次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図2及び図3は、本発明の一実施形態である位置検出装置及びライブラリ装置10を示している。図2は蓋体12aを開いた状態のライブラリ装置10の外観を示す図であり、図3は筐体12の側板12b及び天板12cを取り外した状態のライブラリ装置10の斜視図である。また、本実施形態に係るライブラリ装置10は、収納される記録媒体として磁気テープカートリッジ15を用いている。尚、図2及び図3、また以下の説明に用いる各図において、X方向,Y方向,Z方向は図中矢印で示す方向とする。
ライブラリ装置10は、図2に示すように筐体12、媒体収納棚13、磁気テープ駆動装置16A〜16C、搬送ロボット18等を有している。筐体12は、媒体収納棚13、磁気テープ駆動装置16A〜16C、搬送ロボット18等を収納するものであり、正面には蓋体12aが開閉可能に設けられている。
媒体収納棚13は、図3及び図9に示すように複数のセル14が設けられている。セル14は、磁気テープカートリッジ15が収納される棚である。セル14への磁気テープカートリッジ15の装着脱は、後述する搬送ロボット18により行われる。この媒体収納棚13は、省スペースで多数の磁気テープカートリッジ15が収納されるよう、セル14が高密度に配置されている。本実施形態に係る媒体収納棚13は、横に3列、縦に19列の合計57個のセル14が設けられている。
また、この複数のセル14の内、Y方向の最下列で図9における左側の端部のセル、及びY方向の最上列の両側部に位置するセルにはフラグ37が設けられている。以下の説明において、Y方向の最下列で図9における左側の端部のセルをフラグ装着セル20A-1といい、Y方向の最上列の両側部に位置するセルをフラグ装着セル20A-2,20A-3ということとする。尚、説明の便宜上、フラグ装着セル20A-1〜20A-3については、後に詳述するものとする。
上記のように磁気テープカートリッジ15は、媒体収納棚13に設けられた各セル14,20A-1〜20A-3に収納される。本実施形態では、磁気テープカートリッジ15としてLTO(Linear Tape-Open)カートリッジを用いた例を示している。このLTOカートリッジ式の磁気テープカートリッジ15は、図4に拡大して示すように、前方両側位置に窪んだ受け部15aが形成されている。
尚、本実施形態では媒体収納棚13に収納される記録媒体としてLTOカートリッジ式の磁気テープカートリッジ15を用いた例について説明するが、記録媒体の種類はこれに限定されるものではない。例えば、LTOカートリッジ式以外の磁気テープカートリッジ、また磁気テープ以外の記録媒体(ディスク状の記録媒体等)に対しても、以下説明する本実施形態を適用することは可能である。
記録再生装置である磁気テープ駆動装置16A〜16Cは、磁気テープカートリッジ15内の磁気テープに対して記録再生処理を行うものである。磁気テープカートリッジ15は、後述する搬送ロボット18により磁気テープ駆動装置16Aに対して装着脱が行われる。媒体収納棚13に対して磁気テープカートリッジ15はX方向に装着脱が行われるが、磁気テープ駆動装置16A〜16Cに対して磁気テープカートリッジ15はZ方向に装着脱が行われる。
本実施形態では、この磁気テープ駆動装置16A〜16Cの設置数は、媒体収納棚13に設けられたフラグ装着セル20A-1〜20A-3の数と同数(本実施形態では3台)に設定している。しかしながら、磁気テープ駆動装置16A〜16Cの設置数は、フラグ装着セル20A-1〜20A-3の数以上であればこれに限定されるものではない。尚、その理由については、説明の便宜上後述する。
搬送ロボット18は、媒体収納棚13と磁気テープ駆動装置16A〜16Cとの間で磁気テープカートリッジ15を搬送する搬送装置である。この搬送ロボット18は、Y方向搬送機構19、Z方向搬送機構21、及びハンド装置22等を有している。
Y方向搬送機構19は、Z方向搬送機構21及びハンド装置22が搭載された第1のベース部材27をY1,Y2方向に昇降させる機能を奏するものである。図5は、Y方向搬送機構19を拡大して示す図である。図5(A)はハンド装置が下降した状態を示す斜視図、図5(B)はハンド装置が上昇した状態を示す斜視図である。
Y方向搬送機構19は、第1及び第2のY方向レール25,26、第1及び第2のY方向用ベルト28,29、及びY軸用電動モータ67等を有している。第1及び第2のY方向レール25,26は、筐体12の底部に立設されている。この第1及び第2のY方向レール25,26は、第1のベース27の対角線上に設けられたスライド部27a,27bとスライド可能に係合している。よって第1のベース27は、第1及び第2のY方向レール25,26に案内され、矢印Y1,Y2方向に移動(スライド)する。
Y軸用電動モータ67はステッピングモータであり、後述するライブラリ制御ボード92に制御ボード61等を介して接続されている(図10参照)。よって、Y軸用電動モータ67は、ライブラリ制御ボード92に設けられたCPU93により駆動制御が行われる。また、Y軸用電動モータ67は、減速機構97を介して駆動プーリ98a,98bと接続されている。よってY軸用電動モータ67の回転は、減速機構97で減速された上で駆動プーリ98a,98bに伝達される。尚、駆動プーリ98bは、シャフト31を介して減速機構97と接続されている。
一方、前記した第1及び第2のY方向レール25,26及び筐体12の所定位置には、複数の案内プーリ99b,99bが配設されている。第1のY方向用ベルト28は、駆動プーリ98a及び案内プーリ99aにより所定のループを形成している。また、第2のY方向用ベルト29は、駆動プーリ98b及び案内プーリ99bにより所定のループを形成している。更に、第1のベース27に設けられたスライド部27aは第1のY方向用ベルト28と連結され、スライド部27bは第2のY方向用ベルト29と連結されている。
Y軸用電動モータ67が駆動し、その回転が駆動プーリ98a,98bに伝達されると、第1及び第2のY方向用ベルト28,29は各プーリ98a,98b,99a,99bに案内されて移動する。前記のように、第1のベース27のスライド部27a,27bは第1及び第2のY方向用ベルト28,29と連結されている。従ってハンド装置22を搭載した第1のベース27は、第1及び第2のY方向用ベルト28,29の移動に伴い昇降動作を行う。
Z方向搬送機構21は、第1のベース27上においてハンド装置22をZ1,Z2方向に水平移動させる機能を奏するものである。図6(A)はハンド装置22が矢印Z2方向に移動した状態を示す斜視図、図6(B)はハンド装置22が矢印Z1方向に移動した状態を示す斜視図である。
Z方向搬送機構21は、Z方向レール32、Z方向用ベルト33、第2のベース34、及びZ軸用電動モータ68等を有している。Z方向レール32は第1のベース27と一体的に設けられており、またZ1,Z2方向に延在するよう設けられている。このZ方向レール32には、ハンド装置22が搭載される第2のベース34が係合している。第2のベース34は、Z方向レール32に案内されてZ1,Z2方向に移動(スライド)する。
Z軸用電動モータ68はステッピングモータであり、後述するライブラリ制御ボード92に制御ボード61等を介して接続されている(図10参照)。よって、Z軸用電動モータ68は、ライブラリ制御ボード92に設けられたCPU93により駆動制御が行われる。また、Z軸用電動モータ68は、減速機構100を介して駆動プーリ101と接続されている。よってZ軸用電動モータ68の回転は、減速機構100で減速された上で駆動プーリ101に伝達される。
