JP4745527B2 - バーコードのチェックデジット是正装置および是正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法にかかるもので、とくにホストコンピューター側で計算されたチェックデジットをバーコードプリンター側でその正誤を判別するバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、バーコードを含む印字データを印字する場合には、そのバーコードについてその種類に応じた所定の計算式にもとづいてチェックデジットを計算した上で、印字データの一部としてバーコードデータの最終部に追加し、バーコードプリンターなどによりこれを印字し、バーコードの読取りが適正に行われたかの確認のために利用されている。チェックデジットについては、たとえば特許第2946780号などがある。
【0003】
たとえば図6は、一般的な印字システム1の説明図であって、印字システム1は、パソコンその他のホストコンピューター2と、このホストコンピューター2に接続したバーコードプリンター3との間で印字データ4を送受信してバーコードデータを印字可能としている。
すなわち、印字システム1においては、ホストコンピューター2側で印字データ4を作成し、これをバーコードプリンター3側に送信して印字を行う
印字データ4が、たとえばバーコードの一種、JAN13桁などの場合は、バーコードによる実データ5(12桁)に対して、その印字データ4内の各数字「4、9、0、...7、0、7」を所定の計算式で計算したチェックデジット6、「4」(1桁)を有している。
【0004】
バーコードデータ(実データ5)およびそのチェックデジット6からなる印字データ4についてホストコンピューター2側で作成し、バーコードプリンター3に転送するが、ホストコンピューター2側で誤ったチェックデジット6を作成した場合には、このチェックデジット6を含む印字データ4がそのままバーコードプリンター3において印字され、バーコード読取り時の誤作動の原因ともなっていた。
実際には、たとえばバーコードプリンター3のユーザー(小売り店など)がホストコンピューター2を自分で準備し、チェックデジット6の計算式を入力する際にミスが発生することがあり、ホストコンピューター2によるバーコードのチェックデジット6が適正に計算されなくなってしまうという問題がある。
【0005】
こうした問題は、バーコードプリンター3の印字動作自体には影響がないが、その後のバーコード(印字データ4)の読み取り動作に悪影響が出るばかりでなく、その是正処理が行われないために、読み取りミスが何の原因によるものかも判然としないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、ホストコンピューター側でのチェックデジットの作成ミスを発見可能なバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法を提供することを課題とする。
【0007】
また本発明は、バーコードのチェックデジットのミスを発見し、その是正を可能とするバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法を提供することを課題とする。
【0008】
また本発明は、ホストコンピューター側からの誤ったチェックデジットを有するバーコードの送信(転送)を回避可能なバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法を提供することを課題とする。
【0009】
また本発明は、バーコードプリンター側において、バーコードの正確なチェックデジットを作成可能なバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法を提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、ホストコンピューターにおける正確なチェックデジットを作成可能な計算式を是正することができるバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、ホストコンピューター側からのチェックデジットをバーコードプリンター側でこれが適正か否かを判別するとともに、その判別結果をホストコンピューター側に返送することに着目したもので、第一の発明は、バーコードを含む印字データを作成するとともにこのバーコードのチェックデジットを計算し送信チェックデジットとして出力するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続したバーコードプリンターとの間で上記印字データを送受信する際のバーコードのチェックデジット是正装置であって、上記ホストコンピューターから送信される上記バーコードを含む上記印字データおよび上記バーコードの上記送信チェックデジットについて上記バーコードプリンター側でその正誤を判別し、この判別データを上記ホストコンピューターに返送することを特徴とするバーコードのチェックデジット是正装置である。
【0012】
第二の発明は、バーコードを含む印字データを作成するとともにこのバーコードのチェックデジットを計算し送信チェックデジットとして出力するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続したバーコードプリンターとの間で上記印字データを送受信する際のバーコードのチェックデジット是正装置であって、上記ホストコンピューターから送信される上記バーコードを含む上記印字データを受信する送受信回路と、この受信した印字データにおける上記バーコードの適正チェックデジットを計算する計算回路と、この計算回路による適正チェックデジットにもとづき、上記バーコードの上記送信チェックデジットについてその正誤を判別する判別回路と、を有し、上記送受信回路が、この判別回路による判別データを上記ホストコンピューターに返送可能としたことを特徴とするバーコードのチェックデジット是正装置である。
