JP4753009B2 - 計測方法、露光方法、及び露光装置 - Google Patents

計測方法、露光方法、及び露光装置 Download PDF

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本発明は、投影光学系の収差の変動量を計測するための計測技術、及びこの計測技術を用いる露光技術に関し、例えば半導体素子、撮像素子(CCD等)、及び液晶表示素子等のデバイスを製造するためのリソグラフィ工程中で、マスクのパターンを基板上に転写するために使用される投影露光装置の投影光学系の収差変動を補正する際に好適なものである。
従来より、半導体素子等を製造するためのリソグラフィ工程中で、マスクとしてのレチクル(又はフォトマスク等)のパターンを、投影光学系を介して基板としての感光材料が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に転写する一括露光型の投影露光装置(ステッパー等)、及び走査露光型の投影露光装置(スキャニングステッパー等)が使用されている。半導体素子等の集積度及び微細度が益々向上するのに応じて、投影露光装置の投影光学系に要求される諸収差等の結像特性の精度も高くなってきている。
投影光学系の収差の外乱要因としては、露光光の照射によるレンズの加熱(ヒート)、大気圧変動による屈折率変化、露光光がエキシマレーザ等のレーザ光である場合のレーザ波長の変化、及び露光光の照射によるレチクルの膨張などがあり、これらの要因に応じて投影光学系の様々な収差が変動する。また、投影露光装置には、投影光学系を構成する一部のレンズの姿勢を制御することによって、歪曲収差や球面収差等の所定の結像特性を所定の状態に制御するための結像特性制御機構が備えられている。
従来は、それらの収差変動のうちのレンズのヒートによる収差変動については、所定の計測用マークを用いて露光光の照射量を変えながらベストフォーカス位置及び倍率の変化量を計測することで、予めその照射量とベストフォーカス位置及び倍率の変化量との関係を求めていた。そして、実際のデバイス用のレチクルのパターンを露光する際には、露光光の照射量に応じてそのベストフォーカス位置及び倍率の変化量を打ち消すようにその結像特性制御機構を制御していた。この際に、その計測用マークを用いて迅速に投影光学系の所定の収差を計測するために、そのマークの空間像(投影像)を計測し、この計測結果に基づいてその収差を算出する方法(以下、「空間像計測法」と呼ぶ)が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−170399号公報
上記の如く従来は、所定の計測用マークを用いて露光光の照射量を変えながら予め投影光学系の収差の変化量を計測していた。これに関して、露光光の照射による収差変化は照明条件と実際に露光工程で使用されるレチクル(実露光用のレチクル)とによって変化するため、できるだけ実際の使用条件に合わせた条件で収差の変化量を計測することが望ましい。しかしながら、エンドユーザの実露光用のレチクルは種類が多く、しかもこれまでにないパターンを含むことが多いため、投影露光装置の組立調整時等に予め使用される可能性のある全ての実露光用のレチクルに合わせて、投影光学系の収差の変化量を計測しておくことは困難であった。
また、従来の結像特性制御機構は、球面収差や歪曲収差などの特定の収差を補正するために使用されており、エンドユーザの使用目的等に応じて実質的に補正対象の収差の組み合わせを切り替えるようなことは想定されていなかった。
本発明は、斯かる点に鑑み、できるだけ実際の使用条件に合わせた条件で、露光光の照射による投影光学系の収差の変化量を計測できる計測技術及び露光技術を提供することを目的とする。
また、本発明は、できるだけ実際の使用条件に合わせた条件で、露光光の照射による投影光学系の収差の変化量を計測した後、目的に応じて実質的に種々の組み合わせの収差を補正できる露光技術を提供することをも目的とする。
本発明による計測方法は、投影光学系(PL)の収差を計測する計測方法において、露光ビームで転写用パターンの形成されたマスク(R)を介してその投影光学系を照射する第1工程と、前記第1工程の後で同一方向に配列され互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第1のマーク群(5A)と、同一方向に配列され前記第1のマーク群のピッチ間隔よりも小さいピッチ間隔でかつ互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第2のマーク群(5B)とを含む計測用パターン(5A〜5F)の像をその投影光学系を介して投影し、この投影される像に基づいてその転写用パターンを介したその露光ビームの照射によるその投影光学系の波面収差の変動量を計測する第2工程とを有するものである。
斯かる本発明によれば、その第2工程の前で、転写用パターンの形成された実露光用のマスクを例えば実際の照明条件で照明しながら、露光ビームの照射量を計測できる。従って、実際の使用条件に合わせた条件で、露光ビームの照射による投影光学系の収差の変化量を計測できる。また、空間像計測法によって、投影光学系の波面収差を計測しているため、投影光学系の収差の状態を短時間に正確に計測できる。
一般に、投影光学系の射出瞳(又は瞳面)上の波面収差を示す収差関数をW(ρ,θ)とすると、収差関数W(ρ,θ)は極座標形式で表されており、ρは投影光学系の射出瞳(又は瞳面)の半径方向の規格化された位置(動径)であり、θは角度である。その収差関数W(ρ,θ)は、その動径ρと角度θとが分離した形で表される完全直交系の多項式、例えば次式で示されるツェルニケ多項式(Zernike's Polynomial)を用いて級数展開することが可能である。
Figure 0004753009
ここで、Zi は、投影光学系の諸収差のうちで、i次のツェルニケ多項式fi(ρ,θ)によって表される収差の大きさを表す係数である。なお、以下では説明の便宜上、係数Zi(iは1以上の整数)をi次のツェルニケ多項式によって表される収差(又は収差量)ともみなす。
本発明において、一例として、その計測用パターンは、異なる2方向に沿って配列されたそれぞれ6種類以上のピッチのマークを含むものである。これによって、波面収差をツェルニケ多項式で表した場合に、Z16までの0θ、1θ、cos2θ成分の収差が計測可能である。
また、その計測用パターンは、異なる6方向に沿って配列されたそれぞれ6種類以上のピッチのマークを含むものでもよい。これによって、Z36までの収差が計測可能である。
また、本発明による露光方法は、露光ビームで第1物体(R)及び投影光学系(PL)を介して第2物体(W)を露光する露光方法において、その露光ビームで、少なくとも異なる2方向のうち一方の方向に配列され互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第1のマーク群と、その少なくとも異なる2方向のうち他方の方向に配列されその第1のマーク群のピッチ間隔よりも小さいピッチ間隔でかつ互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第2のマーク群とを含む計測用パターン(5A〜5F)を照明し、その計測用パターンのその投影光学系による像に基づいて、その露光ビームの照射による、その投影光学系の波面収差の変動量を計測する計測工程と、その計測工程で計測される波面収差の変動量に基づいて、その投影光学系の光学特性を補正する補正工程とを有するものである。
本発明によれば、実際の使用条件に合わせた条件で、露光ビームの照射による投影光学系の波面収差の変化量を計測できる。また、例えば波面収差を所定次数までのツェルニケ多項式で表して、その次数までの収差毎に特性を補正できるようにしておき、各次数の収差の重みを調整できるようにしておくことによって、目的に応じて実質的に種々の組み合わせの収差を補正できる。
この場合、一例として、その計測用パターンは、異なる2方向に沿って配列されたそれぞれ12種類以上のピッチのマークを含むものである。これによって、波面収差をツェルニケ多項式で表した場合に、Z37までの0θ、1θ、cos2θ成分の収差の計測及び補正が可能である。
また、その計測用パターンは、異なる6方向に沿って配列されたそれぞれ6種類以上のピッチのマークを含むものでもよい。これによって、Z36までの収差が計測可能である。
次に、本発明による露光装置は、露光ビームで第1物体(R)及び投影光学系(PL)を介して第2物体(W)を露光する露光装置において、少なくとも異なる2方向のうち一方の方向に配列され互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第1のマーク群と、その少なくとも異なる2方向のうち他方の方向に配列されその第1のマーク群のピッチ間隔よりも小さいピッチ間隔でかつ互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第2のマーク群とを含む計測用パターン(5A〜5F)が形成された基準部材(RFM)と、その露光ビームのその投影光学系に対する照射量を計測する照射量計測系(26,44,46)と、その計測用パターンのその投影光学系による像に基づいて、その露光ビームによるその投影光学系による波面収差の変動量を求める演算装置(50)と、その演算装置によって求められる波面収差の変動量に基づいて、その投影光学系の光学特性を補正する結像特性補正装置(78,20)とを有するものである。
本発明によれば、本発明の露光方法が使用できる。
本発明において、その計測用パターンは、異なる6方向に沿って配列されたそれぞれ6種類以上のピッチのマークを含むものでもよい。
本発明によれば、転写用パターンの形成されたマスクを介して露光しながら露光ビームの照射量を計測してから、投影光学系の波面収差を計測できるため、できるだけ実際の使用条件に合わせた条件で、露光ビームの照射による投影光学系の収差の変化量を計測できる。
また、本発明の露光方法及び露光装置によれば、計測される波面収差の変動量に基づいて、投影光学系の結像特性を補正できるため、例えば波面収差を所定次数までのツェルニケ多項式で表すことによって、目的に応じて実質的に種々の組み合わせの収差を補正できる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図面を参照して説明する。
図1は、本例の投影露光装置10の概略構成を示す。本発明の露光装置に対応する投影露光装置10は、ステップ・アンド・スキャン方式の走査露光型の投影露光装置、即ちスキャニングステッパーである。
図1において、投影露光装置10は、レーザビームLBを発生する光源14(露光光源)、照明光学系12(照明ユニット)、マスクとしてのレチクルRを保持して移動するレチクルステージRST、投影光学系PL、基板(又は感光体)としてのウエハWを保持して移動するウエハステージWST、及びこれらを制御する制御系等を備えている。そして、光源14及び制御系以外の部分は、実際には、内部の温度等の環境条件が高精度に制御され一定に維持されている不図示の環境チャンバ内に収容されている。
本例では、光源14として、ArFエキシマレーザ光源(発振波長193nm)が用いられている。なお、露光光源として、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、F2 レーザ(波長157nm)、YAGレーザの高調波発生装置、固体レーザ(半導体レーザ等)の高調波発生装置、又は水銀ランプ(i線等)等も使用できる。
