JP2009535041A - Phlp1アレルゲン誘導体 - Google Patents

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Abstract

野生型アレルゲンと比べてアレルゲン活性が低減した、野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1の誘導体を製造する方法であって、野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1を準備するステップと、上記野生型タンパク質アレルゲンを少なくとも3つの断片に断片化するステップであって、該少なくとも3つの断片のうちの少なくとも1つの断片は少なくとも1つのT細胞エピトープを含み、該少なくとも3つの断片は、アレルゲン活性が低減しているかまたはアレルゲン活性を失っている断片に断片化するステップと、上記少なくとも3つの断片を、上記野生型アレルゲンの断片の順序とは異なる順序で再結合させるステップとを含むことを特徴とする。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1の誘導体、おとびその製造方法に関するものである。
アレルギーとは、通常は無害である異物(つまり非自己)(「アレルゲン」)に対する反応可能性の遺伝的または後天的な特異的変更である。アレルギーは、病気に冒された臓器系(皮膚、結膜、鼻、咽頭、気管支粘膜、胃腸管)における炎症性反応と、アレルギー性鼻炎、結膜炎、皮膚炎、アナフィラキシーショックおよび喘息といった即時の病徴と、喘息およびアトピー性皮膚炎の後期反応といった慢性疾患の徴候と結びついている。
I型アレルギーとは、遺伝的に決定される過敏性疾病を指し、これは、産業化した世界人口の約20%に影響を及ぼしている。I型アレルギーの病態生理学的特質は、その他の場合には無害の抗原(アレルゲン)に対して、免疫グロブリンE(IgE)抗体が産生されることである。
現在、アレルギー治療の唯一の使役形態(causative form)は、アレルゲン特異的な免疫療法であり、該療法では、患者にアレルゲンの漸増用量を投与して、アレルゲン特異的な無反応を誘起させる。アレルゲン特異的な免疫療法の臨床効果については、いくつかの研究によって報告されているが、根源的な仕組みについては完全には理解されていない。
アレルゲン特異的な免疫療法の主たる欠点は、天然アレルゲン抽出物の使用に依存している点である。この天然アレルゲン抽出物を少なくとも工業生産レベルまで規格化することは、不可能でないにしても難しいことである。このような天然アレルゲン抽出物は、様々な、アレルギー性および非アレルギー性化合物から成り、このため、投与された抽出物の中には特定のアレルゲンが存在しない可能性もあり、または、(もっと悪いことには)治療中の成分に対して、新たなIgEの特異性が患者に発現する可能性もある。抽出物ベースの療法の他の欠点は、生物活性のあるアレルゲン製剤の投与がアナフィラキシー的副作用を誘発するという点に起因している。
アレルゲンの特徴付けの分野で分子生物学的技法を用いることによって、関連する全ての環境アレルゲンをコードするcDNAコードを単離することが可能となり、組み換えアレルゲンの製造が可能となっている。このような組み換えアレルゲンを用いて、個々の患者の反応特質を生体外診断法(つまり、血清内のアレルゲン特異的IgE抗体を検出すること)または生体内検査によって特定することが可能となった。この技術を基に、各患者の感作特質に合わせて調整された、新規成分ベースの、アレルゲン、特にI型アレルゲンに対するワクチン接種戦略を開発することが可能であると思われる。しかしながら、組み換えアレルゲンがその天然の同等物と類似しているため、組み換えアレルゲンもまた、著しいアレルギー誘発性活動の兆候を示す。この組み換えアレルゲンは、野生型アレルゲンのアレルギー誘発性活動に極めて類似した反応を呈する。そのため、天然アレルゲンを適用する免疫療法におけるこのアレルギー誘発性活動に関連した全ての欠点が、組み換えアレルゲンの場合にも存在する。免疫療法を改善するには、アナフィラキシー的副作用のリスクを抑えたまま、投与されるアレルゲンの量を増大させることが可能なように、組み換えアレルゲンのアレルギー誘発性活動を低減させる必要がある。
T細胞エピトープだけを含有するペプチドを投与することによって、アレルゲン特異的T細胞の活性だけを操作することが提案されている。T細胞エピトープは、低分子ペプチドであり、この低分子ペプチドは、抗原提示細胞による無傷アレルゲンのタンパク分解に起因している。このようなT細胞エピトープは合成ペプチドとして製造可能である。今までのところT細胞エピトープに関する試験は行われているが、結果は芳しくなく、有効性が低いことしか示されていない。このT細胞エピトープベースの免疫療法の有効性が低いことに関しては、いくつかの原因が考えられている。第1に、T細胞活性化ではなくT細胞寛容を実現するための最適量を投与することが困難であるという点、第2に、低分子T細胞エピトープペプチドは体内での半減期が短いという点。第3に、個々のアトピー患者におけるIgE産生が記憶免疫反応を示すという、無視できない証拠が存在する点である。この記憶免疫反応は、新たなクラススイッチを必要とせず、T細胞に由来するサイトカインによっては制御することが出来ない。従って、T細胞エピトープの投与だけに基づいた治療形態は、アレルゲン特異的T細胞の活性を調節するが、既にスイッチされた記憶B細胞によるアレルゲン特異的IgE抗体の産生にはほとんど影響を及ぼさない。
組み換えDNA技術またはペプチド合成によって、低アレルゲン性アレルゲン誘導体または断片を製造することもさらに提案されている。このような誘導体または断片は、T細胞エピトープを有しており、IgE抗体を誘導することが可能である。このIgE抗体は、天然アレルゲンのIgE認識と競合する。20年以上も前に、アレルゲンのタンパク分解により、部分的にはそのIgE結合能力を保持するが、即時型反応を誘発しない低分子アレルゲンの断片が生じることが実証されている。アレルゲンのタンパク分解を制御して規格化することは困難であるが、分子生物学によって、IgE結合ハプテンを製造する新たな手段が開発された。このようなIgE結合ハプテンは、アナフィラキシー的作用を生じさせるリスクが少ない能動免疫法、および、アレルゲンと接触する前にエフェクター細胞結合IgEを飽和させて、これによってアレルゲン誘導性のメディエーター放出を阻止する受動的治療法に有効であることが示唆されている。
