以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
本発明の実施形態1に係る調湿装置(10)は、室内の床面に設置されて室内の湿度調節を行う床置き型の調湿装置である。図1に示すように、調湿装置(10)は、衣服等が収納されるクローゼットの収納空間(S)に設置可能に構成されている。
図1〜図3に示すように、調湿装置(10)は、縦長の直方体状に形成されたケーシング(20)を備えている。なお、図3の斜視図(その他の斜視図も含む)では、便宜上、ケーシング(20)の上部と残りの部位とを分解して図示している。ケーシング(20)は、前面のみが開放された箱状のケーシング本体部(21)と、該ケーシング本体部(21)の前側の開放部に着脱自在に取り付けられる前面カバー(22)とを備えている。
ケーシング本体部(21)には、上端部に天板(23)が、下端部に底板(24)がそれぞれ形成されている。また、ケーシング本体部(21)には、右端部に右側面板(25)が、左端部に左側面板(26)がそれぞれ形成されている。更に、ケーシング本体部(21)には、後端部に背面板(27)が形成されている。
上記天板(23)には、4つのダクト接続口(31,32,33,34)が形成されている。これらのダクト接続口(31,32,33,34)は、天板(23)の4つの角部に対応するように互いに隣り合って配列されている。具体的に、4つのダクト接続口(31,32,33,34)は、天板(23)の前方右側寄りに配設される室外吸込口(31)と、天板(23)の前方左側寄りに配設される室内吸込口(32)と、天板(23)の後方右側寄りに配設される室外排気口(33)と、天板(23)の後方左側寄りに配設される室内給気口(34)とで構成されている。つまり、ケーシング本体部(21)の上面には、室外吸込口(31)と室内吸込口(32)と室外排気口(33)と室内給気口(34)とが集約するように形成されている。
各ダクト接続口(31,32,33,34)には、それぞれ空気が流通可能なダクト(5)が接続される(図1参照)。各ダクト(5)は、室内の天井側に向かって上方に延び、天井裏を伝って所定の空間まで配設されている。これらのダクト(5)を介して、室外吸込口(31)及び室外排気口(33)は室外空間と繋がり、室内吸込口(32)及び室内給気口(34)は室内空間と繋がる。そして、室外吸込口(31)は、室外空気(OA)をケーシング(20)内に導入するための開口を構成し、室内吸込口(32)は、室内空気(RA)をケーシング(20)内に導入するための開口を構成する。また、室外排気口(33)は、ケーシング(20)内の空気を排出空気(EA)として室外へ排出するための開口を構成し、室内給気口(34)は、ケーシング(20)内の空気を供給空気(SA)として室内へ供給するための開口を構成する。
上記前面カバー(22)は、ケーシング本体部(21)の前側開放部を覆うように該ケーシング本体部(21)に取り付け/取り外し可能に構成されている。前面カバー(22)には、ユーザー等が調湿装置(10)の運転を切り換えるための操作スイッチ(図示省略)が設けられている。また、前面カバー(22)の上部には、詳細は後述するフィルタ(36,37)を取り出し可能とするための開口部(22a)と、該開口部(22a)を開閉可能な開閉蓋(22b)とが設けられている。開閉蓋(22b)は、前面カバー(22)本体に対して着脱自在に構成されている。
図2及び図3に示すように、ケーシング本体部(21)に前面カバー(22)が装着される状態では、ケーシング(20)の内部に直方体状の空間が形成される。ケーシング(20)の内部には、下側寄りに下部仕切板(40)が設けられ、上側寄りに上部仕切板(41)が設けられる。下部仕切板(40)及び上部仕切板(41)は、矩形板状に形成され、水平な姿勢でケーシング(20)に支持される。
下部仕切板(40)と底板(24)との間には、扁平な直方体状の機械室(50)が区画されている。機械室(50)には、詳細は後述する冷媒回路(11)に接続される圧縮機(12)や四方切換弁(13)等が収納されている。圧縮機(12)は、縦置き型の圧縮機で構成され、底板(24)に設置されている。圧縮機(12)は、例えばスクロール系やロータリー系の圧縮機等で構成されている。
上部仕切板(41)と天板(23)との間には、扁平な直方体状の空間が区画されている。この空間には、縦仕切板(42)と横仕切板(43)とが設けられている。縦仕切板(42)は、長辺が前後方向に延びる板状に形成され、横仕切板(43)は、長辺が左右方向に延びる板状に形成されている。縦仕切板(42)及び横仕切板(43)は、互いに直交するようにして鉛直な姿勢でケーシング(20)に支持されている。縦仕切板(42)及び横仕切板(43)は、上部仕切板(41)と天板(23)との間の空間を4つの通路(51,52,53,54)に区画している。これらの4つの通路は、外気吸込通路(51)と内気吸込通路(52)と外気排出通路(53)と内気供給通路(54)とで構成される。
外気吸込通路(51)は、ケーシング(20)の前方右側寄りに形成され、内気吸込通路(52)は、ケーシング(20)の前方左側寄りに形成されている。また、外気排出通路(53)は、ケーシング(20)の後方右側寄りに形成され、内気供給通路(54)は、ケーシング(20)の後方左側寄りに形成されている。一方、上述の上部仕切板(41)には、外気吸込通路(51)に臨む部位に第1連通口(61)が、内気吸込通路(52)に臨む部位に第2連通口(62)が、外気排出通路(53)に臨む部位に第3連通口(63)が、内気供給通路(54)に臨む部位に第4連通口(64)がそれぞれ形成されている。
そして、上記室外吸込口(31)は、外気吸込通路(51)を介して第1連通口(61)と連通し、上記室内吸込口(32)は、内気吸込通路(52)を介して第2連通口(62)と連通している。また、上記室外排気口(33)は、外気排出通路(53)を介して第3連通口(63)と連通し、上記室内給気口(34)は、内気供給通路(54)を介して第4連通口(64)と連通している。
外気吸込通路(51)には外気フィルタ(36)が設けられ、内気吸込通路(52)には内気フィルタ(37)が設けられている。つまり、外気フィルタ(36)は室外吸込口(31)の下側に配設される第1フィルタを構成し、内気フィルタ(37)は室内吸込口(32)の下側に配設される第2フィルタを構成している。これらのフィルタ(36,37)は、板状あるいはシート状に形成され、対応する各吸込通路(51,52)の横断面の全域に跨るようにして水平な姿勢で保持されている。また、これらのフィルタ(36,37)は、各吸込通路(51,52)において前後方向に進退自在に構成されている。
