JP2004309499A - 試料作製装置および試料作製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも、イオンビームの照射光学系と、上記イオンビームの照射によって試料片から発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、上記試料片を載置し、分析試料を固定する試料ホルダを載置するサイドエントリ型の試料ステ−ジと、上記試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段とで試料作製装置を構成する。
【効果】 試料作製から観察までの作業が簡便で、試料作製が一つの装置内ででき、作製試料の分析装置への受け渡しが容易になり、試料破損の可能性を減少できる。
【選択図】 図1
Description
また、ウェーハ内にTEM観察用の薄膜のみを集束イオンビームを用いて作製し、この薄膜のみをガラス製のニードルを用いてTEMメッシュ上に搬送しTEM試料とする方法が、例えばMaterial Research Society Symposium Proceedings, 1997 vol. 480., p19-27(公知例5)に記述されている。
公知例1、公知例2に関する問題点は以下の通りである。
(1)TEM試料を作製するには、イオンシニングや研磨機、もしくは、ダイシング装置やFIB装置など複数の装置が必要である。
(2) 試料作りからTEM観察までの作業が煩雑で時間を要するものであった。
公知例3に関する問題点は以下の通りである。
(3)作製されたTEM試料がプローブに保持された状態であるため、TEM装置への導入が難しい。
公知例4、公知例5に関する問題点は以下の通りである。
(4)作製後の試料のTEM用試料ステージへの取付け作業において、作業者の神経を使わせると共に、落下、紛失などの事故発生の可能性を秘めている。また、TEM観察後、別の試料と交換する際にも同じ危険性を秘めている。
(1)イオンビームの照射光学系と、イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、サイドエントリ型試料ステージを搭載して微動させる試料ステージ微動手段を少なくとも有し、さらに、サイドエントリ型試料ステージが上記試料片を載置する第1試料ステ−ジ、および、摘出試料を載置する試料ホルダを着脱できる第2試料ステ−ジとから構成した試料作製装置によって実現する。本構成により一つの試料作製装置の中で試料作製が可能であり、分析、観察装置への受け渡しが簡便になる。また、
(2)イオンビームの照射光学系と、イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成する原料ガスを供給するデポジション用ガス供給源と、試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、サイドエントリ型試料ステージを搭載して微動させる試料ステージ微動手段を少なくとも有し、さらに、サイドエントリ型試料ステージが上記試料片を載置する第1試料ステ−ジ、および、摘出試料を載置する試料ホルダを着脱できる第2試料ステ−ジとから構成した試料作製装置によって実現する。本構成により摘出試料移送や試料ホルダへの固定をデポジション膜で確実に行うことができる。また、
(3)イオンビームが集束イオンビームもしくは投射イオンビームのうちの少なくともいずれかであると精度の良い加工または高速な加工が可能となる。また、(4)第1試料ステージは試料片を載置する試料設置部が上記第1試料ステージ軸に垂直な軸に中心に回転できる回転機構を有する構成にすることで、試料片を試料ステージに載置する場合、所望の断面の向きを気にすることなく載置でき、試料作製装置内で所望の断面を容易に加工できる。また、
(5)第2試料ステージは集束イオンビーム装置、投射イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかに装填できる試料ステージとすることで、試料作製後に試料の置き直しをすることなくそのまま分析、観察等が可能であり、試料破損の可能性を減らすことができる。また、
(6)第2試料ステージは集束イオンビーム装置、投射イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかに装填するための試料ホルダを載置するホルダ設置部を有する構成とすることで、作製試料を分析、観察に最適な試料ホルダに設置できる。また、
