JP4797498B2 - ハイブリダイゼーションの検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばマイクロ反応チップを用いたDNA(デオキシリボ核酸)などの生体関連物質のハイブリダイゼーションの検出方法に関する。
近年、生物の多様な遺伝子機能を効率的に解析するための技術開発が進められており、これらの遺伝子発現や塩基配列の解析のために、例えば、DNAチップやDNAマイクロアレイなどのようなマイクロ反応チップに、固相基板上に高密度に異なるプローブ核酸を配列、固定したチップが用いられている。そして、このプローブ核酸に別途調製された一本鎖のターゲット核酸を供給し、配列の相補性による結合の有無を検出することで遺伝子発現や塩基配列の解析を行っている。
ここで、DNAチップ上のプローブ核酸断片とターゲット核酸断片とのハイブリダイゼーションを検出する方法として、二本鎖核酸断片に特異的に結合し、かつ電気化学的に活性な二本鎖核酸断片認識体を用いて検出する方法や、酸化還元酵素を標識することで電気化学的測定によりターゲット核酸を検出する方法がある。
このようなプローブ核酸を配列、固定する方法としては、あらかじめ調整されたプローブ核酸断片を電極の表面に結合固定する方法や、電極の表面で直接オリゴヌクレオチドを合成する方法が知られている。電極の表面で直接オリゴヌクレオチドを合成する方法としては、光照射で選択的に除去される保護基の使用と、半導体製造に利用されるフォトリソグラフィ技術及び固相合成技術とを組み合わせ、所定の微小なマトリックス領域でのオリゴヌクレオチドの選択的な合成を行う方法が代表的であるが、電気化学反応によりオリゴヌクレオチドを電極の表面で選択的に合成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このDNAチップは、シリコンウエハ上に、図4に示すように、プローブ核酸断片が結合固定された電極であって絶縁性の基材51表面の複数箇所に設けられた固定電極52と、各固定電極52とプローブ核酸断片を介して対向配置された対向電極53とを備えている。また、各固定電極52は、固定電極52から検出した電圧を増幅する、例えばCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)に接続されている。そして、固定電極52と対向電極53とを流れる信号電流や、固定電極52と対向電極53の間の電位差を測定する。
ここで、上述した酸化還元酵素を標識としてハイブリダイゼーションの検出を行うために、固定電極52と対向電極53との間には、用いる基質によって異なるが、50mV〜500mVの酸化還元電位が印加されている。なお、各固定電極52の間隔は例えば0.05mm〜0.5mmとなっており、固定電極52と対向電極53との距離は例えば0.5mm〜1.0mmとなっている。
特表2000−514802号公報
しかしながら、上記従来のハイブリダイゼーションの検出方法には、以下の課題が残されている。すなわち、検出速度を向上させるため、マイクロ反応チップのすべての固定電極に電圧を印加して同時に結合による電気信号を検出することがあるが、各固定電極でそれぞれ異なる電位を有していることがあり、各固定電極間で電流が流れることがある。そして、この電流が配列の相補性による結合の有無の電気信号に対するノイズとして働くので、検出精度が低下するという問題がある。ここで、この異なる電位の差は平均で20mV〜30mV、最大で50mVとなっており、固定電極と対向電極との間の電位差である50mV〜500mVと比較して無視できない程度の大きさとなっている。また、各固定電極間の距離が固定電極と対向電極との間の距離に対して数分の1と短いので、各固定電極間で流れる電流が大きくなる。これにより、固定電極間を流れる電流が、対向電極と固定電極との間を流れる電流の強度の半分程度となってしまう。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、各固定電極間を流れる電流によるノイズを低減し、精度のよい検出を行うことができるハイブリダイゼーションの検出方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明のハイブリダイゼーションの検出方法は、生体関連物質を捕捉するプローブが固定される固定面を有する固定電極が複数設けられたマイクロ反応チップに前記プローブを固定し、該プローブを介して前記固定電極と対向配置される対向電極に電圧を印加するハイブリダイゼーションの検出方法において、前記対向電極と前記複数の固定面との間の電位をそれぞれ測定し、該複数の固定面を所定の範囲の電位ごとに複数のグループに分ける組分工程と、前記複数の固定面に前記プローブを固定する固定工程と、前記固定面に固定された前記プローブと前記生体関連物質とをハイブリダイズさせるハイブリダイズ工程と、前記ハイブリダイズ工程の後、前記グループごとに分けて、該グループを構成する前記固定面と前記対向電極との間に電圧を印加して電気信号を検出する検出工程とを備えることを特徴とする。
