ところで、上記従来のような調湿装置の例として、ケース内に空気経路を設けて2つの熱交換器を配置した調湿装置が考えられる。この調湿装置では、ケース内の空気経路に、室内に給気するための給気ファン及び室外に排気するための排気ファンを配置し、除湿される空気が一方の熱交換器を通過し、加湿される空気が他方の熱交換器を通過する第1通気モードと、逆に、加湿される空気が一方の熱交換器を通過し、除湿される第1空気が他方の第2熱交換器を通過する第2通気モードとを、冷媒回路での冷媒の循環方向に応じて切り換えることにより、除湿された空気又は加湿された空気の一方を調湿空気として室内へ供給することができる。
しかし、その場合、空気経路の2つの熱交換器に対する経由を切り換えるための複数のダンパが必要であり、そのダンパの数が多いと、コストが高くなるのは避けられない。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記カセットタイプに限らず、一般の調湿装置において、その空気経路に改良を加えることにより、必要なダンパ数を可及的に低減してコストダウンを図ることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、室内に連通する2つの開口の一方を給気口に、また他方を内気吸込口にそれぞれ特定して、給気口からの給気の吹出し及び内気吸込口からの室内空気の吸込みを一定にするのではなく、両開口を交互に給気口及び内気吸込口に切り換えるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、第1及び第2開口(61,62)が開口するケース(10)と、上記第1及び第2開口(61,62)に連通するように上記ケース(10)内に設けられ、空気が流れる給気及び排気経路(41,42)と、上記空気経路(41),(42)に配置されて吸着材を空気と接触させる第1及び第2吸着用部材と、上記空気経路(41),(42)に配置された給気ファン(45)及び排気ファン(46)とを備え、上記第1もしくは第2吸着用部材の一方で除湿された空気又は該吸着用部材の他方で加湿された空気の一方を調湿空気として室内に供給しかつ該空気の他方を室外に排出する調湿装置が対象である。
そして、上記空気経路(41,42)において、上記給気ファン(45)及び第1吸着用部材の間、給気ファン(45)及び第2吸着用部材の間、排気ファン(46)及び第2吸着用部材の間、並びに排気ファン(46)及び第1吸着用部材の間にそれぞれ配置され、第1及び第2吸着用部材の連通状態を第1及び第2通気モードに切り換える4つのダンパ(31)〜(34)を備え、上記第1通気モードでは、上記空気経路(41,42)に、空気が上記給気ファン(45)及び第1吸着用部材を通過して第1開口(61)に至るように流れる給気経路と、空気が上記第2開口(62)から第2吸着用部材及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される一方、第2通気モードでは、空気経路(41,42)に、空気が上記給気ファン(45)及び第2吸着用部材を通過して第2開口(62)に至るように流れる給気経路と、空気が上記第1開口(61)から第1吸着用部材及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成され、上記ダンパ(31)〜(34)により、第1又は第2開口(61),(62)の一方から室内空気を吸い込みかつ第1又は第2開口(61),(62)の他方から室内へ調湿空気を供給する状態と、第1又は第2開口(61),(62)の他方から室内空気を吸い込みかつ第1又は第2開口(61),(62)の一方から室内へ調湿空気を供給する状態とが、上記通気モードの変化に応じて切り換わるように構成されているものとする。
上記の構成によると、室内を加湿する場合、例えば最初に、ダンパ(31)〜(34)の切換えにより、通気モードが第2通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第2吸着用部材を通過して第2開口(62)に至るように流れる給気経路と、空気が第1開口(61)から第1吸着用部材及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気が第2吸着用部材を経由し、この第2吸着用部材での吸着材に対する加熱(再生)により、吸着材に吸着されている水分が吸着材から空気中に放出されて空気が加湿され、この加湿された空気は調湿空気として第2開口(62)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路を流れる空気が第1開口(61)から第1吸着用部材を経由し、この第1吸着用部材での吸着材に対する冷却により、吸着材が空気中の水分を吸着して空気が除湿され、この除湿された空気は室外に吹き出される。
この後、ダンパ(31)〜(34)が切り換えられて、第1通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第1吸着用部材を通過して第1開口(61)に至るように流れる給気経路と、空気が第2開口(62)から第2吸着用部材及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、上記給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気は、第1吸着用部材を経由して該吸着用部材で加湿され、この加湿された空気は調湿空気として第1開口(61)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路を流れる空気が第2開口(62)から第2吸着用部材を経由して該吸着用部材で除湿され、この除湿された空気は室外に吹き出される。
次いで、最初の通気モードに切り換わり、以後は2つの通気モードを繰り返す。このことで、給気経路を流れる空気が加湿されて室内に吹き出されるとともに、それに代えて、排気経路を流れる空気は除湿されて室外に排出される。
これに対し、室内を除湿する場合には、例えば最初に、ダンパ(31)〜(34)の切換えにより、第1通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第1吸着用部材を通過して第1開口(61)に至るように流れる給気経路と、空気が第2開口(62)から第2吸着用部材及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気が第1吸着用部材を経由して該吸着用部材で除湿され、この除湿された空気は調湿空気として第1開口(61)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路を流れる空気が第2開口(62)から第2吸着用部材を経由して該吸着用部材で加湿され、この加湿された空気は室外に吹き出される。
この後、ダンパ(31)〜(34)が切り換えられて、第2通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第2吸着用部材を通過して第2開口(62)に至るように流れる給気経路と、空気が第1開口(61)から第1吸着用部材及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、上記給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気は第2吸着用部材を経由して該吸着用部材で除湿され、この除湿された空気は調湿空気として第2開口(62)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路(42)を流れる空気が第1開口(61)から第1吸着用部材を経由して該吸着用部材で加湿され、この加湿された空気は室外に吹き出される。
次いで、最初の通気モードに切り換わり、以後は2つの通気モードを繰り返す。このことで、給気経路を流れる空気が除湿されて室内に吹き出されるとともに、それに代えて、排気経路を流れる空気が加湿されて室外に排出される。
そして、このような調湿動作時に、上記第1及び第2開口(61),(62)がそれぞれ内気吸込口及び給気口として交互に切り換わることから、ダンパの必要数を減らしてコストダウン等を図ることができる。
請求項2の発明では、上記吸着材を担持する第1及び第2吸着熱交換器(2),(3)をそれぞれ第1及び第2吸着用部材として設ける。そして、上記第1及び第2吸着熱交換器(2),(3)が接続されて冷凍サイクルを行うとともに冷媒の循環方向が反転可能な冷媒回路(B)を備え、第1冷凍サイクル動作では、第1熱交換器(2)が蒸発器となって第2熱交換器(3)が凝縮器となり、第2冷凍サイクル動作では、第1熱交換器(2)が凝縮器となって第2熱交換器(3)が蒸発器となるように上記冷媒回路(B)での冷媒の循環方向が切り換わるものとする。
