JP2001269689A - 固形脱窒、脱リン促進剤 - Google Patents

固形脱窒、脱リン促進剤

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JP2001269689A
JP2001269689A JP2000084295A JP2000084295A JP2001269689A JP 2001269689 A JP2001269689 A JP 2001269689A JP 2000084295 A JP2000084295 A JP 2000084295A JP 2000084295 A JP2000084295 A JP 2000084295A JP 2001269689 A JP2001269689 A JP 2001269689A
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denitrification
solid
accelerator
iron
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JP2000084295A
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Koichiro Murasawa
浩一郎 村澤
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、標準活性汚泥法や本法を基本原理
とする曝気槽単槽の排水処理設備に何ら設備や装置を追
加することなく、曝気槽や沈殿槽に添加し効果の持続期
間後に交換するだけという極めて簡単なメンテナンス作
業で脱窒、脱リンが同時に実現し、さらには地下水中の
難分解性有機物質を除去することを目的とする。 【解決手段】 特定の炭素数と化学構造を有する有機化
合物群と鉄塩、アルミニウム塩から選ばれた物質を組み
合わせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主に窒素、リンを
含む廃水処理や硝酸体窒素又はトリクロロエチレンやテ
トラクロロエチレン等の難分解性有機物質を含む地下
水、さらには魚類の高密度養殖などの循環処理に用いる
固形脱窒、脱リン促進剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の廃水処理で脱窒反応を行うには、
曝気槽と別に設けた嫌気槽に脱窒菌の水素供与体である
液体を定量添加するか、又は曝気槽を通過した処理水を
曝気槽前段の嫌気槽へ返送循環する方法が広く用いられ
ていた。
【0003】また、脱リン反応を行うには処理槽にポリ
塩化アルミニウムなどの液体凝集剤を定量添加する方法
が広く用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の技術において、脱リン、脱窒反応を行わせる場
合、それぞれ好気、嫌気という全く酸化還元電位の異な
る層を個別に用意する必要があった。即ち最も数多く利
用されている標準活性汚泥法(通常沈殿槽以外は曝気槽
単槽である)では両反応を同時に実現することが困難で
あるという課題があった。
【0005】また、水素供与体や凝集剤が液体であるた
めに、必要量を定量添加するためには定量添加装置や追
加の配管が必要であり、設備コストの増加のみならずメ
ンテナンスに多大な労力を要するという課題があった。
【0006】本発明はこれら従来技術の課題を解決する
ものであり、標準活性汚泥法や本法を基本原理とする曝
気槽単槽の排水処理設備に何ら設備や装置を追加するこ
となく、曝気槽や沈殿槽に添加し効果の持続期間後に交
換するだけという極めて簡単なメンテナンス作業で脱
窒、脱リンが同時に実現する技術、さらには地下水中の
難分解性有機物質を除去する技術を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】これら従来の課題を解決
するために本発明者は鋭意研究の結果、特定の炭素数と
化学構造を有する有機化合物群と鉄塩、アルミニウム塩
から選ばれた物質を組み合わせることで、本発明の目的
が効果的に達成できることを見出し本発明を完成するに
至った。
【0008】すなわち、本発明の固形脱窒、脱リン素促
進剤は以下の要件を具備するものである。
【0009】高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィン
類から選ばれた少なくとも1種類以上の有機化合物と鉄
塩、アルミニウム塩から選ばれた少なくとも1種類以上
の無機化合物からなる固形脱窒、脱リン促進剤であり、
