以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るシートサイズ検知装置を備えたシート給送装置を有する画像形成装置の一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す図である。このレーザビームプリンタ100は、レーザビームプリンタ本体(以下、プリンタ本体という)101と、画像形成部102と、画像形成部102に記録紙等のシートSを給送するシート給送装置103等を備えている。
ここで、画像形成部102は、感光体ドラム5等を備えたプロセスカートリッジ8と、感光体ドラム5の表面を露光して感光体ドラム5上に静電潜像を形成するレーザスキャナ7等を備えている。
また、シート給送装置103はシートSを収納するシート収納手段である給紙カセット20と、給紙カセット20上のシートSを1枚ずつ給送するシート給送手段である給送ローラ1とを備えている。なお、4はレーザビームプリンタ100の動作を制御すると共に、接続されている不図示のパソコン等からの画像情報を画像形成処理する機能を有しているコントローラである。
次に、このように構成されたレーザビームプリンタ100の画像形成動作を説明する。
不図示のパソコン等から画像情報が送られ、この画像情報を画像形成処理したコントローラ4がプリント信号を発すると、給送ローラ1及び搬送ローラ対2によってシートSが一枚ずつ搬送される。また、これと同期してコントローラ4によって制御されたレーザスキャナ7からの画像露光光によりプロセスカートリッジ8内の感光体ドラム5に潜像が形成される。
次に、感光体ドラム上の潜像が、プロセスカートリッジ8内の不図示の現像器によりトナーによって現像され、この現像像が転写部において転写ローラ9によってシートSに転写され、定着ユニット6にてシート上に定着される。この後、画像が定着されたシートSは、排出ローラ対3によって装置外へ排出される。
ところで、図2は、プリンタ本体101に給紙カセット20を装着する前の状態を示す斜視図であり、給紙カセット20は、プリンタ本体101に対して図2に示す矢印A方向に着脱可能となっている。
また、給紙カセット20は、給紙カセット20のシート収納部を構成する上面が開放されたシート収納手段本体であるカセットオケ24を備えている。カセットオケ24の内部には、幅方向に移動可能に設けられ、収納されるシートの側端部に当接して位置を規制するための側端規制部材である幅規制板21a,21bを備えている。また、カセットオケ24の内部には、シート給送方向に移動可能に設けられ、収納されるシートの後端部に当接して位置を規制するための後端規制部材である後端規制板22を備えている。
そして、給紙カセット20をプリンタ本体101に装着する際は、幅規制板21a,21bによりシートSの側端位置を、後端規制板22によりシートSの後端位置をそれぞれ規制した状態でプリンタ本体101に装着するようにしている。
なお、本実施の形態において、給紙カセット20が対応するシートSのサイズは、A5(横148mm×長さ210mm)からLDR(横279mm×長さ432mm)である。また、その他に定型サイズとしてはA4(横297mm×長さ210mm)、LTR(横279mm×長さ216mm)、B5(横182mm×長さ257mm)、EXE(横184mm×長さ267mm)がある。さらに、B4(横257mm×長さ364mm)、8.5×13(横216mm×長さ330mm)、LGL(横216mm×長さ356mm)、A3(横297mm×長さ420mm)がある。
図3は、本実施の形態に係る給紙カセット20の概略上面図である。なお、図3においては、内部の機構を説明し易くするために、シート給送時に積載シートを給送ローラ1に圧接させるための中板、後端規制板22のリンク部を隠すためのカバー部材等については省略している。
図3に示すように、幅規制板21a,21bは、それぞれピニオンギア23に噛みあうラックギア21c,21dを備え、互いに連動して近づいたり離れたりするようになっている。これにより、シートSの幅に合わせて幅規制板21a,21bの幅方向の間隔Wを調整できるようになっている。
また、後端規制板22はカセットオケ24に設けられた溝24aに沿って矢印Cの方向に移動可能に設置されており、積載するシートSのシート給送方向の長さに合わせて後端規制板22から先端の突き当て面24bまでの間隔Lを調整できるようになっている。
