JP3965761B2 - 試料作製装置および試料作製方法 - Google Patents

試料作製装置および試料作製方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集束イオンビームと移送手段を利用して、試料片から分析や観察に必要な部分のみを摘出して、試料ホルダに固定して、分析や観察に好適な形状に加工する試料作製装置および試料作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体の高集積化に伴い、分析や観察の対象物が走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略記)の分解能では観察できないほど極微細なものについても解析の必要性が高まり、SEMに代わって観察分解能が高い透過型電子顕微鏡(以下、 TEMと略記)が有力な装置となっている。
【0003】
従来のTEM用の試料作製方法は、ミクロトームや研磨,イオンシニングなどを用いた方法が良く知られているが、所望の観察領域をμmレベルで限定して試料を作製することは殆ど不可能であるとともに、一試料作製に数日も要していた。
【0004】
最近では集束イオンビーム(以下、FIBと略す)加工を利用する例が定着しつつある。これは、まず、ダイシング装置を用いてウエハ等の試料から観察すべき領域を含む短冊状ペレットを切り出す。このペレットの大きさは、おおよそ3×0.1×0.5mm(0.5mmはウエハの厚み)である。この短冊状ペレットの一部を薄壁状にFIB加工してTEM試料とする。
【0005】
FIB加工されたTEM観察用の試料(TEMサンプル)は図2(a)や(b)に示したような形状をしている。断面形状は逆T字形状であったり、L字形状の場合もあり種々変形もあるが、基本とするところは短冊状の試験片の一部をTEM観察用に薄いウォール状に加工してあることにある。試料の上部42の幅は約50μm、下部43の幅は約100μmで、TEM観察部41,41′の寸法はおおよそ10μm×5μmで、厚さ約0.1μm程度である。
【0006】
このような試料をTEM試料として、TEMホルダをTEMステージに搭載し、TEM装置に導入してウォール部41,41′を観察する。この方法によって、所望の観察部をμmレベルで位置出しすることが可能になった。また、この手法に関しては、例えば、E.C.G.Kirkらが、論文集Microscopy of Semiconducting Materials 1989,Institute of Physics Series No.100.,p.501−506(公知例1)において説明している。
【0007】
最近では、FIB装置とTEM装置の両方で兼用できる試料ステージが用いられている。図2(c)はその試料ステージの概略形状で、サイドエントリ型の試料ステージである。握り部33は試料ステージ31を装置内への出し入れの際に手で持ったり、試料の回転調整をするための部分であり、円柱部32の先端に図2(a),(b)のような試料35が固定治具36,36′によって固定されている。FIB加工時にはウォール部41,41′に平行にFIBを照射し、TEM観察時にはウォール面に垂直に電子線を照射するため、この試料ステージはFIB加工時とTEM観察時とで90°軸回転させて用いる。このような試料ステージにより、FIB装置内で加工した試料を直ちにTEM装置内に持ち込んで観察することが可能になった。しかし、FIB加工を利用しても加工時間は一つの試料に3から5時間も要している。
【0008】
このように、TEMは高分解能観察が期待できるが、試料作製に多大の時間と、神経を尖らして行わねばならない熟練技能的な手作業を要するという面を持ち合わせている。
【0009】
また、ウエハから特定の微小試料を摘出する方法として、特開平5−52721号公報(公知例2)がある。
【0010】
さらに、ウエハから微小試料を摘出する別の方法として、第58回応用物理学会学術講演会講演予稿集(1997.10秋田大学)3p−ZL−8,p.666に、『FIB加工とマイクロマニピュレーション技術を用いたTEM試料作製法』(公知例3)と題して報告されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、分析や観察,計測するのに好適な試料を作製する場合、多くの問題をかかえていた。特に、TEM試料作製を例にあげると、以下のような問題点があった。
【0012】
(1)TEM試料を作製するには、イオンシニングや研磨機、もしくは、ダイシング装置やFIB装置など複数の装置が必要である。
【0013】
(2)試料作りからTEM観察までの作業が煩雑で時間を要するものであった。
【0014】
(3)FIB法においても試料ステージへの取付け作業があり、作業者の神経を使わせると共に、落下,紛失などの事故発生の可能性を秘めている。また、
TEM観察後、別の試料と交換する際にも同じ危険性を秘めている。
【0015】
上記問題点に鑑み、本発明の第1の目的は、試料作りから分析や観察,計測までの作業が簡便で、試料作製が一つの装置でできる試料作製装置を提供することであり、また、本発明の第2の目的は、試料作りから分析や観察,計測までの作業が簡便な試料作製方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(1)上記第1の目的を達成するためには、試料作製装置を、集束イオンビームの照射光学系と、上記集束イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、上記集束イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成するガスを供給するデポガス源と、上記試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、上記試料片と上記摘出試料とを載置するサイドエントリ型の試料ステージとを少なくとも具備する構成とすればよい。
