JP5050236B2 - アルコールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、多糖類含有固体原料からアルコール、特にエタノールを製造する方法に関する。
地球温暖化対策のため、有機系バイオマスから燃料や化学物質を生産する技術が必要とされている。このような技術の1つとして、バイオエタノールの生産がある。バイオエタノールは、主にサトウキビ搾汁液中のグルコース、またはトウモロコシや小麦等のデンプンを原料に生産が行われているが、原料が食糧や飼料と競合するために、食糧の価格の上昇を招くなどの弊害も起きており、従って、非食糧バイオマスであるセルロース系資源を利用したバイオエタノール生産技術の開発が進められている。
セルロース系バイオマスからのエタノールを生産には、主に液体中で分解及び発酵を行う方法が採られている(特許文献1)。しかしながら、液体中で分解及び発酵を行うと、原料を粉砕等によって物理的に処理が必要である点、粉砕したバイオマスを糖に分解する際に酸や熱で処理をすると酵母等に対する発酵阻害物質が生産される点、発酵液蒸留残渣の粘性が高く、廃液処理は困難で経費がかかる点、バイオマスの貯蔵と発酵中、発酵残渣について、腐敗菌の増殖を防ぐ方法が必要である点などの問題がある。これに対し、一部ではセルロース系バイオマスの固体原料からアルコールを製造する試みがなされているものの、上記の問題点をすべて改善すべく試行錯誤が続けられているのが現状である。
特開2002−159954号公報
本発明は、多糖類含有固体原料を出発材料とし、腐敗菌を抑制しつつアルコールを製造する方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、多糖類含有固体原料を、外部の空気から遮断した条件下で糖化、乳酸発酵、アルコール発酵を同時に行うことによって、腐敗菌を抑制しつつ安定してアルコールを製造できることを見出し、本願発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(i) 多糖類含有固体原料に、多糖類分解酵素、乳酸菌、およびアルコール発酵菌を添加する工程、
(ii) 工程(i)の後の多糖類含有固体原料を外部の空気から遮断する工程、
(iii) 外部の空気から遮断した条件下、多糖類含有固体原料の糖化、乳酸発酵およびアルコール発酵を同時に行う工程、
を含む、アルコールの製造方法を提供する。
また、本発明は、多糖類含有固体原料を、外部の空気から遮断した条件下、多糖類分解酵素、乳酸菌、およびアルコール発酵菌の存在下でアルコール発酵させることを特徴とする、アルコールの製造方法を提供する。
本発明により、セルロース系バイオマス等の多糖類含有固体原料を固体状態のままで用いて簡易にアルコール製造できるので、労力、経費および時間を大幅に削減することができる。
本発明の工程(i)では、多糖類含有固体原料に、多糖類分解酵素、乳酸菌、およびアルコール発酵菌を添加する。本発明において、「多糖類」とは、多数の単糖分子がグリコシド結合によって脱水縮合した化合物を意味し、例えばデンプン、グリコーゲン、セルロース、アミロース、アミロペクチン、キチン、ペクチンキシログルカンなどが挙げられるが、これらに限定されない。「多糖類含有固体原料」とは特に限定はされず、有機エネルギーとして糖を有する生物由来の原料であれば本発明に使用することができる。これらは一般にバイオマスと呼ばれるものであり、本発明においてはセルロース系バイオマスなど植物体そのものを、酸などの化学的処理や粉砕や高圧などの物理的処理等の複雑な前処理することなく固体のまま使用することができる。セルロース系バイオマスとしては、イネワラ、ムギワラ、トウモロコシの茎や葉といった穀類収穫後の残さ(未利用系バイオマス)や、ジュース搾汁残さ、オカラ、ビール粕等の食品加工残さや食品廃棄物(廃棄物系バイオマス)、および牧草、イネ、トウモロコシ、ソルガム、エンバク等の飼料作物が挙げられ、このうち、飼料作物およびイネワラ、ムギワラ、トウモロコシの茎や葉など、セルロースやデンプン比率が高い材料が好ましい。また、これらのバイオマスの混合物を使用してもよい。
