以下、本発明にかかる調湿装置及びそれを備えた空気調和システムの実施形態について、図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態にかかる調湿装置7及びそれを備えた空気調和システム1について説明する。本実施形態の空気調和システム1は、湿度及び温度調節した空調空気SA2を室内へ供給するものである。
(1)空気調和システムの全体構成
まず、本実施形態の空気調和システム1の全体構成について、図1を用いて説明する。ここで、図1は、空気調和システム1の冷媒回路10を示す概略冷媒回路図である。
空気調和システム1は、主として、熱源ユニット2と、利用ユニット3と、熱源ユニット2と利用ユニット3とを接続する冷媒連絡配管5、6とを備えている。また、空気調和システム1には、調湿装置7が接続されている。ここでは、1台の熱源ユニット2に対して、利用ユニット3と調湿装置7を1台ずつ接続することで冷媒回路10が形成されている。尚、熱源ユニット2に接続される利用ユニット3と調湿装置7の台数は、必ずしも1台ずつである必要はなく、複数台であってもよい。また、利用ユニット3と調湿装置7の台数が多い場合には、熱源ユニット2を複数台にしてもよい。
(2)熱源ユニット
次に、熱源ユニット2について、図1を用いて説明する。
熱源ユニット2には、冷媒回路10の一部を構成する熱源側冷媒回路10aが収容されている。熱源側冷媒回路10aは、主として、圧縮機21と、熱源側四路切換弁22と、熱源側熱交換器23と、熱源側膨張弁24と、液側閉鎖弁25と、ガス側閉鎖弁26とを有している。
圧縮機21は、冷媒を圧縮するための機器である。ここでは、圧縮機21は1台の圧縮機であるが、これに限定されず、複数台であってもよい。
熱源側四路切換弁22は、圧縮機21の吐出側に接続される第1ポート22aと、圧縮機21の吸入側に接続される第2ポート22bと、熱源側熱交換器23のガス側に接続される第3ポート22cと、ガス側閉鎖弁26に接続される第4ポート22dとを有しており、第1ポート22aと第3ポート22cが連通するとともに第2ポート22bと第4ポート22dが連通する冷房運転状態(図1の熱源側四路切換弁22における実線を参照)と、第1ポート22aと第4ポート22dが連通するとともに第2ポート22bと第3ポート22cが連通する暖房運転状態(図1の熱源側四路切換弁22における破線を参照)とに切り換え可能な弁である。
熱源側熱交換器23は、空気や水を熱源として冷媒と熱交換を行うための機器である。
熱源側膨張弁24は、一端が熱源側熱交換器23の液側に接続されており、他端が液側閉鎖弁25に接続されており、運転状態に応じて開度が調節されて冷媒を減圧することが可能な弁である。
また、熱源ユニット2は、熱源ユニット2を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部27を備えている。そして、熱源側制御部27は、熱源ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、利用ユニット3の利用側制御部35や調湿装置7の調湿側制御部75との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(3)利用ユニット
次に、利用ユニット3について、図1〜図4を用いて説明する。ここで、図2は、空気調和システム1を構成する利用ユニット3及び利用ユニット3に設けられた調湿装置7の外観斜視図である。図3は、空気調和システム1を構成する利用ユニット3及び利用ユニット3に設けられた調湿装置7の概略側面断面図である。図4は、空気調和システム1を構成する利用ユニット3の概略平面断面図である。
利用ユニット3には、冷媒回路10の一部を構成する利用側冷媒回路10bが収容されている。利用側冷媒回路10bは、主として、利用側膨張弁31と、利用側熱交換器32とを有している。
利用側膨張弁31は、一端が利用側熱交換器32の液側に接続されており、他端が冷媒連絡配管5を介して液側閉鎖弁25に接続されており、運転状態に応じて開度が調節されて冷媒を減圧することが可能な弁である。
利用側熱交換器32は、そのガス側が冷媒連絡配管6を介してガス側閉鎖弁26に接続されており、室内空気と冷媒との熱交換を行うための機器である。
次に、利用ユニット3のユニット構成について説明する。
利用ユニット3は、室内空気を取り込んで熱交換を行い室内へ供給する天井埋込型空気調和ユニットであり、主として、ケーシング43とケーシング43内に収納される各種構成機器とからなるユニット本体41と、ユニット本体41の下側に配置される化粧パネル42とを有している。ここでは、ユニット本体41の下面に調湿装置7が設けられているため、ユニット本体41と化粧パネル42とは上下に間隔を空けて配置されているが、調湿装置7が設けられない場合には、ユニット本体41の下面に化粧パネル42が設けられる。ユニット本体41は、空調室の天井Uに形成された開口Hに挿入されて、天井裏空間に配置されている。そして、化粧パネル42は、開口Hを下方から覆うように配置されている。
ケーシング43は、その平面視において、長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の下面が開口した箱状体であり、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略8角形状の天板44と、天板44の周縁部から下方に延びる側板45とを有している。側板45は、天板44の長辺に対応する側板45a、45b、45c、45dと、天板44の短辺に対応する側板45e、45f、45g、45hとから構成されている。尚、側板45hは、利用側熱交換器32と熱源ユニット2(図1参照)との間で冷媒をやりとりするための冷媒配管が貫通する部分を構成しており、他の側板45e、45f、45gとは異なる形状となっている。
ケーシング43の内部には、主として、室内空気RAを化粧パネル42のパネル吸気口49eを通じてケーシング43内に吸入して外周方向に吹き出す温調側送風ファン46と、温調側送風ファン46の外周を囲むように配置された利用側熱交換器32とが配置されている。
温調側送風ファン46は、ここでは、ターボファンであり、ケーシング43の天板44の中央内面に設けられたファンモータ46aと、ファンモータ46aに連結されて回転駆動される羽根車46bとを有している。
利用側熱交換器32は、ここでは、温調側送風ファン46の外周を囲むように曲げられて形成されたクロスフィンチューブ型の熱交換器パネルであり、冷媒連絡配管5、6を介して熱源ユニット2(図1参照)に接続されている。
利用側熱交換器32の下側には、利用側熱交換器32において空気中の水分が凝縮されて生じるドレン水を受けるためのドレンパン47が配置されている。ドレンパン47は、ケーシング43の下部に装着されている。ドレンパン47は、利用側熱交換器32の下側に形成されドレン水を受けるドレン水受け溝47fと、温調側送風ファン46の羽根車46bに対応するように形成された温調側吸気口としての吸気孔47eと、ケーシング43の各側板45a、45b、45c、45dの内面に沿って形成された細長く延びる略長方形状の開口からなる温調側給気口としての給気孔47a、47b、47c、47dとを有している。
また、ドレンパン47の吸気孔47eには、調湿装置7が設けられない場合には化粧パネル42のパネル吸気口49eから吸入される室内空気を、調湿装置7が設けられる場合には室内空気及び調湿空気を、温調側送風ファン46の羽根車46bへ案内するためのベルマウス48が配置されている。
化粧パネル42は、平面視が略4角形状の板状体であり、主として、パネル本体49から構成されている。パネル本体49は、調湿装置7が設けられない場合にはドレンパン47の下面及び/又は利用ユニット3のケーシング43の側板45に、調湿装置7が設けられる場合には調湿装置7の底板84及び/又は調湿装置7の側板83に固定されている。
パネル本体49は、主として、その略中央に空調室内の空気を吸入するパネル吸気口49eと、パネル吸気口49eを囲むように各辺に対応して形成されたパネル給気口49a、49b、49c、49dとを有している。パネル吸気口49eは、ここでは、略正方形状の開口である。各パネル給気口49a、49b、49c、49dは、パネル本体49の各辺に沿って細長く延びる略長方形状の開口である。ここで、パネル吸気口49eは、調湿装置7が設けられない場合にはドレンパン47に形成された吸気孔47eに、調湿装置7が設けられる場合には調湿装置7に形成された調湿側吸気連通開口81eを介して吸気孔47eに連通している。また、パネル給気口49a、49b、49c、49dは、調湿装置7が設けられない場合にはドレンパン47に形成された給気孔47a、47b、47c、47dに、調湿装置7が設けられる場合には調湿装置7に形成された調湿側給気連通開口81a、81b、81c、81dを介して給気孔47a、47b、47c、47dに、それぞれ連通している。
パネル吸気口49eには、パネル吸気口49eから吸入される室内空気中に含まれる塵埃等を捕捉するためのフィルタ50が、パネル吸気口49eを覆うように配置されて固定されている。また、パネル本体49には、フィルタ50の下側に吸気グリル51が装着されている。
パネル給気口49a、49b、49c、49dには、長手方向の軸周りに揺動可能な水平フラップ52a、52b、52c、52dがそれぞれ設けられている。水平フラップ52a、52b、52c、52dは、それぞれが対応するパネル給気口49a、49b、49c、49dの長手方向に細長く延びる略長方形状の羽根部材であり、パネル給気口49a、49b、49c、49dから空調室内に吹き出される空気の風向を可変することができる。
また、利用ユニット3は、利用ユニット3を構成する各部の動作を制御する利用側制御部35を備えている。そして、利用側制御部35は、利用ユニット3の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、熱源ユニット2の熱源側制御部27や調湿装置7の調湿側制御部75との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
(4)調湿装置
次に、調湿装置7について、図1〜図3、図5及び図6を用いて説明する。ここで、図5は、調湿装置7のユニット構成を示す斜視図である。図6は、調湿装置7のユニット構成を示す概略構成図であり、図6(A)は調湿装置7のユニット内部を示す平面図、図6(B)は調湿装置7のユニット内部を左側から見た左側面図、図6(C)は調湿装置7のユニット内部を右側から見た右側面図、図6(D)は調湿装置7のユニット内部を前側から見た前面図、図6(E)は調湿装置7のユニット内部を後側から見た後面図である。尚、以下の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「手前」、「奥」は、特にことわりのない限り、図6に示す調湿装置7を正面側(図6(A)の下側)から見た場合の方向を意味している。