(7)第1試料ステージは集束イオンビーム装置、投射イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかに装填できる試料ステージとすることで、試料断面分析や観察が容易にできるようになる。さらに、
(8)試料のイオンビームアシスト増速エッチングを可能にするガスを供給するエッチングガス供給源を有する構成とすることで、高速加工が実現でき、試料作製時間を減少できる。
また、上記第2の目的は、
(9)サイドエントリ方式の第1試料ステージに搭載した試料片をイオンビームによって加工し、移送手段によって試料片の一部を摘出した摘出試料を一旦保持し、第1試料ステージに変えてサイドエントリ方式の第2試料ステージを装填して、摘出した試料を移送手段によって第2試料ステージ上の試料ホルダに移設し、イオンビームによって所望の分析手段、観察手段または計測手段に好適な試料形状に加工を施す方法を用いることで実現でき、一つの装置内での試料作製が可能となる。また、
(10)摘出した試料を搭載した第2試料ステージを所望の分析手段、観察手段または計測手段に装填して所望の分析、観察または計測による解析を行なうことで、試料作製後、短時間で分析、観察等が可能になる。また、
(11)分析手段、観察手段または計測手段が、特に、集束イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかであれば様々な試料分析が可能となる。さらに、
(12)イオンビームが集束イオンビームまたは投射イオンビームであれば精度の良い加工または高速な加工が可能となる。特に、
(13)第1試料ステージに複数の試験片を搭載して、試験片の各々から一部を摘出して上記試料ホルダ上に移設することで、複数試料の効率よい試料作製が実現でき、また、
(14)第1試料ステージに搭載した1個の試験片から複数の部分を摘出して上記第2ステージに設置された上記試料ホルダに移設することで、一つの試料から集中的かつ効率的な試料作製が可能となる。特に、
(15)第1試料ステージに搭載した1個の試験片から複数の部分を摘出して上記第2ステージに設置された上記同一の試料ホルダに移設することで、一度、分析または観察装置に第2試料ステージを挿入するだけで、複数摘出試料を効率的に分析、観察できる。また、
(16)観察、分析あるいは計測するための試料作製方法としてサイドエントリ方式の第1試料ステージに搭載した試料片に対して所望の分析または観察または計測すべき領域を判別する目印を試料に付けるマーキング工程と、イオンビ−ム照射によって上記目印の周囲に複数の垂直穴を形成する工程と、試料ステ−ジを傾斜させてイオンビ−ム照射によって試料片の表面に対して斜め溝を形成する工程とによって、試料片に支持部で保持されたクサビ形状の片持ち試料を形成する工程と、第1試料ステ−ジを水平に戻して、片持ち試料の一部に移送手段の一部を接触させ、デポジションガスを供給しつつ接触部を含む領域にイオンビ−ム照射してデポジション膜を形成することで片持ち試料と移送手段の一部を固着させる工程と、イオンビ−ム照射することで支持部を切断する工程と、第1試料ステ−ジと移送手段を相対的に離間させる工程と、第1試料ステージを装置から引き抜く工程と、第1試料ステージに代わって第2試料ステージを装置に挿入する工程と、第2ステージ上に設置された試料ホルダが摘出試料のほぼ直下に位置するように移動させる工程と、摘出試料を移送手段を駆動して試料ホルダに接触させ、デポジションガスを供給しつつ試料ホルダと摘出試料の接触部の一部にイオンビ−ム照射してデポジション膜を形成することで、摘出試料と試料ホルダを固着させる工程と、イオンビームを照射することで移送手段と摘出手段を分離する工程と、摘出試料を分析装置、観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに最適なサンプルを作製する工程とを含むことで1つの試料作製装置内で、分析、解析に簡便な試料が作製できる。
<実施形態例1>
図1は、本発明による試料作製装置の一実施例を示す概略構成図で、ここでは、解析手段の一例として特にTEM観察するためのTEM試料の作製法を例にして説明する。