外気排出通路(53)には排気ファン(29)が設けられ、内気供給通路(54)には給気ファン(30)が設けられている(図2参照)。これらのファン(29,30)は、遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)で構成されている。なお、図3の斜視図(その他の斜視図も含む)では、これらのファン(29,30)の図示を省略している。排気ファン(29)は、第3連通口(63)から誘引した空気を室外排気口(33)に向かって送風する。給気ファン(30)は、第4連通口(64)から誘引した空気を室内給気口(34)に向かって送風する。
下部仕切板(40)と上部仕切板(41)との間には、直方体状の空間が区画されている。この空間には、第1仕切板(44)と第2仕切板(45)とが設けられている。第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)は、下部仕切板(40)から上部仕切板(41)に亘って形成され、ケーシング(20)の左右の側面板(25,26)と平行で、且つ鉛直な姿勢でケーシング(20)に支持されている。そして、第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)は、下部仕切板(40)及び上部仕切板(41)の間の空間を3つの空間に仕切っている。
上記3つの空間のうちの右側寄りの空間は、第3仕切板(46)によって前後に2つの空間に区画され、上記3つの空間のうちの左側寄りの空間は、第4仕切板(47)によって前後に2つの空間に区画されている。第3仕切板(46)の前側の空間は第1中間通路(55)を構成し、第4仕切板(47)の前側の空間が第2中間通路(56)を構成している。また、第3仕切板(46)の後側の空間は第3中間通路(57)を構成し、第4仕切板(47)の後側の空間が第4中間通路(58)を構成している。
第1中間通路(55)の上端は上記第1連通口(61)と連通し、第2中間通路(56)の上端は上記第2連通口(62)と連通し、第3中間通路(57)の上端は上記第3連通口(63)と連通し、第4中間通路(58)の上端は上記第4連通口(64)と連通している。また、これらの中間通路(55,56,57,58)の下端は、何れも下部仕切板(40)によって閉塞されている。
上記3つの空間のうちの中央の空間は、中央仕切板(48)によって上下に2つの空間に区画されている。これらの2つの空間のうち上側の空間が第1調湿室(65)を構成し、下側の空間が第2調湿室(66)を構成している。つまり、第1調湿室(65)と第2調湿室(66)とは、中央仕切板(48)を挟んで互いに隣り合うように上下方向に並んで形成されている。
第1調湿室(65)には第1吸着熱交換器(14)が収納され、第2調湿室(66)には第2吸着熱交換器(15)が収納されている。第1吸着熱交換器(14)及び第2吸着熱交換器(15)は、詳細は後述する冷媒回路(11)に直列に接続されている。
図4に示すように、各吸着熱交換器(14,15)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。これら吸着熱交換器(14,15)は、銅製の伝熱管(16)とアルミニウム製のフィン(17)とを備えている。吸着熱交換器(14,15)に設けられた複数のフィン(17)は、それぞれが長方形板状に形成され、一定の間隔で並べられている。また、伝熱管(16)は、フィン(17)の配列方向に蛇行する形状となっている。つまり、この伝熱管(16)では、各フィン(17)を貫通する直管部と、隣り合った直管部同士を接続するU字管部とが交互に形成されている。
上記各吸着熱交換器(14,15)では、各フィン(17)の表面に吸着剤が担持されており、フィン(17)の間を通過する空気がフィン(17)に担持された吸着剤と接触する。この吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水分に対して所定の吸脱着性能を有するものが用いられる。
実施形態1の各吸着熱交換器(14,15)は、調湿室(65,66)において斜めに配置されている。具体的に、各吸着熱交換器(14,15)は、複数のフィン(17)が第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)と平行となり、且つフィン(17)の上端が鉛直方向よりも前側に傾く姿勢となるようにして調湿室(65,66)に保持されている。これにより、各吸着熱交換器(14,15)の各フィン(17)を長手方向に伸ばすことができ、各吸着熱交換器(14,15)における空気の通過面積を稼ぐことができる。その結果、吸着剤と空気との接触効率が増大する。
上記第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)には、空気が流入又は流出する流通口が4つずつ形成されている。具体的に、第1仕切板(44)の上部には、その前側寄りに第1流通口(71)が、後側寄りに第2流通口(72)がそれぞれ形成され、第2仕切板(45)の上部には、その前側寄りに第3流通口(73)が、後側寄りに第4流通口(74)がそれぞれ形成されている。また、第1仕切板(44)の下部には、その前側寄りに第5流通口(75)が、後側寄りに第6流通口(76)がそれぞれ形成され、第2仕切板(45)の下部には、その前側寄りに第7流通口(77)が、後側寄りに第8流通口(78)がそれぞれ形成されている。
第1流通口(71)は、第1中間通路(55)と第1調湿室(65)とを連通させ、第2流通口(72)は、第3中間通路(57)と第1調湿室(65)とを連通させ、第3流通口(73)は、第2中間通路(56)と第1調湿室(65)とを連通させ、第4流通口(74)は、第4中間通路(58)と第1調湿室(65)とを連通させている。また、第5流通口(75)は、第1中間通路(55)と第2調湿室(66)とを連通させ、第6流通口(76)は、第3中間通路(57)と第2調湿室(66)とを連通させ、第7流通口(77)は、第2中間通路(56)と第2調湿室(66)とを連通させ、第8流通口(78)は、第4中間通路(58)と第2調湿室(66)とを連通させている。
第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)には、対応する流通口を開閉自在とするダンパが4つずつ設けられている。具体的に、第1仕切板(44)には、第1流通口(71)を断続する第1ダンパ(D1)と、第2流通口(72)を断続する第2ダンパ(D2)と、第5流通口(75)を断続する第5ダンパ(D5)と、第6流通口(7)を断続する第6ダンパ(D6)とが設けられている。また、第2仕切板(45)には、第3流通口(73)を断続する第3ダンパ(D3)と、第4流通口(74)を断続する第4ダンパ(D4)と、第7流通口(77)を断続する第7ダンパ(D7)と、第8流通口(78)を断続する第8ダンパ(D8)とが設けられている。