この発明では、固定面の電位の測定に基づいて所定の電位の範囲ごとに固定面をグループ分けし、このグループごとに電圧を印加して電気信号の検出を行っている。すなわち、互いに隣接する2つの固定面の電位が大きく異なっていても、組分工程で異なるグループに分別されることで、検出工程においてこの2つの固定面の双方に同時に電圧が印加されない。これにより、電気信号の検出を行う一方の固定面に向けて検出を行わない他方の固定面から電流が流れ込まないので、一方の固定面で検出した電気信号に対するノイズを低減できる。したがって、精度のよい検出、解析を行うことができる。
また、本発明のハイブリダイゼーションの検出方法は、前記固定工程で、前記各グループを構成する前記固定面の少なくとも1つに、前記複数のグループで共通する参照用プローブを固定することが好ましい。
この発明では、各グループで参照用プローブがハイブリダイゼーションを行った際の電気信号を取得して比較することで、各グループで検出した参照用プローブ以外の他のプローブの電気信号を補正することができる。したがって、各グループ間における電気信号の検出結果のバラツキを抑制し、他のプローブにおける検出結果をより正確に解析することができる。
また、本発明のハイブリダイゼーションの検出方法は、前記検出工程で、前記複数のグループのうち1つのグループの検出時に前記対向電極に印加する電圧と、他のグループの検出時に前記対向電極に印加する電圧との差が、前記1つのグループでグループ分けする電位の中間値と前記他のグループでグループ分けする電位の中間値との差と等しいことが好ましい。
この発明では、組分工程における各グループに分別する際の電位の範囲に応じて、検出工程で各グループの検出時に対向電極に印加する電圧を変化させることで、各グループ間の固定面と対向電極との電位差のバラツキが小さくなる。これにより、各グループ間における電気信号の検出結果のバラツキを抑制して、より正確な検出を行うことができる。
また、本発明のハイブリダイゼーションの検出方法は、前記マイクロ反応チップが、前記固定面から離間して該固定面の外周を囲む包囲電極を有し、前記検出工程において、前記固定面と前記包囲電極とを同電位としてから前記電気信号を検出することが好ましい。
この発明では、互いに隣接する2つの固定面において電位差が生じていても、一方の固定面から他方の固定面に向けて流れる電流が一方の固定面と包囲電極との間で流れる。これにより、隣接する2つの固定面の間で電流が流れることを防止する。したがって、電気信号に対するノイズの低減が図れて電気信号の検出をより精度よく行うことができる。
本発明のハイブリダイゼーションの検出方法によれば、互いに隣接する2つの固定面における電位が大きく異なっていても、組分工程で異なるグループに分別することにより、検出工程でこの2つの固定面に同時に電圧が印加されないので、電気信号の検出を行う一方の固定面に他方の固定面から電流が流れ込まない。したがって、一方の固定面における電気信号に対するノイズの低減が図れ、より精度のよい検出を行うことができる。
以下、本発明にかかるハイブリダイゼーションの検出方法の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施形態によるハイブリダイゼーションの検出方法は、図1に示すように、DNAチップ(マイクロ反応チップ)1と、DNAチップ1の電気的な制御を行う制御装置2とを用いて行う。
DNAチップ1は、図2に示すように、CMOS部11と、CMOS部11の上面に形成されてプローブ核酸(プローブ、図示略)が固定される合成電極部12とを備えている。
CMOS部11は、合成電極部12に対して印加する電圧を制御するCMOS能動素子部15と、CMOS能動素子部15と外部とを接続する入出力電極16と、CMOS能動素子部15及び入出力電極16の外表面に形成されてCMOS能動素子部15を保護するCMOS保護層17とを備えている。