特に各物質が次の特長を有する固形脱窒、脱リン促進剤
である。
【0010】1.高級脂肪酸の炭素数が8以上である固
形脱窒、脱リン促進剤。
【0011】2.高級アルコールの炭素数が12以上で
ある固形脱窒、脱リン促進剤。
【0012】3.パラフィン類がn−パラフィンである
固形脱窒、脱リン促進剤。
【0013】4.鉄塩が塩化鉄、硫酸鉄のうち少なくと
も1種類を含む固形脱窒、脱リン促進剤。
【0014】5.アルミニウム塩が塩化アルミニウム、
ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムのうち少なく
とも1種類を含む固形脱窒、脱リン促進剤。
【0015】また、高級脂肪酸、高級アルコール、パラ
フィン類から選ばれた少なくとも1種類以上の有機化合
物からなる固形成形体中に鉄塩、アルミニウム塩から選
ばれた少なくとも1種類以上の物質が存在する固形脱
窒、脱リン促進剤である。
【0016】さらには、高級脂肪酸、高級アルコール、
パラフィン類から選ばれた少なくとも1種類以上の有機
化合物と鉄塩、アルミニウム塩から選ばれた少なくとも
1種類以上の物質の混合物を第三の芯物質に塗布してな
る固形脱窒、脱リン促進剤である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の最大の特長は、水に不溶
で生分解可能な常温で固体の有機化合物で、水溶性で溶
解性リンと塩を形成する物質を覆い、この物質の徐放性
を創造することである。
【0018】すなわち、廃水や活性汚泥中の細菌が表面
の有機化合物を分解し、分解が進み内部に存在する水溶
性で溶解性リンと塩を形成する物質が廃水に接すると、
直ちにこの物質は廃水中に溶解し、溶存しているリンと
塩を形成することによりリンは沈殿除去される。
【0019】この際、廃水や活性汚泥中の細菌の中には
脱窒能を有する細菌が数多く含まれ、通常曝気槽のよう
な溶存酸素の高い状態ではこれら脱窒能を有する細菌は
脱窒反応には寄与しないが、本発明の特長である固形の
有機化合物の表面近傍では、局所的に水流の極めて小さ
な酸素欠乏領域が形成される。
【0020】この酸素欠乏領域で脱窒能を有する細菌は
酸化窒素化合物の酸素原子を用いて呼吸を行うため、効
果的に脱窒反応に寄与することができる。
【0021】また、トリクロロエチレン、テトラクロロ
エチレンなどの難分解性有機物を含む地下水処理の場合
には、鉄塩、アルミニウム塩などの水溶性で溶解性リン
と塩を形成する物質の存在は必須ではなく、高級脂肪
酸、高級アルコールなどの有機化合物が難分解性有機物
を分解する細菌の水素供与体として機能することとな
る。
【0022】本発明に用いる高級脂肪酸とは、炭素数が
8以上であることが好ましい。
【0023】炭素数が8未満では物質の融点が低すぎ、
環境温度によっては廃水中で成分が溶出し、処理水の有
機物濃度を上昇させるため好ましくない。
【0024】炭素数の上限は本発明の趣旨からは特に設
ける必要はないが、工業的に大量に入手可能な材料とし
ては炭素数22程度と考えられる。
【0025】以上の要件を満たすカルボン酸としてはカ
プリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パ
ルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸
などを例示することができ、さらにはこれらカルボン酸
の塩やオキシ酸、さらにはエステルも含まれる。
【0026】これら高級脂肪酸は水に不溶なため、水溶
性である鉄塩、アルミニウム塩を覆い徐放性を創造する
ことができる。
【0027】また、これら高級脂肪酸は常温で固形かつ
生分解可能なため、脱窒能を有する細菌の水素供与体に
なり得る。
【0028】本発明に用いるアルコールとは、炭素数が
12以上であることが好ましい。
【0029】炭素数が12未満では物資の融点が低す
ぎ、環境温度によっては廃水中で成分が溶出し、処理水
の有機物濃度を上昇させるため好ましくない。
【0030】炭素数の上限は本発明の趣旨からは特に設
ける必要はないが、工業的に大量に入手可能な材料とし
ては炭素数20程度と考えられる。
【0031】以上の要件を満たすアルコールとしてはテ
トラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オク
タデシルアルコール、エイコサノール、ミリシルアルコ
ールなどを例示することができ、さらにはこれらアルコ
ールを2量化した分岐高級アルコール類、有機酸とのエ
ステル類も含まれる。
【0032】これら高級アルコール類は水に不溶なた