ところで、図3において、25はアーム部材である後端検知アームであり、この後端検知アーム25は、カセットオケ24に垂設されたピボット24cを中心に揺動するようになっている。また、この後端検知アーム25の後端規制板側端には、後述する図4に示すように、後端規制板22に突設されたクリック部材26が係止される係止部25dが設けられている。
そして、後端規制板22がカセットオケ24に設けられた溝24aを移動する際、クリック部材26が後端検知アーム25の係止部25dに弾性的に係止することにより、後端検知アーム25は後端規制板22に連動してピボット24cを中心に揺動する。
また、図3において、27は被検知部である後端検知カムであり、この後端検知カム27は、カセットオケ24の後述する幅検知スイッチ部31及び後端検知スイッチ部32側の側壁24cの内側に沿って矢印D方向に移動可能に設けられている。そして、この後端検知カム27は、カセットオケ24の側壁24cに平行に設けられた軸27bに沿って移動する係止部27aを有しており、この係止部27aを介して後端検知アーム25の側壁側端に設けられた係止片25eに係止されている。
これにより、後端規制板22の移動に伴って後端検知アーム25が揺動すると、後端検知カム27は、係止部27aが後端検知アーム25の係止片25eに係止されながらカセットオケ24の側壁24cの内側に沿って移動する。つまり、後端検知カム27は、シートサイズに応じて後端規制板22が移動すると、後端検知アーム25を介して後端規制板22と連動する。
例えば、図4の(a)は、シート給送方向のシートの長さLが148mm〜273.05mm(L1領域という)の範囲のシートSを積載するときの後端規制板22及び後端検知カム27の位置を示している。なお、図4に示すようにクリック部材26は、クリックバネ28により後端検知アーム側に突出可能に付勢されている。このL1領域は、後端規制板22を最小サイズのシートを規制する位置から、大きなサイズのシートを規制するために移動させて行って、後端規制板22のクリック部材26が後端検知アーム25に係止するまでの範囲である。
図4の(b)は、シート給送方向の長さLが273.05〜342.9mm(L2領域という)の範囲のシートSを積載したときの後端規制板22及び後端検知カム27の位置を示している。このとき、後端規制板22の位置は、図4の(a)に示す位置からシート給送方向と逆方向に移動した位置となっている。このL2領域は、後端規制板22のクリック部材26が後端検知アーム25に係止している範囲である。
ここで、このように後端規制板22が移動するとき、この後端規制板22の移動に連動して、後端規制板22と後端検知カム27との間に設けられ、後端規制板22と係脱可能に係合したリンク部材の一例である後端検知アーム25が時計方向に揺動する。さらに、この後端検知アーム25の揺動に連動して後端検知カム27はカセットオケ24の側壁24cの内側に沿ってシート給送方向に移動する。
図5は、シート給送方向の長さLが342.9〜431.8mm(L3領域という)の範囲のシートSを積載したときの後端規制板22及び後端検知カム27の位置を示している。このとき、後端規制板22の位置は、図4の(b)に示す位置から、さらにシート給送方向と逆方向に移動した位置となっている。このL3領域は、後端規制板22のクリック部材26が後端検知アーム25に係止している状態から、後端規制板22が最大シートを規制する位置に移動させるまでの範囲である。
ここで、このように後端規制板22が移動すると、この後端規制板22の移動に連動して後端検知アーム25が時計方向に揺動する。さらに、この後端検知アーム25の揺動に連動して後端検知カム27はカセットオケ24の側壁24cの内側に沿ってシート給送方向に移動する。
次に、例えば図4の(a)の位置から図5の位置まで移動させるとき、この後端規制板22の移動に連動した後端検知アーム25、クリック部材26及び後端検知カム27の動作について説明する。
図6は、既述した図4の(a)のL1領域に対応した位置にある後端規制板22を、矢印E方向に移動させてL2の領域に向かわせるときの様子を示している。なお、図6において、25aは後端検知アーム25の後端規制板22側の端部に形成されたカム面であり、このカム面25aの中央部にクリック部材26が係脱可能に係止される係止部25dが形成されている。さらに、このカム面25aにクリックバネ28により付勢され、突出したクリック部材26が圧接している。
