JP4757394B2 - シリコーンゴムベルトの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シリコーンゴムベルトの製造方法に関し、詳しくは、複写機、プリンタ等のOA機器等の中間転写体として用いられる、シームレスなシリコーンゴムベルトの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シリコーンゴムはその表面張力が小さいという性質を利用し、OA機器等の中間転写体の転写ベルト等に用いられており、使用上、その外表面を平滑とすることが望まれている。このようなシリコーンゴムベルトの製造方法としては、コーターを用いる方法、注型による方法、キャストによる方法、プレスによる方法等が挙げられる。特に、コーターを用いる方法が一般的であり、ベルト状の基材にコーターを用いて、シリコーンゴムを所定の厚みまでコーティングすることによりシリコーンゴムベルトを製造している。
【0003】
上記のようなベルトの製造方法については、コーター以外にも、注型による方法等の種々の提案がなされている。例えば、特公昭60−15454号では、エンドレスベルトの原料である揮発性溶剤に溶解した熱硬化性樹脂を円筒型内面に注入して加熱しつつ遠心成型するに当たり、予め円筒型の内面に、溶剤に溶解した液状硬化型のシリコーンゴムの硬化層を遠心成型法により形成しておく薄肉エンドレスベルトの製造法が提案されている。
【0004】
また、特開昭61−110519号では、あらかじめ円筒型内面に、溶剤に溶解した液状硬化型のシリコーンゴムの硬化層を遠心成形により形成しているシームレスベルトが提案されている。
【0005】
さらに、特開平6−258934号では、円筒型内に弾性支持層を配置して型面を形成し、該型面内に弾性層の液状ゴムを注入し、遠心成形にて得られた円筒状成形体を所要寸法に切断することにより製造することを特徴とする弾性現像剤量規制ブレード部材の製造方法が提案されている。
【0006】
さらには、特開平3−38678号では、耐熱性ポリウレタンを円筒型に注入して遠心成形する定着ベルトの製造方法において、液状シリコーンゴムを注入して半硬化状態に遠心成形し、この半硬化状のシリコーンゴム層の表面に接着層を形成し、耐熱性ポリウレタンを注入して遠心成形し、その後本加硫することを特徴とする定着ベルトの製造方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特公昭60−15454号、特開昭61−110519号では、シームレスでありベルト中に大きな段差はないものの、シリコーンゴムの硬化層を離型用型面としてのみ利用しており、シリコーンゴム層は円筒内に残るため、上記方法ではシリコーン離型層又は硬化層のみを型から取り出して、転写用として外表面が平滑なベルトを成形することはできないという問題がある。
【0008】
また、特開平6−258934号のブレード部材は、円筒型内に弾性支持層を配置して型面を形成し、該型面内に弾性層の液状ゴムを注入して製造するものであり、得られる成形物は支持層と弾性層を一体に成形した後、切断してブレード部材としているため、シームレスであり、かつ外表面が平滑なゴムベルトを作製することはできないという問題がある。
【0009】
さらに、特開平3−38678号に開示の製造方法では、シリコーンゴム層と耐熱性ポリウレタンとを接着層により接着し、一体に形成しているため、シリコーンゴム層のみを金型から取り出して、転写用のベルトとすることはできない。また、シームレスであり、ベルト中に大きな段差はないものの、シリコーンゴム層の外表面に微小な凹凸が存在し、十分な平滑性を得ることができないという問題がある。
【0010】
また、上述したコーターを用いる場合には、コーターを基材から離す際に、その部分の厚みが厚くなったり、凹凸が生じたりするため、継ぎ目がなく厚みが均一で、特に薄膜で平滑なベルトを作製することが非常に困難である。更には、必要量以上のシリコーンゴムを使用しなければならないため、ゴムのロスが大きい上に、大きなベルトを作製する際には作業性が悪いためベルトの精度がさらに悪くなるという問題がある。