照明光学系12は、光源14から供給されるレーザビームLBの断面形状を整形するビーム整形光学系18、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ又はホモジナイザ)としてのフライアイレンズ22、照明系開口絞り板24、第1リレーレンズ28A及び第2リレーレンズ28Bから成るリレー光学系、固定レチクルブラインド30A、可動レチクルブラインド30B、ミラーM、並びにコンデンサレンズ32等を備えている。なお、オプティカル・インテグレータとして、内面反射型インテグレータ(例えばロッドインテグレータ)又は回折光学素子等を用いてもよい。フライアイレンズ22を構成する多数の微小レンズは、それぞれビーム整形光学系18からのレーザビームLBを射出側の焦点面に集光し、その焦点面に2次光源(面光源)が形成される。以下では、フライアイレンズ22によって形成される2次光源から射出されるレーザビームLBを、露光ビーム(露光光)としての「照明光IL」と呼ぶ。
光源14及び照明光学系12は、後述の空間像計測時の照明系としても使用される。照明光学系12において、フライアイレンズ22の射出側焦点面の近傍には、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置されている。この照明系開口絞り板24には、ほぼ等角度間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り(通常絞り)、小さな円形開口より成りコヒーレンスファクタであるσ値を小さくするための開口絞り(小σ絞り)、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り(輪帯絞り)、及び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置して成る変形開口絞り(例えば2極照明又は4極照明用の開口絞り)等が配置されている。この照明系開口絞り板24は、主制御装置50により制御されるモータ等の駆動装置40により回転されるようになっており、この回転動作により、いずれかの開口絞りが照明光ILの光路上に選択的に設定される。
照明系開口絞り板24から出た照明光ILの光路上に、反射率が小さく透過率の大きなビームスプリッタ26が配置され、更にこの後方の光路上に、レチクルブラインド30A、30Bを介在させてリレー光学系(28A,28B)が配置されている。
固定レチクルブラインド30Aは、レチクルRのパターン面に対する共役面から僅かにデフォーカスした面に配置されており、その固定レチクルブラインド30Aには、レチクルR上での照明領域IARを規定する矩形開口が形成されている。また、この固定レチクルブラインド30Aの近傍には、走査露光時の走査方向、及びこれに直交する非走査方向に光学的にそれぞれ対応して位置及び幅が可変の開口部を有する可動レチクルブラインド30Bが配置されている。また、本例では、可動レチクルブラインド30Bは、必要に応じて後述する空間像計測の際の照明領域の設定にも用いられる。
一方、照明光学系12内のビームスプリッタ26で反射された照明光ILの光路上には、集光レンズ44、受光素子から成るインテグレータセンサ46が配置されている。
そして、露光時に光源14から射出されたレーザビームLBは、照明光学系12内で照明光ILとなり、照明光ILは、ミラーMによって光路が垂直下方に折り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レチクルRのパターン面(下面)の非走査方向に細長いスリット状の照明領域IARを均一な照度分布で照明する。
一方、ビームスプリッタ26で反射された照明光ILの一部は、集光レンズ44を介してインテグレータセンサ46で受光され、インテグレータセンサ46の光電変換信号が、ピークホールド回路及びA/D変換器を有する信号処理装置80を介して主制御装置50に供給される。ビームスプリッタ26、集光レンズ44、及びインテグレータセンサ46が照射量制御系に対応している。本例では、インテグレータセンサ46の計測値は、ウエハWに対する露光量制御に用いられる他、投影光学系PLに対する照射量の計算に用いられる。この照射量は、ウエハ反射率(これは、インテグレータセンサ46の出力と不図示の反射率モニタの出力とに基づいて求めることもできる)とともに、投影光学系PLの照明光吸収による結像特性の変化量の算出にも用いられる。
本例では、主制御装置50によって、その照明光ILの照射量がインテグレータセンサ46の出力に基づいて所定の時間間隔で計測され、その計測結果が照射履歴として、メモリ51(記憶装置)内に記憶されるようになっている。
その照明光ILのもとで、レチクルRの照明領域IAR内のパターンの、両側(又はウエハ側に片側)テレセントリックの投影光学系PLによって形成された像は、感光材料としてのフォトレジストが塗布されたウエハWの一つのショット領域上の露光領域IAに投影される。露光領域IAは照明領域IARと共役であり、投影光学系PLは、レチクルR(第1物体)のパターン面(第1面)のパターンの像をウエハW(第2物体)の上面(第2面)に形成している。投影光学系PLの投影倍率は、例えば1/4又は1/5等の縮小倍率であるが、以下の説明では、投影光学系PLの投影倍率は1/4であるとする。本例の投影光学系PLは、屈折系であるが、投影光学系PLとしては、反射屈折系なども使用できる。また、図3に示すように、投影光学系PLの瞳面PPの近傍には、投影光学系PLの開口数NAを制御するための可変開口絞りASが配置されている。
以下、投影光学系PLの光軸AXに平行な方向にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で図1の紙面に垂直な方向にX軸を、図1の紙面に平行な方向にY軸を取って説明する。本例では、走査露光時のレチクルR及びウエハWの走査方向は、Y軸に平行な方向(Y方向)であり、レチクルR上の照明領域IAR、及びウエハW上の露光領域IAはそれぞれ非走査方向(X方向)に細長い領域である。
本例の投影光学系PLには、その所定の結像特性を制御(補正)するための結像特性補正装置が備えられている。
図2は、図1中の投影光学系PLの結像特性補正装置を示す一部を断面とした図であり、この図2において、説明の便宜上、投影光学系PLを構成するように光軸AXに沿って配置された多数のレンズエレメントのうちの8枚のレンズエレメント131、132、…、138 のみを図示している。この場合、レンズエレメント131、132、…、138 のうち、その一部、例えばレンズエレメント131、132は、それぞれ複数の駆動素子(例えばピエゾ素子など)20によって光軸AX方向及びXY平面に対する傾斜方向に微小駆動可能に構成されている。
本例では、各駆動素子20に与えられる駆動電圧(駆動素子の駆動量)が、図1の主制御装置50からの指令に応じて結像特性補正コントローラ78により制御される。このように、駆動素子20、及び結像特性補正コントローラ78を含んで結像特性補正装置が構成されている。これによって、投影光学系PLの結像特性としての波面収差又は所定の収差が補正される(詳細後述)。なお、その可動レンズエレメントの数は任意で良い。但し、例えば可動レンズエレメントの数が、フォーカスを除く、投影光学系PLの結像特性の補正可能な種類に対応しており、補正対象の波面収差の種類(後述のツェルニケ多項式で表される波面収差の数)又は補正が必要な結像特性の種類に応じて、可動レンズエレメントの数又は可動のレンズエレメントの全体としての駆動の自由度を定めれば良い。
図1に戻り、レチクルステージRST上には、レチクルRが例えば真空吸着(又は静電吸着)により固定されている。レチクルステージRSTは、リニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系56Rにより、レチクルベースRBS上のXY平面内で2次元的に(X方向、Y方向、及びZ軸回りの回転方向(回転角θz)に)微少駆動可能であるとともに、レチクルベースRBS上をY方向に指定された走査速度で移動可能となっている。
また、レチクルステージRST上には、レーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)54Rからのレーザビームを反射する移動鏡52Rが固定されており、レチクルステージRSTのXY平面内の位置はレチクル干渉計54Rによって、例えば0.1〜1nm程度の分解能で常時検出される。即ち、実際には、移動鏡52Rは、Y方向の位置を2箇所で計測するための2つのY軸の移動鏡と、X軸の移動鏡とから構成され、レーザ干渉計54Rもそれに対応して3軸のレーザ干渉計から構成されている。
レチクル干渉計54RからのレチクルステージRSTの位置情報は、ステージ制御装置70、及びこれを介して主制御装置50に送られる。ステージ制御装置70は、主制御装置50の指示により、レチクルステージ駆動系56Rを介してレチクルステージRSTの移動を制御する。なお、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して前述の移動鏡52Rの反射面を形成しても良い。
また、レチクルステージRSTの−Y方向の端部近傍には、空間像計測用基準マーク(計測用パターン)が形成された基準部材としてのレチクルフィデューシャルマーク板(以下、「レチクルマーク板」と略述する)RFMが、レチクルRと並ぶように配置されている。このレチクルマーク板RFM(詳細後述)は、レチクルRと同材質のガラス素材、例えば合成石英や蛍石、フッ化リチウムその他のフッ化物結晶などから構成されており、レチクルステージRSTに固定されている。また、レチクルステージRSTには、レチクルR及びレチクルマーク板RFMの下方に、照明光ILを通すための開口がそれぞれ形成されている。また、レチクルベースRBSの投影光学系PLのほぼ真上の部分(光軸AXを中心とする部分)にも、照明光ILの通路となる、少なくとも照明領域IARより大きな長方形状の開口が形成されている。
また、レチクルRの上方には、投影光学系PLを介してレチクルR上又はレチクルマーク板RFM上のマークと、ウエハステージWST上の後述する基準マーク板(不図示)上の基準マークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)方式の一対のレチクルアライメント顕微鏡(以下、便宜上「RA検出系」と呼ぶ)(不図示)が設けられている。これらのRA検出系の検出信号は、不図示のアライメント制御装置を介して、主制御装置50に供給される。なお、そのRA検出系と同等の構成は、例えば特開平7−176468号公報等に開示されている。
図1において、ウエハステージWSTは、XYステージ42と、このXYステージ42上に搭載されたZチルトステージ38とを含んで構成されている。XYステージ42は、ウエハベース16の上面の上方に不図示のエアベアリングによって例えば数μm程度のクリアランスを介して浮上支持されている。更に、XYステージ42は、ウエハステージ駆動系56Wを構成する不図示のリニアモータ等によって走査方向であるY方向及びこれに直交するX方向に2次元駆動可能に構成されている。このXYステージ42上にZチルトステージ38が搭載され、Zチルトステージ38上にウエハホルダ25が固定されている。このウエハホルダ25によって、ウエハWが真空吸着等により保持されている。