この発明の構成によると、室内を加湿する場合、例えば最初に、冷媒回路(B)が第1熱交換器(2)を凝縮器としかつ第2熱交換器(3)を蒸発器とする第2冷凍サイクル動作になるとともに、ダンパ(31)〜(34)の切換えにより、第1通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第1熱交換器(2)(第1吸着用部材)を通過して第1開口(61)に至るように流れる給気経路と、空気が第2開口(62)から第2熱交換器(3)(第2吸着用部材)及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気が凝縮器となっている第1熱交換器(2)を経由し、この熱交換器(2)での吸着材に対する凝縮加熱(再生)により、吸着材に吸着されている水分が吸着材から空気中に放出されて空気が加湿され、この加湿された空気は調湿空気として第1開口(61)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路を流れる空気が蒸発器となっている第2熱交換器(3)を経由し、この熱交換器(3)での吸着材に対する冷却により、吸着材が空気中の水分を吸着して空気が除湿され、この除湿された空気は室外に吹き出される。
この後、冷媒回路(B)の冷凍サイクル動作が、第2熱交換器(3)が凝縮器となりかつ第1熱交換器(2)が蒸発器となる第1冷凍サイクル動作に切り換えられるとともに、この切換えに応じて、ダンパ(31)〜(34)が切り換えられて、第2通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第2熱交換器(3)(第2吸着用部材)を通過して第2開口(62)に至るように流れる給気経路と、空気が第1開口(61)から第1熱交換器(2)(第1吸着用部材)及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、上記給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気は、凝縮器となっている第2熱交換器(3)を経由して該熱交換器(3)で加湿され、この加湿された空気は調湿空気として第2開口(62)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路を流れる空気が、蒸発器となっている第1熱交換器(2)を経由して該熱交換器(2)で除湿され、この除湿された空気は室外に吹き出される。
次いで、最初の冷凍サイクル動作及び通気モードに切り換わり、以後は2つの冷凍サイクル動作及び通気モードを繰り返す。このことで、給気経路を流れる空気が加湿されて室内に吹き出されるとともに、それに代えて、排気経路を流れる空気は除湿されて室外に排出される。
これに対し、室内を除湿する場合には、例えば最初に、冷媒回路(B)が第1熱交換器(2)を凝縮器としかつ第2熱交換器(3)を蒸発器とする第2冷凍サイクル動作になるとともに、ダンパ(31)〜(34)の切換えにより、第2通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第2熱交換器(3)(第2吸着用部材)を通過して第2開口(62)に至るように流れる給気経路と、空気が第1開口(61)から第1熱交換器(2)(第1吸着用部材)及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気が、蒸発器となっている第2熱交換器(3)を経由して該熱交換器(3)で除湿され、この除湿された空気は調湿空気として第2開口(62)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路(42)を流れる空気が、凝縮器となっている第1熱交換器(2)を経由して該熱交換器(2)で加湿され、この加湿された空気は室外に吹き出される。
この後、冷媒回路(B)の冷凍サイクル動作が、第2熱交換器(3)が凝縮器となりかつ第1熱交換器(2)が蒸発器となる第1冷凍サイクル動作に切り換えられるとともに、この切換えに応じて、ダンパ(31)〜(34)が切り換えられて、第1通気モードとなり、空気経路(41,42)に、空気が給気ファン(45)及び第1熱交換器(2)(第1吸着用部材)を通過して第1開口(61)に至るように流れる給気経路と、空気が第2開口(62)から第2熱交換器(3)(第2吸着用部材)及び排気ファン(46)を通過するように流れる排気経路とが形成される。このことで、上記給気ファン(45)の作動により給気経路を流れる空気は、蒸発器となっている第1熱交換器(2)を経由して該熱交換器(2)で除湿され、この除湿された空気は調湿空気として第1開口(61)から室内に吹き出される。一方、排気ファン(46)の作動により、排気経路(42)を流れる空気が、凝縮器となっている第2熱交換器(3)を経由して該熱交換器(3)で加湿され、この加湿された空気は室外に吹き出される。
次いで、最初の冷凍サイクル動作及び通気モードに切り換わり、以後は2つの冷凍サイクル動作及び通気モードを繰り返す。このことで、給気経路を流れる空気が除湿されて室内に吹き出されるとともに、それに代えて、排気経路を流れる空気が加湿されて室外に排出される。
この場合も請求項1の発明と同様の作用効果を奏することができる。
請求項3の発明では、多数の空気通路を有して該空気通路を流れる空気に吸着材を接触させる吸着素子を吸着用部材として設ける。一方、空気経路(41),(42)を上記吸着素子に向けて流れる空気を加熱する加熱器を備える。
この発明によれば、吸着用部材として吸着素子が設けられ、その吸着素子における空気通路を流れる空気が吸着材に接触することで、その空気が吸着材により加湿又は除湿される。すなわち、空気は吸着素子にそのまま流れて、その吸着材により除湿されるか、或いは、空気は加熱器で加熱されて吸着素子に流れて、吸着材により加湿される。この場合も請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
請求項4の発明では、ケース(10)の壁部の少なくとも一部に、第1及び第2開口(61),(62)が開口する露出パネル(11)に設けられていて、上記ケース(10)が室内の天井部に上記露出パネル(11)を室内に露出させるように設置されるカセットタイプのものとする。このことで、室内に開口する第1及び第2開口(61),(62)が開口したカセットタイプの調湿装置に対し、そのダンパ数の低減によりコストダウン等を図ることができる。
請求項5の発明では、上記給気ファン(45)及び排気ファン(46)は、共にファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略平行になるように縦向きに配置されているものとする。
請求項6の発明では、給気ファン(45)又は排気ファン(46)の一方は、ファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略平行になるように縦向きに配置されている一方、給気ファン(45)又は排気ファン(46)の他方は、ファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略直交するように横向きに配置されているものとする。
その場合、請求項7の発明では、給気ファン(45)を横向きに配置する。一方、請求項8の発明では、逆に、排気ファン(46)を横向きに配置する。
請求項9の発明では、各ファン(45),(46)は、回転軸方向の両側から空気を吸い込む両吸込み構造のものとする。このことで、各ファン(45),(46)の外径を小さくして、その分、ケース(10)の表裏面間の寸法を小さくすることができる。
請求項10の発明では、上記吸着用部材はケース(10)の表裏面と略平行に横置きに配置されているものとする。
一方、請求項11の発明では、吸着用部材はケース(10)の表裏面と略直交するように縦置きに配置されているものとする。
請求項12の発明では、上記4つのダンパ(31)〜(34)のうちの少なくとも2つが第1及び第2吸着用部材の間に配置されている構造とする。
請求項13の発明では、4つのダンパ(31)〜(34)が第1及び第2吸着用部材の間以外の位置に配置されている構造とする。
請求項14の発明では、給気ファン(45)及び排気ファン(46)は1つの共通のファンモータ(48)に駆動連結されているものとする。こうすると、ファン駆動用のモータの数が1つで済み、コストダウン等を図ることができる。
請求項15の発明では、ケース(10)における外気吸込口(15)及び排気口(16)の少なくとも一方が複数の位置に変更可能に設けられている。このことで、施工時に外気吸込口(15)又は排気口(16)の複数の位置の中から1つを選択すればよく、外気吸込口(15)又は排気口(16)の位置を施工構造に合わせて容易に変更して、施工性を向上することができる。