CMOS能動素子部15は、後述する固定電極部(固定電極)23及び包囲電極部(包囲電極)24に対してそれぞれ独立して電圧を印加すると共に、後述する各固定面23aで検出した電圧を増幅して後述する電位測定部31に出力するように構成されている。
入出力電極16は、例えばAl(アルミニウム)のような導電体によって形成されており、CMOS保護層17に形成された貫通孔であるコンタクトホール17aから外部に向けて露出している。
また、CMOS保護層17は、その膜厚が例えば2μmであって、例えばSiN(窒化珪素)/SiO(二酸化珪素)のような絶縁体によって形成されている。
合成電極部12は、入出力電極16と接続する接続電極部21と、接続電極部21を封止する第1絶縁層22と、第1絶縁層22上に形成されて接続電極部21と接続する固定電極部23及び包囲電極部24と、固定電極部23、包囲電極部24及び第1絶縁層22を覆う第2絶縁層25とを備えている。
接続電極部21は、例えばAlによって形成されており、コンタクトホール17aを充填すると共に、一部がコンタクトホール17aの近傍におけるCMOS保護層17の上面に積層されている。この接続電極部21は、コンタクトホール17aを充填するように、例えば3μm形成した後、CMOS保護層17の上面からの突出量が0.5μm以下となるように平坦化されている。
第1絶縁層22は、例えばSiNやSiOのような絶縁体によって構成されており、接続電極部21を充填するように形成されている。この第1絶縁層22は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法などを用いてCMOS保護層17または接続電極部21の上面に、例えば厚さが0.5μmとなるように平坦化して形成されている。
また、第1絶縁層22には、平面視でCMOS保護層17に形成されたコンタクトホール17aと一致しない位置に、接続電極部21に至る貫通孔であるコンタクトホール22aが設けられている。このコンタクトホール22aは、所定の開口形状を有するマスクパターンを用いたドライエッチングなどによって形成されている。
固定電極部23は、例えばPt(白金)によって構成されており、平面視でほぼ円形状を有している。そして、固定電極部23の一部が、コンタクトホール22a内に形成されることで、接続電極部21に接続されている。この固定電極部23は、所定の開口形状を有するマスクパターンを用いたスパッタリング法によって、第1絶縁層22上に厚さが例えば0.2μm〜0.3μmとなるように形成されている。
また、固定電極部23には、第2絶縁層25に形成された貫通孔25aによって外部に露出されてプローブ核酸が固定される固定面23aが形成されている。この固定面23aは、平面視においてほぼ円形となっており、その直径が例えば10μm〜100μmとなっている。なお、固定電極部23は第1絶縁層22上の2方向で等間隔となるように複数設けられており、固定面23aが複数形成されることでマイクロアレイ化されている。
包囲電極部24は、固定電極部23と同様に、例えばPtによって形成されており、平面視でほぼ円環形状を有しており、複数形成された固定電極部23のそれぞれの周囲を囲むように形成されている。
また、包囲電極部24には、第2絶縁層25に形成された貫通孔25bによって外部に露出された露出面24aが形成されている。この露出面24aは、平面視において固定面23aと同心円の環状となっており、固定面23aの周縁から例えば15μm〜50μm程度離間した位置で固定面23aの周囲を囲むように形成されている。なお、包囲電極部24の電位は、包囲電極部24を介して隣接配置された2つの固定電極部23の電位の間の任意の値となるようにCMOS能動素子部15によって制御される。ここで、包囲電極部24の電位は、固定面23aとほぼ同電位であることが好ましい。
第2絶縁層25は、例えばSiNで形成されており、平面視において固定電極部23と重なると共にコンタクトホール22aと一致しない位置に、円状の貫通孔25aが形成されている。また、第2絶縁層25は、平面視において包囲電極部24と重なると共にコンタクトホール22aと一致しない位置に、環状の貫通孔25bが形成されている。この貫通孔25bによって、露出面24aが固定面23aの周囲を囲むように形成されている。
また、第2絶縁層25は、プラズマCVD法を用いて固定電極部23または第1絶縁層22上に厚さが例えば0.7μm〜0.9μmとなるように形成されている。そして、貫通孔25a、25bは、所定の開口形状を有するマスクパターンを用いたドライエッチングなどによって形成されている。
