JP2005241537A - 被検知物質測定装置 - Google Patents

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和裕 丹羽
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Abstract

【課題】被検知物質測定装置においてさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受けることなく正確に被検知物質の量を検知できることを目的とする。
【解決手段】動作電極101からの電気信号の値に影響を与える雰囲気状態の変動を検知して補正用電気信号を出力する補正用電極1を設け、動作電極101からの電気信号を補正する構成とした。この手段により、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応効率、または被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107との反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても正確に被検知物質103の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検知物質、例えば、抗原となり得る化学物質やタンパク質や微生物やウイルスの他、抗体などを微少量であっても短時間で精度よく検知して測定する方法に関する。
従来、この種の基板を用いた被検知物質測定装置は、特許文献1のものが知られている。
以下、その装置および測定方法について図11、図12を参照しながら説明する。
図に示すように、動作電極101は基板102上に形成されている。動作電極101に用いる材料は、金や白金などの貴金属、カーボン、セラミックスなどの導電性の電極材料であり、メッキやスパッタなど公知の方法で形成される。基板102に用いる材料は、ガラス、合成樹脂など絶縁性のある材料であり、任意の厚さで形成される。動作電極101上には、被検知物質103と特異的に反応し結合する被検知物質捕捉物質104が固定化され、被検知物質捕捉物質固定化領域105を形成している。被検知物質捕捉物質104は、例えば、抗体、抗原、DNAプローブ、RNAプローブ、ペプチド、レセプターなどである。基板102上には、液を入れるための液溜め容器106が設置されている。ここで、被検知物質捕捉物質固定化領域105の面積は、0.002〜0.8mm2の範囲で、動作電極101の大きさは、被検知物質捕捉物質固定化領域105の1〜50倍である。
上記構成において、その測定操作は、まず、液溜め容器106にサンプル液を所定量滴下し、サンプル液中の被検知物質103と被検知物質捕捉物質固定化領域105の被検知物質捕捉物質104を反応させる。液溜め容器106にサンプル液を入れた状態で、放置もしくは、撹拌しながら、所定の時間反応させる。次に、サンプル液を排出し、洗浄液を液溜め容器106に滴下し、必要であれば撹拌して洗浄する。次に、洗浄液を排出後、第2の被検知物質捕捉物質107を含む試薬溶液を所定量滴下し、被検知物質捕捉物質固定化領域105の被検知物質捕捉物質104と結合した被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107をこの状態で、放置もしくは、撹拌しながら、所定の時間反応させる。次に、サンプル液を排出し、洗浄液を液溜め容器106に滴下し、必要であれば撹拌して洗浄する。次に、第2の被検知物質捕捉物質107に標識として結合している酵素108と反応する基質を含む基質溶液を液溜め容器106に所定量滴下する。
酵素反応の測定は、図に示す構成で行う。酵素と基質の反応を電気化学的に電気信号として測定するため、動作電極101にポテンショスタット109を接続し、さらに、液溜め容器内の基質溶液に銀塩化銀参照電極110を設置する。
上記構成において、酵素による基質の酸化還元反応を電気化学的に測定し、出力する。
ここで被検知物質103は、化学物質やタンパク質や微生物やウイルスなどの抗原、抗体などである。被検知物質103が抗原である場合、被検知物質捕捉物質104は抗体である。被検知物質103が抗体である場合、被検知物質捕捉物質104は抗原である。被検知物質に結合させる酵素108を標識した第2の被検知物質捕捉物質107は酵素標識抗体などである。被検知物質捕捉物質104、酵素を標識した第2の被検知物質捕捉物質107、酵素反応の基質となる物質は被検知物質103を考慮して公知のものが選択されて使用される。
本測定方法により、例えば、黄色ブドウ球菌が産生する毒素タンパク質であるエンテロトキシンが被検知物質103すなわち抗原として測定される。この場合、被検知物質捕捉物質104はエンテロトキシンに対する抗体である。抗体はモノクローナル抗体を使用してもポリクローナル抗体を使用してもよいが、高い結合特異性を有するモノクローナル抗体を使用することが望ましい。酵素108を標識した第2の被検知物質捕捉物質107としては、標識酵素としてHRP(西洋ワサビペルオキシターゼ)を結合させた、被検知物質捕捉物質104として使用する抗体とは異なるエピトープを認識するエンテロトキシンに対する抗体が挙げられる。抗体はモノクローナル抗体を使用してもポリクローナル抗体を使用してもよいが、高い結合特異性を有するモノクローナル抗体を使用することが望ましい。HRPの基質となる物質は過酸化水素であり、酵素反応生成物は水である。このような過酸化水素センサ方式による測定方法の場合、フェロセンやその誘導体(フェロセンメタノールなど)をメディエータとして使用し、メディエータのレドックス反応を電気化学的反応の電気信号として検知する。
特開2003−98174号公報
このような従来の被検知物質測定装置では、サンプル溶液の組成の変動、または計測に必要な試薬溶液の組成の変動、または計測時の温度変動など雰囲気状態の変動が発生した場合、被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率が、さまざまな雰囲気状態の変動を受けることで、正確に被検知物質の量を検知することができなくなるという課題があり、上記の反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても正確に被検知物質の量を検知できることが要求されている。
また、計測対象となるサンプル液中には被検知物質以外にも被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応を阻害する反応阻害物質、または被検知物質とは異なる物質であるのにもかかわらず被検知物質捕捉物質との反応性を有する交差性物質が含まれている可能性があり、その場合は正確に被検知物質の量を検知することができなくなるという課題があり、上記の物質がサンプル液中に含まれている場合においても正確に被検知物質の量を検知できることが要求されている。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても正確に被検知物質の量を検知でき、反応阻害物質または交差性物質がサンプル液中に含まれている場合においても正確に被検知物質の量を検知することのできる被検知物質測定装置を提供することを目的としている。
