JP4328167B2 - 突起する対向電極を利用する物質間の相互作用検出部と該検出部が設けられたバイオアッセイ用基板 - Google Patents

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Description

本発明は、物質間の相互作用の場を提供する反応領域に対向電極を配置して所定の電界を印加することによって、前記物質の高次構造調整、移動、固定化、不要物質の除去等を行うための技術に関する。
本発明に関する主たる背景技術を説明する。まず、第一の背景技術(従来技術)は、マイクロアレイ技術によって所定のDNAが微細配列された、いわゆるDNAチップ又はDNAマイクロアレイ(以下、「DNAチップ」と総称。)と呼ばれるバイオアッセイ用の集積基板に関する技術である(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
このDNAチップ技術は、ガラス基板やシリコン基板上に多種・多数のDNAオリゴ鎖やcDNA(complementary DNA)等が集積されていることから、ハイブリダイゼーション等の分子間相互反応の網羅的解析が可能となる点が特徴とされている。このためDNAチップは、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析等に利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。DNAチップ以外にも、基板上にタンパク質を固定したプロテインチップや種々の物質間の相互作用を解析するためのバイオセンサーチップなども開発されている。
第二の背景技術は、液相中において荷電して存在する物質に対する電界の作用に係わる技術である。具体的には、ヌクレオチド鎖(核酸分子)は、液相中において電界の作用を受けると伸長又は移動することが知られており、その原理は、ヌクレオチド鎖の骨格をなすリン酸イオン(陰電荷)とその周辺にある水がイオン化した水素原子(陽電荷)とによってイオン曇を作っていると考えられ、これらの陰電荷及び陽電荷により生じる分極ベクトル(双極子)が、高周波高電圧の印加により全体として一方向を向き、その結果としてヌクレオチド鎖が伸長し、加えて、電気力線が一部に集中する不均一電界が印加された場合、ヌクレオチド鎖は電気力線が集中する部位に向かって移動する(非特許文献1参照)。また、数十から数百μmのギャップを持つ微細電極中にDNA溶液をおき、ここに1MV/m、1MHz程度の高周波電界を印加すると、ランダムコイル状で存在するDNAに誘電分極が生じ、その結果、DNA分子は電界と平行に直線状に引き伸ばされる。そして、この「誘電泳動」と呼ばれる電気力学的効果によって、分極したDNAは自発的に電極端へと引き寄せられ、電極エッジにその一端を接した形で固定されることが知られている(非特許文献2参照)。
特開平4−505763号公報。 特表平10−503841号公報。 Seiichi Suzuki,Takeshi Yamanashi,Shin-ichi Tazawa,Osamu Kurosawa and Masao Washizu:"Quantitative analysis on electrostatic orientation of DNA in stationary AC electric field using fluorescence anisotropy",IEEE Transaction on Industrial Applications,Vol.34,No.1,P75-83(1998)。 鷲津正夫、「見ながら行うDNAハンドリング」、可視化情報 Vol.20 No.76(2000年1月)。
上記したDNAチップ技術は、媒質中での物質間の相互作用の場を提供する反応領域を基板に予め設定しておき、この反応領域中にプローブDNA等の検出用ヌクレオチド鎖を固定しておくことによって、この検出用ヌクレオチド鎖と相補的な標的ヌクレオチド鎖との間の相互作用であるハイブリダイゼーションを解析する技術である。
