JP4756864B2 - 低アレルギー性モザイク抗原の製造方法 - Google Patents

低アレルギー性モザイク抗原の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、天然に存在するアレルゲン、特にオオアワガエリ草の花粉アレルゲンPhl p 2に由来するモザイク抗原に関する。このモザイク抗原は、弱められたアレルゲン活性を示し、感作アレルギー患者の治療用あるいは予防接種用のアレルギーワクチンとして有用である。
多くの人々がIgEを媒介としたアレルギーに苦しんでいる。こうした患者はいくつかの抗原に対するアレルギー反応に悩まされている。アレルギー反応は、高い割合で植物花粉により引き起こされる。アレルギー性鼻結膜炎、喘息、皮膚炎およびアナフィラキシーショックなどのようなアレルギー諸症状は、IgEのアレルゲン認識に基づく。IgE分子は、花粉症、喘息および蕁麻疹のようなアレルギー反応の諸症状の主たる原因である。
IgE分子は、例えば植物花粉のようなアレルゲンと結合する。IgE分子の末端領域、すなわちFc領域は、組織中のマスト細胞あるいは血液中の好塩基球の表面に存在しているFc受容体に結合する。抗原が結合すると、マスト細胞あるいは好塩基球を誘発して、様々なサイトカイン類および生物活性化合物、特にヒスタミンを分泌させる。これらの分子は血管を拡張し、漏出して、今度は白血球、抗体および補体成分が反応部位に参加するのを促進する。これらの分子は、一方では、アレルギー反応の症状の主な原因となる。眼の軽い痒みおよび軽い風邪の症状から、激しい痛みや例えばハチに刺された後に起こるアナフィラキシーショックのような死亡する恐れがある症状まで、様々な程度のアレルギー反応がある。
こうしたアレルギー反応を回避するために、少量の低アレルゲン化合物の適用に基づくアレルギー用ワクチンが開発されてきている。低アレルゲンワクチンの適用により、個体がアレルゲンと接触した直後には、アレルゲンと反応するIgG抗体が産生すると言われている。こうしたいわゆる遮断抗体によって、アレルゲンと患者の身体の中にあるIgE分子の間の接触が大部分、回避される。したがって、アレルゲンとIgE分子が介在するマスト細胞との大部分の反応が避けられる。
アレルギー反応の治療分野では、種々のワクチンが使用されてきている。以前は少量のアレルゲンが患者に適用されてきた。遺伝子工学の発展と共に、組み換えアレルゲンがワクチン予防接種のために使用することができる。そのようなアレルゲン含有ワクチンの主な欠点は、そのワクチンを適用すると、患者に望ましくない副作用をもたらすことである。例えば、患者がそれに対してアレルギーであるアレルゲンを皮下的に投与した場合、痒みからアナフィラキシーショックまでの望ましくない副作用が起きる。それというのも、患者の身体の中にあるIgE抗体が、アレルゲンと反応してアレルギー反応を引き起こすからである。
望ましくない副作用を解決するために、アレルゲンに由来する低アレルゲン性モザイク抗原の製造方法、すなわち
(a)アレルゲンを少なくとも2つの部分に分解し、各部分のIgE活性を測定する第1工程および
(b)検出可能なIgE反応を示さないアレルゲンの上記部分を結合して、アレルゲンのアミノ酸から成り、且つそのアミノ酸順序は天然に存在するアレルゲンのそれとは異なるモザイク抗原とする第2工程
とから成る方法が開示される。
本発明方法で使われている用語「低アレルゲン性モザイク抗原」は、該抗原が天然に存在するアレルゲンの実質的に全てのアミノ酸を含むことを意味する。しかしながら、天然に存在する抗原と比較しての違いは、該アレルゲンが第1工程で異なる部分に分解されるということである。
アレルゲンのアミノ酸配列が知られている場合、抗原から長さを変えたペプチドを製造することは、当業者には一般に常識である。ペプチドは、当該分野でよく知られた化学合成によっても製造することができる。別法として、配列が分かっている場合、適切なプライマーは簡単に合成することができるので、そのようなペプチドはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって容易に製造することができる。
ペプチドあるいはポリペプチドとして存在するアレルゲンの各部分の反応性を測定する必要がある。この測定は、ペプチドを天然に存在するアレルゲンに対するアレルギー患者からの血清と反応させることにより実施することができる。そのような血清中のIgE抗体は、IgEエピトープがそのペプチド上に存在する場合にはペプチドと反応する。しかしながら、直線状のIgEエピトープが存在しないか、あるいは全長の天然に存在するアレルゲンを分離することにより、その立体的なIgEエピトープ構造が破壊されると、IgEとペプチドとの結合は起こらないであろう。IgE抗体はIgE抗体と結合する特異的抗抗体との反応によって、その後、容易に検出することができる。これらの抗抗体は、通常、検出のために標識される。