各ダンパ(D1〜D8)は、例えば2枚のシャッタと、水平軸を支点として各シャッタを回動させるモータとを有している。即ち、各ダンパ(D1〜D8)では、モータの回転により2枚のシャッタが鉛直な姿勢に変位すると、対応する流通口(71〜78)が閉鎖状態となり、モータの回転により2枚のシャッタが水平な姿勢に変位すると、対応する流通口(71〜78)が開放状態となる。
以上のような構成の第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)は、2つの調湿室(65,66)の左右方向の両側面側に形成されている。また、第1仕切板(44)と第2仕切板(45)とは、2つの調湿室(65,66)に跨るように形成されて、鉛直な姿勢でケーシング(20)に支持されている。更に、第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)は、前後方向に進退自在に構成されている。具体的に、上部仕切板(41)の下面と下部仕切板(40)の上面とには、第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)の上端と下端とが嵌合するレール溝(図示省略)が前後方向に延びて形成されている。第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)は、これらのレール溝に沿うようにして前後にスライド自在となっている。
〈冷媒回路の構成〉
調湿装置(10)に搭載される上記冷媒回路(11)について図5を参照しながら説明する。
冷媒回路(11)は、第1吸着熱交換器(14)、第2吸着熱交換器(15)、圧縮機(12)、四方切換弁(13)、及び電動膨張弁(18)が設けられた閉回路である。冷媒回路(11)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行う。
冷媒回路(11)では、圧縮機(12)の吐出側が四方切換弁(13)の第1のポートと接続され、圧縮機(12)の吸入側が四方切換弁(13)の第2のポートと接続されている。また、冷媒回路(11)では、第1吸着熱交換器(14)の一端が四方切換弁(13)の第3ポートと接続され、第1吸着熱交換器(14)の他端が電動膨張弁(18)及び第2吸着熱交換器(15)を介して四方切換弁(13)の第4ポートと接続されている。
上記四方切換弁(13)は、第1のポートと第4のポートとが連通して第2のポートと第3のポートとが連通する第1状態(図5(A)に示す状態)と、第1のポートと第3のポートとが連通して第2のポートと第4のポートとが連通する第2状態(図5(B)に状態)とに切り換え可能となっている。
本実施形態の調湿装置(10)では、冷媒回路(11)が熱媒体回路を構成する。この冷媒回路(11)では、2つの吸着熱交換器(14,15)のうち凝縮器(放熱器)として動作する方に高圧のガス冷媒が加熱用の熱媒流体として供給され、蒸発器として動作する方に低圧の気液二相冷媒が冷却用の熱媒流体として供給される。
−運転動作−
実施形態1の調湿装置(10)は、「除湿換気運転」と「加湿換気運転」と「除湿循環運転」と「加湿循環運転」とを選択的に行う。「除湿換気運転」や「加湿換気運転」では、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調湿してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。また、「除湿循環運転」や「加湿循環運転」では、取り込んだ室内空気(RA)を湿度調節してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室外空気(OA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。以下には、これらの各運転について詳細に説明する。
〈除湿換気運転〉
除湿換気運転中の調湿装置(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。
除湿換気運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(30)を運転すると、室外空気が室外吸込口(31)からケーシング(20)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(29)を運転すると、室内空気が室内吸込口(32)からケーシング(20)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、除湿換気運転の第1動作について説明する。図6に示すように、この第1動作中には、第1ダンパ(D1〜D8)の状態が切り換わることで、第1流通口(71)、第4流通口(74)、第6流通口(76)、及び第7流通口(77)が開状態となり、第2流通口(72)、第3流通口(73)、第5流通口(75)、及び第8流通口(78)が閉状態となる。
第1動作中の冷媒回路(11)では、図5(A)に示すように、四方切換弁(13)が第1状態に設定される。この状態の冷媒回路(11)では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この際、冷媒回路(11)では、圧縮機(12)から吐出された冷媒が第2吸着熱交換器(15)、電動膨張弁(18)、第1吸着熱交換器(14)の順に通過し、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となる。
図6に示すように、上記室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第1空気は、外気フィルタ(36)を通過する。外気フィルタ(36)では、第1空気中に含まれる塵埃が捕捉される。外気フィルタ(36)を通過した第1空気は、第1連通口(61)及び第1中間通路(55)を順に流れ、第1流通口(71)より第1調湿室(65)へ流入する。この第1空気は、後方へ流れて第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(14)で除湿された第1空気は、第4流通口(74)から第4中間通路(58)へ流出する。この第1空気は、第4連通口(64)及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、上記室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第2空気は、内気フィルタ(37)を通過する。内気フィルタ(37)では、第2空気中に含まれる塵埃が捕捉される。内気フィルタ(37)を通過した第2空気は、第2連通口(62)及び第2中間通路(56)を順に流れ、第7流通口(77)より第2調湿室(66)へ流入する。この第2空気は、後方へ流れて第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気へ付与される。第2吸着熱交換器(15)の吸着剤の再生に利用された第2空気は、第6流通口(76)から第3中間通路(57)へ流出する。この第2空気は、第3連通口(63)及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
