JP4751726B2 - 短絡板 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーカや端子台等の機器の一列に配置される端子と選択的に接続し、接続した端子相互を短絡する短絡板に関する。
従来、一般的な配電盤では、端子台やブレーカ等の機器が各種の端子を一列に並べるようにして配置されている。そして、この一列に配置される端子に対して選択的に接続して端子相互を短絡させる短絡板がよく知られている。図8(a)に、最も一般的な短絡板aを示す。この短絡板aは、長尺な連結バーbと、該連結バーbの長尺方向に沿った片側縁から突出状に並成された複数の接続脚cとが一体的に形成されてなる導電板片からなる。各接続脚cは、連結バーbの長尺方向と直交する方向に突出しており、それぞれ等しい長さを有している。そして、各接続脚cの先端には、螺子貫通孔dなどの端子との接続機構が設けられており、各接続脚cの先端を端子に接続すると導電板片を介して端子間が短絡されることとなる。
また、従来の短絡板には、図8(b),8(c)に示すように、接続脚の途中に所定角度の屈曲部eが設けられたものがある。この短絡板a’は、図9に示すように、平坦な接続脚cを有する短絡板aと併用することによって、夫々の連結バーbを干渉させることなく交差させて比較的複雑な配線を実現している。
上記構成の短絡板a,a’は、一枚の金属板から製造可能であり、形状も簡単であるため極めて安価である。しかしながら、上記短絡板a,a’にあっては、複雑な配線を行う際に、二種類の短絡板a,a’を用意しなければならず、配線作業も面倒であった。また、上記二種類の短絡板a,a’だけでは、配線パターンに限界もある。例えば、特許文献1に見られるように、三相式の配電盤では、三相(R相,S相,T相)の電源の入力端子を有するブレーカが全入力端子を一列に並べるようにして配置されており、これらのブレーカの各端子に対して各相の電源を分配する配線が必要となるが、このような場合には、各ブレーカの同種の入力端子間を短絡板で短絡させておき、そこに各相の電源を接続するといった配線がとられる。このような場合に、上記構成の短絡板a,a’のみでは、図9に示す配置によって、二つのブレーカの、同種の入力端子間を短絡できるものの、短絡板a,a’が相互に干渉してしまうため、これらの配線を端子の配列方向に連ねることができないのである。このために、従来では、三相電源の分岐等の複雑な配線を行う際には、様々な形状の短絡板を組み合わせるか、若しくは、複雑な形状の短絡板を用いなければならず、複雑な配線を低コストで簡単に行い得る短絡板が求められている。
実開平4−76107号公報 第4図
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、一列に配置された端子間を短絡する短絡板であって、三相電源の分岐等の複雑な配線を、低コストで、簡単に行い得る短絡板の提供を目的とする。
本発明は、長尺板状の連結バーと、該連結バーの長尺方向に沿った片側縁から突出状に並成され、先端に端子との接続機構を有する複数の板状接続脚とが一体的に形成された導電板片によって構成されるものであって、一列に配置された複数の端子に各接続脚を接続することによって端子間を短絡する短絡板において、各接続脚は、連結バーの片側縁から連結バーの板面に沿った方向に延成される基部と、該基部の先端から屈曲部を介して連結バーの板面と交差する方向へ突出する突出部とからなるものであり、各接続脚の突出部は、平行状に突出すると共に、夫々の長さが異なっていることを特徴とする短絡板である。
かかる短絡板は、従来の短絡板と同様に一列に、各接続脚の先端を端子に接続させるのであるが、各接続脚の突出部の長さが異なるため、各接続脚を端子に接続した際に、連結バーの長尺方向が端子の配列方向に対して傾くこととなる。このため、本発明の短絡板は、端子の配列方向にずらして配置した時に、夫々の連結バーを相互に接触させることなく配置できる(図4参照)。また、本発明の短絡板は、突出部の長さの異なる接続脚を重ねるようにすれば、夫々の連結バーを干渉させることなく端子の配列方向に連ねることができる(図6参照)。したがって、本発明によれば、三相電源を多数のブレーカに分岐させるような複雑な配線を、同形状の短絡板を端子の配列方向に沿って配置することによって実現可能となる。