本発明の被検知物質測定装置は上記目的を達成するために、動作電極によって出力される電気信号の値に影響を与える雰囲気状態の変動を検知して補正用電気信号を出力する補正用電極を設けることにより動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により、被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても、動作電極によって出力される電気信号の値に影響を与える雰囲気状態の変動を補正用電極により検知した補正用電気信号にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、サンプル液中または計測に必要な試薬溶液中に含まれている既知量の物質を内部標準物質として定め、補正用電極の近傍に内部標準物質捕捉物質を固定化した内部標準物質捕捉物質固定化領域を形成し、内部標準物質を内部標準物質捕捉物質に結合させることにより内部標準物質と内部標準物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても内部標準物質を内部標準物質捕捉物質に結合させることにより内部標準物質と内部標準物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、上記補正用電極として酵素反応の基質の濃度を計測できる電極を用いることにより電気化学的反応に用いられている基質の濃度を検知することで動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により酵素反応の基質の濃度が雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても補正用電極により電気化学的反応に用いられている基質の濃度を定常時の基質の濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、上記補正用電極としてpH電極を用いることによりサンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度を計測することで動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても補正用電極によりサンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度を定常時の水素イオン濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、上記補正用電極として温度センサを用いることにより サンプル温度または電流計測時の反応溶液温度を計測することで動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率がさまざまな雰囲気状態の温度変動の影響を受ける場合においても補正用電極として温度センサを用いることによりサンプル温度または電流計測時の反応溶液温度を定常時の温度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、上記補正用電極として電気伝導度計測用電極を用いることにより サンプル液中の電気伝導度を計測することで動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても補正用電極として電気伝導度計測用電極を用いることによりサンプル液中の電気伝導度を定常時の電気伝導度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、上記補正用電極の近傍に反応阻害物質捕捉物質を固定化した反応阻害物質捕捉物質固定化領域を形成し、反応阻害物質を反応阻害物質捕捉物質に結合することにより反応阻害物質と反応阻害物質捕捉物質との結合量から動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により反応阻害物質がサンプル液中に含まれている場合においても反応阻害物質を反応阻害物質捕捉物質に特異的に結合させることにより反応阻害物質と反応阻害物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知することのできる被検知物質測定装置が得られる。
また他の手段は、上記補正用電極の近傍に交差性物質捕捉物質を固定化した交差性物質捕捉物質固定化領域を形成し、交差性物質を交差性物質捕捉物質に結合することにより 交差性物質と交差性物質捕捉物質との結合量から動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものである。
この手段により交差性物質がサンプル液中に含まれている場合においても交差性物質 を交差性物質捕捉物質に特異的に結合させることにより交差性物質と交差性物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正することにより、正確に被検知物質の量を検知することのできる被検知物質測定装置が得られる。
本発明によれば、被検知物質と被検知物質捕捉物質の反応効率、または被検知物質と第2の被検知物質捕捉物質との反応効率、または第2の被検知物質捕捉物質に標識として結合されている酵素の反応効率がさまざまな雰囲気状態の変動の影響を受ける場合においても正確に被検知物質の量を検知できる被検知物質測定装置を提供できる。
また、反応阻害物質または交差性物質がサンプル液中に含まれている場合においても正確に被検知物質の量を検知することのできる被検知物質測定装置を提供できる。
本発明の請求項1記載の発明は、電気信号の値に影響を与える雰囲気状態の変動を検知して補正用電気信号を出力する補正用電極を設けることにより動作電極からの電気信号を補正する構成としたものであり、たとえ雰囲気状態が変動したとしても補正用電極により雰囲気状態の変動量を検知することができるので、変動した雰囲気状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の雰囲気条件下で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項2記載の発明は、補正用電極の近傍に内部標準物質捕捉物質を固定化した内部標準物質捕捉物質固定化領域を形成し、内部標準物質を内部標準物質捕捉物質に特異的に結合させることにより 内部標準物質と内部標準物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極により検知できる内部標準物質と内部標準捕捉物質の結合量も同様に雰囲気状態の変動の影響を受けていることから、雰囲気状態の変動量を類推することができるので、変動した雰囲気状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の雰囲気条件下で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項3記載の発明は、補正用電極の近傍に第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質を固定化した第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質固定化領域を形成し、第2の被検知物質捕捉物質を第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質に特異的に結合させることにより第2の被検知物質捕捉物質と第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極により検知できる第2の被検知物質捕捉物質と第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質との結合量も同様に雰囲気状態の変動の影響を受けていることから、雰囲気状態の変動量を類推することができるので、変動した雰囲気状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の雰囲気条件下で