次に、除湿換気運転の第2動作について説明する。図7に示すように、この第2動作中には、第1ダンパ(D1〜D8)の状態が切り換わることで、第2流通口(72)、第3流通口(73)、第5流通口(75)、及び第8流通口(78)が開状態となり、第1流通口(71)、第4流通口(74)、第6流通口(76)、及び第7流通口(77)が閉状態となる。
第2動作中の冷媒回路(11)では、図5(B)に示すように、四方切換弁(13)が第2状態に設定される。この状態の冷媒回路(11)では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この際、冷媒回路(11)では、圧縮機(12)から吐出された冷媒が第1吸着熱交換器(14)、電動膨張弁(18)、第2吸着熱交換器(15)の順に通過し、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となる。
図7に示すように、上記室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第1空気は、外気フィルタ(36)を通過する。外気フィルタ(36)では、第1空気中に含まれる塵埃が捕捉される。外気フィルタ(36)を通過した第1空気は、第1連通口(61)及び第1中間通路(55)を順に流れ、第5流通口(75)より第2調湿室(66)へ流入する。この第1空気は、後方へ流れて第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(15)で除湿された第1空気は、第8流通口(78)から第4中間通路(58)へ流出する。この第1空気は、第4連通口(64)及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第2空気は、内気フィルタ(37)を通過する。内気フィルタ(37)では、第2空気中に含まれる塵埃が捕捉される。内気フィルタ(37)を通過した第2空気は、第2連通口(62)及び第2中間通路(56)を順に流れ、第3流通口(73)より第1調湿室(65)へ流入する。この第2空気は、後方へ流れて第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気へ付与される。第1吸着熱交換器(14)の吸着剤の再生に利用された第2空気は、第2流通口(72)から第3中間通路(57)へ流出する。この第2空気は、第3連通口(63)及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
〈加湿換気運転〉
加湿換気運転中の調湿装置(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。
加湿換気運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(30)を運転すると、室外空気が室外吸込口(31)からケーシング(20)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(29)を運転すると、室内空気が室内吸込口(32)からケーシング(20)内へ第2空気として取り込まれる。
加湿換気運転の第1動作中には、図6に示すように、第1流通口(71)、第4流通口(74)、第6流通口(76)、及び第7流通口(77)が開状態となり、第2流通口(72)、第3流通口(73)、第5流通口(75)、及び第8流通口(78)が閉状態となる。また、冷媒回路(11)は、図5(B)に示す状態となり、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となる。
図6に示すように、室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第1空気は、外気フィルタ(36)、第1連通口(61)、第1中間通路(55)、及び第1流通口(71)を順に流れて第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第1空気に付与される。第1吸着熱交換器(14)で加湿された第1空気は、第4流通口(74)、第4中間通路(58)、第4連通口(64)、及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第2空気は、内気フィルタ(37)、第2連通口(62)、第2中間通路(56)、及び第7流通口(77)を順に流れて第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、第2空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(15)の吸着剤へ水分を付与した第2空気は、第6流通口(76)、第3中間通路(57)、第3連通口(63)、及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
加湿換気運転の第2動作中には、図7に示すように、第2流通口(72)、第3流通口(73)、第5流通口(75)、及び第8流通口(78)が開状態となり、第1流通口(71)、第4流通口(74)、第6流通口(76)、及び第7流通口(77)が閉状態となる。また、冷媒回路(11)は、図5(A)に示す状態となり、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となる。
図7に示すように、室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第1空気は、外気フィルタ(36)、第1連通口(61)、第1中間通路(55)、及び第5流通口(75)を順に流れて第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第1空気に付与される。第2吸着熱交換器(15)で加湿された第1空気は、第8流通口(78)、第4中間通路(58)、第4連通口(64)、及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第2空気は、内気フィルタ(37)、第2連通口(62)、第2中間通路(56)、及び第3流通口(73)を順に流れて第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、第2空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(14)の吸着剤へ水分を付与した第2空気は、第2流通口(72)、第3中間通路(57)、第3連通口(63)、及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