【0017】
(2)特に、上記(1)の試料ステージは上記試料片を載置する試料片設置部と、上記摘出試料を固定する試料ホルダの試料片設置部とを有する構造とする。
【0018】
(3)特に、上記(1)の試料片設置部と試料片設置部は、上記試料ステージを試料作製装置に装着した状態で、上記試料片設置部と上記試料片設置部は同一真空環境にある構造にする。
【0019】
(4)上記(2)または(3)における試料ステージは、上記試料片を載置する試料片カセットが上記試料片設置部に着脱可能な構造とする。
【0020】
(5)上記(1)から(4)のいずれかの試料作製装置における試料ステージは、上記試料片設置部を複数個有した構造とする。
【0021】
(6)上記(1)から(5)のいずれかの試料作製装置における試料ステージは、上記試料片設置部と上記試料ホルダ設置部のそれぞれのほぼ中央が上記集束イオンビームの光学軸で一旦停止できる試料ステージ停止手段を有している構造とする。
【0022】
(7)上記(1)から(6)のいずれかの試料作製装置における試料ステージは、他の分析手段,観察手段または加工手段と兼用できる構造とする。
【0023】
(8)また、上記(7)の分析手段,観察手段または加工手段は、集束イオンビーム装置,透過型電子顕微鏡,走査型電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,オージェ電子分光分析装置,電子プローブX線微小分析装置,電子エネルギ欠損分析装置,二次イオン質量分析装置,二次中性粒子イオン化質量分析装置,X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測のうちの少なくともいずれかであることで、所望の試料片を的確に解析できる。
【0024】
(9)さらに、集束イオンビームの照射光学系と、上記集束イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、上記集束イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成するガスを供給するデポガス源と、上記試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、上記試料片と上記摘出試料とを載置するサイドエントリ型の試料ステージとを少なくとも具備する試料作製装置における上記試料ステージに対して上記試料片を載置する着脱可能な試料片カセットが、複数個搭載でき、上記試料カセット上の試料片を保存できる構造である試料カセットホルダを用いる。
【0025】
(10)または、上記(9)の試料カセットホルダにおいて、上記試料カセットの各々に試料識別用の文字または記号を記し、上記文字または記号と同じ文字または記号を試料カセットホルダにおける上記試料カセット載置位置に記した試料カセットホルダを用いる。
【0026】
(11)または、集束イオンビームの照射光学系と、上記集束イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、上記集束イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成するガスを供給するデポガス源と、上記試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、上記試料片と上記摘出試料とを載置するサイドエントリ型の試料ステージとを少なくとも具備する試料作製装置における上記試料ホルダに対して、上記試料ホルダの各々に試料識別用の文字または記号を記した試料ホルダを用いる。
【0027】
上記(8)〜(11)によれば、試料片を簡便に間違えなく管理することができる。また、以下の方法によれば、試料の作成や解析が容易にできる。
【0028】
(12)また、上記第2の目的は、サイドエントリ方式の試料ステージに搭載した試料片を集束イオンビームによって加工し、移送手段によって上記試料片の一部を摘出して、摘出した試料を上記移送手段によって上記試料ステージ上の試料ホルダに移設し、上記集束イオンビームによって所望の分析手段,観察手段または計測手段に好適な試料形状に加工を施す試料作製方法によって達成できる。
【0029】
(13)また、サイドエントリ方式の試料ステージに搭載した試料片を集束イオンビームによって加工し、移送手段によって上記試料片の一部を摘出して、摘出した試料を上記移送手段によって上記試料ステージ上の試料ホルダに移設し、上記集束イオンビームによって所望の分析手段,観察手段または計測手段に好適な試料形状に加工を施す試料作製方法によって得られた試料を、所望の分析,観察または計測による解析を行う試料解析方法。
【0030】
(14)または、サイドエントリ方式の試料ステージを試料作製装置に挿入し、上記試料ステージに搭載した試料片を集束イオンビームによって加工し、移送手段によって上記試料片の一部を摘出して、摘出した試料を上記移送手段によって上記試料ステージ上の試料ホルダに移設し、上記集束イオンビームによって所望の分析手段,観察手段または計測手段に好適な試料形状に加工を施した後、上記試料ステージを上記試料作製装置から引き抜き、上記試料ステージを上記分析手段,観察手段または計測手段に挿入して、上記試料に対して所望の分析,観察または計測による解析を行う試料解析方法。
【0031】
(15)上記(11)から(14)のいずれかに記載の試料作製方法で、特に、上記試料ステージに複数の試験片を搭載して、上記試験片の各々の一部を摘出して上記試料ホルダ上に移設する手順を含む試料作製方法。