しかし、(1)固定化された検出用ヌクレオチド鎖がブラウン運動の作用でランダムコイル状に絡まったり、丸まったりした高次構造となっている、(2)固定化された検出用ヌクレオチド鎖と周辺表面との干渉(例えば、付着や接触)が起こる、(3)固定化された表面での検出用ヌクレオチド鎖の集積密度に偏りがある、(4)固定化された検出用ヌクレオチド鎖の近傍に相補的ではないヌクレオチド鎖や余剰のインターカーレータなどが存在する、などの問題があった。
従来は、これらの問題を解決できなかったので、ハイブリダイゼーションの際に、前記高次構造や相補的ではないヌクレオチド鎖による立体障害が発生するので、ハイブリダイゼーションの効率が悪く、反応にも長時間を要するという技術的課題や擬陽性や偽陰性の発生するため検出精度が低くなるなどの技術的課題を抱えていた。
そこで、本発明は、物質の高次構造調整、移動、固定化、不要物質の除去等を自在に行うことができる検出部、該検出部が設けられたバイオアッセイ用基板を提供することを目的とする。
本発明では、物質間のハイブリダイゼーション等の相互作用の場を提供する反応領域と、該反応領域中に収容された媒質(例えば、水溶液、ゲル)に対して電界印加可能に対向配置された対向電極と、を備え、前記対向電極を構成する各電極が前記反応領域に向けて突起した形態を有し、前記電極表面が絶縁層で覆われている物質間の相互作用検出部と該検出部が設けられたDNAチップ等のバイオアッセイ用基板を提供する。本発明において、前記形態を備える対向電極は少なくとも一対必要であって、該対向電極を所定間隔で並設した構成も好適に採用できる。
このような構成の対向電極に対して交流電界、より詳しくは高周波高電圧の交流電界を印加することによって、電極先端部位に電気力線が集中して不均一電界が形成され易なる。不均一電界は、誘電泳動の作用でヌクレオチド鎖を電界に沿って伸長させながら移動させ、電極先端部位に引き付けることができる。伸長状態のヌクレオド鎖は塩基配列が露出している結果、立体障害が少ない条件下でハイブリダイゼーションを進行させることができる。
電気力線が集中する電極の先端部位は、DNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖の固定部位として機能させるのに適しているので、予め、該電極の表面を、例えば、アビジン−ビオチン結合又はジスルフィド結合(−S−S−結合)を介した結合などの所望する固定化反応に適する所定の表面処理を施しておくようにする構成も採用できる。
また、突起形態を備える電極先端部位に固定された物質は、周辺表面領域との干渉も起こり難く、反応領域に突起する対向電極を、所定間隔で並設させたような構成では、反応領域にDNAプローブ等の検出用ヌクレオチド鎖を整列固定したり、集積密度をコントロールしたりすることが可能となるので、ハイブリダイゼーション等の相互作用の効率を高めることができる。
ここで、本発明で使用する主たる技術用語の定義付けを行う。まず、本発明において用いられる「相互作用」は、物質間の非共有結合、共有結合、水素結合を含む化学的結合あるいは解離を広く意味し、例えば、核酸(ヌクレオチド鎖)間の相補結合であるハイブリダイゼーションを含む。
次に、「対向電極」は、電極が向かい合った状態で配置される少なくとも一対の電極を意味する。
「ヌクレオチド鎖」とは、プリンまたはピリミジン塩基と糖がグリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステルの重合体を意味し、プローブDNAを含むオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチオドが重合したDNA(全長あるいはその断片)、逆転写により得られるcDNA(cプローブDNA)、RNA、ポリアミドヌクレオチド誘導体(PNA)等を広く含む。
「ハイブリダイゼーション」は、相補的な塩基配列構造を備えるヌクレオチド鎖間の相補鎖(二本鎖)形成反応を意味する。「ミスハイブリダイゼーション」は、正規ではない前記相補鎖形成反応を意味し、本発明では、しばしば「ミスハイブリ」と略称する。
「反応領域」は、ハイブリダイゼーションその他の相互作用の反応場を提供できる領域であり、例えば、液相やゲルなどの媒質を貯留又は保持できるウエル形状を有する反応場を挙げることができる。この反応領域で行われる相互作用は、本発明の目的や効果に沿う限りにおいて、狭く限定されない。一例を挙げれば、一本鎖核酸間の相互反応、即ちハイブリダイゼーションに加え、検出用核酸から所望の二本鎖核酸を形成し、該二本鎖核酸とペプチド(又はタンパク質)の相互反応、酵素応答反応その他の分子間相互反応も行わせることも可能である。例えば、前記二本鎖核酸を用いる場合は、転写因子であるホルモンレセプター等のレセプター分子と応答配列DNA部分の結合等を分析することができる。