〈除湿循環運転〉
除湿循環運転中の調湿装置(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。
除湿循環運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(30)を運転すると、室内空気が室内吸込口(32)からケーシング(20)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(29)を運転すると、室外空気が室外吸込口(31)からケーシング(20)内へ第2空気として取り込まれる。
除湿循環運転の第1動作中には、図8に示すように、第3流通口(73)、第4流通口(74)、第5流通口(75)、及び第6流通口(76)が開状態となり、第1流通口(71)、第2流通口(72)、第7流通口(77)、及び第8流通口(78)が閉状態となる。また、冷媒回路(11)は、図5(A)に示す状態となり、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となる。
図8に示すように、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第1空気は、内気フィルタ(37)、第2連通口(62)、第2中間通路(56)、及び第3流通口(73)を順に流れて第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(14)で除湿された第1空気は、第4流通口(74)、第4中間通路(58)、第4連通口(64)、及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第2空気は、外気フィルタ(36)、第1連通口(61)、第1中間通路(55)、及び第5流通口(75)を順に流れて第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(15)の吸着剤の再生に利用された第2空気は、第6流通口(76)、第3中間通路(57)、第3連通口(63)、及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
除湿循環運転の第2動作中には、図9に示すように、第1流通口(71)、第2流通口(72)、第7流通口(77)、及び第8流通口(78)が開状態となり、第3流通口(73)、第4流通口(74)、第5流通口(75)、及び第6流通口(76)が閉状態となる。また、冷媒回路(11)は、図5(B)に示す状態となり、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となる。
図9に示すように、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第1空気は、内気フィルタ(37)、第2連通口(62)、第2中間通路(56)、及び第7流通口(77)を順に流れて第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(15)で除湿された第1空気は、第8流通口(78)、第4中間通路(58)、第4連通口(64)、及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第2空気は、外気フィルタ(36)、第1連通口(61)、第1中間通路(55)、及び第1流通口(71)を順に流れて第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(14)の吸着剤の再生に利用された第2空気は、第2流通口(72)、第3中間通路(57)、第3連通口(63)、及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
〈加湿循環運転〉
加湿循環運転中の調湿装置(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。
加湿循環運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(30)を運転すると、室内空気が室内吸込口(32)からケーシング(20)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(29)を運転すると、室外空気が室外吸込口(31)からケーシング(20)内へ第2空気として取り込まれる。
加湿循環運転の第1動作中には、図8に示すように、第3流通口(73)、第4流通口(74)、第5流通口(75)、及び第6流通口(76)が開状態となり、第1流通口(71)、第2流通口(72)、第7流通口(77)、及び第8流通口(78)が閉状態となる。また、冷媒回路(11)は、図5(B)に示す状態となり、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となる。
図8に示すように、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第1空気は、内気フィルタ(37)、第2連通口(62)、第2中間通路(56)、及び第3流通口(73)を順に流れて第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第1空気に付与される。第1吸着熱交換器(14)で加湿された第1空気は、第4流通口(74)、第4中間通路(58)、第4連通口(64)、及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第2空気は、外気フィルタ(36)、第1連通口(61)、第1中間通路(55)、及び第5流通口(75)を順に流れて第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、第2空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(15)の吸着剤へ水分を付与した第2空気は、第6流通口(76)、第3中間通路(57)、第3連通口(63)、及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