また、本発明の短絡板は、連結バーの片側縁の両端部に一本ずつ接続脚が設けられた構成に限らず、三本以上の接続脚が並成されるものにも適用できる。ただし三本以上の接続脚を設ける場合には、各接続脚の先端が一直線上に配置されるように突出部の長さを設定し、全ての接続脚が端子と接続し得るようにすることが必要となる。すなわち、本発明の別の短絡板は、連結バーの長尺方向に沿った片側縁に三本以上の接続脚が形成されており、各接続脚は、連結バーの片側縁から連結バーの板面に沿った方向に延成される基部と、該基部の先端から屈曲部を介して連結バーの板面と交差する方向へ突出する突出部とからなるものであり、各接続脚の突出部は、平行状に突出すると共に、夫々の長さが異なっており、且つ夫々の先端が一直線上に配置されていることを特徴とする短絡板である。
また、各接続脚の前記屈曲部は略直角に屈曲していることが望ましい。屈曲部の屈曲角度が鈍角であると短絡板が嵩張り易く、屈曲角が鋭角であると、接続時に短絡板同士が衝突し易いためである。
以上に述べたように、本発明は、二本の接続脚を、連結バーの片側縁から連結バーの板面に沿った方向に延成される基部と、該基部の先端から屈曲部を介して連結バーの板面と交差する方向へ突出する突出部とで構成すると共に、各接続脚の突出部を、平行状に突出させ、夫々の突出部の長さが異なるようにした短絡板であるから、同形状の短絡板を端子の配列方向にずらして配置すると共に、長さの異なる接続脚の突出部を重ねて端子の配列方向に連ねることによって、三相電源を多数のブレーカに分岐させるような複雑な配線を適切に実現できる。特に、本発明の短絡板は、同一形状のものを端子の配列方向に配置することによって、三相式ブレーカの同種の端子間を適切に短絡できるといった利点がある。また、短絡板が相互に干渉し難いため、その他の複雑な配線も、従来より少ない種類の短絡板によって実現できる。一方で、本発明の短絡板は一枚の導電板片によって構成可能であり、図8に示した従来の短絡板a’と同程度のコストで製造できる。したがって、本発明の短絡板を用いれば、複雑な配線を低コストで行うことができると共に、配線作業も簡単に行うことができる。
また、連結バーの長尺方向に沿った片側縁に接続脚が三本以上並成された構成にあっては、上構成に加えて、各接続脚の突出部の先端を一直線上に配置するようにすれば、各接続脚を端子に適切に接続することができる。
さらに、上記構成にあって、各接続脚の前記屈曲部を略直角に屈曲させた場合には、短絡板を複数配置した際に夫々の連結バーが密集して邪魔になり難く、また、短絡板を端子に接続する際に連結バーが配線作業の邪魔になり難い。
本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
図1は、本発明の一実施例の短絡板1を示す。この短絡板1は、長尺板状の連結バー2と、該連結バー2の長尺方向に沿った片側縁から突出状に並成され、先端に端子との接続機構を有する二本の板状接続脚3a,3bとが一体的に形成された導電板片によってなるものであり、一列に配置された機器の端子に各接続脚3a,3bの先端を接続することによって該端子間を電気的に短絡する。接続脚3a,3bの先端には、螺子止め式の端子に接続するための螺子貫通孔6が形成されており、これが端子との接続機構を構成する。この接続機構は機器の端子形状に合わせて変更可能である。
図1に示すように、連結バー2は略長尺矩形状をなしており、その長尺方向に沿った片側縁の両端部から板状の接続脚3a,3bが突成される。この連結バー2の長さによって、その両端に形成される接続脚3a,3bの間隔が決定される。また、この連結バー2及び接続脚3a,3bの基端側部分は絶縁性樹脂によるコーティング7が設けられている。
各接続脚3a,3bは、図1に示すように、連結バー2の片側縁から連結バー2の板面に沿った方向に延成される基部4a,4bと、該基部4a,4bの先端から屈曲部8a,8bを介して連結バー2の板面と交差する方向へ突出する突出部5a,5bとからなる。
接続脚3a,3bの各基部4a,4bは、連結バー2の板面に沿って、且つ、連結バー2の長尺方向と直交する方向に延成される。そして、各基部4a,4bの間には、他の短絡板の接続脚を通過させる逃げ代9が形成される。各基部4a,4bは、逃げ代9が他の短絡板の接続脚を通過させ得る程度延出していればよい。
接続脚3a,3bの各屈曲部8a,8bは、図1,2に示すように、略直角に屈曲しており、各接続脚3a,3bの突出部5a,5bの板面は、連結バー2の板面と略垂直になっている。