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項4記載の発明は、補正用電極の近傍に酵素捕捉物質を固定化した酵素捕捉物質固定化領域を形成し、第2の被検知物質捕捉物質に結合している酵素を酵素捕捉物質に特異的に結合させることにより第2の被検知物質捕捉物質に結合している酵素と酵素捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極により検知できる第2の被検知物質捕捉物質に結合している酵素と酵素捕捉物質との結合量も同様に雰囲気状態の変動の影響を受けていることから、雰囲気状態の変動量を類推することができるので、変動した雰囲気状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の雰囲気条件下で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項5記載の発明は、補正用電極として酵素反応の基質の濃度を計測できる電極を用いることにより電気化学的反応に用いられている基質の濃度を検知することで、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極により基質の濃度変動を検知することができるので、補正用電極により計測された基質の濃度を定常時の基質の濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、変動した基質濃度の状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の基質濃度の状態で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項6記載の発明は、補正用電極としてpH電極を用いることにより サンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度を計測することで動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極によりサンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度変動を検知することができるので、サンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度を定常時の水素イオン濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正することで、変動した水素イオン濃度の状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の水素イオン濃度の状態で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項7記載の発明は、補正用電極として温度センサを用いることにより サンプル温度または電流計測時の反応溶液温度を定常時の温度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極により雰囲気温度の変動を検知することができるので、変動した温度状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の温度状態で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項8記載の発明は、補正用電極として電気伝導度計測用電極を用いることにより サンプル液中の電気伝導度を定常時の電気伝導度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極によりサンプル液中の電気伝導度の変動を検知することができるので、変動した電気伝導度の状態で作用電極により得られた電気信号の値を通常の電気伝導度の状態で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項9記載の発明は、補正用電極の近傍に反応阻害物質捕捉物質を固定化した反応阻害物質捕捉物質固定化領域を形成し、反応阻害物質を反応阻害物質捕捉物質に特異的に結合させることにより反応阻害物質と反応阻害物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極によりサンプル液中に含まれる反応阻害物質の量を検知することができるので、阻害物質が含まれる状態で作用電極により得られた電気信号の値を阻害物質が含まれていない状態で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
また本発明の請求項10記載の発明は、補正用電極の近傍に交差性物質捕捉物質を固定化した交差性物質捕捉物質固定化領域を形成し、交差性物質を交差性物質捕捉物質に特異的に結合させることにより 交差性物質と交差性物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正する構成としたものであり、補正用電極によりサンプル液中に含まれる交差性物質の量を検知することができるので、交差性物質が含まれる状態で作用電極により得られた電気信号の値を交差性物質が含まれていない状態で得られる電気信号の値に補正することができるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1に示すように、動作電極101は基板102上に形成されている。ここで、従来例と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。動作電極101に用いる材料は、金や白金などの貴金属、カーボン、セラミックスなどの導電性の電極材料であり、メッキやスパッタなど公知の方法で形成される。電極材料としては溶液中での電気化学的計測に適した特性のものが適当であり、目的の電気化学反応のみを高感度に検出し、他の反応の影響を受けにくい材料が望ましい。基板102に用いる材料は、ガラス、合成樹脂など絶縁性のある材料であり、任意の厚さで形成される。基板102の材料としては電極材料を安定的に固定化でき、サンプル液や試薬溶液の影響を受けない素材が適当である。動作電極101上には、被検知物質103と特異的に反応し結合する被検知物質捕捉物質104が公知の方法により固定化され、被検知物質捕捉物質固定化領域105を形成している。被検知物質捕捉物質104は、例えば、抗体、抗原、DNA・RNAプローブ、ペプチド、レセプターなどである。被検知物質103と被検知物質捕捉物質104とは相互作用のある物質の組み合わせであり、目的とする検知対象や使用環境、検知精度に応じて選定される。被検知物質捕捉物質104を動作電極101の近傍に固定化するための公知の方法としては、疎水性相互作用を用いた方法、金属表面に形成した単分子膜を介して共有結合させる方法、別のタンパク質の相互作用を利用した方法など、さまざまな方法が適用可能であるが、被検知物質捕捉物質104を被検知物質103に対する反応性を保ったまま固定化できる方法が適当である。
基板102上には、液を入れるための液溜め容器106が設置されている。液溜め容器はサンプル液や試薬溶液の量に応じてその容積が定められ、基板102と同様にサンプル液や試薬溶液の影響を受けない素材が適当である。基板102と液溜め容器106の接液面には必要に応じて表面処理が施され、サンプル液や試薬溶液の影響を防止する対策がとられる場合もある。また、基板102の加工によりサンプル液や試薬溶液を保持できるような構造を実現することができれば、必ずしも液溜め容器106は必要としない。被検知物質捕捉物質固定化領域105の面積は、0.002〜0.8mm2の範囲で、動作電極101の大きさは、被検知物質捕捉物質固定化領域105の1〜50倍である。動作電極101の近傍には雰囲気状態の変動を検知できる補正用電極1が形成されている。補正用電極1の大きさおよびその形状は動作電極101と同様の形状であり、動作電極101との間隔は動作電極101の半径相当の距離を有している。