加湿循環運転の第2動作中には、図9に示すように、第1流通口(71)、第2流通口(72)、第7流通口(77)、及び第8流通口(78)が開状態となり、第3流通口(73)、第4流通口(74)、第5流通口(75)、及び第6流通口(76)が閉状態となる。また、冷媒回路(11)は、図5(A)に示す状態となり、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となる。
図9に示すように、室内吸込口(32)から内気吸込通路(52)へ流入した第1空気は、内気フィルタ(37)、第2連通口(62)、第2中間通路(56)、及び第7流通口(77)を順に流れて第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)を通過する。第2吸着熱交換器(15)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第1空気に付与される。第2吸着熱交換器(15)で加湿された第1空気は、第8流通口(78)、第4中間通路(58)、第4連通口(64)、及び内気供給通路(54)を順に流れ、室内給気口(34)よりダクトへ流出して室内へ供給される。
一方、室外吸込口(31)から外気吸込通路(51)へ流入した第2空気は、外気フィルタ(36)、第1連通口(61)、第1中間通路(55)、及び第1流通口(71)を順に流れて第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)を通過する。第1吸着熱交換器(14)では、第2空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(14)の吸着剤へ水分を付与した第2空気は、第2流通口(72)、第3中間通路(57)、第3連通口(63)、及び外気排出通路(53)を順に流れ、室外排気口(33)よりダクトへ流出して室外へ排出される。
−調湿装置のメンテナンスについて−
上述のように、調湿装置(10)は、クローゼットの内部空間(S)に収納されて床面に設置されている。従って、図1に示す状態では、調湿装置(10)の前方のみにしかメンテナンススペースを確保できない。そこで、この調湿装置(10)では、ケーシング(20)の前面カバー(22)を取り外すことで、各構成機器のメンテナンスが調湿装置(10)の前側から可能となっている。
具体的に、まず、上記外気フィルタ(36)及び内気フィルタ(37)の交換や清掃を行う際には、前面カバー(22)の開閉蓋(22b)を取り外し、開口部(22a)を開放させる。これにより、外気フィルタ(36)及び内気フィルタ(37)は、開口部(22a)を通じてケーシング(20)の外部に露出された状態となる。この状態において、ユーザー等は外気フィルタ(36)や内気フィルタ(37)を前方にスライドさせることで、これらのフィルタ(36,37)を容易に引き出して取り外すことができる。その後、清掃あるいは交換したフィルタ(36,37)を開口部(22a)からケーシング(20)の内部に挿入することで、各フィルタ(36,37)が元の位置に戻される。なお、実施形態1では、外気フィルタ(36)と内気フィルタ(37)とが別体に構成されているが、これらのフィルタ(36,37)を一体的なフィルタユニットとして、外気吸込通路(51)及び内気吸込通路(52)に跨るように設けても良い。この場合、フィルタユニットを一体的に取り出してメンテナンスを行うことができる。
また、ケーシング(20)内の他の構成機器のメンテナンスを行う場合には、ケーシング本体部(21)から前面カバー(22)を取り外す。その結果、各仕切板(40〜48)、圧縮機(12)、吸着熱交換器(14,15)等がケーシング(20)の外部へ露出された状態となる。従って、ユーザー等は、圧縮機(12)や吸着熱交換器(14,15)をケーシング(20)の前側から外部へ取り出してメンテナンスを行うことができる。また、上記複数のダンパ(D1〜D8)のメンテナンスを行う場合には、図3に示す第1仕切板(44)や第2仕切板(45)を前方にスライドさせてケーシング(20)の前側から取り出す。これにより、第1仕切板(44)や第2仕切板(45)の各ダンパ(D1〜D8)のメンテナンスを容易に行うことができる。なお、第1仕切板(44)や第2仕切板(45)を中央仕切板(48)の上側及び下側の部位で分割可能な構成としても良い。この場合、例えば第1仕切板(44)の上側の部位のみを取り出して第1ダンパ(D1)及び第2ダンパ(D2)のメンテナンスを行う、あるいは第2仕切板(45)の下側の部位のみを取り出して第7ダンパ(D7)や第8ダンパ(D8)のメンテナンスを行う、というように任意のダンパのメンテナンスを容易に行うことができる。
更に、前面カバー(22)を取り外した状態で、ケーシング(20)の上部の縦仕切板(42)及び横仕切板(43)を前側に引き出すことで、給気ファン(30)や排気ファン(29)をケーシング(20)の外部へ露出させることができる。ユーザー等は、このような状態で、各ファン(30,29)を前側に取り出してメンテナンスを行うこともできる。
−実施形態1の効果−
上記実施形態1では、室外吸込口(31)と室外排気口(33)と室内吸込口(32)と室内給気口(34)とをケーシング(20)の天板(23)に集約して形成している。これにより、例えば図1に示すように、調湿装置(10)をクローゼットの収納空間(S)の床面に設置し、各ダクト接続口(31,32,33,34)に接続されるダクト(5)を上方(天井側)に伸ばすことができる。つまり、実施形態1の調湿装置(10)では、その水平方向周りにダクトが配設されることがないので、調湿装置(10)の水平方向の設置スペースを大幅に縮小することができる。また、調湿装置(10)を床面に設置することで、例えば天井埋込型の調湿装置と比較して、ユーザーによる装置のメンテナンスも簡便となる。
また、上記実施形態1では、第1調湿室(65)と第2調湿室(66)とを上下に配列しているので、ケーシング(20)が水平方向に大型化されてしまうのを抑制できる。従って、この調湿装置(10)の水平方向の設置スペースを更に縮小することができる。また、このような2つの調湿室(65,66)を例えば前後方向に配列すると、後側の調湿室の吸着熱交換器を前側からメンテナンスするのが困難となってしまう。これに対し、実施形態1では、前面カバー(22)を取り外した状態において、双方の吸着熱交換器(14,15)が前側に露出されるので、各吸着熱交換器(14,15)のメンテナンスも容易となる。
また、図3に示すように、複数のダンパ(D1〜D8)を有する第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)を調湿室(65,66)の左右方向の側面側に形成することにより、各仕切板(44,45)を前方へ引き出して、各ダンパ(D1〜D8)のメンテナンスを容易に行うことができる。また、このように第1仕切板(44)及び第2仕切板(45)を調湿室(65,66)の側面側に設けると、調湿室(65,66)で結露した水分が閉鎖状態の各流通口(71〜78)の隙間から外部へ漏れてしまうことも防止できる。