本発明の重要な一側面は、アレルゲンをIgE抗体と反応しない部分に分割することにある。アレルゲンの一部がまだ実質的な量のIgE抗体と反応する場合、アレルゲンのそのような各部分はモザイク抗原の製造のために使用するべきではない。各血清における特異性とIgE濃度は変わるかもしれないので、モザイク抗原で使用される天然抗原の各部分は異なるアレルギー患者からの血清により試験することが勧められる。
アレルゲンを検出可能ないかなるIgE反応性も持たない幾つかの部分へ分解する場合、それらの各部分はモザイク抗原を提供するために新たに配列される。アレルゲンの分解部分が実質的なIgE反応性を持たないということは、天然に存在する全長アレルゲン、およびその各部分についてのIgE反応性が、アレルギー患者からの好ましくは少なくとも5つの血清で試験されることを意味する。アレルゲンおよびその各部分へのIgE分子の結合は定量的に測定され、その部分のIgE反応性は天然アレルゲンに対して得られる値の10%未満、好ましくは5%未満に減らさなければならない。
最も単純な場合、モザイク抗原に対する天然アレルゲンの各部分の再配列は、アレルゲンを2つの部分、すなわちN−末端を含み、開裂部位で終わる部分A、および開裂部位から始まり、ポリペプチドのC−末端で終わるペプチドBを意味する。開裂部位は、1つの部分が終わり、他の部分が始まる、ポリペプチド中の位置を意味する。天然抗原の両方の部分が実質的なIgE反応性を持たない場合、部分BがそのN−末端を表し、部分AがC−末端を表すように、2つの部分は再配列される。
天然アレルゲンを天然に存在するA、B、Cの順序で3つの部分に分解させる場合、幾つかのモザイク抗原が可能であり、例えば、C、B、A;あるいはA、C、Bがそうである。より多くの分解部分が形成されればされる程、モザイク抗原を提供するためのより多くの選択肢が生じる。
本発明の好ましい態様では、天然アレルゲン中の隣接した位置に存在する部分の結合、例えばC、A、Bの順序の結合は回避される。その理由は、エピトープへのIgEの結合がモザイク抗原上で再び形成されるかもしれないからである。しかしながら、それにはモザイク抗原が実質的に天然抗原のすべてのアミノ酸を含んでいることが必須である。確かに、明らかに何らの機能も持たない幾つかのアミノ酸は欠失させることができるし、あるいは幾つかのアミノ酸は製造上の理由から欠失させることができるが、できるだけ多くのアミノ酸は維持されるべきである。さらに、モザイク抗原は、製造目的で利用される幾つかのアミノ酸を含んでいてもよい。モザイク抗原で再編成される天然アレルゲンの部分は、できるだけ大きいのが好ましい。開裂部位は、できるだけ長く続くIgEエピトープを破壊するように選択されるのが好ましい。
本発明方法の好ましい態様では、グループ2アレルゲンが使用される。好ましいグループ2アレルゲンは、次の出版物に記載されている:Freidhoff LR, Ehrlich−Kautzky E, Grant JH, Meyers DA, Marsh DG. A study of the human immune response to Lolium perenne (rye) pollen and its components, Lol p I and Lol p II (rye I and rye II). I. Prevalence of reactivity to the allergens and correlations among skin test, IgE antibody, and IgG antibody data. Lolium perenne[ホソムギ(ライ麦)花粉およびその成分Lol p IおよびLol p II(ライ麦Iおよびライ麦II)に対するヒト免疫応答に関する研究。I.アレルゲンの反応性の優劣および皮膚試験、IgE抗体およびIgG抗体データ間の相関性。ホソムギ]、J Allergy Clin Immunol 1986, 78, 1190−1201。
Freidhoff LR, Ehrlich−Kautzky E, Meyers DA, Marsh DG. A study of the human immune response to Lolium perenne (rye) pollen and its components, Lol pI and Lol pII (Rye I and Rye II). II. Longitudinal variation of antibody levels in relation to symptomatology and pollen exposure and correction of seasonally elevated antibody levels to basal values.[(ライ麦)花粉およびその成分、Lol p IおよびLol p II(ライ麦Iおよびライ麦II)へのヒト免疫反応に関する研究。II。症候学と花粉接触とに関する抗体レベルの縦方向への変化および基礎値に対する季節的な高濃度抗体の補正]、J Allergy Clin Immunol 1987, 80, 646−655。
