JP4747952B2 - 試料加工装置および試料加工方法 - Google Patents
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Description
その後観察領域に対し所望の観察や分析、計測を行う方法である。
第1は、試料片摘出時に試料片および試料基板に対し汚染を生じさせる問題である。従来の技術に示した国際公表特許W099/05506に記載の発明では、前記プローブ先端を前記試料基板の観察領域近傍に固定接続する際、イオンビームアシストデポジション膜(以下、デポ膜)またはイオンビームスパッタ粒子再付着膜を介して両者間の接続固定を行う。このため、デポ膜の原料となるアシストガス供給時に試料片の観察領域およびその近傍の領域をアシストガスで汚染させてしまうという新たな問題が生じた。一度、汚染された領域は範囲を特定することが困難である。また、次工程以降では不良発生の原因ともなる。更に、工程によっては汚染領域を拡大させる場合もあり、次工程以降での観察、分析には使用できないと言う問題があつた。
上記課題に対して、本発明の目的は、微小な試料片およびまたはその周辺領域を汚染せずに、確実かつ高スループットで、安定的に微小試料片の分離、摘出、格納を行う装置および方法を提供することにある。
第5のステップとして、第4のステップにより分離、摘出された試料片を、試料保持機構に設けられたはり部材を回転させる機能により、任意の角度に回転させる。上記の回転機能を用いることで、必要に応じて、試料片を任意の角度に回転させ、イオンビームスパッタ法により、TEM観察に好適な形状に追加工する。TEM観察に適する形状の追加工とは、たとえば、分離摘出した試料片の一部または全部をTEM観察可能な厚さまで薄膜化した形状等である。
この膜により接続固定させた後に、試料保持機構を動作させる。相対的移動によりはり部材と試料片を分離する。試料片の一部を載置台に接続固定した状態で、試料片を保持しているはり部材の一部をイオンビームスパッタ法により切除する。これにより試料片とはり部材を分離することも可能とする方法を用いることが出来る。以上のステップまでを真空容器中で実施することも可能とする。即ち、試料基板から観察領域を決定し、その必要な部分を試料片として試料基板から物理的力で保持して取り出しTEM用試料として薄膜化する部分までを真空容器内で加工することを可能とした。
また、真空容器内で試料片を分離、摘出、格納することも可能となった。
<実施例1>
図1に本発明の一つの実施例を説明するための試料片の分離、摘出が可能な試料加工装置、例えばイオンビームによる加工装置に適用した例を示す。(以下、試料加工装置)図1にその装置構成の断面図を示す。
図1中の1は観察すべき領域を含んだ試料基板であり、例えば、半導体ウェハ、半導体チップまたは、ガラス基板や結晶基板でも良い。本実施例では、試料基板1として半導体ウェハを例に説明する。図1中2は、試料基板1を載置し、移動可能なステージを示す。本実施例ではX、Y、Z、回転、チルトの5軸を有するユーセントリック動作が可能なステージを使用した。図1中3はイオンビームを発生させるイオン源とイオンビームを所定の位置に照射するためのイオンビーム光学系からなるイオンビーム照射光学装置であり、試料基板1から観察領域を含む試料片を分離、または分離摘出した試料片の加工を行うためのイオンビーム21を供給するものである。図1中4は試料片を保持する試料保持機構で、その先端には、根元に比較して先端が細く、該先端部が試料を保持するための割れている形状を有する棒状部材からなるはり部材5(以下、はり部材5)が取りつけられている。試料片はこの棒状部材自身の弾性変形力により保持される。さらに、試料保持機構4は、はり部材5を回転させる機能を備えており、試料片の保持、摘出時のはり部材5と試料片の位置合わせ等に用いる。図1中6は試料保持機構4を試料基板1に対して移動させる移動機構であり、本実施例ではX、Y、Zの3軸を有する移動機構を使用した。図1中7はステージ2を内包し、イオンビーム照射光学装置3および移動機構6が取りつけられた真空容器であり、図示しない真空排気装置により所望の真空を維持する機能を有している。また、移動機構6は試料保持機構4を分離脱着可能な機能を有し、試料保持機構4の分離脱着時に真空容器7の真空度を維持できるよう開閉式のバルブ(図示しない)を備えている。また、図中41は試料片を格納するための載置台であり、本実施例ではステージ2の試料基板1が搭載される面に配置されている。