駆動プーリ101は第1のベース27の側部でZ2方向の端部近傍に設けられており、また第1のベース27の側部でZ1方向の端部近傍には案内プーリ102が設けられている。Z方向用ベルト33は、駆動プーリ101と案内プーリ102との間に張架されている。また、第2のベース34は、Z方向レール32と連結されている。
Z軸用電動モータ68が駆動し駆動プーリ101が回転すると、Z方向用ベルト33と連結された第2のベース34はZ方向レール32に案内されてZ1,Z2方向に移動する。従って、第2のベース34に搭載されたハンド装置22も、第1のベース27上でZ1,Z2方向に移動する。
ハンド装置22は、図7に拡大して示すように、第2のベース34及び装置本体35を有している。前記のように、第2のベース34は第1のベース27に設けられたZ軸用電動モータ68に駆動されると共にZ方向レール32に案内されることにより、第1のベース27上をZ1,Z2方向に移動する。
装置本体35は、第2のベース34に対して回転可能に取り付けられている。装置本体35は回転用電動モータ71を有しており、この回転用電動モータ71が駆動することにより図8に示すように、装置本体35は第2のベース34に対して矢印A1,A2で示す方向に回転する。前記のように、第2のベース34は第1のベース27に取り付けられている。よって、装置本体35が第2のベース34に対して回転することにより、装置本体35は第1のベース27に対して回転することとなる。
また、装置本体35は、把持機構23及びCCD43を有している。ハンド装置22はアーム用電動モータ69及び把持機構用電動モータ72(図10参照)により駆動され、磁気テープカートリッジ15(図4参照)を把持し保持する機能を奏するものである。このハンド装置22は、アーム用電動モータ69により駆動される左右一対の把持アーム24を有している。
把持アーム24はアーム用電動モータ69により図8に矢印B1,B2方向に移動すると共に、把持機構用電動モータ72により矢印C1,C2方向に変位する。この各把持アーム24の先端部には、爪24aが形成されている。この爪24aは、磁気テープカートリッジ15に形成された受け部15a(図4参照)と係合する形状とされている。
更に、装置本体35はCCD(固体撮像素子)43が配設されている。このCCD43は、装置本体35の把持アーム24が設けられた面に配設されている。本実施形態では、把持アーム24は把持機構23の下部に配設されている。
CCD43は、フラグ装着セル20A-1〜20A-3に設けられたフラグ37を認識するために設けられている。このCCD43は、図10に示すように、制御ボード61を介してライブラリ制御ボード92に接続されている。ライブラリ制御ボード92に設けられたCPU93は、CCD43で撮像されたフラグ37の画像情報から媒体収納棚13に設けられたセル14の位置を高精度に測定し、その結果得られた位置情報に基づき搬送ロボット18の位置決めを行う。即ち、フラグ37は、磁気テープカートリッジ15を搬送するための位置情報を得るために用いられる。
ここで、搬送ロボット18の制御を行う制御系について説明する。図10は、搬送ロボット18の制御を行う制御系を示している。同図に示されるように、搬送ロボット18は制御ボード61を介してライブラリ制御ボード92に接続されている。制御ボード61にはCPU(中央演算処理回路)62が実装される。CPU62にはRAM(ランダムアクセスメモリ)63や不揮発性メモリ64が接続される。
不揮発性メモリ64は、ソフトウェアプログラム65及び位置データ66を格納する。位置データ66は、個々のセル14(フラグ装着セル20A-1〜20A-3を含む)毎にセル位置を特定するデータと、磁気テープ駆動装置16A〜16Cの位置を特定するデータを含む。この各位置の特定にあたって、X,Y,Z座標系上のX座標値、Y座標値、及びZ座標値、並びにハンド装置22の回転角が指定される。CPU62は、例えばRAM63に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム65や位置データ66に基づき搬送ロボット18の駆動制御を実行することができる。
CPU62には、搬送ロボット18に組み込まれるY軸用電動モータ67やZ軸用電動モータ68、アーム用電動モータ69、回転用電動モータ71、把持機構用電動モータ72が接続される。CPU62はY軸用電動モータ67やZ軸用電動モータ68、アーム用電動モータ69、回転用電動モータ71、把持機構用電動モータ72に駆動信号を供給する。個々の電動モータ67〜72は、駆動信号に基づき指定された回転量で回転する。ハンド装置22のY軸方向移動量、Z軸方向移動量、X軸方向移動量及び垂直軸回り回転量並びに把持機構24の前後方向移動量は、個々の電動モータ67〜72の回転量により決定される。
また、CPU62には前述のCCD43が接続される。CCD43からは、画素毎に白黒の判別信号がCPU62に供給される。尚、図7では図示を省略したが、CCD43の近傍にはフラグ37の撮像時に照明となるLEDが設けられている。LEDドライバ73は、このLEDを発光させる。このLEDの発光量も、CPU62により制御される。
制御ボード61は、ライブラリ制御ボード92に接続される。ライブラリ制御ボード92は、例えばCPU93、RAM94及び不揮発性メモリ95を備える。不揮発性メモリ95にはソフトウェアプログラム96が格納される。CPU92は、例えばRAM94に一時的に取り込まれるソフトウェアプログラム96に従って搬送ロボット18の制御処理及び後述するフラグ読み取り処理等を実行する。ライブラリ制御ボード92は、図示しないホストコンピュータに接続される。
次に、ライブラリ装置10の動作を説明する。ライブラリ制御ボード92上のCPU93は、不揮発性メモリ94内のソフトウェアプログラム95に基づきライブラリ制御を実行する。ホストコンピュータからデータの書き込みや読み出しの指示がライブラリ制御ボード92に供給されると、ライブラリ制御ボード92は目標の磁気テープカートリッジ15を特定する。
磁気テープカートリッジ15が特定されると、この特定された磁気テープカートリッジ15が収納されている媒体収納棚13のセル14が特定される。この際、媒体収納棚13に設けられた各セル14と、このセル14に収納された磁気テープカートリッジ15は、予め関連付けられている。また、前記のように搬送ロボット18は、セル14の位置情報に基づきCPU93により駆動制御される。従って上記の関連付けは、セル14の位置と磁気テープカートリッジ15との間において行われている。このセル14の位置とこれに対応する磁気テープカートリッジ15とが対応付けされたデータ(以下、対応付けデータという)は、制御ボード61の位置データ66に格納されている。
特定されたセル14は、ライブラリ制御ボード92から制御ボード61に通知される。制御ボード61上のCPU62は、不揮発性メモリ64内のソフトウェアプログラム65に基づき搬送ロボット18の動作を指示する。この指示にあたって制御ボード61のCPU62は、位置データ66に格納されている対応付けデータに基づき、特定されたセル14の位置を読み取る。
搬送ロボット18によるハンド装置22のY軸方向移動量、Z軸方向移動量、X軸方向移動量及び回転量は、セル14の位置に基づき決定される。制御ボード61は、決定された移動量及び回転量に基づき搬送ロボット18を制御する。具体的には、CPU62は、個々の駆動モータ67〜72に対して上記の各移動量及び回転量に対応した駆動信号を供給する。これにより、Y方向搬送機構19によりハンド装置22はY1,Y2方向に所定量昇降し、Z方向搬送機構21によりハンド装置22はZ1,Z2方向に所定量移動し、ハンド装置22の装置本体35は第2のベース34に対して所定角度回転する。