以上説明したように、請求項1の発明では、第1及び第2開口が開口するケース内に、空気が流れる空気経路を第1及び第2開口に連通するように設けて、そのケース内の空気経路に、第1及び第2吸着用部材と給気及び排気ファンとを設け、第1もしくは第2吸着用部材の一方で除湿された空気又は該吸着用部材の他方で加湿された空気の一方を調湿空気として室内に供給して他方を室外に排出する調湿装置に対し、空気経路に、第1及び第2吸着用部材の連通状態を第1及び第2通気モードに切り換える4つのダンパを配置し、第1通気モードでは、上記空気経路に、空気が給気ファン及び第1吸着用部材を通過して第1開口に至るように流れる給気経路と、空気が第2開口から第2吸着用部材及び排気ファンを通過するように流れる排気経路とが形成される一方、第2通気モードでは、空気経路に、空気が給気ファン及び第2吸着用部材を通過して第2開口に至るように流れる給気経路と、空気が第1開口から第1吸着用部材及び排気ファンを通過するように流れる排気経路とが形成されるようにし、第1又は第2開口の一方から室内空気を吸い込みかつ他方の開口から室内へ調湿空気を供給する状態と、他方の開口から室内空気を吸い込みかつ一方の開口から室内へ調湿空気を供給する状態とを、通気モードの変化に応じて切り換えるようにした。
また、請求項2の発明では、第1及び第2吸着用部材として、吸着材を担持する第1及び第2吸着熱交換器をそれぞれ設け、これら交換器が接続されて冷凍サイクルを行うとともに冷媒の循環方向が反転可能な冷媒回路を設け、第1冷凍サイクル動作では、第1熱交換器が蒸発器となって第2熱交換器が凝縮器となり、第2冷凍サイクル動作ではその逆となるように冷媒回路での冷媒の循環方向を切り換えることとした。請求項3の発明では、吸着用部材として、空気通路の空気に吸着材を接触させる吸着素子を設け、ケース内を吸着素子に向けて流れる第2空気を加熱する加熱器を設けた。請求項4の発明では、ケースが室内の天井部に露出パネルを室内に露出させるように設置されるカセットタイプのものとした。請求項5の発明では、給気ファン及び排気ファンを、共にファン回転軸線がケースの表裏面と略平行になるように縦向きに配置した。請求項6の発明では、両ファンの一方を、ファン回転軸線がケースの表裏面と略平行になるように縦向きに配置する一方、他方のファンは、ファン回転軸線がケースの表裏面と略直交するように横向きに配置し、請求項7の発明では、給気ファンを横向きに、また請求項8の発明では、逆に、排気ファンを横向きにそれぞれ配置した。請求項10の発明では、各吸着用部材はケースの表裏面と略平行となるように横置きに配置した。また、請求項11の発明では、吸着用部材はケースの表裏面と略直交するように縦置きに配置した。また、請求項12の発明では、上記4つのダンパのうちの少なくとも2つを第1及び第2吸着用部材の間に配置した。一方、請求項13の発明では、4つのダンパを第1及び第2吸着用部材の間以外の位置に配置した。
これらの発明によれば、ダンパの必要数を減らしてコストダウン等を図ることができる。
請求項9の発明によれば、各ファンは、回転軸方向の両側から空気を吸い込む両吸込み構造のものとしたことにより、各ファンの外径を小さくして、ケースの表裏面間の寸法を小さくすることができる。
請求項14の発明によると、給気ファン及び排気ファンは1つの共通のファンモータに駆動連結されているものとしたことにより、ファン駆動用のモータの数が1つで済み、コストダウン等を図ることができる。
請求項15の発明によれば、ケースにおける外気吸込口及び排気口の少なくとも一方を複数の位置に変更可能に設けたことにより、施工時に外気吸込口又は排気口の複数の位置の中から1つを選択すればよく、外気吸込口又は排気口の位置を施工構造に合わせて容易に変更して、施工性を向上することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(1)実施形態1
図1〜図3は本発明の実施形態1に係る調湿装置(A)を示し、この調湿装置(A)は室内の天井部に取り付けられたカセットタイプのもので、室内空気(RA)の除湿又は加湿による調湿を行う。尚、図1は調湿装置(A)を上側(室内と反対側)から見た水平断面図で、図の下側が前側を、また上側が後側をそれぞれ示すものとし、以下の説明では「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」の用語は調湿装置(A)の上、下、前、後、左、右をそれぞれ意味する。
図4は、調湿装置(A)に用いられる冷媒回路(B)を示し、この冷媒回路(B)は、圧縮機(1)、第1熱交換器(2)、第2熱交換器(3)、四方切換弁(4)及び電動膨張弁(5)が設けられた閉回路で構成されて冷媒が充填されている。冷媒回路(B)では、充填された冷媒を循環させることにより蒸気圧縮式の冷凍サイクルが行われる。また、上記四方切換弁(4)の切換えにより、図4(a)に示すように、上記第1熱交換器(2)が蒸発器となりかつ第2熱交換器(3)が凝縮器となる第1冷凍サイクル動作と、図4(b)に示すように、上記第1熱交換器(2)が凝縮器となりかつ第2熱交換器(3)が蒸発器となる第2冷凍サイクル動作とを交互に繰り返すようになっている。
上記第1及び第2熱交換器(2),(3)は、いずれも例えば伝熱管と多数のフィンとを備えたいわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器で構成されている。また、第1及び第2熱交換器(2),(3)の外表面には、その概ね全面に亘り、熱交換器(2),(3)を通過する空気と接触する例えばゼオライト等の吸着材(図示せず)が担持されており、熱交換器(2),(3)が蒸発器になって冷却されると、通過する空気中の水分を吸着材が吸着して空気を除湿する一方、熱交換器(2),(3)が凝縮器になって加熱されると、吸着材が吸着していた水分を通過する空気中に放出して、空気を加湿するようになっている。つまり、第1及び第2熱交換器(2),(3)は、後述する空気経路(41),(42)に配置されて吸着材を空気と接触させる吸着用部材を構成している。
図1〜図3において、(10)は平面視が概ね正方形状で扁平な箱状のケース(10)で、このケース(10)内には上記第1熱交換器(2)及び第2熱交換器(3)が収納されている。ケース(10)内には両熱交換器(2),(3)のみが配置され、その他の機器はケース(10)外に配置されて図外の冷媒配管で接続されている。尚、熱交換器(2),(3)以外の機器を熱交換器(2),(3)と共にケース(10)内に配置することもできる。
ケース(10)の後壁には右側に外気吸込口(15)が、また左側に排気口(16)がそれぞれ円筒筒部の内部に開口され、これら開口には図外のダクトが接続される。また、ケース(10)の下壁部(底壁部)において前側寄りには室内に露出する矩形状の露出パネル(11)が部分的に形成され、この露出パネル(11)(下壁部)には前後略中央に左右に長い矩形状の第1開口(61)が、また前側端に同形状の第2開口(62)がそれぞれ開口されている。
さらに、ケース(10)内の空間は、ケース(10)内の略上下中間部をケース(10)の上下壁部と平行に水平方向に延びる横隔壁(12)と、ケース(10)内を上下方向に延びる複数の縦隔壁(13),(13),…とにより、第1〜第8の8つの空間(21)〜(28)に区画されている。尚、以下の説明では、縦隔壁(13)は1つの符号を付け、その区別はケース(10)における位置で行うものとする。また、縦隔壁(13)は、ケース(10)の上壁部から下壁部までの間に亘って一体的に形成されている。
すなわち、上記横隔壁(12)は、ケース(10)の内部において上記ケース(10)下壁部の露出パネル(11)を含む略前半部(図1の略下半部)でかつ左右中間部全体に位置している。この横隔壁(12)の左側(図1の左側)には左縦隔壁(13)が、また右側(図1の右側)には右縦隔壁(13)がそれぞれ前後方向(図1の上下方向)に互いに平行に延びるように形成されている。これら左右縦隔壁(13),(13)の前後略中央部間には左右方向に延びる前縦隔壁(13)が左右縦隔壁(13),(13)同士を接続するように形成されている。また、上記横隔壁(12)の後端(図1で上端)には左右縦隔壁(13),(13)間の範囲のみに中間縦隔壁(13)が形成されている。さらに、ケース(10)内の略後半部において上記外気吸込口(15)及び排気口(16)間の位置(左右中央)には上記中間縦隔壁(13)からケース(10)後壁まで前後方向に延びる後縦隔壁(13)が形成されている。以上の各縦隔壁(13)はいずれもケース(10)の上壁部から下壁部まで横隔壁(12)を通って(交差して)延びている。