図2に試料保持機構4の外観を示す。図2中に示すはり部材5は前述のはり部材であり、ホルダ8を介して試料保持機構4先端のベースブロック9に接続されている。
また、はり部材5はホルダ8と分離脱着が可能である。前述のように試料保持機構4は、はり部材5を回転させる機構を備えている。その回転機構は保護管10内部に設けられている。保護管10は試料保持機構4を移動機構6から分離脱着する際に、はり部材5およびはり部材5に保持された試料片をその内部に格納することで保護する機能を有する。具体的にはベースブロック9と保護管10が相対的に移動し、ベースブロック9ごとはり部材5が保護管10内に格納される。図2中11は保護管10に取りつけられた真空シールのためのOリングで、移動機構6装着時に、真空容器7の真空を保持するためのものである。図2中12は、はり部材5を回転させる駆動源およびはり部材5の回転角を検出するためのエンコーダおよび、はり部材とはり部材が保持する試料との接触を検知するための接触検知装置を内蔵した回転駆動機構部である。回転駆動機構部12に設けられた端子13は電源の給電、回転の制御信号を本体である試料加工装置との間で受け渡しを行うために設けられた。
第1に、はり部材5の構造が簡素なため、非常に微小な試料片保持のための保持手段を構造が複雑になることなく簡単に得ることができる。第2に、試料片を保持する分岐はり18は金属はり14先端に溝17を加工することで得られる。二枚枚の金属片を位置合わせしながら張り合わせて形成した溝に対し、一体金属からビーム加工で作り出された分岐はり18は先端の位置合わせが不要となる。第3に、試料片は溝17に挿入され、分岐はり18に押し込まれることで保持されるため、単純な動作で試料片を保持できる。第4に、分岐はり18の弾性変形により試料片を保持するための保持力を得ることができるため、試料片を安定的かつ、確実に保持できる。第5に、摘出する試料片の特性に合わせて、はり部材5を選択することで、多種類の試料片の摘出に対応できる。第6に、分岐はり18の形状を摘出する試料片に合わせて選択することで様々な形状の試料片の摘出に対応できる。
工程b:矩形穴20の一方から、FIB21を走査することで、垂直溝22を形成する。
この時、垂直溝22は仮保持部23を残して加工され、該仮保持部23は分離される試料を試料基板1に対して保持する役割を果たす。本実施例では、例えば、垂直溝22として幅2μm、長さ28μm、深さ15μmを、仮保持部23の幅として2μm程度を加工した。
上記の試料片薄膜化加工のほか、工程i以降の工程では必要に応じて様々な処理を試料片25に施すことが可能である。具体的には、工程hまたはiの状態から、図2に示した試料保持機構4の保護管10内部にはり部材5と試料片25を格納する。続いて、移動機構6に設けられた試料保持機構4を分離脱着する際に真空容器7の真空度を維持する開閉式のバルブを用いて、試料保持機構4ごと、試料片25を大気中に取り出す。大気中に取り出された試料片25は、試料保持機構4が分離脱着可能な機能を有する移動機構4と同様の機能を備えた分析、観察、加工が可能な装置に装着される。この分析、観察、加工が可能な装置としては、TEM装置、SEM装置、FIB装置などがある。本実施例では工程i の状態から上記説明の工程によりTEM装置に試料保持機構4と共に試料片25を装着させた。続いて、試料片25は試料保持機構4が有する回転機構によりTEM観察に好適な角度に回転調整され、試料片25に含まれたデバイス等の観察を実施した。また、上記説明の工程を逆に実施することで、一度大気中に取り出された試料片25を再度、前記試料加工装置に装着し、試料片25の追加工を実施することが、可能である。またさらには、試料片25を保持した状態ではり部材5をホルダ8から分離し、他の装置に装着することで同様の処理を施すことが可能である。
<実施例2>