【0011】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、厚みが均一でシームレスである上に、微小な凹凸もなく外表面が平滑なシリコーンゴムベルトを得ることができ、さらには、製造時のゴムのロスも抑制されるシリコーンゴムベルトの製造方法を提供することを課題としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、シリコーンゴムとの接面部の表面粗さRzが1μm以下と平滑な表面となるように表面処理を施した金型を備えた遠心成形機を用い、上記金型内に常温での粘度が0.1Pa・s以上100Pa・s以下である液状シリコーンゴムを注入し、上記金型を5rpm以上3000rpm以下の回転数で、まず常温で3分以上2時間以下回転させた後、40℃以上120℃以下に加熱して5分以上6時間以下回転させながら液状シリコーンゴムを硬化させ、金型内周面に沿って筒状のシリコーンゴム体を遠心成形し、上記筒状のシリコーンゴム体を金型内周面から剥離して取り出し、シームレスなシリコーンゴムベルトを作製することを特徴とするシリコーンゴムベルトの製造方法を提供している。
【0013】
このように、平滑な表面となるように表面処理を施した金型内で、シリコーンゴム体を遠心成形により成形しているため、段差がなく厚みが均一でシームレスであり、微小な凹凸もなく外表面が平滑なベルトを得ることができる。また、シリコーンゴムは、離型性に優れるため、遠心成形機の金型内に直接注入して成形しても、シリコーンゴムが金型に接着することはなく、成形したシリコーンゴムベルトを容易に取り出すことができる。さらには、液状シリコーンゴムを必要な量だけ注入すればよく、ゴムのロスも低減することができる。
【0014】
遠心成形機の金型のシリコーンゴムとの接面部の表面粗さRzを1μm以下としている。これにより、その外表面の表面粗さRzが1μm以下であり、表面が平滑なシリコーンゴムベルトを作製することができる。表面粗さRzは、1μm以下であれば、できるだけ小さい値の方がゴムベルトの表面がより平滑になるため好ましい。
【0015】
液状シリコーンゴムとしては、RTV(室温硬化型)、HTV(加熱硬化型)等が挙げられ、一液タイプ、二液タイプのいずれも用いることができる。
【0016】
上記の方法により筒状のシリコーンゴム体を遠心成形した後、上記液状シリコーンゴムと同種又は別種の材料を金型内に注入し、上記金型を回転させながら、上記シリコーンゴム体からなる外層の内周面に沿って、上記材料からなる基材を内層として遠心成形することができる。このように、シリコーンゴム体からなる外層と、シリコーンゴムと同種あるいは別種の材料の基材からなる内層との2層構造とすることにより、シリコーンゴムベルトの強度を向上することができる。
【0017】
同種の材料とは、上記液状シリコーンゴムとして用いられる材料を意味する。なお、最初に注入した液状シリコーンゴムと、同一の液状シリコーンゴムを用いてもよい。
別種の材料とは、上記液状シリコーンゴム以外のゴム又は樹脂等を意味し、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、公知のゴム成分及びこれらの混合物が挙げられる。中でも、熱硬化性樹脂が好ましく、特に、耐熱性に優れるという理由により、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂が好ましい、その他、ポリウレタン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂等も用いることができる。
【0018】
上記液状シリコーンゴムと同種あるいは別種の材料の基材からなる内層を設ける際、シリコーンゴム体を成形した後、シリコーンゴム体の内周面にプライマーを塗布することが好ましい。これにより、シリコーンゴム体からなる外層と、シリコーンゴムと同種あるいは別種の材料の基材からなる内層との密着性を向上することができる。
プライマーとしては、市販のシリコーンゴム用プライマーが使用できる。例えば、信越化学(株)製、「プライマーA」、「プライマーT」等が挙げられる。
【0019】
硬化前の上記液状シリコーンゴムの粘度は、常温で0.1Pa・s以上100Pa・s以下としている。これにより厚みが均一なベルトを精度良く作製することができる。上記範囲としているのは、粘度が100Pa・sより大きいと遠心時のゴムの流動性が悪くなり均一なベルトを得られないという問題があることによる。なお、上記粘度の下限値は0.1Pa・sとしているが、粘度は低いほど好ましい。
【0020】
液状シリコーンゴムには、必要に応じて、溶剤、粘度調整剤を加え、粘度を調整することができる。上記溶剤としては、キシレン、トルエン、ベンゼン等の有機溶剤を使用することができる。上記粘度調整剤としては、シリコーンオイル等を使用することができる。