【0032】
(16)または、上記試料ステージに搭載した1個の試験片から複数の部分を摘出して上記試料ホルダに移設する手順を含む試料作製方法。
【0033】
(17)さらに、上記(11)から(14)のいずれかに記載の試料作製方法で、特に、上記分析手段,観察手段または計測手段がオージェ電子分光分析,電子プローブX線微小分析,電子エネルギ欠損分析,二次イオン質量分析,二次中性粒子イオン化質量分析,X線光電子分光分析,透過型電子顕微鏡,走査型電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,計測手段がプローブを用いた電気計測のうちの少なくともいずれかである場合について、所望の試料の解析を短時間で達成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
本発明による試料作製装置の実施の形態は、集束イオンビームの照射光学系と、上記集束イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、上記集束イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成する原料ガスを供給するデポガス源と、上記試料片の一部を分離した摘出試料を試料ホルダに移し変える移送手段と、上記試料片と上記摘出試料とを載置するサイドエントリ型の試料ステージとを少なくとも具備する構成とする。以下、さらに具体的に実施例を掲げて説明する。
【0035】
<実施例1>
図1は、本発明による試料作製装置の一実施例を示す概略構成図で、特にTEM観察用の試料作製を例にして説明する。
【0036】
試料作製装置1は、試料片や摘出試料の加工や観察をするFIB照射光学系2,このFIB照射によって試料から放出される二次電子や二次イオンを検出する二次粒子検出器3,FIB照射領域にデポジション膜を形成するための原材料ガスを供給するデポガス源4,半導体チップやウエハを分断した試料片を載置する試料片設置部5と試料片の一部を固定する試料ホルダ6の固定部を有するサイドエントリ型の試料ステージ7,試料片の一部を試料ホルダ6に移し変える移送手段8などを少なくとも有した構成であり、さらに、試料ステージ7を試料室9に導入するための試料ステージ挿入口10と、上記試料ステージ7の位置を制御するためのステージ制御手段11,移送手段8を駆動するための移送手段制御手段12,試料ホルダ6や試料片や移送手段8などを映像化する画像表示手段13,FIB照射光学系2を制御するFIB制御手段14,デポガス源4の温度調整やバルブの開閉を制御するデポガス源制御手段15,二次粒子検出器3への印加電圧を制御する二次粒子検出器制御手段16などは計算処理装置18により制御される。
【0037】
FIB照射光学系2は、すでによく知られた光学系であり、液体金属イオン源20から放出したイオンをビーム制限アパチャ21,集束レンズ22,対物レンズ23を通すことでビーム直径10nm程度から100nm程度のFIB24を形成できる。FIB24を偏向器25を用いて試料片上を走査することで、試料表面にμmからサブμmレベルの走査形状に対応した加工ができる。ここでの加工とは、スパッタリングによる凹部や、FIBアシストデポジションによる凸部、もしくは、これらを組み合わせて試料片の形状を変える操作を指す。FIB照射によって形成するデポジション膜は、移送手段8の先端にあるプローブ(針状部材)26と試料片を接続したり、試料片の一部を試料ホルダ6に固定するために用いる。また、FIB照射時に発生する二次電子や二次イオンを二次粒子検出器3で検出して画像化することでプローブや試料片表面,加工領域などを観察することができる。
【0038】
試料ステージ7はサイドエントリ方式である。サイドエントリ型試料ステージは試料室の真空を開放することなく試料室9に挿入して設置できる。また、抜き出したい時も、試料室9の真空を破ることなく引き抜くことができる。走査型電子顕微鏡や透過型電子顕微鏡に用いられていて、サイドエントリ型ステージおよびその挿入口の原理は公知であるが、ここで用いた試料ステージ7の構造は本発明に係わる新規な構造であるため図3を用いて詳述する。
【0039】
図3(a)はイオン光学軸に垂直な方向から見た図で、図3(b)はイオン源側から見た図である。本試料ステージ7は、円柱部52と、試料ステージ7を持ったり操作するための握り部53と、ウエハやチップから切断した試料片54を搭載するための試料片設置部5と、その先端に観察試料を搭載するための試料ホルダ6の固定部55と、試料ステージ7の荷重を支えたり、振動を軽減したり、回転軸のブレを防ぐための最先端に設けた小突起56などで構成されている。この小突起56を支える支持部が試料ステージとはほぼ同軸にあるが、図示は省略した。また、試料ステージ7の円柱部52が長いため、図では途中を省略している。
【0040】
試料ホルダ6は固定部55にネジなどの抑え具57,57′を利用して固定される。試料片54の表面と摘出した摘出試料58に形成するウォール面はほぼ垂直な関係にあり、摘出試料58を固定する試料ホルダ面とはほぼ同一面の位置関係にある。また、試料ステージ7は、ステージ制御装置11(図1参照)によって3次元(X,Y,Z)方向の移動および回転制御ができる。このように、本試料ステージ7は、試料片54を搭載する試料片設置部5と摘出試料58を固定する試料ホルダ6を同一の試料ステージ上に搭載できるサイドエントリ構造であることが最大の特徴である。
【0041】