め、水溶性である鉄塩、アルミニウム塩を覆い徐放性を
創造することができる。
【0033】また、これら高級アルコール類は常温で固
形かつ生分解可能なため、脱窒能を有する細菌の水素供
与体になり得る。
【0034】本発明に用いるパラフィン類は、いわゆる
直鎖状脂肪族炭化水素の総称であるn−パラフィンが生
分解性を有するため好ましい。
【0035】n−パラフィンの炭素数に特に制限はない
が、炭素数20から48程度のものが工業的に入手し易
く好適である。
【0036】これらパラフィン類は水に不溶なため、水
溶性である鉄塩、アルミニウム塩を覆い徐放性を創造す
ることができる。
【0037】また、これらパラフィン類は常温で固形か
つ生分解可能なため、脱窒能を有する細菌の水素供与体
になり得る。
【0038】本発明に用いる鉄塩とは、いわゆる無機系
凝集剤として広く用いられる硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、
塩化第一鉄、塩化第二鉄などであり、結晶水の有無は特
に問われない。
【0039】本発明に用いるアルミニウム塩とは、いわ
ゆる無機系凝集剤として広く用いられる塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、アルミ
ン酸ソーダ、アルミニウムミョウバンなどであり、特に
好ましくは塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、
硫酸アルミニウムである。
【0040】本発明の固形脱窒、脱リン促進剤は、水に
不溶で生分解可能な常温で固体の有機化合物で、水溶性
で溶解性リンと塩を形成する物質を覆い、この物質の徐
放性を創造することであるために、有機化合物中に水溶
性で溶解性リンと塩を形成する物質が存在している構成
が好ましい。
【0041】この様な構成を実現するための方法として
は、融点以上に加温し溶融させた有機化合物と、溶解性
リンと塩を形成する物質とを混合させ所定の型に注入し
冷却固化せしめる方法、融点以上に加温し溶融させた有
機化合物と、溶解性リンと塩を形成する物質とを混合さ
せ、鉱物、セラミックス等の無機物や繊維、織布、不織
布等の第三の芯物質に塗布もしくは浸積せしめた後冷却
個化する方法等で容易に実現できる。
【0042】本発明に用いる高級脂肪酸、高級アルコー
ル、パラフィン類、鉄塩、アルミニウム塩は2種類以上
を混合し使用することができる。
【0043】たとえば、融点の異なる2種類の高級脂肪
酸等を混合して用いることにより、より微妙な徐放性の
制御が可能となる。
【0044】本発明の固形脱窒、脱リン促進剤を使用す
る方法としては、浄化槽などの廃水処理施設の曝気槽に
直接投入する方法が最も容易である。
【0045】また、地下水の浄化のためにはポンプ等に
より地上に汲み上げられた地下水を一定時間本発明の固
形脱窒、脱リン促進剤に接触させることで浄化の目的を
達成できる。
【0046】さらには、循環処理で用いるためには、ろ
床等の循環水に接触する部分に添加することで容易にな
し得る。
【0047】本発明の固形脱窒、脱リン促進剤の脱窒原
理は、特定の固形の水素供与体を用いることによる還元
反応を利用しているため、窒素以外の化合物を分解する
微生物の水素供与体にもなり得ることはいうまでもな
い。
【0048】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。
【0049】(実施例1)高級脂肪酸の例としてラウリ
ン酸(炭素数12)を70℃に加温溶融した中に、リン
と不溶性の塩を形成する物質の例としてポリ塩化アルミ
ニウム粉末(1級試薬)を重量比で12%添加、混合し
た後、直径10mm、厚さ5mmの型に流し込み冷却固
化させた。
【0050】このようにして作成したラウリン酸/ポリ
塩化アルミニウム複合剤の模式図を図1に示す。
【0051】図1において、11はラウリン酸であり、
このラウリン酸中に12のポリ塩化アルミニウムが点在
している。
【0052】得られたラウリン酸/ポリ塩化アルミニウ
ム複合剤50kgを有効容積52m 3の曝気槽へ添加し
た。
【0053】本実験施設は標準活性汚泥法を用いた厨房
廃水処理施設であり、曝気槽と最終沈殿池の間には流出
防止のためのスクリーンを設け、水理学的滞留時間8時
間の運転を1月から5月にかけて行い、全窒素濃度、全
リン濃度の値を最初沈殿池の入り口と最終沈殿池の出口
で測定し除去率を求めた。
【0054】その結果、全窒素濃度除去率は添加前12
ヶ月の平均値に比べて47%向上し、同じく全リン濃度
除去率は85%向上した。