各接続脚3a,3bの突出部5a,5bは、屈曲部8a,8bから同一方向に平行状に突出している。また、各突出部5a,5bの板面は略同一面上に配置される。そして、各突出部5a,5bは夫々の長さ、すなわち屈曲部8a,8bから先端までの長さが異なっている。なお、本実施例では、図2中左側の突出部5aの長さは、突出部5bの長さの半分程度となっているが、二つの突出部5a,5bの長さの比率は特に限定されるものではない。ただし、各突出部5a,5bの長さは、図2に示すように、各接続脚3a,3bの突出部5a,5bの先端が、突出部5a,5bの突出方向と直交する直線上に配置されるように設定することが望ましい。短絡板1を端子に接続した際に、突出部5a,5bの突出方向と端子の配列方向が直交するためである。
本実施例の短絡板1によれば、図2に示すように、突出部5a,5bと垂直な方向から見た場合に、各突出部5a,5bの先端を結ぶライン(図2中のα)と、連結バー2の長尺方向(図2中のβ)が傾くこととなり、短絡板1を突出部5a,5bの先端ラインに沿って並べた時に、夫々の連結バー2が間隔をおいて配置されることとなる。
なお、本実施例の短絡板1は、導電板片を所定形状に打ち抜いた後で、プレス加工によって接続脚に屈曲部を形成し、さらに、絶縁コーティングを行うことによって製造できる。具体的な製造方法は、従来の短絡板a’(図8参照)と殆ど同じであるため、詳細な説明は省略する。
図3は、実施例の短絡板1によって二つのブレーカ20の各端子間21a,21b,21cを短絡した状態を示す。ここで、ブレーカ20は三相式のものであり、図3中の上側に三相(R相,S相,T相)の電源を入力するための螺子止め式の端子21a〜21cが一列に設けられている。二つのブレーカ20は夫々の入力端子21a〜21cが一列に並ぶように配置される。
各ブレーカ20の同種類の端子21a〜21cは、図3に示すように、同形状の三つの短絡板1によって相互に短絡される。各短絡板1は、接続脚3a,3bの先端をブレーカ20側に向けるようにして各端子21a〜21cに螺子止めされている。かかる状態では、図4に示すように、各短絡板1の接続脚3a,3bの先端ラインが端子21a〜21cの配列方向と一致することとなり、各短絡板1の連結バー2が間隔をおいて重なると共に、夫々の短絡板1の接続脚3bは他の短絡板1の逃げ代9を通過するように配置されるため、短絡板1は相互に接触しない。
図5は、図3と同じブレーカ20を四つ一列に配置し、同種類の端子間21a〜21cを短絡板1で短絡した状態を示す。各ブレーカ20の同種類の端子21a〜21cは、一側の突出部5bの上に他側の突出部5aを重ねるようにして端子の配列方向に連なった三つの短絡板1によって相互に短絡される。かかる状態にあっては、図6に示すように、突出部5a,5bを重ねた部分において、各短絡板1の連結バー2が間隔をおいて重なるため、連結バー2が相互に干渉することがない。
なお、短絡板1を図5に示す配置で接続する場合には、図5中の左側、すなわち、突出部5aの短い側から順番に短絡板1をブレーカ20の端子21に接続させていけばよい。そのようにすれば、短絡板1相互を干渉させることなく、容易に配線作業を行うことができる。
このように、本実施例の短絡板1は、端子21a〜21cの配列方向に沿って配置することで、隣接する三相式ブレーカ20の各端子間21a〜21cを適切に短絡することができる(図3参照)。また、長さの異なる両端の突出部5a,5bを重ねて、短絡板1を端子21a〜21cの配列方向に連ねることで、複数の三相式ブレーカ20の、同種類の端子21a〜21c間を一度に短絡することができる(図5参照)。そして、図5のようにブレーカ20の各端子21a〜21c間を短絡できれば、各相の電源を各種類の短絡板1に接続するだけで、各相の電源を全てのブレーカ20に分配することができる。
特に、本実施例の短絡板1は、三相電源の分岐といった複雑な配線を同一形状の短絡板1のみによって実現できるため、配線に用いる部品の種類を低減可能であり、配線にかかるコストを削減できると共に、配線作業を単純化することができる。なお、実施例の短絡板1の製造コストは、図8に示す短絡板a’と同程度に抑えることが可能である。また、端子の配列方向に沿って短絡板1を接続した際に、連結バー2は密集配置されるため、嵩張ることもない。さらに言えば、本実施例の短絡板1は、所要の順番で端子に接続していけば、接続済みの短絡板1と干渉することなく短絡板1を接続していくことができる。
以上のように、本実施例の短絡板1を用いた配線を、三相式ブレーカ20の各端子21a〜21cを短絡する配線を例にして説明したが、本実施例の短絡板1は、三相式のブレーカに限らず、端子台などの端子間の短絡にも用いることができる。なお、上記三相式ブレーカ20の場合は三種類の端子21a〜21cの夫々を短絡するものであったが、接続脚の間隔を拡げれば、本実施例の短絡板によって、四種以上の端子の夫々を短絡することもできる。また、上記三相式ブレーカ20の配線例では、同形状の短絡板1のみを用いて配線を行っているが、接続脚3a,3cの間隔の異なる複数の短絡板1を組み合わせて用いれば、さらに複雑な配線を従来より種類の少ない短絡板によって実現できる。なお、図5で示した配線態様では、連結バー2が図5中の手前側に突出するよう短絡板1を配置しているが、実施例の短絡板1は、連結バー2が図5中の奥側に突出するように配置することもできる。