制御装置2は、CMOS能動素子部15に接続されてDNAチップ1の複数の固定面23aの電位を測定する電位測定部31と、複数の固定面23aをグループ分けする組分判断部32と、固定面23aと対向配置される対向電極33と、対向電極33と固定面23aとの間に電圧を印加する電圧印加部34と、固定面23aに接続されたCMOS能動素子部15から出力された電気信号を検出する信号検出部35と、記録部36と、出力部37とを備えている。
電位測定部31は、固定面23aの電位を測定し、この結果を記録部36に出力するように構成されている。
組分判断部32は、各固定面23aの電位の測定結果から、例えば10mVずつの範囲で複数の固定面23aのグループ分けを行い、その結果を記録部36に出力するように構成されている。
対向電極33は、複数の固定面23aとそれぞれプローブを介して対向配置されている。ハイブリダイゼーションの検出時には、プローブ核酸のハイブリダイゼーションにおける酵素反応で電流を取り出すために、対向電極33と固定面23aとの間に酸化還元電位を与えている。なお、用いる基質によって、酸化還元電位が50mV〜500mVとなっている。
電圧印加部34は、グループ分けした固定面23aのグループごとにグループを構成する固定面23aと対向電極33との間に電圧を印加するように構成されている。
信号検出部35は、固定面23aと対向電極33との間に電圧が印加されたときに固定面で検出される電気信号を検出し、その結果を記録部36に出力するように構成されている。
記録部36は、メモリなどによって構成されており、モニタやハードディスクなどで構成された出力部37に信号検出部35で検出した電気信号の強度を表示または出力させる。
プローブ核酸は、表面で生体関連物質であるターゲット核酸を捕捉する核酸であって、固定面23aに電気化学的な合成によって結合固定されている。ここで、1つの固定面23aには同一種のプローブ核酸が結合固定されており、複数の固定面23aのそれぞれで多種のプローブ核酸が結合固定されている。なお、本明細書において、「核酸」とは、一般的な塩基配列により表されるDNA、RNA(リボ核酸)及び核酸類似物質などを総括して示しており、このような核酸は天然に存在するものであっても、人工的に合成または修飾されたものであってもよい。
以上のような構成のDNAチップ1を用いたハイブリダイゼーションの検出方法について説明する。なお、本実施形態において、DNAチップ1は、11行×30列の固定面23aを有している。
本実施形態におけるハイブリダイゼーションの検出方法は、組分工程と、固定工程と、検出工程とで構成されている。
最初に、組分工程を行う。これは、電位測定部31がDNAチップ1の一点を基準として複数の固定面23aの電位を測定し、測定結果を記録部36に出力する。この結果、例えば、図3に示すように、各固定面23aの電位が得られる。そして、組分判断部32が記録部36に記録された各固定面23aの電位の測定結果から固定面23aのグループ分けを行う。これは、例えば固定面23aの電位が−4mV以上6mV未満であるグループA、6mV以上16mV未満であるグループB、16mV以上26mV未満であるグループC、26mV以上36mV未満であるグループDの4グループに分ける。ここで、各グループA〜Dの分布は、図3に示すようになる。
次に、固定工程を行う。これは、各固定面23aにプローブ核酸を電気化学的に合成して固定する。ここで、各グループを構成する固定面23aの少なくとも1つずつに共通のプローブ核酸を参照用プローブ核酸として固定する。このとき、各グループに共通する参照用プローブを固定する個数は、所望する検出精度によって適宜設定するが、各グループで3箇所以上の固定面23aに参照用プローブを固定することが好ましい。
そして、検出工程を行う。これは、電気化学的検出方法を用いて固定電極部23と対向電極33との間の電流値や電圧値などの電気信号の検出を行う。まず、DNAチップ1に別途調製したターゲット核酸を供給し、グループAを構成する固定面23aと対向電極33との間に酸化還元電位として、例えば100mVの電圧を印加する。このとき、固定したプローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションが起こると、固定面23aに電気信号が流れる。そして、信号検出部35は、この電気信号を検出し、記録部36に出力する。ここで、包囲電極部24の電位が、固定電極部23の電位とほぼ同電位となるように制御されている。