そして、以上の隔壁構造により、第1空間(21)は、後側及び中間縦隔壁(13),(13)とケース(10)の後壁、右壁及び上下壁部とにより区画されて、上記外気吸込口(15)に常時連通している。第2空間(22)は、右縦隔壁(13)とケース(10)の上下壁部、右壁及び前壁とにより区画されて、上記第1空間(21)に連通している。第3及び第4空間(23),(24)は、左右縦隔壁(13),(13)、前縦隔壁(13)及び中間縦隔壁(13)とケース(10)の上壁部又は下壁部とで区画されたもので、第3空間(23)は横隔壁(12)の上側に、また第4空間(24)は横隔壁(12)の下側にそれぞれ上下に対応して形成されている。
一方、第5及び第6空間(25),(26)は、左縦隔壁(13)、右縦隔壁(13)及び前縦隔壁(13)とケース(10)の前壁、上壁部又は下壁部とで区画されたもので、第5空間(25)は横隔壁(12)の下側に、また第6空間(26)は横隔壁(12)の上側にそれぞれ上下に対応して形成されている。第7空間(27)は、第2空間(22)と同様のもので、左縦隔壁(13)とケース(10)の左壁、上下壁部及び前壁とで区画されて、第8空間(28)に常時連通している。さらに、この第8空間(28)は上記第1空間(21)と同様のもので、後縦隔壁(13)及び中間縦隔壁(13)とケース(10)の後壁、左壁及び上下壁部により区画されて、上記排気口(16)に常時連通している。
そして、ケース(10)下壁部の露出パネル(11)に開口されている上記第1開口(61)は第4空間(24)と室内とを常時連通し、第2開口(62)は第5空間(25)と室内とを常時連通している。
さらに、上記上下に対応して配置された第3空間(23)及び第4空間(24)を区画する横隔壁(12)は部分的に開口され、この開口には上記第1熱交換器(2)が両空間(23),(24)を連通するように気密状に嵌合されている。また、同様に上下に対応して配置された第5空間(25)及び第6空間(26)を区画する横隔壁(12)も部分的に開口され、この開口に第2熱交換器(3)が両空間(25),(26)を連通するように気密状に嵌合されている。よって、両熱交換器(2),(3)はケース(10)の表裏面(上下壁部)と略平行に横置きに、つまり水平に配置されている。
また、ケース(10)内には上記各空間(21)〜(28)を連通又は連通遮断する4つの揺動タイプのダンパ(31)〜(34)が設けられている。すなわち、上記第2空間(22)及び第3空間(23)を区画する右縦隔壁(13)は部分的に開口されて、この開口には開閉により両空間(22),(23)を連通又は連通遮断する第1ダンパ(31)が配置されている。また、第2空間(22)及び第6空間(26)を区画する右縦隔壁(13)も部分的に開口されて、この開口に開閉により両空間(22),(26)を連通又は連通遮断する第2ダンパ(32)が配置されている。
また、第7空間(27)及び第3空間(23)を区画する左縦隔壁(13)は部分的に開口されて、この開口には開閉により両空間(27),(23)を連通又は連通遮断する第4ダンパ(34)が配置されている。さらに、第7空間(27)及び第6空間(26)を区画する左縦隔壁(13)も部分的に開口されて、この開口には開閉により両空間(27),(26)を連通又は連通遮断する第3ダンパ(33)が配置されている。
そして、上記8つの空間(21)〜(28)により、上記外気吸込口(15)及び第1又は第2開口(61),(62)の一方からなる給気口を接続して室外空気(OA)を室内に供給するための給気経路(41)と、第1又は第2開口(61),(62)の他方からなる内気吸込口及び排気口(16)を接続して室内空気(RA)を室外に排出するための排気経路(42)とが形成され、4つのダンパ(31)〜(34)の開閉切換えにより、給気経路(41)及び排気経路(42)における第1熱交換器(2)及び第2熱交換器(3)の連通状態を第1及び第2の2つの通気モードに切換変更するようになっている。よって、4つのダンパ(31)〜(34)は第1及び第2熱交換器(2),(3)の左右両側(両熱交換器(2),(3)間以外の位置)に配置されている。
すなわち、図5は上記各ダンパ(31)〜(34)を「電気回路のスイッチ」と見倣して給気経路(41)及び排気経路(42)の変化を表したものであり(但し、「スイッチON状態」はダンパ(31)〜(34)が開いたときを、また「スイッチOFF状態」はダンパ(31)〜(34)が閉じたときをそれぞれ表している)、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が開き、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が閉じる第1通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第1ダンパ(31)、第3空間(23)、第1熱交換器(2)及び第4空間(24)を経由して、給気口をなす第1開口(61)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第2開口(62)から第5空間(25)、第2熱交換器(3)、第6空間(26)、第3ダンパ(33)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
一方、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が開き、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が閉じる第2通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第2ダンパ(32)、第6空間(26)、第2熱交換器(3)及び第5空間(25)を経由して、給気口をなす第2開口(62)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第1開口(61)から第4空間(24)、第1熱交換器(2)、第3空間(23)、第4ダンパ(34)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
よって、4つのダンパ(31)〜(34)による通気モードの切換えにより、第1通気モードではケース(10)下壁部の第1開口(61)が給気口になりかつ第2開口(62)が内気吸込口になる一方、第2通気モードでは第1開口(61)が内気吸込口になりかつ第2開口(62)が給気口になるように構成されている。
上記各ダンパ(31)〜(34)の開閉切換え(通気モードの切換え)及び四方切換弁(4)の切換え(冷媒回路(B)の冷凍サイクル動作の切換え)はいずれも図外のコントローラにより制御され、通気モードの切換えは、冷媒回路(B)の冷凍サイクル動作の切換えに応じて同期して行われる。
上記給気経路(41)を構成する第1空間(21)には、室外空気(OA)を調湿して室内に吹き出すための給気ファン(45)が、また排気経路(42)を構成する第8空間(28)には、室内空気(RA)を室外に排出するための排気ファン(46)がそれぞれ配置され、これらは例えばシロッコファンからなっている。
具体的には、上記給気ファン(45)は給気経路(41)の上流端たる第1空間(21)に、ファン回転軸線がケース(10)の表裏面(上下壁部)と平行に左右方向に延びるように縦向きに配置されている。この給気ファン(45)は、吸込口(45b)及び吐出口(45c)を有するファンハウジング(45a)と、このファンハウジング(45a)内に収容されたファンロータ(45d)とを有し、ファンハウジング(45a)は第1空間(21)と第2空間(22)との連通を遮断するように配置され、その吸込口(45b)は第1空間(21)内に、また吐出口(45c)は第2空間(22)の後端にそれぞれ連通しており、給気ファン(45)により外気吸込口(15)から第1空間(21)に吸い込んだ室外空気(OA)を第2空間(22)に吐出する。つまり、給気ファン(45)は、外気吸込口(15)からの室外空気(OA)を給気ファン(45)下流側の給気経路(41)に向けて吐出するように配置されて押込みファンを構成している。
一方、排気ファン(46)は排気経路(42)の下流端たる第8空間(28)に、ファン回転軸線がケース(10)の表裏面(上下壁部)と平行に左右方向に延びるように縦向きに配置されている。この排気ファン(46)も給気ファン(45)と同様に、吸込口(46b)及び吐出口(46c)を有するファンハウジング(46a)と、このファンハウジング(46a)内に収容されたファンロータ(46d)とを有し、ファンハウジング(46a)の吐出口(46c)は上記排気口(16)に連通しており、排気ファン(46)により第8空間(28)内の室内空気(RA)を排気口(16)に吐出する。つまり、排気ファン(46)は、排気ファン(46)上流側の排気経路(42)の室内空気(RA)を排気口(16)に向けて吐出するように配置されて吸込みファンを構成している。