本発明の別の実施例について説明する。図5は、はり部材5を構成する金属はり14先端部の溝により分割された分岐はりの別形状である。図5中14は電気伝導性を有する金属はりであり、その先端には金属はり14の根元に比較して先端が細くなる形状16が設けられている。さらに、形状16先端には2方向の溝28、29により分割された分岐はり30が加工されている。既に、実施例1で説明のように形状16は図3c、図3dの平面図に示した曲線からなる形状であってよく、同様に、本実施例においても、金属はり14は金属に限定される必要はなく、例えば、電気伝導性を有する導電性セラミックや導電性プラスチック、全く電気伝導性を有さないセラミックや、樹脂を用いても、溝28、29により分割されたはり30が試料片を保持するための弾性変形を行えればよいことは言うまでもない。
第1に、試料片を保持する際の試料片と試料片を挿入する溝の位置合わせを小さい回転量で回転させることにより行うことができる。第2に、試料片を保持固定する溝により分割された「はり」として、より細い分岐したはりを得ることができる。このため、試料片保持時の分岐はりの変位量を大きく取ることができ、一つの試料片を保持する手段で広範囲の大きさの試料片に対応が可能である。第3に、試料片と分岐はりの接触点を多くとることが出来るため、より安定的な試料片の保持が可能となる。第4に、溝28と29の溝幅を異なる幅とし、試料片に対してどちらか一方の溝幅を選択することで、異なる幅を有する試料片の保持を一つの試料片を保持する手段で行うが出来る。第5に、溝28と29の溝幅を異なる幅とすることで、一つの試料片を保持する手段で断面形状の異なる分岐はりを得ることができるため、試料片保時の分岐はりの弾性変形量を選択でき、結果的に試料片の保持力を選択することが可能となる。また、本実施例では溝により分割された分岐はり30として、4つに分岐したはりを例に説明したが、分岐はりの数および形成される溝の数および幅の種類は、任意に選択できることは言うまでもない。したがって、溝により分割された分岐はりが3つ股である場合や、それ以上の数に分岐した分岐はりにおいても上記発明の効果を得ることが出来る。
<実施例3>
図6は、はり部材5の先端に溝により分割された分岐はりを製作するための方法を説明するための図である。本実施例では図5に示したはり部材を例に溝により分割された分岐はりの製作方法を説明する。図6中14は前述の金属はりである。
まず、金属はり14を電解研磨法またはエッチング法により金属はり14の根元に比較して先端が細い形状16に加工する (図6a) 。本実施例では金属はり14にφ50μmのタングステンを使用し、電解研磨法により先端が数μm程度に細くなるように形状16を加工した。先端が形状16に加工された金属はり14を前述の試料保持機構4にホルダ8を介して取り付ける。先端が円錐形の金属はりは実施例1で説明の試料加工装置としてのイオンビーム加工装置に装着した後、FIB21の照射範囲内に設置する。続いて、円錐形金属はり14の形状16先端にFIB21を照射、走査する。
これにより溝28が形成され、溝28により分割された分岐はり30'が形成される (図6b) 。この段階で、実施例1図3bに示した2分割の分岐はりの形状が形成される。図6bの溝28、分岐はり30'がそれぞれ図3bの溝17、分岐はり18に対応する。次に金属はり14を図示しない試料保持機構4に設けられた回転機構を用いて90度回転させ、さらに、FIB21を照射、走査し、溝29を形成し、溝29により分割された分岐はり30が形成される。以上により、先端が2つの溝28、29により分割された4つの分岐はり30を得る。また、必要に応じて、FIB21を分岐梁の外形部である形状16に照射、走査することで、分岐はりの形状を整形して所望の形状を得る。
図7aは、図7b中に点線で示した仮想平面65を矢印66方向からみた断面図を模式化したものである。図7a中の記号Hは分岐はり根元の高さ、Lは分岐はりの長さ、Bは分岐はりの幅、Yは分岐はり先端を基準として分岐はり長さ方向Xの位置における分岐はりの高さを示す。上記の各記号で表される寸法が下記の式により定まるはりの形状を平等強さはりといい、はりの先端に荷重Wが加わったときに、はりの任意の断面に生じる曲げ応力が等しくなるはりである。
H = ( 6・W・L / B・σ)1/2-----------(数2)
V = 8・W・(L/H)3 / B・E------------(数3)
