JP4756276B2 - エタノールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー資源として利用可能なリグノセルロース系バイオマスからのエタノール変換方法に関するものである。
リグノセルロース系のバイオマスからエタノールを製造する方法として、硫酸などの酸を使ってバイオマスを処理することでリグニンの分離とセルロースの加水分解を行い、加水分解液の中和後、あるいは酸の分離除去後に、酵母等によりエタノール発酵する方法が実用化されてきている。この方法は硫酸等の強酸の回収や耐酸性の容器を導入する必要があるほか、過分解による発酵阻害物が生成するなど簡便ではない。また、蒸煮爆砕処理により木材成分を分離し、セルロースとヘミセルロースを酵素により糖化し、同時に酵母等によりエタノール発酵させる方法も提案されてきているが、広葉樹材しか適用できず、針葉樹材では処理条件を厳しくしても酵素糖化が困難であるなど問題点があり、リグノセルロース系バイオマスを原料としたエタノール製造法は確立された技術になっていない。
リグノセルロース系のバイオマスからエタノールを製造する技術として特許文献1(特開2006-20603号公報)でキノコ廃菌床をアルカリ処理し、セルラーゼにより糖化し、微生物によりエタノール発酵を行う製造法が提供されている。この発明では、リグノセルロース系バイオマスとしてキノコ廃菌床を限定しているとともに、糖化酵素については最適な酵素生産について言及していない。したがって、資源量的に豊富にあるリグノセルロース系バイオマスには十分適用できない。また、アルカリ処理の温度範囲も低く、一般的なリグノセルロース系バイオマスの前処理には有効でない。
特開2006-20603号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来のリグノセルロース系バイオマスを原料としたエタノール製造法に比べて製造工程を簡略化することができ、環境に対する負荷の少ない、効率的なエタノールの製造法を提供することである。
本発明者らは、上記課題の解決を目指して、環境負荷が少なく、大量なバイオマス資源を処理できる信頼性の高い技術を精査した結果、紙パルプ産業で利用されているアルカリ蒸解法が最も安定した製造システムであることを確認し、このアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスに適したエタノール製造法を研究した結果、アルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを糖化酵素生産の原料に利用することで生産効率が向上することを見出し、さらに、糖化酵素産生菌培養液を無処理で使用することにより、製造工程の簡略化および生産効率の向上に有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)リグノセルロース系バイオマスをアルカリ蒸解法で脱リグニンし、アルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを炭素源として糖化酵素産生菌を培養し、リグノセルロース系バイオマスの糖化に適した酵素を生産させ、得られた糖化酵素を含有する培養液とエタノール発酵菌をアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスに添加して発酵させることを特徴とするエタノールの製造方法。
(2)リグノセルロース系バイオマスが、木本植物、草本植物、それらの加工物およびそれらの廃棄物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のエタノールの製造方法。
(3)アルカリ蒸解法がソーダ法またはクラフト法であることを特徴とする(1)項に記載のエタノールの製造方法。
(4)糖化酵素産生菌が、トリコデルマ属、アスペルギルス属、フミコラ属、イルペックス属またはアクレモニウム属に属する微生物であることを特徴とする(1)項に記載のエタノールの製造方法。
(5)エタノール発酵菌が、サッカロマイセス属、ザイモモナス属またはピキア属に属する微生物であることを特徴とする(1)項に記載のエタノールの製造方法。
エネルギー資源として豊富なリグノセルロース系バイオマスを利用して、簡便かつ環境に対する負荷の少ない製造工程により、ガソリン代替燃料として期待されるエタノールが得られる。
本発明では、リグノセルロース系バイオマスの糖化に適した糖化酵素を得るために、まずリグノセルロース系バイオマスをアルカリ蒸解したものを炭素源として糖化酵素産生菌を培養する。
本発明において用いるリグノセルロース系バイオマスとしては、木本植物、草本植物、それらの加工物およびそれらの廃棄物からなる群より選ばれる少なくとも1種であればその種類は問わない。但し、アルカリ蒸解を効率的に行うためには細かく粉砕した方が好ましい。