上記のようにハンド装置22が移動することにより、把持アーム24は特定されたセル14に収納された磁気テープカートリッジ15と対向した状態となる。続いて把持アーム24が磁気テープカートリッジ15に向けてB1方向に移動し、爪24aが磁気テープカートリッジ15の受け部15aと対向すると、把持アーム24はC1方向に変位する。これにより、爪24aは受け部15aと係合し、磁気テープカートリッジ15はハンド装置22に保持された状態となる。
次にCPU62は、ハンド装置22に保持された磁気テープカートリッジ15を特定された磁気テープ駆動装置(ここでは、磁気テープ駆動装置16Aとする)に搬送するためのハンド装置22のY軸方向移動量、Z軸方向移動量、X軸方向移動量及び回転量を決定する。そして制御ボード61は、決定された移動量及び回転量に基づき搬送ロボット18を制御する。これにより、ハンド装置22に保持された磁気テープカートリッジ15は磁気テープ駆動装置16Aに搬送される。そして、磁気テープカートリッジ15は磁気テープ駆動装置16A内に装着され、上記の特定された磁気テープカートリッジ15に対して記録再生処理が実施される。
ところで、搬送ロボット18により媒体収納棚13のセル14に対して磁気テープカートリッジ15を高精度に装着脱するには、搬送ロボット18と媒体収納棚13との位置の対応が高精度に取られている必要がある。同様に搬送ロボット18により磁気テープ駆動装置16A〜16Cに対して磁気テープカートリッジ15を高精度に装着脱するには、搬送ロボット18と磁気テープ駆動装置16A〜16Cとの位置の対応が高精度に取られている必要がある。搬送ロボット18とセル14との相対位置、また搬送ロボット18と磁気テープ駆動装置16A〜16Cの相対位置に誤差があると、セル14或いは磁気テープ駆動装置16A〜16Cに対する磁気テープカートリッジ15の円滑な装着脱が行えなくなる可能性がある。
この搬送ロボット18とセル14との対応付けは、ハンド装置22に設けられたCCD43と、前記したフラグ装着セル20A-1〜20A-3に設けられたフラグ37とを用いて実施される。同様に、搬送ロボット18と磁気テープ駆動装置16A〜16Cとの対応付けは、ハンド装置22に設けられたCCD43と、各磁気テープ駆動装置16A〜16Cのテープ挿入口の下部に配設されたフラグ37とを用いて実施される。
フラグ37は、図11及び図17等に示されるように、2つの二等辺三角形を対峙させた形状を有するマークを用いている。このフラグ37(各図で梨地で示す)は例えば白色に着色されており、他の部分は例えば黒色に着色されている。このようコントラストを設けることにより、CCD43によるフラグ37の撮像精度を高めている。
フラグ37とCCD43とを用いた搬送ロボット18とセル14との相対位置の誤差検出、及び搬送ロボット18と磁気テープ駆動装置16A〜16Cの相対位置に誤差検出は、例えば次のようにして行われる。以下の説明では、搬送ロボット18とセル14との相対位置の誤差検出を例に挙げて説明するが,搬送ロボット18と磁気テープ駆動装置16A〜16Cの誤差検出も同様にして行われる。
CPU62は、搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22をフラグ装着セル20A-1と対向する位置に移動させる。フラグ装着セル20A-1の位置は、位置データ66に格納されている。よって、CPU62は位置データ66からフラグ装着セル20A-1の位置を読み出し、ハンド装置22に設けられたCCD43がフラグ装着セル20A-1に設けられたフラグ37と対向する位置(以下、検出位置という)まで移動させるためのY軸方向移動量、Z軸方向移動量、X軸方向移動量及び回転量を決定する。そして、決定された移動量及び回転量に基づきCPU62は搬送ロボット18を制御し、ハンド装置22を検出位置まで移動させる。
ハンド装置22が検出位置まで移動すると、CCD43によりフラグ37の撮像処理が行われる。CCD43により撮像された画像の水平方向をXCCD座標とし、これに直交する方向をYCCD座標とする。これに対し、この画像に映し出されたフラグ37の直交する座標をXF座標及びYF座標とする。ハンド装置22とフラグ装着セル20A-1との間に相対誤差が存在しない場合、XCCD座標,YCCD座標はXF座標,YF座標と一致する。しかしながら、XCCD座標,YCCD座標はXF座標,YF座標と一致しない場合、ハンド装置22とフラグ装着セル20A-1との間に相対誤差が存在することになる。
相対誤差が存在する場合、制御ボード61はハンド装置22を各セル14(フラグ装着セル20A-1〜20A-3を含む)及び磁気テープ駆動装置16A〜16Cに移動させる際、この誤差分を補正した上でハンド装置22のY軸方向移動量、Z軸方向移動量、X軸方向移動量及び回転量を設定する。この補正処理を実施することにより、搬送ロボット18によるセル14への磁気テープカートリッジ15の装着脱処理、及び搬送ロボット18による磁気テープ駆動装置16A〜16Cへの装着脱処理を正確に行うことが可能となる。
上記したフラグ37を用いて相対誤差の検出処理、及び相対誤差に基づく補正処理は、ライブラリ装置10が始めて起動する時(以下、初動時という)、及び経時的に相対誤差の発生が予想される時(以下、リトライ時という)に実施される。尚、本実施形態では相対誤差の検出精度を高めるため、前記したように離間した3箇所にフラグ装着セル20A-1〜20A-3を配設し、各フラグ装着セル20A-1〜20A-3に対して上記した誤差検出を行うことにより誤算検出の精度を高めている。
次に、フラグ装着セル20A-1〜20A-3の具体的な構成について詳述する。尚、フラグ装着セル20A-1〜20A-3は全て同一構成であるため、以下の説明ではその内のひとつをフラグ装着セル20Aとして説明するものとする。
図11(A)〜(C)は、第1実施形態であるフラグ装着セル20Aを説明するための図である。各図では、フラグ装着セル20Aが、Y方向に積層された2つのセル14の上部に設けられた例を示している。
フラグ装着セル20Aの外形は、セル14と同一形状とされている。即ち、フラグ装着セル20Aは、その内部に磁気テープカートリッジ15が装着可能な形状とされている。このフラグ装着セル20Aは、フラグ移動機構を有している。フラグ移動機構は、フラグ板36、案内ピン42、案内溝46、及びバネ47等を有している。
フラグ板36は矩形の板材であり、本実施形態では樹脂により形成されている。しかしながら、金属等の他の材料により形成することも可能である。このフラグ板36は、フラグ装着セル20Aの開口部分(磁気テープカートリッジ15が挿入される部分)に配設される。
また、フラグ板36は、その表面側にフラグ37が形成されている。このフラグ37は、例えば二色成形法を用いて形成されている。そして、前記したようにフラグ37は白色樹脂にて形成され、フラグ板36の他の部位は黒色樹脂により形成されている。
また、フラグ板36の一方の側端部(図11(A)においては左端部)は、蝶番41によりフラグ装着セル20Aを構成する側板部44に取り付けられている。よって、フラグ板36は、蝶番41を中心として図11(A)に矢印B1,B2で示す方向に回転可能となっている。