本発明の方法おいては、前記の固体の状態の原料、例えば水分40〜90質量%、好ましくは50〜80質量%の原料を固体発酵させることによりアルコールを製造する。なお、原料の分解を効率的に行うために必要により原料の粉砕を行ってもよい。このように、固体原料を使用することにより、液体発酵を行う場合と比較して前処理に関わるエネルギーを削減することができ、また後の工程の糖化の際にも加熱や加圧を行う必要がないため、発酵阻害物質が発生せず、効率的な発酵を行うことができる。また、固体発酵であるため廃液はほとんど出ず、さらに、アルコールを蒸留した後の残渣も固体であるため、飼料、肥料、燃料等に有効活用することが可能となり、運搬も容易であるという効果をもたらす。さらには、製造されるアルコールは固体表面に膜状に存在するため、蒸留を多段階蒸留の原理で効率的に行うことができる。
本発明において、「多糖類分解酵素」とは、多糖類を、オリゴ糖又は単糖類などアルコール発酵に利用できる糖に分解する能力を有する酵素を意味する。本発明に使用される多糖類分解酵素は、多糖類含有固体原料の種類に応じて、前記原料を分解するために必要なものを当業者が適宜決定することが可能であり、例えばアミラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼなどが挙げられるが、これらに限定されない。上記のうち、アミラーゼおよびセルラーゼが特に好ましい。また、当業者は上記の多糖類分解酵素の混合物を作製して使用することにより、多糖類分解の効率を最適化することができる。
多糖類分解酵素は、任意の様式により多糖類含有固体原料に添加することができる。例えば、水溶液として加えてもよいし、粉剤を混合してもよい。また、市販されている製剤、例えばサイレージ作製用に用いられるセルラーゼ製剤(雪印種苗社製スノーラクトLアクレモスプレー、スノーラクトLアクレモパウダー)を使用することもできる。また、前記多糖類分解酵素を生産する微生物の培養物(固体および液体)を加えることによっても、実質的に多糖類分解酵素を添加することができる。
添加する多糖類分解酵素の量は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば33 g/t(原物重量当たり)、好ましくは、330 g/t以上加えることができる。
前記の工程(i)では、上記の多糖類分解酵素に加えて、原料に含まれる多糖以外の他の成分を分解するために必要な酵素を別途添加することができる。例えば、植物の表皮の外側を覆うクチクラの主成分である、不飽和脂肪酸の混合物クチンを分解するために、その分解酵素であるクチナーゼや、セルロースと結合をしているリグニンを分解するリグニン分解酵素を加えてもよい。このように植物の表層部やセルロースを骨格にした構造体を分解することによって、多糖類分解酵素が原料内部の多糖類の効率的な分解を促進することができる。クチナーゼやリグニン分解酵素を添加する場合、例えば3 g/t(原物重量当たり)〜330 g/t、好ましくは3 g/t〜33 g/tの量を使用することができる。
本発明において、「乳酸菌」とは、当業者に知られる通り、発酵によって乳酸を産生する細菌全般を表し、特に限定されるものではないが、例えばLactobacillus属、Lactococcus属、Pediococcus属、Enterococcus属の細菌が挙げられる。上記のうち、ホモ発酵性の細菌、例えばLactobacillus plantarumが好ましい。乳酸菌は液体培養物や固体化された製剤などによって任意の様式で添加することが可能であり、複数の種類の菌の混合物を添加してもよい。また、添加する量は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば105/g(原物重量)〜107/g、好ましくは106/gが添加される。これらの量を添加することにより、乳酸発酵を十分におこなって乳酸を生成して原料のpHを低下させ、その結果原料の腐敗を抑制することができる。