Zチルトステージ38は、図2に示すように、3つのZ位置駆動部27A、27B、27C(但し、図2の紙面奥側のZ位置駆動部27Cは不図示)によってXYステージ42上に3点で支持されている。これらのZ位置駆動部27A〜27Cは、Zチルトステージ38下面のそれぞれの支持点を投影光学系PLの光軸方向(Z方向)に独立して駆動する3つのアクチュエータ(例えばボイスコイルモータなど)21A、21B、21C(但し、図2の紙面奥側のアクチュエータ21Cは不図示)と、Zチルトステージ38のZ位置駆動部27A、27B、27Cによる各支持点のアクチュエータ21A、21B、21CによるZ方向の駆動量(基準位置からの変位)を検出するエンコーダ23A〜23C(但し、図2の紙面奥側のエンコーダ23Cは不図示)とを含んで構成されている。
本例では、アクチュエータ21A、21B、21Cによって、Zチルトステージ38(ウエハW)の光軸AX方向(Z方向)の位置、X軸回りの回転角θx、及びY軸回りの回転角θyを制御する。図1のステージ制御装置70は、露光中にはウエハWの上面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、Zチルトステージ38のZ軸方向の位置及びレベリング量(回転角θx、θy)を算出し、この算出結果を用いてアクチュエータ21A〜21Cを駆動する。なお、図1では、XYステージ42を駆動するリニアモータ等、及び図2のZ位置駆動部27A〜27Cがまとめてウエハステージ駆動系56Wとして示されている。
図1において、Zチルトステージ38上には、レーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)54Wからのレーザビームを反射する移動鏡52Wが固定されている。ウエハ干渉計54Wによって、Zチルトステージ38(ウエハステージWST)のXY平面内の位置が、例えば0.1〜1nm程度の分解能で常時検出されるようになっている。実際には、Zチルトステージ38上には、走査方向(Y方向)に直交する反射面を有する移動鏡と非走査方向(X方向)に直交する反射面を有する移動鏡とが設けられ、これに対応してウエハ干渉計もX方向、Y方向にそれぞれ複数軸設けられ、Zチルトステージ38の5自由度方向の位置(X方向、Y方向の位置、及び回転角θx、θy、θz)が計測可能となっている。ウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は、ステージ制御装置70、及びこれを介して主制御装置50に供給される。ステージ制御装置70は、主制御装置50の指示に応じてウエハステージ駆動系56Wを介してウエハステージWSTのXY平面内の位置を制御する。なお、Zチルトステージ38の端面を鏡面加工して前述の移動鏡52Wの反射面を形成するようにしてもよい。
また、本例の投影露光装置には、投影光学系PLの結像特性(光学特性)の計測に用いられる空間像計測装置59(空間像計測系)が備えられている。その空間像計測装置59を構成する光学系の一部がZチルトステージ38の内部に配置されている。
図3は、空間像計測装置59を示す一部を切り欠いた図であり、この図3において、空間像計測装置59は、Zチルトステージ38に設けられたステージ側構成部分、即ちパターン形成部材としてのスリット板90、レンズ84,86から成るリレー光学系、光路折り曲げ用のミラー88、送光レンズ87と、ウエハステージWST外部に設けられたステージ外構成部分、即ちミラー96、受光レンズ89、光電変換素子から成る光センサ94(光電センサ)等とを備えている。
これを更に詳述すると、スリット板90は、ウエハステージWSTのZチルトステージ38の端部上面に設けられて上部に開口が形成された突設部58に対し、その開口を覆う状態で上方から嵌め込まれている。このスリット板90は、XY平面に平行な長方形の平板状のガラス基板82の上面に遮光膜を兼ねる反射膜83を形成して構成され、その反射膜83の一部に所定幅2Dのスリット状の開口パターン(以下、「スリット」と呼ぶ)122が形成されている。なお、図3のスリット122は、スリット板90に設けられた複数のスリット(図5参照)のうちの一つを代表的に示している。ガラス基板82の素材としては、ここでは、ArFエキシマレーザ光の透過性の良い、合成石英又は蛍石などが用いられる。
また、図3の状態では、照明光ILの照明領域に、レチクルマーク板RFMに形成された計測用マークPM(計測用パターン)が位置しており、そのマークの像が投影光学系PLによってスリット板90上に投影されている。そして、その照明光ILよりなる結像光束の一部がスリット122を通過している。スリット122下方のZチルトステージ38内部には、スリット122を介して鉛直下向きに入射した照明光IL(結像光束)の光路を水平に折り曲げるミラー88を介在させてレンズ84及び86から成るリレー光学系(84、86)が配置されている。また、このリレー光学系(84、86)の光路後方のZチルトステージ38の+Y方向側の側壁には、リレー光学系(84、86)によってリレーされた照明光をウエハステージWSTの外部のほぼ+Y方向に送光する送光レンズ87が固定されている。
送光レンズ87によってウエハステージWSTの外部に送り出された照明光ILの光路は、X方向に所定長さを有し傾斜角45°で斜設されたミラー96によって、鉛直上方に向けて90°折り曲げられる。この折り曲げられた光路上に、送光レンズ87に比べて大きい受光レンズ89が配置され、この上方に光センサ94が配置されている。これら受光レンズ89及び光センサ94は、所定の位置関係を保ってケース92内に収納され、ミラー96も不図示の支持部材を介してケース92に固定されている。そして、ミラー96で上方に反射された照明光ILは、受光レンズ89によって光センサ94の受光面に集光される。ケース92は、取付け部材93を介してウエハベース16の上面に植設された支柱97の上端部近傍に固定されている。
光センサ94としては、微弱な光を精度良く検出することが可能な光電変換素子(光電センサ)、例えばフォト・マルチプライヤ・チューブ(PMT、光電子増倍管)などが用いられる。光センサ94からの光電変換信号PSは、図1の信号処理装置80を介して主制御装置50に送られるようになっている。信号処理装置80は、例えば増幅器、サンプルホールド回路、A/Dコンバータなどを含んで構成することができる。また、スリット122で代表している実際の複数のスリットの配置及び形状については後述する。
上述のようにして構成された空間像計測装置59によると、レチクルマーク板RFM(又はレチクルR)に形成された計測用マークPM(又はレチクルRに形成されたマーク)の投影光学系PLを介して得られる投影像(空間像)の計測の際に、投影光学系PLを透過してきた照明光IL(結像光束)によってスリット板90が照明される。そして、そのスリット板90のスリット122を通過した照明光ILが、レンズ84、ミラー88、レンズ86、及び送光レンズ87を介してウエハステージWSTの外部に導き出される。そして、そのウエハステージWSTの外部に導き出された光は、ミラー96及び受光レンズ89を介して光センサ94によって受光され、光センサ94からその受光量に応じた光電変換信号(光量信号)PSが図1の信号処理装置80を介して主制御装置50に出力される。
本例では、計測マークの投影像(空間像)の計測がスリットスキャン方式によって実行されるので、その際には、送光レンズ87が、受光レンズ89及び光センサ94に対してX方向及びY方向に移動することになる。そこで、空間像計測装置59では、所定範囲内で移動する送光レンズ87を介した光がすべて受光レンズ89に入射するように、受光レンズ89の直径は送光レンズ87の直径よりも大きく設定されている。本例の空間像計測装置59においては、Zチルトステージ38に設けられたスリット板90を含む移動部と、ケース92に設けられた光センサ94を含む固定部とは、機械的に分離されている。そして、空間像計測に際してのみ、その移動部とその固定部とは、ミラー96を介して光学的に接続される。これによって、光センサ94の発熱による計測精度の低下が抑制される。
なお、空間像計測装置59において、送光レンズ87と受光レンズ89との間の光路を可撓な光ファイバケーブルで接続するようにしてもよい。また、例えば光センサ94の発熱が少ない場合、又は冷却機構によってその発熱の影響を軽減できる場合等には、光センサ94及び受光レンズ89を、例えば投影光学系PLの+Y方向の側面に固定することも可能である。更に、光センサ94をウエハステージWST(Zチルトステージ38)の内部に設けることも可能である。なお、空間像計測装置59を用いて行われる空間像計測及び収差計測方法などについては、後に詳述する。
図1に戻り、投影光学系PLの側面には、ウエハW上のアライメントマーク又は所定の基準マークを検出するマーク検出系としてのオフアクシス方式のアライメント系ALGが設けられている。本例では、このアライメント系ALGとして、画像処理方式のアライメント系、いわゆるFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。このアライメント系ALGからの撮像信号が、不図示のアライメント制御装置に供給される。
更に、本例の投影露光装置10では、図1に示すように、照射系60a及び受光系60bから成る斜入射方式の多点焦点位置検出系(60a,60b)が設けられている。照射系60aは、ウエハWの表面又はスリット板90の表面である被検面に複数のスリット像を光軸AXに対して斜めに投影し、受光系60bは、被検面からの反射光を受光してそれらのスリット像を再結像する。そして、受光系60bは、それらの再結像された複数のスリット像の横ずれ量に対応する検出信号をステージ制御装置70に供給する。ステージ制御装置70では、一例としてそれらの検出信号をデフォーカス量に換算し、複数のデフォーカス量から、その被検面の投影光学系PLの像面に対するZ方向へのデフォーカス量と、X軸及びY軸の回りの傾斜角とを求める。なお、この多点焦点位置検出系(60a,60b)と、同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報等に開示されているため、その構成についての詳細な説明を省略する。
通常の露光時には、ステージ制御装置70は、多点焦点位置検出系(60a,60b)の検出結果を用いて、ウエハWの表面が投影光学系PLの像面に合焦されるように、オートフォーカス方式及びオートレベリング方式でウエハステージ駆動系56Wを介してZチルトステージ38のZ方向の位置及び傾斜角を制御する。また、露光中又は空間像計測中に主制御装置50からの指令に基づいて、ステージ制御装置70は、ウエハステージ駆動系56Wを介してウエハWの表面又はスリット板90の表面を投影光学系PLの像面に対してZ方向に指示された量だけデフォーカスさせることもできる。
また、図1の投影光学系PL近傍には、大気圧変動や温度変動を検知する環境センサ81が設けられている。この環境センサ81による計測結果は主制御装置50に供給されている。また、主制御装置50に接続されたメモリ51内には、例えば予め投影光学系PLの組立調整時等に計測されていた所定の高次の収差の情報、及び後述の収差計測方法によって求められる投影光学系PLの収差の情報などが記憶される。
