JP4746168B2 - 携帯端末 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯端末に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5は特開平4−343529号公報に開示されている移動無線機の照明装置であり、この移動無線機の照明装置は、数字表示器1並びに番号キーや機能キーを有するキー操作部2のそれぞれに設けた照明手段3と、キー操作部2のキーの押し下げを検出するキー操作検出部4と、該キー操作検出部4によるキー操作の検出に応じて起動するタイマ5と、該タイマ5の作動時間中に照明手段への給電回路を閉じるスイッチ6と、タイマ5の作動時間中に周囲の光量を検出して電気信号に変換する受光素子7と、該受光素子7からの電気信号に基づき照明手段3へ給電を制御する電流制御回路8とを備えている。
【0003】
この移動無線機の照明装置では、キー操作部2のキーを押し下げると、タイマ5の起動に伴って受光素子7により周囲の光量が検出され、当該光量に基づき、電流制御回路8が照明手段3への給電を制御し、照明手段3の輝度が周囲の明暗に応じて調整される。
【0004】
また、周囲が明るく、照明手段3を点灯させる必要がない場合には、電流制御回路8によって照明手段3への給電が遮断され、これにより、移動無線機に内装されているバッテリ(図示せず)の消耗が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す移動無線機の照明装置を、一般的な携帯端末である携帯電話機に適用しようとする場合、電話機のケースに内装した発光ダイオードやその光をケース外部へ導くための表示用の導光部材で構成される着信表示手段に加えて、受光素子7をケースに内装し且つ外部から受光素子7へ光を導くための受光用の導光部材をケースに設けることになる。
【0006】
しかしながら、携帯電話機をはじめとする携帯端末は、近年、次第に小型化される傾向にあり、発光表示手段のほかに、受光素子7や受光用の導光部材を新たに携帯端末に組み込むと、ケースや部品配置の設計が複雑になってその製作が困難になることが懸念される。
【0007】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたもので、小型化に対応可能な携帯端末を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の携帯端末では、ケース内に、発光素子と、該発光素子近傍に配置されて前記ケースの外部からの光を検出する光検出素子と、前記発光素子と前記光検出素子との間に介在し、特定の波長帯域成分を遮断する光学フィルタと、前記ケースに設けた窓部から、前記光学フィルタに対して前記発光素子側の空間に延びる導光部材とを備えている。
【0010】
本発明の携帯端末においては、発光素子の作動により発せられる表示光を、発光素子側の空間に連なる導光部材を介してケースの外方へ導く。
【0011】
また、導光部材の外方から導光部材を経て発光素子側の空間へ導かれる外光を、光学フィルタにより特定の波長帯域成分を除去し、あるいは当該成分を透過させて、光検出素子側の空間へ導く。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図示例とともに説明する。
【0013】
図1乃至図4は本発明の携帯端末の実施の形態の一例であり、この携帯端末の要部である表示兼用光検知アッセンブリは、携帯電話機のフロントケース9に支持される基板10の上端部分に取り付けた発光ダイオードなどの発光素子11と、該発光素子11の側方に位置するように基板10に取り付けたホトダイオード、あるいはホトトランジスタなどの光検出素子12と、これらの素子11,12を一体的に覆うように基板10に接する中空状の遮光部材13と、該遮光部材13の内部を発光素子11側の空間Aと光検出素子12側の空間Bとに仕切る赤外線除去用の板状のフィルタ14と、遮光部材13の外方から当該遮光部材13を貫通して発光素子11側の空間Aへ延びる導光部材15とを備えている。
【0014】
フロントケース9には、液晶表示部及びキー操作部が、また、ケース内には、これらのバックライト用の発光ダイオードが設けられている。
【0015】
携帯電話機の制御部は、その制御機能のひとつとして、光検出素子12の出力である外部可視光の受光量に応じて、着信時及びキー操作時などに、液晶表示部のみを照明する、または液晶表示部及びキー操作部の双方を照明する、あるいはこれらに対する照明をしないなどのバックライト用の発光ダイオードの点灯制御を行なう。
【0016】
上記の素子11,12は、その発光部分及び光検知部分が電話機前面側を向くように、基板10に取り付けられている。