上記構成において、被検知物質測定装置が構成されるが、その測定操作は、まず、液溜め容器106にサンプル液を所定量滴下し、サンプル液中の被検知物質103と被検知物質捕捉物質固定化領域105の被検知物質捕捉物質104を反応させる。液溜め容器106にサンプル液を入れた状態で、放置もしくは、撹拌しながら、所定の時間反応させる。次に、サンプル液を排出し、洗浄液を液溜め容器106に滴下し、必要であれば撹拌して洗浄する。次に、洗浄液を排出後、第2の被検知物質捕捉物質107を含む試薬溶液を所定量滴下し、被検知物質捕捉物質固定化領域105の被検知物質捕捉物質104と結合した被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107をこの状態で、放置もしくは、撹拌しながら、所定の時間反応させる。次に、サンプル液を排出し、洗浄液を液溜め容器106に滴下し、必要であれば撹拌して洗浄する。次に、第2の被検知物質捕捉物質107に標識として結合している酵素108と反応する基質を含む基質溶液を液溜め容器106に所定量滴下する。
酵素反応の測定では、酵素と基質の反応を電気化学的に電気信号として測定するため、動作電極にポテンショスタットを接続し、さらに、液溜め容器106内の基質溶液に銀塩化銀参照電極を設置して、酵素による基質の酸化還元反応を電気化学的に測定し、出力する。
ここで被検知物質103は、化学物質やタンパク質や微生物やウイルスなどの抗原、抗体などである。被検知物質103が抗原である場合、被検知物質捕捉物質104は抗体である。被検知物質103が抗体である場合、被検知物質捕捉物質104は抗原である。被検知物質103に結合させる酵素108を標識した第2の被検知物質捕捉物質107は酵素標識抗体などである。被検知物質捕捉物質104、酵素108を標識した第2の被検知物質捕捉物質107、酵素反応の基質となる物質は被検知物質103の特性を考慮して、さまざまな試薬から選択されて使用される。被検知物質103の結合量が酵素108の量
に変換されることになるので、各反応が再現性よく安定的に起きることが重要である。補正用電極1の構成に関しては実施の形態2以降で詳細を説明するが、ここでは被検知物質103と被検知物質捕捉物質104との反応時、または被検知物質103と被検知物質捕捉物質104との反応時、または酵素108の反応時の雰囲気変動を検知できるような特性を有する電極構成であれば良い。本実施の形態1では動作電極101の上面に被検知物質捕捉物質104を固定化することで被検知物質捕捉物質固定化領域105を形成したが、この構成に限ったものではなく、動作電極101と被検知物質捕捉物質固定化領域105を別の場所に形成しても良い。ただし、動作電極101では被検知物質捕捉物質固定化領域105に存在する酵素108による酸化還元反応を電気化学的に計測するので、動作電極101と被検知物質捕捉物質固定化領域105は近接した位置に構成することが望ましい。なお、本実施の形態では動作電極101と補正用電極1について、形状、大きさ、位置、を特定しているが、この条件に限ったものでなく、被検知物質103を計測する目的において、容易に検知することのできる大きさの電気信号が得られる条件であれば、この形状、大きさに制限は無い。また動作電極101と補正用電極1の位置関係においても、お互いの電気信号が干渉するような距離でなければこの間隔に特定する必要はない。ただし、補正用電極1は動作電極101の雰囲気の変動を検知する目的を有するため、動作電極101と補正用電極1の距離は近い方が効果的である。また、本実施の形態では補正用電極1の大きさと動作電極101の大きさを同じであるとしたが、これに限ったものではなく、補正用電気信号として十分大きな電気信号を得ることができるような反応条件であれば、補正用電極1を任意の大きさおよび形状で構成すれば良い。
あらかじめ濃度既知のサンプルを様々な雰囲気変動の条件下で計測することで、動作電極101により得られた電気信号の雰囲気の変動に対する変化特性および補正用電極1により得られた補正用電気信号の雰囲気の変動に対する変化特性を記録しておくことで、動作電極101からの電気信号と補正用電極1からの補正用電気信号の相関関係を知ることができるので、実際のサンプルを計測した場合の雰囲気変動により引き起こされた電気信号の変動量を補正用電極1からの補正用電気信号の値にもとづいて補正することができる。
なお、本実施の形態では、液溜め容器106内にサンプル液を滴下する方法でサンプル液中の被検知物質103を被検知物質捕捉物質104と接触させる方法を示したが、この方法に限ったものでは無く、サンプル液を被検知物質捕捉物質104に接触できる方法であれば、サンプル液を被検知物質捕捉物質固定化領域105に接触して流動させる方法のように液溜め容器106を用いない方法であっても良い。
なお、本実施の形態ではサンプル液の反応後に洗浄を行い、第2の被検知物質捕捉物質107を含む試薬溶液を反応させるという手順で実施したが、この方法に限ったものでは無く、サンプル液の反応後の洗浄操作を省略する方法、サンプル液と第2の被検知物質捕捉物質107を含む試薬溶液の反応後の洗浄操作を省略する方法、サンプル液と第2の被検知物質捕捉物質107を含む試薬溶液を同時に混合して液溜め容器106内に滴下する方法であっても、被検知物質103の検知に関しては同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態では被検知物質103に第2の被検知物質捕捉物質107を結合させる方法を示したが、この方法に限ったものではなく、サンプル中の被検知物質103と試薬溶液中にあらかじめ既知量添加された標識付き被検知物質との競合反応を検知する競合法においても同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では、動作電極101と補正用電極1の組み合わせを1対1であるとしたが、この組み合わせに限ったものでは無く、複数の被検知物質103に対応する複数の動作電極101に1つの補正用電極1を組み合わせる方法、または、1つの動作電極101に対して複数の補正用電極1を組み合わせて複数の変動に対して補正する方法、または複数の動作電極101に対して、複数の補正用電極1を組み合わせる方法であっても同様の効果を得ることができる。また、動作電極101と補正用電極1の組み合わせ方法においては、最も雰囲気変動の影響度の高い条件の順番に補正用電極1の組み合わせを採用するか、最も発生確率の高い雰囲気変動の順番に補正用電極1の組み合わせを採用しても良く、被検知物質103の種類と被検知物質測定装置の使用される条件に基づいて、補正用電極1を選定すれば良い。
なお、本実施の形態では、補正用電極1からの補正用電気信号にもとづいて動作電極101の電気信号を補正する構成としたが、この方法に限ったものではなく、補正用電極1からの補正用電気信号の大きさにもとづいて、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104との反応が正常に行われていない場合、または異常な反応が起きている可能性がある場合が想定される際に、検知結果が異常である可能性があるという信号を出力するために、補正用電極1からの補正用電気信号を活用することができる。
(実施の形態2)