Ansari AA, Shenbagamurthi P, Marsh DG. Complete amino acid sequence of a Lolium perenne (perennial rye grass) pollen allergen, Lol p II。[ペレニアルライグラス(ホソムギ)花粉アレルゲンLol p IIの完全アミノ酸配列]、J Biol Chem 1989, 264, 11181−11185。
Dolecek C, Vrtala S, Laffer S, Steinberger P, Kraft D, Scheiner O, Valenta R. Molecular characterization of Phl p II, a major timothy grass (Phleum pratense) pollen allergen。[主要オオアワガエリ(Phleum pratense)花粉アレルゲン、Phl p IIの分子特性」FEBS Lett 1993, 335, 299−304。
特に好ましい態様として、モザイク抗原に使用されるアレルゲンは、オオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 2である。この草木花粉アレルゲンPhl p 2の配列はWO94/23035に開示されている。オオアワガエリ花粉からのPhl p 2のより詳細な記述は、文献(De Marino et al., Structure (1999) Vol. 7, No. 8, p. 943−952)に報告されている。このPhl p 2抗原は、草木花粉アレルギー患者の血清IgEの約70%と反応し、感作患者の好塩基球からのヒスタミン遊離を誘発するので、好ましい抗原である。
本発明の研究の間に、Phl p 2アレルゲンは、3つのペプチド、すなわちアミノ酸1−33のペプチド1、アミノ酸34−64のペプチド2、およびアミノ酸65−96のペプチド3へと好ましく分解されることが分かった。配列順序をペプチド1、ペプチド3およびペプチド2に再配列することにより、低アレルゲン性ワクチン予防接種に使用できるモザイク抗原が提供される。このモザイク抗原は、十分な量のIgE阻害抗体を産生するが、ワクチン接種による望ましくない副作用は殆ど完全に回避されている、といった利点を有している。
好ましいモザイクアレルゲンのアミノ酸配列は、配列番号1に示される。この好ましいモザイクアレルゲンをコードするDNAは、配列番号2に示される。
本発明の開示によって提供されるモザイクアレルゲンは、アレルギー反応の治療用医薬の製造のために好ましく使用することができる。好ましいPhl p 2モザイク抗原は、草木花粉アレルギーの治療用医薬の製造のために使用することができる。このPhl p 2は、アレルギー患者の大多数がIgE抗体を形成する抗原であるので、そのモザイク抗原は花粉症に苦しむ患者の治療に非常に有用である。
上記の方法により製造されるモザイク抗原は、アレルギー反応の治療用医薬として製剤化することができる。その主要成分は、アジュバントと共に好ましく投与されるモザイク抗原である。ヒトへの適用に適切な幾つかのアジュバントがあり、例えば水酸化アルミニウムゲルがそうである。本発明の別の態様では、モザイク抗原を身体免疫反応を一般に増強する別の成分に、共有結合で直接、結合させることも可能である。
さらに、モザイク抗原をコードするDNAあるいはその相補的なDNA配列をDNAワクチンとして使用することもできる。核酸ワクチンとしては、適切なポリヌクレオチド配列が標的細胞に挿入される。モザイク抗原をコードする配列の他に、そのようなDNAワクチンは、プロモーター、リボゾーム結合サイトあるいは終結配列のような調節要素を含んでいてもよい。これらのDNA配列は、適当な運び屋に組み込まれ、それによりDNAが細胞のタンパク質合成工場に到達できる。
ここに詳細に記載されているモザイク抗原は、好ましくはヒトへの適用を目的としている。しかしながら、モザイク抗原はペット(例えば、犬または猫)あるいは馬のような有益な動物に対しても使用することができる。
図面および表は、本発明の好ましい態様を記載している。
表1はPhl p 2由来合成ペプチドの特性を示す。Phl p 2アレルゲンの配列、アミノ酸の数、位置、ペプチドの分子量および等電点が示されている。ペプチド1は配列番号:3に、ペプチド3は配列番号:4に、そしてペプチド2は配列番号:5に対応する。
Figure 0004756864