「検出用物質」とは、前記反応領域中に予め添加等されて、該反応領域中に遊離して存在する物質、あるいは該反応領域の所定表面部位に固定化されて存在する物質であって、当該物質と特異的な相互作用を示す物質を捕捉して検出するための物質であり、DNAプローブ等の検出用のヌクレオチド鎖を含む。
「標的物質」とは、前記検出用物質との間での相互作用の標的とされる物質を意味し、例えば、DNAプローブと相補的な塩基配列を有するヌクレオチド鎖を含む。
「立体障害(steric hindrance)」は、分子内の反応中心等の近傍に嵩高い置換基の存在や反応分子の姿勢や立体構造(高次構造)によって、媒質手の分子の接近が困難になることによって、所望の反応(本願では、ハイブリダイゼーション)が起こりにくくなる現象を意味する。
「誘電泳動」は、電界が一様でない場において、分子が電界の強い方へ駆動する現象であり、交流電圧をかけた場合も、かけた電圧の極性の反転につれて分極の極性も反転するので、直流の場合と同様に駆動効果が得られる(監修・林 輝、「マイクロマシンと材料技術(シーエムシー発行)」、P37〜P46・第5章・細胞およびDNAのマニピュレーション参照)。
「バイオアッセイ用基板」は、生物化学的、あるいは分子生物的な分析や解析を目的に使用される情報集積基板を意味し、いわゆるDNAチップを含む。
本発明によれば、電界印加の作用によって、DNAプローブなどの検出用ヌクレオチド鎖や標的ヌクレオチド鎖の高次構造をランダムコイル状から伸長状態に調製できるため、ハイブリダイゼーション等の相互作用の際の立体障害を回避できる。電界の作用により、電極表面に検出用物質を整列固定させることができ、また、同表面における検出用物質や標的物質の濃度を高めることができる。これらの効果により、相互作用の効率と精度が高まるので、作業時間を短縮することができ、かつ偽陽性や偽陰性の発生が抑制されるので検出精度を向上させることができる。
以下、本発明を実施するための好適な形態について、添付図面を参照しながら説明する。まず、図1は、本発明に係る物質間の相互作用検出部(以下、「検出部」と略称。)の基本構成の概念を簡略に示す上方視平面図である。
図1中の符号1aは、本発明に係る検出部の最も基本的な実施形態の要部を示している。この検出部1aは、例えば、ガラスや合成樹脂等で形成される基板(図3等の符号3参照)に形成されており、物質間の相互作用を検出するために工夫された部位である。
この検出部1aや後述する他の検出部1b(図2)、1c(図5)、1d(図8)には、まず、物質間の相互作用の場となる水溶液やゲルなどの媒質を貯留又は保持できる所定容積の反応領域2と、この反応領域2を挟むように対向配置された一対の対向電極E,Eと、が設けられている。
この対向電極E,Eは、金やアルミニウムなどの金属、金属以外の導電体などで形成でき、例えば、ITO(インジウム−スズ−オキサイド)のような透明な導電体で形成することもできる。なお、対向電極E,Eは、図示された電源Vに対し、スイッチSをオンにすることにより接続される。
前記対向電極E,Eは、それぞれ反応領域2に向けて突起した形状に形成されており、互いに向き合う針状又は棒状の如き突起電極部e1,e2を備えている。
また、この対向電極E,Eの反応領域2を臨む側の各表面は、それぞれ図示しない絶縁層で覆われている。この絶縁層は、反応領域2中に貯留される場合があるイオン溶液による電気化学的な反応を防止する役割を果たす。なお、この絶縁層は、SiO、SiN、SiOC、SiOF、SiC、TiOなど材料によって形成できる。
図2は、本発明に係る検出部の変形形態の構成を簡略に示す上方視平面図である。この変形形態である検出部1bは、上記した対向電極E,Eがそれぞれ所定の等間隔を置いて並設された構成と言える対向電極E11,E21を備えている。したがって、検出部1bの反応領域2には、複数対(図面では6対)の突起電極部e1,e2が対向配置された構成となっている。