図2に示すように、実施の形態2は実施の形態1とほぼ同等の構成を有している。従来例及び第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。動作電極101の近傍に、内部標準物質捕捉物質2が固定化された内部標準物質捕捉物質固定化領域3を有する補正用電極1が設けられている。内部標準物質に関する詳細な説明は実施の形態3以降に記載するが、内部標準物質として適当な物質としては、サンプル液に一定量含まれる物質、またはサンプル液に一定量を添加する物質、または試薬溶液中に一定量含まれる物質であり、事前にサンプル液中での濃度、試薬溶液中の濃度が明確にされている物質であれば良い。内部標準物質が特定のタンパク質であると定義された場合、内部標準物質捕捉物質2は特定のタンパク質に対する抗体等を用いることでその機能を実現することができる。
上記構成において、その測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1では内部標準物質捕捉物質2により捕捉された内部標準物質の結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101からの電気信号を補正することができる。内部標準物質と内部標準物質捕捉物質2との特異的な結合は、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104との特異的な結合と同様に雰囲気変動の影響を受けるので、内部標準物質と内部標準物質捕捉物質2の結合量を定常状態における内部標準物質と内部標準物質捕捉物質2の結合量と比較することで雰囲気変動量を予測することができる。予測された雰囲気変動量に基づいて、動作電極101によって出力された電気信号を補正することにより雰囲気変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では内部標準物質と内部標準物質捕捉物質2の物質名を特定しなかったが、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応性と同様の反応性を有し、雰囲気変動に対しても同じように影響を受けるような物質の組み合わせであれば、より大きな効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では補正用電極1の上面に内部標準物質捕捉物質2が形成されているが、この方法に限ったものではなく、内部標準物質と内部標準物質捕捉物質2との結合を検知できる位置にあれば補正用電極1の位置はこれに限ったものではない。
なお、本実施の形態では動作電極101の近傍に補正用電極1を構成するとしたが、実施の形態1と同様に、お互いの電気信号が干渉するような距離でなければこの間隔に特定する必要はない。ただし、補正用電極1は動作電極101の雰囲気の変動を検知する目的を有するため、動作電極101と補正用電極1の距離は近い方が効果的である。
なお、本実施の形態では定常状態の反応条件として詳細な説明をしていないが、様々な雰囲気変動の条件を一定に保った状態を定常状態として、その条件での補正用電極1からの補正用電気信号の出力と、様々な雰囲気変動の影響を受けた場合での補正用電極1からの補正用電気信号の出力関係を把握していれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
なお、本実施の形態では内部標準物質と内部標準物質捕捉物質2とが特異的に結合するとしたが、抗原抗体反応のように分子構造に依存する結合や、タンパクとペプチドの相互作用のように、分子認識に基づいた反応であり、なおかつ被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応および被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107との反応と同じように雰囲気の変動の影響を受けるような結合であれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
(実施の形態3)
図3に示すように、実施の形態3は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。動作電極101の近傍に、第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4が固定化された第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質固定化領域5を有する補正用電極1が設けられている。第2の被検知物質捕捉物質107が被検知物質103に対する抗体であった場合、第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4は抗体に特異的に結合する特性を有する抗体であればよい。たとえば、第2の被検知物質捕捉物質107が被検知物質103に対してマウスの体内で生成された抗体であった場合、マウスの抗体に対してヤギの体内で生成された抗体を第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4として構成すれば良い。第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4を補正用電極1上に固定化する方法は、被検知物質捕捉物質104を動作電極101上に固定化する方法と同様に、公知の手法を利用すれば良い。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1では第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4により捕捉された第2の被検知物質捕捉物質107の量に基づいて、動作電極101からの電気信号を補正することができる。第2の被検知物質捕捉物質107と第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4との反応は、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応と同様に雰囲気変動の影響を受けるので、第2の被検知物質捕捉物質107と第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することにより雰囲気変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では第2の被検知物質捕捉物質107をマウス由来の抗体とし、第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4をヤギ由来の抗体であるとしたが、この組み合わせに限ったものではなく、第2の被検知物質捕捉物質107を捕捉できるような物質であれば、第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質4がヤギ由来の抗体でなくても同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態では動作電極101の近傍に補正用電極1を構成するとしたが、実施の形態1と同様に、お互いの電気信号が干渉するような距離でなければこの間隔に特定する必要はない。ただし、補正用電極1は動作電極101の雰囲気の変動を検知する目的を有するため、動作電極101と補正用電極1の距離は近い方が効果的である。
なお、本実施の形態では定常状態の反応条件として詳細な説明をしていないが、様々な雰囲気変動の条件を一定に保った状態を定常状態として、その条件での補正用電極1からの補正用電気信号の出力と、様々な雰囲気変動の影響を受けた場合での補正用電極1からの補正用電気信号の出力関係を把握していれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
(実施の形態4)