次に、本例の投影露光装置10における走査露光動作について簡単に説明する。先ず、主制御装置50は、実露光用のレチクルRを用いた露光に最適な照明条件をオペレータの指示に基づいて設定する。次に、上記のレチクルアライメント顕微鏡、及びウエハ側のアライメント系ALGを用いて、レチクルRのアライメント及びウエハWのアライメントが行われる。その後、ウエハステージWSTのステッピングによって、ウエハW上で次に露光されるショット領域が光軸AXの手前側に位置決めされる。そして、照明光ILの照射が開始されて、レチクルステージRSTを介して照明領域に対してレチクルRをY方向に速度Vrで移動するのに同期して、ウエハステージWSTを介して露光領域に対してウエハW上の一つのショット領域がY方向に速度β・Vr(βは投影光学系PLの投影倍率)で移動する。このようにして、ショット間のステッピング動作とショット毎の同期走査動作とが繰り返されて、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の全てのショット領域にレチクルRのパターン像が転写される。
ところで、上述した走査露光動作において、レチクルRのパターンを投影光学系PLを介して高い解像度で高精度にウエハW上に転写するためには、投影光学系PLの結像特性が所定の状態に調整されている必要がある。そのためには、その結像特性を高精度に計測する必要がある。以下では、計測及び補正対象の投影光学系PLの結像特性を所定の収差であるとする。
また、その収差を分類するために、波面収差を用いるものとして、投影光学系PLの射出瞳(又は瞳面)上の波面収差を示す収差関数をW(ρ,θ)とする。このとき、ρは投影光学系PLの射出瞳の半径方向の規格化された位置(動径)であり、θは角度であるとすると、その収差関数W(ρ,θ)は、上述の(1)式のようにi次(i=1,2,…)のツェルニケ多項式(Zernike's Polynomial)fi(ρ,θ)及びその係数Zi を用いて級数展開することが可能である。なお、ツェルニケ多項式は、フリンジツェルニケ多項式又はツェルニケの円多項式(circle polynomials)とも呼ばれることがある。
なお、一例として1次〜37次までのツェルニケ多項式fiを対応する係数Zi とともに例示すると、次の表1のようになる。
Figure 0004753009
上記表1に示されるように、各次数のツェルニケ多項式fi(ρ,θ)は、動径(ρ)の関数である動径関数と、角度(θ)の関数とが分離した形で表現される。また、ツェルニケ多項式は、その動径関数が奇関数であるものと、偶関数であるものとに分類することができる。例えば、表1に示されるf7及びf8については、その動径関数がともに3ρ3−2ρ で、奇関数であり、f5及びf6は、その動径関数がともにρ2 で、偶関数となっている。各次数のツェルニケ多項式中の角度θの関数は、sin(mθ)(mは1以上の整数)、又はcos(mθ)(mは0以上の整数)である。そして、その角度mθを規定する整数mが奇数である場合には、対応する動径関数が奇関数となり、整数mが0又は偶数である場合には、対応する動径関数が偶関数となる。このように、動径関数が奇関数で表されるツェルニケ多項式に対応する収差を奇関数収差と呼び、動径関数が偶関数で表されるツェルニケ多項式に対応する収差を偶関数収差と呼ぶ。
投影光学系PLの収差は像の横シフトである横収差と、像のコントラストの変化である縦収差とに分類でき、前者の横収差が奇関数収差であり、後者の縦収差が偶関数収差である。従って、投影光学系PLの収差のうちの球面収差やデフォーカス等は、偶関数収差であり、コマ収差は奇関数収差である。また、i次のツェルニケ多項式の係数Zi で、そのi次のツェルニケ多項式で表される収差を表わすものとする。本例では、図2の結像特性補正コントローラ78を含む投影光学系PLの結像特性補正装置によって、所定次数までのツェルニケ多項式で表される波面収差を個別に、さらに重みを付けて補正することができる(詳細後述)。なお、収差Zi を用いると、球面収差(偶関数収差)は収差Z9,Z16、コマ収差(奇関数収差)は収差Z7,Z8,Z14,Z15、及びディストーション(奇関数収差)は収差Z2,Z3 である。従って、その結像特性補正装置を用いると、例えば球面収差、コマ収差、及びディストーションを個別に補正することも可能である。
本例では、波面収差を計測するために前述した空間像計測装置59が用いられる。以下、この空間像計測装置59による空間像計測、及び投影光学系PLの波面収差の計測等について詳述する。
図3には、空間像計測装置59を用いて、レチクルマーク板RFMに形成された計測用マークPMの空間像が計測されている状態が示されている。なお、レチクルマーク板RFMに代えて、空間像計測専用のテストレチクル、あるいはデバイスの製造に用いられる実露光用のレチクルRに専用の計測用パターンを形成したものなどを用いることも可能である。ここで、レチクルマーク板RFMには、所定の箇所にY方向に周期性を有しライン部の幅とスペース部の幅との比(デューティ比)が1:1のラインアンドスペースパターン(以下、「L&Sパターン」と呼ぶ)から成る計測用マークPMが形成されているものとする。なお、このような計測用マークPMは、実際にはレチクルマーク板RFM上に複数個設けられているマークのうちの一つである。
ここで、空間像計測装置59を用いた空間像計測の方法について簡単に説明する。なお、スリット板90には、例えば図4(A)に示されるように、X方向に延びる所定幅2Dのスリット122(開口パターン)が形成されているものとする。空間像の計測にあたり、図1の主制御装置50によって、可動レチクルブラインド30Bが不図示のブラインド駆動装置を介して駆動され、図3に示されるように、レチクルRの照明光ILの照明領域が計測用マークPMを含む所定領域のみに制限される。
この状態で、照明光ILがレチクルマーク板RFMに照射されると、図4(A)に示されるように、計測用マークPMによって回折、散乱した光(照明光IL)は、投影光学系PLにより屈折され、投影光学系PLの像面に計測用マークPMの空間像(投影像)PM’が形成される。このとき、ウエハステージWSTは、空間像計測装置59のスリット板90上のスリット122の+Y方向側(−Y方向側でもよい)にその空間像PM’が形成される位置に設定されているものとする。このときのスリット板90を投影光学系PL側から見たときの平面図が図4(A)に示されている。なお、投影光学系PLの投影倍率が1/4であるとすると、この空間像PM’のピッチ(周期)は、計測用マークPMのL&Sパターンのピッチの1/4となる。なお、以下の説明では、各計測マーク等の線幅及びピッチは、それぞれその空間像の線幅及びピッチを指しているものとする。
そして、主制御装置50によって、ウエハステージ駆動系56Wを介してウエハステージWST(走査機構)が図4(A)中に矢印Fで示されるように+Y方向に駆動されると、スリット122が空間像PM’に対してY方向に走査される。この走査中に、スリット122を通過する光(照明光IL)がウエハステージWST内の光学系、ミラー96、受光レンズ89を介して光センサ94で受光され、その光電変換信号PSが信号処理装置80を介して主制御装置50に供給される。主制御装置50は、その光電変換信号に基づいて空間像PM’に対応する光強度分布情報を取得する。なお、空間像PM’とスリット122とは、スリット122に垂直な方向に相対走査すればよい。そのため、スリット122を静止させておいて、図1のレチクルステージRST(走査機構)を介してレチクルマーク板RFMを移動させることによって、空間像PM’側を移動してもよい。
図4(B)には、上記の空間像計測の際に得られる光電変換信号(光強度信号)PSの一例が示されている。この場合、空間像PM’は、スリット122の走査方向(Y方向)の幅(2D)の影響で像が平均化する。従って、計測精度の面からは、スリット122の走査方向(ここではY方向)の幅(以下、単に「スリット幅」と呼ぶ)2Dは小さい程良い。本例のように、フォト・マルチプライヤ・チューブ(PMT)を光センサ94として用いる場合には、スリット幅が非常に小さくなっても走査速度を遅くして計測に時間をかければ光量(光強度)の検出は可能である。しかしながら、現実には、スループットの面から空間像計測時の走査速度に一定の制約があるため、スリット幅2Dがあまりにも小さいと、スリット122を透過する光量が小さくなり過ぎて、計測が困難となってしまう。本例では、スリット幅2Dは、200nm程度以下で、例えば100〜150nm程度に設定される。なお、スリット122の代わりに、ピンホールを用いて空間像PM’を走査してもよい。ピンホールの場合には方向性はないが、光量が少なくなる。そこで、特に空間像PM’のピッチが大きいような場合に、ピンホールを使用することができる。また、ピンホールを用いる場合には、受光量を多くするために、その直径はスリット幅2Dの2倍程度、即ち400nm程度以下で例えば200〜300nm程度に設定される。
このように空間像計測装置59を用いた空間像計測動作によって、計測用マークPMの空間像(投影像)PM’における光強度分布を計測することができる。その計測された光強度分布の情報は図1の主制御装置50に供給される。その光強度分布の情報には、空間像PM’の横方向の結像位置(横シフト)及び振幅(コントラスト)の情報が含まれているため、主制御装置50(演算装置)は、その情報を用いて奇関数収差及び偶関数収差、ひいては波面収差を求めることができる。更に、その光強度分布情報を用いて、投影光学系PLに対するベストフォーカス位置のキャリブレーションを行うことができるとともに、所定のマーク像のX方向、Y方向の位置も求めることができる。
また、本例では、9次を超える所定次数までのツェルニケ多項式によって表される収差を計測するものとする。このためには、空間像PM’として、後述のように方向及びピッチの異なる種々の周期マークの空間像を計測する必要がある。そのためには、スリット板90にも複数の方向に配列されたスリット(開口パターン)を形成しておく必要がある。
図5は、本例のスリット板90上に形成された開口パターンとしての複数のスリットの配置を示し、この図5において、スリット板90上には、Y方向に伸びるスリット幅2Dで長さLのスリット122bと、このスリット122bを90°回転した形状のX方向に伸びるスリット122aとが形成されている。更に、スリット板90上には、それぞれ幅2Dで長さL1の6個の収差計測用のスリット9A,9B,9C,9D,9E,9Fが形成されている。この場合、スリット9A及び9Dはそれぞれスリット122b及び122aの延長上に配置され、残りの4個のスリット9B,9C,9F,9Eはほぼ正方形の4個の頂点の位置にあり、1組のスリット122b及び9Aと、別の1組のスリット122a及び9Dとはほぼその正方形の隣り合う2辺を構成している。また、その正方形のほぼ中心に直径がほぼ4Dのピンホール123が形成されている。これらのスリット122a,122b,9A〜9F、及びピンホール123を通過した照明光は、図3の光センサ94で受光される。この場合、スリット122a及び9D、スリット122b及び9A、スリット9B、スリット9C、スリット9E、スリット9F、並びにピンホール123を通過した照明光を個別に検出するために、例えばスリット板90の底面にスリット選択部材としての液晶パネルを設けて、選択された1組若しくは一つのスリット、又はピンホールを通過した照明光のみが光センサ94に入射するようにしてもよい。