図11(A)は、フラグ板36がB1方向に回動し、フラグ37が表示された状態のフラグ装着セル20Aを示している。以下、このフラグ板36のフラグ37が表示された位置をフラグ表示位置という。また図11(B)は、フラグ板36がB1方向に回動し、側板部44と略平行になった状態を示している。以下、このフラグ板36が側板部44と略平行に重なった位置を退避位置という。
一方、フラグ板36の背面(フラグ37の形成面と反対面)には、案内ピン42が形成されている(図11(C)参照)。本実施形態では、案内ピン42はフラグ板36と一体的に形成した例を示しているが、案内ピン42として金属ピンを用い、これをフラグ板36に固定することとしてもよい。
この案内ピン42は、フラグ板36が蝶番41を中心として回転する際、円弧状の移動軌跡を形成する。フラグ装着セル20Aの底板部45は、この案内ピン42の移動軌跡に対応した形状の案内溝46が設けられている。この案内溝46は、フラグ板36がフラグ表示位置と退避位置との間で移動する際、フラグ板36の移動を案内する案内機構として機能する。
本実施形態では、底板部45に穴を形成することにより案内溝46を設けている。しかしながら、案内溝46に代えて、案内ピン42の移動軌跡に対応した案内レールを形成してもよい。このように、フラグ板36に案内ピン42を設けると共に、フラグ装着セル20A(底板部45)に案内ピン42を案内する案内溝46を形成することにより、フラグ板36をガタツキなく安定した状態でフラグ表示位置と退避位置との間で移動させることができる。この際、案内溝46と案内ピン42との間の寸法精度は、±0.2mm以下に設定されている。
また、バネ47は蝶番41に取り付けられている。このバネ47はトーションバネであり、フラグ板36を矢印B1方向に付勢する。よって、磁気テープカートリッジ15が装着されていない状態では、フラグ板36はバネ47に付勢されてフラグ表示位置に位置している。この際、フラグ板36に設けられた案内ピン42は、バネ47の弾性力により案内溝46の端部42a(フラグ表示位置側の端部)に押圧された状態で当接している。尚、このバネ47及び蝶番41は、フラグ板36をフラグ表示位置と退避位置との間で回転させる回転機構として機能する。
前記のように、案内溝46と案内ピン42との間の寸法精度は±0.2mm以下と高精度に設定されている。また、バネ47により案内ピン42は、案内溝46の端部42aに圧接されている。更に、蝶番41は、案内溝46と案内ピン42との間の精度と同等の精度でフラグ板36を回転できる構成とされている。
従って、フラグ板36はフラグ表示位置に高精度に位置決めされる。前記のように、フラグ板36にはフラグ37が形成され、このフラグ37はセル14と搬送ロボット18との間の相対誤差を検出し、これを補正するのに用いられる。従って、フラグ37の位置精度、即ちフラグ板36の位置精度が低いと、セル14と搬送ロボット18との位置精度を高めることはできない。
しかしながら、上記のように本実施形態では、フラグ板36をフラグ表示位置に高精度に位置決めすることができる。よって、セル14と搬送ロボット18との間の相対誤差を高い精度で検出することができ、搬送ロボット18による磁気テープカートリッジ15の搬送精度を高めることができる。
上記構成とされたフラグ板36は、磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20A内に挿入されることにより退避位置に移動する。具体的には、搬送ロボット18により磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20Aに搬送され、フラグ装着セル20Aに図11(B)に矢印X1で示す方向に挿入されると、先ず磁気テープカートリッジ15の先端部がフラグ板36と当接しこれを押圧する。
バネ47のフラグ板36をB1方向に付勢する付勢力は、搬送ロボット18のハンド装置22が磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20Aに挿入する挿入力よりも小さく設定されている。従って、磁気テープカートリッジ15のフラグ装着セル20Aへの挿入に伴い、フラグ板36は磁気テープカートリッジ15の装着に邪魔にならない退避位置に向け移動する。
図11(B)は、磁気テープカートリッジ15(図中、一点鎖線で示す)がフラグ装着セル20A内に装着された状態(装着状態という)を示している。この装着状態において、フラグ板36は磁気テープカートリッジ15の装着に邪魔にならない退避位置に位置している。また、フラグ板36が退避位置に位置している状態であっても、磁気テープカートリッジ15はフラグ装着セル20A内に確実に装着される。図9(B)はフラグ装着セル20A-1〜20A-3のフラグ板36が退避位置に移動した媒体収納棚13を示しており(磁気テープカートリッジ15は図示せず)、また図13(A)は各フラグ装着セル20A-1〜20A-3に磁気テープカートリッジ15が装着された媒体収納棚13を示している。このように本実施形態に係るフラグ装着セル20Aは、磁気テープカートリッジ15を装着することができる。
一方、搬送ロボット18によりフラグ装着セル20Aから磁気テープカートリッジ15を取り出すと、磁気テープカートリッジ15のX2方向への移動に伴いバネ47の付勢力によりフラグ板36はB1方向に回転する。そして、磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20Aから完全に取り出された状態で、フラグ板36は再びフラグ表示位置に位置決めされ、フラグ板36は媒体収納棚13の外部から認識できる状態となる。
ところで前記のようにライブラリ装置10は、磁気テープカートリッジ15の収納数の向上及び小型化が望まれている。本実施形態に係るライブラリ装置10は、媒体収納棚13に設けられたフラグ装着セル20A-1〜20A-3は、磁気テープカートリッジ15の装着に伴い装着の邪魔にならない退避位置に移動するため磁気テープカートリッジ15を装着することができる。また、磁気テープカートリッジ15が装着されていない状態では、フラグ板36はフラグ表示位置に位置するため、媒体収納棚13の外部からフラグ37を認識することができる。
よって、従来のようにフラグ1がセル3に固定され、磁気テープカートリッジ15が収納できない構成(図1参照)に比べ、本実施形態に係るライブラリ装置10は、媒体収納棚13に対する磁気テープカートリッジ15の収納効率を高めることができる。具体的には、N個のセル14を有する媒体収納棚13にフラグ37を3個設けた場合には、従来ではN−3個の磁気テープカートリッジしか収納できなかったが、本実施形態ではN個の磁気テープカートリッジ15を収納することができる。また、N個の磁気テープカートリッジ15を収納しようとした場合、従来に比べて媒体収納棚13の小型化を図ることができ、延いてはライブラリ装置10の小型化を図ることができる。
次に、上記のフラグ装着セル20A-1〜20A-3を有したライブラリ装置10における、フラグ読み取り処理について説明する。ここで、フラグ読み取り処理とは、前記のように搬送ロボット18によりCCD43が配設されたハンド装置22をフラグ37と対向する位置まで移動させ、フラグ37をCCD43により撮像する(読み取る)処理である。
図12はフラグ読み取り処理を示すフローチャートであり、図13乃至図15はフラグ読み取り処理実施時のライブラリ装置10の具体的な動作を示している。尚、以下説明するフラグ読み取り処理はソフトウェアプログラムとしてライブラリ制御ボード92の不揮発性メモリ95に格納されており、ライブラリ制御ボード92のCPU93はこれを実行する。そして、ライブラリ制御ボード92からの指令に基づき制御ボード61が搬送ロボット18を制御することにより、フラグ読み取り処理が実行される。