また、必要に応じてシリカ等の充填剤を混入してもよい。さらに、硬化剤は必須であり、硬化剤を液状シリコーンゴムに混入してから、金型内に注入する。
【0021】
本発明の製造方法によれば、金型の回転速度、シリコーンゴムの粘度等にもよるが、シリコーンゴム体の厚みが0.01mm以上2mm以下、好ましくは0.05mm以上1mm以下、さらに好ましくは0.1mm以上0.5mm以下であるようなシリコーンゴムベルトを好適に製造することができる。液状シリコーンゴムの必要量を計算して金型内に注入することで、厚みの制御が容易であるため、特に薄膜のシリコーンゴムベルトの製造に好適である。また、遠心成形により成形するため、大きなベルトであっても、精度良く均一な厚みとすることができる。
【0022】
遠心成形の方法としては、最初に一定時間室温において金型を回転させながら均一にシリコーンゴム膜を作製し、その後に加熱して金型を回転させながらシリコーンゴム膜を硬化しシリコーンゴム体を得る。このように、温度を段階的に変更して遠心成形することにより均一な厚さのベルトを得ることができる。また、回転時に加熱することによりゴムの硬化を効率よく行うことができる。
【0023】
金型の回転数は遅すぎると、液状シリコーンゴムがたれてきたりすることにより均一な膜が作製できなくなることがあるため、硬化前の液状シリコーンゴムの粘度に応じて、均一なシリコーンゴム体が作製できる適切な回転数とすることが好ましい。具体的には、5rpm以上3000rpm以下、好ましくは100rpm以上2500rpm以下とする。上記範囲としているのは、回転数が上記範囲より小さいとシリコーンゴムのたれにより均一なベルトが作製できないためであり、一方、回転数が上記範囲より大きいと振動等精度の面で、機械的に困難になるという問題があるためである。なお、液状シリコーンゴムを注入してから金型の回転を開始してもよいし、回転している金型中(回転中)に液状シリコーンゴムを注入してもよい。
【0024】
回転時の温度については、シリコーンゴムの種類等に応じて、硬化するために適切な温度に適宜設定することができるが、具体的には40℃以上120℃以下とする。上記範囲としているのは、温度が上記範囲より小さいとシリコーンゴムの硬化に時間を要するためであり、温度が上記範囲より大きいとシリコーンゴムが劣化したり、冷めるのに時間がかかるという問題があるためである。また、温度は、液状シリコーンゴムを注入して、回転後、時間が経過してから上昇させる。回転後すぐに温度を上昇させると均一な厚みのベルトになる前に、硬化してしまう可能性があるためである。
【0025】
金型の回転時間については、シリコーンゴムの種類や温度等に応じて、適宜設定することができるが、具体的には、5分以上6時間以下、好ましくは10分以上3時間以下とするのが良い。上記範囲としているのは、回転時間が上記範囲より短いとシリコーンゴム体の成形が不十分であるためであり、回転時間を上記範囲より長くしても成形後の性能に影響がないためである。本発明では温度を段階的に変更して遠心成形するので、常温での回転時間は3分以上2時間以下とし、加熱しながらの回転時間は5分以上6時間以下とする。
【0026】
また、金型に注入すべき液状シリコーンゴムの必要量は、使用する遠心成形機の金型の大きさ及び必要なシリコーンゴム体の厚みから計算することができるので、必要以上に液状シリコーンゴムを使用する必要がなく、生産性が向上し、コスト的にも有利となる。
【0027】
本発明のシリコーンゴムベルトの製造方法により、厚さが均一で、シームレスであり、微小な凹凸もなく外表面が平滑で、所望の表面粗さを有するシリコーンゴムベルトを提供することができる。これにより、上記の優れた特性を有する、大きくて薄いシリコーンゴムベルトを容易に得ることができ、プリンタ、複写機等の中間転写体等として好適に使用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第一実施形態のシリコーンゴムベルトの製造方法により作製されたシリコーンゴムベルトからなる中間転写ベルト1が示された斜視図である。この中間転写ベルト1の全体形状は略円筒状(即ち無端状)とし、その外表面1aは平滑としている。
【0029】