図4に示すように、実施の形態4は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。動作電極101の近傍に、酵素捕捉物質6が固定化された酵素捕捉物質固定化領域7を有する補正用電極1が設けられている。酵素捕捉物質6としては、第2の被検知物質捕捉物質107に結合している酵素108に特異的に結合する特性を有する抗体であればよい。たとえば、第2の被検知物質捕捉物質107に結合している酵素108がHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)であった場合、抗HRP抗体を酵素捕捉物質6として構成すれば良い。酵素捕捉物質6を補正用電極1上に固定化する方法は、被検知物質捕捉物質104を動作電極101上に固定化する方法と同様に、公知の手法を利用すれば良い。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1では酵素捕捉物質6により捕捉された酵素108の量すなわち第2の被検知物質捕捉物質107の結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することができる。第2の被検知物質捕捉物質107に結合した酵素108と酵素捕捉物質6との反応は、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応と同様に雰囲気変動の影響を受けるので、酵素108と酵素捕捉物質6との結合量を検知することで、雰囲気変動量を予測することができる。予測された雰囲気変動量に基づいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することにより雰囲気変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では第2の被検知物質捕捉物質107に結合している酵素108をHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)としたが、この酵素に限ったものではなく、他の種類の酵素、たとえばアルカリ性フォスファターゼ等の酵素とそれに対応する酵素捕捉物質6の組み合わせであっても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
図5に示すように、実施の形態5は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。動作電極101の近傍に、基質濃度検知電極8を有する補正用電極1が設けられている。ここで、従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1では試薬溶液中の基質の濃度を定常時の基質の濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101からの電気信号を補正することができる。第2の被検知物質捕捉物質107に結合した酵素108と基質との酸化還元反応に起因する電子の移動により動作電極101から電気信号が出力されるので、基質濃度の変動は動作電極101からの電気信号に影響を与えることになる。そこで、基質濃度の変動量を基質濃度検知電極8により検知することができるので、予測された基質濃度の変動量に基づいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することにより基質濃度の変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では基質の詳細については説明しなかったが、第2の被検知物質捕捉物質107に結合した酵素108がHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)であった場合には、過酸化水素が基質として用いられることが多い。したがって、基質濃度検知電極8としては、過酸化水素に十分な電極活性を持つような電極であれば目的の機能を実現することができる。また、この酵素と基質の組み合わせに限ったものではなく、被検知物質103を介して捕捉された酵素の量を電気化学的に計測できるような組み合わせであれば、他の酵素と基質の組み合わせであっても同様の効果を得ることができる。
(実施の形態6)
図6に示すように、実施の形態6は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。動作電極101の近傍に、pH電極9を有する補正用電極1が設けられている。ここで、従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1で計測したサンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度を定常時の水素イオン濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することができる。
被検知物質捕捉物質104として抗体を用いる場合、サンプル液中のpH条件によって、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応性が変化する。同様に被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107との反応性も変化することから、サンプル液のpH変動や試験溶液のpH変動を検知することが重要である。とくにサンプル液に関しては、検知対象物の由来によってはそのpHが大きく変動する可能性があるので、pHの変動を検知することが重要である。
そこで、サンプル液のpH変動量や試薬溶液のpH変動量をpH電極9により検知することができるので、予測されたpH変動量に基づいて、電気信号を補正することによりサンプル液のpH変動や試薬溶液のpH変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では定常状態の反応条件として詳細な説明をしていないが、様々な雰囲気変動の条件を一定に保った状態を定常状態として、その条件での補正用電極1からの補正用電気信号の出力と、様々な雰囲気変動の影響を受けた場合での補正用電極1からの補正用電気信号の出力関係を把握していれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
(実施の形態7)
図7に示すように、実施の形態7は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。動作電極101の近傍に、温度センサ10を有する補正用電極1が設けられている。ここで、従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1で計測したサンプル液や試薬溶液の温度または電流計測時の反応溶液温度を定常時の温度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することができる。
被検知物質捕捉物質104として抗体を用いる場合、サンプル液の温度条件によって、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応性が変化する。同様に被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107との反応性も変化することから、サンプル液の温度変動や試験溶液の温度変動を検知することが重要である。また酵素108と基質の反応および、動作電極101による電気化学反応も雰囲気温度条件によって大きく影響を受ける。