本試料作製装置1で用いる試料ステージ7は、解析すべき領域を含む小片の試料片2を搭載する第1ステージ7Aと、摘出試料を解析装置に適した形状のマイクロサンプルに加工するために設置する第2ステージ7Bとを用いる。第1ステージ7A、第2ステージ7Bとも試料ステージ微動機構8に搭載できる形状であり、いずれの試料ステージを搭載しても、イオンビームによる視野内に試料もしくは試料ホルダが現われる寸法形状である。第2試料ステージ7Bは解析装置にも装填可能で、上述したFIBとTEMに兼用の試料ステージ7’(図3)であってもよい。このような形状であるため、試料作製装置1内で加工した観察試料を搭載した試料ステージ7を試料ステージ微動機構8から抜き挿しするだけで、直ちにTEM観察することができることも大きな特徴である。つまり、試料片から摘出した微小な摘出試料を別の特殊な試料加工装置や緊張と熟練を要する手作業を施すことなく、分析や観察に適した試料形状に加工して、試料ステージを抜き挿しするだけで、直ちに分析や観察作業に移ることができる。
図3は本実施例で用いた移送手段10の詳細構造を示している。移送手段10は粗動部60と微動部61の2つの部分から構成されている。先端は摘出試料に直接触れる尖鋭化されたプローブ18が付けられている。粗動部60は狭窄部62を支点として支柱63が3個のエンコーダ64X、64Z、64Y(図示せず)によってXYZ軸方向に移動できる。粗動ストロークや移動分解能はエンコーダの性能と、狭窄部62からエンコーダとプローブ18の先端までの距離の比によるが、本実施例では5mmのストローク、2μmの分解能を有している。エンコーダによる力に抗する力はバネ65a、65bを用いている。粗動部60の駆動系は試料室19のポートを介して大気側にあり、真空はガスケットなど真空シール66、ベローズ67によって遮断されている。
公知例2によれば分離試料を搬送する搬送手段はバイモルフ圧電素子3個をXYZ軸に対応して構成している。バイモルフ圧電素子は一端を支点にして他端がたわむ動きをするため、他端は印加電圧に従って円弧を描く。このバイモルフ圧電素子を3軸に組んで構成すると複雑な動きをする。例えば、XY平面内の移動では1個のバイモルフ圧電素子の動作のみでは搬送手段先端のプローブが1軸方向に直線的に動作しないため、所望の位置にプローブを移動させることが非常に難しい。従って、3個のバイモルフ圧電素子で微動部を構成すると、プローブ先端を所望の位置に移動させるためには3個のバイモルフ圧電素子を複雑に制御しなければならない。これに対して、本実施例では3軸を直交して動く粗動機構を設け、微動部の1軸のみにバイモルフ圧電素子を用いることで、プローブの位置出しの複雑性は軽減される。
<実施形態例2>
本実施形態例2では本発明による試料作製装置を用いた試料作製方法について図7、図8を用いて説明する。
試料片2は、解析すべき領域を含む小片試料の搭載専用の第1ステージに搭載されていて、おおよそ5mm×5mmの半導体素子である。以下では、この試料片の特定領域についての断面をTEM観察するためのTEM試料を作製する工程を図と対応させて説明する。
図7(a):まず、第1ステージに搭載した試料片2のうち所望の領域がFIB照射領域に入るように試料ステージ微動機構8で調整する。試料片2上にTEM観察面70を特定するためのマーク71a、71bをFIB3aによって付ける。2個のマーク71a、71bの間がTEM観察面70で、両者の間隔はおおよそ10μmある。また、本実施例では+(プラス)マークであるが、これに限定されるものではない。上記2個のマークを結ぶ直線が試料ステージの傾斜軸と平行になるように、試料ステージ7Aに内蔵された回転機構によって調整しておく。この調整よって、摘出した試料を試料ホルダに設置する際、移送手段に複雑な動きを強いることがなくなる。この時、保護膜としてTEM観察面70を覆うようにデポジション膜を形成しておく。
図7(b):上記2個のマーク71a、71bの両側にFIB3aによって2個の矩形穴72a、72bを形成した。
図7(c):次に、第1ステージ7Aを軸回転させることで試料面を傾斜させる。本実施例では20°とした。ここで、上記2個のマーク71a、71bを結ぶ直線は試料ステージの傾斜軸に平行に設定しているため、細溝73が下がる方向に傾斜させる。そこで、マーク71a、71bを結ぶ直線より約2μm 隔てて、矩形穴72a、72bを結ぶように、幅約2μm 、長さ約32μm 、深さ約15μmの斜溝75を試料片2表面に対して斜めから入射したFIB3aによって形成する。FIB3a照射によるスパッタ粒子が形成した矩形穴72a、72bを埋めることがないように走査する。斜溝75は、先に形成した細溝73と交わる。マーク71a、71bを含み、頂角が20°の直角三角形断面のクサビ型の摘出すべき試料76が、支持部74のみで保持されている状態になる。
図7(d):次に、試料ステージ7Aを水平に戻し、摘出すべき試料76の上面で支持部74とは反対の端部に移送手段先端のプローブ18を接触させる。接触は試料とプローブとの導通や両者間の電気容量の変化によって感知できる。本実施例では両者間の導通によって検知した。また、不注意なプローブ18の押し付けによって、摘出すべき試料76やプローブ18の破損を避けるために、プローブ18が試料に接触した時点でZ方向駆動を停止させる機能を有している。