【0055】さらに本発明の固形脱窒、脱リン促進剤
は、既存設備に何ら変更、追加を行うことなく、また初
期に添加するだけでよいため、メンテナンスの労力が大
幅に削減される。
【0056】(実施例2)高級脂肪酸の例としてステア
リン酸(炭素数18)を75℃に加温溶融した中に、リ
ンと不溶性の塩を形成する物質の例として無水塩化鉄
(III)粉末(特級試薬)を重量比で7%添加、混合し
た後、直径10mm、厚さ5mmの型に流し込み冷却固
化させた。
【0057】このようにして作成したステアリン酸/無
水塩化鉄(III)複合剤の模式図を図2に示す。
【0058】図2において、21はステアリン酸であ
り、このステアリン酸中に22の無機塩化鉄(III)が
点在している。
【0059】得られたステアリン酸/無水塩化鉄(II
I)複合剤3.2kgを槽滞水量2.5m3の合併処理浄
化槽へ添加した。
【0060】曝気槽と最終沈殿槽の間には流出防止のた
めのスクリーンを設け、4人家族での通常運転を12月
から6月にかけて行い、全窒素濃度、全リン濃度の値を
最初沈殿池の入り口と最終沈殿池の出口で測定し除去率
を求めた。
【0061】その結果、全窒素濃度除去率は添加前12
ヶ月の平均値に比べて41%向上し、同じく全リン濃度
除去率は68%向上した。
【0062】さらに本発明の固形脱窒、脱リン促進剤
は、既存設備に何ら変更、追加を行うことなく、また初
期に添加するだけでよいため、メンテナンスの労力が大
幅に削減される。
【0063】(実施例3)高級脂肪酸の例としてステア
リン酸(炭素数18)を75℃に加温溶融した中に、リ
ンと不溶性の塩を形成する物質の例として無水塩化鉄
(III)粉末(特級試薬)を重量比で18%添加、混合
した液体に、目付け30g/m2の不織布に浸透させた
後、絞り率120%でコーティング加工後冷却加工化さ
せた。
【0064】このようにして作成したステアリン酸/無
水塩化鉄(III)シート状複合剤の模式図を図3に示
す。
【0065】図3において、33の不織布を挟んで、3
1のステアリン酸がコーティングされており、このステ
アリン酸中に32の無機塩化鉄(III)が点在してい
る。
【0066】得られたステアリン酸/無水塩化鉄(II
I)シート状複合剤11kgを有効容積18m3の曝気槽
内へ吊るし、曝気槽内の活性汚泥と接触させた。
【0067】本実験施設は標準活性汚泥法を用いた農業
集落廃水処理施設であり、水理学的滞留時間11時間の
運転を12月から5月にかけて行い、全窒素濃度、全リ
ン濃度の値を最初沈殿池の入り口と最終沈殿池の出口で
測定し除去率を求めた。
【0068】その結果、全窒素濃度除去率は添加前12
ヶ月の平均値に比べて42%向上し、同じく全リン濃度
除去率は85%向上した。
【0069】さらに本発明の固形脱窒、脱リン促進剤
は、既存設備に何ら変更、追加を行うことなく、また初
期に添加するだけでよいため、メンテナンスの労力が大
幅に削減される。
【0070】(実施例4)高級アルコールの例としてヘ
キサデシルアルコール(炭素数16)を75℃に加温溶
融した中に、リンと不溶性の塩を形成する物質の例とし
て硫酸アルミニウム粉末(特級試薬)を重量比で12%
添加、混合した後、平均粒径約1.5mmの天然ゼオラ
イトの表面にコーティング後冷却固化させた。
【0071】このようにして作成したヘキサデシルアル
コール/硫酸アルミニウム複合剤の模式図を図4に示
す。
【0072】図4において、43の天然ゼオライトの周
りに、41のヘキサデシルアルコールがコーティングさ
れており、このヘキサデシルアルコール中に42の硫酸
アルミニウムが点在している。
【0073】得られたヘキサデシルアルコール/硫酸ア
ルミニウム複合剤130kgを有効容積68m3の曝気
槽へ添加した。
【0074】本実験施設は標準活性汚泥法を用いた農業
集落水処理施設であり、曝気槽と最終沈殿池の間には流
出防止のためのスクリーンを設け、水理学的滞留時間6
時間の運転を11月から5月にかけて行い、全窒素濃
度、全リン濃度の値を最初沈殿池の入り口と最終沈殿池
の出口で測定し除去率を求めた。
【0075】その結果、全窒素濃度除去率は添加前12
ヶ月の平均値に比べて30%向上し、同じく全リン濃度
除去率は43%向上した。
【0076】さらに本発明の固形脱窒、脱リン促進剤
は、既存設備に何ら変更、追加を行うことなく、また初
期に添加するだけでよいため、メンテナンスの労力が大
幅に削減される。
【0077】(実施例5)パラフィン類の例としてn−
パラフィン(炭素数38)を70℃に加温溶融した中
に、リンと不溶性の塩を形成する物質の例として硫酸ア
ルミニウム粉末(特級試薬)を重量比で12%添加、混
