JP4748451B2 - ハイブリダイゼーションの検出方法 - Google Patents
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これらの遺伝子発現や塩基配列の解析のために、例えば、DNAチップやDNAマイクロアレイなどのようなマイクロ反応チップに、固相基板上に高密度に異なるプローブ核酸を配列、固定したチップが用いられている。そして、このプローブ核酸に別途調製された一本鎖のターゲット核酸を供給し、配列の相補性による結合の有無を検出することで遺伝子発現や塩基配列の解析を行なっている。
ここで、DNAチップ上のプローブ核酸断片とターゲット核酸断片とのハイブリダイゼーションを検出する方法として、二本鎖核酸断片に特異的に結合し、かつ電気化学的に活性な二本鎖核酸断片標識体を用いて検出する方法や、酸化還元酵素を標識することで電気化学的測定によりターゲット核酸を検出する方法がある。
合成する方法が知られている。電極の表面で直接オリゴヌクレオチドを合成する方法としては、光照射で選択的に除去される保護基の使用と、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィ技術および固相合成技術を組み合わせ、所定の微小なマトリックス領域でのオリゴヌクレオチドの選択的な合成を行う方法が代表的であるが、電気化学反応によりオリゴヌクレオチドを電極の表面で選択的に合成する方法が提案されている(例えば、特許文献
1参照)。
DNAチップは、シリコンウエハ上に、図4に示すように、プローブ核酸断片が結合固定された電極であって絶縁性の基材51表面の複数箇所に設けられた固定電極52と
、各固定電極52とプローブ核酸断片を介して対向配置された対向電極53とを備えている。例えばCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)に接続されている。そして、固定電極52と対向電極53とを流れる信号電流や、固定電極52と対向電極53の間の電位差を測定する。
ここで上述した酸化還元酵素を標識としてハイブリダイゼーションの検出を行うために、固定電極52と対向電極53との間には、用いる基質によって異なるが、50mV~500mVの酸化還元電位が印加される。なお、各固定電極52の間隔は例えば、0.05mm〜0.5mm、また固定電極52と対向電極53との距離は例えば0.05〜1.0mmである。
この発明では、各グループで参照用プローブがハイブリダイゼーションを行った際の電気信号を取得して比較することで、各グループで検出した参照用プローブ以外の他のプローブの電気信号を補正することができる。したがって、各グループ間における電気信号の検出結果のバラツキを抑制し、他のプローブにおける検出結果をより正確に解析することができる。
この発明では、互いに近接する2つの固定面において電位差が生じていても、一方の固定面から他方の固定面に向けて流れる電流が一方の固定面と包括電極の間で流れる。これにより、近接する2つの固定面の間で電流が流れることを防止する。したがって、電気信号に対するノイズの低減が図れて電気信号の検出をより精度よく行うことができる。
以下、本発明にかかるハイブリダイゼーションの検出方法の一実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1におけるハイブリダイゼーションの検出方法が適用される検出装置の構成を示すブロック図である。
本実施例によるハイブリダイゼーションの検出方法は、図1に示すように、DNAチップ(マイクロ反応チップ)1と、DNAチップ1の電気的な制御を行う制御装置2とを用いて行う。
図2は、本実施例1のハイブリダイゼーションの検出方法におけるDNAチップの部分平面図、X−Y断面図である。
DNAチップ1は、図2に示すように、CMOS部11と、CMOS部11の上面に形成されているプローブ核酸(プローブ、図省略)が固定されている合成電極部12とを備えている。
入出力電極16は、例えばAl(アルミニウム)のような導電体によって構成されており、CMOS保護層17に形成された貫通孔であるコンタクトホール17aから外部に向けて露出している。
また、CMOS保護層17は、その膜厚が例えば2umであって、例えばSiN(窒化珪素)/SiO2(二酸化珪素)のような絶縁体によって形成されている。
接続電極部21は、例えばAlによって形成されており、コンタクトホール17aを充填すると共に、一部がコンタクトホール17a近傍におけるCMOS保護層17の上面に積層されている。この接続電極部21は、コンタクトホール17aを充填するように、例えば3um形成した後、CMOS保護層17の上面からの突出量が0.5um以下となるように平坦化されている。
接続電極部21を充填するように形成されている。この第1絶縁層22は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いてCMOS保護層17または接続電極部21の上面に、例えば厚さが0.5umとなるように平坦化して形成されている。
また、第1絶縁層22には、平面視でCMOS保護層17に形成されたコンタクトホール17aと一致しない位置に、接続電極部21に至る貫通孔であるコンタクトホール22aが設けられている。このコンタクトホール22aは、所定の開口形状を有するマスクパターンを用いたドライエッチングなどによって形成されている。
ることで、接続電極部21に接続されている。この固定電極部23は、所定の開口形状を有するマスクパターンを用いたスパッタリング法によって、第1絶縁層22上に厚さが例えば0.2〜0.3umとなるように形成されている。
また、固定電極部23には、第2絶縁層25に形成された貫通孔25aによって外部に露出されていてプローブ核酸が固定化される固定面23aが形成されている。この固定面23aは、平面視においてほぼ円形となっており、その直径が例えば10um〜100umとなっている。なお、固定電極部23aは第1絶縁層22上の2方向で等間隔となるように複数設けられており、固定面23aが複数形成されることでマイクロアレイ化されている。