また、24d(24d1〜24d3)は、カセットオケ24の底面に形成された3つのクリック穴であり、25bは後端検知アーム25に設けられ、モールドバネによりクリック穴24dに係合するように付勢されたモールドクリックである。なお、このモールドクリック25bの先端部には不図示の係止突起が形成されている。
そして、このモールドクリック25b(の不図示の係止突起)を、3つクリック穴24d(24d1〜24d3)のいずれか1つに係合させることにより、後端検知アーム25をL1〜L3のいずれか1つの領域に応じた位置に保持することができる。
ところで、後端規制板22をL2領域に移動させるため、後端規制板22を矢印E方向に移動させると、まず図6に示すようにクリック穴24d3によりL1領域に対応した位置に係止されている後端検知アーム25のカム面25aにクリック部材26が当接する。
ここで、このとき後端検知アーム25にはモールドクリック25bのクリック穴24d3との係合による係止力が作用している。このため、この後、後端規制板22を矢印E方向に移動させると、クリック部材26は、この後端検知アーム25の係止力に負け、クリックバネ28の付勢力に抗してカム面25aに沿って図7の(a)に示すように矢印F方向に退避する。
なお、クリック部材26の先端部は円弧形状を有しており、この時、クリック部材26の先端の円弧形状部がカム面25aに当接するので、モールドクリック25bのクリック力でもクリックバネ28の弾性力に抗してクリック部材26を退避させることができる。
さらに、後端規制板22を矢印E方向に移動させると、退避したクリック部材26はカム面25aの頂点を過ぎ、クリックバネ28の弾性力によって再びカム面25aに沿って図7の(b)に示すように矢印G方向に突出し、係止部25dに係止する。
そして、この後、さらにこの状態から、後端規制板22を矢印H方向に移動させると、モールドクリック25bのクリック穴24d3とのクリック力に抗して後端検知アーム25は図8の(a)に示されたL2領域に対応する位置に揺動する。なお、この時、クリック部材26のストレート部が係止部25dの側壁面に当接するようになるので、クリックバネ28により付勢されたクリック部材26が、モールドクリック25bのクリック力に抗して後端検知アーム25を揺動させることができる。
この結果、モールドクリック25bはクリック穴24d3から外れた後、中央のクリック穴24d2に係合し、このクリック穴24d2により後端検知アーム25はL2領域に保持される。さらに、このように後端検知アーム25が揺動することで、後端検知カム27は後端規制板22と相反する方向(図中、矢印I方向)に移動する。
また、後端規制板22をL2領域からL3領域へと移動させる場合には、この状態から後端規制板22を矢印J方向に移動させる。そして、このように後端規制板22を移動させると、モールドクリック25bのクリック力に抗して後端検知アーム25は図8の(b)に示すようにL3領域に対応する位置に揺動する。
この時、クリック部材26のストレート部と係止部25dの矢印J方向側の壁面が当接する。これにより、クリックバネ28により付勢されたクリック部材26がモールドクリック25bのクリック穴24d2とのクリック力に抗して後端検知アーム25を揺動させることができる。
この結果、モールドクリック25bは中央のクリック穴24d2から外れた後、クリック穴24d1に係合し、クリック穴24d1により後端検知アーム25はL3領域に保持される。さらに、このように後端検知アーム25が揺動することで、後端検知カム27は後端規制板22と相反する方向(図中、矢印K方向)に移動する。
ところで、この後、後端規制板22を矢印L方向に移動させると、クリック部材26は後端検知アーム25のクリック穴24d1による係止力に負け、クリックバネ28の付勢力に抗してカム面25aに沿って図9の(a)に示す矢印M方向に退避する。この時、クリック部材26の先端の円弧形状部がカム面25aに当接するので、モールドクリック25bのクリック力でもクリックバネ28の弾性力に抗してクリック26を退避させることができる。
なお、この後、退避したクリック部材26はカム面25aの頂点を過ぎると、クリックバネ28の弾性力によって再びカム面25aに沿って図9の(b)に示す矢印N方向に突出、所定の位置に戻る。
