JP2015072106A - 加湿装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、加湿運転を開始した直後は、室内の湿度が低く、室内の空気に含まれる水分が少ない場合が多いため、当該空気から多くの水分を蒸発器の吸着剤に吸着させることは困難であり、室内の加湿を迅速に行うことができない。その結果、室内を所望の湿度に高めるために長い時間を要していた。
室外から室内、及び室内から室外へ流れる2系統の空気流を生成し、かつ2つの前記吸着熱交換器に各系統の空気流を交互に通過させる空気流生成機構と、
前記蒸発器を通過する室内の空気の水分を前記吸着剤に吸着させて当該空気を室外へ排出し、かつ前記凝縮器を通過する室外の空気に前記吸着剤から脱離した水分を付与して当該空気を室内に供給することによって加湿運転を実行する運転制御部と、を備えている加湿装置であって、
前記運転制御部は、前記加湿運転を停止している間、前記空気流生成機構によって室内又は室外の空気を前記吸着熱交換器に供給したあと室内又は室外に戻す空気流を生成し、当該空気に含まれる水分を前記吸着剤に吸着させる蓄湿運転を実行可能である。
また、冬場等においては、通常、室外よりも室内の湿度が高いため、蓄湿運転の際に室内の空気を吸着熱交換器に供給すると、短時間でより多くの水分を吸着剤に吸着させることができる。また、蓄湿運転の際に室外の空気を吸着熱交換器に供給する場合は、室内の空気の移動を伴わないため、蓄湿運転中に室内に人が居たとしても不快感等を与えることもない。
加湿運転を停止した直後は、通常、室内の湿度は比較的高い状態にあるので、この室内の空気を吸着熱交換器に供給することによってより多くの水分を吸着剤に吸着させることができる。
蓄湿運転中に室内又は室外の空気の温度が上昇すると、その空気を吸着熱交換器に供給したときに吸着剤に吸着された水分が脱離してしまう可能性がある。したがって、このような場合は、蓄湿運転を停止することによって吸着剤に水分が吸着された状態を維持することができる。
また、前記運転制御部は、前記蓄湿運転の際に、前記室内又は室外の空気を2つの吸着熱交換器に同時に供給するように前記空気流生成機構を制御してもよい。
図1は、本発明の一実施の形態に係る調湿装置の内部の平面説明図である。図2は、図1におけるA−A線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。図3は、図1におけるB−B線矢視方向から見た調湿装置の内部の説明図である。
本実施の形態に係る調湿装置10は、室内の換気を行いながら除湿又は加湿を行うものであり、ケーシング11と、冷媒回路12と、空気流生成機構13等を備えている。
第1熱交換器31及び第2熱交換器32は、いずれも、伝熱管と多数のフィンとを備えた、いわゆるクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ式熱交換器により構成されている。また、第1熱交換器31及び第2熱交換器32の外表面には、その概ね全面に亘ってゼオライト等の吸着剤が担持されている。
なお、以下の説明においては、図1に示されるように、外気取入口52からケーシング11内に取り入れられる空気をOA、内気取入口54からケーシング11内に取り入れられる空気をRA、排気吹出口51からケーシング11外へ排出される空気をEA、給気吹出口53からケーシング11外へ排出される空気をSAと表記することがある。
また、外気取入口52は、上段側の第1空気流通路59aに連通している。また、上段側の第1空気流通路59aには、エアフィルタ71(図1参照)が配設されている。このエアフィルタ71は、吸込ダクトであるダクトD2の中心線と直交して配置されている。
また、内気取入口54は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。そして、下段側の第2空気流通路60bには、エアフィルタ71(図1参照)が配設されている。このエアフィルタ71は、吸込ダクトであるダクトD4の中心線と直交して配置されている。
また、図3に示されるように、第4区画壁64には、4つの通気口85〜88が前後上下に並べて形成されている。これらの通気口85〜88は、それぞれダンパ45〜48によって開閉可能に構成されている。
図3に示されるように、第4区画壁64に形成された上段側の通気口85,86は、上段側の第2空気流通路60aに連通している。また、下段側の通気口87,88は、下段側の第2空気流通路60bに連通している。
図2に示されるように、第3区画壁63に設けられたダンパ41〜44のうち、上段側の前後のダンパ43,44は交互に開閉し(一方が開いたときに他方が閉じ、他方が開いたときに一方が閉じる)、同様に、下段側の前後のダンパ41,42も交互に開閉する。また、前側の上下のダンパ43,41は交互に開閉し、後側の上下のダンパ44,42も交互に開閉する。
同様に、第3,第4区画壁63,64に設けられた上段側のダンパ43,44,45,46のうち、前側に配置された2つのダンパ43,45が組となって同時に開閉し、後側に配置された2つのダンパ44,46が組となって同時に開閉する。