そして、上記後縦隔壁(13)には、出力軸(48a)(回転軸)の両端をモータ本体から左右両側に突出させたファンモータ(48)が後縦隔壁(13)を貫通するように取付固定され、このファンモータ(48)の出力軸(48a)の右端部には上記給気ファン(45)が、また左端部には排気ファン(46)がそれぞれ回転一体に取り付けられている。つまり、給気ファン(45)及び排気ファン(46)は1つの共通のファンモータ(48)に駆動連結され、このファンモータ(48)により同じ方向に回転するようになっている。
次に、上記調湿装置(A)の調湿動作について説明する。この調湿装置(A)では、除湿運転と加湿運転とが切換可能となっている。このような調湿装置(A)の除湿運転中や加湿運転中は各々の第1動作及び第2動作が交互に繰り返される。
(除湿運転)
除湿運転時において、調湿装置(A)では、給気ファン(45)及び排気ファン(46)が1つの共通のファンモータ(48)の駆動により運転され、給気ファン(45)の運転により室外空気(OA)をケース(10)内の給気経路(41)に取り込んで除湿した後に供給空気(SA)として室内に供給する一方、室内空気(RA)を排気経路(42)に取り込んで排出空気(EA)として室外に排出する。
まず、除湿運転時の第1動作について説明する。この第1動作では、第1熱交換器(2)において室外空気(OA)の除湿が行われ、第2熱交換器(3)において吸着材の再生が行われる。
第1動作時に冷媒回路(B)では、四方切換弁(4)が図2(a)に示す状態に切り換えられ、この状態で圧縮機(1)を運転すると、冷媒回路(B)で冷媒が循環し、第2熱交換器(3)が凝縮器となって第1熱交換器(2)が蒸発器となる第1冷凍サイクル動作が行われる。
具体的に、圧縮機(1)から吐出された冷媒は、第2熱交換器(3)で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁(5)へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第1熱交換器(2)で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(1)へ吸入されて圧縮される。そして、圧縮された冷媒は、再び圧縮機(1)から吐出される。
また、第1動作時に通気モードは第1通気モードとなり、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が開き、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が閉じる。このことで、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第1ダンパ(31)、第3空間(23)、第1熱交換器(2)及び第4空間(24)を経由して第1開口(61)(給気口)に至る経路となり、排気経路(42)は第2開口(62)(内気吸込口)から第5空間(25)、第2熱交換器(3)、第6空間(26)、第3ダンパ(33)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
そして、給気ファン(45)の作動により、外気吸込口(15)から吸い込まれた室外空気(OA)が給気経路(41)を経て流れ、その途中で上記蒸発器となっている第1熱交換器(2)に送り込まれる。この第1熱交換器(2)では、その表面に担持された吸着材に室外空気(OA)中の水分が吸着され、室外空気(OA)が調湿される。その際に生じる吸着熱は冷媒が吸熱する。第1熱交換器(2)で除湿された調湿空気は、その後、第1開口(61)(給気口)から供給空気(SA)として室内へ供給される。
また同時に、排気ファン(46)の作動により、第2開口(62)(内気吸込口)より流入した室内空気(RA)は排気経路(42)を流れて、その途中の第2熱交換器(3)へ送り込まれる。この第2熱交換器(3)では、外表面に担持された吸着材が冷媒により加熱され、この吸着材から水分が脱離する。吸着材から脱離した水分は、第2熱交換器(3)を通過する室内空気(RA)に付与される。第2熱交換器(3)で水分を付与された空気は、その後、排気ファン(46)へ吸い込まれ、排気口(16)から排出空気(EA)として室外へ排出される。
次に、除湿運転時の第2動作について説明する。この第2動作では、第2熱交換器(3)において室外空気(OA)の除湿が行われ、第1熱交換器(2)において吸着材の再生が行われる。
第2動作時に冷媒回路(B)では、四方切換弁(4)が図2(b)に示す状態に切り換えられ、この状態で圧縮機(1)を運転すると、冷媒回路(B)で冷媒が循環し、第1熱交換器(2)が凝縮器となって第2熱交換器(3)が蒸発器となる第2冷凍サイクル動作が行われる。
具体的に、圧縮機(1)から吐出された冷媒は、第1熱交換器(2)で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁(5)へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第2熱交換器(3)で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機(1)へ吸入されて圧縮される。そして、圧縮された冷媒は、再び圧縮機(1)から吐出される。
また、第2動作時には通気モードが第2通気モードとなり、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が開き、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が閉じる。このことで、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第2ダンパ(32)、第6空間(26)、第2熱交換器(3)及び第5空間(25)を経由して第2開口(62)(給気口)に至る経路となり、排気経路(42)は第1開口(61)(内気吸込口)から第4空間(24)、第1熱交換器(2)、第3空間(23)、第4ダンパ(34)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
そして、給気ファン(45)の作動により、外気吸込口(15)から吸い込まれた室外空気(OA)が給気経路(41)を経て流れ、その途中で上記蒸発器となっている第2熱交換器(3)に送り込まれる。この第2熱交換器(3)では、その表面に担持された吸着材に室外空気(OA)中の水分が吸着され、室外空気(OA)が調湿される。その際に生じる吸着熱は冷媒が吸熱する。第2熱交換器(3)で除湿された調湿空気は、その後、第2開口(62)(給気口)から供給空気(SA)として室内へ供給される。
また同時に、排気ファン(46)の作動により、第1開口(61)(内気吸込口)より流入した室内空気(RA)は排気経路(42)を流れて、その途中の第2熱交換器(3)へ送り込まれる。この第1熱交換器(2)では、外表面に担持された吸着材が冷媒により加熱され、この吸着材から水分が脱離する。吸着材から脱離した水分は、第1熱交換器(2)を通過する室内空気(RA)に付与される。第1熱交換器(2)で水分を付与された空気は、その後、排気ファン(46)へ吸い込まれ、排気口(16)から排出空気(EA)として室外へ排出される。
(加湿運転)
加湿運転時において、調湿装置(A)では、給気ファン(45)及び排気ファン(46)が共通のファンモータ(48)に駆動されて運転され、室内空気(RA)を排気経路(42)に取り込んで排出空気(EA)として室外に排出する一方、室外空気(OA)を給気経路(41)に取り込んで加湿した後に供給空気(SA)として室内に供給する。
まず、加湿運転時の第1動作について説明する。この第1動作では、第2熱交換器(3)において室外空気(OA)の加湿が行われ、第1熱交換器(2)において室内空気(RA)から水分の回収が行われる。
第1動作時において、冷媒回路(B)では、四方切換弁(4)が図2(a)に示す状態に切り換えられ、圧縮機(1)の運転により、冷媒回路(B)で冷媒が循環し、第2熱交換器(3)が凝縮器となって第1熱交換器(2)が蒸発器となる第1冷凍サイクル動作が行われる。
また、第1動作時には通気モードが第2通気モードとなり、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が開き、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が閉じる。このことで、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第2ダンパ(32)、第6空間(26)、第2熱交換器(3)及び第5空間(25)を経由して第2開口(62)(給気口)に至る経路となり、排気経路(42)は第1開口(61)(内気吸込口)から第4空間(24)、第1熱交換器(2)、第3空間(23)、第4ダンパ(34)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