合した後、平均粒径約4.0mmのセルロース多孔体に
浸せき後冷却固化させた。
【0078】このようにして作成したn−パラフィン/
硫酸アルミニウム複合剤の模式図を図5に示す。
【0079】図5において、53のセルロース多孔体の
孔中に、51のn−パラフィンが充填されており、この
n−パラフィン中に52の硫酸アルミニウムが点在して
いる。
【0080】得られたn−パラフィン/硫酸アルミニウ
ム複合剤110kgを有効容積57m3の曝気槽へ添加
した。
【0081】本実験施設は標準活性汚泥法を用いた厨
房、し尿処理施設であり、曝気槽と最終沈殿池の間には
流出防止のためのスクリーンを設け、水理学的滞留時間
6.5時間の運転を12月から4月にかけて行い、全窒
素濃度、全リン濃度の値を最初沈殿池の入り口と最終沈
殿池の出口で測定し除去率を求めた。
【0082】その結果、全窒素濃度除去率は添加前12
ヶ月の平均値に比べて66%向上し、同じく全リン濃度
除去率は82%向上した。
【0083】さらに本発明の固形脱窒、脱リン促進剤
は、既存設備に何ら変更、追加を行うことなく、また初
期に添加するだけでよいため、メンテナンスの労力が大
幅に削減される。
【0084】(実施例6)高級脂肪酸の例としてステア
リン酸(炭素数18)を75℃に加温溶融した中に、リ
ンと不溶性の塩を形成する物質の例として無水塩化鉄
(III)粉末(特級試薬)を重量比で3%添加、混合し
た後、平均粒径約4.0mmのセルロース多孔体に浸せ
き後冷却固化させた。
【0085】このようにして作成したステアリン酸/無
水塩化鉄(III)複合剤の模式図を図6に示す。
【0086】図6において、63のセルロース多孔体の
孔中に、61のステアリン酸が充填されており、このス
テアリン酸中に62の無水塩化鉄(III)が点在してい
る。
【0087】得られたステアリン酸/無水塩化鉄(II
I)複合剤を、直径50cm、高さ3mのステンレス製
容器に充填し、愛知県下の茶畑内にある井戸水(年平均
全窒素濃度31mg/L、年平均全リン濃度2mg/
L)を35L/minの水量で汲み上げ2月から7月に
かけて通過させ、初期水と通過水の値から除去率を算出
した。
【0088】その結果、全窒素濃度平均除去率は88
%、全リン濃度平均除去率は98%と極めて高い除去率
を示した。
【0089】(実施例7)高級アルコールおよび高級脂
肪酸の例としてオクタデシルアルコール(炭素数18)
とミリスチン酸(炭素数14)の1対1(重量比)混合
物を80℃に加温溶融した中に、リンと不溶性の塩を形
成する物質の例としてポリ塩化アルミニウム粉末(特級
試薬)を重量比で5%添加、混合した後水中に滴下し直
径約1mmのオクタデシルアルコール/ミリスチン酸/
ポリ塩化アルミニウム複合剤を得た。
【0090】このようにして作成したオクタデシルアル
コール/ミリスチン酸/ポリ塩化アルミニウム複合剤の
模式図を図7に示す。
【0091】図7において、71はオクタデシルアルコ
ールとミリスチン酸の1対1混合物であり、このオクタ
デシルアルコールとミリスチン酸の1対1混合物中に7
2のポリ塩化アルミニウムが点在している。
【0092】得られたオクタデシルアルコール/ミリス
チン酸/ポリ塩化アルミニウム複合剤300gを有効水
量120Lの循環ろ過槽内へ添加し、合計魚体重43g
のコイを継続飼育した。
【0093】また、比較としてオクタデシルアルコール
/ミリスチン酸/ポリ塩化アルミニウム複合剤を添加し
ない試験区を設け、同条件にて試験を行った。
【0094】その結果、全窒素濃度は比較区に比べて6
1%減少し、同じく全リン濃度は95%減少した。
【0095】(実施例8)高級脂肪酸の例としてパルミ
チン酸(炭素数16)を75℃に加温溶融した中に、リ
ンと不溶性の塩を形成する物質の例として無水塩化鉄
(III)粉末(特級試薬)を重量比で0.5%添加、混
合した後、平均粒径約4.0mmのセルロース多孔体に
浸せき後冷却固化させた。
【0096】このようにして作成したパルミチン酸/無
水塩化鉄(III)複合剤の模式図を図8に示す。
【0097】図8において、83のセルロース多孔体の
孔中に、81のパルミチン酸が充填されており、このパ
ルミチン酸中に82の無水塩化鉄(III)が点在してい
る。
【0098】得られたパルミチン酸/無水塩化鉄(II
I)複合剤を、直径25cm、高さ1mのアクリル製容
器に充填し、テトラクロロエチレン20mg/L溶液を
2.5L/hr.の水量で通過させ、初期水と通過水の
値から除去率を算出した。
【0099】その結果、テトラクロロエチレン平均除去
率は通過開始後1ヶ月程度で71%、通過開始後3ヶ月