図5に示される態様は、第1ファン34によって内気取入口54から取り入れられた室内空気が第1熱交換器室57を通過して排気吹出口51から排出され、第2ファン35によって外気取入口52から取り入れられた室外空気が第2熱交換器室58を通過して給気吹出口53から排出される態様である。また、図6に示される態様は、第1ファン34によって内気取入口54から取り入れられた室内空気が第2熱交換器室58を通過して排気吹出口51から排出され、第2ファン35によって外気取入口52から取り入れられた室外空気が第1熱交換器室57を通過して給気吹出口53から排出される態様である。
図7(a)に示されるように、内気取入口54から下段側の第2空気流通路60bに流入した空気流は、第4区画壁64の下段前側に形成された通気口87を介して第1熱交換器室57に流入する。その後、当該空気流は、第1熱交換器31を通過し、第3区画壁63の下段前側に形成された通気口81を介して下段側の第1空気流通路59bに流入し、開口部61aを介して排気吹出口51から室外に排出される。
図8(a)に示されるように、内気取入口54から下段側の第2空気流通路60bに流入した空気流は、第4区画壁64の下段後側に形成された通気口88を介して第2熱交換器室58に流入する。その後、当該空気流は、第2熱交換器32を通過し、第3区画壁63の下段後側に形成された通気口82を介して下段側の第1空気流通路59bに流入し、開口部61aを介して排気吹出口51から室外に排出される。
まず、加湿運転について説明する。第1の冷凍サイクル動作は、図4(a)に示されるように、圧縮機27から吐出された冷媒が、第1熱交換器31で放熱して凝縮し、その後に電動膨張弁28へ送られて減圧される。減圧された冷媒は、第2熱交換器32で吸熱して蒸発し、その後に圧縮機27に吸入されて圧縮され、再び吐出される。したがって、第1の冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。
次に、除湿運転について説明する。図4(a)に示される第1冷凍サイクル動作では、第1熱交換器31が凝縮器として機能し、第2熱交換器32が蒸発器として機能する。このとき、図5及び図7に示されるように、外気取入口52から取り入れられた室外空気OAは第2熱交換器32を通過し、熱交換後の空気SAが給気吹出口53から供給される。内気取入口54から取り入れられた室内空気RAは第1熱交換器31を通過し、熱交換後の空気EAが排気吹出口51から排出される。具体的に、凝縮器としての第1熱交換器31においては、吸着剤に吸着されていた水分が冷媒の熱によって脱離し、室内空気RAに取り込まれる。これにより、吸着剤が再生されるとともに室内空気RAが加湿され、加湿後の空気EAが排気吹出口51から室外に排出される。また、蒸発器としての第2熱交換器32においては、冷媒の吸熱によって室外空気OAに含まれる水分が吸着剤に吸着(回収)され、室外空気OAが除湿される。除湿後の空気SAは、給気吹出口53から室内へ供給される。
以上のような加湿運転を開始しようとするとき、通常、室内の湿度は低い状態にあるため、内気取入口54から取り込んだ室内空気を蒸発器として機能する熱交換器に通過させてもその吸着剤に十分に水分を吸着させることができない。したがって、その後、この熱交換器が凝縮器となったときに、外気取入口52から取り入れた室外空気を通過させたとしても、水分を十分に付与することができず、効率よく室内を加湿することが困難である。
(第1の運転例)
図9及び図10は、蓄湿運転の第1の運転例を示す説明図であり、(a)は調湿装置内の空気の流れを示す平面説明図、(b)は調湿装置内の空気流通路と熱交換器室との間の空気の流れを示す説明図である。
第1の運転例では、加湿運転の停止中に、室内の空気をケーシング11内に取り込み、当該空気に含まれる水分を第1,第2熱交換器31,32の吸着剤に吸着させた後、当該空気を再び室内に戻すように構成されている。
第1の態様は、第2ファン35によって内気取入口54から取り入れた室内空気が、第1熱交換器室57を通過して給気吹出口53から排出される態様である。具体的には、図9(b)に示されるように、内気取入口54から下段側の第2空気流通路60bに流入した空気は、第4区画壁64の下段前側に形成された通気口87を介して第1熱交換器室57に流入する。そして、当該空気は、第1熱交換器31に触れた後に第4区画壁64の上段前側に形成された通気口85を介して上段側の第2空気流通路60aに流入し、開口部61bを介して給気吹出口53から室内に戻される。
W=(SAh−OAh)/RAh×100(%) ・・・(1)
ただし、RAh、OAh、及びSAhは、それぞれ室内空気、室外空気、及び室内に供給される空気の水分量(絶対湿度)である。
ただし、室内の湿度は、蓄湿運転を行っている間に徐々に低下するため、吸着剤に吸着させることができる水分量も徐々に減少する。そのため、第1,第2熱交換器31,32の吸着剤に蓄える水分量のばらつきを小さくする場合は、先に実行する態様よりも後に実行する態様の時間を長くすることが好ましい。また、第1の態様と第2の態様とを短時間(例えば、10分)で複数回ずつ交互に実行することによっても、吸着剤に蓄える水分量のばらつきを小さくすることが可能となる。