そして、給気ファン(45)の作動により、外気吸込口(15)から吸い込まれた室外空気(OA)が給気経路(41)を経て流れ、その途中で上記凝縮器となっている第2熱交換器(3)に送り込まれる。この第2熱交換器(3)では、外表面に担持された吸着材が冷媒により加熱され、この吸着材から水分が脱離する。吸着材から脱離した水分は、第2熱交換器(3)を通過する室外空気(OA)に付与される。第2熱交換器(3)で水分を付与された空気は、その後、第2開口(62)(給気口)から供給空気(SA)として室内へ供給される。
また同時に、排気ファン(46)の作動により、第1開口(61)(内気吸込口)より流入した室内空気(RA)は排気経路(42)を流れて、その途中の第1熱交換器(2)へ送り込まれる。この第1熱交換器(2)では、その表面に担持された吸着材に室外空気(OA)中の水分が吸着される。その際に生じる吸着熱は冷媒が吸熱する。第1熱交換器(2)で除湿された空気は、その後、排気ファン(46)へ吸い込まれ、排気口(16)から排出空気(EA)として室外へ排出される。
次に、加湿運転時の第2動作では、第1熱交換器(2)において室外空気(OA)の加湿が行われ、第2熱交換器(3)において吸着材の再生が行われる。
第2動作時において、冷媒回路(B)では、四方切換弁(4)が図2(b)に示す状態に切り換えられ、圧縮機(1)の運転により、冷媒回路(B)で冷媒が循環し、第1熱交換器(2)が凝縮器となって第2熱交換器(3)が蒸発器となる第2冷凍サイクル動作が行われる。
また、第2動作時には通気モードが第1通気モードとなり、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が開き、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が閉じる。このことで、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第1ダンパ(31)、第3空間(23)、第1熱交換器(2)及び第4空間(24)を経由して第1開口(61)(給気口)に至る経路となり、排気経路(42)は第2開口(62)(内気吸込口)から第5空間(25)、第2熱交換器(3)、第6空間(26)、第3ダンパ(33)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
そして、給気ファン(45)の作動により、外気吸込口(15)から吸い込まれた室外空気(OA)が給気経路(41)を経て流れ、その途中で上記凝縮器となっている第1熱交換器(2)に送り込まれる。この第1熱交換器(2)では、外表面に担持された吸着材が冷媒により加熱され、この吸着材から水分が脱離する。吸着材から脱離した水分は、第1熱交換器(2)を通過する室外空気(OA)に付与される。第1熱交換器(2)で水分を付与されて加湿された空気は、その後、第1開口(61)(給気口)から供給空気(SA)として室内へ供給される。
また同時に、排気ファン(46)の作動により、第2開口(62)(内気吸込口)より流入した室内空気(RA)は排気経路(42)を流れて、その途中の第2熱交換器(3)へ送り込まれる。この第2熱交換器(3)では、その表面に担持された吸着材に室外空気(OA)中の水分が吸着される。その際に生じる吸着熱は冷媒が吸熱する。第2熱交換器(3)で除湿された空気は、その後、排気ファン(46)へ吸い込まれ、排気口(16)から排出空気(EA)として室外へ排出される。
したがって、この実施形態においては、ダンパ(31)〜(34)の数が4つで済み、その必要数を減らして、コストダウンや構造の簡略化等を図ることができる。
また、上記給気ファン(45)が給気経路(41)の上流端に、外気吸込口(15)からの室外空気(OA)を給気ファン(45)下流側の給気経路(41)に向けて吐出するように配置されて押込みファンを構成し、一方、排気ファン(46)は排気経路(42)の下流端に、排気ファン(46)上流側の排気経路(42)の室内空気(RA)を排気口(16)に向けて吐出するように配置されて吸込みファンを構成しているので、給気ファン(45)は給気経路(41)において室外側に、また排気ファン(46)も排気経路(42)において室外側にそれぞれ位置することとなり、上記のような室内に対する調湿時に、給気経路(41)において室外空気(OA)が調湿されて給気口から室内に吹き出され、また排気経路(42)において室内空気(RA)が排気口(16)から室外に吹き出される際、その各ファン(45),(46)の運転音が室内に漏出し難くなる。このため、上記給気ファン(45)を給気経路(41)の下流端に配置して吸込みファンとしかつ排気ファン(46)を排気経路(42)の上流端に配置して押込みファンとする場合に比べ、室内での騒音を大きく低下させることができる。
加えて、給気ファン(45)及び排気ファン(46)は1つの共通のファンモータ(48)に駆動連結されていることから、ファンモータ(48)の数が1つで済み、コストダウン等を図ることができる。
(2)実施形態2
図6は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、給気ファン(45)及び排気ファン(46)の構造を変えたものである。
この実施形態2では、給気ファン(45)及び排気ファン(46)はいずれも、回転軸方向の両側から空気を吸い込む両吸込み構造のものとされている。すなわち、各ファン(45),(46)のファンハウジング(45a),(46a)には軸方向に対向する左右両側に位置する2つの吸込み口(45b),(45b),(46b),(46b)が開口されており、これら両吸込み口(45b),(45b),(46b),(46b)からファンハウジング(45a),(46a)内に吸い込んだ空気を1つの吐出口(45c),(46c)に集合させて吐出するようになっている。その他の構成は上記実施形態1と同様であり、図1〜図5と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
したがって、この実施形態では、実施形態1と同様の作用効果が得られる。また、給気ファン(45)及び排気ファン(46)の各々の外径が小さくなるので、その分、ケース(10)の表裏面間の高さ寸法を小さくすることができる。
(3)実施形態3
図7は実施形態3を示し、ダンパの数を4枚とした上で、空間及び排気ファン(46)のレイアウトを変えたものである。
この実施形態では、ケース(10)内に7つの空間(21)〜(27)が区画され、4つのダンパ(31)〜(34)が配置されている。すなわち、ケース(10)内には、左右方向に平行に延びる前後2つの縦隔壁(13),(13)と、前後方向に平行に延びる左右2つの縦隔壁(13),(13)とが配置されている。後側の縦隔壁(13)の左端は左側の縦隔壁(13)の中間部に、また前側の縦隔壁(13)の右端は右側の縦隔壁(13)の中間部に、さらに左側の縦隔壁(13)の前端は前側の縦隔壁(13)の中間部に、また右側の縦隔壁(13)の後端は後側の縦隔壁(13)の中間部にそれぞれ連続していて、これら縦隔壁(13)間に矩形状の第2空間(22)が形成され、左縦隔壁(13)と後縦隔壁(13)との間に第1空間(21)が、また右縦隔壁(13)と前縦隔壁(13)との間に第7空間(27)がそれぞれ区画され、第1空間(21)は後縦隔壁(13)の連通路(図示せず)により第2空間(22)と常時連通されている。また、後縦隔壁(13)と右縦隔壁(13)とで区画される部分に横隔壁(12)が形成され、この横隔壁(12)により上側の第3空間(23)と下側の第4空間(24)とが区画されている。さらに、前縦隔壁(13)と左縦隔壁(13)とで区画される部分にも横隔壁(12)が形成され、この横隔壁(12)により上側の第5空間(25)と下側の第6空間(26)とが区画されている。
また、実施形態1と同様に、ケース(10)の下壁部において上記第4空間(24)の下側には室内に開口する第1開口(61)が、また第5空間(25)の下側には室内に開口する第2開口(62)がそれぞれ開口され、第1開口(61)は第4空間(24)と室内とを常時連通し、第2開口(62)は第5空間(25)と室内とを常時連通している。