本発明における木本植物とは、スギ、ヒノキ、カラマツ、マツ、米マツ、米スギ、米ツガ、ポプラ、シラカバ、ヤナギ、ユーカリ、クヌギ、コナラ、カシ、シイ、ブナ、アカシア、タケ、ササ、アブラヤシ、サゴヤシなどを例示することができる。また、樹皮、枝条、果房、果実殻なども使用することができる。また、これらを使った合板、繊維板、集成材のような加工材も使用することができる。また、建築物に使用後、解体された部材も使用することができる。また、紙などリグノセルロース系バイオマスの加工物や古紙も使用することができる。
本発明における草本植物とは、イネ、ムギ、サトウキビ、ヨシ、ススキ、トウモロコシなどを挙げることができる。
アルカリ蒸解法としては、ソーダ法またはクラフト法を挙げることができる。
ソーダ法とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ薬品を使用し、リグノセルロース系バイオマスからリグニンを除去する方法であり、添加剤として、キノン系蒸解助剤、酸素、過酸化水素、ポリサルファイドの使用が可能である。
クラフト法とは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ薬品と硫化ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどのイオウを含む薬品を共用し、リグノセルロース系バイオマスからリグニンを除去する方法であり、添加剤として、キノン系蒸解助剤、酸素、過酸化水素、ポリサルファイドの使用が可能である。
アルカリ蒸解に用いる薬剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムが使用でき、添加剤として硫化ナトリウム、キノン系蒸解助剤、酸素、過酸化水素、ポリサルファイドを使用することができる。また、アルカリ薬剤の添加量は、蒸解に使用するリグノセルロース系バイオマス乾燥重量の5〜40%とする。また、キノン系蒸解助剤、酸素、過酸化水素、ポリサルファイドなどの添加剤は、含有するリグニンの性質、量に応じて使用できるが、アルカリ薬剤のみで蒸解できる場合には、使用しなくてもよい。添加する場合には、蒸解に使用するリグノセルロース系バイオマス重量の10%以下が好ましい。アルカリ蒸解に使用するリグノセルロース系バイオマスは、蒸解を進行しやすくするために、あらかじめ粉砕するか、チップ状に切削・破砕してもよい。アルカリ蒸解時のリグノセルロース系バイオマスの重量濃度は5〜50%、反応温度は100〜200℃、望ましくは140℃以上、加熱時間は60〜500分で、チップの形状・寸法及び含有するリグニンの性質、量に応じて変更することができる。
加熱反応後はアルカリを除去し、水洗し、脱水を行う。洗浄は、後の糖化・発酵工程を阻害しないpHになるまで行い、好ましくはpH9以下まで行う。回収したアルカリ廃液中には、リグニンが混入しているのでリカバリーボイラで燃焼させ、熱を回収するとともにソーダ灰を回収して再利用する。ここで得られる熱は製造工程の中で利用する事ができるので低コスト化を図ることができる。また、この水洗・脱水処理を無菌的に行うことで、発酵前の滅菌工程を省略することができる。
一連の処理を行ったリグノセルロース系バイオマスは、糖化酵素の生産と以下に述べるエタノール生産の原料として使用するために水を除去し、水分20〜90%、望ましくは40〜80%とし、乾燥させないように管理する。
本発明において用いる糖化酵素産生菌は、好気性のトリコデルマ属、アスペルギルス属、フミコラ属、イルペックス属、アクレモニウム属、などを例示することができる。培養に用いる液体培地は、0.5〜10wt%のアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを唯一の炭素源とし、他に、酵母エキス、ペプトンなどの窒素源、塩類などからなる糖化酵素産生菌の培養に適したものを用いることができる。また、培養温度も糖化酵素産生菌の性質に応じて変更することができる。培養期間は、培養液中のセルラーゼ活性を指標として酵素活性が飽和状態に達するまで行う。
培養で得られた糖化酵素産生菌培養液は、未処理のままアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスの糖化用酵素として用いることができるので、アルコールの工業生産上コストを低減できるので有利である。
こうして得られた糖化酵素産生菌培養液とアルコール発酵菌を、アルカリ蒸解されたリグノセルロース系バイオマスに添加して糖化・発酵を行い、エタノールを製造する。
本発明において用いるエタノール発酵菌は、具体的にはサッカロマイセス属、ザイモモナス属、ピキア属などを例示することができる。また、遺伝子組み換えされたものもエタノール発酵が可能で有れば使用できる。これらのエタノール発酵菌は、エタノール発酵前に液体培地で前培養し、菌体量を増加させておく方が望ましい。