本例では、各スリット像のスリット幅2Dは100nm程度、スリット122a,122bの長さL2は8μm程度、スリット9A〜9Fの長さL1は3μm程度である。これらのスリット幅及び長さは、投影像の段階での値である。また、スリット122aとスリット9Dとの間隔、及びスリット122bとスリット9Aとの間隔はそれぞれ1〜2μm程度である。この場合、スリット122a及び122bは、ベストフォーカス位置のキャリブレーション及びマーク像の位置計測を行うために使用される。また、スリット122a及び122bを使用する際には、それぞれその延長上にある収差計測用のスリット9D及び9Aも同時に使用される。このようにスリット122a及び122bに対してそれぞれ収差計測用のスリット9D及び9Aを同時に使用することによって、ベストフォーカス位置及び像位置の計測時に十分な光量を確保することができ、計測再現性が向上する。
また、図5の収差計測用のスリット9A,9B,9C,9D,9E,及び9Fの長手方向(配列方向)は、それぞれX軸に対して反時計回りに90°、φ5、φ6、0°、φ7、及びφ8で交差する方向である。この場合、各スリット9A〜9Fは、対応する空間像に対してその長手方向に直交する方向(計測方向)に相対的に走査される。言い換えると、6個のスリット9A,9B,9C,9D,9E,及び9Fの計測方向は、それぞれX軸に対して反時計回りに0°、φ1(=φ5−90°)、φ2(=φ6−90°)、90°、φ3(=φ7+90°)、及びφ4(=φ8+90°)で交差している。一例として、角度φ1は30°、角度φ2は45°、角度φ3は120°、角度φ4は135°である。このように本例のスリット板90を使用することによって、投影光学系PLの収差をオンボディで計測することができる。
なお、計測対象の収差が、後述のようにZ37までの0θ、1θ、cos2θ成分である場合には、図5のスリット板90上の2個のスリット9A,9D、即ち計測方向がX軸に対して0°、90°で交差する2個のスリット(開口パターン)を使用するのみでもよい。
そして、偶関数成分の収差を計測する際にはデフォーカスの収差、ツェルニケ多項式の第4項Z4 、第9項Z9 、第16項Z16などの偶関数成分の1つ又は複数の項の収差量を変化させながら、上記のスリット板90を用いて対象マークの基本周波数成分の振幅を計測しる。このとき、最大振幅を与える偶関数収差量から、波面内の対応する点の偶関数収差量を算出することができる。なお、収差Z4 、Z9 、Z16などは、図2の結像特性補正装置を用いて投影光学系PLの対応するレンズエレメントを移動させることによって制御できる。
一方、奇関数成分の収差を計測する際には空間像強度信号の基本周波数成分の位相を計測し、波面内の対応点の収差量に換算すればよい。
以上の収差計測方法では、奇関数収差と偶関数収差とを個別に検出した。以下では、収差を投影光学系PLの射出瞳(又は瞳面)での位相分布と見なすことによって、奇関数収差と偶関数収差とを統一して計算する方法につき説明する。先ず、その射出瞳上の規格化された動径ρ及び角度θを用いて、位置(ρ,θ)での偶関数収差をH_even(ρ,θ)とする。このとき、一例として、上記の9次のツェルニケ多項式f9(ρ,θ)(=6ρ4−6ρ2+1)によって表される収差Z9 に換算して偶関数収差を計測する方法を用いると、偶数次数のツェルニケ多項式feven(ρ,θ)によって表される偶関数収差H_even(ρ,θ)は次のように表わすことができる。この場合、その収差(位相)を計測する位置は、所定ピッチPmesの周期的マークからの回折光が通過する位置(ρ=ρp ,θ=Ψp)であるとする。偶関数収差量はρ=0の瞳面中心からの相対的収差量である。収差Z9 以外にも制御可能な偶関数収差、例えばデフォーカスなどによって瞳中心と計測点の収差を計測することができる。
H_even(ρp,Ψp)=[feven(ρp,Ψp)−1]λeven-mes
=[f9(ρp,Ψp)−1]λmes=(6ρp 4−6ρp 2)λmes …(18)
ここで、ツェルニケ多項式feven(ρ,θ)は、例えばf16、f25等であり、λeven-mesは、その偶数次数のツェルニケ多項式feven(ρ,θ)によって表される収差の量(係数)である。また、λevenは、そのピッチPの周期的マークの空間像をフーリエ変換した1次成分の振幅またはコントラスト(=1次成分の振幅/0次振幅)が最大になるときの収差Z9 の量である。
(18)式は照明光学系の有効光源が十分に小さくコヒーレント照明と見なせる場合の収差であるが、有効光源の大きさが或る程度大きい場合には、ツェルニケ多項式によって決まる収差(例えばfeven(ρp,Ψp))はその有効光源の面積内の平均値を用いることになる。
一方、射出瞳上の位置(ρ,θ)での奇関数収差をH_odd(ρ,θ)とすると、この奇関数収差は、上記の奇関数収差の計測方法で述べたように、例えば複数のピッチの異なるL&Sパターンの空間像の基本波成分の相対的な位相差Φを計測することによって求めることができる。また、奇関数収差は、基本波成分のパターン設計位置からの位相差Φを計測することによって求めることもできる。この計測を行うにあたって、レチクルのパターン描画誤差が問題になる場合は、製造誤差よりパターン設計位置を補正することが望ましい。また、その位相差Φに対応する空間像の横シフト量をΔとする。このとき、その位相差Φ(横シフト量Δ)及び照明光の波長λを用いると、所定ピッチPmesの周期的マークからの回折光が通過する位置(ρ=ρp ,θ=Ψp)での奇関数収差H_odd(ρp,Ψp)は、次式で表わすことができる。奇関数収差量は、H_odd(ρp,Ψp)=−H_odd(ρp,Ψp+180°)の関係がある。位相差Φは空間像をフーリエ変換して得られる一次成分の設計値からの位相ズレとして求めてもよい。
H_odd(ρp,Ψp)=(Δ/Pmes)λ=[Φ/(2π)]λ …(19)
そして、投影光学系PLの射出瞳上の位置(ρp ,Ψp)での位相分布である波面収差H(ρp,Ψp)は、次のように(18)式の偶関数収差、(19)式の奇関数収差、及びオンボディでは計測しない高次収差よりなるオフセットH_off(ρp,Ψp)の総和である。なお、オフセットH_off(ρp,Ψp)は、例えば予め計算によって求められており、その情報は図1のメモリ51内に記憶されている。
H(ρp,Ψp)=H_even(ρp,Ψp)+H_odd(ρp,Ψp
+H_off(ρp,Ψp) …(20)
次に、(20)式の投影光学系PLの射出瞳(又は瞳面)上の波面収差H(ρp,Ψp)を、(1)式のようにn次(nは9より大きい整数)までのツェルニケ多項式fj(ρp,Ψp)(j=1〜n)とその係数Zj との積の和で表わすものとする。即ち、ツェルニケ多項式を用いて、波面収差H(ρp,Ψp)の関数フィッティングを行う。投影光学系PLの波面収差の関数フィッティングは、通常は37次までのツェルニケ多項式を用いて行われる。この場合、実際の投影光学系PLの波面収差は、16次以上のツェルニケ多項式で表される高次の収差成分を含むが、17次以上の成分は実質的に経時変化が生じないので、投影光学系PLの17次以上のツェルニケ多項式で表される収差に依る位相分布は予め計算で求めておき、本例の投影露光装置の固有のオフセットH_off(ρp,Ψp)として記憶しておいてもよい。
また、波面収差H(ρp,Ψp)を、n次までのツェルニケ多項式fj(ρp,Ψp)(j=1〜n)を用いて関数フィッティングを行う場合、投影光学系PLの射出瞳(又は瞳面)上のm箇所(mはほぼn又はそれよりも大きい整数)の位置(ρk,Ψk)(k=1〜m)上の計測点で(18)式の偶関数収差及び(19)式の奇関数収差を計測し、その計測値と上記のように予め記憶してあるオフセットH_off(ρk,Ψk)とを加算した結果を波面収差H(ρk,Ψk)とすればよい。このm個の波面収差H(ρk,Ψk)が、本発明の投影光学系の瞳面上での位相情報に対応する。なお、以下では位置(ρk,Ψk)上の計測点を計測点(ρk,Ψk)と呼ぶ。このとき、例えば参考文献("Adaptive optics and optical structures", SPIE, Vol. 1271, p. 80-86 (1990))より、計測点(ρk,Ψk)でのj次のツェルニケ多項式の値fj(ρk,Ψk)(j=1〜n)と、その係数aj (係数Zj に対応する未知数)と、計測誤差εk とを用いると、波面収差H(ρk,Ψk)は次のように表わすことができる。計測誤差εk は、例えば図3の計測用マークPMの描画誤差、ウエハステージWSTのX座標、Y座標の計測誤差、及びスリット板90のフォーカス位置の計測誤差等に基づいて予め求められている位相誤差である。
Figure 0004753009
ここで、計測値である波面収差H(ρk,Ψk)(k=1〜m)を元とするm次元ベクトルをH、表1から計算できるj次のツェルニケ多項式の値fj(ρk,Ψk)(j=1〜n;k=1〜m)を元とするm行×n列の行列をD、未知数である係数aj を元とする未知のn次元ベクトルをA、計測誤差εk を元とするm次元ベクトルをεとすると、(21)式は次の(22)式となる。
H=DA+ε …(22)
図1の主制御装置50は、(22)式を解いてベクトルAのn個の元(係数aj)を求める。これらの係数aj が、投影光学系PLの波面収差をn次までのツェルニケ多項式で表した場合のj次(j=1〜n)のツェルニケ多項式fjの係数となる。これによって、投影光学系PLの波面収差が求められたことになる。
実際に(22)式を解くには、行列Dの転置行列をDT 、ベクトル(H−ε)をGとおくことによって、(22)式を次のように変形する。
(DTD)A=DTG …(23)
そして、この式の両辺にn行×n列の行列(DTD)の逆行列(DTD)-1を乗じることによって、ベクトルAは次のように求めることができる。
A=(DTD)-1TG …(24)
従って、ベクトルAが解けるための条件は、逆行列(DTD)-1が存在することである。原則として、m=nであれば、ベクトルAは(24)式から一意的に求めることができる。一方、m>nのときは、(22)式は過剰決定体系(overdetermined sysytem)となり、ベクトルAは最小二乗法によって解くことが出来る。(22)式に最小二乗法を適用するためには、ベクトル(H−DA−ε)と、この転置ベクトルとの内積が最小になるようにベクトルAの各元を定めればよい。
なお、収差量の計測再現性を良くするためには条件数(condition number)が小さいほど良い。条件数の最小値は1である。条件数は、次のように行列Dの最大の特異値を最小の特異値で割った結果の平方根であり、その条件数は「Cond(D)」 と表される場合もある。
条件数=(行列Dの最大の特異値/行列Dの最小の特異値)1/2 …(24D)
このようにして任意のn次までのツェルニケ多項式で表される波面収差を求めることができる(波面収差の変動量の計測工程)。
その後、求められたn次までのツェルニケ多項式で表される収差の変動量を相殺するように、主制御装置50は、図2の結像特性補正コントローラ78を含む結像特性補正装置を介して投影光学系PLの収差を補正する(結像特性の補正工程)。
本例では、このように計測されたツェルニケ多項式の各項の係数を各計測時点においてそれぞれ最小にするように、投影光学系PLの制御対象のレンズエレメントの位置を照射量に応じて変化させるように制御する。実際には最小2乗法によって各係数の2乗の合計が最小になるように、制御対象のレンズエレメントが制御される。この際、特定の係数だけ小さくするように重み付けを行うことも可能であり、特定の収差だけを最小にすることも可能である。