ここからさらに後端規制板22を矢印O方向に移動させると、このとき後端規制板22は後端検知アーム25から離間しているので、後端規制板22の移動に関係なく、後端検知アーム25及び後端検知カム27はクリック穴24d1に係止した状態で保持される。
このように、後端規制板22がL1領域からL2領域、さらにはL3領域へと移動する間は、これに連動して後端検知アーム25及び後端検知カム27が動作する。一方、後端規制板22と後端検知アーム25が離間すると、後端規制板22の移動に関係なく、後端検知アーム25及び後端検知カム27は所定の位置に保持される。
つまり、本実施の形態においては、後端規制板22のシート規制位置への移動に連動して後端検知アーム25により、後端検知カム27を後述する後端検知スイッチ部により検知される、シートサイズに応じた検知位置に移動させるようにしている。
さらに、後端規制板22を、後端検知カム27が制限手段を構成する2つのクリック穴24d1,24d3により制限される移動範囲内にある場合には後端検知アーム25と係合しながら移動させるようにしている。また、後端検知アーム25の揺動がクリック穴24d1により制限された場合には、後端検知アーム25との係合を解除した状態で移動するようにしている。
ここでは、後端規制板22のL1領域からL2領域、L3領域への移動について詳細に説明してきたが、L3領域から、L2領域、L1領域への移動、L1領域からL2領域、そしてL1領域に戻る移動も全く同様の動作で行われる。さらに、L3領域からL2領域、そしてL3領域に戻る移動も全く同様の動作で行われる。
なお、L3領域から、L2領域、L1領域への移動の場合、後端検知アーム25の揺動はクリック穴24d3により制限され、このように後端検知アーム25の揺動が制限された場合には、後端規制板22は後端検知アーム25との係合を解除した状態で移動する。
ところで、図10は、給紙カセット20を下から見た概略下面図であり、図10において、29はL字形状の幅検知カムであり、この幅検知カム29は、カセットオケ24の側壁24cの外側に移動可能に設けられている。この幅検知カム29にはカムとしての役割を担う第1スリット29aが設けられており、この第1スリット29aには一方の幅規制板21aから突き出たボス軸30が挿通されている。
また、この幅検知カム29には、カセットオケ24の側壁24cと平行に延びた第2スリット29bが形成されており、この第2スリット29bにはカセットオケ24から突き出たリブ24eが貫通している。これにより、幅検知カム29のカセットオケ24に対する移動方向はリブ24eと第2スリット29bによって矢印Pの方向に規制される。
そして、このように構成することにより、幅規制板21aが矢印Qの方向に移動すると、ボス軸30も移動し、このボス軸30の移動に伴い、幅検知カム29も第1及び第2スリット29a,29bのカム形状に沿って矢印Pの方向に移動するようになっている。つまり、被検知部である幅検知カム29は、シートサイズに応じて幅規制板21aが移動すると、連動手段を構成するボス軸30、第1及び第2スリット29a,29bを介して幅規制板21aに連動する。
図11は、挿入された給紙カセット20がプリンタ本体101の所定の位置にセットされる少し前のプリンタ本体内部の状態を示した図である。
図11において、40は給紙カセット20に収納されたシートSのサイズを検知するシートサイズ検知装置である。このシートサイズ検知装置40は、プリンタ本体101の内部に設けられたシートサイズ検知部である幅検知スイッチ部31及び後端検知スイッチ部32を備えている。なお、幅検知スイッチ部31は3つのスイッチSW1〜SW3、後端検知スイッチ部32は2つのスイッチSW4、SW5をそれぞれ備えている。
ここで、幅検知スイッチ部31は、給紙カセット20に備えられた幅検知カム29に対向する位置に配置されている。そして、給紙カセット20が所定の位置にセットされると、幅検知カム29によって幅検知スイッチ部31のスイッチSW1〜SW3が押されてオンされる。
なお、幅検知カム29の幅検知スイッチ部31に対向する面は、一定の規則に従ってスイッチをオンするための部分29dと、スイッチをオフするための部分である開口部29cが設けられている。そして、開口部29cに対向するスイッチSW1〜SW3は押されないことから、オフとなる。