【0013】
第三の発明は、バーコードを含む印字データを作成するとともにこのバーコードのチェックデジットを計算し送信チェックデジットとして出力するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続したバーコードプリンターとの間で上記印字データを送受信する際のバーコードのチェックデジット是正方法であって、上記ホストコンピューターから送信される上記バーコードを含む上記印字データおよび上記バーコードの上記送信チェックデジットについて上記バーコードプリンター側でその正誤を判別し、この判別データを上記ホストコンピューターに返送することを特徴とするバーコードのチェックデジット是正方法である。
【0014】
上記バーコードの種類を識別する識別回路を有することができる。
【0015】
上記バーコードプリンターは、上記バーコードの上記送信チェックデジットが誤りであることを上記ホストコンピューターに返送するとともに、正しい上記適正チェックデジットを返送することができる。
【0016】
上記バーコードプリンターは、上記バーコードの種類とともに上記送信チェックデジットが誤りであることを上記ホストコンピューターに返送することができる。
【0017】
上記バーコードプリンターは、上記送信チェックデジットが誤りであること、および正しい上記適正チェックデジットを含むバーコードデータを上記ホストコンピューターに返送することができる。
【0018】
本発明によるバーコードのチェックデジット是正装置および是正方法においては、ホストコンピューター側からのチェックデジット(送信チェックデジット)をバーコードプリンター側でこれが適正か否かを判別するとともに、その判別結果をホストコンピューター側に返送するようにしたので、ホストコンピューター側での計算式のミスなどによるチェックデジットの誤りを検出可能で、正しいチェックデジットを有するバーコードにもとづく印字データを印字し、チェックデジット本来の機能を発揮させることができるとともに、ホストコンピューター側にエラーを通知することにより、そのミスを是正し、事後のデータ処理を適正なものとすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施の形態によるバーコードのチェックデジット是正装置10をチェックデジット是正方法とともに図1ないし図5にもとづき説明する。ただし、図6と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、印字システム1ないしバーコードプリンター3におけるバーコードのチェックデジット是正装置10のブロック図であり、バーコードのチェックデジット是正装置10は、制御回路11(CPU)と、ROM12と、RAM13と、送受信回路14と、印字制御回路15と、データバス16と、を有する。
制御回路11は、ROM12に保存してある各種のプログラムおよび固定データにもとづきデータバス16を介して全体を制御するとともに、識別回路17、計算回路18あるいは判別回路19として機能する。
たとえば、ROM12にはバーコードの種類の識別用データ、およびバーコードの種類によるチェックデジットの計算式などを記憶してある。
またRAM13には、各種のワークエリアを設けてあり、ホストコンピューター2の返送データ構成エリアも有する。
【0020】
送受信回路14は、ホストコンピューター2との間において、バーコードを含む前記印字データ4(図6)およびバーコードプリンター3からの返送データの送受信を制御するものである。
【0021】
印字制御回路15は、ホストコンピューター2からの印字データ4を印字部20において印字させるものである。
【0022】
制御回路11における識別回路17は、ホストコンピューター2から送信されてくる印字データ4内のバーコードの種類を識別する。
計算回路18は、受信した印字データ4におけるバーコードの適正チェックデジットを計算する。
判別回路19は、この計算回路18による適正チェックデジットにもとづき、バーコードの送信チェックデジットについてその正誤を判別する。
【0023】
図2は、こうした構成のバーコードプリンター3におけるバーコードのチェックデジット是正装置10によるチェックデジット是正方法の手順を示すフローチャート図であって、ホストコンピューター2とバーコードプリンター3との間には、ともにその電源(図示せず)が投入され、データリンクの確立が終了しているものとする。
ステップS1において、ホストコンピューター2は、バーコードおよびそのチェックデジット(送信チェックデジット)を含む印字データ4をバーコードプリンター3(送受信回路14)に転送(送信)する。
【0024】
バーコードプリンター3は、ホストコンピューター2から受信した印字データ4の中のバーコードについてそのチェックデジット(適正チェックデジット)を計算し、受信したチェックデジット(送信チェックデジット)と照合して、後者が適正か否かを判別する。
すなわち、バーコードプリンター3におけるチェックデジット是正装置10は受信した印字データ4の中のバーコードについて、たとえばJAN13桁の印字データ4とすれば、受信した印字データ4(JAN13桁データ)がすべて数字かどうか、およびチェックデジットを含み、13桁かをチェックする(ステップS2)。
数字で13桁あれば、ステップS3において、その種類を識別するとともに、その前記チェックデジット6を除いた前記実データ5(ともに図6)を用いてチェックデジットを再計算し、適正チェックデジットを得る。