図11は、蓄湿運転の第2の運転例を示す、調湿装置内の空気の流れを示す平面説明図である。
この第2運転制御は、上述の第1の運転例における第1の態様と第2の態様とを組み合わせて同時に実行するものである。具体的には、第2ファン35によって内気取入口54から取り入れられた室内空気が第1及び第2熱交換器室57,58に同時に流入し、第1及び第2熱交換器31,32に触れた後に給気吹出口53から排出されるようになっている。
以上の第1,第2の運転例は、いずれも室内空気に含まれる水分を第1,第2熱交換器31,32の吸着剤に蓄えるものであったが、次に説明する第3の運転例は、室外空気に含まれる水分を第1,第2熱交換器31,32の吸着剤に蓄えるようにしたものである。
図12及び図13は、蓄湿運転の第3の運転例を示す説明図であり、(a)は調湿装置内の空気の流れを示す平面説明図、(b)は調湿装置内の空気流通路と熱交換器室との間の空気の流れを示す説明図である。
第1の態様は、第1ファン34によって外気取入口52から取り入れた室外空気が、第1熱交換器室57を通過して排気吹出口51から排出される態様である。具体的には、図12(b)に示されるように、外気取入口52から上段側の第1空気流通路59aに流入した空気は、第3区画壁63の上段前側に形成された通気口83を介して第1熱交換器室57に流入する。そして、当該空気は、第1熱交換器31に触れた後に第3区画壁63の下段前側に形成された通気口81を介して下段側の第1空気流通路59bに流入し、開口部61aを介して排気吹出口51から室外に排出される。
また、第3の運転例では、室外空気をケーシング11内に取り込んで水分を蓄えた後に室外に排出するため、室内の空気の移動を伴わない。そのため、居室者に対して風が当たったり、室内の湿度が急に変化したりすることがなく、居室者に対して不快感を与えることもほとんどない。また、蓄湿運転に伴う音が室内に伝達されることも少なくなる。
図14は、蓄湿運転の第4の運転例を示す、調湿装置内の空気の流れを示す平面説明図である。
この第4運転制御は、上述の第3の運転例における第1の態様と第2の態様とを組み合わせて同時に実行するものである。具体的には、第1ファン34によって外気取入口52から取り入れられた室外空気が第1及び第2熱交換器室57,58に同時に流入し、第1及び第2熱交換器31,32に触れた後に排気吹出口51から排出されるようになっている。
本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において適宜変更することができる。
例えば、上記実施の形態の調湿装置10は、除湿と加湿との両方が可能な装置とされているが、除湿を行わない加湿専用の装置であってもよい。
13 :空気流生成機構
31 :第1熱交換器(吸着熱交換器)
32 :第2熱交換器(吸着熱交換器)
Claims (5)
- 水分の吸着と脱離とが可能な吸着剤が設けられた2つの吸着熱交換器(31,32)を含み、かつ2つの前記吸着熱交換器(31,32)に冷媒を流通させて、交互に蒸発器又は凝縮器として機能させる冷媒回路(12)と、
室外から室内、及び室内から室外へ流れる2系統の空気流を生成し、かつ2つの前記吸着熱交換器に各系統の空気流を交互に通過させる空気流生成機構(13)と、
前記蒸発器を通過する室内の空気の水分を前記吸着剤に吸着させて当該空気を室外へ排出し、かつ前記凝縮器を通過する室外の空気に前記吸着剤から脱離した水分を付与して当該空気を室内に供給することによって加湿運転を実行する運転制御部と、を備えている加湿装置であって、
前記運転制御部は、前記加湿運転を停止している間、前記空気流生成機構(13)によって室内又は室外の空気を前記吸着熱交換器(31,32)に供給したあと室内又は室外に戻す空気流を生成し、当該空気に含まれる水分を前記吸着剤に吸着させる蓄湿運転を実行可能である、加湿装置。 - 前記運転制御部は、前記加湿運転を停止した直後に、室内の空気を前記吸着熱交換器(31,32)に供給することによって蓄湿運転を実行する、請求項1に記載の加湿装置。
- 前記運転制御部は、前記蓄湿運転中に、前記吸着熱交換器(31,32)に空気を供給する室内又は室外の温度が所定以上上昇したときに、当該蓄湿運転を停止する、請求項1又は2に記載の加湿装置。
- 前記運転制御部は、前記蓄湿運転の際に、前記室内又は室外の空気を2つの吸着熱交換器(31,32)に順次供給するように前記空気流生成機構(13)を制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加湿装置。
- 前記運転制御部は、前記蓄湿運転の際に、前記室内又は室外の空気を2つの吸着熱交換器に同時に供給するように前記空気流生成機構(13)を制御する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加湿装置。
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