他にも、低アレルゲン性アレルゲンの変異体(version)を遺伝子工学によって製造することが提案されている。これは、アレルゲンが、いくつかのアミノ酸残基が異なる、および/または、IgE結合能力が低い立体構造を有する点において異なるイソ型として自然に発生するという観察に基づいている。例えば、主要なカバノキの花粉アレルゲンBet v 1を遺伝子工学によってオリゴマー化することによって、アレルゲン活性が大幅に低減した組み換え三量体が生じる。あるいは、点突然変異を導入することによって、アレルゲン構造の立体構造を変化させて非連続性IgEエピトープを分離させること、または、IgEの結合能力に直接影響を及ぼすことのいずれかが提案されてきている(Valenta et al.,Biol.Chem.380 (1999)、815−824頁)。
アレルゲンをいくつかの断片(例えば2つの断片)に断片化することによって、アレルゲンのIgE結合能力およびアレルゲン活性がほぼ完璧に失われる。これは、Bet v 1(Vrtala et al. J. Clin. Invest. 99 (1997)、1673〜1681頁)、Twardosz et al.(BBRC 239 (1997), 197-204頁)のBet v 4、Hayek et al.(J. Immunol. 161 (1998), 7031-7039頁)のAln g 4、Zeiler et al.(J. Allergy Clin. Immunol. 100 (1997), 721-727頁)のウシの鱗屑アレルゲン、Elfman(Int. Arch. Allergy Immunol. 117 (1998),167-173頁)のLep d2、Westritschnig(J. Immunol. 172 (2004), 5684-5692頁)のPhlp 7の天然様折りたたみ構造が失われるためである。主として非連続/立体構造的なIgEエピトープを含有するタンパク質の断片化は、アレルゲンのIgE結合能力を実質的に低減させる。この知見に基づいて、従来技術では、このような低アレルゲン性アレルゲンの断片が生体内で防御免疫反応を誘導し得るかどうかが研究されていた(Westritschnig et al.(Curr. Opinion in Allergy and Clin. Immunol. 3 (2003)、495-500頁))。
Ball et al.(Eur J Immunol 1999, 29: 2026-2036頁)には、免疫療法の過程で、水酸化アルミニウムを通して吸着した花粉抽出物を投与することが記載されている。
米国第2002/0052490A1には、少なくとも1つのPhl P 1−エピトープを含むポリペプチドをコードする組み換えDNA分子が開示されている。
Flicker S et al.(J Allergy Clin Immunol 2006, 117:1336-1343頁)において、Phl P 1アレルゲンのC末端技術が全Phl P 1分子のアレルゲン性潜在能力のほとんどを含むことが見つかっている。
Linhart B et al.(FASEB J 2002, 16:1301-1303頁)には、オオアワガエリのいくつかのアレルゲンを含有するハイブリッド分子の製造について記載されている。
DE第10351471A1はハイブリッドポリペプチドに関するものであり、このハイブリッドポリペプチドは、免疫的に優勢ないくつかの、アレルゲンのT細胞エピトープから成り、交差反応を起こさない。
本発明の目的は、上述の知見に基づいた、改善されたアレルギー免疫療法の手段および方法を提供することにある。このような方法および手段は、アナフィラキシーショックのリスクが低い点、容易に適用可能であると共に個々の患者の要求に合わせることができる点、および、容易に工業規模に変えることができる点と関連しているため、有効である。
従って本発明は、野生型アレルゲンと比べてアレルゲン活性が低減した、野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1(主要なオオアワガエリの花粉アレルゲン)の誘導体を製造する方法であって、
野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1を準備するステップと、
上記野生型タンパク質アレルゲンを少なくとも3つの断片に断片化するステップであって、該少なくとも3つの断片のうちの少なくとも1つの断片は少なくとも1つのT細胞エピトープを含み、該少なくとも3つの断片は、アレルゲン活性が低減しているかまたはアレルゲン活性を失っている断片に断片化するステップと、
上記少なくとも3つの断片を、上記野生型アレルゲンの断片の順序とは異なる順序で再結合させるステップとを含む方法に関する。
アレルギー性反応は、予め形成されているIgEとクロスリンクしたアレルゲンがマスト細胞上の高親和性受容体FcεRIと結合したときに引き起こされる。マスト細胞は、身体の表面に並んでおり、免疫システムに局部感染に対する注意を促すように機能している。一旦活性化されると、これらは、予め形成されている顆粒内に格納された化学的メディエータを分泌することによって、および、活性化が生じた後、ロイコトリエンおよびサイトカインを合成することによって、炎症反応を引き起こす。従って、アレルギーに苦しんでいるかアレルギーに苦しむ危険性のある各患者に対して、予防するため、治療するため、または敏感にさせるために野生型アレルゲンを投与することは、副作用が生じるために有効ではない。免疫療法においてアレルギー性反応を回避する1つの方法は、野生型アレルゲンを変形させて、この変形された「アレルゲン」がわずかな量だけIgEに結合するか、または、全く結合しなくなる程度にまで変形することである。結果的に、このような分子は、強いアレルギー性反応を引き起こすことが不可能である。しかしながら、特定のアレルゲンの断片は、防御抗体応答を生じさせる程十分には免疫原性を有していないことに留意されたい(Westritschnig et al., (2004))。
本発明に係る方法により、IgEと結合する可能性が低いかまたはこの可能性がないが、T細胞性免疫応答を引き起こすために必要とされるアレルゲンの特性を一緒に保持するアレルゲン誘導体の製造が可能となる。これは、本発明に係る方法によって達成され得る。なぜなら、T細胞性免疫応答の誘発の原因となる構造要素、例えば野生型アレルゲンのT細胞エピトープは、本発明に係るアレルゲン誘導体内に実質的に保持された状態で残っているからである。しかしながら、アレルゲンの断片をシャッフルすること(断片化して再結合すること)によって、IgEに対する結合能力の大幅な低減、または、この結合能力の完全な欠損が引き起こされる。もちろん、アレルゲン誘導体の製造過程でいくつかのアミノ酸残基のみを欠失させる(除去する)か、または追加する(挿入する)した場合、または、各部分が直接結合する代わりにリンカーによって結合した場合にも、本発明に係る利点は依然として存在する。このアレルゲン活性の低減または消滅は、アレルゲンを確定した断片に分割する公知および通常の原理によって達成される。