本発明において、「アルコール発酵菌」は当業者に一般に理解される意味、即ち、糖をアルコールの生成を伴って分解を行う能力を有する微生物を意味する。また、本発明における「アルコール」は、任意のアルコール発酵菌が糖を分解することにより生成でるものであればいずれのものでもよく、例えばエタノール、ブタノール、ブタンジオールなどが挙げられ、上記のうちエタノールが好ましい。本発明のアルコール発酵菌は特に限定はされず、様々な酵母、細菌などが使用できるが、酵母、特にSaccharomyces cerevisiae やKluyveromyces marxiansが好ましい。また、ブタノールを生成する菌としてはEnterobacter aerogenes、Clostridium butyricum、C. saccahroperbutylacetonicumを使用することができる。アルコール発酵菌は任意の様式で添加することが可能であり、複数の種類の菌の混合物を加えてもよい。また、また、添加する量は当業者が適宜決定することが可能であり、例えば104/g(原物重量)〜108/g、好ましくは106/g〜107/gが添加される。
本発明の工程(ii)では、工程(i)の後の多糖類含有固体原料を外部の空気から遮断する。外部の空気から遮断する方法は特に限定はされず、例えば多糖類含有固体原料を任意の容器や施設に入れて蓋をすることによって行うことも可能であり、または、非通気性のシート、例えば梱包サイレージの作製に使用されるロールベール用ラップによって全体を覆うことによっても行うことができる。
本発明の工程(iii)では、外部の空気から遮断した条件下、多糖類含有固体原料の糖化、乳酸発酵およびアルコール発酵を同時に行う。「外部の空気から遮断した条件下」とは、多糖類含有固体原料への空気、特に酸素の供給を抑制することによって、嫌気的条件で乳酸菌およびアルコール発酵菌が糖を分解して、それぞれ乳酸発酵およびアルコール発酵を行うことを可能とするような条件を意味し、この条件は、前述の工程(ii)を行った後の状態を維持することにより達成される。なお、酸素の濃度は、乳酸発酵およびアルコール発酵が可能となる程度に低ければ十分であり、酸素が全く存在しない状態となるまで外部の空気を遮断することまでは必要とされない。なお、乳酸発酵およびアルコール発酵が可能となるような条件は当業者が通常の知識に基づいて決定することが可能である。
好ましくは、工程(iii)は、10〜45℃、より好ましくは20〜40℃の温度条件で行われる。上記の温度とすることにより、多糖類含有固体原料の糖化、乳酸発酵およびアルコール発酵を、酵素、微生物等の活性を損なうことなく、十分に行うことができる。また、工程(iii)の所要時間は、アルコール発酵が十分に行われるような時間を当業者が適宜設定することが可能であり、特に限定されないが、例えば12時間、1日以上、5日間以上、10日間以上、20日間以上とすることができる。後述するように、本発明の方法は乳酸をあわせて生成することにより原料の貯蔵性が向上するため、原料の腐敗が抑制され、従って、上記のような長い期間にわたって十分に発酵を行うことができる。
工程(iii)において、多糖類含有固体原料の糖化、乳酸発酵およびアルコール発酵を同時に行うことにより、労力、経費および時間を削減した簡便な方法でアルコールを製造できると共に、特に、アルコール発酵と同時に乳酸発酵を行うことによって、生成した乳酸によって多糖類含有固体原料のpHを低下させて酸性にするため、前記原料を最初に人工的に殺菌しなくても腐敗の原因となる細菌を殺すことが可能となり、アルコール製造の過程における原料の腐敗を防止することができる。また、本工程の後にアルコールを蒸留によって回収した後も乳酸は原料に残留するため、発酵残渣の腐敗も防止することができる。本発明の工程(iii)により、好ましくは、多糖類含有固体原料のpHは5.5以下、好ましくは5.0以下、より好ましくは4.5以下、特に好ましくは4.0以下に低下する。なお、多糖類含有固体原料のpHは、原料(原物重量)の4倍の蒸留水に浸漬し、4度で一晩静置または4度で1時間振とうした浸漬液のpH(電極法)を測定することにより求めることができる。