更に、給気ファン(30)や排気ファン(29)を調湿室(65,66)の上側に配置し、室外吸込口(31)や室内吸込口(32)の近傍に位置させたので、給気ファン(30)や排気ファン(29)の通風抵抗、ひいてはファン動力を低減することができる。また、圧縮機(12)を調湿室(65,66)の下側に配設したので、調湿装置(10)の重心が低くなり、調湿装置(10)を安定させた状態で床面に設置できる。また、圧縮機(12)が比較的高い位置にある場合と比較して、圧縮機(12)のメンテナンスも容易となる。
また、ケーシング(20)の前側に前面カバー(22)を着脱自在に取り付けているので、調湿装置(10)をクローゼット内に設置していていも、前面カバー(22)を取り外して各構成機器のメンテナンスを簡便に行うことができる。
また、室内吸込口(32)及び室外吸込口(31)をケーシング(20)の前側に配設し、これらの吸込口(31,32)の下側に外気フィルタ(36)及び内気フィルタ(37)を設けている。このため、ケーシング本体部(21)から前面カバー(22)を取り外した状態で、外気フィルタ(36)や内気フィルタ(37)を容易に前方へ引き出すことができ、ユーザー等によるフィルタの清掃や交換の簡便化を図ることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る調湿装置(10)は、上記実施形態1の調湿装置(10)と構成が異なるものである。以下には、上記実施形態1の調湿装置(10)と異なる点について説明する。
図10及び図11に示すように、実施形態2のケーシング(20)では、天板(23)の前方右側寄りに室内給気口(34)が配設され、天板(23)の前方左側寄りに室内吸込口(32)が配設され、天板(23)の後方右側寄りに室外排気口(33)が配設され、天板(23)の後方左側寄りに室外吸込口(31)が配設されている。
また、天板(23)と上部仕切板(41)との間には、前方右側寄りに内気供給通路(54)が、前方左側寄りに内気吸込通路(52)が、後方右側寄りに外気排出通路(53)が、後方左側寄りに外気吸込通路(51)がそれぞれ形成されている。
実施形態2では、外気吸込通路(51)と内気吸込通路(52)とに跨るようにフィルタユニット(38)が設けられている。具体的に、フィルタユニット(38)は、外気吸込通路(51)に位置する外気フィルタ部(36)と、内気吸込通路(52)に位置する内気フィルタ部(37)とが一体となるように構成されている。横仕切板(43)には、フィルタユニット(38)が貫通する貫通口(図示省略)が形成されている。また、貫通口の周りには外気吸込通路(51)と内気吸込通路(52)との間での空気の漏れを防止するためのシール部材が設けられている。そして、フィルタユニット(38)は、前面カバー(22)を取り外した状態で、ケーシング(20)の前側から取り出し可能に構成されている。
また、実施形態2の各調湿室(65,66)では、対応する吸着熱交換器(14,15)が立設されている。具体的に、吸着熱交換器(14,15)は、複数のフィン(17)が前面カバー(22)及び背面板(27)と平行となり、且つフィン(17)が鉛直な姿勢となるようにして調湿室(65,66)に設置されている。
−運転動作−
実施形態2の調湿装置(10)では、上記実施形態1と同様にして、「除湿換気運転」と「加湿換気運転」と「除湿循環運転」と「加湿循環運転」とが選択的に行われる。
〈除湿換気運転〉
除湿換気運転の第1動作では、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となり(図5(A)参照)、第2動作では、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となる(図5(B)参照)。
図12に示すように、除湿換気運転の第1動作中には、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第1空気が、フィルタユニット(38)の外気フィルタ部(36)を通過した後、第4流通口(74)から第1調湿室(65)へ流入する。この第1空気は、側方に流れて第1吸着熱交換器(14)を横断して除湿される。除湿後の第1空気は、第1流通口(71)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第2空気は、フィルタユニット(38)の内気フィルタ部(37)を通過した後、第7流通口(77)から第2調湿室(66)へ流入する。この第2空気は、側方に流れて第2吸着熱交換器(15)を横断して吸着剤の再生に利用される。その後、第2空気は、第6流通口(76)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
図13に示すように、除湿換気運転の第2動作中には、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第1空気が、フィルタユニット(38)の外気フィルタ部(36)を通過した後、第8流通口(78)から第2調湿室(66)へ流入する。この第1空気は、側方に流れて第2吸着熱交換器(15)を横断して除湿される。除湿後の第1空気は、第5流通口(75)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第2空気は、フィルタユニット(38)の内気フィルタ部(37)を通過した後、第3流通口(73)から第1調湿室(65)へ流入する。この第2空気は、側方に流れて第1吸着熱交換器(14)を横断して吸着剤の再生に利用される。その後、第2空気は、第2流通口(72)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
〈加湿換気運転〉
除湿換気運転の第1動作では、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となり(図5(B)参照)、第2動作では、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となる(図5(A)参照)。
図12に示すように、加湿換気運転の第1動作中には、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第1空気が、第4流通口(74)から第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)で加湿される。加湿後の第1空気は、第1流通口(71)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第2空気は、第7流通口(77)から第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)の吸着剤に水分を付与する。その後、第2空気は、第6流通口(76)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