表2は、完全鎖rPhl p 2およびPhl p 2モザイク(P2M)に対する即時型皮膚反応を示す。2人のオオアワガエリ花粉アレルギー患者(患者1、2)が、P2とP2Mに対する皮膚反応性について試験された。平均腫れ直径(mm)が、rPhl p 2およびPhl p 2モザイクに対する5種類の濃度に対してのみならず、オオアワガエリ花粉エキスおよびヒスタミンに対しても表示されている。
Figure 0004756864
表3は、ウサギαP2M抗体およびウサギαP2抗体による、草木花粉アレルギー患者のrPhl p 2へのIgE結合阻害を示している。IgE結合の阻害%は、5人の患者に対するものである。
Figure 0004756864
本発明をさらに、以下の実施例で説明する。
(実施例1)
アレルゲン活性を有しない合成Phl p 2由来ペプチド
アレルゲン活性を有しないPhl p 2断片を同定するために、Phl p 2タンパク質の約1/3から成る複数のペプチドを化学的に合成した(表1参照)。各ペプチドは、約3.7 kDaの分子量を有する32から34のアミノ酸鎖長を持ち、共同して完全鎖Phl p 2アミノ酸配列をカバーする。
3種類のペプチドが、HBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェートの活性化法)(0.1mmolの小規模サイクル)を用いたFmoc(9−フルオレニルメトキシカルボニル)法によりApplied Biosystems 社(ホスター、カリフォルニア州)のペプチド合成機モデル433A上で合成された。予め充填したPEG−PS(ポリエチレングリコール/ポリスチレン)樹脂(0.15−0.2 mmol/g充填量)(Septive Biosystems社、Warrington、英国)が、ペプチドを構築するための固相として用いられた。試薬はApplied Biosystems社から購入した。アミノ酸のカップリンは、フィードバック制御系での伝導度モニタリングによって確認した。担体へのペプチドのカップリングを容易にするために、1個のシステイン残基をN−末端あるいはC−末端に付加した。ペプチドは、250μlの蒸留水、250のμlトリイソプロピルシラン(Flukan社、Buchs、スイス)および9.5mlのトリフルオロ酢酸の混合物で2時間処理して樹脂から解裂させ、tert−ブチルメチルエーテル(Flukan社、Buchs、スイス)中に沈殿させた。ペプチドの同定は、質量分析によってチェックし、定量的HPLC(PiChem社、Graz、オーストリア)[参照:Focke M, Mahler V, Ball T, Sperr WR, Majlesi Y, Valent P, Kraft D, Valenta R., Nonanaphylactic synthetic peptides derived from B cell epitopes of the major grass pollen allergen, Phl p 1, for allergy vaccination(主要な草木花粉アレルゲンPhl p 1のB細胞エピトープ由来アレルギー予防接種用の非アナフィラキシー性合成ペプチド)、FASEB J.2001 15: 2042−2044]によって、>90%の純度に精製された。
Phl p 2由来ペプチドのアレルゲン活性は、完全長rPhl p 2のIgE反応性をドットブロット分析法(図1参照)によりペプチドと比較することにより評価された。
ニトロセルロース上にドットされたPhl p 2由来ペプチド(P1−P3)、免疫学的に無関係な主要な草木花粉アレルゲンであるrPhl p 5[参照:Vrtala S, Sperr WR, Reimitzer I, van Ree R, Laffer S, Muller WD, Valent P, Lechner K, Rumpold H, Kraft D, Scheiner O, Valenta R. cDNA cloning of a major allergen from timothy grass (Phleum pratense) pollen; characterization of the recombiniant Phl p V allergen(オオアワガエリ草(Phleum pratense)花粉からの主要アレルゲンのcDNAクローニング;組み換えPhl p Vアレルゲンの特徴)、J.Immunol. 1993, 151: 4773−4781]およびコントロールとしてヒト血清アルブミン、同様にコントロールペプチドを、草木花粉アレルギー患者からの血清および非アレルギー性の個人の血清にそれぞれ暴露した。