また、試料ホルダ6の固定部55はFIB59の入射を阻害しないように上部が開放状態にあり、このステージはFIB加工にもTEM観察にも兼用できる。このため、試料作製装置1内で加工した観察試料を試料ステージ7の挿入口10から抜き挿しするだけで、直ちにTEM観察することができることも大きな特徴である。つまり、試料片54から摘出した微小な摘出試料58を別の特殊な試料加工装置や緊張と熟練を要する手作業を施すことなく、分析や観察に適した試料形状に加工して、試料ステージを抜き挿しするだけで、直ちに分析や観察作業に移ることができる。図3(b)は図3(a)を90°軸回転させた状態を示し、TEM観察時の電子線61の通過方向は紙面に平行となる。
【0042】
さらに、図3(c)は別の試料ステージの先端部の一例を示したものであり、試料片設置部5′に回転機構68を設けて試料片54′を面内回転できるようにした例である。この構造により、試料を面内回転でき、試料片54′の所望の観察面(分析面または計測面)を試料ステージの軸に平行に設定することができ、摘出試料を試料ホルダに移設する場合、移送手段に回転等の複雑な動きをさせる必要がなくなる。
【0043】
また、試料ステージ7は、試料ステージ挿入口10からの挿入の際、試料片固定部5と試料ホルダ6のそれぞれほぼ中央部で一旦停止できる構造を有している。図4は円柱部52の停止線と、試料ステージ挿入口10での真空シール部とを説明するための部分断面(円柱部52のみ断面ではない)を示している。紙面左側が真空部(試料室内)で、右側が大気側である。円柱部52には真空シールのためのOリング70が接し、試料ステージ7の挿入時に所定の停止線72,73で停止するためのストッパを備えている。このストッパは円柱部52に刻まれた溝77に球体75がバネ材76によって押しつけられることで、円柱部52は軸方向への移動を一旦停止することができる。
【0044】
図4(a)は試料ホルダ(摘出試料)がFIB照射領域にある状態で、指示部78は停止線72を示している。また、図4(b)は試料片がFIB照射領域で停止している状態で、停止線73を指している。停止状態を試料ホルダ(摘出試料)から試料片設置部(試料片)に、またはその逆に操作するには、試料ステージを円周方向に僅かに回転させて、押し込むか引き出せばよい。これにより試料ステージを設置する際、試料片54または摘出試料58のいずれかが必ず視野に入る。逆に、試料ステージを完全に引き抜く場合には、軸方向に右向きに移動させれば、金属球は溝から外れて容易に引き抜くことができる。このようにして、それぞれの停止位置でFIBを照射し、目的とする領域を素早く視野中央に移動させることができる。中央部からずれている場合には、試料ステージ制御装置11によってX,Y移動させて探索することができる。なお、Oリング70はOリング支持体71によって支えられている。
【0045】
なお、この実施例では試料ステージの位置合わせに円柱部52に溝77を設ける方法を示したが、本方法に限ることはなく、試料室の壁面と握り部53の一部など試料ステージの基準部との間隔の計測手段を設置しておくことで、試料ステージを試料ホルダか試料台のいずれかに停止させることができる。
【0046】
また、本実施例では、試料片設置部が1個の場合を説明したが、複数の場合でも同様で、複数の異なった試料からサンプリングする場合に一々試料ステージを装置から取り出す必要がないという効果がある。
【0047】
次に、試料ステージの別の実施例を図5で説明する。図5(a)は試料ステージ7の先端部の側面図で図5(b)は上面図である。本実施例は、試料ステージにおける試料片設置部を使いやすくした例で、試料片設置部の一部を試料カセット62として取外し可能にした。試料カセット62は試料片54の設置面60を有しており、円柱部52に組み込んでネジ61などによって固定することができる。試料カセット62の設置面60を試料ステージの中心軸52′よりわずかに下に設定し、試料片54を搭載した時に、試料片54の表面が中心軸52′にほぼ一致するように試料カセット62を選択する。この構造により、試料ステージを回転させても、試料の目的とする位置は視野から大きく逃げることはないので、試料を傾斜加工する場合には好都合である。また、種々の試料片を予め複数の試料カセットに搭載して準備しておくことで、必要に応じた試料片交換が非常に迅速にできる。
【0048】
図5(c)は試料カセット62の斜視図である。63は固定のためのネジのザグリ穴、60が試料片59の設置面である。また、試料作製後も試料カセット
62ごと保管することができる。
【0049】
また、試料カセットは1個の試料ステージに1個のみを設けるとは限らず、複数個設置してもよい。図6(a)は、1個の試料ステージに2個の試料カセット62a,62bを設けた例であり、2個の異なった試料片54a,54bを同一の試料ステージに設置できる。一度、試料作製装置に入れることで、両方の試料片54a,54bからサンプリングすることができる。本方法によって得られる摘出試料は10μm程度であるので、1個の試料ホルダ6に数個の摘出試料を十分に固定できるため、上記のような複数個の試料片を設置できる試料ステージを用いることで、試料ステージの出し入れ、試料片の交換などの作業を必要とせず、また、交換のたびに真空排気作業を開始するなど時間の要する作業はなくなり、作業効率は大幅に向上する。本例では試料カセットを2個設置する場合について説明したが、これ以上の複数個でもよい。
【0050】
図6(b)は試料カセット62を保管するための試料カセットホルダ64である。一旦試料作製を行っても、その周辺を再度観察する必要が生ずる場合がある。このような場合、試料カセット62ごと試料カセットホルダ64に保管しておくことで、再度試料作製することが容易にできて便利である。図6(b)の試料カセットホルダ64は複数の試料カセット62を固定することができる。また、試料カセット62の一部に試料片の識別のための記号または文字65を付けておき、さらに、その記号や文字65に対応して試料カセットホルダ64にも記号や文字66を刻印しておくことで、多くの試料片を間違いなく保管管理することができる。さらに、この試料カセットホルダ64ごと真空容器に保管することで試料片の酸化などの変質を軽減することができる。