本発明に係るアレルゲン誘導体は、組み換えにより製造されることが好ましい。当然ながら、単一のアレルゲンの断片を化学的に合成して、その後、これら断片を一緒につなげることも可能である。
本発明の好ましい一実施形態によれば、アレルゲン活性の低減を、野生型アレルゲンと比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、特には50%のIgE結合能力の低減によって判定する。
アレルゲン活性の低減を、好ましくは、上記誘導体のドットブロットに対する、アレルゲンに過敏な患者の血清におけるIgE抗体の結合の欠如によって、または好塩基球放出分析によって判定する。
アレルゲン活性を評価する従来の生体外分析は、RAST(Sampson and Albergo, J. Allergy Clin. Immunol. 74:26, 1984)、ELISA(Burks et al. N. Engl. J. Med. 314:560, 1986)、免疫ブロット法(Burks et al., J. Allergy Clin. Immunol. 81:1135, 1988)、好塩基球ヒスタミン放出分析(Nielsen, Dan. Med. Bull. 42:455, 1995 and du Buske, Allergy Proc. 14:243, 1993)、およびその他のもの(Hoffmann et al. Allergy 54:446, 1999)を含む。
本発明の好ましい一実施形態によれば、上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の25から39番目までのアミノ酸残基、34から45番目までのアミノ酸残基、73から84番目までのアミノ酸残基、91から102番目までのアミノ酸残基、100から111番目までのアミノ酸残基、109から133番目までのアミノ酸残基、121から135番目までのアミノ酸残基、127から138番目までのアミノ酸残基、157から168番目までのアミノ酸残基、169から183番目までのアミノ酸残基、および/または、226から240番目までのアミノ酸残基を含んで構成される。
本発明に係る方法で用いられる少なくとも3つの断片は、上述のT細胞エピトープのうちの少なくとも1つのT細胞エピトープを含んで構成されてよい(例えば、Schenk S. et al. J Allergy Clin Immunol. (1995)96:986-996参照)。
本発明の他の好ましい一実施形態によれば、上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の1から64番目までのアミノ酸残基(A)、65から125番目までのアミノ酸残基(B)、126から205番目までのアミノ酸残基(C)および206から240番目までのアミノ酸残基(D)から成る群より選択される。
本発明の断片は、IgE結合/B細胞エピトープおよび保存されているT細胞エピトープを破壊するように選択される。これらのエピトープは、これらのエピトープに対する適切な免疫応答の生成を引き起こす。野生型アレルゲンPhl p 1に自然にみられるB細胞エピトープの破壊/低減によって、各患者に投与される場合に、上記誘導体は、アレルギー性反応を誘導するよりもむしろ、主としてT細胞性応答を生じさせることができる(メディエーター放出細胞に結合しているIgEへの結合を全く欠くか、または、結合が低減する)。
上記アレルゲン誘導体における上記断片の順序は、B−D−A−Cであることが好ましい。
仮に得られたアレルゲン誘導体のアレルゲン活性が野生型アレルゲンと比べて低い場合には、上記断片を他の順序で並べることも当然可能である(D−B−A−C、B−A−D−C等)。
本発明に従って得られた誘導体を、製薬基準を満たした賦形剤と組み合わせて医薬製剤に仕上げることは容易に可能である。
好ましくは、上記誘導体を、好適なワクチンアジュバントと組み合わせて製薬基準を満たしたワクチン製剤に仕上げる。
好ましい一実施形態では、本発明に係る誘導体をさらなるアレルゲンと組み合わせて、複合ワクチンにする。このようなアレルゲンは、野生型アレルゲン、特に野生型アレルゲンの混合物、組み換え野生型アレルゲン、野生型タンパク質アレルゲンの誘導体またはこれらの混合物であることが好ましい。この混合物は、特定の患者のニーズ(アレルゲンプロファイル)に合わせて特別に製造され得る。
好ましい一実施形態では、このような医薬製剤は、アレルゲン抽出物をさらに含む。
本発明の他の好ましい一実施形態では、上記さらなるアレルゲンは、主要なカバノキの花粉アレルゲン(特にBet v 1およびBet v 4)、主要なオオアワガエリの花粉アレルゲン(特にPhl p 2、Phl p 5、Phl p 6、および、Phl p 7)、主要なイエダニアレルゲン(特にDer p 1およびDer p 2)、主要なネコアレルゲン(Fel d 1)、主要なハナバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン(特にPhl p 12)、および、貯蔵庫ダニ(storage mite)アレルゲン(特にLep d 2)から成る群より選択される。
本発明に係る医薬製剤およびワクチン製剤は、Phl p 1に近いもの、他のアレルゲンまたは誘導体およびこれらの断片、アレルゲン抽出物などを含んで構成されてもよい。
本発明の別の態様は、本発明に係る方法によって得られるアレルゲン誘導体に関する。
本発明のさらに別の態様は、野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1のアレルゲン誘導体であって、上記野生型タンパク質アレルゲンの少なくとも3つの断片をふくみ、該3つの断片は上記野生型アレルゲンにおける順序とは異なる順序で互いに連結しており、上記少なくとも3つの野生型アレルゲン断片はアレルゲン活性が低減しているか、またはアレルゲン活性を欠いており、上記少なくとも3つの断片のうちの少なくとも1つは1つ以上のT細胞エピトープを含んで構成されているアレルゲン誘導体に関する。
本発明の好ましい一実施形態によれば、上記少なくとも3つのアレルゲン断片は、少なくとも6アミノ酸残基、好ましくは少なくとも10アミノ酸残基、特に少なくとも15アミノ酸残基を含んで構成されている。