具体的に、投影光学系PLの制御対象のレンズエレメントの駆動自由度をmとして、各駆動自由度の駆動量をDi(i=1〜m)とすると、自由度は1枚のレンズエレメントにつき上下シフト、X軸の周りのチルト、及びY軸の周りのチルトの3自由度がある。また、それらのレンズエレメントの駆動によって制御できる波面収差をn個のツェルニケ多項式の係数Zj(j=1〜n)であるとして、係数Zj の駆動量Diによる感度を、係数Zj の駆動量Diによる偏微分で表すと、係数Zj は次のようになる。
Figure 0004753009
この式は、感度行列をK、係数Zj のベクトルをZ、駆動量DiのベクトルをDとすると、次のようになる。
Z=K・D …(26)
例えば、投影光学系PLに照射される照明光の熱によって発生した各ツェルニケ多項式の係数Zj を打ち消すようにレンズ駆動を行うためには、上記の計測工程で計測された収差量を(25)式に代入し、感度行列Kの逆行列を両辺に乗ずることにより収差補正に必要なレンズエレメントの駆動量Diを求める。なお、m>nのとき、感度行列Kの逆行列は最小2乗法を用いて求めることになる。
最小2乗法では誤差の分散の合計が最小になるように近似される。特定の収差のみを最小の誤差に追い込みたい場合、たとえば収差Z9 をなるべくゼロに追い込みたい場合、他の補正する必要の無い収差の計測量に対して0〜1までの重み付けを行えばよい。このようにして求められた露光量に応じた投影光学系PLのレンズエレメントの駆動量Diを以下では単に「制御パラメータ」と呼ぶ。露光量に応じたレンズエレメントの駆動量は収差計測データの数だけ離散的に求められるが、これを対数近似、多項式近似などで露光量に対する近似関数に置き換えて使用しても良い。また、データの間を補間しても良い。
その後、求められた駆動量Di(i=1〜m)で投影光学系PLの制御対象のレンズエレメントを駆動することで、係数Zj(j=1〜n)の波面収差が補正される。その後、補正後の投影光学系PLを介してレチクルRのパターンをウエハW上に露光する(露光工程)ことによって、レチクルRのパターンを高精度に転写できる。
以上の説明は、照明光学系の有効光源が十分に小さくコヒーレント照明と見なせる場合に適用できるが、有効光源の大きさが或る程度大きい場合は、(21)式中のツェルニケ多項式によって決まる値fj(ρk,Ψk)は、その有効光源の面積内の平均値を用いればよい。
次に、(21)式又は(23)式に実際に解が存在して、図1の投影光学系PLの波面収差をn次までのツェルニケ多項式で表される収差に分けて求めることができる場合について説明する。この場合、(21)式において、投影光学系PLの射出瞳(又は瞳面)上で位相情報を計測する計測点(ρk,Ψk)(k=1〜m)の個数mは、n以上にする必要がある。以下では、説明の便宜上、その計測点(ρk,Ψk)は、投影光学系PLの瞳面上の規格化された座標(以下、「規格化瞳座標」と言う)上に設定されているものとする。本発明者は、その規格化瞳座標上で光軸AXを中心とする所定の複数の方向に沿って配置されたm個(m≧n)の位置(ρk,Ψk)に計測点(サンプリングポイント)を設定し、コンピュータのシミュレーションによって(21)式が解けるかどうかを確かめた。即ち、その各計測点(ρk,Ψk)におけるj次のツェルニケ多項式の値fj(ρk,Ψk)(j=1〜n;k=1〜m)を元とするm行×n列の行列をDとして、その転置行列をDT とした場合、n行×n列の行列(DTD)の逆行列(DTD)-1が存在するかどうかを確かめた。その逆行列が存在して(21)式が解ける場合には、(21)式の波面収差H(ρk,Ψk)(k=1〜m)として実際の計測値を代入することによって、n次までのツェルニケ多項式で表される収差の係数aj を求めることができる。
図6は、本例の投影光学系PL(図1参照)の規格化瞳座標(X,Y)上での位相情報の計測点の配置の一例を示し、この図6において、規格化瞳座標(X,Y)の原点は投影光学系PLの光軸AXであるとする。また、図6の複数の計測点は、X軸に対して反時計周りに0°の方向D1、30°の方向D2、45°の方向D3、90°の方向D4、120°の方向D5、及び135°の方向D6よりなる6個の方向に沿って配置されている。この場合も、各方向D1〜D6において、複数の計測点はそれぞれ中心に関して対称に配置されている。また、方向D1、D3、D4、及びD6については、計測点の対称中心から半径方向のオフセットがrofで、間隔がrrとなるように計測点SP1が設定され、方向D2及びD5については、その対称中心から半径方向のオフセットがrof2で、間隔がrr2となるように計測点SP2が設定されている。さらに、全体の計測点の配置が光軸AXに対してX方向及びY方向にオフセットXof及びYofを持つ場合も想定されている。このようなオフセット(Xof,Yof)を与えるためには、計測マークを照明する際の照明光の主光線をX方向、Y方向に対応する角度だけ傾斜させればよい。
以下の説明では、原則として図6の全体の配置のオフセット(Xof,Yof)、方向別のオフセットrof,rof2、及び方向別の間隔rr,rr2を用いて、規格化瞳座標上での計測点の配置を示すものとする。
先ず、図7(A)及び(B)は具体的な計測点の配置を示し、図7(A)の配置では、(Xof,Yof)=(0,0)、rr=0.166、rof=0.1、rr2=0.046、rof2=0.7と設定されている。この場合、図6の方向D3及びD6の計測点はなく、方向D2及びD5の計測点SP2はそれぞれ方向D1(0°)及び方向D4(90°)の計測点SP1に重なって設定されている。
実際に図7(A)のような配置の複数の計測点に垂直入射で回折光を生じる計測マークは、表2に示すように2方向にそれぞれ12種類(ファインマークが6種類及びコースマークが6種類)のピッチを持つ複数のライン・アンド・スペースパターン(以下、「L&Sパターン」と言う。)である。表2において、(A)は0°、90°の方向の6個の計測点に1次回折光を発生する6個のL&Sパターン(ピッチが大きく変化するコースマーク)を示し、(B)は0°、90°の方向の6個の計測点に1次回折光を発生する6個のL&Sパターン(全体としてピッチが近接して小さいファインマーク)を示している。また、表2において、最上段の数字0〜5は、中心から半径方向に向かう計測点の順序、ひいてはその計測点に1次回折光を生じるL&Sパターンの順序を示し、Normは対応する計測点の規格化瞳座標上での半径方向の位置を示し、NA_equはその半径Normに投影光学系PLの開口数(ここでは0.92)を乗じた値を示し、L/Sは対応するL&Sパターンのピッチの1/2の値(nm)を示している。なお、露光波長を193nmとしている。
Figure 0004753009
図7(A)のように、直交する2方向に12個の計測点を設けた場合には、Z37までのツェルニケ多項式で表される波面収差のうちの0θ,1θ,cos2θ成分が計測可能である。この配置の計測マークに対する照明をコヒーレント照明(照明サイズは規格化瞳上で0.05とした)としたコンピュータによるシミュレーションの結果、(24D)式の条件数Cond(D) は5.649と10以下になり、計測再現性が良好である。
また、図7(B)の計測点は、図7(A)の計測点のうちの2方向の6種類のコースマークで設定される計測点のみに対応している。この図7(B)のように、直交する2方向に6個の計測点を設けた場合でも、Z16までの0θ,1θ,cos2θ成分が計測可能である。この配置の計測マークに対する照明をコヒーレント照明としたコンピュータによるシミュレーションの結果、(24D)式の条件数Cond(D) は2.228と非常に小さくなった。コースマークは、縦横の6種類のL&Sパターンであるため、これを図5のスリット9A及び9Dで一括して走査することで、短時間に収差計測を行うことができる。
次に、図8の配置では、(Xof,Yof)=(0,0)、rr=0.166、rof=0.1、rr2=0.036、rof2=0.75、σ値の最大値rmax=0.932と設定されている。この場合には、30°方向及び120°方向の計測点SP2は、表2のファインマークによって設定され、それ以外の0°、45°、90°、135°の方向の計測点SP1は、表2のコースマークによって設定される。このように6方向にそれぞれ6種類のL&Sパターンで設定されるとともに、2方向で投影光学系PLの瞳の外周から半径方向の50%以内に複数の計測点が設定されるような配置を用いることで、Z37までの全部の収差を計測できる。この配置の計測マークに対する照明をコヒーレント照明としたコンピュータによるシミュレーションの結果、(24D)式の条件数Cond(D) は5.727と10以下になった。
なお、2θ以下のツェルニケ多項式の各項の内訳は以下のようになる。
低次コマ:Z7 ,Z8 (1θ)
高次コマ:Z14,Z15,Z23,Z24,Z34,Z35(1θ)
低次アス:Z5 (cos2θ),Z6 (sin2θ)
低次球面:Z4 ,Z9 (0θ)
高次球面:Z16,Z25,Z36,Z37(0θ)
ディストーション:Z2 ,Z3 (1θ)
次に、図6の投影光学系PLの規格化瞳座標上の全部の計測点SP1,SP2の位相情報を計測するためには、図3のレチクルマーク板RFM上に、それらの全部の計測点を通過するような回折光を発生する計測用パターンを形成しておけばよい。なお、図6の6方向の計測点を設定することができれば、図7(A)及び図7(B)の2方向の計測点は容易に設定できる。図9は、図6の6個の方向に沿って配列された計測点を通過する回折光を発生するための計測用パターンの一例を示している。
図9において、レチクルマーク板RFMの付属マーク領域61には、ベストフォーカス位置計測用のX軸のマーク62X及びY軸のマーク62Y(フォーカス用マーク)と、投影像の位置計測用のX軸のマーク63X及びY軸のマーク63Y(像位置用マーク)とが形成されている。付属マーク領域61の大きさは、投影光学系PLによる投影像で表わすとほぼ60μm角であり、マーク62X,62Y,63X,63Yの配置は投影像の状態での配置を表している。また、X軸のマーク62X及び63Xの投影像は図5のスリット122b及び9Aで走査することで検出でき、Y軸のマーク62Y及び63Yの投影像は図5のスリット122a及び9Dで走査することで検出できる。
また、レチクルマーク板RFMの付属マーク領域61に近接した領域に、X方向に次第に小さくなるピッチで形成されてデューティ比が1:1の5個のL&Sパターン(ラインアンドスペースパターン)2A,2B,2C,2D,2Eを含む第1の周期マーク1Aが形成され、この周期マーク1Aの−X方向側にX方向に次第に小さくなるピッチで形成されてデューティ比が1:1の6個のL&Sパターン6A,6B,6C,6D,6E,6Fを含む第1の周期マーク5Aが形成されている。即ち、周期マーク1A及び5A(周期的マーク)の周期方向はX方向であり、周期マーク1A及び5Aは、X軸に平行に配列されている。