続いて、グループBを構成する固定面23aと対向電極33との間に電圧を印加して、ハイブリダイゼーションが発生した際の電気信号を信号検出部35で検出する。ここで、対向電極33に印加する電圧は、グループAを構成する固定面23aと対向電極33との間に印加した電圧よりも10mV高くしている。これは、組分工程においてグループBにグループ分けする固定面23aの電位の範囲の中間値がグループAの場合と比較して10mV高いためである。
その後、グループBと同様に、グループC、Dのそれぞれを構成する固定面23aにおける電気信号を検出する。ここで、上述と同様に、グループCを構成する固定面23aにおける電気信号の検出時には対向電極33に印加する電圧をグループBの場合よりも10mV高くし、グループDを構成する固定面23aにおける電気信号の検出時には対向電極33に印加する電圧をグループCの場合よりも10mV高くする。
そして、供給したターゲット核酸と、取得した電気信号から、固定面23aに固定されているプローブ核酸の遺伝子発現や塩基配列を解析する。この際、各グループA〜Dを構成する固定面23aに固定された参照用プローブのハイブリダイゼーションによる電気信号の検出結果を基に、各固定面23aで検出された電気信号を補正する。これは、基準グループであるグループAにおける参照用プローブの電気信号の検出結果と他のグループにおける参照用プローブの電気信号の検出結果とを比較し、その差を補正値とする。そして、各グループで検出された電気信号を補正値に基づいて補正する。
以上のように、本実施形態のハイブリダイゼーションの検出方法によれば、互いに隣接する2つの固定面23aの電位差が大きい場合には、組分工程で2つの固定面23aが異なるグループに区分されるので、検出工程でこの2つの固定面23aに対して同時に電圧が印加されることを回避する。これにより、電気信号の検出を行う一方の固定面23aに他方の固定面23aから電流が流れ込まない。したがって、検出を行う一方の固定面23aにおける電気信号に対するノイズの低減が図れ、精度のよい検出を行うことができる。
ここで、各グループA〜Dに共通の参照用プローブを固定しており、この参照用プローブがハイブリダイゼーションを行った際に取得した電気信号を各グループで比較することで、比較した値を基に各グループで検出した他のプローブ核酸の電気信号を補正することができる。また、検出工程で各グループA〜Dの検出時に対向電極に印加する電圧を、組分工程において各グループに分別する際の電位の範囲に応じて変化させることで、各グループ間の固定面23aと対向電極33との電位差のバラツキが小さくなる。さらに、包囲電極部24を設けることで、一方の固定面23aから他方の固定面23aに向けて流れる電流が一方の包囲電極部24と他方の包囲電極部24との間で流れ、隣接する2つの固定面23a間で電流が流れることを防止する。以上より、各グループA〜Dにおける電気信号の検出結果のバラツキを抑制し、各グループA〜Dを構成する固定面23aにそれぞれ固定された他のプローブ核酸における検出結果をより正確に解析することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、組分工程において、固定面23aの電位が10mV高くなるごとに複数の固定面23aをグループ分けして4つのグループA〜Dを形成しているが、グループ分けする電位の範囲は適宜変更してもよい。ここで、同一グループ内で隣接する2つの固定面23aの間の電位差を小さくして両固定面23a間で流れる電流によるノイズの影響を小さくするために、各グループの電位の範囲を固定面23aと対向電極33との間に印加する電圧値の10%より小さいことが好ましい。
また、組分工程において、複数の固定面23aのうち一部の電位が検出工程において固定面23aと対向電極33との間に印加する電圧の、例えば30%以上である場合には、当該固定面23aをハイブリダイゼーションの検出対象から除外して他の固定面23aを使用して検出を行ってもよい。
また、固定工程において、各グループA〜Dに共通する参照用プローブを固定しているが、参照用プローブを固定しなくてもよい。
また、検出工程において、グループBの検出時に対向電極33に印加する電圧をグループAの検出時と比較して10mV高くし、グループC、Dの検出時でも同様に対向電極33に印加する電圧を高くしているが、グループA〜Dで同一の電圧を対向電極33に印加するようにしてもよい。