そこで、サンプル液の温度変動や試薬溶液の温度変動量や電気化学計測時の温度変動を温度センサ10により検知することができるので、予測された温度変動量に基づいて、電気信号を補正することによりサンプル液の温度変動や試薬溶液の温度変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では定常状態の反応条件として詳細な説明をしていないが、温度条件を含む様々な雰囲気変動の条件を一定に保った状態を定常状態として、その条件での補正用電極1からの補正用電気信号の出力と、温度条件を含む様々な雰囲気変動の影響を受けた場合での補正用電極1からの補正用電気信号の出力関係を把握していれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
(実施の形態8)
図8に示すように、実施の形態8は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。動作電極101の近傍に、電気伝導度計測用電極11を有する補正用電極1が設けられている。ここで、従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。補正用電極1によりサンプル液の電気伝導度の変動や試薬溶液の電気伝導度の変動を検知した結果に基づいて、動作電極101からの電気信号を補正することができる。
被検知物質捕捉物質104として抗体を用いる場合、サンプル液に含まれるイオン性物質の濃度によって、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104の反応性が変化する。同様に被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107との反応性も変化することから、サンプル液の電気伝導度や試験溶液の電気伝導度を検知することが重要である。
そこで、サンプル液の電気伝導度の変動や試薬溶液の電気伝導度の変動量を電気伝導度計測用電極11により検知することができるので、サンプル液中または試薬溶液中の電気伝導度を定常時の電気伝導度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することによりサンプル液の電気伝導度の変動や試薬溶液の電気伝導度の変動の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では定常状態の反応条件として詳細な説明をしていないが、様々な雰囲気変動の条件を一定に保った状態を定常状態として、その条件での補正用電極1からの補正用電気信号の出力と、様々な雰囲気変動の影響を受けた場合での補正用電極1からの補正用電気信号の出力関係を把握していれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
(実施の形態9)
図9に示すように、実施の形態9は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。動作電極101の近傍に、反応阻害物質捕捉物質12を固定化した反応阻害物質固定化領域13を有する補正用電極1が設けられている。被検知物質103を特定のタンパク質として、被検知物質捕捉物質104をそのタンパク質に対する抗体であるとすると、反応阻害物質としては被検知物質103に作用して被検知物質捕捉物質104に対する反応を阻害してしまう物質として定義される。一例としては被検知物質103の立体構造を変化させてしまう物質や被検知物質103の被検知物質補足物質104との結合部位を包みこんでしまうような物質が考えられる。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。反応阻害物質を反応阻害物質捕捉物質12に特異的に結合させることにより反応阻害物質と反応阻害物質捕捉物質12との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することができる。
そこで、計測された反応阻害物質の量に基づいて、動作電極101からの電気信号を補正することによりサンプル液中の反応阻害物質の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態では定常状態の反応条件として詳細な説明をしていないが、サンプル中に阻害物質が含まれていない状態を定常状態として、その条件での補正用電極1からの補正用電気信号の出力と、サンプル中に様々な濃度で阻害物質が含まれた場合での補正用電極1からの補正用電気信号の出力関係を把握していれば、補正用電極1からの補正用電気信号を動作電極101からの電気信号の補正に用いることができる。
なお、本実施の形態9では反応阻害物質捕捉物質12を補正用電極1に固定化するとしたが、被検知物質捕捉物質104を動作電極101上に固定化する方法と同様に、公知の手法を利用すれば良い。
(実施の形態10)
図10に示すように、実施の形態10は実施の形態2とほぼ同等の構成を有している。従来例、第1の実施の形態と同じ物については同一の番号を記し詳細な説明は省略する。動作電極101の近傍に、交差性物質捕捉物質14を固定化した交差性物質捕捉物質固定化領域15を有する補正用電極1が設けられている。被検知物質103を特定のタンパク質として、被検知物質捕捉物質104をそのタンパク質に対する抗体であるとすると、交差性物質としては被検知物質103に類似した立体構造を有し、被検知物質103ではないのにもかかわらず、被検知物質捕捉物質104に結合してしまう物質として定義される。そのような交差性物質がサンプル液中に存在することで、本来の被検知物質103と被検知物質捕捉物質104との反応が影響を受けたり、被検知物質103が存在しないのにもかかわらず、動作電極101から電気信号が出力される可能性がある。
上記構成においてその測定操作方法は実施の形態1とほぼ同等である。交差性物質を 交差性物質捕捉物質14に特異的に結合させることにより 交差性物質と交差性物質捕捉物質14との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することができる。
そこで、計測された交差性物質の量に基づいて、動作電極101によって出力される電気信号を補正することによりサンプル液中の交差性物質の影響を受けた場合においてもサンプル中の被検知物質103の量を正確に計測することができる。
なお、本実施の形態1から10において基板102上に液溜め容器106が形成された構成のデバイスを示したが、この構造に限ったものではなく、被検知物質捕捉物質固定化領域105にサンプル液を接触できるような構造であれば同様な効果を得ることができる。
なお、本実施の形態1から10において、動作電極101と補正用電極1の組み合わせを1対1であるとしたが、この組み合わせに限ったものでは無く、複数の被検知物質103に対応する動作電極101に1つの補正用電極1を組み合わせる方法、または、1つの動作電極101に対して複数の補正用電極1を組み合わせて複数の変動に対して補正する方法、または複数の動作電極101に対して、複数の補正用電極1を組み合わせる方法であっても同様の効果を得ることができる。
また、動作電極101と補正用電極1の組み合わせ方法においては、最も雰囲気変動の影響度の高い条件の順番に補正用電極1の組み合わせを採用するか、最も発生確率の高い雰囲気変動の順番に補正用電極1の組み合わせを採用しても良く、被検知物質103の種類と被検知物質測定装置の使用される条件に基づいて、補正用電極1を選定すれば良い。