図7は、上記実施例の構成に一部変更を加えた変形例の短絡板1’を示すものである。本変形例の短絡板1’では、連結バー2の長尺方向に沿った片側縁に三本の接続脚3a〜3cが形成される。具体的には、上記実施例の短絡板1では、連結バー2の長尺方向に沿った片側縁の両端部にのみ接続脚3a,3bが形成されていたが、本実施例では、両端部の接続脚3a,3bに加えて中間部にも接続脚3cが形成されている。この接続脚3cは、両端の接続脚3a,3bと同様に、連結バー2から延成される基部4cと、基部4cの先端から屈曲部8cを介して突出する突出部5cとからなる。突出部5cは、両端の接続脚3a,3bの突出部5a,5bと同一方向に平行状に突出している。突出部5cの長さは、その先端が、他の突出部5a,5bの先端と一直線上に配置される長さに設定されている。この短絡板1’は、両端の接続脚3a,3bと共に中間の接続脚3cを端子と接続することで三つの端子を同時に短絡可能であり、また、上記実施例の短絡板1と同様にして、端子の配列方向に配置することで三相電源の分岐等の複雑な配線を行うことができる。
尚、本発明の短絡板は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、実施例の短絡板では、連結バーや接続脚が長尺な当幅矩形板状をなしているが、これらは、等幅でなくてもよいし、矩形である必要もない。また、連結バーや接続部の突出部は、上記実施例では平坦であるがこれらを屈曲させることも可能である。
本発明に係る短絡板1の斜視図である。 突出部5a,5bと垂直な方向から見た短絡板1の一側面図である。 二つのブレーカ20に短絡板1を接続した状態を示す説明図である。 図3における短絡板1の配置態様を示す斜視図である。 四つのブレーカ20に短絡板1を接続した状態を示す説明図である。 図5における短絡板1の配置態様を示す斜視図である。 変形例の短絡板1’の斜視図である。 従来の短絡板a,a’の斜視図である。 従来の短絡板a,a’の一配置態様を示す斜視図である。
符号の説明
1,1’ 短絡板
2 連結バー
3a,3b,3c 接続脚
4 基部
5a,5b,5c 突出部
6 螺子貫通孔
7 被覆
8a,8b 屈曲部
9 逃げ代
20 ブレーカ
21 端子

Claims (3)

  1. 長尺板状の連結バーと、
    該連結バーの長尺方向に沿った片側縁から突出状に並成され、先端に端子との接続機構を有する複数の板状接続脚とが一体的に形成された導電板片によって構成されるものであって、
    一列に配置された複数の端子に各接続脚を接続することによって端子間を短絡する短絡板において、
    連結バーの長尺方向に沿った片側縁に二本の接続脚が形成されており、
    各接続脚は、連結バーの片側縁から連結バーの板面に沿った方向に延成される基部と、該基部の先端から屈曲部を介して連結バーの板面と交差する方向へ突出する突出部とからなるものであり、
    各接続脚の突出部は、平行状に突出すると共に、夫々の長さが異なっていることを特徴とする短絡板。
  2. 長尺板状の連結バーと、
    該連結バーの長尺方向に沿った片側縁から突出状に並成され、先端に端子との接続機構を有する複数の板状接続脚とが一体的に形成された導電板片によって構成されるものであって、
    一列に配置された複数の端子に各接続脚を接続することによって端子間を短絡する短絡板において、
    連結バーの長尺方向に沿った片側縁に三本以上の接続脚が形成されており、
    各接続脚は、連結バーの片側縁から連結バーの板面に沿った方向に延成される基部と、該基部の先端から屈曲部を介して連結バーの板面と交差する方向へ突出する突出部とからなるものであり、
    各接続脚の突出部は、平行状に突出すると共に、夫々の長さが異なっており、且つ夫々の先端が一直線上に配置されていることを特徴とする短絡板。
  3. 各接続脚の前記屈曲部は、略直角に屈曲していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の短絡板。
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