ただし、ここで、σは、はりに生じる一応な曲げ応力を示し、本実施例では金属はりを構成する材料の0.2%耐力に相当する。また、数3Vははり先端の変位量、数1,2,3中のWは変位量Vが生じたときに、はり先端に生じる荷重を示している。
試料片の保持時に分岐はりに生じる曲げ応力が、分岐はりの各断面で一様であり、かつ、分岐はりを構成する材料の0.2%耐力以下となるように、上記の条件を近似的に満たす分岐はりを製作し、繰り返し安定的な試料片の保持が可能な分岐はりを得ている。このような平等強さはりは外形が理想形状で有るがこれに近い外形形状でも例えば図3dのような電解研磨で作られた先端から根元にかけて単調増加のカーブ形状であっても良い。本実施例で製作した分岐はりは、例えば、電解研磨を用い分岐はりの材質としてタングステンとし、外形が先端から根元にかけて単調増加した分岐はりは、根元高さ(H寸法)3.3μm、分岐はり長さ(L寸法)29.5μm、B寸法に近似的に相当する寸法として分岐はりの根元部の幅を4.4μmとして、分岐はり先端の変位を0.5μmの条件で、分岐はりの弾性変形による試料片保持力(分岐梁1本当たり)が1.3x10-5kgを得ることが出来る分岐はりである。
第2に、分岐はりの弾性領域にて試料片を保持することが出来るため、繰り返し、安定的な試料片保持が行える。第3に、試料片の保持力を予め予測して設計できるため、試料片の特性に合わせて、所望の分岐はりを選択できる。
<実施例4>
本発明の別の実施例について説明する。図8は試料保持機構4に設けたはり部材5を回転させるための回転機構を説明する構成図である。図中31は回転駆動機構部12(図示せず)に設けれられた駆動源の回転力を送りねじ機構(図示せず)により併進運動に変換した駆動ロッドであり、ワイヤ32の両端が固定されている。ワイヤ32は、はり部材5が取りつけられたホルダ8端部のプーリー33に駆動ロッド31の併進運動を伝達する伝達要素であり、駆動ロッド31の併進運動により、プーリー33を介して、はり部材5を回転させる。また、はり部材5はホルダ8に取りつけられた転がり玉軸受け34により円滑な回転運動が行われる。図中の35は、ワイヤ32の軌道を保つための軌道修正用のプーリーであり、36はワイヤ32の張力を一定に保持する板バネである。
<実施例5>
本発明の別の実施例について説明する。図9は試料保持機構4に設けたはり部材5を回転させる別の回転機構を説明する構成図である。図中37は回転駆動機構部12(図示せず)に設けれられた駆動源の回転力を伝達する回転駆動ロッドであり、自在継ぎ手38、39を介してホルダ8に接続固定されたはり部材5を回転させる。自在継ぎ手38、39は単独では等速性を持たないので、本実施例では二つの自在継ぎ手38、39を組み合わせることで、継ぎ手の等速性を確保している。また、図中40は自在継ぎ手38、39の回転により生じる自在継ぎ手間の距離の変動を吸収するスライダである。回転機構として上記の構成をとることで、以下の効果を得ることが出来る。第1に、実施例4に示した回転機構と同様の理由により、はり部材5を試料片に対して好適な角度に配置することが可能である。第2に、上記回転機構は、回転駆動機構部12に設けられた駆動源の回転力を他の運動方向に変換することなく、はり部材5に伝達できるため、伝達機構が簡素になり、安価に回転機構を実現できる。第3に、上記回転機構は、はり部材5とスライダ40を介して連結されるため、回転駆動ロッド37より下流側の機構の温度変化によるドリフトの影響を受け難く、安定した試料片の保持を可能にする。また、本実施例では、はり部材5が試料保持機構4の軸に対して、角度を有する例について記載したが、試料保持機構4をはり部材5が試料片を保持するために好適な角度に設置できる場合は、試料保持機構4とはり部材5を同軸として差し支えない。
<実施例6>
本発明の別の実施例について説明する。本実施例では既に述べた実施例1の図4に示した工程h以降但し工程iの加工工程は踏まずに実施される分離、摘出された試料片25を載置台に載置する方法および工程について図10を用いて説明する。
試料片を保持する構造の例として図11,12,13に示す。この図の如く、圧入する方向に溝が狭くその部分に押し込まれることで試料片が保持される。