図13(A)は、フラグ読み取り処理が開始される前のライブラリ装置10を示している。図13(A)に示す媒体収納棚13は、図示の便宜上、フラグ装着セル20A-1〜20A-3にのみ磁気テープカートリッジ15が装着された状態を示している。しかしながら、フラグ装着セル20A-1〜20A-3を除く全てのセル14に対しても、磁気テープカートリッジ15が収納されているものとする。尚、以下の説明に用いる図13(B)、図14、及び図15においても同様とする。
図12に示すフラグ読み取り処理が起動すると、ステップ10(図では、ステップをSと略称する)において、今回のフラグ読み取り処理が初動時の読み取り処理かが判断される。初動時ではないと判断されると、処理はステップ12に進み、リトライ(再読み取り)を実施するかが判断される。ステップ12で否定判断がされると、ステップセル14以降の読み取り処理を行う必要がないため処理は終了する。
一方、ステップ12でリトライを実施すると判断された場合、先ずステップ14において、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22をフラグ装着セル20A-1と対向する位置まで移動させる。次に、ハンド装置22は把持アーム24を伸長させて爪24aを磁気テープカートリッジ15の受け部15aに係合させ、続いて把持アーム24を引き込むことにより磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20A-1から装置本体35内に収納する。図13(B)は、フラグ装着セル20A-1から磁気テープカートリッジ15をハンド装置22(装置本体35)内に収納した状態を示している。
前記のように、フラグ装着セル20A-1から磁気テープカートリッジ15が取り出されると、フラグ板36はバネ47の付勢力によりフラグ表示位置に移動する。よって、磁気テープカートリッジ15がハンド装置22(装置本体35)内に収納されることにより、フラグ装着セル20A-1においてフラグ37は媒体収納棚13の外部から認識できる状態となる。
続くステップ16では、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22を磁気テープ駆動装置16Aと対向する位置まで移動させる。そして、把持アーム24を延出させることにより、装置本体35内に収納していた磁気テープカートリッジ15を磁気テープ駆動装置16Aに装着する。図14(A)は、ハンド装置22が磁気テープカートリッジ15を磁気テープ駆動装置16Aに収納している状態を示している。
ここでの磁気テープ駆動装置16Aに対する磁気テープカートリッジ15の装着は、記録再生処理を行うためのものではなく、磁気テープカートリッジ15を仮収納するためのものである。
即ち、フラグ読み取り処理を行うには、フラグ板36を表示される必要があり、このためにはフラグ装着セル20A-1〜20A-3に磁気テープカートリッジ15が装着されている場合には、磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20A-1〜20A-3から取り出す必要がある。しかしながら本実施形態では、前記のように、磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20A-1〜20A-3を除く全てのセル14に収納されている。よってフラグ読み取り処理を実施する間、フラグ装着セル20A-1〜20A-3から取り出された磁気テープカートリッジ15を媒体収納棚13以外の箇所に収納する必要がある(以下、この収納を仮収納という)。
そこで本実施形態では、フラグ読み取り処理時における磁気テープカートリッジ15の仮収納場所として、磁気テープ駆動装置16A〜16Cを用いている。このため、フラグ装着セル20A-1〜20A-3の配設数は、磁気テープ駆動装置16A〜16Cの設置個数と同数か、それよりも少ない数に設定している。本実施形態では、フラグ装着セル20A-1〜20A-3及び磁気テープ駆動装置16A〜16Cは、いずれも3個設けた例を示している。しかしながら、上記の条件を満たせば、磁気テープ駆動装置16A〜16C及びフラグ装着セル20A-1〜20A-3の配設数はこれに限定されるものではない。
このように、磁気テープカートリッジ15の仮収納を行う場所して磁気テープ駆動装置16A〜16Cを用いることにより、筐体12内に別箇に仮収納を行う場所を設ける必要がなくなり、ライブラリ装置10の小型化を図ることができる。また、フラグ読み取り処理を行う際、磁気テープ駆動装置16A〜16Cは使用されない。よって、磁気テープカートリッジ15の仮収納場所として磁気テープ駆動装置16A〜16Cを用いても、フラグ読み取り処理に影響を与えるものではない。
磁気テープ駆動装置16Aに対する磁気テープカートリッジ15の装着処理が終了すると、続くステップ18において、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22をフラグ装着セル20A-2と対向する位置まで移動させる。次に、ハンド装置22は把持アーム24を伸長させて爪24aを磁気テープカートリッジ15の受け部15aに係合させ、続いて把持アーム24を引き込むことにより磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20A-2から装置本体35内に収納する。これにより、フラグ板36はバネ47の付勢力によりフラグ表示位置に移動し、よってフラグ装着セル20A-2において、フラグ37は媒体収納棚13の外部から認識できる状態となる。
続くステップ20では、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22を磁気テープ駆動装置16Bと対向する位置まで移動させる。そして、把持アーム24を延出させることにより、装置本体35内に収納していた磁気テープカートリッジ15を磁気テープ駆動装置16Bに装着する。
同様にステップ22では、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22をフラグ装着セル20A-2と対向する位置まで移動させると共に、磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20A-3から装置本体35内に収納する。これにより、フラグ板36はバネ47の付勢力によりフラグ表示位置に移動し、よってフラグ装着セル20A-3においてフラグ37は媒体収納棚13の外部から認識できる状態となる。
続くステップ24では、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22を磁気テープ駆動装置16Cと対向する位置まで移動させる。そして、把持アーム24を延出させることにより、装置本体35内に収納していた磁気テープカートリッジ15を磁気テープ駆動装置16Cに装着する。図14(B)は、ハンド装置22により磁気テープカートリッジ15が磁気テープ駆動装置16Cに仮収納される状態を示している。
以上のステップ14〜24の処理を実施することにより、フラグ装着セル20A-1〜20A-3に収納されていた磁気テープカートリッジ15は、磁気テープ駆動装置16A〜16Cに仮収納される。また、フラグ装着セル20A-1〜20A-3においては、磁気テープカートリッジ15が取り出されることにより、夫々においてフラグ板36が外部から認識可能な状態となる。図15(A)は、全てのフラグ装着セル20A-1〜20A-3において、フラグ板36が外部から認識可能となった状態を示している。