上記少なくとも3つの断片は、好ましくは、Phl p 1の25から39番目までのアミノ酸残基、34から45番目までのアミノ酸残基、73から84番目までのアミノ酸残基、91から102番目までのアミノ酸残基、100から111番目までのアミノ酸残基、109から133番目までのアミノ酸残基、121から135番目までのアミノ酸残基、127から138番目までのアミノ酸残基、157から168番目までのアミノ酸残基、169から183番目までのアミノ酸残基、および226から240番目までのアミノ酸残基を含んで構成されている。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の1から64番目までのアミノ酸残基(A)、65から125番目までのアミノ酸残基(B)、126から205番目までのアミノ酸残基(C)および206から240番目までのアミノ酸残基(D)から成る群より選択される。
上記アレルゲン誘導体における上記断片の順序は、B−D−A−Cであることが好ましい。
本発明のアレルゲン誘導体は、Phl p 1感受性の検出および診断にも用いられ得る。例えば、この検出および診断は、感受性を評価する患者から採取した血液または血液製剤を、Phl p 1の活性を有するペプチドと生体外で組み合わせることによって実施可能であり、血液中の成分(例えば、抗体、T細胞、B細胞)と上記誘導体との結合およびこのような結合が生じる範囲の決定に適した環境下でなされる。本発明の誘導体が用いられ得るアレルギー性疾患の他の診断方法としては、放射性アレルギー吸着試験(RAST)、ペーパー放射性免疫吸着試験(PRIST)、酵素免疫吸着法(ELISA)、放射免疫測定法(RIA)、免疫放射定量測定法(IRMA)、発光免疫測定法(LIA)、ヒスタミン放出測定法およびIgE免疫ブロット法が挙げられる。
本発明の別の態様は、本発明に係るアレルゲン誘導体(上記参照)と、さらなるアレルゲン、好ましくは野生型アレルゲン、特には野生型アレルゲン、組み換え野生型アレルゲン、野生型タンパク質アレルゲンの誘導体またはこれらの混合物の混合物とを含んで構成されるアレルゲン組成物に関する。
上記組成物は、好ましくはアレルゲン抽出物をさらに含む。
本発明の好ましい一実施形態によれば、アレルゲン組成物は製薬基準を満たした賦形剤を含む。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、上記組成物は、主要なカバノキの花粉アレルゲン(特にBet v 1およびBet v 4)、主要なオオアワガエリの花粉アレルゲン(特にPhl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7)、主要なイエダニアレルゲン(特にDer p 1およびDer p 2)、主要なネコアレルゲン(Fel d 1)、主要なハナバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン(特にPhl p 12)および貯蔵庫ダニアレルゲン(特にLep d 2)から成る群より選択される1つ以上のアレルゲンをさらに含んで構成される。
本発明の別の態様は、アレルゲン特異的免疫療法薬剤の調剤のための本発明に係るアレルゲン誘導体またはアレルゲン組成物の使用に関する。
本発明のさらに別の態様は、能動免疫付与用薬剤の調剤のための本発明に係るアレルゲン誘導体またはアレルゲン組成物の使用に関する。
本発明の別の態様は、予防免疫接種用薬剤の調剤のための本発明に係るアレルゲン誘導体またはアレルゲン組成物の使用に関する。
上記薬剤は、好ましくはアジュバント、希釈剤、防腐剤またはこれらの混合物をさらに含む。
本発明の好ましい一実施形態によれば、上記薬剤は、10ngから1g、好ましくは100ngから10mg、特には0.5μgから200μgの上記組み換えアレルゲン誘導体を含んで構成される。好ましい投与の方法としては、概してワクチン接種用および特にはアレルギー免疫療法用に記述または提案されている全ての標準的な投与法が含まれる(経口、経皮、経静脈、経鼻、経粘膜など)。本発明は、本発明に係る医薬製剤の有効量を投与することによってアレルギーを治療および予防する方法を包含する。
本発明の別の態様は、本発明に係るアレルゲン誘導体を製造する方法であって、
本発明に係るアレルゲン誘導体をコードするDNA分子を準備するステップと、
上記DNA分子を用いて宿主細胞を形質転換するステップと、
上記宿主細胞内で上記誘導体を発現させ、上記誘導体を単離するステップとを含む方法に関する。
本発明の好ましい一実施形態によれば、上記宿主細胞は、真核細胞、好ましくは酵母細胞もしくは植物細胞、または原核細胞、好ましくはエシェリキア・コリ(Escherichia coli)である。
好ましくは、上記宿主細胞は、高い発現能力を有する宿主細胞である。本明細書で用いられる場合、「高い発現能力を有する宿主細胞」は、関心をもっているタンパク質を、培養液に少なくとも1mg/l、好ましくは少なくとも5mg/l、より好ましくは少なくとも10mg/l、最も好ましくは少なくとも20mg/lの量で発現する宿主である。もちろん、発現能力は、選択する宿主および発現システム(例えば、ベクター)によっても左右される。本発明に係る好ましい宿主はE.coli、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、バチルス・スブティリス(Bacillus subtilis)、植物細胞(例えば、タバコ由来)などである。
もちろん、あらゆる他の好適な方法によっても本発明に係るアレルゲン誘導体を製造することができ、とりわけ、化学合成または半化学合成によっても製造することができる。
本発明は、以下の図面および実施例によってさらに説明されるが、それらに限定されるものではない。
図1Aは、本発明に係る低アレルゲン性Phl p1誘導体の構成を示している。
図1Bは、本発明に係るPhl p1モザイクタンパク質のアミノ酸配列を示している(配列番号1)。
図2Aは、>90%の純度に精製したPlmのクマシー染色SDS−PAGEを示している。
図2Bは、Plmの質量分光分析を示しており、レーザー脱離質量スペクトルは、TOF Compact MALDI II instrument(Kratos社、英国)(piCHEM社、オーストリア)を用いてリニアモードで得られた。
図2Cは、Plmの円偏光二色性(CD)分析を示している。遠紫外CDスペクトルを、Jasco J−810分光偏光計(Jasco社、イーストン、メリーランド州)において室温で回収した。このとき、最終的なタンパク質濃度は、Plmについては46μMであり、組み換えPhlについては12μMであり、経路長が0.001cmおよび0.05cmの石英キュベットをそれぞれ使用した。3回の独立の測定結果を記録し、各スペクトル点について平均化した。同じ条件により得られた対応するバッファースペクトルを差し引くことによって、最終的なスペクトルをベースライン修正した。結果は、所定の波長における平均残基楕円率[θ]として表されている。