結合IgE抗体は、先に文献(Valenta R, Duchene M, Ebner C, Valent P, Sillaber C, Deviller P, Ferreira F, Tejkl M, Edelmann H, Kraft D, Scheiner O. Profilins constitute a novel family of functional plant pan−allergens[プロフィリンは、機能性植物パンアレルゲンの新しいファミリーを構成する]、J.Exp.Med. 1992, 175: 377−385)に記載されている方法で検出した。35人全ての草木花粉アレルギー患者の血清は、ニトロセルロース上にドットされたrPhl p 2に対してはIgE反応性を示したが、3種類のPhl p 2由来ペプチドのどれに対しても反応しなかった(図1参照)。非アレルギーの個人からの血清は、ペプチドまたはタンパク質のいずれに対してもIgE反応性を示さなかった。
(実施例2)
組み換えPhl p 2モザイクタンパク質の特定
組み換えPhl p 2モザイクタンパク質は、3種類のPhl p 2由来ペプチドの配列を変える組み換えによって得られた。このモザイクタンパク質は、3種類の非アレルゲン性Phl p 2断片の配列順序を変えて組み換えることにより、破壊された3次元構造を有するモザイクタンパク質をもたらし、その結果アレルゲン活性を減じる、との仮定の下に創製されたものである。さらに、モザイクタンパク質は、個々のより小さいペプチドユニットと比較して、よりよい免疫原性を示し、Phl p 2の関連T細胞エピトープを含むPhl p 2の完全鎖の主要アミノ酸配列を保存するであろうことが期待された。
図2は、Phl p 2モザイクタンパク質と比較した、天然Phl p 2アレルゲンにおける3種類のペプチドのアセンブリを示す。2つのタンパク質を比較するために、C−末端ヘキサヒスチジンテイルと組み換えモザイクタンパク質とを含む組み換えPhl p 2が生産された。これはまたC−末端ヘキサヒスチジンテイル(図2参照)を含んでおり、ニッケルアフィニティークロマトグラフィー(Quiagen社、Hilden、ドイツ)による両タンパク質の精製を可能とした。
図3に示されたプライマーおよびPhl p 2をコードするcDNA[Dolecek C, Vrtala S, Laffer S, Steinberger P, Kraft D, Scheiner O, Valenta R. Molecular characterization of Phl p II, a major timothy grass (Phleum pratense) pollen allergen(PHl p II、主要オオアワガエリ(Phleum pratense)草木花粉アレルゲンの分子特性)、FEBS Lett.1993,335:299−304]を鋳型として用いる方法[Linhart B, Jahn−Schmid B, Verdino P, Keller W, Ebner C, Kraft D, Valenta R. Combination vaccines for the treatment of grass pollen allergy consisting of genetically engineered hybrid molecules with increased immunogenicity(遺伝子工学による、増大した免疫原性を有するハイブリッド分子から成る草木花粉アレルギー治療用混合ワクチン)、FASEB J.2002,16:1301−1303]で、組み換えPhl p 2モザイクを、図2に示された順序で3種類のペプチドをコードするcDNAのPCR遺伝子増幅法により構築した。
図4は、組み換えPhl p 2モザイクタンパク質のDNAおよび推定アミノ酸配列を示す。ヒスチジンタグモザイクタンパク質は、計算上11769Daの分子量のタンパク質、これはヒスチジンタグ組み換えPhl p 2アレルゲン(11784Da)と殆ど同じであるが、をコードする309塩基対のDNAによってコードされる。
ヒスチジンタグrPhl p 2アレルゲンをコードするcDNAは、5’−プライマーP2/1(配列番号:6)と3’−プライマーP2/7:CGC GAA TTC TCA GTG GTG GTG GTG GTG GTG CTC TTC TGG CGC GTA GGT GGC(配列番号:12)を組み合わせ、Phl p 2をコードする鋳型cDNAを用いたPCRによって得た:
ヒスチジンタグPhl p 2モザイクをコードするcDNAおよびヒスチジンタグPhl p 2アレルゲンを、別々にNde I/Eco RI切断プラスミドpET17b(Novagen社)に結合させた。2つのプラスミド構築物のDNA配列が、配列解析により確認され、組み換えタンパク質を、600nmにおける光学密度0.4の液体培地(LB、100mg/Lアンピシリンを含む培地)中、0.5mMイソプロピル−β−チオガラクトピラノシドで37℃、4時間、誘導させることにより大腸菌BL21(DE3)(Novagen社)に発現させた。500mL培養液から大腸菌細胞を遠心分離により回収し、生産者(Quiagen社, Hilden,ドイツ)の指示に従い、天然条件下(rPhl p 2)あるいは変性条件下(rPhl p 2モザイク)での精製の準備をした。タンパク質サンプルは、ドデシル硫酸ナトリウム―ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)、およびタンパク質染色(Fling SP, Gregerson DS. Peptide and protein molecular weight determination by electrophoresis using a high−molarity Tris buffer system without urea(尿素非存在下、高濃度モルのトリス緩衝液系を用いる電気泳動によるペプチドおよびタンパク質分子量の測定)、Anal.Biochem.1986,155:83−88)により純度が測定された(図4参照)。
図5は、ヒスチジンタグ組み換えタンパク質(rPhl p 2:P2; rPhl p 2モザイク: P2M)の純度を示す。2つのタンパク質は、SDS−PAGEでは、完全に同じ挙動を示さなかったが、文献[Niederberger V, Hayek B, Vrtala S, Laffer S, Twardosz A, Vangelista L, Sperr WR, Valent P, Rumpold H, Kraft D, Ehrenberger K, Valenta R, Spitzauer S. Calcium−dependent immunoglobulin E recognition of the apo− and calcium−bound form of a cross−reactive, two EF−hand timothy grass pollen allergen Phl p 7(カルシウム依存性免疫グロブリンEの、交差反応性を示す2つのEF−ハンドのオオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 7のアポ体およびカルシウム結合体の認識)、FASEB J.1999,13:843−856]に記載された質量分析では、2つのタンパク質(rPhl p 2: 11775 Da; rPhl p 2モザイク: 11770 Da)は、N−末端にメチオニンを含む推定分子量とよく一致した(図6参照)。
(実施例3)
rPhl p 2モザイクのIgE反応性とアレルゲン性の欠如
精製Phl p 2モザイク(P2M)のIgE結合能が、ペプチド類に対して報告されているドットブロット実験に従って、12人のオオアワガエリ草木花粉アレルギー患者からの血清を用い、Phl p 2野生型のそれと比較された(図7参照)。12人の草木花粉アレルギー患者からの血清は全てrPhl p 2に対するIgE抗体を含んでいたが、rPhl p 2モザイクあるいは陰性コントロールすなわちヒト血清アルブミンに対してはIgE反応性を示さなかった(図7参照)。rPhl p 2モザイクの非常に低減されたアレルゲン活性は、好塩基球のヒスタミン遊離および皮膚試験の実験によってさらに実証された。草木花粉アレルギー患者からの好塩基球は、デキストラン沈降法によって濃縮され、文献[Valent P, Besemer J, Muhm M, Majdic O; Lechner K, Bettelhei P. Interleukin 3 activates human blood basophils via high−affinity binding sites(インターロイキン3は、高アフィニティー結合サイトを介してヒト血液好塩基球を活性化する),Proc.Natl.Acad.Sci. USA 1989, 86: 5542−5546]に記載されている方法に従って、順に増大する濃度の精製rPhl p 2あるいはrPhl p 2モザイクに暴露した。
無細胞上澄み液中に遊離されたヒスタミンは、放射免疫測定法により3通り測定され、Valentらによって報告されているように、細胞内のヒスタミン全含量の平均百分率として表示されている。
図8は、rPhl p 2モザイク(最大遊離値:1〜10 μg/ml)が、rPhl p 2アレルゲン(最大遊離値:10-3 μg/ml)に比べて、1000倍以上に低減されたアレルゲン活性を示すことを証明している。
rPhl p 2モザイクの強く低減されたアレルゲン活性は、草木花粉アレルギー患者の皮膚試験により確認された(表2参照)。SPT(皮膚プリックテスト)は、患者の前腕上で実施された。5種類濃度のrPhl p 2およびPhl p 2−由来モザイクP2M(1 μg/ml、2 μg/ml、4 μg/ml、8 μg/ml、16 μg/ml)の20μlの一定分量が適用された。さらに、標準化された皮膚プリック溶液(オオアワガエリ草木花粉エキスおよびヒスタミン)(Allergopharma社、Reinbeck、ドイツ)が試験された。反応は、SPT試験の20分後、写真に記録され、ボールペンで囲まれた腫れ面積をスコッチテープで紙に転送した。平均の腫れ直径(Dm)は、縦の最大の長さと横断直径とを測定し、 Focke、2001年らの方法により、その合計値を2で割って計算した。