【0051】
図7は本発明による試料作製装置で用いた試料ホルダ6の一例の外観形状である。本実施例の試料ホルダ6はシリコンウエハをダイシングソーを利用して短冊状に切断したものである。本実施例での大きさは、長さ2.5mm ,幅50μm,高さ0.5mm(シリコンウエハ厚)程度で、シリコンウエハ面を摘出試料の固定面とすることで、摘出試料58を固定面に固着してTEM観察を行っても固定面の凹凸で電子線照射を阻害されることはない。また、試料ホルダ6面には、識別記号を付けておくと試料管理が確実になる、識別記号はFIBやレーザによって作り込むことができる。識別記号67の大きさを数十μmとしておけば光学顕微鏡でも、真空容器内でSEM像(電子線照射による二次電子像)やSIM像(FIB照射による二次電子像)でも確認することができる。
【0052】
試料ホルダの形状はここに示した形状や寸法に限ることはないが、固定面をウエハ面にすることと、幅をできる限り薄くすることがTEM観察をしやすくするために必要である。このようにホルダ形状について一例を示したが、基本とするところは試料固定面を極力平滑とし、幅をなるべく薄くしたことにあり多くの変形は容易である。
【0053】
図8は本実施例で用いた移送手段8の詳細構造を示している。移送手段8は粗動部80と微動部81の二つの部分から構成されている。粗動部80は狭窄部82を支点として支柱83が3個のエンコーダ84X,84Z,84Y(図示せず)によってXYZ軸方向に移動できる。粗動ストロークや移動分解能はエンコーダの性能と、狭窄部82からエンコーダとプローブ26の先端までの距離の比によるが、本実施例では5mmのストローク、2μmの分解能を有している。エンコーダによる力に抗する力はバネ85a,85bを用いている。粗動部80の駆動系は試料室27のポートを介して大気側にあり、試料室内の真空はOリング86,ベローズ87によって保持されている。
【0054】
微動部81はZ軸のみでバイモルフ圧電素子88を用いている。バイモルフ圧電素子88は他の圧電素子に比べて比較的大きなストローク(数100μm以上)を持つ利点を有する。このため、粗動部には高い位置精度を要求する必要はなく、本実施例で用いた粗動部80は駆動時には数μmの振動を伴うが、静止時の振動はほとんど無視できるため、微動部81を用いて試料片に最接近させ、接触する方法をとった。この時、先端のプローブ26の先端の位置制御はμmオーダの分解能があればよいので、圧電素子のなかでは比較的分解能が悪いバイモルフ圧電素子でも十分対応でき、安価に作製できる。
【0055】
バイモルフ圧電素子88の先端には、直径50μmの細いタングステン線で先端半径0.5μm 程度にまで針状に加工したプローブ26を連結し、粗動部80とは支柱83によって連結した。バイモルフ圧電素子88に電圧を与えることで、プローブ26の先端はおおよそZ方向に微動する。符号89は圧電素子に電圧を与えるための電圧導入端子である。
【0056】
前記公知例2によれば分離試料を搬送する搬送手段はバイモルフ圧電素子3個をXYZ軸に対応して構成している。バイモルフ圧電素子は一端を支点にして他端がたわむ動きをするため、他端は印加電圧に従って円弧を描く。このバイモルフ圧電素子を3軸に組んで構成すると複雑な動きとなる。例えば、XY平面内の移動でも1個のバイモルフ圧電素子の動作のみでは搬送手段先端のプローブが1軸方向に直線的に動作しないため、所望の位置にプローブを移動させることが難しい。従って、3個のバイモルフ圧電素子で微動部を構成すると、プローブ先端を所望の位置に移動させるためには3個のバイモルフ圧電素子を非常に複雑に制御しなければならない。これに対して、本実施例では3軸を直交して動く粗動機構を設け、微動部の1軸のみにバイモルフ圧電素子を用いることで、プローブの位置出しの複雑性は軽減される。
【0057】
本発明では、移送手段8は試料ステージ7と独立して、お互いの動作を干渉しないようにしている。さらには、サイズの大きくなりがちな粗動部80は試料基板から極力離間させて設置して、微動部81はZ軸のみの微動機構で構成して、二次粒子検出器やデポガス源など周辺の他の構造物との干渉を避けている。このように移送手段8には、構成,サイズ,設置位置を充分に考慮しなければならないが、本発明による試料作製装置ではこれらすべてを解決している。
【0058】
以上のような構成をした試料作製装置によって、装置内で試料片から所望の一部のみを摘出して試料ホルダに固定できるため、試料ステージを試料作製装置から引き抜き、そのままTEM、もしくは他の観察装置や分析装置,計測装置に搭載できるので、分析や観察,計測に至るまでに熟練や時間を要する試料作製に関する従来の手作業は一切なく、大幅な時間短縮と試料作製時の精神的圧迫から開放される効果を持つ。さらに、TEM試料については、作製した試料のTEM観察の結果、ウォール部が厚いなど、所望形状になっていない場合には、試料ステージをTEMから引き抜き、再度そのまま試料作製装置に挿入するだけで、直ちにFIBによる追加工ができる簡便さを有する。
【0059】
<実施例2>
本実施例2では本発明による試料作製装置を用いた試料作製方法について図9を用いて説明する。
【0060】
試料片からその一部の微小試料を摘出するためには、微小試料を基板から分離することが必須である。
【0061】