第1に、試料片の載置の工程は、試料片の取り出しに対しイオンビームアシストデポジション膜によりはり部材を接着することがないため汚染する要因がない。
載置台が試料基板と同じ真空容器内または試料基板の近くに配置されていても、試料基板を汚染することが無い。
第2に、試料片を摘出する装置は物理力を利用している。イオンビームアシストデポジション膜のような化学反応によらないため装置の周囲に対してもほとんど汚染が少ない。内に汚染となる要因を持ち込まずに試料片を載置できるため、装置自体を汚染する要因がない。第3に、本実施例に示した方法は載置台上に設けた溝に試料片を挿入固定するだけの簡便な方法によりTEM観察試料片を得られるため、TEM観察試料片を短時間で容易に製作が可能である。
<実施例7>
本発明の別の実施例を示す。図11は実施例6にて説明の載置台の別形状を示す外観図である。
<実施例8>
本発明の別の実施例を示す。図12は実施例6にて説明の試料片を載置するための載置台の別形状を示す外観図である。
さらに、保持はりの一方が弾性変形せずに、他方の保持はりの弾性変形による保持力のみによって試料片の保持を行ってもよい。図中55は載置台41上に設けられた突起部であり、試料片25と試料片25を保持したはり部材5(図示せず)の分離の際に、はり部材5を該突起部55方向に移動させ、試料片の一端を該突起部55に接触させることで、試料片が隙間54から外れないように規制する役割を果たす。
<実施例9>
本発明の別の実施例を示す。図13は実施例6にて説明の試料片を載置するための載置台の別形状を示す外観図である。
<実施例10>
本発明の別の実施例を示す。本実施例では既に述べた実施例1の図4に示した工程h以降に実施される分離、摘出された試料片25を載置台に載置する別の方法および工程について図14を用いて説明する。
第1に、試料片の接続固定の際に、載置台に特別な加工等を施すの必要がなく、任意形状の載置台に試料片を載置することが可能である。第2に、試料片と載置台の接続固定にイオンビームアシストデポジション膜を用いることで、両者の高い接続強度を得ることが出来るため、試料片とはり部材の分離の工程が確実かつ、安定的に行え、さらに、試料片を載置した状態での載置台のハンドリングが容易となる。第3に、載置台の形状を選ばず、任意形状の載置台を用いることが出来るため、載置台を安価に供給でき、さらに、任意のTEM装置等に容易に取り付けが可能となる。
<実施例11>
本発明の別の実施例を示す。本実施例では既に述べた実施例1図4に示した工程h以降に実施される分離、摘出された試料片25を保持したまま多面的に観察、計測、加工する方法および工程について図15を用いて説明する。
さらに、電子線ビーム等による観察は必ずしも、実施例1で説明した本発明の試料加工装置を使用する必要はなく、実施例1で説明したように試料片25を試料保持機構4ごと他の走査電子線顕微鏡(SEM)等の分析装置へ再装着して実施してもよい。
<実施例12>
本発明の別の実施例を示す。本実施例では試料基板1から試料片25を分離、摘出するための別の方法および工程について図16を用いて説明する。
<実施例13>
本発明の別の実施例を説明する。本実施例では既に述べた実施例1の図4に示した工程h以降に実施される分離、摘出された試料片25を載置台に載置する方法および工程について図16を用いて説明する。
<実施例14>
本発明の別の実施例を示す。本実施例では、はり部材5の一部が損失した場合のはり部材5の修復方法および工程について図18を用いて説明する。図18では、はり部材5の損失としてはり部材5先端の溝により分割される分岐はり18の一部が損失した場合を例に説明する。
工程r:はり部材5先端の溝により分割される分岐はり18のうち、損失部位60を有さない分岐はりを、損失部位60を有する分岐はりとその長さが等しくなるようにFIB21を照射、走査して除去する。これにより、分岐はり18の長さがほぼ等しく揃えられる。
<実施例15>
本発明の別の実施例を示す。本実施例では、はり部材5の一部が損失した場合のはり部材5の修復に関しての別方法および工程について図19を用いて説明する。
<実施例16>
本発明の別の実施例を示す。本実施例では、試料片の分離、摘出が可能な試料加工装置の別の構成について図20を用いて説明する。