なお、特に図示はしないが、電極E11を構成する突起電極部e1と電極E11,を構成する突起電極部e2の配置間隔は、必ずしも等間隔である必要はなく、配置間隔は適宜選択することが可能である。また、一方の突起電極部の本数を他方側の突起電極部の本数よりも多くするような実施形態や一方の突起電極部の単位長さあたりの本数密度を他方側の突起電極部の本数密度よりも高くした実施形態なども採用可能である。本数密度の高い突起電極部側に電気力線はより集中すると考えられる。
続いて、図3は、図2中に示すI−I線矢視断面図である。この図3に示すように、対向電極E11,E21は、ガラスや合成樹脂等で形成された基板3上に密着状態で設けられている。この対向電極E11,E21の上には、SiO等のような無機物や図示されたようなポリイミド樹脂等の合成樹脂層4が形成されている。
反応領域2は、この図3に示すように、上方に開口する凹部として観察できる。この反応領域2には、簡略に図示した上方のノズルN等からDNAプローブ等の検出用物質Dやこれと相互作用を示す標的物質Tを含む水溶液等が滴下される。
図4は、図3中に示すII−II線位置から矢視した対向電極E11,E21の平面図である。突起電極部e1,e2の幅(あるいは厚み)Wは、例えば0.5μm程度に設計し、突起電極部e1とe1(あるいはe2とe2)の間の距離Wは、例えば、1〜10μm程度に設計することができる。なお、WやWに加えて、突起電極部e1,e2の長さW、反応領域2の深さW(図3参照)は、取り扱う検出用物質Dや標的物質Tの分子長に応じて適宜決定することができる。
図5は、さらに変形形態である検出部1cの対向電極E12,E22の形態構成を示す平面図である。この対向電極E12,E22は、三角形に尖った突起電極部e11,e22を有している。このように、本発明に係る突起電極部は、後述する電気力線が集中し易いエッジ形状を備える形態であれば適宜採用できる。
以下、図6、図7を参照しながら、本発明に係る検出部を用いた相互作用検出に係わる工程例を、図1に示す検出部1aの電極Eでの作用を代表例として採用して説明する。なお、この工程例での相互作用はハイブリダイゼーションを採り上げているが、これに限定するものではない。
まず、反応領域2に対して、検出用物質Dの代表例であるDNAプローブDを含む水溶液をノズルN(図3参照)から所定量滴下する。次に、スイッチSをオンとして、電源Vから交流電界を印加する。このときの印加電界の好適な条件として、例えば、約1×10V/m、約1MHzを好適に選択できる(Masao Washizu and Osamu Kurosawa:”Electrostatic Manipulation of DNA in Microfabricated Structures”,IEEE Transaction on Industrial Application Vol.26,No.26,p.1165-1172(1990)参照)。なお、滴下されたときのDNAプローブDは、ブラウン運動の作用を受けて、ランダムコイル状の高次構造をなしている。
電界印加によって、図6中に符号Dで示された遊離状態のDNAプローブDは、交流電界に沿って伸長されながら突起電極部位e1に向けて誘電泳動によって移動し、最終的には、電気力線Pが集中する突起電極部位e1にその末端部位が固定化される。なお、図6中の符号Dは、固定化されたDNAプローブを示している。
なお、突起電極部位e1の表面を、ストレプトアビジンによって表面処理した場合には、ビオチン化されたDNAプローブの末端の固定に適している。あるいは、突起電極部位e1の表面を、チオール(SH)基によって表面処理した場合には、チオール基が末端に修飾されたDNAプローブをジスルフィド結合(−S−S−結合)により固定することに適している。
前記方法で、DNAプローブDを固定化した終了後、所定のバッファー溶液(例えば、Phosphate buffered saline)で洗浄され、余剰なDNAプローブや非特異的に突起電極部位e1の表面に吸着したDNAプローブを反応領域2中から除去することができる。