公知例2に示された方法では、切断面が5面もあり、加工時間がかかる。また、底面を分離加工すると、イオンビーム入射角と加工アスペクト比からなる傾斜がつく。試料基板の表面に対しほぼ垂直な断面やウォールを形成するためには、底面の傾斜を小さくして底面を表面に平行に近くすることが必須で、そのためには試料傾斜を極力大きくしなければならないという問題点を有している。従って、本発明が目指すような加工時間が短く、摘出した試料を別の部材である試料ホルダに移設する際、試料ステージを大きく傾斜させるなどの操作が極力少ない試料作製方法を検討しなければならない。
【0062】
以下に、本発明による試料作製方法の具体的手順を説明する。ここでは、試料の例としてTEM観察用の試料の作製方法について、観察すべき領域のマーキングから最終的なウォール加工まで、すべて同一装置内で行う方法を説明する。また、手順を明確にするために以下にいくつかの工程に分割する。
【0063】
(a)マーキング工程:(図a)
まず、試料ステージを試料片100がFIB照射領域に入る位置に停止させる。試料片100上に、TEM観察面101′を特定する目印101a,101bを、FIBによってマーキングする。2個の目印101a,101bの間がTEM観察面101′で、両者の間隔は10μmである。また、本実施例では+マークであるが、これに限定されるものではない。上記2個のマークを結ぶ直線が試料ステージの傾斜軸と平行になるように、試料ステージに内蔵された回転機構によって調整しておく。この調整によって、摘出した試料を試料ホルダに設置する際、移送手段に複雑な動きを強いることがなくなる。
【0064】
(b)矩形穴,細溝加工工程:(図b)
上記2個の目印101a,101bの両側にFIB102によって2個の矩形穴103a,103bと細溝104を形成した。
【0065】
矩形穴の開口寸法は例えば10×7μm,深さ15μm程度で、両矩形穴の間隔を30μmとした。いずれも、短時間に完了させるためにFIB直径0.15μm程度で電流約10nAの大電流FIBで加工した。加工時間はおよそ7分であった。
【0066】
次に、目印101a,101bを結ぶ直線より約2μm隔てて、かつ、一方の矩形穴103bと交わって、他方の矩形穴103aには交わらないように幅約2μm,長さ約30μm,深さ約10μmの細溝104を形成する。ビームの走査方向は、FIB102が試料100を照射した時に発生するスパッタ粒子で細溝104や矩形穴103a,103bが埋まらないようにする。矩形穴103aと交わらない小さな領域は、後に摘出すべき試料を支える支持部105となる。
【0067】
(c)傾斜溝加工工程:(図c)
次に、試料ステージを軸回転させることで、試料面を傾斜させる。本実施例では20°である。ここで、上記2個のマークを結ぶ直線は試料ステージの傾斜軸に平行に設定しているため、細溝104が下がる方向に傾斜させる。そこで、目印101a,101bを結ぶ直線より約2μm隔てて、矩形穴103a,103bを結ぶように、幅約2μm,長さ約32μm,深さ約15μmの細溝を形成する。FIB照射によるスパッタ粒子が形成した矩形穴103a,103bを埋めることがないように走査する。試料片100表面に対して斜めから入射したFIBによって斜溝106が形成され、先に形成した細溝104と交わる。目印101a,101bを含み、頂角が20°の直角三角形断面のクサビ型の摘出すべき試料107が、工程(b)によって形成した支持部105のみで保持されている状態になる。
【0068】
(d)プローブ固定用デポ工程:(図d)
次に、試料ステージを水平に戻し、摘出すべき試料107の上面で支持部105とは反対の端部に移送手段先端のプローブ108を接触させる。接触は試料とプローブとの導通や両者間の電気容量の変化によって感知できる。本実施例では両者間の導通によって検知した。また、不注意なプローブ108の押し付けによって、摘出すべき試料107やプローブ108の破損を避けるために、プローブ108が試料に接触した時点でZ方向駆動を停止させる機能を有している。次に、摘出すべき試料107にプローブ108を固定するために、プローブ108先端を含む約2μm平方の領域に、デポジション用ガスを流出させつつFIB102を走査させる。
【0069】
(e)摘出試料摘出工程:(図e)
上記工程によってFIB照射領域にデポ膜109が形成され、プローブ108と摘出すべき試料107とが接続される。
【0070】
摘出すべき試料107を試料片100から摘出するために、支持部105をFIB102照射によりスパッタ除去することで、支持状態から開放される。支持部105は試料面上から見て2μm平方,深さ約10μmであるため2〜3分のFIB走査で除去できる。上記の矩形穴103a,103bや細溝104,傾斜溝106を形成する工程は、観察面に大きく影響しないため、大電流のFIBで、多少加工位置ズレを起こしても、早く加工することが賢明である。
【0071】
(f)摘出試料上昇工程:(図f)
試料片100から完全に分離した摘出試料107′をプローブを上昇(+Z方向の移動)させ、試料ステージから遠避けて保持する。
【0072】
(g)試料ステージ移動工程:(図g)
支持部の切断後、プローブ137の先端に接続された摘出試料107′を試料ホルダに移設するが、実際には、サイドエントリ型の試料ステージを僅かに引き抜いて移動させ、FIB走査領域内に試料ホルダを移動させる。FIB走査領域内(SIM像視野内)に試料ホルダの中央付近が入る。次に、プローブを降下 (−Z方向)に移動させ、試料ホルダ110に接近させる。摘出試料107′と試料ホルダ110との接触は工程(d)同様両者間の導通によって検知する。
【0073】
(h)摘出試料固定工程:(図h)