周期マーク1Aの上方に、それぞれ周期マーク1A及び5Aを反時計回りに角度φ1だけ回転した形状(但し、その中のL&Sパターンのピッチは異なっている)の第2の周期マーク1B及び5Bが平行に形成され、周期マーク1Aの下方に、それぞれ周期マーク1A及び5Aを反時計回りに角度φ2だけ回転した形状の第3の周期マーク1C及び5Cが平行に形成されている。また、周期マーク1A及び5Aの間に、Y軸に平行にそれぞれ周期マーク1A及び5Aを時計回りに90°だけ回転した形状の第4の周期マーク1D及び5Dが平行に形成されている。更に、周期マーク5Aの上方に、それぞれ周期マーク1A及び5Aを反時計回りに角度φ3だけ回転した形状(但し、その中のL&Sパターンのピッチは異なっている)の第5の周期マーク1E及び5Eが平行に形成され、周期マーク5Aの下方に、それぞれ周期マーク1A及び5Aを反時計回りに角度φ4だけ回転した形状の第6の周期マーク1F及び5Fが平行に形成されている。本例の角度φ1、φ2、φ3、及びφ4は、それぞれ図6中の対応する角度と同じく30°、45°、120°、及び135°である。周期マーク5A,5C,5D,5F中のL&Sパターンは図6の粗い計測点SP1を設定するためのピッチを持ち、周期マーク5B,5Eは図6の密な計測点SP2を設定するためのピッチを持っている。また、周期マーク1A〜1Fは、6方向でそれぞれ片側に5個の計測点を設定するためのマークである。
図9のレチクルマーク板RFMにおいて、周期マーク1A,1B,1C,1D,1E,1Fを+Y方向に平行移動した位置にそれぞれ周期マーク3A,3B,3C,3D,3E,3Fが形成され、周期マーク5A,5B,5C,5D,5E,5Fを+Y方向に平行移動した位置にそれぞれ周期マーク7A,7B,7C,7D,7E,7Fが形成されている。そして、周期マーク3A〜3Fの周期方向は周期マーク1A〜1Fの周期方向と平行であり、周期マーク3A〜3F内には周期方向に対して次第に小さくなるピッチでデューティ比が1:1の5個のL&Sパターン4A,4B,4C,4D,4Eが形成されている。また、周期マーク7A〜7Fの周期方向は周期マーク5A〜5Fの周期方向と平行であり、周期マーク7A〜7F内には周期方向に対して次第に小さくなるピッチでデューティ比が1:1の6個のL&Sパターン8A,8B,8C,8D,8E,8Fが形成されている。
図9中のそれぞれ6個の周期マーク1A〜1F、5A〜5F、3A〜3F、及び7A〜7Fの周期方向は、それぞれ図6の投影光学系PLの規格化瞳座標上の計測点SP1,SP2が配列された方向D1〜D6に平行である。また、周期マーク1A〜1F及び3A〜3Fはそれぞれ5個のL&Sパターン2A〜2E及び4A〜4Eを含んでいる。従って、図3の照明光ILで図9の計測用パターンを照明すると、周期マーク1A,1B,1C,1D,1E,1F、及び周期マーク3A,3B,3C,3D,3E,3Fからの±1次回折光は、それぞれ図6の規格化瞳座標上の6個の方向D1,D2,D3,D4,D5,D6に沿って配列された10個(片側で5個)の位置を通過する。そのため、それらの±1次回折光が通過する位置が計測点となる。
一方、図9の周期マーク5A〜5F及び7A〜7Fはそれぞれ6個のL&Sパターン6A〜6F及び8A〜8Fを含んでいるため、周期マーク5A〜5F及び7A〜7Fからの±1次回折光は、それぞれ図6の規格化瞳座標上の方向D1〜D6に沿って配列された12個(片側で6個)の位置を通過する。そして、それらの±1次回折光が通過する位置が計測点となる。従って、周期マーク5A〜5F又は7A〜7Fを用いて位相情報を計測する場合には、より高次のツェルニケ多項式によって表される収差の情報を求めることができる。
また、図9において、−Y方向側の周期マーク1A〜1F内のL&Sパターン2A〜2E及び周期マーク5A〜5F内のL&Sパターン6A〜6Fの最小ピッチは、+Y方向側の周期マーク3A〜3F内のL&Sパターン4A〜4E及び周期マーク7A〜7F内のL&Sパターン8A〜8Fの最小ピッチよりも小さく設定されている。この場合、よりピッチの小さい周期マークからの回折光ほど投影光学系PLの瞳面において外側の領域を通過するため、投影光学系PLの収差計測時には、−Y方向側の周期マーク1A〜1F及び5A〜5Fと、+Y方向側の周期マーク3A〜3F及び7A〜7Fとのうちで、その最小ピッチが転写対象のレチクルのパターンの最小ピッチにより近い方の周期マークを用いるようにしてもよい。これによって、実際の露光対象のレチクルのパターンを投影光学系PLを介して転写する際の収差に近い収差を計測できる。なお、6個の周期マークを全て使って、各々の設計位置からの位相ズレ量を計測する場合には、周期マークの描画誤差が問題になる可能性がある。この場合には、レチクル寸法測定装置で位相ズレ量を計測しておき、設計位置を補正することが望ましい。
次に、図9のレチクルマーク板RFM上の周期マーク1A〜1F及び5A〜5F(又は周期マーク3A〜3F及び7A〜7F)から発生して、図6の投影光学系PLの規格化瞳座標上で6個の方向D1〜D6に沿って配列された複数の計測点SPを通過した回折光の位相情報を計測するためには、周期マーク1A〜1F及び5A〜5F(又は周期マーク3A〜3F及び7A〜7F)の空間像と図3のスリット板90上の所定のスリット(開口パターン)とをそれぞれ周期方向に走査して、図3の空間像計測装置59によってそれらの空間像の光強度分布情報を求めればよい。そして、その光強度分布情報から上記の(18)式の偶関数収差及び(19)式の奇関数収差を求めることで、(20)式の波面収差H(ρp,Ψp)を求めることができる。この波面収差H(ρp,Ψp)(p=k)を(21)式に代入することで、n次までのツェルニケ多項式によって表される収差を求めることができる。
そのための図3のスリット板90上のスリットとしては、上述の図5の6個の収差計測用のスリット9A、スリット9B、スリット9C、スリット9D、スリット9E、及びスリット9Fを使用できる。この場合、6個のスリット9A,9B,9C,9D,9E及び9Fの計測方向(空間像に対する相対走査方向)は、それぞれX軸に対して反時計回りに0°、30°、45°、90°、120°及び135°で交差しているため、これらのスリット9A〜9Fを用いて図6の6個の方向D1〜D6に沿って配列された計測点を通過する回折光を検出することができる。
次に、本例の投影光学系PLの波面収差の計測及び補正動作の一例につき、図10のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップ101において、オペレータは図1の主制御装置50に対して、露光条件を設定するための種々のパラメータを入力する。パラメータの一例は、照明条件(通常照明、ダイポール照明(2極照明)、4極照明又は輪帯照明等の選択、照明光の偏光条件、及び輪帯照明時の輪帯の形状等)、露光対象のレチクル(品番、種類(位相シフト等)、及び分類(デバイスの種類等)等)、補正対象の収差の重み付け(Z9 ,Z16,…のどれを重点的に補正するか等)、収差補正対象の線幅の重み付け(どの線幅のパターンに対する収差補正を目標にするか等)、及び諸収差(コマ収差、倍率、非点収差、球面収差等)に対する補正時の重み付けである。
次のステップ102において、主制御装置50の制御のもとで、図1の実露光用のレチクルRを用いての投影光学系PLに対する照明光ILの照射(第1工程)、図9のレチクルマーク板RFMを用いての投影光学系PLの波面収差の計測(第2工程)、及び制御パラメータの最適化を行う。
具体的に、図1において照明光ILの照射領域に実露光用のレチクルRを移動して、照明光学系12の照明条件をステップ101で設定された条件に設定して、レチクルRを介して投影光学系PLに照明光ILを照射する。投影光学系PLの照明光ILの照射による収差変動は通常2時間程度で飽和する。従って、その間に適当な間隔で、図9のレチクルマーク板RFMの計測用パターンを実露光用のレチクルRに代えて照明光ILの照射領域に移動して投影光学系を介して計測用パターンの空間像計測を行い、例えば(21)式を解いて投影光学系PLの波面収差をn次までのツェルニケ多項式の係数で求める。この波面収差の計測時には、図1の照明系開口絞り板24を用いて、照明光ILのσ値を例えば0.068〜0.044程度の極小輪帯照明か、又は極小σ値に切り替えて、図5のスリット板90中の所定スリットの走査による空間像の位相及び振幅の計測を行い、この計測結果を用いてツェルニケ多項式の係数を求める。レチクルマーク板RFMの照明領域への移動、照明σの変更は、投影光学系PLが冷えないように最短の時間内で完了させる必要がある。
また、投影光学系PLヘの照明光ILの照射によって変化する収差はダイポール照明(2極照明)を考慮すると、非点収差(cos2θ成分)の変化も考慮した方が良い。通常はデフォーカス、球面収差などの0θ成分とディストーションなどの1θ成分であるので、cos2θ成分までの計測(ツェルニケ多項式の係数の分離)を行えれば十分である。この場合の収差は縦横(0°、90°)の計測用マークで計測可能である。さらに、低次の収差のみの計測に限定すれば、計測用マークの種類を少なくすることができる。計測用マークの種類を少なくできれば短時間に計測が行えるようになるので、投影光学系PLのヒート状態が変化しないうちに(冷えてしまわないうちに)収差計測が行える。従って、計測用マークの種類を最少限度にすることが非常に重要である。
図11は、そのようにして求められた波面収差としてのZ4 の変化の一例を示し、この図11において、横軸は図1の投影光学系PLに対する照明光の照射量、縦軸はZ4 の変化を示している。また、一定時間間隔ごとの一連の点P4において、それぞれ図9のレチクルマーク板RFMの計測用パターンを用いてZ4 が計測されており、一連の点P4の間の区間では、図1の実露光用のレチクルRを通して投影光学系PLに照明光ILが照射されている。また、それらの点P4を通る曲線C4は、照射量に対するZ4 の変化を連続的に表している。
同様に、図12は、そのようにして求められた波面収差としてのZ9 の変化の一例を示している。同様に、所定の次数nまでの全てのツェルニケ多項式の係数Zi の変化が、照射量(Eとする)の関数FZi(E)(i=1〜n)として求められる。その関数FZi(E)は、所定次数までの関数でもよいが、一連の計測データを結ぶ折れ線でもよい。その関数FZi(E)の情報が図1のメモリ51に記憶される。
その後、図1の主制御装置50では、その関数FZi(E)で表される係数Zi の収差を補正するための、図2の結像特性補正装置による投影光学系PLの制御対象のレンズエレメントの駆動量を(25)式から求める。その駆動量も照明光の照射量Eの関数として求めることができる。このようにして求められたレンズエレメントの駆動量を設定する関数を、最適化された自動制御パラメータとみなすことができる。
図10の次のステップ103においては、その最適化された自動制御パラメータが、入力パラメータのデータに対応して図1のメモリ51に記憶される。従って、その後でレチクルRと同じレチクルを用いて、かつ同じ照明条件等で露光を行う場合には、投影光学系PLに対する照明光の照射量Eに応じて、記憶されている関数(自動制御パラメータ)に基づいて図2の結像特性補正装置によって投影光学系PLの収差を補正することによって、常に最適な結像条件で露光を行うことができる。
なお、収差計測はもともと複数の計測用マークのベストフォーカス位置、及び像シフトの計測結果を用いているので、ツェルニケ多項式でフィッティングせずに特定ピッチのマークのフォーカス変動及び倍率変動を最小限にするように、投影光学系PLのレンズエレメントを制御することも可能である。もちろん、ツェルニケ多項式にフィッティングしてから、特定ピッチのマークのフォーカス変動、倍率変動をシミュレーションし、これを最小限にするようにレンズエレメントを制御することも可能である。