【0017】
遮光部材13は、電話機背面側が全面的に開口し且つ電話機頂部側に導光部材15が挿入可能な孔13aを有する箱状部13bと、該箱状部13bの孔13a至近部分から電話機頂部側へ延びる樋状部13cとを、シリコーンゴムのような弾力性に富んだ高分子樹脂材料を用いて一体成形したものである。
【0018】
樋状部13cの形状は、フロントケース9内面の電話機頂部側に設けられ且つ導光部材15が挿入されるホルダ9aに、電話機背面側から嵌合するように設定されている。
【0019】
フロントケース9には、その内面から電話機背面側へ突出して箱状部13bの電話機底部側の面及び左右両側の面に当接する壁部9bと、ケース内面から電話機背面側へ突出して箱状部13bの電話機頂部側の面及び樋状部13cの左右の側面に当接する2つの柱部9cとが設けられており、高分子樹脂材料の弾力性で遮光部材13が壁部9bと柱部9cに密着することによって、フロントケース9からの遮光部材13の脱落防止が図られる。
【0020】
これに加えて、フロントケース9へ基板10を装着するときに、箱状部13bの電話機背面側の開口縁部全周が、基板10の素子11,12取付箇所の周囲に密着するように、遮光部材13と基板10の相対位置の設定が行われる。
【0021】
フィルタ14は、可視領域の光波(可視光P)を透過させ、また、赤外線領域の光波(赤外光Q)の透過を阻止する光学的特性を有している。
【0022】
このフィルタ14の形状は、前記の箱状部13bの内側面及び基板10に各辺が接する四角形に設定されている。
【0023】
導光部材15は、電話機外部からフロントケース9のホルダ9a及び遮光部材13の孔13aに挿入されており、この導光部材15も、フロントケース9からの遮光部材13の脱落防止に寄与している。
【0024】
導光部材15の構成素材には、携帯電話機外部からフロントケース9の内方へ向かう可視光P、並びに発光素子11より発せられ且つ携帯電話機外部へ向かう表示光Rの透過性が確保されるように、乳白色のあるいは透明な高分子樹脂材料を用いている。
【0025】
図1乃至図4に示す携帯端末では、着信時に発光素子11が表示光Rを発すると、当該表示光Rは、遮光部材13内部の発光素子11側の空間Aに連なり且つ所定部分がフロントケース9外部に露出した導光部材15を経て携帯電話機の外方へ導かれ、これにより、電話機所有者が着信を認識し得る状態になる。
【0026】
携帯電話機外方から導光部材15を経て遮光部材13内部の発光素子11側の空間Aに導かれる可視光P及び赤外光Qのうち、可視光Pだけがフィルタ14を透過して遮光部材13内部の光検出素子12側の空間Bへ導かれ、これにより、可視光Pの光量に応じて光検出素子12が、携帯電話機周囲の明暗を判定し得る状態になる。
【0027】
従って、人間の視覚では周囲が充分に暗いと感じられるのにも関わらず、携帯電話機の近傍で点灯中の発熱電球などが発する赤外光Qを光検出素子12が検知することが回避され、携帯電話機の数字表示部やキー操作部に付帯する照明手段が人間の視覚に応じて作動することになる。
【0028】
また、先に述べたように、発光素子11が発する表示光Rは、フィルタ14の影響を受けずに導光部材15に入射するので、該導光部材15を経て携帯電話機の外方へ導かれる表示光Rの光量や色調が著しく変化することはない。
【0029】
このように、図1乃至図4に示した携帯端末においては、発光素子11と光検出素子12とを同一の遮光部材13に内装し、発光素子11から遮光部材13外部への表示光Rの導光、並びに遮光部材13外部から光検出素子12への可視光Pの導光に共通の導光部材15を用いているので、フロントケース9や基板10の設計の単純化が図られるとともにその製作も容易になり、よって、携帯電話機の小型化に対応することが可能になる。
【0030】
また、上述した実施の形態では、光学フィルタとして板状のフィルタ14を用いているが、これに限定されることなく、光検出素子12の受光面に蒸着などの手段によって薄膜状のフィルタを形成し、光検出素子12に光学フィルタの機能を具備させれば、更なる部品点数の削減、並びに省スペース化を図ることが可能になる。
【0031】
なお、本発明の携帯端末は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、携帯電話機以外の赤外線リモートコントローラなどの携帯端末に適用すること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変更を加え得ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の携帯端末によれば、下記のような種々の優れた効果を奏し得る。
【0033】