続くステップ26〜30では、認識可能となったフラグ板36をハンド装置22に設けられたCCD43で読み取る処理を行う。ステップ26では、制御ボード61は搬送ロボット18を制御することにより、ハンド装置22をCCD43がフラグ装着セル20A-1のフラグ37と対向する位置まで移動させる。続いて、制御ボード61はLEDドライバ73を介してCCD43を駆動し、フラグ装着セル20A-1のフラグ37の読み取り処理を行う。図15(B)は、CCD43によりフラグ装着セル20A-1のフラグ37の読み取り処理を行っている状態を示している。
続いて制御ボード61は、ステップ28において、搬送ロボット18を制御することによりハンド装置22をCCD43がフラグ装着セル20A-2のフラグ37と対向する位置まで移動させ、続いて制御ボード61はLEDドライバ73を介してCCD43を駆動し、フラグ装着セル20A-2のフラグ37の読み取り処理を行う。図15(C)は、CCD43によりフラグ装着セル20A-2のフラグ37の読み取り処理を行っている状態を示している。
続いて制御ボード61は、ステップ30において、搬送ロボット18を制御することによりハンド装置22をCCD43がフラグ装着セル20A-3のフラグ37と対向する位置まで移動させ、続いて制御ボード61はLEDドライバ73を介してCCD43を駆動し、フラグ装着セル20A-3のフラグ37の読み取り処理を行う。図15(D)は、CCD43によりフラグ装着セル20A-3のフラグ37の読み取り処理を行っている状態を示している。
尚、ステップ10で初動時であると判断された場合は、初動時におけるフラグ読み取り処理は磁気テープカートリッジ15が媒体収納棚13に収納されていない状態で行われるため、ステップ14〜24の処理をスキップしてステップ26からの処理を実施する。
上記したステップ14〜30の処理を実施することにより、フラグ装着セル20A-1〜20A-3のフラグ37の読み取り処理が終了すると、このCCD43から得られた位置情報に基づき前記のように搬送ロボット18とセル14との相対位置の誤差検出が行われ、またこの誤差を補正する補正処理が実施される。
また、上記した実施形態では、媒体収納棚13のフラグ装着セル20A-1〜20A-3を除く全てのセル14に磁気テープカートリッジ15が装着されている条件下でフラグ読み取り処理を行う例について説明した。しかしながら、媒体収納棚13に設けられたセル14に磁気テープカートリッジ15が収納されていない未収納セルがある場合には、この実収納セルにフラグ装着セル20A-1〜20A-3内に収納されていた磁気テープカートリッジ15を仮収納することとしてもよい。この場合には、磁気テープカートリッジ15の搬送距離を短くできるため、仮収納に要する時間短縮を図ることができる。
次に、第2実施形態であるフラグ装着セル20Bについて説明する。
図16及び図17は、第2実施形態であるフラグ装着セル20Bを説明するための図である。尚、図16及び図17において、図2乃至図15に示した構成と対向する構成については同一符号を付して、適宜その説明を省略する。また、後に行う第3乃至第4各実施形態の説明に用いる図18乃至図26においても同様とする。
前記した第1実施形態に係るフラグ装着セル20Aは、蝶番41が側板部44とフラグ板36の短辺側の一端部との間に設けられ、よってフラグ板36は側板部44に対してB1,B2方向に回転する構成であった。これに対して本実施形態に係るフラグ装着セル20Bは、フラグ装着セル20Bの底板部45とフラグ板36の長辺側の一端部との間に蝶番48を設けることにより、フラグ板36が底板部45に対して図16(A)に矢印C1,C2で示す方向に回転する構成となっている。即ち、フラグ板36は、フラグ表示位置から底板部45側に向け回転可能とされている。
フラグ装着セル20Bの外形は、本実施形態においてもセル14と同一形状とされており、よって内部に磁気テープカートリッジ15が装着可能な形状とされている。またフラグ装着セル20Bは、フラグ移動機構を有している。
フラグ移動機構は、フラグ板36、リンクアーム49、スライダ51、スライド溝52、及びバネ53等を有している。フラグ板36は、図17に拡大して示すように、矩形の樹脂製の板材である。このフラグ板36は、フラグ装着セル20Bの開口部分(磁気テープカートリッジ15が挿入される部分)に配設される。また、フラグ板36は、その表面側にフラグ37が形成されている。
また、フラグ板36の下側の長辺は、蝶番48(図17では、蝶番48を構成する軸部48aのみ示す)によりフラグ装着セル20Bの底板部45に取り付けられている。よって前記のようにフラグ板36は、蝶番48を中心として図16及び図17に矢印C1,C2で示す方向に回転可能となっている。
図16(A)及び図17は、フラグ板36がC1方向に回動し、フラグ37が表示された状態のフラグ装着セル20Bを示している。以下、このフラグ板36のフラグ37が表示された位置をフラグ表示位置という。また図16(B)は、フラグ板36がB1方向に回動し、底板部45と略平行になった状態を示している。
底板部45には収納凹部54が形成されており、フラグ板36はC2方向に回転して状態でこの収納凹部54内に収納される。この収納状態において、底板部45とフラグ板36のフロント面(フラグ37が形成された面)は、面一となっている。以下、このフラグ板36が底板部45と略平行に重なった位置を退避位置という。
一方、フラグ板36の上側の長辺の中央位置には、リンクアーム49の端部49aが接続されている。この端部49aは、フラグ板36に対して回転可能とされている。また、リンクアーム49の他端部49bは、スライダ51に回転可能に接続されている。
スライダ51は、底板部45に形成されたスライド溝52にX1,X2方向にスライド可能に係合している。スライダ51がスライド溝52に案内されてX2方向に移動すると、リンクアーム49はスライダ51に押圧されることによりフラグ板36をC1方向に回転付勢し、退避位置にあるフラグ板36をフラグ表示位置に向け移動させる。
また、スライダ51がスライド溝52に案内されてX1方向に移動すると、リンクアーム49はスライダ51に引かれることによりフラグ板36をC2方向に回転付勢し、フラグ表示位置にあるフラグ板36を退避位置に向け移動させる。このリンクアーム49、スライダ51、及びスライド溝52は、フラグ板36がフラグ表示位置と退避位置との間で移動する際、フラグ板36の移動を案内する案内機構としても機能する。
この案内機構により、フラグ板36をガタツキなく安定した状態でフラグ表示位置と退避位置との間で移動させることができる。この際、案内溝46とスライダ51との間の寸法精度は、±0.2mm以下に設定されている。
また、リンクアーム49及びスライダ51は、スライド溝52内に装着されることにより、フラグ板36が退避位置にあるとき底板部45と面一となるよう設定されている。前記のように、フラグ板36も退避位置にあるとき底板部45と面一となるよう設定されている。従って、後述するように磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20Bに装着される際、フラグ板36、リンクアーム49、及びスライダ51が磁気テープカートリッジ15の邪魔になるようなことはない。