続いて、図3に示された標的物質Tの代表例である標的DNAを含む溶液を反応領域2に滴下し、その後、図1等に示されたスイッチSをオンにし、交流電界を印加する。このときの電界条件も、上記同様に、例えば、約1×10V/m、約1MHzを好適に選択できる(Masao Washizu and Osamu Kurosawa:”Electrostatic Manipulation of DNA in Microfabricated Structures”,IEEE Transaction on Industrial Application Vol.26,No.26,p.1165-1172(1990)参照)。
図7中に符号Tで示された標的DNAも、電界が印加されると、交流電界に沿って伸長されながら突起電極部位e1に向けて誘電泳動によって移動し、最終的には、電気力線Pが集中する突起電極部位e1周辺まで移動する。なお、標的DNAを含む溶液を反応領域2に滴下する際に、二重鎖部分に選択的に挿入結合するインターカーレータを同時に滴下しておくこともできる。
次に、スイッチSをオフにし(図1参照)、交流電界の印加を停止し、自然なブラウン運動の下でハイブリダイゼーションを進行させる。図7は、固定化されたDNAプローブDと符号Tで示した伸長状態の標的DNAとの間で、ハイブリダイゼーションが進行した状態を模式的に示している。なお、前記したインターカーレータは、ハイブリダイゼーション後に反応領域2に滴下してもよい。
一般に、符号T(T)示す標的DNAは、DNAプローブDより長いために、狭小な反応領域2において標的DNA同士が干渉して、ハイブリダイゼーションの弊害となる立体障害を起こしたり、固定化表面近傍の反応領域2の壁面と付着等したりする。このため、ハイブリダイゼーションの進行の妨げとなることが多い。
しかし、本発明では、不均一電界を形成する突起電極部位e1やe2などは、その周囲の壁面から遠い位置に電極エッジが存在している構成であり、かつ各突起電極部位間も離れた形態を採用できる(図4、図5参照)。このため、ハイブリダイゼーションのための充分な空間が確保されているので、立体障害が発生し難い。
なお、図8に示す変形実施形態に示すように、対向電極E11-E21と、垂直あるいは水平に交差(図示)する対向軸を備えるもう一対の対向電極E21−E22を配置しておくこともできる。ハイブリダイゼーション後に、図8に示されたスイッチSをオンして、対向電極E21−E22に対して、電源Vにより交流電界を印加し、ミスハイブリダイゼーションしたDNA(符号Mで示す。)や余剰なインターカーレータCを対向電極E21あるいはE22引き寄せて、検出部位から除去することができる。
次に、図9〜図12に基づいて、本発明に係る検出部の製造方法の一例を説明する。検出部は符号1bで示した実施形態を代表例として説明する。基板3がガラス製である場合を例に挙げると、このガラス基板3上に、金によって、所定パターンの電極層E,Eを形成する(図9参照)。このとき、ガラス基板3と金製の電極層E,Eとの間の密着性を確保するために、両者の間にCrやTi等によって形成される層(図示せず。)を設けおくのが望ましい。
次に、図10に示すように、例えば、感光性の樹脂層(例、ポリイミド樹脂)4を電極層E,Eの上に積層し、反応領域2に求められる深さを確保する。これに続いて、図11に示すように、前記樹脂層4と電極層E,Eをマスキングし、基板3をRIEのようなドライエッチング技術によってエッチングする。
その後、HF溶液等を用いて、突起電極部位の下側をウエットエッチングして、突起電極部位E11、E12を形成する。なお、金はHF溶液によりダメージを受けないため、最終的には、図12に示すような突起電極構造を形成することができる。
なお、ガラス製の基板3のエッチングは、上記したようなドライエッチング技術によることなく、HF溶液を用いたソフトエッチングにより一度に行うことも可能である。しかし、本発明に係る検出部の作製においては、電極形状の制御性をよりよくするために、ドライエッチングとソフトエッチングを併用することが望ましい。また、このようにして形成された突起電極部位を絶縁層で覆う場合には、例えば、CVDによりSiO等を成膜することが望ましい。
以上説明した符号1a〜1dなどの検出部を基板上に所定の配列で配設しておくことによって、短時間でハイブリダイゼーション等の相互作用を進行させることができ、かつ網羅的解析が可能なDNAチップ等のバイオアッセイ用基板を提供できる。