また、本発明の別の態様では、多糖類含有固体原料を、外部の空気から遮断した条件下、多糖類分解酵素、乳酸菌および/または乳酸、およびアルコール発酵菌の存在下でアルコール発酵させることを特徴とするアルコールの製造方法が提供される。セルロース系バイオマスである牧草、植物体などの表面には乳酸菌または酵母がもともと付着している場合も多く、これらの微生物も発酵過程で活用することにより、これらを別途添加しなくても乳酸発酵およびアルコール発酵を行うことができる。また、乳酸菌によって乳酸発酵を行う代わりに、または乳酸発酵の不足を補う手段として、原料に乳酸を加えて予め酸性条件にしておくことによって、原料の腐敗を抑制することも可能である。原料に乳酸を添加する場合、(原物重量あたり)1〜5%、好ましくは1.5〜3%の量を添加することができる。
以上の通り、本発明の方法により、アルコール発酵と並行して乳酸発酵が進み、原料の発酵培養物が酸性になることで、バイオマスの収穫・回収・運搬・貯蔵・発酵・発酵残渣処理の過程で腐敗を抑制することができる。セルロース系バイオマス等を出発材料としてアルコール発酵を行った残渣は、糖化や発酵に利用した微生物菌体を含むため、蛋白価が高い飼料として利用することができる。また、堆肥化も可能で、バイオマス生産用のほ場に投入するなど、資源循環を効率よく行うことができる。さらに、エタノール蒸留の熱源など、施設および周辺におけるエネルギー原料にもなり得る。本発明によりセルロース系バイオマスを、飼料、エネルギー源、肥料等へ変換して有効活用をすることが可能となる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
(1)植物体固体発酵のガス発生量の測定
麦幼葉10g(水分85%)にサイレージ調製用セルラーゼ製剤[(アクレモニウム属糸状菌由来:明治製菓(株)x1倍量は0.33mg, x10倍量は 3.3mg, x100倍量は 33mg)]、乳酸菌(スノーラクトL:雪印種苗50μg)および清酒酵母(107個)を添加して、28度発酵させた。その結果、酵素濃度に応じて麦葉が液化し、酵母添加区では袋内で炭酸ガスが発生した。発酵後のエタノール濃度(ガス発生量による簡便測定法)は、酵母添加により30%程度上昇した(図1 AB)。
(2)固体発酵モデル系におけるセルラーゼとアミラーゼの添加効果の解析
飼料用トウモロコシ植物体0.5gを粉砕、ガス殺菌後、水分60%、サイレージ調製用セルラーゼを(1)と同様に定法の1, 10, 100倍量添加し、遊離される糖質の組成を経時的に水抽出し、サンプルの糖およびエタノール含量を測定した。セルラーゼ添加量を増やすことで、植物体表面から遊離するグルコース量が顕著に増加し、100倍量添加したものでは、30日後にグルコース濃度が約15%(乾物重量比)に達した(図2)。
飼料作物に含まれるデンプン質も発酵原料に用いることを、粉砕滅菌トウモロコシ、イネおよびムギに、サイレージ調製用セルラーゼを定法の100倍量および、同量のアミラーゼ混合物[市販A リゾプス属糸状菌由来グルコアミラーゼ(オリエンタル酵母(株)と大麦由来βアミラーゼ(和光純薬(株)をセルラーゼと同量ずつ混合したもの]を添加した。その結果、調製後20日で各原料あたり乾物中約25%、28%および18%の糖(グルコース+フルクトース+ショ糖)が遊離した(図3, 4)。
(3)固体発酵におけるエタノール発酵
滅菌イネ粉砕物にセルラーゼ、アミラーゼを(1)と同様に各々定法の100倍量(3300g/t)加え、さらに乳酸(2%)と、酵母各々3株(106 /g) (Saccharomyces cerevisiae IFO0304, Saccharomyces exguus IY-06, Kluyveromyces thermotolerans FRI501))を添加して水分60%に調製し、室温で固体培養をした。培養10日目でいずれの酵母を添加した試料からも約6 %(乾物中約15-16 %)、20日目で約8 %(乾物中約17-20 %)のエタノールが検出された(図5)。
(4)酵素量の検討