rPhl p 2は、最も低い試験濃度、つまり1μg/mlで、強い腫れの反応を引き起こしたのに対して、rPhl p 2モザイクでは最大試験濃度(すなわち8〜16μg/ml)でも緩和な腫れ反応のみを引き起こした。従って、このことはモザイクタンパク質のアレルゲン活性が低減化されたことを確証するものである。
(実施例4)
rPhl p 2野生型を認識し、アレルギー患者のIgEがPhl p 2と結合するのを阻害するIgG抗体のrPhl p 2モザイク免疫による誘発
Phl p 2モザイクによる免疫およびPhl p 2モザイクが、天然Phl p 2と反応するIgG抗体を産生するかどうかを試験するために、ウサギrPhl p 2モザイク、KLH結合rPhl p 2モザイクあるいはrPhl p 2で、Fockeらによって報告されているようにフロイントアジュバントを使用してウサギを免疫した。
ウサギIgG抗体のrPhl p 2に対する反応性は、ドットブロット試験(図9参照)により検討された。Phl p 2野生型(P2)のみならず、対応する免疫原Phl p 2モザイク(P2M)が、ニトロセルロースのストリップ上にドットされた(1μg/ドット)。ニトロセルロースをウサギの免疫前血清または免疫血清(1:500)に暴露し、結合ウサギ抗体を1000倍希釈した125Iで標識したロバ抗ウサギ抗血清(Amersham Pharmacia Biotech社)を使用し、Valentaらの報告(1992年)に従って検出した。
ウサギ抗rPhl p 2モザイク抗血清は、免疫原(rPhl p 2モザイク)のみならず、rPhl p 2アレルゲンと強く反応した(図9参照)。この抗体の反応性は、KLH結合モザイクで免疫して産生される抗血清で得られる反応性と比較しうる強度であり、rPhl p 2アレルゲン(図9)による免疫でもたらされる反応性よりも強かった。
(実施例6)
阻害抗体の測定
rPhl p 2モザイクによる免疫で誘発されたIgG抗体は、アレルギー性患者血清IgEの完全長rPhl p 2との結合を、5人の草木花粉アレルギー患者血清を用いるELISA競合法により、阻害するかどうかを検討した(表3参照)。ELISAプレート(Nunc Maxisorp社、Rokslide、デンマーク)は、rPhl p 2(1μg/ml)でコーティングし、100倍希釈の抗Phl p 2モザイク抗血清あるいは抗Phl p 2抗血清、およびコントロール用として対応する免疫前血清と共にプレインキュベーションした。洗浄後、プレートは5人のPhl p 2感作草木花粉アレルギー患者からの3倍希釈血清と共にインキュベーションし、結合したIgE抗体は、1000倍希釈したリン酸アルカリコンジュゲートのモノクローナルラット抗ヒトIgE抗体(Pharmingen社, San Diego, カリフォルニア州)で検出された。抗Phl p 2モザイクおよびPhl p 2とのプレインキュベーションで達成されたIgE結合の阻害%は、以下の式で計算した。
IgE結合の阻害% = 100−OD1/ODp×100
ODおよびODは、Focke(2001年)らが報告した方法により、ウサギ免疫血清および免疫前血清でプレインキュベーションした後の吸光度をそれぞれ表す。
この抗Phl p 2モザイク抗体は、rPhl p 2アレルゲンでの免疫により産生される抗体と共にプレインキュベーションして達成される場合(54.73%の平均阻害)と同じく低い程度ではあるが、Phl p 2に対する草木花粉アレルギー患者のIgE結合の結合阻害(20.93%の平均阻害)を示した。
免疫研究の結果によれば、rPhl p 2モザイクに対する抗体は、Phl p 2野生型アレルゲンを認識し、アレルギー患者のIgEがPhl p 2を認識するのを阻害することを証明している。
図1は、合成Phl p 2由来ペプチドと完全鎖rPhl p 2(組み換えで製造された野生型アレルゲン)とのIgE反応性の比較を示す。ドットされた(A)Phl p 2ペプチド(P1、P2、P3)、ヒト血清アルブミン(HSA)、コントロールペプチド(P)および交差反応しないオオアワガエリ花粉アレルゲン(rPhl p 5)、および(B)rPhl p 5およびPhl p 2(rPhl p 2)を含んでいるニトロセルロースを、35人の草木花粉アレルギー患者(1−35)の血清および非アレルギーの個人(N)の血清に暴露した。 図2は、組み換えヒスチジンタグPhl p 2野生型および組み換えヒスチジンタグPhl p 2モザイクの概略図を示す。3種類のペプチドの位置が示されている。 