さらに、上記第2空間(22)と第3空間(23)との間に第1ダンパ(31)が、また第3空間(23)と第7空間(27)との間に第4ダンパ(34)が、さらに第2空間(22)と第6空間(26)との間に第2ダンパ(32)が、さらに第6空間(26)と第7空間(27)との間に第3ダンパ(33)がそれぞれ配置されている。よって、4つのダンパ(31)〜(34)のうちの第1及び第2の2つのダンパ(31),(32)が第1及び第2熱交換器(2),(3)の間に配置されている。
また、給気ファン(45)及び排気ファン(46)は各々個別のファンモータ(48),(48)に駆動連結され、給気ファン(45)は、上記各実施形態と同様に、第1空間(21)にファン回転軸線がケース(10)の表裏面と平行に左右方向に延びるように縦向きに配置されている。一方、排気ファン(46)は、各実施形態とは異なり、ファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略直交するように横向きに配置されている。
そして、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が開き、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が閉じる第1通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第1ダンパ(31)、第3空間(23)、第1熱交換器(2)及び第4空間(24)を経由して、給気口をなす第1開口(61)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第2開口(62)から第5空間(25)、第2熱交換器(3)、第6空間(26)、第3ダンパ(33)及び第7空間(27)を経て排気口(16)に至る経路となる。
一方、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が開き、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が閉じる第2通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第2ダンパ(32)、第6空間(26)、第2熱交換器(3)及び第5空間(25)を経由して、給気口をなす第2開口(62)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第1開口(61)から第4空間(24)、第1熱交換器(2)、第3空間(23)、第4ダンパ(34)及び第7空間(27)を経て排気口(16)に至る経路となる。よって、この実施形態でも、4つのダンパ(31)〜(34)による通気モードの切換えにより、第1通気モードではケース(10)下壁部の第1開口(61)が給気口になりかつ第2開口(62)が内気吸込口になる一方、第2通気モードでは第1開口(61)が内気吸込口になりかつ第2開口(62)が給気口になるように構成されている。その他の構成は実施形態1と同様である(図1参照)。
また、ケース(10)の後壁及び右壁後部にはそれぞれ第1空間(21)(給気経路(41))に連通する2つの外気吸込口(15),(15)が形成され、この2つの外気吸込口(15),(15)の一方又は両方は例えば蓋部等(図示せず)により常時は閉塞されており、調湿装置(A)の施工時にこれらの一方を選択して開口することで、外気吸込口(15)を2つの位置に変更可能としている。
尚、その他の構成、室外空気(OA)に対する調湿、室内空気(RA)の排気は実施形態1と同じであるので、その詳細な説明は省略する(実施形態1参照)。
したがって、この実施形態においても、実施形態1と同様の作用効果を奏することができる。また、この実施形態では、ケース(10)の後壁及び右壁後部にそれぞれ外気吸込口(15),(15)が形成されているので、施工時にいずれか一方の外気吸込口(15)を選択して開口すれば、外気吸込口(15)の位置を施工構造に合わせて容易に変更して、施工性を向上することができる。
尚、この実施形態では、外気吸込口(15)の位置を変更可能としているが、外気吸込口(15)だけでなく排気口(16)を複数の位置に変更可能にしてもよく、少なくとも一方が複数の位置に変更可能に設けられていればよい。
また、この実施形態では、排気ファン(46)を横向きに配置しているが、給気ファン(45)を横向きに配置してもよい。
(4)実施形態4
図8は実施形態4を示す。この実施形態では、給気ファン(45)及び排気ファン(46)をいずれも実施形態1と同様にファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略平行になるように縦向きに配置する一方、両熱交換器(2),(3)をケース(10)の表裏面と略直交するように垂直に配置したものである。
すなわち、この実施形態ではケース(10)内に8つの空間(21)〜(28)が区画されている。ケース(10)内には、略コ字状に折れ曲がった2つの縦隔壁(13),(13)と、該両隔壁(13),(13)を接続する左右方向に延びる1つの隔壁(13)とがケース(10)の上下壁部を接続するように形成され、これら3つの隔壁(13),(13),…により、ケース(10)内が、ケース(10)後側に位置する第1空間(21)と、前側に位置する第8空間(28)と、ケース(10)の中央前側に位置する第3空間(23)と、中央後側に位置する第7空間(27)とに区画されている。また、右側に位置する空間には第1熱交換器(2)が、また左側に位置する空間には第2熱交換器(3)がそれぞれケース(10)の表裏面と略直交するように縦置きつまり垂直に配置され、この各熱交換器(2),(3)により右側空間が左側の第3空間(23)及び右側の第4空間(24)に、また左側空間が右側の第5空間(25)及び左側の第6空間(26)にそれぞれ2分割されている。また、第4空間(24)下側のケース(10)下壁部に第1開口(61)が、また第6空間(26)の下側のケース(10)下壁部に第2開口(62)がそれぞれ開口されている。
また、上記第2空間(22)と第3空間(23)との間に第1ダンパ(31)が、また第3空間(23)と第7空間(27)との間に第4ダンパ(34)が、また第2空間(22)と第5空間(25)との間に第2ダンパ(32)が、さらに第7空間(27)と第5空間(25)との間に第3ダンパ(33)がそれぞれ設けられている。よって、4つのダンパ(31)〜(34)が第1及び第2熱交換器(2),(3)の間に配置されている。
そして、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が開き、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が閉じる第1通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第1ダンパ(31)、第3空間(23)、第1熱交換器(2)及び第4空間(24)を経由して、給気口をなす第1開口(61)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第2開口(62)から第6空間(26)、第2熱交換器(3)、第5空間(25)、第3ダンパ(33)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
一方、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が開き、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が閉じる第2通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第2ダンパ(32)、第5空間(25)、第2熱交換器(3)及び第6空間(26)を経由して、給気口をなす第2開口(62)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第1開口(61)から第4空間(24)、第1熱交換器(2)、第3空間(23)、第4ダンパ(34)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。よって、4つのダンパによる通気モードの切換えにより、第1通気モードではケース(10)下壁部の第1開口(61)が給気口になりかつ第2開口(62)が内気吸込口になる一方、第2通気モードでは第1開口(61)が内気吸込口になりかつ第2開口(62)が給気口になるように構成されている。
そして、上記第1空間(21)には給気ファン(45)が吸込口(45b)をケース(10)の第1空間(21)に、また吐出口(45c)を第2空間(22)にそれぞれ連通させるように配置されている。また、第8空間(28)には排気ファン(46)が吸込口(46b)を第7空間(27)に、また吐出口(46c)を第8空間(28)にそれぞれ連通させるように配置されている。これら給気ファン(45)及び排気ファン(46)は、ファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略平行になるように縦向きに配置されている。