摘出試料107′が試料ホルダ110に接触した時、デポガスを導入しつつ摘出試料107′と試料ホルダ110と接触部にFIB102を照射する。この操作によって摘出試料107′は試料ホルダ110に固定できる。本実施例では摘出試料107′の長手方向の端面にデポ膜113を形成した。FIB照射領域は3μm平方程度で、デポ膜113の一部は試料ホルダ110に、一部は摘出試料107′側面に付着し、両者が固定される。
【0074】
また、試料のTEM観察領域が試料ステージの回転中心軸上に配置されることが望まれるが、固定する試料が数μmから20μm程度の小ささであるため、実質的には、試料ホルダの上面が試料ステージの軸上に来るように配置しておけば、TEM視野内にTEM観察領域を出すことが容易にできる。
【0075】
(i)プローブ切断工程:(図i)
次に、デポ用のガスの導入を停止した後、プローブ108と摘出試料107′を接続しているデポ膜109にFIB102を照射してスパッタ除去することで、プローブ108を摘出試料107′から分離できる。この操作によって摘出試料107′は試料ホルダ110に自立する。
【0076】
(j)ウォール加工工程:(図j)
最後に、TEMによる観察部にFIB照射して、最終的に観察領域の厚さを100nm以下程度のウォール111になるように薄く仕上げ加工を施す。この時、摘出試料107′の長手方向の側面の一方が垂直面であるため、ウォール加工のためにFIB照射領域を決定する際、この垂直面を基準にすることで、試料基板表面にほぼ垂直なウォール111を形成することができる。また、FIB照射に先立ち、ウォール面をより平面的に加工するために、ウォール形成領域を含む上面にFIBデポ膜112を形成しておく。この方法は既によく知られている。このウォール加工の結果、横幅約15μm,深さ約10μm,幅0.1μm 以下のウォール111が形成でき、TEM観察領域ができあがる。以上、マーキングからウォール加工完成までの加工時間は約1時間で、従来のTEM試料作製方法に比べて数分の1に時間短縮できた。
【0077】
(k)TEM観察工程:(図示せず)
ウォール加工後、サイドエントリ型の試料ステージを試料作製装置から引き抜き、TEMの試料室に導入する。この時、電子線経路と、ウォール面が垂直になるようにTEMステージを回転させて挿入する。その後のTEM観察技術についてはよく知られているので、ここでは省略する。試料ステージがサイドエントリ型であるため、ウォール加工後、直ちに試料ステージを引き抜いてTEMに導入でき、また、観察試料に追加工が必要な場合、直ちに試料作製装置に戻して加工ができるという効果がある。
【0078】
上記の試料作製方法は、TEM試料に限らず、他の分析や観察手法、例えば、オージェ電子分光分析,電子プローブX線微小分析,電子エネルギ欠損分析,二次イオン質量分析,二次中性粒子イオン化質量分析,X線光電子分光分析,透過型電子顕微鏡,走査型電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,計測手段がプローブを用いた電気計測のための試料作製にも用いることが可能である。
【0079】
なお、本発明による試料作製方法と公知例2による試料の分離方法と大きく異なる点は、(1)試料の摘出(分離)に際してのビーム照射方法が全く異なり、摘出試料をなるべく薄くするためと、底面の分離を簡便にするために長手方向 (TEM観察面に平行方向)の側面を傾斜加工すること、(2)摘出試料は移送手段とは別の部材である試料ホルダに移設すること、(3)試料ステージの形態がサイドエントリ型であり、試料片と摘出試料を同一の試料ステージに搭載する方式であるため、試料作製から観察など後に続く材料解析までの時間が大幅に削減されることにある。
【0080】
このように、本試料作製方法を用いることで、デバイスチップや半導体ウエハの所望の箇所をマークしたその場で、熟練と緊張を要する手作業をすることなく、同一装置内でTEM観察用や他の分析や計測,観察のための試料を作製することできる。
【0081】
【発明の効果】
本発明による試料作製装置または試料作製方法によって、試料作製作業がすべて単一の装置内のみで行え、この試料作製装置自体が簡素であり、さらに、試料交換が非常に簡便である効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による試料作製装置を説明するための概略構成図。
【図2】従来のFIB装置に用いられているサイドエントリ型の試料ステージの概略構成図。
【図3】本発明の試料作製装置に用いた試料ステージの外観図であり、特に、(a)図は側面図、(b)図は上面図で、(c)図は試料片設置部が回転機構を有する場合の説明図。
【図4】本発明の試料作製装置の試料ステージに設置したストッパを説明するための図で、特に、(a)図は試料ホルダを光学中心部に設定した場合、(b)図は試料台を光学中心部に設定した場合を説明する図。
【図5】本発明の試料作製装置に用いた別の試料ステージの外観図であり、特に、(a)図は側面図、(b)図は上面図、(c)図は試料カセットの斜視図。
【図6】(a)図は、本発明の試料作製装置に用いた複数の試料カセットを有する試料ステージの実施例であり、(b)図は試料カセットホルダの一例を説明するための図。
【図7】本発明の試料作製装置に用いた試料ホルダの例を示す図。
【図8】本発明の試料作製装置に用いた移送手段の一例を示す断面図である。
【図9】本発明の試料作製方法を説明するための図。
【符号の説明】
1…試料作成装置、2…FIB照射光学系、3…二次粒子検出器、4…デポガス源、5…試料片設置部、6…試料ホルダ、7…試料ステージ、8…移送手段、9…試料室、10…試料ステージ挿入口、11…ステージ制御手段、24…FIB、40…TEMサンプル、41…TEM観察部(ウォール部)、52…円柱部、58…摘出試料。

Claims (15)

  1. 集束イオンビームを試料片に照射する照射光学系と、