糖化反応に使用する糖化酵素産生菌培養液量は、原料基質となるアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスのセルロース分1gに対して5〜50unitのセルラーゼ活性を含むように調整する。
エタノール発酵菌の投入量は多いほど発酵効率がよく、好ましくは、糖化反応により生成する糖を同時に完全にエタノールへ変換できる菌体量を確保する。
糖化反応とエタノール発酵は、同時に行う同時糖化発酵の方が効率が高いが、糖化反応を先に実施し、その糖化液を発酵させる方式でもよい。
同時糖化発酵に於いては、同一の反応器で糖化反応と発酵を行う方式でも糖化反応と発酵を別々の反応器で行う方式でも良い。
同一の反応器で糖化反応と発酵を行う場合には、反応液のpHと温度は、糖化反応と発酵、どちらも作用できる条件で行う。条件としては、エタノール発酵菌の発酵条件を優先し、pHは、4〜7、温度は、20〜40℃が好ましい。また、同時糖化発酵を嫌気的条件で行うことで、好気性菌である糖化酵素産生菌の増殖を抑制することができ、糖化酵素産生菌の増殖に伴う糖の消費を抑制することができる。また、同時糖化発酵は撹拌した方が糖化反応が進行し易いため、エタノール生産性が良くなる。また、生成したエタノールを分離回収しながら同時糖化発酵を行うこともできる。この方式は、一つの反応器で全ての糖化反応とエタノール発酵を行えるので製造工程の簡便化が図れる。
糖化反応と発酵を別々の反応器で同時に行う方式では、糖化反応は、糖化反応に適した温度で実施する。好ましくは、40〜60℃で実施する。反応液のpHは、発酵条件と同一とし、4〜6が好ましい。糖化反応液を連続的に取り出し、発酵槽へ供給する。発酵槽のエタノール発酵菌は、固定化してもしなくても良いが、固定化した方が好ましい。発酵条件は、pHは、4〜7、温度は、20〜40℃が好ましい。エタノール発酵液は再び糖化反応槽へ戻し、糖化反応と発酵を同時に行う。その際、生成したエタノールを分離回収することもできる。
糖化反応を先に実施し、その糖化液を発酵させる方式の場合には、糖化反応は、糖化反応に適した温度で実施する。好ましくは、40〜60℃で実施する。反応液のpHも、糖化反応に適した条件で実施し、4〜7が好ましい。糖化反応が終了したら、糖化反応液を取り出し、発酵槽へ供給する。発酵槽のエタノール発酵菌は、固定化してもしなくても良いが、固定化した方が好ましい。発酵条件は、エタノール発酵に適した条件で実施する。pHは、4〜8、温度は、20〜40℃が好ましい。エタノール発酵中に生産したエタノールを分離回収することもできる。
糖化反応の基質となる、リグノセルロース系バイオマスは、前記したとおりのものであり、アルカリ蒸解も前述と同様に行えばよい。
糖化反応の経過に伴って反応器内のアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスは分解され、減少するため、必要に応じてアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを反応器内に無菌的に投入し反応を継続させる方が望ましい。
また、反応器内にエタノールが蓄積し、エタノール濃度が上昇すると発酵が抑制されるので、発酵液からエタノールを分離回収しながら発酵させても良い。その場合、浸透気化膜を使っても良く、エバポレーション装置を使っても良い。その際、酵素や発酵微生物が失活しない50℃以下で運転しなければならない。ただし、エタノールを回収後の発酵液を反応器に戻さない場合には、この限りではなく、エタノール回収に適した温度で実施できる。また、エタノール回収後の液中には酵素や発酵微生物が残存しているので反応器へ無菌的に戻し、再利用する方が望ましい。
酵素や発酵微生物は長期運転により活性が低下するので必要に応じて無菌的に追加しても良い。
また、反応器内には不溶性の残さが蓄積し、撹拌効率を抑制するので遠心分離機などを使って除去しても良い。残さ中にセルロースが大量に残っている場合には、原料であるリグノセルロース系バイオマスと混合し、再度アルカリ蒸解を行っても良く、糖化酵素産生菌培養液を追加し、分解してもよい。
回収したエタノールは、蒸留装置で蒸留することができる。
実施例
以下、実施例に従って本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