バネ53は、スライダ51に接続されている。このバネ53はコイルスプリングであり、スライダ51を矢印X2方向に付勢する。よって、磁気テープカートリッジ15が装着されていない状態では、フラグ板36はスライダ51がバネ53によりX2方向に付勢されることによりフラグ表示位置に位置している。尚、このバネ53及び蝶番48は、フラグ板36をフラグ表示位置と退避位置との間で回転させる回転機構として機能する。
フラグ板36がフラグ表示位置に位置しているとき、フラグ板36はリンクアーム49、スライダ51、及びバネ53により支持される。前記のように、スライダ51とスライド溝52との間の寸法精度は±0.2mm以下と高精度に設定されている。従って、フラグ板36はフラグ表示位置に高精度に位置決めされる。これによりフラグ37の位置精度は向上し、セル14と搬送ロボット18との間の相対誤差を高い精度で検出することができ、搬送ロボット18による磁気テープカートリッジ15の搬送精度を高めることができる。
上記構成とされたフラグ板36は、磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20B内に挿入されることにより退避位置に移動する。具体的には、搬送ロボット18により磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20Bに搬送され、フラグ装着セル20B内に矢印X1で示す方向に挿入されると、先ず磁気テープカートリッジ15の先端部がフラグ板36と当接しこれを押圧する。
バネ53のフラグ板36をC1方向に付勢する付勢力は、搬送ロボット18のハンド装置22が磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20Bに挿入する挿入力よりも小さく設定されている。従って、磁気テープカートリッジ15のフラグ装着セル20Bへの挿入に伴い、フラグ板36は磁気テープカートリッジ15の装着に邪魔にならない退避位置に向け移動する。
図16(B)は、磁気テープカートリッジ15(図示を省略する)がフラグ装着セル20B内に装着された装着状態を示している。フラグ板36、リンクアーム49、及びスライダ51は、この装着状態において磁気テープカートリッジ15の装着に邪魔にならない退避位置に位置している。よって、本実施形態に係るフラグ装着セル20Bにおいても、磁気テープカートリッジ15をフラグ装着セル20B内に装着することができる。
一方、フラグ装着セル20Bに装着された磁気テープカートリッジ15を搬送ロボット18により取り出すと、磁気テープカートリッジ15のX2方向への移動に伴いバネ53の付勢力によりフラグ板36はC1方向に回転する。そして、磁気テープカートリッジ15がフラグ装着セル20Bから完全に取り出された状態で、フラグ板36は再びフラグ表示位置に位置決めされ、フラグ板36は媒体収納棚13の外部から認識できる状態となる。
上記のように、本実施形態に係るフラグ装着セル20Bも、内部に磁気テープカートリッジ15収納することができ、また磁気テープカートリッジ15を取り出すことによりフラグ板36を外部から認識できる状態とすることができる。よって本実施例のフラグ装着セル20Bを適用することによっても、媒体収納棚13に対する磁気テープカートリッジ15の収納効率を高めることができると共に、ライブラリ装置10の小型化を図ることができる。
次に、第3実施形態であるフラグ装着セル20Cについて説明する。
図18及び図19は、第3実施形態であるフラグ装着セル20Cを説明するための図である。本実施形態に係るフラグ装着セル20Cは、前記した第1実施形態に係るフラグ装着セル20Aと基本構成を等しくする。しかしながら、本実施形態に係るフラグ装着セル20Cは、フラグ板36を退避位置に位置規制(ロック)する第1のロック機構55を設けた点で第1実施形態と異なっている。
第1のロック機構55は、ソレノイド56及びロック片59等を有している。駆動機構となるソレノイド56は、図19(A),(B)に示すように、フラグ装着セル20Cを構成する側板部44の外側に配設される。この側板部44の外側面にはソレノイドホルダ76が形成されており、ソレノイド56はソレノイドホルダ76に接着等により固定される。
ソレノイド56は、図20(A),(B)に拡大して示すように、シャフト56aにコイルバネ57を挿通した上で、その先端部に鉤形状(略L字形状)のロック爪58を固定した構造とされている。よってソレノイド56は、通電されていない状態では、コイルバネ57の付勢力によりソレノイド本体部分に対してシャフト56aはX2方向に伸長した状態となっている。これに対し、コイルバネ57に対して通電が行われると、シャフト56aは図中矢印X1方向に引き込まれ、これに伴いロック爪58もX1方向に移動する。
一方、ロック片59は、図21に示すように、フラグ板36の背面側に突出するよう設けられている。このロック片59は鉤形状(略L字形状)を有しており、ソレノイド56に設けられたロック爪58と係合可能な形状とされている。ロック片59はフラグ板36と一体的に形成してもよく、またフラグ板36と別体としてフラグ板36に取り付けることとしてもよい。
また、前記した側板部44は、開口部60を有している。フラグ板36が退避位置に位置するとき、ロック片59はこの開口部60を介して側板部44の外側に突出する。更に、前記したロック片59は、開口部60と対向する位置に配設されている。よって、フラグ板36が退避位置に向け移動し退避位置に至った時点で、ロック片59は開口部60から側板部44の外側に突出し、ソレノイド56に設けられたロック爪58と係合する。
図21(A)は、ロック爪58とロック片59とが係合した状態を示している。このように、ロック爪58とロック片59とが係合することにより、フラグ板36は退避位置に位置規制(ロック)される。図18(B)及び図21(A)は、ロック爪58とロック片59とが係合し、フラグ板36が退避位置にロックされた状態を示している。このロック状態では、コイルバネ57によりロック爪58はロック片59に向け付勢されるため、ロック片59が容易にロック爪58から離脱するようなことはない。
一方、ロックを解除するには、ソレノイド56に通電を行う。これにより、ロック爪58はX1方向に移動しロック片59から離間するため、ロックは解除されフラグ板36の移動が許容された状態となる。第1のロック機構55によるフラグ板36のロックが解除されると、前記したようにバネ47に付勢され、フラグ板36はフラグ表示位置に移動する。
このように本実施形態では、フラグ板36を退避位置にロックすることができる。通常、誤差補正を行うためのリトライは、数ヶ月に一回の頻度で実施される。よって、フラグ板36をフラグ表示位置に移動させ、外部からフラグ37を認識可能とする頻度も数ヶ月に一回の頻度で足りることとなる。
これに対し、フラグ装着セル20A-1〜20A-3を含めセル14に対する磁気テープカートリッジ15の装着脱の頻度は非常に多い。このため、フラグ装着セル20A-1〜20A-3に対して磁気テープカートリッジ15を装着脱する毎にフラグ板36をフラグ表示位置と退避位置との間で移動させる構成では、蝶番41及び案内ピン42と案内溝46との係合位置等に経時的な劣化が発生してしまう。この経時劣化によりフラグ板36にガタツキが発生した場合、フラグ37を用いた誤差検出の精度が低下してしまうおそれがある。
しかしながら、本実施形態では、フラグ板36を退避位置にロックすることができる。よって、蝶番41及び案内ピン42と案内溝46との係合位置等に経時的な劣化が発生することを抑制でき、フラグ37を用いた誤差検出の精度維持を図ることができる。