    上記集束イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、
    上記集束イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成する原料ガスを供給するデポガス源と、
    上記試料片の一部を分離した摘出試料を移送する移送手段と、
    上記試料片と上記摘出試料とを載置するサイドエントリ型の試料ステージとを備えることを特徴とする試料作製装置。
  2. 請求項1に記載の試料作製装置において、
    上記試料ステージは、
    上記試料片を載置する試料片設置部と、
    上記摘出試料を固定する試料ホルダを設置する試料ホルダ設置部とを有することを特徴とする試料作製装置。
  3. 請求項1または2記載の試料作製装置において、
    上記試料ステージを設置する試料室を備え、
    該試料室は真空環境下にあることを特徴とする試料作製装置。
  4. 請求項2に記載の試料作製装置において、
    上記試料片設置部は上記試料片を載置する少なくとも1つの試料カセットを有し、
    該試料カセットは上記試料片設置部より着脱可能であることを特徴とする試料作製装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の試料作製装置において、
    上記試料ステージは上記試料片設置部を複数個有することを特徴とする試料作製装置。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の試料作製装置において、
    上記試料ステージの移動を制御するステージ制御手段を備えることを特徴とする試料作製装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の試料作製装置において、
    上記試料ステージは、他の分析手段、観察手段または加工手段と兼用可能であることを特徴とする試料作製装置。
  8. 請求項7記載の試料作製装置において、
    上記分析手段、観察手段または加工手段が、集束イオンビーム装置,透過型電子顕微鏡,走査型電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,オージェ電子分光分析装置,電子プローブX線微小分析装置,電子エネルギ欠損分析装置,二次イオン質量分析装置,二次中性粒子イオン化質量分析装置,X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測のうちのいずれかであることを特徴とする試料作製装置。
  9. 請求項2に記載の試料作製装置において、
    上記試料ホルダに識別記号を備えることを特徴とする試料作製装置。
  10. 請求項9に記載の試料作製装置において、
    上記識別記号はFIBもしくはレーザによって作製したことを特徴とする試料作製装置。
  11. 集束イオンビームを試料片に照射する照射光学系と、
    上記集束イオンビームの照射によって発生する二次粒子を検出する二次粒子検出手段と、
    上記集束イオンビームの照射領域にデポジション膜を形成するガスを供給するデポガス源と、
    試料片を載置する試料ステージと、
    上記集束イオンビームを上記試料片に照射して加工された上記試料片の一部を分離した摘出試料を摘出して移送する手段とを有し、
    上記試料ステージは、
    上記摘出試料を固定する少なくとも1つの試料ホルダを備え、
    該試料ホルダは、上記摘出試料を識別する識別記号を備えることを特徴とする試料作製装置。
  12. サイドエントリ方式の試料ステージに搭載した試料片を真空試料室内における集束イオンビームの照射によって加工する工程と、
    上記集束イオンビームの照射によって上記試料片の一部を分離した試料を摘出する工程と、
    上記摘出された試料を上記試料ステージに固定して所望の分析手段、観察手段または計測手段に好適な形状に加工する工程と、
    上記加工された試料を上記試料ステージに固定した状態で、所望の分析、観察または計測による解析を行う工程とを有することを特徴とする試料解析方法。
  13. 請求項12に記載の試料解析方法において、
    上記真空試料室内における、上記試料片より分離した上記試料の摘出及び移送は、移送手段によって行われることを特徴とする試料解析方法。
  14. サイドエントリ方式の試料ステージを試料作製装置に挿入する工程と、
    上記試料ステージに搭載した試料片を集束イオンビームによって加工する工程と、
    上記加工された試料片の一部の摘出試料を移送手段によって摘出する工程と、
    上記摘出試料を上記移送手段によって上記試料ステージ上の試料ホルダに移設する工程と、
    上記摘出試料を集束イオンビームによって所望の分析手段,観察手段または計測手段に好適な試料形状に加工を施す工程と、
    上記試料ステージを上記試料作製装置から引き抜いて、上記試料ステージを上記分析手段,観察手段または計測手段に挿入する工程とを有することを特徴とする試料解析方法。
  15. 請求項14に記載の試料解析方法において、
    上記分析手段,観察手段または計測手段は、
    透過型電子顕微鏡,走査型電子顕微鏡,走査プローブ顕微鏡,オージェ電子分光分析装置,電子プローブX線微小分析装置,電子エネルギ欠損分析装置,二次イオン質量分析装置,二次中性粒子イオン化質量分析装置,X線光電子分光分析装置、または、プローブを用いた電気計測のうちのいずれかであることを特徴とする試料解析方法。
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