風乾したスギチップ1kgに、水酸化ナトリウム200gを含む水溶液4kgを加え、20℃から90分間かけて170℃まで加温し、さらに170℃を240分間保った(全アルカリ蒸解時間330分)。水溶液を除いた後、アルカリ蒸解したスギを十分に水洗し、水分70%になるまで圧縮脱水した。この圧縮脱水したアルカリ蒸解したスギ18g(水分70%)、ペプトン1.8g、酵母エキス1.2g、硫安0.6g、リン酸水素二ナトリウム1.2g、塩化カルシウム0.24g、硫酸マグネシウム0.3g、Tween80 0.6g、蒸留水600mLを混合し、オートクレーブ滅菌後、Trichoderma reesei (NBRC31329)を植菌し、28℃、10日間培養し、糖化酵素を含む培養液とした。また、Saccharomyces cerevisiae(NBRC 2347)は、YM Broth 100mLで28℃、3日間培養し、エタノール発酵微生物培養液を調整した。1Lガラス反応器に含水率70%まで圧縮脱水した前記アルカリ蒸解したスギ20gを入れ、前記Trichoderma培養液75mL、前記Saccharomyces培養液40mLを加え、33℃で嫌気的に同時糖化発酵を行った。24時間おきに含水率70%まで圧縮脱水した前記アルカリ蒸解したスギ10gを19回追加添加し、初期投入と合わせて水分70%まで圧縮脱水した前記アルカリ蒸解したスギ210g (セルロース含量43g)を使用した。さらに、7日おきに前記Trichoderma培養液60mLを2回追加添加した。21日後のエタノール生産量は18g(無水換算)となり、エタノール変換率は、84%であった。
このように、アルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを原料として糖化酵素を生産し、無処理のまま同時糖化発酵を行うことで製造工程が簡便化し、低コスト化を図ることができた。
比較例
アルカリ蒸解したスギを炭素源として糖化酵素を生産させた培養液と結晶性セルロース(アビセル)を炭素源として糖化酵素を生産させた培養液について、それぞれの炭素源を基質とした場合の培養液中の糖化酵素による分解性を比較した。
それぞれの炭素源中のセルロース量を0.4gとなるように、ペプトン、塩類を調整した培養液に加え、トリコデルマ(ATCC 31329)を30℃で10日間、通気撹拌培養を行い、糖化酵素を生産させた培養液を得た。
この培養液30mLを、セルロース量を0.5gとなるように調整したアルカリ蒸解したスギおよび結晶性セルロース(アビセル[商品名、旭化成ケミカルズ社製])を基質とした酵素活性測定用基質液10mLに加えて、45℃で28時間分解させた。分解後の遊離糖量を比較した。
Figure 0004756276
この結果、アルカリ蒸解したスギを炭素源にした培養液は、アルカリ蒸解したスギをアビセルよりも3倍良く分解した。しかし、結晶性セルロース(アビセル)を炭素源にした培養液は、アルカリ蒸解したスギよりもアビセルの方を2倍良く分解した。
このことから、アルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを基質とする場合には、酵素生産に使用する炭素源は、通常糖化酵素生産に用いられる結晶性セルロースではなく、アルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを用いることが重要であることが分かった。
本発明のエタノールの製造法により、エネルギー資源として豊富なリグノセルロース系バイオマスを利用して、環境に対して負荷の少ない製造工程とすることが可能となり、安価にガソリン代替燃料として期待されるエタノールが得られるので、本発明は有用である。

Claims (5)

  1. リグノセルロース系バイオマスをアルカリ蒸解法で脱リグニンし、アルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスを炭素源として糖化酵素産生菌を培養し、リグノセルロース系バイオマスの糖化に適した酵素を生産させ、得られた糖化酵素を含有する培養液とエタノール発酵菌をアルカリ蒸解したリグノセルロース系バイオマスに添加して発酵させることを特徴とするエタノールの製造方法。
  2. リグノセルロース系バイオマスが、木本植物、草本植物、それらの加工物およびそれらの廃棄物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載のエタノールの製造方法。
  3. アルカリ蒸解法がソーダ法またはクラフト法であることを特徴とする請求項1に記載のエタノールの製造方法。
  4. 糖化酵素産生菌が、トリコデルマ属、アスペルギルス属、フミコラ属、イルペックス属またはアクレモニウム属に属する微生物であることを特徴とする請求項1に記載のエタノールの製造方法。
  5. エタノール発酵菌が、サッカロマイセス属、ザイモモナス属またはピキア属に属する微生物であることを特徴とする請求項1に記載のエタノールの製造方法。
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