(3)と同様に滅菌イネ粉砕物にセルラーゼ、アミラーゼおよび乳酸(2%)を加えた。この時酵素量は定法の10倍量(330g/t)または100倍量(3300g/t)加えた。酵母 (Saccharomyces cerevisiae IFO0304) 106 /gを添加して水分60%に調製し、室温で固体培養した。その結果、100倍量の酵素を加えた試料では、培養10日目で7%以上(乾物中約18〜19%)、培養20日目では、8%以上(乾物中約20〜22%)のエタノールが生産された。また、10倍量の酵素を加えた試料でも培養20日目で7%(乾物中約18%)のエタノールが生産されており、酵素量を減らしてもエタノール生産量が大きく変化しないことが確認された。また、市販酵素(アミラーゼ)は、オリエンタル酵母由来のグルコアミラーゼの代わりにシグマ社のリゾプス属糸状菌由来グルコアミラーゼ(市販アミラーゼB)も試したが、エタノール生産量に大きな違いはなかった(図6)。
(5)乳酸菌添加によるpH低下の測定
各種生草原料について、乳酸菌の添加の有無によるpHを比較した。原料に乳酸菌(サイレージエース、サンエイ糖化;添加量は規定量)を加え、ガス透過性が低い袋(旭化成 飛竜)に入れ、密封後26度15日間おいて乳酸発酵を行った。その後、材料(現物重量)の4倍の蒸留水に浸漬し、4度で一晩静置し、その浸漬液のpH(電極法)(25℃)、発酵後水分及び乳酸の含量を測定した。
(発酵後水分は、サイレージ50gを取り、70度で48時間乾燥した後の重量を測定し、算出した。乳酸含量は、サイレージ浸漬液中の有機酸含量を液体クロマトグラフ(日本分光有機酸分析システム:移動相2mM-HClO4液、BTB発色法で検出)にて測定した。
ムギから調製したバイオエタノール生産用固体発酵の様子を示す。(A)発酵の様子の写真(B)発酵後のガス生産量 トウモロコシ植物体粉砕物に対するセルラーゼ処理による糖の生産を示す。 各種植物体粉砕物に対するセルラーゼおよびアミラーゼ処理による糖の生産を示す。 イネ植物体粉砕物酵素処理で生産される糖を示す。 イネ植物体固体発酵モデルで生産されるエタノールを示す。 イネ植物体固体発酵モデルで各種酵素添加量がエタノール生産に与える影響を示す。

Claims (12)

  1. (i) 多糖類含有固体原料に、多糖類分解酵素、乳酸菌、およびアルコール発酵菌を添加する工程、
    (ii) 工程(i)の後の多糖類含有固体原料を外部の空気から遮断する工程、
    (iii) 外部の空気から遮断した条件下、多糖類含有固体原料の糖化、乳酸発酵およびアルコール発酵を同時に行う工程、
    を含む、アルコールの製造方法。
  2. 多糖類含有固体原料がセルロース系バイオマスである、請求項1記載の方法。
  3. セルロース系バイオマスが、イネ、トウモロコシ、ムギ、牧草、またはイネワラ、ムギワラ若しくはトウモロコシの茎や葉である、請求項2記載の方法。
  4. 分解酵素が、アミラーゼ、セルラーゼおよびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 工程(i)でさらにクチナーゼを添加する、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
  6. アルコールがエタノールである、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. アルコール発酵菌が酵母である、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 多糖類含有固体原料の水分量が40〜80質量%である、請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. 工程(iii)を、10〜45℃の温度条件で行う、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 工程(iii)を10日間以上行う、請求項1〜9のいずれか1項記載の方法。
  11. 工程(iii)により多糖類含有固体原料のpHが5.0以下に低下する、請求項1〜10のいずれか1項記載の方法。
  12. 多糖類含有固体原料を、外部の空気から遮断した条件下、多糖類分解酵素、乳酸菌、およびアルコール発酵菌の存在下でアルコール発酵させることを特徴とする、アルコールの製造方法。
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