で84%と高い除去率を示した。
【0100】なお、本実施例には特に添加しなかった
が、公知の廃水処理用添加剤は本発明の主旨を損なわな
い範囲で任意に添加することは言うまでもない。
【0101】これら添加剤には、凝集剤、沈殿促進剤、
汚泥低減剤、バクテリア活性剤、バルキング防止剤など
が例示される。
【0102】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明の
固形脱窒、脱リン促進剤は、標準活性汚泥法や本法を基
本原理とする曝気槽単槽の排水処理設備に何ら設備や装
置を追加することなく、曝気槽や沈殿槽に添加し効果の
持続期間後に交換するだけという極めて簡単なメンテナ
ンス作業で脱窒、脱リンが同時に実現し、さらには地下
水中の難分解性有機物質を除去することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図2】本発明の実施例2に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図3】本発明の実施例3に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図4】本発明の実施例4に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図5】本発明の実施例5に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図6】本発明の実施例6に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図7】本発明の実施例7に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【図8】本発明の実施例8に用いた固形脱窒、脱リン促
進剤の模式図
【符号の説明】
11 ラウリン酸 12 ポリ塩化アルミニウム 21 ステアリン酸 22 無水塩化鉄(III) 31 ステアリン酸 32 無水塩化鉄(III) 33 不織布 41 ヘキサデシルアルコール 42 硫酸アルミニウム 43 天然ゼオライト 51 n−パラフィン 52 硫酸アルミニウム 53 セルロース多孔体 61 ステアリン酸 62 無水塩化鉄(III) 63 セルロース多孔体 71 オクタデシルアルコール、ミリスチン酸混合物 72 ポリ塩化アルミニウム 81 パルミチン酸 82 無水塩化鉄(III) 83 セルロース多孔体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 3/34 101 C02F 3/34 101Z

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィ
    ン類から選ばれた少なくとも1種類以上の有機化合物と
    鉄塩、アルミニウム塩から選ばれた少なくとも1種類以
    上からなる固形脱窒、脱リン促進剤。
  2. 【請求項2】 高級脂肪酸の炭素数が8以上である請求
    項1記載の固形脱窒、脱リン促進剤。
  3. 【請求項3】 高級アルコールの炭素数が12以上であ
    る請求項1記載の固形脱窒、脱リン促進剤。
  4. 【請求項4】 パラフィン類がn−パラフィンである請
    求項1記載の固形脱窒、脱リン促進剤。
  5. 【請求項5】 鉄塩が塩化鉄、硫酸鉄のうち少なくとも
    1種類を含む請求項1記載の固形脱窒、脱リン促進剤。
  6. 【請求項6】 アルミニウム塩が塩化アルミニウム、ポ
    リ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムのうち少なくと
    も1種類を含む請求項1記載の固形脱窒、脱リン促進
    剤。
  7. 【請求項7】 高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィ
    ン類から選ばれた少なくとも1種類以上の有機化合物か
    らなる固形成形体中に鉄塩、アルミニウム塩から選ばれ
    た少なくとも1種類以上の物質が存在する固形脱窒、脱
    リン促進剤。
  8. 【請求項8】 高級脂肪酸、高級アルコール、パラフィ
    ン類から選ばれた少なくとも1種類以上の有機化合物と
    鉄塩、アルミニウム塩から選ばれた少なくとも1種類以
    上の物質の混合物を第三の芯物質に塗布してなる固形脱
    窒、脱リン促進剤。
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