図13は、前記バイオアッセイ用基板の一例を示す図である。この図13に示すように、例えば、円盤状をなす基板5に多数の検出部1aなどをグループ分け可能に配設していくことができる。
なお、基板5上に設けられたいずれかの検出部1a等において進行した相互作用の検出は、電極表面に固定された検出用物質Dに予め標識されている蛍光物質や相互作用を示した物質(二本鎖核酸)に挿入結合する蛍光インターカーレータ等に対して、所定波長の蛍光励起光を照射し、これを検出する公知の光学的検出手段によって、実施することができる。あるいは、検出部1a等の発光画像を撮影し、その画像から得られる光量を定量的に解析し検出するようにしてもよい。
本発明は、該検出部におけるハイブリダイゼーション等の相互作用の効率が良いので、該相互作用の時間も大幅に短縮することができる。また、精度の高い相互作用が進行し易い環境を形成できるので、擬陽性や偽陰性の発生を少なく抑えることができる。このため、相互作用検出のためのアッセイ作業の効率に優れ、かつ検出精度が高いという特性を備えたDNAチップ等のバイオアッセイ用基板に利用することができる。
本発明に係る物質間の相互作用検出部(1a)の基本構成の概念を簡略に示す上方視平面図である。 本発明に係る検出部の変形形態(1b)の構成を簡略に示す上方視平面図である。 図2中に示すI−I線矢視断面図である。 図3中に示すII−II線位置から矢視した対向電極(E11,E21)の平面図である。 変形形態である検出部1cの対向電極E12,E22の形態構成を示す平面図である。 本発明に係る検出部を用いた相互作用検出に係わる工程例を説明するための図(DNAプローブの固定化工程の様子を示す図)である。 本発明に係る検出部を用いた相互作用検出に係わる工程例を説明するための図(標的DNAの伸長及び引き寄せ工程の様子を示す図)である。 交差電極(E21、E22)が設けられた検出部(1d)の構成を示す図である。 本発明に係る検出部の製造方法の一例を説明するための図である(電極層Eの積層段階)。 本発明に係る検出部の製造方法の一例を説明するための図である(樹脂層4の積層段階)。 本発明に係る検出部の製造方法の一例を説明するための図である(ドライエッチング段階)。 本発明に係る検出部の製造方法の一例を説明するための図である(ソフトエッチング段階)。 本発明に係る検出部(1a〜1d)が配設された円盤上の基板(5)の例を示す図である。
符号の説明
1a〜1d 物質間の相互作用検出部(略称、検出部)
2 反応領域
3 基板
4 樹脂層
5 バイオアッセイ用基板
D 検出用物質(例、DNAプローブ)
,E、E11,E12 対向電極
e1,e2、e11,e12 突起電極部位
T 標的物質(例、標的DNA)

Claims (7)

  1. 物質間の相互作用の場を提供する反応領域と、
    該反応領域中に収容された媒質に対して電界印加可能に対向配置された対向電極と、
    を備え、
    前記対向電極を構成する各電極が前記反応領域に向けて突起した形態を有し、
    前記電極表面が絶縁層で覆われている物質間の相互作用検出部。
  2. 前記対向電極が所定間隔で並設された請求項1記載の物質間の相互作用検出部。
  3. 前記対向電極に交流電界を印加する請求項1または2に記載の物質間の相互作用検出部。
  4. 前記対向電極の先端部位が検出用のヌクレオチド鎖の固定部位となる請求項3記載の物質間の相互作用検出部。
  5. 前記相互作用は、ハイブリダイゼーションである請求項1から4のいずれか一項に記載の物質間の相互作用検出部。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の相互作用検出部が設けられたバイオアッセイ用基板。
  7. 基板上に所定の突起電極パターンからなる電極層を形成する工程と、
    感光性の樹脂層を前記電極層の上に積層する工程と、
    前記樹脂層と前記電極層をマスキングしてドライエッチングする工程と、
    前記突起電極部位の下側をウエットエッチングして突起電極を形成する工程と、
    前記突起電極に、CVD法を用いて絶縁層を成膜する工程と、
    を行うことを特徴とする相互作用検出部の製造方法。
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