対向電極33は、複数の固定面23aとそれぞれプローブを介して対向配列されている。
ハイブリダイゼーションの検出時には、プローブ核酸のハイブリダイゼーションにおける酵素反応で電流を取り出すために、対向電極33と固定面23aとの間に酸化還元電位を与えている。なお、用いる基質によって、酸化還元電位が50mV〜500mVとなっている。
電圧印加部34は、グループ分けした固定面23aのグループごとにグループを構成する固定面23aと対向電極33との間に電圧を印加するように構成されている。
信号検出部35は、固定面23aと対向電極33との間に電圧を印加されたときに固定面で検出される電気信号を検出し、その結果を記録部36に出力するように構成されている。
記録部36は、メモリなどによって構成されており、モニタやハードディスクなどで構成された出力部37に信号検出部35で検出した電気信号の強度を表示または出力させる
。
本実施例におけるハイブリダイゼーションの検出方法は、組分工程と固定工程と、検査工程とで構成されている。
最初に、組分工程を行う。これは、電位測定部31がDNAチップ1の一点を基準として複数の固定面23aの電位を測定し、測定結果を記録部36に出力する。この結果、例えば、各固定面23aに電位が得られる。
図3は、この組分工程の各固定面の電位分布およびグループの分布を示す説明図である。そして、組分判断部32が記録部36に記録された各固定面23aの電位測定結果から固定面23aのグループ分けを行う。たとえば、3固定面おきに測定するとか、5固定面おきに測定するとか、必要な測定精度に応じて同時に印加する各固定面間の距離を決める。精度が必要なときには、必要な距離だけ離れた電極で同時に電圧を印加することを決める。
続いて、距離の離れたグループBを構成する固定面23aと対向電極33との間に電圧を印加して、ハイブリダイゼーションが発生した際の電気信号を信号検出部35で検出する。
そして、供給したターゲット核酸と、取得した電気信号から、固定面23aに固定されているプローブ核酸の遺伝子発現や塩基配列を解析する。この際、各グループA〜Dを構成する固定面23aに固定された参照用プローブのハイブリダイゼーションによる電気信号の検出結果を基に、各個底面23aで検出された電気信号を補正する。これは、基準グループであるプローブAにおける参照用プローブの電気信号の検出結果と他のグループにおける参照用プローブの電気信号の検出結果とを比較し、その差を補正値とする。そして、各グループで検出された電気信号を補正値に基づいて補正する。
例えば、上記実施例では、組分工程において、固定面23aを3つおきや5つおきに取っているが、6つおきと適宜変更してもよい。
ここで、同一グループ内で同時に印加する固定面間の距離は十分離れているため、同時に印加する固定面間で流れる電流を十分小さくできる。
また、固定工程において、各グループA〜Dに共通する参照用プローブを固定しているが、参照用プローブを固定しなくてもよい。
しては、例えばアリールアセチレンや2〜10モノマー単位を有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、ジアッシド、アミノ酸またはこれらの組み合わせたものが挙げられる。 また、プローブ核酸が捕捉する生体関連物質としてターゲット核酸を適用しているが、タンパクなど、他の生体関連物質を捕捉するようにしてもよい。さらに、プローブとしてタンパクなどの他の生体関連物質を適用してもよい。
また、露出面24aが固定面23aの周縁から等間隔で離間した位置に形成されているが、設計に応じて適宜変更してもよい。
また、各包囲電極部24が電気的に接続され、同電位となるように構成してもよい。
また、1つの固定電極部23や包囲電極部24がコンタクトホール22aにおいて接続電極部21と接続されているが、固定電極部23や包囲電極部24を接続電極部21上に直接スパッタリング法などによって形成した構造としてもよい。
また、包囲電極部24を設けない構成としてもよい。
また、CMOS部11によって各固定電極部23に対して印加する電圧の制御などうを行っているが、CMOSに限らず、他の半導体装置によって各固定電極部23の電圧制御や電位測定部31への出力などを行ってもよい。
Claims (3)
- 生体関連物質を捕捉するプローブが固定されている固定面を有する固定電極が複数設けられたマイクロ反応チップに前記プローブを固定し、該プローブを介して前記固定電極と対向配置される対向電極に電圧を印加するハイブリダイゼーションの検出方法において、
前記複数の固定面の位置番号を端から順番に2次元配列(m,n)で番号付け、1つおきのグループ(2m+1、2n+1)(m,n=0,1,2,3,・・・・)、2つおきのグループ(3m+1、3n+1)(m,n=0,1,2,3,4,・・・)または3つおきのグループ(4m+1、4n+1)(m,n=0,1,2,3,・・・)の場合を含む、ある一定の間隔を隔てた固定面を選んでグループ化する組分工程と、
前記各固定面にプローブを固定する固定工程と、
そのグループ毎に同時に電圧を印加し、電流を測定する検出工程と、
を備えたことを特徴とするハイブリダイゼーションの検出方法。 - 前記固定工程では、前記各グループを構成する前記固定面の少なくとも1つずつに、前記複数のグループで共通する参照プローブを固定することを特徴とする請求項1記載のハイブリダイゼーションの検出方法。
- 前記マイクロ反応チップが、前記固定面から離間して該固定面の外周を囲む包囲電極を有することを特徴とする請求項1または2記載のハイブリダイゼーションの検出方法。
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