調湿装置7には、冷媒回路10の一部を構成する調湿側冷媒回路10cが収容されている。調湿側冷媒回路10cは、主として、第1及び第2吸着熱交換器71、72と、調湿側膨張弁73と、調湿側四路切換弁74とを有している。調湿側冷媒回路10cは、利用側冷媒回路10b又は冷媒連絡配管5、6に接続されている。ここでは、調湿側冷媒回路10cの一端は、第1接続用閉鎖弁33を介して、利用側冷媒回路10bの液側端(すなわち、利用側膨張弁31の液側端)又は冷媒連絡配管5に接続されている。また、調湿側冷媒回路10cの他端は、第2接続用閉鎖弁34を介して、利用側冷媒回路10bのガス側端(すなわち、利用側熱交換器32のガス側端)又は冷媒連絡配管6に接続されている。尚、ここでは、第1及び第2接続用閉鎖弁33、34は、利用ユニット3内に収容されているように図示されているが、これに限定されず、調湿装置7内に収容されていてもよいし、また、利用ユニット3にも調湿装置7にも収容されずに冷媒連絡配管5、6に設けられていてもよい。さらには、第1及び第2接続用閉鎖弁33、34を介さずに接続されていてもよい。
第1及び第2吸着熱交換器71、72は、表面に吸着材が設けられた熱交換器であり、ここでは、それぞれ、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。より具体的には、第1及び第2吸着熱交換器71、72は、長方形板状に形成されたアルミニウム製の多数のフィンと、これらのフィンを貫通する銅製の伝熱管とを備えている。各フィン及び伝熱管の外表面には、吸着材がディップ成形(浸漬成形)により担持されている。この吸着材としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性または吸水性を有する有機高分子ポリマー系材料、カルボン酸基またはスルホン酸基を有するイオン交換樹脂系材料、感温性高分子等の機能性高分子材料などが挙げられる。
調湿側膨張弁73は、第1吸着熱交換器71の一端と第2吸着熱交換器72の一端との間に接続されており、運転状態に応じて開度が調節されて冷媒を減圧することが可能な弁である。
調湿側四路切換弁74は、第1接続用閉鎖弁33(すなわち、利用側冷媒回路10bの液側端又は冷媒連絡配管5)に接続される第1ポート74aと、第2接続用閉鎖弁34(すなわち、利用側冷媒回路10bのガス側端又は冷媒連絡配管6)に接続される第2ポート74bと、第2吸着熱交換器72の他端(すなわち、反膨張弁側端)に接続される第3ポート74cと、第1吸着熱交換器71の他端(すなわち、反膨張弁側端)に接続される第4ポート74dとを有しており、第1ポート74aと第3ポート74cが連通するとともに第2ポート74bと第4ポート74dが連通する第1切換状態(図1の調湿側四路切換弁74における実線を参照)と、第1ポート74aと第4ポート74dが連通するとともに第2ポート74bと第3ポート74cが連通する第2切換状態(図1の調湿側四路切換弁74における破線を参照)とに切り換え可能な弁である。
以上のような調湿側冷媒回路10cにおいて、調湿側四路切換弁74が第1切換状態に切り換わると、第1吸着熱交換器71が冷媒の蒸発器として機能し、第2吸着熱交換器72が冷媒の凝縮器として機能する。一方、調湿側四路切換弁74が第2切換状態に切り換わると、第1吸着熱交換器71が冷媒の凝縮器として機能し、第2吸着熱交換器72が冷媒の蒸発器として機能する。
次に、調湿装置7のユニット構成について説明する。
調湿装置7は、例えば、室外空気OAを取り込んで調湿空気SAとして室内に供給すると同時に、室内空気RAを取り込んで排出空気EAとして室外に排出するような給排気運転が可能な調湿装置である。調湿装置7は、上述の調湿側冷媒回路10cを構成する機器が収容されたユニット80からなる調湿装置であり、主として、水平方向に扁平な多角形箱状のケーシング81を備えている。調湿装置7は、利用ユニット3のユニット本体41の下面に設けられており、さらにその下側に化粧パネル42が設けられることで、利用ユニット3と一体になっている。調湿装置7は、利用ユニット3のユニット本体41と同様に、空調室の天井Uに形成された開口Hに挿入されて、天井裏空間に配置されている。
ケーシング81は、その平面視において、利用ユニット3のユニット本体41のケーシング43の形状と同様、長辺と短辺とが交互に形成された略8角形状の箱状体であり、長辺と短辺とが交互に連続して形成された略8角形状の天板82と、天板82の周縁部から下方に延びる側板83と、側板83の下端に沿う略8角形状の底板84とを有している。側板83は、天板82の長辺に対応する側板83a、83b、83c、83dと、天板82の短辺に対応する側板83e、83f、83g、83hとから構成されている。ケーシング81には、底板84から天板82に向かって貫通する調湿側給気連通開口81a、81b、81c、81dが、ドレンパン47の給気孔47a、47b、47c、47dのそれぞれに対応するように形成されている。また、ケーシング81には、底板84から天板82に向かって貫通する調湿側吸気連通開口81eが、ドレンパン47の吸気孔47eに対応するように形成されている。
前側板83aの右側に配置された右前側板83fには、室外空気OAを取り入れるための調湿側室外空気吸気口85が形成されている。前側板83aの左側に配置された左前側板83eには、排出空気EAを室外へ排出するための調湿側排気口86が形成されている。
ケーシング81の内部には、平面視において、調湿側給気連通開口81a、81b、81c、81dに囲まれ、かつ、調湿側吸気連通開口81eを囲む略四角環状の空間が形成されている。この略四角環状の空間は、ケーシング81内を前後方向に延びる第1及び第2仕切板87、88によって、調湿側吸気連通開口81eの後側の第1熱交換器室S1と、調湿側吸気連通開口81eの前側の第2熱交換器室S2と、第1及び第2熱交換器室S1、S2の右側において前後方向に延びる流入室S3と、第1及び第2熱交換器室S1、S2の左側において前後方向に延びる流出室S4とに仕切られている。すなわち、第1及び第2熱交換器室S1、S2は、ケーシング81の平面視において、調湿側吸気連通開口81eに隣り合うように設けられている。また、流入室S3は第1及び第2熱交換器室S1、S2の一側面側に配置され、流出室S4は第1及び第2熱交換器室S1、S2の他側面側に配置されている。
流入室S3の前部は、調湿側給気連通開口81aと調湿側給気連通開口81bとの間の部分を横切るようにして右前側板83fに向かって延びており、調湿側室外空気吸気口85を介して室外に連通している。また、流出室S4の前部は、調湿側給気連通開口81aと調湿側給気連通開口81dとの間の部分を横切るようにして左前側板83eに向かって延びており、調湿側排気口86を介して室外に連通している。流入室S3には、外部から調湿側室外空気吸気口85を通じて室外空気OAを流入室S3に流入させるための調湿側吸気ファン89が設置されている。調湿側吸気ファン89は、調湿側給気連通開口81aと調湿側給気連通開口81bとの間のケーシング81の角部に配置されており、ケーシング81の外部から室外空気OAを流入室S3に押し込むように流入させるファンである。また、流出室S4には、流出室S4から調湿側排気口86を通じて排出空気EAを排気するための調湿側排気ファン90が設置されている。調湿側排気ファン90は、調湿側給気連通開口81aと調湿側給気連通開口81dとの間のケーシング81の角部に配置されており、流出室S4内から排出空気EAをケーシング81の外部に吸い出すように流出させるファンである。
天板82には、第1及び第2熱交換器室S1、S2のそれぞれに対応するように、第1及び第2調湿側給気口82a、82bが形成されている。ここで、第1及び第2調湿側給気口82a、82bは、温調側吸気口としてのドレンパン47の吸気孔47eに対応するように形成されている。また、底板84には、第1及び第2熱交換器室S1、S2のそれぞれに対応するように、調湿側吸気口としての第1及び第2調湿側室内空気吸気口84a、84bが形成されている。ここで、第1及び第2調湿側室内空気吸気口84a、84bは、化粧パネル42のパネル吸気口49eに対応するように形成されている。
また、第1仕切板87には、第1及び第2熱交換器室S1、S2のそれぞれに対応するように、流出側開口としての第1及び第2左側開口87a、87bが形成されている。さらに、第2仕切板88には、第1及び第2熱交換器室S1、S2のそれぞれに対応するように、流入側開口としての第1及び第2右側開口88a、88bが形成されている。
第1熱交換器室S1には、第1吸着熱交換器71が配置されている。ここでは、第1吸着熱交換器71は、第1仕切板87の下端付近から第2仕切板88の上端付近に向かって傾斜して配置されている。すなわち、第1吸着熱交換器71は、第1熱交換器室S1を、第1右側開口88a及び第1調湿側室内空気吸気口84aに面する第1空間としての下部空間と、第1左側開口87a及び第1調湿側給気口82aに面する第2空間としての上部空間とに仕切るように配置されている。
第2熱交換器室S2には、第2吸着熱交換器72が配置されている。ここでは、第2吸着熱交換器72は、第1仕切板87の下端付近から第2仕切板88の上端付近に向かって傾斜して配置されている。すなわち、第2吸着熱交換器72は、第2熱交換器室S2を、第2右側開口88b及び第2調湿側室内空気吸気口84bに面する下部空間と、第2左側開口87b及び第2調湿側給気口82bに面する上部空間とに仕切るように配置されている。
また、第1及び第2左側開口87a、87bには、それぞれ、開閉機構としての開閉ダンパ91a、91bが設けられている。また、第1及び第2右側開口88a、88bには、それぞれ、開閉機構としての開閉ダンパ91c、91dが設けられている。さらに、第1及び第2調湿側給気口82a、82bにも、それぞれ、開閉ダンパ91e、91fが設けられている。ここでは、第1及び第2調湿側室内空気吸気口84a、84bには、開閉ダンパは設けられていない。また、これらの開閉ダンパ91a〜91fは、それぞれ、独立して開状態と閉状態とに切換可能となっている。
そして、開閉ダンパ91aが開状態になると、第1左側開口87aを通じて流出室S4と第1熱交換器室S1の上部空間とが連通される。また、開閉ダンパ91bが開状態になると、第2左側開口87bを通じて流出室S4と第2熱交換器室S2の上部空間とが連通される。また、開閉ダンパ91cが開状態になると、第1右側開口88aを通じて流入室S3と第1熱交換器室S1の下部空間とが連通される。また、開閉ダンパ91dが開状態になると、第2右側開口88bを通じて流入室S3と第2熱交換器室S2の下部空間とが連通される。また、開閉ダンパ91eが開状態になると、第1調湿側給気口82aを通じてドレンパン47の吸気孔47eと第1熱交換器室S1の上部空間とが連通される。さらに、開閉ダンパ91fが開状態になると、第2調湿側給気口82bを通じてドレンパン47の吸気孔47eと第2熱交換器室S2の上部空間とが連通される。尚、第1及び第2調湿側室内空気吸気口84a、84bには開閉ダンパが設けられていないため、化粧パネル42のパネル吸気口49e(すなわち、空調室内)と第1及び第2熱交換器室S1、S2の下部空間とは常に連通した状態となっている。
また、調湿装置7は、調湿側冷媒回路10cを構成する機器(具体的には、調湿側膨張弁73や調湿側四路切換弁74)、ファン89、90や開閉ダンパ91a〜91fの運転制御を行うための調湿側制御部75を備えている(図1参照)。調湿側制御部75は、調湿装置7の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリを有しており、熱源ユニット2の熱源側制御部27や利用ユニット3の利用側制御部35との間で制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