図3は、メンブレンに結合しているアレルゲンrPhl p 1、PlmおよびHSAに対するIgE結合を示している。49人の花粉アレルギー患者からの血清および1人の非アトピードナーからの血清を(n=50)、メンブレン結合組み換えアレルゲンrPhl p 1、PlmおよびHSAとともにインキュベートした。125I標識した抗ヒトIgE抗体を用いて、結合したIgEを検出した。
図4は、5つのPhl p1アレルギー性個体のサンプルをrPhl p1およびPlmにさらしたときのCD203cの発現の比較を示している。
図5は、rPhl p1およびPlmにさらされたマウスにおけるIgG1応答の誘導を示している。
〔実施例:低アレルゲン性Phl p 1モザイク(Plm)タンパク質の特徴づけ〕
(実施例1:低アレルゲン性Phl p 1モザイク(Plm)タンパク質の構築)
組み換え低アレルゲン性Phl p 1モザイクを構築するために、4つのPhl p 1断片をコードするcDNAを増幅した。断片A(アミノ酸1−64)、B(アミノ酸65−125)、C(アミノ酸126−205)およびD(アミノ酸206−240)は図1Aに示されている。説明したcDNA断片は、「ジーン・ソーイング法(gene soeing)」(Horton et al., 1999)によってB−D−A−Cの順序でアセンブルされている。第1のPCR反応において、断片A(プライマーAF:5'ATC CCC AAG GTT CCC 3'およびAR:5'CAG CTC GCC GGC GCT CTT GAA GAT GGG 3')、B(プライマーBF:5'C TCC TCC CAT ATG TCC GGA CGC GGC 3'およびBR:5'GGT GAA GGG GCC CGT GCG CAG CTT CTG 3')、C(プライマーCF:5'AGC GCC GGC GAG CTG 3'およびCR:5'C GGG ATC CTA ATG ATG ATG ATG ATG ATG GGC GGC GAG CTT GTC GGG AGT GTC 3')およびD(プライマーDF:5'ACG GGC CCC TTC ACC 3'およびDR:5'GGG AAC CTT GGG GAT CTT GGA CTC GTA 3')のためのcDNAを取得した。その後の第1のソーイング(SOEing)反応では、断片BD(プライマーBFおよびDRを使用)および断片AC(プライマーAFおよびCRを使用)をコードするcDNAを取得するために、ゲル精製したPCR産物をテンプレートとして用いた。その後の第2のソーイング反応では、プライマーBFおよびCRを用いてBDACをコードするPCR産物を取得するために、ゲル精製した断片BDおよびACをテンプレートとして用いた(図1Aに概略的に示している)。
結果として得られたBDACをコードするcDNAコンストラクトを、プラスミドpET17b(ノバジェン社、マディソン、ウィスコンシン州)のNdeI/BamHI制限酵素部位に挿入した。Ni2+アフィニティクロマトグラフィによってモザイクタンパク質を精製できるように、BDACコンストラクトのC末端には、2つのグリシンの後に6ヒスチジンタグが続いている(図1B)。Phl p 1モザイク(Plm)をコードしているcDNAが正しい配列であることを、シーケンシングによって確認した。
結果として得られる分子は、全一次配列(Laffer et. al., 1994)およびT細胞エピトープ(Schenk et al., 1995)を保持している。
(実施例2:Plmの生化学的特徴づけ)
Plmの発現および精製
形質転換によりPlmコンストラクトをE.coli BL21(DE3)(ストラタジーン社、オーストラリア)内に導入し、100mg/lのアンピシリンを加えたLB培地中で発現させた。形質転換された細胞を37℃でOD600=0.9になるまで増殖させ、1mMのイソプロピル−β−チオガラクトピラノシド(IPTG)を添加することによって組み換えPlmの発現を誘導した。同じ条件下で4時間インキュベーションを継続し、その後、遠心分離によって細胞を回収した。変性条件を用いて、組み換えPlmを不溶性ペレット画分から精製した。8Mの尿素、100mMのNaHPO、10mMのTris、pH8.0中で60分間攪拌することによって、細胞を溶解した。14,000×gで30分間遠心分離した後、上清をNi−NTAカラムにロードした。組み換えPlmを、8Mの尿素、100mMのNaHPO、10mMのTris、pH4.5中に溶出させ、段階的透析によって再生した。100mMのNaHPO、10mMのTris、pH8.0で、6M、4M、3M、2M、1Mおよび0.5Mの尿素を含む段階的透析の各ステップにおいて、少なくとも4時間透析した。10mMのTris、100mMのNaCl、pH8.0でタンパク質の最終的な透析を実施し、Amicon centricon YM.−3濃縮器を用いてタンパク質を濃縮した。
タンパク質の純度をSDS−PAGEによって確認した。精製したサンプルのタンパク質濃度を280nmにおけるUV吸光度によって評価した。タンパク質のモル吸光係数をチロシンおよびトリプトファン含有量から計算した(Gill et al., 1989)。
Plmは組み換えPhl p 1に類似した泳動パターンを示している(図2A参照)。これは、タンパク質の推定アミノ酸配列に従って算出された分子量と一致する。
質量分析によってPlmの分子質量は27082ダルトンと決定され、これは、タンパク質の予測分子量と一致する(図2B参照)。
精製したPlmを円偏光二色性分析によって分析し、組み換えPhl p 1と比較して、その二次構造含量を決定した(図2C参照)。意外にも、Plmは、207nmおよび215nmに最小点、195nmに最大点を有する折りたたみ構造分子である。これは、かなりの量のβ−二次構造であることを示唆している。人工アレルゲンタンパク質であるPlmは、バキュロ・ウイルス感染昆虫細胞で発現している組み換えPhl p 1の折りたたみ型とは異なるCDスペクトルを呈している(Ball et al.)。相対的に、E.coli発現組み換えPhl p 1は非折りたたみ構造タンパク質のスペクトルを呈し、この事実は最近報告されている(Ball et al., 2005)。
(実施例3:PlmにおけるIgE結合能力の低減)
抗原過剰の条件下におけるドットブロット実験によって、PlmのIgE反応性を測定し、rPhl p 1と比較した(Niederberger et al., 1998)。3μgの精製組み換えタンパク質をニトロセルロースストリップ上に点状にのせ(ドットし)、49人のPhl p 1アレルギー性患者の血清とともにインキュベートした。結合したIgE抗体を、125I標識した抗ヒトIgE抗体を用いて検出し、γ−計測(Wallac社、フィンランド)によって定量した(Ball et al., 1999)。