図7(e):次に、摘出すべき試料76にプローブ18を固定するために、プローブ18先端を含む約2μm平方の領域にデポジション膜77を形成する。これによりプローブ18と摘出すべき試料76とは接続される。次に、摘出すべき試料76を試料片2から摘出するために、支持部74をFIB3a照射によりスパッタ除去することで、支持状態から開放される。支持部74は試料面上から見て2μm平方、深さ約10μmであるため2〜3分のFIB3a走査で除去できる。上記の矩形穴72a、72bや細溝73、斜溝75を形成する工程は、観察面に大きく影響しないため、大電流のFIB3aで多少加工位置ズレを起こしても早く加工することが賢明である。
図7(f):試料片2から完全に分離した摘出試料2aをプローブ18を上昇(+Z方向の移動)させ、試料ステージから遠避けて保持する。
ここで第1ステージ7Aと第2ステージ7Bを入れ替える。第2ステージ7Bの装着によりSIM像視野内に試料ホルダ9の中央付近が入る。
図8(a):摘出試料2aを試料ホルダ9に接触させるために、プローブ18を降下(ーZ方向に移動)させ、試料ホルダ9に接近させる。摘出試料2aと試料ホルダ9との接触は導通によって検知することができる。
図8(b):摘出試料2aが試料ホルダ9に接触したことを確認して、摘出試料2aと試料ホルダ9と接触部にデポジション膜80を形成し摘出試料2aを試料ホルダ9に固定する。デポジション膜80の大きさは3μm平方程度で、デポジション膜80の一部は試料ホルダ9に、一部は摘出試料2a側面に付着し、両者が固定される。
図8(c):次に、デポ用のガスを導入を停止した後、プローブ18と摘出試料2aを接続しているデポジション膜77にFIB3aを照射してスパッタ除去することで、プローブ18を摘出試料2aから分離できる。この操作によって摘出試料2aは試料ホルダ9に自立する。
図8(d):最後に、TEMによる観察部にFIB3a照射して、最終的に観察領域の厚さを100nm以下程度のウォール81になるように薄く仕上げ加工を施す。この時、摘出試料2aの長手方向の側面の一方が垂直面であるため、ウォール加工のためにFIB3a照射領域を決定する際、この垂直面を基準にすることで、試料基板表面にほぼ垂直なウォール81形成することができる。このウォール加工の結果、横幅約15μm、深さ約10μm、幅0.1μm以下のウォール81が形成でき、TEM観察領域ができあがる。以上、マーキングからウォール加工完成までの加工時間は約1時間で、従来のTEM試料作製方法に比べて数分の1に時間短縮できた。
なお、本発明による試料作製方法と公知例3による試料の分離方法と大きく異なる点は、(1)試料の摘出(分離)に際してのビーム照射方法が全く異なり、本発明では、摘出試料をなるべく薄くして、底面の分離を簡便にするために長手方向(TEM観察面に平行方向)の側面を傾斜加工すること、(2)摘出試料は移送手段とは別の部材である試料ホルダに移設すること、(3)試料ステージの形態がサイドエントリ型で摘出すべき元の試料を設置するステージと、解析装置に導入するステージを別にして、試料作製時には2本のステージを抜き差しする方式であるため、試料作製から観察など後に続く材料解析までの時間が大幅に削減されることにある。
また、上記実施例では観察(解析)すべき試料を試料片2からプローブ18にデポジション膜77によって接着して摘出し、試料ホルダ9に固定したが、本願の基本的装置構成では、以下の方法についても適用可能である。
つまり、観察(解析)すべき最終形態の試料(例えばTEMの観察用薄膜のみ)を第1ステージ7A上の試料片2上で作製しておき、プローブ18との静電気力によって上記最終形態の試料を吸着させ、摘出する。次に第1ステージを引き抜き、第2ステージを挿入する。ここで第2ステージ7B’は図9に示されるとおり固定治具91と押さえばね92を有し、カーボン等電子の透過しやすい薄膜をコーティングした従来のTEM試料保持用メッシュ(例えば金網状)90が設置可能である。このメッシュ90上にプローブ18により摘出した上述の最終形態の試料を載置する。最終形態の試料とメッシュ90はやはり静電気力により吸着する。その後、第2ステージ7B’を試料作製装置1から引き抜き、そのままTEMに挿入するだけでTEM観察することができる。もちろんTEM以外の解析装置にさし込むことでその他解析も可能である。
本実施例は、第2ステージをTEM以外の解析装置に搭載する例である。