(1)請求項1に記載する発明によれば、部品点数の削減、並びに省スペース化に効果がある。
すなわち、発光素子から外部への表示光の導光、並びに外部から光検知素子への外光の導光に共通の導光部材を用いて、ケースや部品配置の設計の単純化が図られるとともにその製作も容易になり、よって、携帯端末の小型化に対応することが可能になる。
また、光学フィルタによって特定の波長帯域成分を除去し、あるいは特定の波長帯域成分のみを透過させて光検出素子に受光させることができるので、目的別に光検出素子を備えた各種の携帯端末に利用可能である。
【0034】
(2)請求項2に記載する発明によれば、発光素子より発せられる表示光が、光学フィルタの影響を受けずに導光部材に入射するので、該導光部材の外方へ導かれる表示光の光量や色調が著しく変化しない。
【0035】
(3)請求項3に記載する発明によれば、部品点数の削減、並びに省スペース化に効果がある。
すなわち、発光素子と光検出素子とを同一の遮光部材に内装し、発光素子から遮光部材の外部への表示光の導光、並びに遮光素子の外部から光検知素子への外光の導光に共通の導光部材を用いて、ケースや部品配置の設計の単純化が図られるとともにその製作も容易になり、よって、携帯端末の小型化に対応することが可能になる。
更に、発光素子より発せられる表示光が、光学フィルタの影響を受けずに導光部材に入射するので、該導光部材の外方へ導かれる表示光の光量や色調が著しく変化しない。
また、光学フィルタによって特定の波長帯域成分を除去し、あるいは特定の波長帯域成分のみを透過させて光検出素子に受光させることができるので、目的別に光検出素子を備えた各種の携帯端末や電気製品に利用可能である。
【0036】
(4)請求項4に記載する発明によれば、光検出素子の受光量に応じて、表示部や操作部が照明されるので、暗所において表示部の表示内容や操作部の位置を確認しやすくなり、また、操作部を見誤ることなく操作することができる。
【0037】
(5)請求項5に記載する発明によれば、発光素子と光検出素子との間に介在させたフィルタによって、導光部材から光検出素子への赤外光の入射を阻止するので、人間の視覚に応じた光量検知を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の携帯端末の実施の形態の一例の要部である表示兼用光検知アッセンブリを示す部分切断斜視図である。
【図2】図1に示す表示兼用光検知アッセンブリが組み込まれた携帯電話機のフロントケースを電話機背面側から見た部分図である。
【図3】図2のIII-III矢視図である。
【図4】図2のIV−IV矢視図である。
【図5】特開平4−343529号公報に開示されている移動無線機の照明装置を示す概念図である。
【符号の説明】
9 フロントケース
10 基板
11 発光素子
12 光検出素子
13 遮光部材
14 フィルタ
15 導光部材

Claims (5)

  1. ケース内に、発光素子と、該発光素子近傍に配置されて前記ケースの外部からの光を検出する光検出素子と、前記発光素子と前記光検出素子との間に介在し、特定の波長帯域成分を遮断する光学フィルタと、前記ケースに設けた窓部から、前記光学フィルタに対して前記発光素子側の空間に延びる導光部材とを備えたことを特徴とする携帯端末。
  2. 前記光学フィルタは、前記発光素子の出力光が当該光学フィルタを介さず前記導光部材に入光し且つ前記窓部から前記導光部材を通り前記発光素子側に入射する光が当該光学フィルタを介して前記光検出素子で受光されるよう、前記導光部材及び前記発光素子の側の空間と前記光検出素子側の空間に仕切る請求項1に記載の携帯端末。
  3. ケース内に収納される基板と、前記基板に取り付けられた発光素子と、前記基板に取り付けられて前記ケースの外部からの光を検出する光検出素子と、前記発光素子及び前記光検出素子を一体的に覆うように基板に接する中空状の遮光部材と、該遮光部材の内部を前記発光素子側の空間と前記光検出素子側の空間に仕切ると共に、特定の波長帯域成分を遮断する光学フィルタと、前記ケースに設けた窓部から前記遮光部材を貫通して前記発光素子側の空間へ延びる導光部材とを備えたことを特徴とする携帯端末。
  4. 表示部及び/または操作部と、該表示部及び/または操作部を照明する照明用発光素子と、前記光検出素子で検出する受光量に応じて前記照明用発光素子を発光させる制御手段とを備えた請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末。
  5. 前記光学フィルタは、赤外線を遮断するフィルタである請求項1〜3のいずれかに記載の携帯端末。
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