非変性条件下で決定したPlmのIgE反応性は、rPhlp1のIgE結合能力と比較して著しく低減していた(図3)。Plmが結合したIgE抗体の定量化から、rPhl p 1と比較してPlmのIgE結合能力が平均して86.5%低減していることが示されている(表1)。
図3は、メンブレンに結合している組み換えアレルゲンrPhl p 1、PlmおよびHSAに対するIgE結合を示している。49人の花粉アレルギー患者からの血清および1人の非アトピードナーからの血清を(n=50)、メンブレン結合組み換えアレルゲンrPhl p 1、PlmおよびHSAとともにインキュベートした。125I標識した抗ヒトIgE抗体を用いて、結合したIgEを検出した。
表1.rPhl p 1およびPlmの血清IgE反応性。ドットしたタンパク質を、29人の花粉アレルギー患者の血清にさらした。結合したIgE抗体を、125I標識した抗ヒトIgE抗体を用いて検出し、γ−計測によって定量化した。
Figure 2009535041
(実施例4:Plmはアレルゲン活性が低減している)
CD203c発現によって測定された好塩基球の活性化
インフォームド・コンセントが得られた後、5人のアレルギードナーから末梢血を採取した。血液をヘパリン添加チューブに回収した。等分した血液(100μl)を、PlmおよびrPhl p 1の連続希釈(10−3から10μg/ml)、抗IgE抗体(1μg/ml)(イムノテック社、マルセイユ、フランス)またはバッファー(リン酸緩衝生理食塩水=PBS)とともに、15分間37℃でインキュベートした。インキュベーションの後、細胞を20mM EDTAを含むPBS中で洗浄した。次いで、CD203c mAb 97A6(イムノテック社、マルセイユ、フランス)を含む10μlのPEとともに、細胞を15分間室温(RT)でインキュベートした。その後、サンプルを、2mlのFACSTMライシング・ソリューション(ベクトン・ディッキンソン社、サンノゼ、カリフォルニア州)による赤血球溶解に供した。細胞を洗浄し、PBS中に再懸濁し、Paint−a−Gateソフトウェアを用いてFACScan(ベクトン・ディッキンソン社)で二色フローサイトメトリーにより解析した。CD203cのアレルゲン誘導亢進制御を、刺激細胞(MFIstim)および非刺激細胞(MFIcontrol)を用いて得られた平均蛍光強度(MFIs)から算出し、刺激指数(MFIstim:MFIcontrol)として表した。
5人のPhl p 1アレルギー患者の血中好塩基球におけるCD203cの発現を測定することによって、Plmのアレルゲン活性を解析した。図4に表されているように、タンパク質濃度を1μg/mlにしてrPhl p 1とともにインキュベートすると、CD203cの発現は著しく(p<0.05)亢進制御される。一方、Plmとの場合には、CD203cの発現は誘導されない。Plmの濃度が10μg/mlに上昇した場合のみ、CD203cの発現は亢進制御される。そのため、Plmと比較すると、Phl p 1は10倍のアレルゲン活性を呈する。
(実施例5:Plmを用いた免疫付与により誘導されたIgG抗体は、患者のIgEのrPhl p 1に対する結合を阻害する)
ウサギへの免疫付与
まず、CFAを用いて、200μgのPlmおよびrPhl p 1によりウサギを免疫した。また、その後のIFA(チャールズ・リバー・ブリーディング・ラボラトリー、キスレッグ、ドイツ)を用いた追加免疫注射のために、100μgの免疫原により免疫付与した(第1の追加免疫注射を4週間後に付与し、不完全アジュバントを含む第2の追加免疫注射を7週間後に付与した)。最初の免疫から8週間後、ウサギは出血させられた(bled)。
Plm誘導IgGによる、rPhl p 1に対するアレルギー患者のIgE結合の阻害
rPhl p 1へのアレルギー患者のIgE結合を阻害する、PlmおよびrPhl p 1により誘導したウサギIgGの阻害能力を、ELISA競合アッセイ(Focke et al., 2001)により試験した。ELISAプレート(ヌンク・マキシソープ社、デンマーク)を、1μg/mlのrPhl p 1でコートし、rPhl p 1およびPlm抗血清の1/100希釈液を用いて、また、コントロール目的のために対応する免疫前血清を用いて、プレインキュベートした。洗浄後、43人のPhl p 1感作花粉アレルギー患者からの血清1/10希釈とともに、プレートをインキュベートした。HRPに連結したヤギ抗ヒトIgE Abs(1/2500に希釈)(KPL、ゲイサーズバーグ、メリーランド州)を用いて、結合したIgE Absを検出した。抗Phl p 1および抗Plm抗血清を用いたプレインキュベーションにより実現したIgE結合の阻害の割合を、以下のように算出した。IgE結合の阻害の割合=100−OD/OD×100
。ODおよびODは、それぞれ、ウサギの免疫血清および対応する免疫前血清を用いてプレインキュベーションした後の吸光度を表している。
患者のIgEのrPhl p 1への結合を阻害する、Plmの能力を、割合の減少として表2に示している。抗Plm Absを用いた場合には、患者のIgEにおけるrPhl p 1への結合の最も強い阻害が、0から89%(減少の平均は52%)の範囲となり、一方、抗Phl p 1 Absを用いた阻害では、4から75%(平均は43%)の範囲となった。
表2.rPhl p 1およびPlmに対して高められたウサギ抗血清は、rPhl p 1に対する花粉アレルギー患者のIgEの結合を阻害する。ELISAプレートに結合したrPhl p 1およびPlmを、ウサギ抗rPhl p1および抗Plm抗血清とともにプレインキュベートした。43人の花粉アレルギー患者について得られたIgE結合の割合の減少を示している。
Figure 2009535041
(実施例6:Plmの免疫原性)
in vivoにおいて、Phl p 1モザイクタンパク質がアレルゲン特異的IgG応答を誘導するかを調べるために、6週齢の雌のBALB/cマウス(チャールズ・リバー・ブリーディング・ラボラトリー)を皮下免疫した。5匹のマウスからなる複数のグループについて、5μgのPlm、rPhl p 1、およびコントロール目的のためにAl(OH)に吸着したPBSのみ(Alu−Gel−S、セルバ、ドイツ)を用いて免疫した(Vrtala et al., 1998)。マウスを3回免疫し(1日目、28日目、56日目)、4週間おきに尾の静脈から採血し、分析まで血清を−20℃で保存した。
rPhl p 1に対するIgG1応答をELISAにより測定した(Vrtala et al., 1998)。ELISAプレート(ヌンク・マキシソープ社、デンマーク)を5μgのPlmでコートし、1:1000希釈したマウス血清とともにインキュベートした。結合したIgG1抗体を、1:1000希釈したモノクローナルラット抗マウスIgG1(ファルミンゲン社、カリフォルニア州)および1:200希釈したHRP標識ヒツジ抗ラット抗血清(アマシャム、英国)を用いて検出した。