また、ケース(10)の前壁及び右壁前部にそれぞれ第8空間(28)(給気経路(41))に連通する2つの排気口(16),(16)が形成され、この2つの排気口(16),(16)の一方は蓋部等により常時は閉塞されており、調湿装置(A)の施工時にこれらの一方を選択して開口することで、排気口(16)を2つの位置に変更可能としている。尚、外気吸込口(15)も同様に2つ形成されている。その他の構成は実施形態1と同様である(図1参照)。
この実施形態に係る調湿装置(A)の調湿動作は、上記実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。よって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果が得られる。
(5)実施形態5
図9は実施形態5を示し、上記実施形態4の構成において、給気ファン(45)の向きを変えたものである。すなわち、この実施形態では、第1空間(21)に給気ファン(45)が吸込口(45b)をケース(10)の外気吸込口(15)に、また吐出口(45c)を第1空間(21)にそれぞれ連通させるように配置されている。その他の構成は実施形態4と同じである。よって、この実施形態でも実施形態1と同様の作用効果を奏し得る。
(6)実施形態6
図10は実施形態6を示し、上記実施形態4の構成において、給気ファン(45)の配置を変えたものである。すなわち、この実施形態では、実施形態4と同様に、第1空間(21)に給気ファン(45)が吸込口(45b)を第1空間(21)に、また吐出口(45c)を第2空間(22)にそれぞれ連通させるように配置されている。異なるのは、この給気ファン(45)はファン回転軸線がケース(10)の表裏面と略直交するように横向きに配置されていることである。その他の構成は実施形態4と同じである。よって、この実施形態でも実施形態4と同様の作用効果が得られる。
(7)実施形態7
図11は実施形態7を示し、上記実施形態6の構成において、8つの空間(21)〜(28)のレイアウトを変えたものである。すなわち、ケース(10)内には、その上下壁部を接続する縦隔壁(13)により、後右隅角部に位置する第1空間(21)と、前左隅角部に位置する第8空間(28)と、左右中央の後側に位置する第2空間(22)と、左右中央の前側に位置する第7空間(27)とが区画形成され、第2空間(22)と第7空間(27)とは後側に向かって左側に傾斜する縦隔壁(13)で仕切られている。第1空間(21)は第2空間(22)に、また第7空間(27)は第8空間(28)にそれぞれ連通している。ケース(10)内の前右隅角部の空間には第1熱交換器(2)がケース(10)の表裏面と略直交するように縦置きに配置され、この第1熱交換器(2)により該空間が左側の第3空間(23)と右側の第4空間(24)とに分割区画され、第4空間(24)下側のケース(10)下壁部に第1開口(61)が開口されている。また、ケース(10)内の後左隅角部の空間には第2熱交換器(3)がケース(10)の表裏面と略直交するように縦置きに配置され、この第2熱交換器(3)により該空間が左側の第6空間(26)と右側の第5空間(25)とに分割区画され、第6空間(26)下側のケース(10)下壁部に第2開口(62)が開口されている。
また、上記第2空間(22)と第3空間(23)との間に第1ダンパ(31)が、また第3空間(23)と第7空間(27)との間に第4ダンパ(34)が、また第2空間(22)と第5空間(25)との間に第2ダンパ(32)が、さらに第7空間(27)と第5空間(25)との間に第3ダンパ(33)がそれぞれ設けられている。
そして、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が開き、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が閉じる第1通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第1ダンパ(31)、第3空間(23)、第1熱交換器(2)及び第4空間(24)を経由して、給気口をなす第1開口(61)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第2開口(62)から第6空間(26)、第2熱交換器(3)、第5空間(25)、第3ダンパ(33)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。
一方、第2ダンパ(32)及び第4ダンパ(34)が開き、第1ダンパ(31)及び第3ダンパ(33)が閉じる第2通気モードになったときには、給気経路(41)は外気吸込口(15)から第1空間(21)、第2空間(22)、第2ダンパ(32)、第5空間(25)、第2熱交換器(3)及び第6空間(26)を経由して、給気口をなす第2開口(62)に至る経路となり、排気経路(42)は内気吸込口をなす第1開口(61)から第4空間(24)、第1熱交換器(2)、第3空間(23)、第4ダンパ(34)、第7空間(27)及び第8空間(28)を経て排気口(16)に至る経路となる。よって、4つのダンパ(31)〜(34)による通気モードの切換えにより、第1通気モードではケース(10)下壁部の第1開口(61)が給気口になりかつ第2開口(62)が内気吸込口になる一方、第2通気モードでは第1開口(61)が内気吸込口になりかつ第2開口(62)が給気口になるように構成されている。
そして、上記第1空間(21)には、ファン回転軸線をケース(10)の表裏面と略直交するようにした縦向きの給気ファン(45)が吸込口(45b)を第1空間(21)に、また吐出口(45c)を第2空間(22)にそれぞれ連通させるように配置されている。また、第8空間(28)には、ファン回転軸線をケース(10)の表裏面と略平行になるようにした横向きの排気ファン(46)が吸込口(46b)を第7空間(27)に、また吐出口(46c)を第8空間(28)にそれぞれ連通させるように配置されている。その他の構成は実施形態6と同様である(図10参照)。よって、この実施形態でも実施形態6と同様の作用効果を奏することができる。
(9)他の実施形態
尚、上記各実施形態では、ケース(10)の下壁部の露出パネル(11)に第1開口(61)及び第2開口(62)を開口させ、これらにより調湿空気の室内への供給と室内空気の室外への排出とを行っているが、第1開口(61)及び第2開口(62)の一方又は両方に連通する空間に臨むケース(10)側壁(例えば前壁、左右壁、後壁)に円形筒状のダクト接続口を開口し、このダクト接続口を第1開口(61)及び第2開口(62)として用いてもよい(本来の第1開口(61)や第2開口(62)は閉じる)。こうすれば、そのダクト接続口にダクトを接続して給気口及び/又は内気吸込口として利用することができ、このダクトにより、一方の開口から室内に吹き出した調湿空気が室内に拡がらずにそのまま他方の開口に吸い込まれるいわゆるショートサーキットが発生するのを防止して、室内の調湿効率を高めることができる。
また、上記各実施形態は、ケース内(10)に室外空気(OA)を吸い込んで調湿した後に室内に吹き出させ、室内空気(RA)を吸い込んで室外に吹き出させる換気タイプの調湿装置の例であるが、この他、室内空気を吸い込んで除湿又は加湿により調湿した後に同じ室内に吹き出させる循環タイプの調湿装置に対しても本発明を適用することができる。
さらに、上記各実施形態では、吸着用部材として熱交換器(2),(3)自体に吸着材を担持させたものを用いているが、この熱交換器に吸着材を担持させるのではなく、熱交換器とは別体に吸着用部材としての吸着素子を設けて、この吸着素子により空気の除湿又は加湿を行うようにしてもよい(熱交換器は吸着材を担持しないものをそのまま用いる)。この吸着素子は、多数の空気通路が形成されていて、その各空気通路を流れる空気に吸着材を接触させるようになっているものである。この場合も上記実施形態と同様の作用効果が得られる。
さらに、このように吸着用部材として吸着素子を用いる場合において、上記加熱用又は冷却用の熱交換器を無くし、それに代えて、吸着素子に向けて流れる第2空気を加熱する加熱器のみを設けることもできる。つまり、吸着素子の吸着材は、冷却せずとも単なる空気との接触により空気中の水分を吸着して除湿し、加熱により吸着成分を放出して空気を加湿することが可能であることから、加熱器のみを配置するのである。
また、上記各実施形態では、調湿装置(A)として室内の天井部に取り付けられたカセットタイプのものを説明したが、本発明はカセットタイプ以外の調湿装置に対しても適用することができるのは勿論である。