図13に示すように、加湿換気運転の第2動作中には、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第1空気が、第8流通口(78)から第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)で加湿される。加湿後の第1空気は、第5流通口(75)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第2空気は、第3流通口(73)から第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)の吸着剤に水分を付与する。その後、第2空気は、第2流通口(72)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
〈除湿循環運転〉
除湿循環運転の第1動作では、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となり(図5(A)参照)、第2動作では、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となる(図5(B)参照)。
図14に示すように、除湿循環運転の第1動作中には、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第1空気が、第3流通口(73)から第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)で除湿される。除湿後の第1空気は、第1流通口(71)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第2空気は、第8流通口(78)から第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)の吸着剤の再生に利用される。その後、第2空気は、第6流通口(76)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
図15に示すように、除湿循環運転の第2動作中には、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第1空気が、第7流通口(77)から第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)で除湿される。除湿後の第1空気は、第5流通口(75)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第2空気は、第3流通口(73)から第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)の吸着剤の再生に利用される。その後、第2空気は、第3流通口(73)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
〈加湿循環運転〉
加湿循環運転の第1動作では、第1吸着熱交換器(14)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(15)が蒸発器となり(図5(B)参照)、第2動作では、第2吸着熱交換器(15)が凝縮器となって第1吸着熱交換器(14)が蒸発器となる(図5(A)参照)。
図14に示すように、加湿循環運転の第1動作中には、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第1空気が、第3流通口(73)から第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)で加湿される。加湿後の第1空気は、第1流通口(71)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第2空気は、第8流通口(78)から第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)の吸着剤に水分を付与する。その後、第2空気は、第6流通口(76)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
図15に示すように、加湿換気運転の第2動作中には、室内吸込口(32)から導入された室内空気としての第1空気が、第7流通口(77)から第2調湿室(66)へ流入し、第2吸着熱交換器(15)で加湿される。加湿後の第1空気は、第5流通口(75)を通って室内給気口(34)から室内へ供給される。また、室外吸込口(31)から導入された室外空気としての第2空気は、第4流通口(74)から第1調湿室(65)へ流入し、第1吸着熱交換器(14)の吸着剤に水分を付与する。その後、第2空気は、第2流通口(72)を通って室外排気口(33)から室外へ排出される。
−実施形態2の効果−
上記実施形態2では、上記実施形態1と同様にして、室外吸込口(31)と室内吸込口(32)と室外排気口(33)と室内給気口(34)とをケーシング(20)の天板(23)に形成するようにしたので、各ダクト接続口(31,32,33,34)に接続されるダクトを上方(天井側)に伸ばして、調湿装置(10)をクローゼット等の収納空間(S)に収納することができる。また、上記実施形態1と同様、ケーシング本体部(21)から前面カバー(22)を取り外して、前側から各構成機器のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、上記実施形態2では、室外吸込口(31)と室内吸込口(32)とを前後方向に配列し、各吸込口(31,32)の下側にフィルタユニット(38)を配設している。従って、フィルタユニット(38)を前側から取り出して、外気フィルタ部(36)や内気フィルタ部(37)のメンテナンスを容易に行うことができる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1や2においては、吸着熱交換器(14,15)の吸着剤を加熱又は冷却する熱媒流体として、冷凍サイクルが行われる冷媒回路(11)の冷媒を用いている。しかしながら、このような熱媒流体として、例えば所定の加熱源によって加熱した温水や、所定の冷却装置を用いて冷却した冷水等を用いても良いし、他の熱媒流体を用いるようにしても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。