図5に図示するように、rPhl p 1に対するPlm誘導IgG1応答は、rPhl p 1を用いた免疫化による誘導の場合と、ほぼ同程度である。
図5.Plmの免疫原性。PBS、rPhl p1またはPlmまたは(x軸)により免疫した5匹のマウスの平均IgG応答を、免疫後4、8週間または12週間におけるOD値と(y軸)して図示している。
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本発明に係る低アレルゲン性Phl p1誘導体の構成を示す図である。 本発明に係るPhl p1モザイクタンパク質のアミノ酸配列(配列番号1)を示す図である。 >90%の純度に精製したPlmのクマシー染色SDS−PAGEを示す図である。 Plmの質量分光分析を示す図であり、レーザー脱離質量スペクトルは、TOF Compact MALDI II instrument(Kratos社、英国)(piCHEM社、オーストリア)を用いてリニアモードで得られている。 Plmの円偏光二色性(CD)分析を示す図である。遠紫外CDスペクトルを、Jasco J−810分光偏光計(Jasco社、イーストン、メリーランド州)において室温で回収した。このとき、最終的なタンパク質濃度は、Plmについては46μMであり、組み換えPhlについては12μMであり、経路長が0.001cmおよび0.05cmの石英キュベットをそれぞれ使用した。3回の独立の測定結果を記録し、各スペクトル点について平均化した。同じ条件により得られた対応するバッファースペクトルを差し引くことによって、最終的なスペクトルをベースライン修正した。結果は、所定の波長における平均残基楕円率[θ]として表されている。 メンブレンに結合しているアレルゲンrPhl p 1、PlmおよびHSAに対するIgE結合を示す図である。49人の花粉アレルギー患者からの血清および1人の非アトピードナーからの血清を(n=50)、メンブレン結合組み換えアレルゲンrPhl p 1、PlmおよびHSAとともにインキュベートした。125I標識した抗ヒトIgE抗体を用いて、結合したIgEを検出した。 5つのPhl p1アレルギー性個体のサンプルをrPhl p1およびPlmにさらしたときのCD203cの発現の比較を示す図である。 rPhl p1およびPlmにさらされたマウスにおけるIgG1応答の誘導を示す図である。

Claims (31)

  1. 野生型アレルゲンと比べてアレルゲン活性が低減した、野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1の誘導体を製造する方法であって、
    野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1を準備するステップと、
    上記野生型タンパク質アレルゲンを少なくとも3つの断片に断片化するステップであって、該少なくとも3つの断片のうちの少なくとも1つの断片は少なくとも1つのT細胞エピトープを含み、該少なくとも3つの断片は、アレルゲン活性が低減しているかまたはアレルゲン活性を失っている断片に断片化するステップと、
    上記少なくとも3つの断片を、上記野生型アレルゲンの断片の順序とは異なる順序で再結合させるステップとを含むことを特徴とする方法。
  2. アレルゲン活性の低減を、野生型アレルゲンと比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、特には少なくとも50%のIgE結合能力の低減によって判定することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. アレルゲン活性の低減を、好ましくは、上記誘導体のドットブロットに対する、アレルゲンに過敏な患者の血清におけるIgE抗体の結合の欠如によって、または好塩基球放出分析によって判定することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記野生型タンパク質アレルゲンを少なくとも3つの断片に断片化する前に、上記アレルゲンのT細胞エピトープを決定することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
  5. 上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の25から39番目までのアミノ酸残基、34から45番目までのアミノ酸残基、73から84番目までのアミノ酸残基、91から102番目までのアミノ酸残基、100から111番目までのアミノ酸残基、109から133番目までのアミノ酸残基、121から135番目までのアミノ酸残基、127から138番目までのアミノ酸残基、157から168番目までのアミノ酸残基、169から183番目までのアミノ酸残基、または226から240番目までのアミノ酸残基を含んで構成されることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  6. 上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の1から64番目までのアミノ酸残基(A)、65から125番目までのアミノ酸残基(B)、126から205番目までのアミノ酸残基(C)および206から240番目までのアミノ酸残基(D)から成る群より選択されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の方法。
  7. 上記アレルゲン誘導体における上記断片の順序は、B−D−A−Cであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
  8. 上記誘導体を、製薬基準を満たした賦形剤と組み合わせて医薬製剤に仕上げることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  9. 上記誘導体を、好適なワクチンアジュバントと組み合わせて製薬基準を満たしたワクチン製剤に仕上げることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  10. 上記誘導体を少なくとも1つのさらなるアレルゲンと組み合わせて複合ワクチンにすることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 上記さらなるアレルゲンは、野生型アレルゲン、特に野生型アレルゲンの混合物、組み換え野生型アレルゲン、野生型タンパク質アレルゲンの誘導体またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. 上記製剤は、アレルゲン抽出物をさらに含むことを特徴とする請求項9から11の何れか1項に記載の方法。