また、磁気テープカートリッジ15がフラグ板36と当接する際、フラグ37に傷が発生するおそれがある。磁気テープカートリッジ15とフラグ板36との当接が頻繁に行われると、この傷によりCCD43により撮像されるフラグ37の画像の鮮明度が低下するおそれがある。しかしながら、本実施形態に係るフラグ装着セル20Cは、磁気テープカートリッジ15とフラグ板36との当接する頻度も低下することができ、フラグ37に傷が発生することを抑制することができる。
次に、第4実施形態であるフラグ装着セル20Dについて説明する。
図22及び図23は、第4実施形態であるフラグ装着セル20Dを説明するための図である。本実施形態に係るフラグ装着セル20Dは、前記した第3実施形態に係るフラグ装着セル20Cと同様に、第1実施例体に係るフラグ装着セル20Aと基本構成を等しくすると共に、フラグ板36を退避位置に位置規制(ロック)する第2のロック機構80を設けたものである。
前記のように、第3実施例に係るフラグ装着セル20Cに設けられた第1のロック機構55は、ソレノイド56に通電することによりフラグ板36のロック解除を行う機構とされていた。これに対し、本実施形態に係るフラグ装着セル20Dに設けられる第2のロック機構80は、電気的にロック解除を行うのではなく、ハンド装置22の移動を利用して第2のロック機構80によるロックを解除するようにしたものである。
第2のロック機構80は、ロック片59、ロックレバー81、スライド案内板83、及びコイルバネ86(請求項に記載の第2の付勢部材に相当する)等を有している。この第2のロック機構80は、図22(C)及び図23に示されるように、側板部44の外側に配設される。この側板部44の外側面には、ガイド突起89(図23参照)が設けられており、ロックレバー81はこのガイド突起89にスライド可能(X1,X2方向にスライド可能)に取り付けられる。
ロックレバー81は、X1.X2方向に細長い矩形状を有している。このロックレバー81は、樹脂或いは金属により形成されている。このロックレバー81は、図25に示されるように、スライド穴82、開口部87、及びスライド溝90等が形成されている。スライド穴82及び開口部87はいずれもX1,X2方向に形成された長孔である。前記した側板部44に形成されたガイド突起89は、スライド穴82内に挿入されることによりロックレバー81と係合する。ガイド突起89は、スライド穴82内で相対的にX1,X2方向に移動可能とされている。よってロックレバー81は、ガイド突起89に対してX1,X2方向にスライド可能となる。
また、開口部87の矢印X1方向端部には、ロック爪部85が形成されている。このロック爪部85は、後述するようにフラグ板36が退避位置にあるとき、フラグ板36に設けられたロック片59と係合することにより、フラグ板36を位置規制(ロック)する。
スライド溝90は、ロックレバー81のスライド穴82が形成された縁部に形成されている。このスライド溝90は、スライド案内板83がスライド移動可能に係合する。コイルバネ86は、スライド穴82の端部82aと、スライド穴82に挿入されるガイド突起89との間に装着される。
第2のロック機構80を組み立てるには、先ずガイド突起89がスライド穴82に挿入されるよう、ロックレバー81をガイド突起89に取り付ける。次に、このスライド穴82の端部82aと、スライド穴82に挿入されたガイド突起89との間にコイルバネ86を装着する。よって、コイルバネ86は、スライド穴82内に装着された状態となる。
続いて、スライド案内板83をスライド溝90内に装着し、スライド案内板83に設けられた貫通孔83aとガイド突起89に形成されているネジ穴39aとを位置決めした上で、固定ネジ84をスライド案内板83を介してネジ穴39aに螺着する。これにより、スライド案内板83はガイド突起89に固定され、スライド案内板83とガイド突起89とに支持されることにより、ロックレバー81は図中矢印X1,X2方向に移動可能な状態となる。
また前記ように、スライド穴82に挿入されたガイド突起89とスライド穴82の端部82aとの間にはコイルバネ86が配設されており、このコイルバネ86はロックレバー81をガイド突起89に対して矢印X2方向に付勢している。更に、上記のようにロックレバー81が側板部44に取り付けられた状態において、開口部87は側板部44に形成された開口部60と対向するよう設定されている。
第3実施形態と同様に、フラグ板36が退避位置に位置するとき、ロック片59はこの開口部60を介して側板部44の外側に突出する。よって、フラグ板36が退避位置に向け移動し退避位置に至った時点で、ロック片59は開口部60から側板部44の外側に突出し、ロックレバー81に設けられたロック爪部85と係合する。このように、ロック片59とロック爪部85とが係合することにより、フラグ板36は退避位置に位置規制(ロック)される。
図22(B),(C)及び図24(A)は、ロック片59とロック爪部85とが係合した状態を示している。このロック状態では、コイルバネ86によりロック爪部85はロック片59に向け付勢されるため、ロック片59が容易にロック爪部85から離脱するようなことはない。
一方、ロックを解除するには、シャフト31のX2方向端部である先端部81aをX1方向に押圧操作する。これにより、ロックレバー81はコイルバネ86の付勢力に抗してX1方向に移動し、これに伴いロック爪部85もX1方向に移動することによりロック片59から離間する。これにより、第2のロック機構80によるフラグ板36のロックは解除され、フラグ板36は移動が許容された状態となる。また、フラグ板36のロックが解除されると、フラグ板36はバネ47に付勢されることにより図22(A)に示されるフラグ表示位置に移動する。
本実施形態では、このロック解除時のロックレバー81の押圧操作をハンド装置22により実施している。前記したように、ハンド装置22は一対の把持アーム24を有しており、この把持アーム24の先端に設けられた爪24aを磁気テープカートリッジ15の受け部15aに係合させることにより、セル14及びフラグ装着セル20A-1〜20A-3に対して磁気テープカートリッジ15の装着脱を行う。
本実施形態では、ロックレバー81の配設位置と対応する側の把持アーム24に、先端部81aを押圧操作しうる操作部(図に現れず)を設けている。この操作部は、フラグ装着セル20A-1〜20A-3に対して磁気テープカートリッジ15を装着脱するときには先端部81aとは係合しない位置に設けられている。
しかしながらフラグ読み取り処理を実施する場合、制御ボード61は把持アーム24が通常の磁気テープカートリッジ15の装着脱を行う位置よりも深く延出するようハンド装置22を制御する。これにより、把持アーム24に設けられた操作部は、先端部81aをX1方向に押圧操作し、よってロックレバー81によるフラグ板36のロックが解除され、フラグ板36はその移動が許容された状態となる。図26は、把持アーム24に設けられた操作部がロックレバー81の先端部81aを押圧操作し、これにより第2のロック機構80によるフラグ板36のロックが解除された状態を示している。
上記のように本実施形態に係るフラグ装着セル20Dも第2のロック機構80を有しているため、フラグ板36を退避位置にロックすることができる。よって、蝶番41及び案内ピン42と案内溝46との係合位置等に経時的な劣化が発生することを抑制でき、フラグ37を用いた誤差検出の精度維持を図ることができる。また、フラグ37に傷が発生することを抑制でき、CCD43により撮像されるフラグ37の画像の鮮明度の低下を防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。