以下、図2に示す遠心成形機10を用いた、シリコーンゴムベルトからなる中間転写ベルト1の製造方法を示す。まず、液状シリコーンゴム(RTV)に必要に応じて溶剤、希釈剤、硬化剤を加え、粘度を5Pa・sに調整し、シリコーンゴムの溶液を作製する。次に、遠心成形機10の金型11の大きさ、及びベルトの必要厚みから、液状シリコーンゴムの必要量を計算し、液状シリコーンゴムを遠心成形機10の円筒状の金型11内に注入する。注入後、金型11を回転数が1500rpmで一定として常温で0.5時間回転させながら、金型11の内周面11aに沿って筒状のシリコーンゴム体を仮成形した後、さらに、40℃に温度を上げて、5時間、金型11を回転させながら遠心成形して完全に硬化させることによりシリコーンゴム体を得ている。金型11が冷えた後に、上記筒状のシリコーンゴム体を金型11の内周面11aから剥離して取り出して、厚さ0.3mmの円筒状のシームレスなシリコーンゴムベルトからなる中間転写ベルト1を得ている。
【0030】
遠心成形機10の金型11の大きさは直径30cm×奥行き40cmとし、金型11のシリコーンゴムとの接面部である金型11の内周面11aの表面粗さRzを1μmとして、金型11が平滑な表面となるように表面処理を施している。
【0031】
このように、図2、図3に示すように、遠心成形機の金型11の内周面11aに沿って、円筒状のシリコーンゴムベルトからなる中間転写ベルト1を成形することができ、外表面1aの表面粗さRzが1μmであり、厚みが均一でシームレスなシリコーンゴムベルトを得ることができる。
【0032】
第二実施形態のシリコーンゴムベルトの製造方法を示す。上記第一実施形態の製造方法と同様の方法により、金型11の内周面11aに沿って、筒状のシリコーンゴム体21を遠心成形した後、プライマーを筒状のシリコーンゴム体21の内周面21aに塗布する。その後、粘度を1Pa・sに調整したポリイミド樹脂溶液を円筒状の金型11内に注入する。注入後、金型11を回転数が1500rpmで一定として再び回転させながら、ポリイミド樹脂を130℃で1時間遠心成形した後、200℃で1時間500rpmで回転後、さらに300℃で1時間500rpmで回転させながら、ポリイミド樹脂を硬化し、シリコーンゴム体21からなる外層の内周面21aに沿って、ポリイミド樹脂からなる基材22を内層として遠心成形している。金型11が冷えた後に、シリコーンゴム体21からなる外層とポリイミド樹脂の基材22からなる内層とを一体として金型11から取り出して、厚さ0.4mmのシリコーンゴムベルト20を得ている(シリコーンゴム体の厚さ0.3mm、基材厚さ0.1mm)。
【0033】
このように、シリコーンゴム体21の内周面21aに沿って、耐熱性の基材22を設けて2層構造とすることにより、厚みが均一で、シリコーンゴム体21の外表面21bが非常に平滑なシリコーンゴムベルト20の強度を向上させることができる。
【0034】
以下、本発明のシリコーンゴムベルトの製造方法の実施例及び比較例について詳述する。
【0035】
(実施例1)液状シリコーンゴム(RTV)110gをキシレンに溶解した。硬化剤を11g添加し、粘度を5Pa・sとした後、遠心成形機の金型内にこのシリコーンゴム溶液を300g流し込んだ。なお、このシリコーンゴム溶液は、得られるシリコーンゴムベルトの厚みが0.3mmであるとして、必要な量を計算して調整した。金型の大きさは直径30cm×奥行き40cmとし、金型のシリコーンゴムとの接面部の表面粗さを0.2μmとした金型を使用した。 金型の回転を開始後、徐々に回転数をあげ、300rpmとなったところで回転数を一定として、室温で0.5時間回転し、その後続けて40℃にて、5時間回転した後、回転を停止した。そのまま金型が冷えるまで放置し、金型が冷えた後に筒状のシリコーンゴム体を取り出し、本実施例のシリコーンゴムベルト(幅約40cm)を得た。
【0036】
(比較例1)
二軸で張った長さ90cmのベルト上に、コーターを用いて、幅40cm、厚み0.3mmに、液状シリコーンゴム200g、硬化剤20gをキシレンに溶解させたゴム溶液をコーティングで1周塗ったところで、コーターを離し、硬化後、シリコーンゴムベルトを取り外した。
【0037】
上記実施例のシリコーンゴムベルト及び比較例のシリコーンシートについて以下の評価を行った。 実施例1のベルトについてはその厚みを測定するために、奥行き方向に切断し、長さ約90cmのシートを得て、このシート及び比較例のシートについて、各々幅方向、長さ方向の厚み24点を測定し、その平均値、及び最大値と最小値との差を各々求めた。
また、目視によりつなぎ目(ベルトの段差)の有無を観察した。
さらに、ベルトの外表面の表面粗さ(10点粗さRz[μm])の測定(6ヶ所の平均)を行った(テンコール社製のものを使用)。