ここで、既述したように幅検知カム29は幅規制板21aに連動するため、給紙カセット20にセットされたシートSの幅、即ち幅規制板21a,21bの幅方向の間隔Wに応じて幅検知スイッチ部31に対する幅検知カム29の位置が異なるようになる。この結果、幅検知カム29により押されるスイッチSW1〜SW3の組み合わせが変わる。つまり、シートサイズに応じてオン・オフされるスイッチSW1〜SW3の組み合わせが変わる。
図12の(a)は給紙カセット20の奥側側面から見たときの幅検知カム29の形状である。図12の(a)において、31aは、幅規制板21a,21bの間隔WがW1領域(210〜236.45mm)のときの幅検知カム29に対する幅検知スイッチ部31(のスイッチSW1〜SW3)の相対位置を示している。このとき、3つのスイッチSW1〜SW3は、幅検知カム29により押されていないので、全てオフとなっている。
また、31bは、幅規制板21a,21bの間隔WがW2領域(236.45〜261.85mm)のときの幅検知カム29に対する幅検知スイッチ部31の相対位置を示している。このとき、上2つの第1及び第2スイッチSW1,SW2は、幅検知カム29により押されてオン、一番下の第3スイッチSW3は、幅検知カム29により押されていないので、オフとなっている。
31cは幅規制板21a,21bの間隔WがW3領域(261.85〜273.05mm)、31dは幅規制板21a,21bの間隔WがW4領域(273.05〜288.2mm)のときの幅検知カム29に対する幅検知スイッチ部31の相対位置を示している。さらに、31eは幅規制板21a,21bの間隔WがW5領域(288.2〜297mm)のときの幅検知カム29に対する幅検知スイッチ部31の相対位置を示している。
そして、例えば幅検知カム29に対する幅検知スイッチ部31の相対位置が31cのときは、第1スイッチSW1及び第3スイッチSW3は、幅検知カム29により押されていないのでオフ、第2スイッチSW3は幅検知カム29により押されてオンとなっている。
このように、本実施の形態の幅検知カム29の形状では、幅規制板21a,21bの間隔Wに応じて幅検知スイッチ部31のスイッチSW1〜SW3のオン/オフの組み合わせを5通りに変えることができる。即ち、積載されるシートSの幅を5段階(W1領域、W2領域、W3領域、W4領域、W5領域)で検知(判別)できる。
図12の(b)は給紙カセット20の奥側側面、即ちカセットオケ24の側壁24c側から見たときの後端検知カム27の形状である。図12の(b)において、32a、32b、32cは、それぞれ後端検知カム27が図4の(a)、(b)及び図5に対応する位置にあるときの後端検知カム27に対する後端検知スイッチ部32(のスイッチSW4,SW5)の相対位置を示している。
ここで、図11に示すようにカセットオケ24の側壁24cの後端検知スイッチ部32に対向する位置、即ち側壁24cの後端検知カム27と、後端検知スイッチ部32との間の部分には検知用開口部24bが形成されている。これにより、給紙カセット20がプリンタ本体101に装着されると、後端検知カム27が後端検知スイッチ部32のスイッチSW4,SW5に当接するようになっている。
ここで、図12の(b)に示すように、後端検知カム27には2つの開口部27a,27bが設けられており、後端検知スイッチ部32のスイッチSW4,SW5が、この開口部27a,27bに対向する位置にあるとき、スイッチSW4,SW5はオフとなる。
例えば、後端検知カム27に対する後端検知スイッチ部32の相対位置が32bの位置にある場合、2つのスイッチSW4,SW5のうち上段の第4スイッチSW4はオン、32cの位置にある場合は、オンとなる。
このように、本実施の形態の後端検知カム27の形状では、後端検知カム27の位置、即ち積載されるシートSの長さLに応じて後端検知スイッチ部32のスイッチSW4,SW5のオン/オフの組み合わせを3通りに変えることができる。つまり、既述したように3つのクリック穴24d1〜24d3によって後端検知アーム25を保持することにより、後端検知カム27により積載されるシートSの長さLを3段階(L1領域、L2領域、L3領域)で検知(判別)できる。
ここで、本実施の形態においては、このようにして幅検知スイッチ部31と後端検知スイッチ部32によって検知されたシートSの幅W及び長さLからシートサイズを検知(判別)するための下記の表を不図示のメモリに記憶している。