なお、本実施の形態1から10において、補正用電極1からの補正用電気信号にもとづいて動作電極101の電気信号を補正する構成としたが、この方法に限ったものではなく、補正用電極1からの補正用電気信号の大きさにもとづいて、被検知物質103と被検知物質捕捉物質104との反応が正常に行われていない場合、または異常な反応が起きている可能性がある場合が想定される際に、検知結果が異常である可能性があるという信号を出力するために、補正用電極1からの補正用電気信号を活用することができる。同様に被検知物質103と第2の被検知物質捕捉物質107との反応が正常に行われていない場合、または異常な反応が起きている可能性がある場合が想定される際に、検知結果が異常である可能性があるという信号を出力するために、補正用電極1からの補正用電気信号を活用することができる。
本発明の被検知物質測定装置は、さまざまな雰囲気変動の影響を受けた場合やサンプル液の組成が変化した場合においても正確な測定ができる効果を有し、環境計測または食品製造品質管理または医療分野において、被検知物質として、例えば、抗原となり得る化学物質やタンパク質や微生物やウイルスの他、抗体などを微少量であっても正確に検知する測定装置として有用である。
本発明の実施の形態1の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態2の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態3の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態4の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態5の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態6の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態7の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態8の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態9の被検知物質測定装置の構造を示す図 本発明の実施の形態10の被検知物質測定装置の構造を示す図 従来の被検知物質測定装置の構造を示す図 従来の被検知物質測定装置の構造を示す図
符号の説明
1 補正用電極
2 内部標準物質捕捉物質
3 内部標準物質捕捉物質固定化領域
4 第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質
5 第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質固定化領域
6 酵素捕捉物質
7 酵素捕捉物質固定化領域
8 基質濃度検知電極
9 pH電極
10 温度センサ
11 電気伝導度計測用電極
12 反応阻害物質捕捉物質
13 反応阻害物質捕捉物質固定化領域
14 交差性物質捕捉物質
15 交差性物質捕捉物質固定化領域
101 動作電極
102 基板
103 被検知物質
104 被検知物質捕捉物質
105 被検知物質捕捉物質固定化領域
107 第2の被検知物質捕捉物質
108 酵素

Claims (10)

  1. 基板上に 被検知物質捕捉物質を固定化した被検知物質捕捉物質固定化領域を形成し、被検知物質捕捉物質固定化領域においてサンプル液中に含まれる被検知物質を捕捉し、次いで酵素を標識した第2の被検知物質捕捉物質を被検知物質に結合させた後、酵素反応の基質となる物質を加えて酵素反応生成物質を生成させ、この酵素反応が進行する過程において起こした電気化学的反応を被検知物質捕捉物質固定化領域に対応してその近傍に設けた動作電極によって出力された電気信号として検知する被検知物質の測定方法において、電気信号の値に影響を与える雰囲気状態の変動を検知して補正用電気信号を出力する補正用電極を設けることにより動作電極からの電気信号を補正することのできる被検知物質測定装置。
  2. サンプル液中または計測に必要な試薬溶液中に含まれている既知量の物質を内部標準物質として定め、補正用電極の近傍に内部標準物質捕捉物質を固定化した内部標準物質捕捉物質固定化領域を形成し、内部標準物質を内部標準物質捕捉物質に特異的に結合させることにより内部標準物質と内部標準物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1記載の被検知物質測定装置。
  3. 補正用電極の近傍に第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質を固定化した第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質固定化領域を形成し、第2の被検知物質捕捉物質を第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質に特異的に結合させることにより第2の被検知物質捕捉物質と第2の被検知物質捕捉物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1または2記載の被検知物質測定装置。
  4. 補正用電極の近傍に酵素捕捉物質を固定化した酵素捕捉物質固定化領域を形成し、第2の被検知物質捕捉物質に結合している酵素を酵素捕捉物質に特異的に結合させることにより第2の被検知物質捕捉物質に結合している酵素と酵素捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1または2記載の被検知物質測定装置。
  5. 補正用電極として酵素反応の基質の濃度を計測できる基質濃度検知電極を用いることにより電気化学的反応に用いられている基質の濃度を定常時の基質の濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1または2記載の被検知物質測定装置。
  6. 補正用電極としてpH電極を用いることによりサンプル液および試薬溶液中の水素イオン濃度を定常時の水素イオン濃度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1または2記載の被検知物質測定装置。
  7. 補正用電極として温度センサを用いることにより サンプル温度または電流計測時の反応溶液温度を定常時の温度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1記載の被検知物質測定装置。
  8. 補正用電極として電気伝導度計測用電極を用いることにより サンプル液中または試薬溶液中の電気伝導度を定常時の電気伝導度と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1記載の被検知物質測定装置。
  9. 被検知物質と被検知物質捕捉物質との反応を阻害する特性を有する物質を反応阻害物質として定め、上記補正用電極の近傍に反応阻害物質捕捉物質を固定化した反応阻害物質捕捉物質固定化領域を形成し、反応阻害物質を反応阻害物質捕捉物質に特異的に結合させることにより反応阻害物質と反応阻害物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1記載の被検知物質測定装置。
  10. 被検知物質以外の物質であるのにもかかわらず、被検知物質捕捉物質との反応性を有する物質を交差性物質として定め、上記補正用電極の近傍に交差性物質捕捉物質を固定化した交差性物質捕捉物質固定化領域を形成し、交差性物質を交差性物質捕捉物質に特異的に結合させることにより交差性物質と交差性物質捕捉物質との結合量を定常時の結合量と比較することで雰囲気状態の変動を予測した結果にもとづいて、動作電極によって出力される電気信号を補正することのできる請求項1記載の被検知物質測定装置。
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