以上のような構成を有する空気調和システム1では、後述のように、各種モードにおける冷房除湿運転や暖房加湿運転を行うことができるようになっている。尚、これらの運転制御は、熱源ユニット2の熱源側制御部27と利用ユニット3の利用側制御部35と調湿装置7の調湿側制御部75とからなる制御部8によって行われる。
(5)空気調和システムの動作
次に、本実施形態の空気調和システム1の運転動作について、図1〜図4及び図7〜図26を用いて説明する。ここで、図7は、空気調和システム1の冷房除湿運転の第1動作及び第2動作を示す概略冷媒回路図である。図8は、調湿装置7の換気モードの除湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図9は、調湿装置7の換気モードの除湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図10は、空気調和システム1の暖房加湿運転の第1動作及び第2動作を示す概略冷媒回路図である。図11は、調湿装置7の換気モードの加湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図12は、調湿装置7の換気モードの加湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図13は、調湿装置7の循環モードの除湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図14は、調湿装置7の循環モードの除湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図15は、調湿装置7の循環モードの加湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図16は、調湿装置7の循環モードの加湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図17は、調湿装置7の給気モードの除湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図18は、調湿装置7の給気モードの除湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図19は、調湿装置7の給気モードの加湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図20は、調湿装置7の給気モードの加湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図21は、調湿装置7の排気モードの除湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図22は、調湿装置7の排気モードの除湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。図23は、調湿装置7の排気モードの加湿運転の第1動作における空気の流れを示す説明図である。図24は、調湿装置7の排気モードの加湿運転の第2動作における空気の流れを示す説明図である。
空気調和システム1は、冷房除湿運転と暖房加湿運転とを行うことができる。空気調和システム1の冷房除湿運転中には、利用ユニット3が冷房運転を行い、調湿装置7が除湿運転を行う。また、空気調和システム1の暖房加湿運転中には、利用ユニット3が暖房運転を行い、調湿装置7が加湿運転を行う。尚、調湿装置7は、換気モード、循環モード、給気モード及び排気モードの4つのモードにおいて、除湿運転や加湿運転を行うことができる。そして、以下の説明では、換気モード、循環モード、給気モード及び排気モードの調湿装置7の各運転モードにおける冷房除湿運転及び暖房加湿運転について説明する。
(A)換気モードにおける冷房除湿運転
冷房除湿運転においては、熱源側四路切換弁22が冷房運転状態に設定されるとともに、熱源側膨張弁24が冷媒を極力減圧しない状態(例えば、全開)とされ、利用側膨張弁31の開度が適宜調節される。この状態において、冷媒回路10では、熱源側熱交換器23が冷媒の凝縮器となり、利用側熱交換器32が冷媒の蒸発器となる。すなわち、圧縮機21から吐出されて熱源側四路切換弁22(具体的には、第1ポート22a及び第3ポート22c)を通過した冷媒は、熱源側熱交換器23で凝縮してから、液側閉鎖弁25及び冷媒連絡配管5を介して利用側膨張弁31に送られる。この冷媒は、利用側膨張弁31で減圧され、利用側熱交換器32で蒸発した後に、冷媒連絡配管6、ガス側閉鎖弁26及び熱源側四路切換弁22(具体的には、第4ポート22d及び第2ポート22b)を介して、圧縮機21へ吸入されて圧縮される(図7の熱源側冷媒回路10a及び利用側冷媒回路10b及び冷媒連絡配管5、6に付された実線の矢印を参照)。
また、冷房除湿運転においては、調湿側冷媒回路10cの第1吸着熱交換器71が冷媒の蒸発器となって第2吸着熱交換器72が冷媒の凝縮器となる第1動作と、第2吸着熱交換器72が冷媒の蒸発器となって第1吸着熱交換器71が冷媒の凝縮器となる第2動作とが交互に繰り返される。より具体的には、第1動作では、調湿側四路切換弁74が第1切換状態に設定され、調湿側膨張弁73の開度が適宜調節される。この状態において、利用側冷媒回路10bの液側端又は冷媒連絡配管5から第1接続用閉鎖弁33を介して調湿側冷媒回路10cへ流入した冷媒は、調湿側四路切換弁74(具体的には、第1ポート74a及び第3ポート74c)を介して第2吸着熱交換器72に流入して凝縮された後に、調湿側膨張弁73で減圧され、第1吸着熱交換器71で蒸発した後に、調湿側四路切換弁74(具体的には、第4ポート74d及び第2ポート74b)及び第2接続用閉鎖弁34を介して利用側冷媒回路10bのガス側端又は冷媒連絡配管6に戻される(図7の調湿側冷媒回路10cに付された実線の矢印を参照)。第2動作では、調湿側四路切換弁74が第2切換状態に設定され、調湿側膨張弁73の開度が適宜調節される。この状態において、利用側冷媒回路10bの液側端又は冷媒連絡配管5から第1接続用閉鎖弁33を介して調湿側冷媒回路10cへ流入した冷媒は、調湿側四路切換弁74(具体的には、第1ポート74a及び第4ポート74d)を介して第1吸着熱交換器71に流入して凝縮された後に、調湿側膨張弁73で減圧され、第2吸着熱交換器72で蒸発した後に、調湿側四路切換弁74(具体的には、第3ポート74c及び第2ポート74b)及び第2接続用閉鎖弁34を介して利用側冷媒回路10bのガス側端又は冷媒連絡配管6に戻される(図7の調湿側冷媒回路10cに付された破線の矢印を参照)。
換気モードにおいては、調湿装置7の調湿側吸気ファン89及び調湿側排気ファン90を運転することで、室外空気OAをユニット80内に調湿側室外空気吸気口85を通じて吸入した後に調湿空気SA1として利用ユニット3に調湿側給気口82a、82bを通じて供給し、室内空気RAをユニット80内に調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて吸入した後に排出空気EAとして調湿側排気口86を通じて外部に排出する運転が行われる。そして、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じてユニット本体41内に調湿空気SA1を吸入し、この調湿空気SA1を温調した後に、空調空気SA2として室内に供給する運転が行われる。
次に、換気モードにおける調湿装置7の除湿運転の第1動作について、図8を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける除湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91b、91c、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91d、91fが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第1空気としての室外空気OAは、第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71で減湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第2吸着熱交換器72の吸着材が再生される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材の再生に利用された空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、換気モードにおける調湿装置7の除湿運転の第2動作について、図9を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける除湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91a、91d、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91c、91eが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第1空気としての室外空気OAは、第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72で減湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第1吸着熱交換器71の吸着材が再生される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材の再生に利用された空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(B)換気モードにおける暖房加湿運転
暖房加湿運転においては、熱源側四路切換弁22が暖房運転状態に設定されるとともに、熱源側膨張弁24が冷媒を極力減圧しない状態(例えば、全開)とされ、利用側膨張弁31の開度が適宜調節される。この状態において、冷媒回路10では、熱源側熱交換器23が冷媒の蒸発器となり、利用側熱交換器32が冷媒の凝縮器となる。すなわち、圧縮機21から吐出されて熱源側四路切換弁22(具体的には、第1ポート22a及び第4ポート22d)を通過した冷媒は、ガス側閉鎖弁26及び冷媒連絡配管6を介して利用側熱交換器32に送られる。この冷媒は、利用側熱交換器32で凝縮した後に、利用側膨張弁31で減圧され、冷媒連絡配管5、液側閉鎖弁25及び熱源側膨張弁24を介して熱源側熱交換器23に送られる。この冷媒は、熱源側熱交換器23で蒸発した後に、熱源側四路切換弁22(具体的には、第3ポート22c及び第2ポート22b)を介して、圧縮機21へ吸入されて圧縮される(図7の熱源側冷媒回路10a及び利用側冷媒回路10b及び冷媒連絡配管5、6に付された破線の矢印を参照)。