そして、コントローラ4は、この表と、幅検知スイッチ部31及び後端検知スイッチ部32によって検知されたシートSの幅W(W1領域〜W5領域)及び長さL(L1領域〜L3領域)とに基づき給紙カセット内に積載されているシートSのサイズを判別する。
なお、上記表中、Customとなっている組み合わせとなった場合は、定型紙以外のシートがセットされたか、幅規制板21a,21b及び後端検知カム27が正しい位置にセットされていないと判断する。
ところで、図13は、幅検知カム29及び後端検知カム27の移動領域を示しており、図13において、Xは幅検知カム29の幅検知スイッチ部31におけるスイッチSW1〜SW3のオン・オフが可能な移動領域を示している。また、Yは後端検知カム27の後端検知スイッチ部32におけるスイッチSW4,SW5のオン・オフが可能な移動領域を、それぞれ示している。
そして、本実施の形態においては、カセットオケ24の側壁24cの外側を移動する幅検知カム29の移動領域Xと、側壁24cの内側を移動する後端検知カム27の移動領域Yとの間には共通区間Z、即ち領域が重なる区間が存在している。つまり、後端検知カム27をカセットオケ24の側壁内側に、幅検知カム29を側壁24cの外側に移動可能に設けることにより、幅検知カム29の移動領域Xと、後端検知カム27の移動領域Yとが重さなるようにすることができる。
ここで、このように幅検知カム29の移動領域Xと、後端検知カム27の移動領域Yとが重さなるようにすることにより、幅検知カム29と後端検知カム27の給紙カセット20に占めるスペースの割合を小さくすることが可能となる。これにより、給紙カセット20及びプリンタ本体101の小型化及び省スペース化が可能になる。
また、幅検知カム29及び後端検知カム27をカセットオケ24の側壁24cに沿って移動する板状の部材とすることにより、シートサイズ検知装置40をコンパクトに構成することができる。
ところで、既述したように本実施の形態においては、後端規制板22のシート規制位置への移動に連動して後端検知アーム25により、後端検知カム27を後端検知スイッチ部32により検知される、シートサイズに応じた検知位置に移動させるようにしている。
さらに、後端規制板22を、後端検知カム27が2つのクリック穴24d1,24d3により制限される一定のシートサイズに応じた移動範囲内にある場合には後端検知アーム25と係合しながら移動させるようにしている。即ち、後端検知カム27がシート給送方向の長さの範囲がL2となるシートに応じた移動範囲内にある場合には後端検知アーム25と係合しながら移動させるようにしている。また、クリック穴24d1,24d3により後端検知カム27の揺動が制限される場合には、後端規制板22を後端検知アーム25と離間して移動させるようにしている。
言い換えれば、後端規制板22が後端検知アーム25を連動させながら移動する連動領域(図7の(b)〜図8の(b)参照)を備えている。また、この連動領域のシート給送方向上流及び下流に後端規制板22が後端検知アーム25との係合を解除した状態で移動する、シート給送方向の長さの範囲がL1及びL3のシートに対応した非連動領域(図4の(a)及び図5参照)を備えている。これにより、後端規制板22を、シート給送方向上流及び下流の二方向で後端検知アーム25との係合を解除した状態で移動させることができる。
そして、このように後端規制板22を二方向で後端検知アーム25との係合を解除した状態で移動させるようにすることにより、簡易な構成でコンパクト化を図ることができるシートサイズ検知装置40及びシート給送装置103を提供することができる。
さらに、このようなシートサイズ検知装置40のコンパクト化によって小型機への搭載が容易になるばかりでなく、他の機能を構成するスペースを広げることができる。また、シートサイズ検知装置40を構成する部品点数が少なくなることと、部品そのものの大きさが小さくなることでコストダウンも可能になり、これに伴い低価格機にも搭載が容易になる。
またさらに、シートサイズ検知装置40の構成が簡素化することで、構成する部品数が減って部品寸法のばらつきの影響が少なくなり、これにより検知マージンのロスが少なくなるのでシートサイズ検知精度が向上する。また、構成部品の大きさが小さくなると、部品のソリ・たわみ・歪みなどによるスイッチマージンのロスを軽減することができるのでシートサイズ検知精度が向上する。