また、プローブ核酸の一端が直接固定面23a上に固定されているが、リンカーを介して固定されてもよく、ポリマー網を介して固定されてもよい。ここで、リンカーとしては、例えばアリールアセチレンや2〜10モノマー単位を有するエチレングリコールオリゴマー、ジアミン、ジアシッド、アミノ酸またはこれらの組み合わせたものが挙げられる。
また、プローブ核酸が捕捉する生体関連物質としてターゲット核酸を適用しているが、タンパクなど、他の生体関連物質を捕捉するようにしてもよい。さらに、プローブとしてタンパクなど他の生体関連物質を適用してもよい。
また、固定面23aが平面視で円形を有しているが、矩形など他の形状であってもよい。
また、露出面24aが固定面23aの周縁から等間隔で離間した位置に形成されているが、設計に応じて適宜変更してもよい。
また、各包囲電極部24が電気的に接続され、同電位となるように構成してもよい。
また、1つの固定電極部23に対して1箇所に固定面23aが形成されているが、複数の固定面23aが形成された構成としてもよい。
また、固定電極部23や包囲電極部24がコンタクトホール22aにおいて接続電極部21と接続されているが、固定電極部23や包囲電極部24を接続電極部21上に直接スパッタリング法などによって形成した構成としてもよい。
また、包囲電極24を設けない構成としてもよい。
また、CMOS部11によって各固定電極部23に対して印加する電圧の制御などを行っているが、CMOSに限らず、他の半導体装置によって各固定電極部23の電圧制御や電位測定部31への出力などを行ってもよい。
この発明によれば、ハイブリダイゼーションの検出方法に関して、各固定電極間を流れる電流によるノイズを低減し、精度のよい検出を行うことができ、産業上の利用可能性が認められる。
本発明の一実施形態における検出装置を示すブロック図である。 図1のDNAチップを示すもので、(a)は部分平面図、(b)は(a)のX−X断面図である。 組分工程における各固定面の電位分布及びグループの分布を示す図である。 従来のマイクロ反応チップを示すもので、(a)は概略平面図、(b)は概略断面図である。
符号の説明
1 DNAチップ(マイクロ反応チップ)
23 固定電極部(固定電極)
23a 固定面
24 包囲電極部(包囲電極)
33 対向電極

Claims (4)

  1. 生体関連物質を捕捉するプローブが固定される固定面を有する固定電極が複数設けられたマイクロ反応チップに前記プローブを固定し、該プローブを介して前記固定電極と対向配置される対向電極に電圧を印加するハイブリダイゼーションの検出方法において、
    前記対向電極と前記複数の固定面との間の電位をそれぞれ測定し、該複数の固定面を所定の範囲の電位ごとに複数のグループに分ける組分工程と、
    前記複数の固定面に前記プローブを固定する固定工程と、
    前記固定面に固定された前記プローブと前記生体関連物質とをハイブリダイズさせるハイブリダイズ工程と、
    前記ハイブリダイズ工程の後、前記グループごとに分けて、該グループを構成する前記固定面と前記対向電極との間に電圧を印加して電気信号を検出する検出工程とを備えることを特徴とするハイブリダイゼーションの検出方法。
  2. 前記固定工程で、前記各グループを構成する前記固定面の少なくとも1つずつに、前記複数のグループで共通する参照用プローブを固定することを特徴とする請求項1に記載のハイブリダイゼーションの検出方法。
  3. 前記検出工程で、前記複数のグループのうち1つのグループの検出時に前記対向電極に印加する電圧と、他のグループの検出時に前記対向電極に印加する電圧との差が、前記1つのグループでグループ分けする電位の中間値と前記他のグループでグループ分けする電位の中間値との差と等しいことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリダイゼーションの検出方法。
  4. 前記マイクロ反応チップが、前記固定面から離間して該固定面の外周を囲む包囲電極を有し、
    前記検出工程において、前記固定面と前記包囲電極とを同電位としてから前記電気信号を検出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のハイブリダイゼーションの検出方法。
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