また、暖房加湿運転においては、調湿側冷媒回路10cの第1吸着熱交換器71が冷媒の蒸発器となって第2吸着熱交換器72が冷媒の凝縮器となる第1動作と、第2吸着熱交換器72が冷媒の蒸発器となって第1吸着熱交換器71が冷媒の凝縮器となる第2動作とが交互に繰り返される。より具体的には、第1動作では、調湿側四路切換弁74が第2切換状態に設定され、調湿側膨張弁73の開度が適宜調節される。この状態において、利用側冷媒回路10bのガス側端又は冷媒連絡配管6から第2接続用閉鎖弁34を介して調湿側冷媒回路10cへ流入した冷媒は、調湿側四路切換弁74(具体的には、第2ポート74b及び第3ポート74c)を介して第2吸着熱交換器72に流入して凝縮された後に、調湿側膨張弁73で減圧され、第1吸着熱交換器71で蒸発した後に、調湿側四路切換弁74(具体的には、第4ポート74d及び第1ポート74a)及び第1接続用閉鎖弁33を介して利用側冷媒回路10bの液側端又は冷媒連絡配管5に戻される(図10の調湿側冷媒回路10cに付された破線の矢印を参照)。第2動作では、調湿側四路切換弁74が第1切換状態に設定され、調湿側膨張弁73の開度が適宜調節される。この状態において、利用側冷媒回路10bのガス側端又は冷媒連絡配管6から第2接続用閉鎖弁34を介して調湿側冷媒回路10cへ流入した冷媒は、調湿側四路切換弁74(具体的には、第2ポート74b及び第4ポート74d)を介して第1吸着熱交換器71に流入して凝縮された後に、調湿側膨張弁73で減圧され、第2吸着熱交換器72で蒸発した後に、調湿側四路切換弁74(具体的には、第3ポート74c及び第1ポート74a)及び第1接続用閉鎖弁33を介して利用側冷媒回路10bの液側端又は冷媒連絡配管5に戻される(図7の調湿側冷媒回路10cに付された実線の矢印を参照)。
次に、換気モードにおける調湿装置7の加湿運転の第1動作について、図11を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける加湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91a、91d、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91c、91eが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第2空気としての室外空気OAは、第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第2吸着熱交換器72で加湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材に水分を付与した空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、換気モードにおける調湿装置7の加湿運転の第2動作について、図12を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける加湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91b、91c、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91d、91fが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第2空気としての室外空気OAは、第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第1吸着熱交換器71で加湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材に水分を付与した空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(C)循環モードにおける冷房除湿運転
循環モードにおける冷房除湿運転は、調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける冷房除湿運転の調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図7等を参照)。
循環モードにおいては、調湿装置7の調湿側吸気ファン89及び調湿側排気ファン90を運転することで、室外空気OAをユニット80内に調湿側室外空気吸気口85を通じて吸入した後に排出空気EAとして調湿側排気口86を通じて外部に排出する運転が行われるとともに、利用ユニット3の温調側送風ファン46を運転することで、室内空気RAを調湿装置7のユニット80内に調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて吸入した後に調湿空気SA1として利用ユニット3に調湿側給気口82a、82bを通じて供給する運転が行われる。そして、利用ユニット3では、ドレンパン47の吸気孔47eを通じてユニット本体41内に調湿空気SA1を吸入し、この調湿空気SA1を温調した後に、空調空気SA2として室内に供給する運転が行われる。
次に、循環モードにおける調湿装置7の除湿運転の第1動作について、図13を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける除湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91b、91d、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91c、91fが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71で減湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第2空気としての室外空気OAは、第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第2吸着熱交換器72の吸着材が再生される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材の再生に利用された空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、循環モードにおける調湿装置7の除湿運転の第2動作について、図14を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける除湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91a、91c、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91d、91eが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72で減湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第2空気としての室外空気OAは、第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第1吸着熱交換器71の吸着材が再生される。このようにして、第2吸着熱交換器71の吸着材の再生に利用された空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(D)循環モードにおける暖房加湿運転
循環モードにおける暖房加湿運転は、調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける暖房加湿運転の調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図10等を参照)。
次に、循環モードにおける調湿装置7の加湿運転の第1動作について、図15を用いて詳細に説明する。尚、循環モードにおける加湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91a、91c、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91d、91eが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第2吸着熱交換器72で加湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第1空気としての室外空気OAは、第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材に水分を付与した空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、循環モードにおける調湿装置7の加湿運転の第2動作について、図16を用いて詳細に説明する。尚、換気モードにおける加湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91b、91d、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91c、91fが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第1吸着熱交換器71で加湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する第1空気としての室外空気OAは、第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材に水分を付与した空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(E)給気モードにおける冷房除湿運転
給気モードにおける冷房除湿運転は、調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける冷房除湿運転の調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図7等を参照)。
給気モードにおいては、調湿装置7の調湿側吸気ファン89及び調湿側排気ファン90を運転することで、室外空気OAをユニット80内に調湿側室外空気吸気口85を通じて吸入した後に、その一部を調湿空気SA1として利用ユニット3に調湿側給気口82a、82bを通じて供給し、残りを排出空気EAとして調湿側排気口86を通じて外部に排出する運転が行われる。そして、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じてユニット本体41内に調湿空気SA1を吸入し、この調湿空気SA1を温調した後に、空調空気SA2として室内に供給する運転が行われる。