さらに、後端規制板22を後端検知アーム25との係合を解除した状態で移動させることにより、非連動領域における後端規制板22の操作力が軽くなる。これにより、特にシート給送方向の長さの範囲がL1となるA5サイズやEXEサイズなどの小サイズ紙から、L3となるA3サイズやLDRサイズなどの大サイズ紙までを積載するカセットにおいて、より有効的な効果を得ることができる。
次に、本発明の参考例について説明する。
図14は、本参考例に係るシートサイズ検知装置を備えたシート給送装置に設けられた給紙カセットの概略上面図。なお、図14において、既述した図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
さらに、本参考例では、既述した実施の形態に対してリンク部材の構成が異なるものである。即ち、既述した実施の形態では、リンク部材として後端検知アーム25を用いているが、本参考例では、リンク部材として、後述する後端検知カム33を用いている。そして、本参考例では、このリンク部材の構成及び動作のみが異なるものであり、その他のシートサイズ検知装置の構成およびシートサイズの検知動作等については既述した実施の形態と同じであるため説明を省略する。
図14において、33はリンク部材の一例である後端検知カムであり、この後端検知カム33には案内リブ33aが設けられている。そして、この後端検知カム33の他端は既述した後端検知スイッチ部32により検知される被検知部材を一体に備えている。
また、この後端検知カム33は、案内リブ33aをカセットオケ24に設けられた溝24fに沿って摺動させながら矢印A方向に移動(スライド)するようになっている。ここで、本参考例において、この溝24fにより、後端検知カム33の移動範囲を制限する制限手段を構成している。なお、後端規制板22は矢印B方向に移動可能に備え付けられている。
そして、このスライド部材である後端検知カム33の一端は後端規制板22(のクリック部材26)と連結・離間が可能に構成されている。これにより、後端検知カム33は、シートサイズに応じて後端規制板22が移動すると、この後端規制板22に連動する。例えば、図15の(a)は、シート給送方向の長さLが148mm〜273.05mm(L1領域という)の領域のシートSを積載したときの後端規制板22及び後端検知カム33の位置を示している。
図15の(b)は、シート給送方向の長さLが273.05〜342.9mm(L2領域という)の領域のシートSを積載したときの後端規制板22及び後端検知カム33の位置を示している。このとき、後端規制板22の位置は、図15の(a)に示す位置からシート給送方向と逆方向に移動した位置となっている。
図16は、シート給送方向の長さLが342.9〜431.8mm(L3領域という)のシートSを積載したときの後端規制板22及び後端検知カム33の位置を示している。このとき、後端規制板22の位置は、図15の(b)に示す位置から、さらにシート給送方向と逆方向に移動した位置となっている。つまり、このように後端規制板22が移動すると、この後端規制板22の移動に連動して後端検知カム33も移動する。
次に、後端規制板22を、例えば図15の(a)の位置から図16の位置まで移動させるとき、この後端規制板22に連動した後端検知カム33の動作について説明する。
図17は、既述した図15の(a)のL1領域に対応した位置にある後端規制板22を、矢印C方向に移動させてL2の領域に向かわせるときの様子を示している。なお、図17において、33bは後端検知カム33の後端規制板側端部に形成されたカム面であり、このカム面33bの中央部にクリック部材26が係脱可能に係止される係止部33dが形成されている。また、33cはモールドクリックである。
ところで、後端規制板22をL2領域に移動させるため、後端規制板22を矢印C方向に移動させると、図17の(a)に示すようにクリック穴24d3により所定の位置に係止されている後端検知カム33のカム面33bにクリック部材26が当接する。
ここで、このとき後端検知カム33にはモールドクリック33cのクリック穴24d3との係合による係止力が作用している。このため、この後、後端規制板22を矢印C方向に移動させると、クリック部材26は、この後端検知カム33の係止力に負け、クリックバネ28の付勢力に抗してカム面33bに沿って図17の(b)に示すように矢印D方向に退避する。なお、この時、クリック部材26の先端の円弧形状部がカム面33bに当接するので、モールドクリック33cのクリック力でもクリックバネ28の弾性力に抗してクリック部材26を退避させることができる。