実施形態例1においては第2ステージ2BはTEM装置と試料作製装置の兼用のステージとしたが、解析装置としてTEMに限定されることはなく、インレンズ式のSEM(走査型電子顕微鏡)や、インレンズ式のSIMS(二次イオン質量分析装置)、AES(オージェ電子分光分析装置)、回路特性測定装置でもよく、勿論、TEMやSEMにEDX(電子X線回折分光分析装置)機能を付加して、元素分析に用いる試料ステージであってもよい。
以上の工程で、突起形状100の4断面をSEMで観察することができる。
本実施例は、第1ステージを解析装置に搭載する例である。
特に、ここでは試料断面をSEMで観察する例を示す。即ち第1ステージ7Aは試料作製装置1とSEMの兼用ステージである。図11(a)は第1ステージ7Aの先端部の拡大図であり、試料設置部53に観察する試料片2を載置した状態で試料作製装置1に導入した状態を示している。FIB3aにより試料片2’を加工し、試料片2’の拡大図である図11(b)に示すとおり所望の観察断面110を形成する。加工後にこの第1ステージ7Aを試料作製装置1から取出し、そのままSEMに導入する。図11(c)はSEMに導入した第1ステージ7Aの先端部の拡大図であり、図11(d)の試料片2’拡大図に示されるようにSEMの観察用電子ビーム112が所望の観察断面110に照射されるように第1ステージ7Aを傾斜させることで断面観察を行うことができる。この第1ステージ7Aは試料設置部53に回転機構を持つため、例えば図11(b)断面111を観察したい場合にもSEM内で断面111が第1ステージ7A傾斜軸と平行になるように回転調整し、第1ステージ7Aを傾斜させて断面111に電子ビーム112が照射されるようにすることで容易にSEM観察できる。ここで、もし追加工が必要な場合は、このまま第1ステージ7Aを試料加工装置1に戻して再加工して、再度SEMに戻すことで容易に観察を行うことができる。
このように第1ステージ7Aを試料加工装置とSEMの兼用ステージとすることで、従来のような断面加工後のSEM専用ステージへの試料の置き直し等の手間が無く、容易に観察できるようになる。また、この第1ステージは実施形態3で説明したような他の解析装置にも導入できる形態にすることで、上記のSEMと同じく高効率で観察を行うことができる。
Claims (16)
- イオンビームの照射光学系と、上記イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、サイドエントリ型試料ステージを搭載して微動させる試料ステージ微動手段を少なくとも有し、さらに、上記サイドエントリ型試料ステージが上記試料片を載置する第1試料ステ−ジ、および、上記摘出試料を載置する試料ホルダを着脱できる第2試料ステ−ジであることを特徴とする試料作製装置。
- イオンビームの照射光学系と、上記イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、上記イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成する原料ガスを供給するデポジション用ガス供給源と、試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、サイドエントリ型試料ステージを搭載して微動させる試料ステージ微動手段を少なくとも有し、さらに、上記サイドエントリ型試料ステージが上記試料片を載置する第1試料ステ−ジ、および、上記摘出試料を載置する試料ホルダを着脱できる第2試料ステ−ジであることを特徴とする試料作製装置。
- 請求項1、請求項2記載の試料作製装置において、上記イオンビームが集束イオンビームもしくは投射イオンビームのうちの少なくともいずれかであることを特徴とする試料作製装置。
- 請求項1、請求項2記載の試料作製装置において、上記第1試料ステージは上記試料片を載置する試料設置部が上記第1試料ステージ軸に垂直な軸に中心に回転できる回転機構を有することを特徴とする試料作製装置。
- 請求項1、請求項2記載の試料作製装置において、上記第2試料ステージは集束イオンビーム装置、投射イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかに装填できる試料ステージであることを特徴とする試料作製装置。
- 請求項1、請求項2記載の試料作製装置において、上記第2試料ステージは集束イオンビーム装置、投射イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかに装填するための試料ホルダを載置するホルダ設置部を有することを特徴とする試料作製装置。