次に、給気モードにおける調湿装置7の除湿運転の第1動作について、図17を用いて詳細に説明する。尚、給気モードにおける除湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91b、91c、91d、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91fが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAの一部は、第1空気として第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71で減湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAのうち第1空気としての一部を除いた残りは、第2空気として第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第2吸着熱交換器72の吸着材が再生される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材の再生に利用された空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、給気モードにおける調湿装置7の除湿運転の第2動作について、図18を用いて詳細に説明する。尚、給気モードにおける除湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91a、91c、91d、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91eが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAの一部は、第1空気として第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72で減湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAのうち第1空気としての一部を除いた残りは、第2空気として第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第1吸着熱交換器71の吸着材が再生される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材の再生に利用された空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(F)給気モードにおける暖房加湿運転
給気モードにおける暖房加湿運転は、調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける暖房加湿運転の調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図10等を参照)。
次に、給気モードにおける調湿装置7の加湿運転の第1動作について、図19を用いて詳細に説明する。尚、給気モードにおける加湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91a、91c、91d、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91eが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAの一部は、第2空気として第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第2吸着熱交換器72で加湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAのうち第1空気としての一部を除いた残りは、第1空気として第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材に水分を付与した空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、給気モードにおける調湿装置7の加湿運転の第2動作について、図20を用いて詳細に説明する。尚、給気モードにおける加湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91b、91c、91d、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91fが閉状態となる。
この状態において、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAの一部は、第2空気として第1右側開口88aより第1熱交換器室S1の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第1吸着熱交換器71で加湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、調湿側室外空気吸気口85を通じて流入室S3に流入する室外空気OAのうち第2空気としての一部を除いた残りは、第1空気として第2右側開口88bより第2熱交換器室S2の下部空間に流入する。そして、この空気は、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材に水分を付与した空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(G)排気モードにおける冷房除湿運転
排気モードにおける冷房除湿運転は、調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける冷房除湿運転の調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図7等を参照)。
排気モードにおいては、利用ユニット3の温調側送風ファン46を運転することで、室内空気RAを調湿装置7のユニット80内に調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて吸入した後に調湿空気SA1として利用ユニット3に調湿側給気口82a、82bを通じて供給するとともに、調湿装置7の調湿側排気ファン90を運転することで、室内空気RAを調湿装置7のユニット80内に調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて吸入した後に排出空気EAとして調湿側排気口86を通じて外部に排出する運転が行われる。そして、利用ユニット3では、ドレンパン47の吸気孔47eを通じてユニット本体41内に調湿空気SA1を吸入し、この調湿空気SA1を温調した後に、空調空気SA2として室内に供給する運転が行われる。
次に、排気モードにおける調湿装置7の除湿運転の第1動作について、図21を用いて詳細に説明する。尚、排気モードにおける除湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91b、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91c、91d、91fが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71で減湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第2吸着熱交換器72の吸着材が再生される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材の再生に利用された空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、排気モードにおける調湿装置7の除湿運転の第2動作について、図22を用いて詳細に説明する。尚、排気モードにおける除湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91a、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91c、91d、91eが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72で減湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与されるとともに第1吸着熱交換器71の吸着材が再生される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材の再生に利用された空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の蒸発器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって冷却し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(H)排気モードにおける暖房加湿運転
排気モードにおける暖房加湿運転は、調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける暖房加湿運転の調湿側冷媒回路10cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図10等を参照)。
次に、排気モードにおける調湿装置7の加湿運転の第1動作について、図23を用いて詳細に説明する。尚、排気モードにおける加湿運転の第1動作では、開閉ダンパ91a、91fが開状態となり、開閉ダンパ91b、91c、91d、91eが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第2吸着熱交換器72で加湿された空気は、第2調湿側給気口82bより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第1吸着熱交換器71内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第1吸着熱交換器71の吸着材に水分を付与した空気は、第1左側開口87aより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第2調湿側給気口82bより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
次に、排気モードにおける調湿装置7の加湿運転の第2動作について、図24を用いて詳細に説明する。尚、排気モードにおける加湿運転の第2動作では、開閉ダンパ91b、91eが開状態となり、開閉ダンパ91a、91c、91d、91fが閉状態となる。
この状態において、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第1調湿側室内空気吸気口84aを通じて第1熱交換器室S1の下部空間に流入する第2空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第1吸着熱交換器71を通過し、第1熱交換器室S1の上部空間に流入する。ここで、凝縮器として機能する第1吸着熱交換器71の吸着材が加熱され、吸着材に吸着された水分が脱離されると、この水分が空気に付与される。このようにして、第1吸着熱交換器71で加湿された空気は、第1調湿側給気口82aより利用ユニット3に調湿空気SA1として供給される。
一方、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び第2調湿側室内空気吸気口84bを通じて第2熱交換器室S2の下部空間に流入する第1空気としての室内空気RAは、上方に向かって流れて第2吸着熱交換器72を通過し、第2熱交換器室S2の上部空間に流入する。ここで、蒸発器として機能する第2吸着熱交換器72の吸着材によって、この空気中の水分が吸着される。尚、この際に生じる吸着熱は、第2吸着熱交換器72内の冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして、第2吸着熱交換器72の吸着材に水分を付与した空気は、第2左側開口87bより流出室S4に流入する。そして、この空気は、調湿側排気口86より排出空気EAとして排出される。