本例のように、実露光用のレチクルを用いた際に生ずる投影光学系の熱変化を考慮したうえで収差計測を行うことができるので、飛躍的に収差補正制御精度を向上させることが可能である。これはユーザの半導体デバイス等を製造するためのレチクルを用いることにより、投影光学系に対して実際の使用状態の回折光分布のもとで、投影光学系の収差発生量を再現できるからである。
そのため、収差変動の計測はエンドユーザにて可能である。この目的を達成するために、本例では図10のフローチャートで示すように、全自動で投影光学系PLの加熱、収差計測、収差補正制御パラメータの取得が行えるソフトウェアを図1の主制御装置50内に格納してある。取得した収差補正制御パラメータは使用レチクル、照明条件、ツェルニケ多項式の係数の重み付けなどによって変わってくるので、これらと関連付けされた制御パラメータファイルとしてメモリ51内に記憶され、適宜利用可能な状態にされている。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態につき説明する。本例の投影露光装置の構成は図1〜図3の第1の実施形態とほぼ同じである。そして、本例においても、図10のステップ102と同様に、照射量に応じた投影光学系PLの収差変動量を求めるために、実露光用のレチクルRを用いて調整対象の照明条件で投影光学系PLを加熱する。但し、本例ではその加熱の間の収差計測時には、波面収差のn次のツェルニケ多項式の係数への分離は行わず、図9のレチクルマーク板RFM内の特定の評価用マークを用いて、ベストフォーカス位置及び倍率の照射量に対する変化量を計測する。この収差計測時の照明条件は、調整対象の条件をそのまま用い、小σ照明への切り替えは行わない。この例でも実露光用のレチクルを用いて投影光学系PLに照明光を照射することにより、飛躍的に収差補正制御精度を向上させることが可能である。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態につき説明する。本例の投影露光装置の構成は基本的に図1〜図3の第1の実施形態と同じである。但し、本例では、図3の空間像計測装置59において、空間像を走査するスリットを2対設け、対応する光電変換素子も2対として、複数の像高で同時に収差計測が行えるように構成した。これにより、投影光学系PLの収差の計測時間をほぼ半減させることが可能である。もちろん、2対以上にしても構成可能であり、この場合さらなる計測時間の短縮が可能である。
なお、投影光学系PLのレンズエレメントの駆動自由度は、大気圧及び露光ビームの波長による収差変動をも補正するように設定してもよい。また、投影光学系PLの収差に対する外乱要因は、露光量以外に大気圧変化も含めてもよい。これによって、大気圧変化に起因する収差も補正が可能である。但し、この場合、0θ成分のみの計測及び補正でよい。また、投影光学系PLの結像特性以外に、露光光の波長を変更して投影光学系の光学特性を補正するようにしてもよい。
なお、上記各実施形態では、投影光学系として縮小系を用いる場合について説明したが、これに限らず、投影光学系として等倍あるいは拡大系を用いても良いし、投影光学系は屈折系、反射屈折系、又は反射系のいずれであっても良い。
また、例えば半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいてレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の投影露光装置(露光装置)によりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、及び検査ステップ等を経て製造される。
また、上記各実施形態では、本発明が走査露光型の投影露光装置に適用された場合について説明したが、これに限らず、マスクとウエハとを静止した状態でマスクのパターンをウエハに転写するステッパー等の静止露光型(一括露光型)の投影露光装置にも本発明を適用することができる。また、本発明は、例えば国際公開第99/49504号パンフレットに開示されている液浸型露光装置で投影光学系の収差を計測する場合にも適用することができる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得ることは勿論である。
本発明の露光方法及び装置によれば、できるだけ実際の使用条件に合わせた条件で、露光ビームの照射による投影光学系の波面収差の変化量を計測できるとともに、計測される波面収差の変動量に基づいて、投影光学系の結像特性を補正できるため、目的に応じて実質的に種々の組み合わせの収差を補正できる。従って、デバイスパターンをより高精度に基板上に転写することができる。
本発明の第1の実施形態の投影露光装置の概略構成を示す一部を切り欠いた図である。 図1の投影光学系PLの結像特性補正装置及びウエハステージWSTのZチルトステージを示す一部を切り欠いた図である。 図1の投影露光装置に備えられた空間像計測装置の内部構成を示す図である。 (A)は、図3のスリット板90上のスリットの一例を示す図、(B)は、空間像計測の際に得られる光電変換信号の一例を示す図である。 図3のスリット板90上の実際のスリットの配置を示す拡大平面図である。 本発明の第1の実施形態における位相情報の計測点の配置の一例を示す図である。 第1の実施形態における位相情報の計測点の配置の2つの例を示す図である。 第1の実施形態における位相情報の計測点の配置の他の例を示す図である。 図3のレチクルマーク板RFMのパターン面の計測用パターンの一例を示す拡大平面図である。 第1の実施形態における投影光学系PLの収差変動の計測動作の一例を示すフローチャートである。 投影光学系の収差Z4 の照射量による変動の一例を示す図である。 投影光学系の収差Z9 の照射量による変動の一例を示す図である。
符号の説明
9A〜9F…スリット、1A〜1F,3A〜3F,5A〜5F,7A〜7F…周期マーク、2A〜2E,4A〜4E,6A〜6F,8A〜8F…L&Sパターン、12…照明光学系、14…光源、50…主制御装置、51…メモリ、59…空間像計測装置、78…結像特性補正コントローラ、80…信号処理装置、90…スリット板、123…ピンホール、SP1,SP2…計測点、PL…投影光学系、AS…可変開口絞り、R…レチクル、RST…レチクルステージ、RFM…レチクルマーク板、W…ウエハ、WST…ウエハステージ

Claims (8)

  1. 投影光学系の収差を計測する計測方法において、
    露光ビームで転写用パターンの形成されたマスクを介して前記投影光学系を照射する第1工程と、
    前記第1工程の後、同一方向に配列され互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第1のマーク群と、同一方向に配列され前記第1のマーク群のピッチ間隔よりも小さいピッチ間隔でかつ互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第2のマーク群とを含む計測用パターンの像を前記投影光学系を介して投影し、該投影される像に基づいて前記転写用パターンを介した前記露光ビームの照射による前記投影光学系の波面収差の変動量を計測する第2工程とを有することを特徴とする計測方法。
  2. 前記計測用パターンにおいて、前記第1のマーク群は異なる2方向のうち少なくとも一方の方向に配列され、前記第2のマーク群は前記異なる2方向のうち少なくとも他方の方向に配列され、
    前記第1及び第2のマーク群は、それぞれ少なくとも6種類のピッチのマークを含むことを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  3. 前記計測用パターンにおいて、前記第1のマーク群は異なる6方向のうち少なくとも一方の方向に配列され、前記第2のマーク群は前記異なる6方向のうち少なくとも前記一方の方向とは異なる方向に配列され、
    前記第1及び第2のマーク群は、それぞれ少なくとも6種類のピッチのマークを含むことを特徴とする請求項1に記載の計測方法。
  4. 露光ビームで第1物体及び投影光学系を介して第2物体を露光する露光方法において、
    前記露光ビームで、少なくとも異なる2方向のうち一方の方向に配列され互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第1のマーク群と、前記少なくとも異なる2方向のうち他方の方向に配列され前記第1のマーク群のピッチ間隔よりも小さいピッチ間隔でかつ互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第2のマーク群とを含む計測用パターンを照明し、前記計測用パターンの前記投影光学系による像に基づいて、前記露光ビームの照射による、前記投影光学系の波面収差の変動量を計測する計測工程と、
    前記計測工程で計測される波面収差の変動量に基づいて、前記投影光学系の光学特性を補正する補正工程とを有することを特徴とする露光方法。
  5. 前記第1のマーク群及び前記第2のマーク群はそれぞれ前記異なる2方向に配列され、
    前記第1のマーク群及び前記第2のマーク群は、それぞれ少なくとも6種類のピッチのマークを含むことを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  6. 前記第1のマーク群は異なる6方向のうち少なくとも一方の方向に配列され、前記第2のマーク群は前記異なる6方向のうち少なくとも前記一方の方向とは異なる方向に配列され、
    前記第1及び第2のマーク群は、それぞれ少なくとも6種類のピッチのマークを含むことを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
  7. 露光ビームで第1物体及び投影光学系を介して第2物体を露光する露光装置において、
    少なくとも異なる2方向のうち一方の方向に配列され互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第1のマーク群と、前記少なくとも異なる2方向のうち他方の方向に配列され前記第1のマーク群のピッチ間隔よりも小さいピッチ間隔でかつ互いに異なるピッチを持つ複数のマークよりなる第2のマーク群とを含む計測用パターンが形成された基準部材と、
    前記露光ビームの前記投影光学系に対する照射量を計測する照射量計測系と、
    前記計測用パターンの前記投影光学系による像に基づいて、前記露光ビームによる前記投影光学系による波面収差の変動量を求める演算装置と、
    前記演算装置によって求められる波面収差の変動量に基づいて、前記投影光学系の光学特性を補正する結像特性補正装置と
    を有することを特徴とする露光装置。
  8. 前記第1のマーク群は異なる6方向のうち少なくとも一方の方向に配列され、前記第2のマーク群は前記異なる6方向のうち少なくとも前記一方の方向とは異なる方向に配列され、
    前記第1及び第2のマーク群は、それぞれ少なくとも6種類のピッチのマークを含むことを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
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