  13. 上記さらなるアレルゲンは、主要なカバノキの花粉アレルゲン、特にBet v 1およびBet v 4、主要なオオアワガエリの花粉アレルゲン、特にPhl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7、主要なイエダニアレルゲン、特にDer p 1およびDer p 2、主要なネコアレルゲンFel d 1、主要なハナバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン、特にPhl p 12、および貯蔵庫ダニ(storage mite)アレルゲン、特にLep d 2、から成る群より選択されることを特徴とする請求項10から12の何れか1項に記載の方法。
  14. 請求項1から7の何れか1項に記載の方法によって得られるアレルゲン誘導体。
  15. 野生型タンパク質アレルゲンPhl p 1のアレルゲン誘導体であって、
    上記野生型タンパク質アレルゲンの少なくとも3つの断片をふくみ、該3つの断片は上記野生型アレルゲンにおける順序とは異なる順序で互いに連結しており、
    上記少なくとも3つの野生型アレルゲン断片はアレルゲン活性が低減しているか、またはアレルゲン活性を欠いており、上記少なくとも3つの断片のうちの少なくとも1つは1つ以上のT細胞エピトープを含んで構成されていることを特徴とするアレルゲン誘導体。
  16. 上記少なくとも3つのアレルゲン断片は、少なくとも6アミノ酸残基、好ましくは少なくとも10アミノ酸残基、特に少なくとも15アミノ酸残基を含んで構成されていることを特徴とする請求項15に記載のアレルゲン誘導体。
  17. 上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の25から39番目までのアミノ酸残基、34から45番目までのアミノ酸残基、1から64番目までのアミノ酸残基、73から84番目までのアミノ酸残基、91から102番目までのアミノ酸残基、100から111番目までのアミノ酸残基、109から133番目までのアミノ酸残基、121から135番目までのアミノ酸残基、65から125番目までのアミノ酸残基、126から205番目までのアミノ酸残基、127から138番目までのアミノ酸残基、157から168番目までのアミノ酸残基、169から183番目までのアミノ酸残基、206から240番目までのアミノ酸残基、または226から240番目までのアミノ酸残基を含んで構成されていることを特徴とする請求項15または16に記載のアレルゲン誘導体。
  18. 上記少なくとも3つの断片は、Phl p 1の1から64番目までのアミノ酸残基(A)、65から125番目までのアミノ酸残基(B)、126から205番目までのアミノ酸残基(C)および206から240番目までのアミノ酸残基(D)から成る群より選択されることを特徴とする請求項15から17の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体。
  19. 上記アレルゲン誘導体における上記断片の順序は、B−D−A−Cであることを特徴とする請求項18に記載のアレルゲン誘導体。
  20. 請求項14から19の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体と、さらなるアレルゲン、好ましくは野生型アレルゲン、特には野生型アレルゲン、組み換え野生型アレルゲン、野生型タンパク質アレルゲンの誘導体またはこれらの混合物の混合物とを含んで構成されることを特徴とするアレルゲン組成物。
  21. アレルゲン抽出物をさらに含むことを特徴とする請求項20に記載のアレルゲン組成物。
  22. 製薬基準を満たした賦形剤を含むことを特徴とする請求項20または21に記載のアレルゲン組成物。
  23. 主要なカバノキの花粉アレルゲン、特にBet v 1およびBet v 4、主要なオオアワガエリの花粉アレルゲン、特にPhl p 1、Phl p 2、Phl p 5、Phl p 6およびPhl p 7、主要なイエダニアレルゲン、特にDer p 1およびDer p 2、主要なネコアレルゲンFel d 1、主要なハナバチアレルゲン、主要なスズメバチアレルゲン、プロフィリン、特にPhl p 12および貯蔵庫ダニアレルゲン、特にLep d 2、から成る群より選択される1つ以上のアレルゲンをさらに含んで構成されることを特徴とする請求項20から22の何れか1項に記載のアレルゲン組成物。
  24. アレルゲン特異的免疫療法薬剤の調剤のための、請求項14から23の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体またはアレルゲン組成物の使用。
  25. 能動免疫付与用薬剤の調剤のための、請求項14から23の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体またはアレルゲン組成物の使用。
  26. 予防免疫接種用薬剤の調剤のための、請求項14から23の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体またはアレルゲン組成物の使用。
  27. 上記薬剤は、アジュバント、希釈剤、防腐剤またはこれらの混合物をさらに含むことを特徴とする請求項24から26の何れか1項に記載の使用。
  28. 10ngから1g、好ましくは100ngから10mg、特には0.5μgから200μgの上記組み換えアレルゲン誘導体を含むことを特徴とする請求項24から27の何れか1項に記載の使用。
  29. 請求項15から18の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体を製造する方法であって、
    請求項15から18の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体をコードするDNA分子を準備するステップと、
    上記DNA分子を用いて宿主細胞を形質転換するステップと、
    上記宿主細胞内で上記誘導体を発現させ、上記誘導体を単離するステップとを含むことを特徴とする方法。
  30. 上記宿主細胞は、真核細胞、好ましくは酵母細胞もしくは植物細胞、または原核細胞、好ましくはエシェリキア・コリであることを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 請求項15から18の何れか1項に記載のアレルゲン誘導体を製造する方法であって、
    上記アレルゲン誘導体は化学合成によって製造されることを特徴とする方法。
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