このとき、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じて、ユニット本体41内に、化粧パネル42のパネル吸気口49e(図3参照)及び調湿側吸気連通開口81eより室内空気RAと、第1調湿側給気口82aより調湿空気SA1とを吸入し、この空気を冷媒の凝縮器として機能する利用側熱交換器32を通過させることによって加熱し、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び調湿側給気連通開口81a〜81dを通じて、化粧パネル42のパネル給気口49a〜49dより空調空気SA2として室内に供給される(図3参照)。
(4)調湿装置及びそれを備えた空気調和システムの特徴
本実施形態の調湿装置7及びそれを備えた空気調和システム1には、以下のような特徴がある。
(A)
本実施形態の調湿装置7は、水分を吸着及び脱離する吸着材を有しており、吸着材との接触により調湿された調湿空気を室内へ供給する調湿装置であり、吸着材の加熱及び冷却の少なくとも一方を行うための冷媒が流れる調湿側冷媒回路10cを有しているため、空気と吸着材とが接触して、両者の間で水分の授受が行われて空気の湿度調節を行うことができる。また、調湿装置7は、調湿側冷媒回路10cを構成する機器が収容されている調湿装置ケーシングとしてのケーシング81とを備えており、このケーシング81は、室内空気を取り込んで熱交換を行い室内へ供給する天井埋込型空気調和ユニットとしての利用ユニット3のユニット本体41の下面に設けられるため、従来のユニット本体41の側面に設ける場合と比べてコンパクトに設置することができる。これにより、給水配管を設けることなく除加湿が可能で、かつ、コンパクトに利用ユニット3に設けることが可能にできる。
また、この調湿装置7の調湿用冷媒回路10cは、天井埋込型空気調和ユニットとしての利用ユニット3と熱源ユニット2とが冷媒連絡配管5、6を介して接続されることにより構成された空気調和システム1の冷媒回路10(具体的には、利用ユニット3の利用側冷媒回路10b又は冷媒連絡配管5、6)に接続されているため、空気調和システムの冷媒回路10を有効に利用できるとともに、調湿装置7単体で圧縮機を必要としないため、コンパクト化が促進される。
そして、この空気調和システム1全体としても、給水配管を設けることなく除加湿が可能で、かつ、コンパクトに天井埋込型空気調和ユニットとしての利用ユニット3に設けることが可能な調湿装置7を備えているため、容易かつ安価に設置することができる。
(B)
本実施形態の調湿装置7では、吸着熱交換器71、72に吸着材を設けているため、吸着材を冷媒によって効率よく加熱し又は冷却することができる。これにより、吸着材と空気の間で授受される水分の量を増大させることができ、調湿装置7の能力向上あるいは調湿装置7のコンパクト化が促進される。
(C)
本実施形態の調湿装置7では、調湿空気SA1を供給するための調湿側給気口82a、82bが、温調側吸気口としてのドレンパン47の吸気孔47eに連通するようにケーシング81の吸気孔47eに対向する面(具体的には、天板82)に設けられているため、調湿空気SA1を室内に供給するためのダクト等が不要となり、コンパクト化が促進される。しかも、調湿空気SA1が天井埋込型空気調和ユニットとしての利用ユニット3を通じて室内に供給されるようになるため、室内を快適な状態に調節することが容易になる。さらに、調湿空気SA1を利用ユニット3に送る際に、温調側送風ファン46を利用することも可能になる。
(D)
本実施形態の調湿装置7では、室内空気RAを取り込むための調湿側室内空気吸気口84a、84bが、ケーシング81の調湿側給気口82a、82bが形成された面とは反対側の面(具体的には、底板84)に設けられているため、室内空気RAを取り込むためのダクト等が不要となり、コンパクト化が促進される。
(E)
本実施形態の調湿装置7では、室外空気OAを取り込むための調湿側室外空気吸気口85と排出空気EAを排出するための調湿側排気口86とが、ケーシング81の側面(具体的には、側板83)に設けられているため、ダクト接続が容易である。
しかも、調湿側室外空気吸気口85及び調湿側排気口86は、ケーシング81の角部に対応する短辺側の側板(具体的には、側板83e及び側板83f)に設けられており、天井埋込型空気調和ユニットとしての利用ユニット3の温調側給気口(具体的には、ドレンパン47の給気孔47a〜47d及び化粧パネル42のパネル給気口49a〜49d)に対応する調湿側給気連通開口81a〜81dと干渉しないようになっている。
(F)
本実施形態の調湿装置7では、ケーシング81には、吸着熱交換器71、72を収容しており調湿側給気口82a、82b及び調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて外部と連通する熱交換器室S1、S2と、熱交換器室S1、S2の一側面側(具体的には右側)に配置されており調湿側室外空気吸気口85を通じて外部と連通するとともに熱交換器室S1、S2との間に形成された流入側開口としての右側開口88a、88bによって熱交換器室S1、S2と連通する流入室S3と、熱交換器室S1、S2の他側面側(具体的には左側)に配置されており調湿側排気口86を通じて外部と連通するとともに熱交換器室S1、S2との間に形成された流出側開口としての左側開口87a、87bによって熱交換器室S1、S2と連通する流出室S4とが形成されている。このように、この調湿装置7では、流入室S3と流出室S4とが熱交換器室S1、S2の高さ方向に重ならないように配置されているため、高さ方向のサイズのコンパクト化が促進される。
しかも、この調湿装置7には、流入側開口としての右側開口88a、88b、流出側開口としての左側開口87a、87b及び調湿側給気口82a、82bのそれぞれを開閉する開閉機構としての開閉ダンパ91a〜91fが設けられており、調湿側室内空気吸気口84a、84bには、開閉機構が設けられていないため、部品点数を少なくすることができる。
また、この調湿装置7では、吸着熱交換器71、72は、それぞれ、熱交換器室S1、S2内の空間を、流入側開口としての右側開口88a、88b及び調湿側室内空気吸気口84a、84bに面する第1空間としての下部空間と、流出側開口としての左側開口87a、87b及び調湿側給気口82a、82bに面する第2空間としての上部空間とに仕切るように配置されているため、右側開口88a、88bを通じて熱交換器室S1、S2内に流入する室外空気OAが吸着熱交換器71、72を通過した後に天井埋込型空気調和ユニットとしての利用ユニット3又は流出室S4に流入するようにできるとともに、調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて熱交換器室S1、S2内に流入する室内空気RAが吸着熱交換器71、72を通過した後に利用ユニット3又は流出室S4に流入するようにできる。
また、この調湿装置7では、流出室S4には、流出室S4から調湿側排気口86を通じて空気を排気するための調湿側排気ファン90が設置されているため、自ら、流出室S4から外部に排出空気EAを吸い出す運転を行うことができる。そして、調湿側排気ファン90は、調湿側給気連通開口81aと調湿側給気連通開口81dとの間のケーシング81の角部に配置されているため、ケーシング81内のスペースの有効利用がなされている。
さらに、この調湿装置7では、流入室S3には、外部から調湿側室外空気吸気口85を通じて室外空気OAを流入室S3に流入させるための調湿側吸気ファン89が設置されているため、自ら、外部から流入室S3に室外空気OAを押し込む運転を行うことができる。そして、調湿側吸気ファン89は、調湿側給気連通開口81aと調湿側給気連通開口81bとの間のケーシング81の角部に配置されているため、ケーシング81内のスペースの有効利用がなされている。
(G)
本実施形態の調湿装置7では、ケーシング81に、その下面(具体的には、底板84)から上面(具体的には、天板82)に向かって貫通する調湿側吸気連通開口81eが設けられており、利用ユニット3の温調側吸気口としてのドレンパン47の吸気孔47e及び化粧パネル42のパネル吸気口49eに連通するように配置されているため、利用ユニット3がドレンパン47の吸気孔47eから室内空気RAを直接取り込むことができる。このため、調湿装置7を使用しない場合には、利用ユニット3は、通常の冷房運転や暖房運転を行うことが可能である。
また、熱交換器室S1、S2は調湿側吸気連通開口81eに隣り合うように設けられているため、調湿側給気口82a、82b及び調湿側室内空気吸気口84a、84bも調湿側吸気連通開口81eの近くに配置されることになる。これにより、室内空気RAが調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じてスムーズに取り込まれるようになり、また、調湿空気SA1が調湿側給気口82a、82bからドレンパン47の吸気孔47eを通じて利用ユニット3にスムーズに供給されるようになる。
(H)
本実施形態の調湿装置7では、第1空気と第2空気とを取り込んで、第1吸着熱交換器71に第1空気中の水分を吸着させて第2吸着熱交換器72から脱離させた水分を第2空気に付与する第1動作と、第2吸着熱交換器72に第1空気中の水分を吸着させて第1吸着熱交換器71から脱離させた水分を第2空気に付与する第2動作とを交互に行い、吸着熱交換器71、72において除湿された第1空気と加湿された第2空気のいずれか一方を調湿空気SA1として室内(具体的には、利用ユニット3)に供給し他方を排出空気EAとして室外へ排出する、すなわち、第1及び第2吸着熱交換器71、72の一方が水分を吸着する間に他方が再生されるバッチ式の動作を行うようにしている。これにより、除湿された第1空気と加湿された第2空気とを連続的に生成し、得られた第1空気又は第2空気を継続して調湿空気SA1として室内へ供給することが可能になる。
また、この調湿装置7では、調湿用冷媒回路10cが、第1及び第2吸着熱交換器71、72のうち、第1空気を除湿する一方が蒸発器として機能し、第2空気を加湿する他方が凝縮器として機能するように、冷媒の流通方向が切換可能になっているため、蒸発器となっている吸着熱交換器では、冷媒によって吸着剤が冷却され、吸着材に対する空気中の水分の吸着が促進される。また、凝縮器となっている吸着熱交換器では、冷媒によって吸着材が加熱され、吸着剤からの水分の脱離が促進される。これにより、吸着材への水分の吸着と吸着材からの水分の脱離との両方を促進でき、調湿装置7の能力向上あるいは調湿装置7のコンパクト化が促進される。
(I)
本実施形態の調湿装置7では、各種モードにおける除加湿運転を行うことができる。
具体的には、第1空気及び第2空気のいずれか一方としての室外空気OAと、第1空気及び第2空気のいずれか他方としての室内空気RAとを取り込んで、取り込んだ室外空気OAを吸着材との接触により調湿してから調湿空気SA1として室内に供給するとともに、取り込んだ室内空気RAを排出空気EAとして室外へ排出する換気モードにおける除加湿運転が可能になっている。
また、第1空気及び第2空気のいずれか一方としての室内空気RAを取り込んで、取り込んだ室内空気RAを吸着材との接触により調湿してから調湿空気SA1として室内に供給する循環モードにおける除加湿運転が可能になっている。