図3は、Phl p 2モザイクの構築のために使用されるDNA配列およびrPhl p 2モザイクをコードするcDNAのアセンブリーに使用されるPCRアプローチの概略図を示す。Nde IおよびEco R Iの制限酵素部位が、プライマーP2/1およびP2/6にそれぞれ強調されている。プライマーは、配列番号:6〜11に対応する。 図4は、ヒスチジンタグPhl p 2モザイクのcDNA(配列番号:2)および推定アミノ酸配列(配列番号:1)を示す。アミノ酸は、単一の文字コードで示され、塩基対およびアミノ酸数は、右側の余白に表示されている 図5は、rPhl p 2モザイクおよびrPhl p 2の純度を示す。Phl p 2(レーン:P2)、Phl p 2モザイク(レーン:P2M)および分子量マーカー(レーン:M)を含むクーマシー染色ゲルによる。 図6は、精製rPhl p 2モザイク(A)およびrPhl p 2(B)の質量分光分析を示す。質量電荷比はx軸に示され、シグナル強度は、調べた質量範囲の中で得られた最も強いシグナルに対する%として表示されている。 図7は、rPhl p 2(P2)およびrPhl p 2モザイク(P2M)のIgE結合能の比較を示す。rPhl p 2(P2)およびrPhl p 2モザイク(P2M)、さらにヒト血清アルブミン(HSA)がそれぞれドットされたニトロセルロースを、12人のPhl p 2反応性草木花粉アレルギー患者(1−12)の血清で調べた。結合IgE抗体を、125Iで標識した抗ヒトIgE抗体で検出し、オートラジオグラフィーで視覚化した。 図8は、好塩基球のヒスタミン遊離により測定されたrPhl p 2モザイクの低アレルゲン活性を示す。草木花粉アレルギー患者からの好塩基球を、順に増大する濃度のrPhl p 2およびrPhl p 2モザイク(x−軸)に暴露した。ヒスタミン遊離は、y−軸上で全ヒスタミン遊離に対する%として表記されている。 図9は、ウサギ抗rPhl p 2モザイク抗体による、rPhl p 2野生型アレルゲンの認識を示している。rPhl p 2モザイク(αP2M)、KLH結合モザイク(αP2M−KLH)およびrPhl p 2(αPhl p 2)のみならず、緩衝液(C)に対して採取されたウサギ抗血清を、ドットブロットされたKLH、ヒト血清アルブミン(HSA)、rPhl p 2(P2)およびrPhl p 2モザイク(P2M)に暴露した。結合ウサギ抗体は、125Iで標識したロバ抗ウサギIgGで検出し、オートラジオグラフィーで視覚化した。

Claims (7)

  1. (a)オオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 2を3つのペプチド、すなわち、天然に存在するPhl p 2のアミノ酸配列のアミノ酸1〜33を有するペプチド1、アミノ酸34〜64を有するペプチド2およびアミノ酸65〜96を有するペプチド3に分解し、各部分のIgE活性を測定する第1工程および
    (b)検出可能なIgE反応を示さないオオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 2の上記各部分をペプチド1、ペプチド3及びペプチド2の順序で結合してモザイク抗原とする第2工程
    とからなることを特徴とする、オオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 2由来の低アレルゲン性モザイク抗原の製造方法。
  2. さらに、
    (c)第2工程で得られるモザイク抗原が、オオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 2を認識するIgG抗体を誘導し、該IgG抗体がオオアワガエリ花粉アレルギー患者の血清中に含まれるIgE抗体のオオアワガエリ花粉アレルゲンPhl p 2への結合を阻害することを確認する第3工程
    を有することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 配列番号:1のアミノ酸配列を有するモザイクアレルゲン。
  4. 請求項に記載のモザイクアレルゲンをコードする配列番号:2のDNA配列またはその相補的配列からなるDNA。
  5. オオアワガエリ花粉アレルギー反応の治療用医薬の製造のための、請求項1または2に記載の方法により製造され得るモザイクアレルゲンの使用。
  6. 請求項1または2に記載の方法により製造され得るモザイクアレルゲンあるいは請求項に記載のモザイクアレルゲンを含むことを特徴とする、オオアワガエリ花粉アレルギー患者の治療用ワクチン。
  7. 請求項1または2に記載の方法により製造され得るモザイクアレルゲンをコードするDNA、または請求項に記載のDNAから成ることを特徴とする、オオアワガエリ花粉アレルギー患者の治療用ワクチン。
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