さらに、後端規制板22を矢印C方向に移動させると、退避したクリック部材26はカム面25aの頂点を過ぎ、クリックバネ28の弾性力によって再びカム面33bに沿って図18の(a)に示すように矢印E方向に突出し、係止部33dに係止する。
そして、この状態から、さらに後端規制板22を矢印F方向に移動させると、モールドクリック33cのクリック穴24d3とのクリック力に抗して後端検知カム33は図18の(b)に示されたL2領域に対応する位置に移動する。なお、この時、クリック部材26のストレート部が係止部25dの側壁面に当接するようになるので、クリックバネ28により付勢されたクリック部材26が、モールドクリック33cのクリック力に抗して後端検知カム33を移動させることができる。
この結果、モールドクリック33cはクリック穴24d3から外れた後、中央のクリック穴24d2に係合し、このクリック穴24d2により後端検知カム33はL2領域に対応する位置に保持される。
また、この後、後端規制板22をL2領域からL3領域へと移動させる場合には、この状態から後端規制板22を矢印G方向に移動させる。そして、このように後端規制板22を移動させると、モールドクリック33cのクリック力に抗して後端検知カム33は図19の(a)に示すようにL3領域に対応する位置に移動する。
この時、クリック部材26のストレート部と係止部25dの矢印H方向側の壁面が当接するので、クリックバネ28により付勢されたクリック部材26がモールドクリック33cのクリック力に抗して後端検知カム33を移動させる。この結果、モールドクリック33cは中央のクリック穴24d2から外れた後、クリック穴24d1に係合し、後端検知カム33はクリック穴24d1によりL3領域に対応する位置に保持される。
ところで、この後、さらに後端規制板22を矢印H方向に移動させると、後端検知カム33の案内リブ33aが溝24fの矢印H方向側端に当接し、後端検知カム33の、それ以上の移動が不可能となる。そして、この状態でさらに後端規制板22を移動させると、クリック部材26はクリックバネ28の付勢力に抗してカム面25aに沿って図19の(b)に示す矢印I方向に退避する。この時、クリック部材26の先端の円弧形状部がカム面33bに当接するので、クリックバネ28の弾性力に抗してクリック26を退避させることができる。
なお、この後、退避したクリック部材26はカム面33bの頂点を過ぎると、クリックバネ28の弾性力によって再びカム面33bに沿って図20に示す矢印J方向に突出し、所定の位置に戻る。
ここからさらに後端規制板22を矢印K方向に移動させると、このとき後端検知カム33は後端規制板22から離間しているので、後端規制板22の移動に関係なく、後端検知カム33は案内リブ33aを溝24fの矢印H方向側端に当接させた状態で保持される。
このように、後端規制板22がL1領域からL2領域、さらにはL3領域へと移動すると、その動作に応じてクリック部材26や後端検知カム33も動作する。また、後端規制板22と後端検知カム33が離間すると、後端規制板22の移動に関係なく、後端検知カム33は所定の位置に係止した状態を保持し続ける。
ここでは後端規制板22のL1領域からL2領域、L3領域への移動について詳細に説明してきたが、L3領域から、L2領域、L1領域への移動、L1領域からL2領域、そしてL1領域に戻る移動も全く同様の動作で行われる。さらに、L3領域からL2領域、そしてL3領域に戻る移動も全く同様の動作で行われる。
なお、L3領域から、L2領域、L1領域への移動の場合、後端検知カム33の移動は案内リブ33aが溝24fの他端に当接することにより制限される。そして、このように後端検知カム33の移動が制限された場合には、後端規制板22は後端検知カム33との係合を解除した状態で移動する。
なお、これまでの説明においては、リンク部材を連動させる規制手段として後端規制板22を例にあげて説明したが、本発明はこれに限らず、幅規制板21a,21bに連動してリンク部材を移動させるように構成しても良い。また、クリック部材26をリンク部材に設けるようにしても良い。