また、室外空気OAだけを取り込んで、第1空気及び第2空気のいずれか一方としての取り込んだ室外空気OAの一部を吸着材との接触により除湿して、第1空気及び第2空気のいずれか他方としての室外空気OAの残りを吸着材から脱離した水分により加湿し、除湿された室外空気OAと加湿された室外空気OAの一方を調湿空気SA1として室内へ供給して他方を排出空気EAとして室外へ排出する給気モードにおける除加湿運転が可能になっている。
さらに、室内空気RAだけを取り込んで、第1空気及び第2空気のいずれか一方としての取り込んだ室内空気RAの一部を吸着材との接触により除湿して、第1空気及び第2空気のいずれか他方としての室内空気RAの残りを吸着材から脱離した水分により加湿し、除湿された室内空気RAと加湿された室内空気RAの一方を調湿空気SA1として室内へ供給して他方を排出空気EAとして室外へ排出する排気モードにおける除加湿運転が可能になっている。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態にかかる調湿装置107及びそれを備えた空気調和システム101について説明する。本実施形態の空気調和システム101は、第1実施形態の空気調和システム1と同様、湿度及び温度調節した空調空気SA2を室内へ供給するものであり、
第1実施形態の空気調和システム1において冷媒回路10の構成を変更したものである。
(1)空気調和システムの全体構成
まず、本実施形態の空気調和システム101の全体構成について、図25を用いて説明する。ここで、図25は、空気調和システム101の冷媒回路110を示す概略冷媒回路図である。
空気調和システム101は、主として、熱源ユニット102と、利用ユニット103と、熱源ユニット102と利用ユニット103とを接続する冷媒連絡配管105、106とを備えている。また、空気調和システム101には、調湿装置107が接続されている。
(2)熱源ユニット
次に、熱源ユニット102について、図25を用いて説明する。
熱源ユニット102には、冷媒回路110の一部を構成する熱源側冷媒回路110aが収容されている。熱源側冷媒回路110aは、第1実施形態の熱源ユニット2の熱源側冷媒回路10aと同様、主として、圧縮機121と、熱源側四路切換弁122と、熱源側熱交換器123と、熱源側膨張弁124と、液側閉鎖弁125と、ガス側閉鎖弁126とを有している。また、熱源ユニット102は、熱源ユニット102を構成する各部の動作を制御する熱源側制御部127も備えている。尚、各機器121〜127の構成や機能は、第1実施形態の各機器21〜27と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
(3)利用ユニット
次に、利用ユニット103について、図2〜図4及び図25を用いて説明する。
利用ユニット103には、冷媒回路110の一部を構成する利用側冷媒回路110bが収容されている。利用側冷媒回路110bは、主として、利用側熱交換器132とを有している。また、利用ユニット103は、利用ユニット103を構成する各部の動作を制御する利用側制御部135も備えている。ここで、本実施形態の利用ユニット103には、利用側膨張弁が設けられていない点が第1実施形態の利用ユニット3と異なる。このため、第1実施形態の空気調和システム1では、利用ユニット3を複数台接続した場合において、利用ユニットごとに運転制御を行うことができるが、本実施形態の空気調和システム101では、利用ユニット103を複数台接続した場合においても、利用ユニット103を1台だけ接続した場合と同様な運転制御が行われる。尚、各機器132、155の構成や機能は、第1実施形態の各機器32、35と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
また、利用ユニット103のユニット構成は、上述のように、ケーシング43内に収容される利用側冷媒回路110bが異なるが、その他については、第1実施形態の利用ユニット3と同様であるため、ここでは、説明を省略する。
(4)調湿装置
次に、調湿装置107について、図2、図3、図5、図6及び図25を用いて説明する。
調湿装置107には、冷媒回路110の一部を構成する調湿側冷媒回路110cが収容されている。調湿側冷媒回路110cは、主として、第1及び第2吸着熱交換器71、72と、切換機構としての第1及び第2電磁弁173、174とを有している。調湿側冷媒回路110cは、利用側冷媒回路110b又は冷媒連絡配管105、106に接続されている。ここでは、調湿側冷媒回路110cの一端は、第1実施形態の調湿側冷媒回路10cと同様、第1接続用閉鎖弁133を介して、利用側冷媒回路110bの液側端(すなわち、利用側熱交換器132の液側端)又は冷媒連絡配管105に接続されている。また、調湿側冷媒回路110cの他端は、第2接続用閉鎖弁134を介して、利用側冷媒回路110bのガス側端(すなわち、利用側熱交換器32のガス側端)又は冷媒連絡配管106に接続されている。尚、ここでは、第1及び第2接続用閉鎖弁133、134は、利用ユニット103内に収容されているように図示されているが、これに限定されず、調湿装置107内に収容されていてもよいし、また、利用ユニット103にも調湿装置107にも収容されずに冷媒連絡配管105、106に設けられていてもよい。さらには、第1及び第2接続用閉鎖弁133、134を介さずに接続されていてもよい。
第1及び第2吸着熱交換器171、172は、第1実施形態の第1及び第2吸着熱交換器71、72と同様、表面に吸着材が設けられた熱交換器である。
第1及び第2電磁弁173、174は、運転状態に応じて開閉動作を行うことが可能な弁である。第1電磁弁173の一端及び第2電磁弁174の一端は、第1接続用閉鎖弁133を介して利用側冷媒回路110bの液側端(すなわち、利用側熱交換器132の液側端)又は冷媒連絡配管105に接続されている。また、第1電磁弁173の他端及び第2電磁弁174の他端は、第1吸着熱交換器171の一端及び第2吸着熱交換器172の一端にそれぞれ接続されている。そして、第1吸着熱交換器171の他端及び第2吸着熱交換器172の他端は、第2接続用閉鎖弁134を介して利用側冷媒回路110bのガス側端(すなわち、利用側熱交換器132のガス側端)又は冷媒連絡配管106に接続されている。ここで、第1電磁弁173が開状態でありかつ第2電磁弁174が閉状態に設定される状態を第1切換状態とし、第1電磁弁173が閉状態でありかつ第2電磁弁174が開状態に設定される状態を第2切換状態とする。
以上のような調湿側冷媒回路110cにおいて、熱源側四路切換弁122が冷房運転状態である場合において、第1及び第2電磁弁173、174を第1切換状態にすると、第1吸着熱交換器171が蒸発器として機能し、第2吸着熱交換器172に冷媒が流入しない休止状態となる。また、熱源側四路切換弁122が暖房運転状態である場合において、第1及び第2電磁弁173、174を第1切換状態にすると、第1吸着熱交換器171が凝縮器として機能し、第2吸着熱交換器172に冷媒が流入しない休止状態となる。一方、熱源側四路切換弁122が冷房運転状態である場合において、第1及び第2電磁弁173、174を第2切換状態にすると、第1吸着熱交換器171に冷媒が流入しない休止状態となり、第2吸着熱交換器172が蒸発器として機能する。また、熱源側四路切換弁122が暖房運転状態である場合において、第1及び第2電磁弁173、174を第2切換状態にすると、第1吸着熱交換器171に冷媒が流入しない状態となり、第2吸着熱交換器172が凝縮器として機能する。
また、調湿装置107のユニット構成は、上述のように、ケーシング81内に収容される調湿側冷媒回路110cが異なるが、その他については、第1実施形態の調湿装置7と同様であるため、ここでは、説明を省略する。尚、調湿装置107は、調湿装置107を構成する各部の動作を制御する調湿側制御部175も備えている。
以上のような構成を有する空気調和システム101では、後述のように、各種モードにおける冷房除湿運転や暖房加湿運転を行うことができるようになっている。尚、これらの運転制御は、熱源ユニット102の熱源側制御部127と利用ユニット103の利用側制御部135と調湿装置107の調湿側制御部175とからなる制御部108によって行われる。
(5)空気調和システムの動作
次に、本実施形態の空気調和システム101の運転動作について、図2〜図4、図8、図9及び図11〜図27を用いて説明する。ここで、図26は、空気調和システム101の冷房除湿運転の第1動作及び第2動作を示す概略冷媒回路図である。図27は、空気調和システム101の暖房加湿運転の第1動作及び第2動作を示す概略冷媒回路図である。
空気調和システム101は、第1実施形態の空気調和システム1と同様、換気モード、循環モード、給気モード及び排気モードの4つのモードにおいて、冷房除湿運転と暖房加湿運転とを行うことができる。このため、以下の説明では、換気モード、循環モード、給気モード及び排気モードの調湿装置107の各運転モードにおける冷房除湿運転及び暖房加湿運転について説明する。
(A)換気モードにおける冷房除湿運転
冷房除湿運転においては、熱源側四路切換弁122が冷房運転状態に設定されるとともに、熱源側膨張弁124の開度が適宜調節される。この状態において、冷媒回路110では、熱源側熱交換器123が冷媒の凝縮器となり、利用側熱交換器132が冷媒の蒸発器となる。すなわち、圧縮機121から吐出されて熱源側四路切換弁122(具体的には、第1ポート122a及び第3ポート122c)を通過した冷媒は、熱源側熱交換器123で凝縮してから、熱源側膨張弁124に送られる。この冷媒は、熱源側膨張弁124で減圧された後、液側閉鎖弁125及び冷媒連絡配管105を介して利用側熱交換器132に送られる。この冷媒は、利用側熱交換器132で蒸発した後に、冷媒連絡配管106、ガス側閉鎖弁126及び熱源側四路切換弁122(具体的には、第4ポート122d及び第2ポート122b)を介して、圧縮機121へ吸入されて圧縮される(図26の熱源側冷媒回路110a及び利用側冷媒回路110b及び冷媒連絡配管105、106に付された実線の矢印を参照)。
また、冷房除湿運転においては、調湿側冷媒回路110cの第1吸着熱交換器171が冷媒の蒸発器となって第2吸着熱交換器172が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器172が冷媒の蒸発器となって第1吸着熱交換器171が休止する第2動作(すなわち、第1及び第2電磁弁173、174が第2切換状態)とが交互に繰り返される。より具体的には、第1動作では、第1及び第2電磁弁173、174が第1切換状態に設定される。この状態において、利用側冷媒回路110bの液側端又は冷媒連絡配管105から第1接続用閉鎖弁133を介して調湿側冷媒回路110cへ流入した冷媒は、第1電磁弁173を介して第1吸着熱交換器171に流入して蒸発した後に、第2接続用閉鎖弁134を介して利用側冷媒回路110bのガス側端又は冷媒連絡配管106に戻され、第2吸着熱交換器172への冷媒の流入が第2電磁弁174によって遮断される(図26の調湿側冷媒回路110cに付された実線の矢印を参照)。第2動作では、第1及び第2電磁弁173、174が第2切換状態に設定される。この状態において、利用側冷媒回路110bの液側端又は冷媒連絡配管105から第1接続用閉鎖弁133を介して調湿側冷媒回路110cへ流入した冷媒は、第2電磁弁174を介して第2吸着熱交換器172に流入して蒸発した後に、第2接続用閉鎖弁134を介して利用側冷媒回路110bのガス側端又は冷媒連絡配管106に戻され、第1吸着熱交換器171への冷媒の流入が第1電磁弁173によって遮断される(図26の調湿側冷媒回路110cに付された破線の矢印を参照)。