<実施例17>
実施例1で本発明によるTEM観察用試料片の作製方法について説明した。薄膜化の作業は図4に示したようにはり部材に試料片を挟んだ状態で行なう方法と、図10のように載置台に固定した後に行なう方法を開示した。
(1)観察すべき薄片部のアシストガスによる汚染がなく、クリヤな像が得られる。
(2)摘出した試料片は載置台、グリッドに容易に設置できるため、TEM試料作製時間が短い。
(3)実施例1の試料作製法に比べて、薄片部完成まですべて試料基板内でのFIB加工によるもので、FIB自動加工によって多数個の薄片試料を無人で作製しやすい。
(4)グリッドは市販品が利用できるため安価でTEM試料が作製できる。
などの効果が得られる。
Claims (10)
- 試料を載置するステージと、
前記ステージを少なくとも内部に有する真空容器と、
前記試料にイオンビームを照射するイオンビーム照射光学系と、
前記試料にイオンビームを照射して前記試料からTEM観察用の試料片を摘出する試料保持機構と、
前記試料保持機構を移動させる移動手段とを有し、
前記試料保持機構は、その先端に溝で分岐された単一部材からなる分岐梁を有し、
前記分岐梁の外形は、前記分岐梁の分岐方向に対して先端に向かって徐々に細くなる形状であり、
前記試料保持機構は、前記真空試料室内で前記分岐梁を前記試料片の深さ方向に押し込むことにより発生する押し付け力により前記試料片のイオンビームにより加工された両側を保持することを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1記載の試料加工装置において、
前記移動機構は、前記試料保持機構の位置をX,Y,Zの3軸に移動させる駆動系を有することを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1記載の試料加工装置において、
前記試料保持機構は、前記分岐梁を軸中心に回転させる回転機構と、前記分岐梁と前記試料面との成す角度を調整する角度調整機構のうちの少なくともいずれかを有することを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1記載の試料加工装置において、
前記分岐梁は前記ステージ面に対して15度から65度の範囲で傾斜していることを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1または2記載の試料加工装置において、
前記試料保持機構が、前記試料片を前記分岐梁で挟んで保持した状態で前記試料加工装置から分離脱着し、透過電子顕微鏡もしくは走査電子顕微鏡に再装着できることを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1記載の試料加工装置において、
前記試料保持機構は、保持した前記試料片を前記試料から摘出することを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1記載の試料加工装置において、
前記溝はイオンビームにより加工された溝であることを特徴とする試料加工装置。 - 請求項1記載の試料加工装置において、
前記試料保持機構は、前記分岐梁を軸中心に回転させる回転機構を有することを特徴とする試料加工装置。 - 試料基板にイオンビームを照射して分離可能なTEM観察用の微小試料片に加工する工程と、
溝で分岐された分岐梁であって、前記分岐梁の分岐方向に対して先端に向かって徐々に細くなる形状を備えた単一部材からなる分岐梁を前記微小試料片の深さ方向に押し込むことにより発生する押し付け力で前記微小試料片のイオンビームにより加工された両側を挟んで保持する工程と、
前記試料基板から前記微小試料片を分離する工程と、
試料保持機構によって前記分離した微小試料片を前記試料基板から摘出する工程を、同一の真空容器内で実行する前記微小試料片を保持する際にアシストガスを用いない試料加工方法。 - 請求項9記載の試料加工方法において、
前記保持する工程の前に、前記分岐梁を軸中心に回転させる工程を備えることを特徴とする試料加工方法。
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