上記各評価の結果を下記の表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
表1に示される様に、実施例1のシリコーンゴムベルトは、平均厚さが0.30mmであり、厚みの最大値と最小値の差も0.02mmと小さく、厚みのバラツキが少なかった。また、つなぎ目も全くなかった。即ち、本発明の製造方法により、精度良く、所定の厚みを均一に有するシリコーンベルトを得ることができ、ベルトのつなぎ目もなくなることが確認できた。
さらには、ベルトの外表面の表面粗さRzも1μm以下とすることができ、平滑な表面とすることができた。また、比較例と比べて、使用するシリコーンゴムの量がすくなくてすみ、生産性にも優れており、コスト的にも有利であった。
【0040】
一方、比較例1のシリコーンシートは、0.3mmの厚みとなる様にコーティングしたのにもかかわらず、その平均厚みは0.29mmであり、また厚みの最大値と最小値の差も0.06mmと大きく、厚みの均一性及び精度が劣っていた。その上、目視によりつなぎ目と思われる部分が存在し、段差が観察され、平滑な表面を得ることはできなかった。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、平滑な表面となるように表面処理を施した金型内に離型性の良い液状シリコーンゴムを注入し、筒状のシリコーンゴム体を遠心成形しているため、シリコーンゴム体を金型から容易に剥離でき、厚みが均一で、シームレスである上に、微小な凹凸もなく外表面が平滑であるシリコーンゴムベルトを精度良く簡単に製造することができる。
【0042】
また、遠心成形機により成形しているため、ベルトの厚みの制御も容易であり、大きくて薄いベルトでも精度良く成形することができる。また、液状シリコーンゴムを必要量以上使用せずにすむため、製造時のゴムのロスも抑制することができ、生産性も向上させることができる。
【0043】
従って、本発明により製造されるシリコーンゴムベルトは、上記のような特性に優れるため、特にプリンタや複写機の部品として使用される中間転写体等として非常に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の製造方法により製造されたシリコーンゴムベルトが示された斜視図である。
【図2】 遠心成形機の断面図である。
【図3】 第一実施形態の製造方法により遠心成形した状態の金型の断面図である。
【図4】 第二実施形態の製造方法により遠心成形した状態の金型の断面図である。
【符号の説明】
1 中間転写ベルト
1a 外表面
10 遠心成形機
11 金型
11a 接面部
21 シリコーンゴム体
22 基材
Claims (3)
- シリコーンゴムとの接面部の表面粗さRzが1μm以下と平滑な表面となるように表面処理を施した金型を備えた遠心成形機を用い、
上記金型内に常温での粘度が0.1Pa・s以上100Pa・s以下である液状シリコーンゴムを注入し、
上記金型を5rpm以上3000rpm以下の回転数で、まず常温で3分以上2時間以下回転させた後、40℃以上120℃以下に加熱して5分以上6時間以下回転させながら液状シリコーンゴムを硬化させ、金型内周面に沿って筒状のシリコーンゴム体を遠心成形し、
上記筒状のシリコーンゴム体を金型内周面から剥離して取り出し、シームレスなシリコーンゴムベルトを作製することを特徴とするシリコーンゴムベルトの製造方法。 - 上記筒状のシリコーンゴム体を遠心成形した後、
上記液状シリコーンゴムと同種の材料又は別種の熱硬化性樹脂を金型内に注入し、
上記金型を回転させながら、上記シリコーンゴム体からなる外層の内周面に沿って、上記材料からなる基材を内層として遠心成形し、
内層と外層を一体として金型内周面から剥離して取り出している請求項1に記載のシリコーンゴムベルトの製造方法。 - 上記筒状のシリコーンゴム体を遠心成形した後、プライマーを筒状のシリコーンゴム体の内周面に塗布し、
ついでポリイミド樹脂溶液またはポリアミドイミド樹脂溶液を金型内に注入し、
上記金型を回転させながら、上記シリコーンゴム体からなる外層の内周面に沿って、ポリイミド樹脂またはポリアミドイミド樹脂からなる基材を内層として遠心成形し、
内層と外層を一体として金型内周面から剥離して取り出している請求項1に記載のシリコーンゴムベルトの製造方法。
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