換気モードにおいては、第1実施形態の調湿装置7と同様、調湿装置107の調湿側吸気ファン89及び調湿側排気ファン90を運転することで、室外空気OAをユニット80内に調湿側室外空気吸気口85を通じて吸入した後に調湿空気SA1として利用ユニット3に調湿側給気口82a、82bを通じて供給し、室内空気RAをユニット80内に調湿側室内空気吸気口84a、84bを通じて吸入した後に排出空気EAとして調湿側排気口86を通じて外部に排出する運転が行われる。そして、利用ユニット3では、温調側送風ファン46を運転することで、ドレンパン47の吸気孔47eを通じてユニット本体41内に調湿空気SA1を吸入し、この調湿空気SA1を温調した後に、空調空気SA2として室内に供給する運転が行われる。
尚、調湿装置107の第1動作においては、休止中の第2吸着熱交換器172の吸着材が室内空気RAと接触することで再生され、また、調湿装置107の第2動作においては、休止中の第1吸着熱交換器171の吸着材が室内空気RAと接触することで再生される点が、第1実施形態の調湿装置7の第1動作及び第2動作と異なるが、他の点については第1実施形態の調湿装置7の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する(図8、9参照)。
(B)換気モードにおける暖房加湿運転
暖房加湿運転においては、熱源側四路切換弁122が暖房運転状態に設定されるとともに、熱源側膨張弁124の開度が適宜調節される。この状態において、冷媒回路110では、熱源側熱交換器123が冷媒の蒸発器となり、利用側熱交換器132が冷媒の凝縮器となる。すなわち、圧縮機121から吐出されて熱源側四路切換弁122(具体的には、第1ポート122a及び第4ポート122d)を通過した冷媒は、ガス側閉鎖弁126及び冷媒連絡配管106を介して利用側熱交換器132に送られる。この冷媒は、利用側熱交換器132で凝縮した後に、冷媒連絡配管105及び液側閉鎖弁125を介して熱源側膨張弁124に送られる。この冷媒は、熱源側膨張弁124で減圧された後、熱源側熱交換器123で蒸発し、熱源側四路切換弁122(具体的には、第3ポート122c及び第2ポート122b)を介して、圧縮機121へ吸入されて圧縮される(図27の熱源側冷媒回路110a及び利用側冷媒回路110b及び冷媒連絡配管105、106に付された破線の矢印を参照)。
また、暖房加湿運転においては、調湿側冷媒回路110cの第1吸着熱交換器171が冷媒の蒸発器となって第2吸着熱交換器172が休止する第1動作と、第2吸着熱交換器172が冷媒の蒸発器となって第1吸着熱交換器171が休止する第2動作(すなわち、第1及び第2電磁弁173、174が第2切換状態)とが交互に繰り返される。より具体的には、第1動作では、第1及び第2電磁弁173、174が第1切換状態に設定される。この状態において、利用側冷媒回路110bのガス側端又は冷媒連絡配管106から第2接続用閉鎖弁134を介して調湿側冷媒回路110cへ流入した冷媒は、第1吸着熱交換器171に流入して凝縮した後に、第1閉鎖弁173及び第1接続用閉鎖弁133を介して利用側冷媒回路110bの液側端又は冷媒連絡配管105に戻され、第2吸着熱交換器172への冷媒の流入が第2電磁弁174によって遮断される(図27の調湿側冷媒回路110cに付された実線の矢印を参照)。第2動作では、第1及び第2電磁弁173、174が第2切換状態に設定される。この状態において、利用側冷媒回路110bのガス側端又は冷媒連絡配管106から第2接続用閉鎖弁134を介して調湿側冷媒回路110cへ流入した冷媒は、第2吸着熱交換器172に流入して凝縮した後に、第2閉鎖弁174及び第1接続用閉鎖弁133を介して利用側冷媒回路110bの液側端又は冷媒連絡配管105に戻され、第1吸着熱交換器171への冷媒の流入が第1電磁弁173によって遮断される(図27の調湿側冷媒回路110cに付された破線の矢印を参照)。
尚、調湿装置107の第1動作においては、休止中の第1吸着熱交換器171の吸着材が室内空気RAと接触することで水分を吸着し、また、調湿装置107の第2動作においては、休止中の第2吸着熱交換器172の吸着材が室内空気RAと接触することで水分を吸着する点が、第1実施形態の調湿装置7の第1動作及び第2動作と異なるが、他の点については第1実施形態の調湿装置7の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、詳細な説明を省略する(図11、12及び図26参照)。
(C)循環モードにおける冷房除湿運転
循環モードにおける冷房除湿運転は、調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける冷房除湿運転の調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作と同様であり、また、第1実施形態の換気モードにおける除湿運転の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図13、14及び図26を参照)。
(D)循環モードにおける暖房加湿運転
循環モードにおける暖房加湿運転は、調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける暖房加湿運転の調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作と同様であり、また、第1実施形態の換気モードにおける加湿運転の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図15、16及び図27を参照)。
(E)給気モードにおける冷房除湿運転
給気モードにおける冷房除湿運転は、調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける冷房除湿運転の調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作と同様であり、また、第1実施形態の給気モードにおける除湿運転の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図17、18及び図26を参照)。
(F)給気モードにおける暖房加湿運転
給気モードにおける暖房加湿運転は、調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける暖房加湿運転の調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路10の第1動作及び第2動作と同様であり、また、第1実施形態の給気モードにおける加湿運転の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図19、20及び図27を参照)。
(G)排気モードにおける冷房除湿運転
排気モードにおける冷房除湿運転は、調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける冷房除湿運転の調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作と同様であり、また、第1実施形態の排気モードにおける除湿運転の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図21、22及び図26を参照)。
(H)排気モードにおける暖房加湿運転
排気モードにおける暖房加湿運転は、調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作が、換気モードにおける暖房加湿運転の調湿側冷媒回路110cを含む冷媒回路110の第1動作及び第2動作と同様であるため、ここでは、説明を省略する(図23、24及び図27を参照)。
(6)調湿装置及びそれを備えた空気調和システムの特徴
本実施形態の調湿装置107及びそれを備えた空気調和システム101には、第1実施形態の調湿装置7及びそれを備えた空気調和システム1と同様な特徴とともに、以下のような特徴がある。
(A)
本実施形態の調湿装置107では、調湿用冷媒回路110cは、第1及び第2吸着熱交換器171、172のうち、第1空気を除湿する一方が蒸発器として機能し、第2空気を加湿する他方には冷媒が流入しないように、冷媒の流通方向が切換可能になっているため、蒸発器となっている吸着熱交換器では、通過する空気中の水分が吸着材に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。一方、冷媒が供給されない休止中の吸着熱交換器では、通過する空気と接触した吸着材から水分が脱離する。これにより、吸着熱交換器に対する冷媒の導入を断続するだけで吸着動作と再生動作の切り換えが可能となる。
(B)
本実施形態の調湿装置107では、調湿用冷媒回路110cは、第1及び第2吸着熱交換器171、172のうち、第2空気を加湿する一方が凝縮器として機能し、第1空気を除湿する他方には冷媒が流入しないように、冷媒の流通方向が切換可能になっているため、冷媒が供給されない休止中の吸着熱交換器では、通過する空気中の水分を吸着材が吸着する。一方、凝縮器となっている吸着熱交換器では、冷媒によって加熱された吸着材から水分が脱離し、通過する空気に吸着材から脱離した水分が付与される。これにより、吸着熱交換器に対する冷媒の導入を断続するだけで吸着動作と再生動作の切り換えが可能となる。
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
(A)
上述の実施形態において、調湿側吸気ファン89及び調湿側排気ファン90は、調湿装置7、107のケーシング81内に設置されているが、室外空気OAを取り込むためのダクトや排気空気EAを排出するためのダクトに設置されていてもよい。
(B)
上述の実施形態の天井埋込型空気調和ユニット3、103では、温調吸気口(具体的には、吸気孔47e)がユニット本体41の下面に設けられており、このようなユニット本体41の下面に調湿装置7、107が設けられているが、温調吸気口(具体的には、吸気孔47e)がユニット本体の上面に設けられた天井埋込型空気調和ユニットを採用して、
このユニット本体の上面に、上述の調湿装置7、107の機器の一部を上下反対にしたような構成を有する調湿装置を設けるようにしてもよい。より具体的には、上述の調湿装置7、107において、第1及び第2調湿側給気口82a、82b(開閉ダンパ91e、91fも含む)を底板84に設け、かつ、第1及び第2調湿側室内空気吸気口84a、84bを天板82に設け、第1及び第2吸着熱交換器71、72の熱交換器室S1、S2内における傾斜方向を上下反対にして配置した構成を有する調湿装置を、ユニット本体の上面に設置するものである。
この場合においても、上述の実施形態と同様、天井埋込型空気調和ユニットのユニット本体側面に設ける場合と比べてコンパクトに設置することができる。これにより、給水配管を設けることなく除加湿が可能で、かつ、コンパクトに天井埋込型空気調和ユニットに設けることが可能にできる。