剤の分散質をろ過材に付着させること、および
    処理すべき水を、該脱窒素促進剤の分散質を付着させたろ過材に通過させること
    を含む、脱窒素処理方法。
  8. 前記処理すべき水が、排水または用水である、請求項のいずれか1項に記載の脱窒素処理法。
  9. 前記用水が、河川および人工池のいずれかから取り出した水、または養魚場および観賞用水槽のいずれかから取り出し、処理後、これに戻して使用すべき水である、請求項に記載の脱窒素処理法。
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