- 請求項1、請求項2記載の試料作製装置において、上記第1試料ステージは集束イオンビーム装置、投射イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかに装填できる試料ステージであることを特徴とする試料作製装置。
- 請求項1、請求項2記載の試料作製装置において、さらに、試料のイオンビームアシスト増速エッチングを可能にするガスを供給するエッチングガス供給源を有していることを特徴とする試料作製装置。
- サイドエントリ方式の第1試料ステージに搭載した試料片をイオンビームによって加工し、移送手段によって上記試料片の一部を摘出した摘出試料を一旦保持し、上記第1試料ステージに変えてサイドエントリ方式の第2試料ステージを装填して、摘出した試料を上記移送手段によって上記第2試料ステージ上の試料ホルダに移設し、上記イオンビームによって所望の分析手段、観察手段または計測手段に好適な試料形状に加工を施すことを特徴とする試料作製方法。
- 請求項9に記載の試料作製方法による試料作製の後、摘出した試料を搭載した第2試料ステージを所望の分析手段、観察手段または計測手段に装填して所望の分析、観察または計測による解析を行なうことを特徴とする試料解析方法。
- 請求項9に記載の試料作製方法において、上記分析手段、観察手段または計測手段が、特に、集束イオンビーム装置、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、オージェ電子分光分析装置、電子プローブX線微小分析装置、電子エネルギ欠損分析装置、二次イオン質量分析装置、二次中性粒子イオン化質量分析装置、X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測装置のうちのいずれかであることを特徴とする試料解析方法。
- 請求項9に記載の試料作製方法において、上記イオンビームが集束イオンビームまたは投射イオンビームであることを特徴とする試料解析方法。
- 請求項9から12のいずれかに記載の試料作製方法において、特に、上記第1試料ステージに複数の試験片を搭載して、上記試験片の各々から一部を摘出して上記試料ホルダ上に移設することを含むことを特徴とする試料作製方法。
- 請求項9から12のいずれかに記載の試料作製方法において、特に、上記第1試料ステージに搭載した1個の試験片から複数の部分を摘出して上記第2ステージに設置された上記試料ホルダに移設することを含むことを特徴とする試料作製方法。
- 請求項9から12のいずれかに記載の試料作製方法において、特に、上記第1試料ステージに搭載した1個の試験片から複数の部分を摘出して上記第2ステージに設置された上記同一の試料ホルダに移設することを含むことを特徴とする試料作製方法。
- 観察、分析あるいは計測するための試料作製方法であって、サイドエントリ方式の第1試料ステージに搭載した試料片に対して所望の分析または観察または計測すべき領域を判別する目印を試料に付けるマーキング工程と、イオンビ−ム照射によって上記目印の周囲に複数の垂直穴を形成する工程と、試料ステ−ジを傾斜させてイオンビ−ム照射によって上記試料片の表面に対して斜め溝を形成する工程とによって、試料片に支持部で保持されたクサビ形状の片持ち試料を形成する工程と、上記第1試料ステ−ジを水平に戻して、上記片持ち試料の一部に移送手段の一部を接触させ、デポジションガスを供給しつつ上記接触部を含む領域にイオンビ−ム照射してデポジション膜を形成することで上記片持ち試料と移送手段の一部を固着させる工程と、イオンビ−ム照射することで上記支持部を切断する工程と、上記第1試料ステ−ジと上記移送手段を相対的に離間させる工程と、上記第1試料ステージを装置から引き抜く工程と、上記第1試料ステージに代わって第2試料ステージを装置に挿入する工程と、上記第2ステージ上に設置された試料ホルダが上記摘出試料のほぼ直下に位置するように移動させる工程と、上記摘出試料を上記移送手段を駆動して上記試料ホルダに接触させ、デポジションガスを供給しつつ上記試料ホルダと上記摘出試料の接触部の一部にイオンビ−ム照射してデポジション膜を形成することで、上記摘出試料と上記試料ホルダを固着させる工程と、イオンビームを照射することで上記移送手段と上記摘出手段を分離する工程と、上記摘出試料を上記分析装置、観察装置または計測装置のうちの少なくともいずれかに最適なサンプルを作製する工程とを含むことを特徴とする試料作製方法。
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