【0025】
ついでステップS4において、受信した送信チェックデジットと再計算した適正チェックデジットとが一致するか否かを判断する(ステップS4)。
【0026】
両チェックデジットが一致すれば、ステップS5において、受信データをもとに印字部20において印字を行い、ステップS2に戻る。
【0027】
上記ステップS2およびステップS4において「NO」であれば、すなわち、13桁でないか(ステップS2)あるいはチェックデジットが一致しないか(ステップS4)の場合には、印字を行うことなく、受信した印字データ4をキャンセルし、ステップS6に移行して、送信チェックデジットあるいは印字データ4そのものに誤りがあったことをホストコンピューター2に返送するとともに、正しい適正チェックデジットを判別データとしてホストコンピューター2に転送する。
【0028】
ホストコンピューター2としては、ステップS7においてチェックデジットミスの通報を受けて、作業を停止するとともに、バーコードプリンター3からの返送を確実に受信したことをバーコードプリンター3に送信し(あるいは送受信が適正に行われていない場合にはその旨を送信し)、バーコードプリンター3は、その操作部にエラー表示機能があれば、エラー表示を行って、印字データ4受信処理を中断し、印字を停止することになる(ステップS8)。
【0029】
ここで、エラーデータを受信したホストコンピューター2は、そのチェックデジットあるいは印字データ4作成のプログラムの不適正が通知されたことになるので、チェックデジットあるいは印字データ4作成のプログラムないしロジックの不適合の是正を行い、再度バーコードプリンター3を立ち上げて、正しい印字データ4およびチェックデジットを再度バーコードプリンター3に転送し、試験を行って確認するとともに、通常のデータ送受信および印字動作に移行する。
【0030】
なお図3、図4および図5は、バーコードプリンター3からホストコンピューター2への返送データないし判別データの例をそれぞれ示す説明図であって、図3は、バーコードがたとえばJAN13桁に固定の場合であって、返送データの開始コードに続き、送信チェックデジットにエラーがあったこと、正しいチェックデジット(適正チェックデジット)、および返送データの終了コードを返送する。
【0031】
図4は、バーコードがJAN13桁に固定ではない場合であって、返送データの開始コードに続き、送信チェックデジットにエラーがあったこと、バーコードの種類(たとえばNW7、JAN13...など)、正しいチェックデジット(適正チェックデジット)、および返送データの終了コードを返送する。
【0032】
図5は、バーコードがJAN13桁に固定の場合であって、返送データの開始コードに続き、送信チェックデジットにエラーがあったこと、バーコードの種類(たとえばNW7、JAN13...など)、正しいチェックデジット(適正チェックデジット)を含む正しいバーコードデータ、および返送データの終了コードを返送する。
【0033】
なお、上述の送受信の実施にあたっては、誤りデータ返送ロジックを含むバーコードプリンター3の制御ソフト、およびこの取り決めにしたがったホストコンピューター2の制御ソフトが必要であることは言うまでもない。
【0034】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、ホストコンピューターからの印字データ中のバーコードのチェックデジットをバーコードプリンター側で再計算して照合することにより、ホストコンピューターにおけるチェックデジット計算の誤りを返送データとして知らせることとしたので、ホストコンピューターからバーコードプリンターへの誤ったバーコードの送信を防止し、バーコードプリンターにおける正確なバーコード印字の実現、およびホストコンピューターにおけるチェックデジットロジックの是正を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるバーコードのチェックデジット是正装置10のブロック図である。
【図2】同、バーコードプリンター3におけるバーコードのチェックデジット是正装置10によるチェックデジット是正方法の手順を示すフローチャート図である。
【図3】同、バーコードプリンター3からホストコンピューター2への返送データの例を示す説明図であって、バーコードがたとえばJAN13桁に固定の場合を示す。
【図4】同、バーコードプリンター3からホストコンピューター2への返送データの例を示す説明図であって、バーコードがJAN13桁に固定ではない場合を示す。
【図5】同、バーコードプリンター3からホストコンピューター2への返送データの例を示す説明図であって、バーコードがJAN13桁に固定の場合を示す。
【図6】一般的な印字システム1の説明図である。
【符号の説明】
1 印字システム(図6)
2 ホストコンピューター
3 バーコードプリンター
4 印字データ
5 実データ
6 チェックデジット
10 バーコードのチェックデジット是正装置(実施の形態、図1)
11 制御回路(CPU)
12 ROM
13 RAM
14 送受信回路
15 印字制御回路
16 データバス
17 識別回路
18 計算回路
19 判別回路
20 印字部
Claims (7)
- バーコードを含む印字データを作成するとともにこのバーコードのチェックデジットを計算し送信チェックデジットとして出力するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続したバーコードプリンターとの間で前記印字データを送受信する際のバーコードのチェックデジット是正装置であって、
前記ホストコンピューターから送信される前記バーコードを含む前記印字データおよび前記バーコードの前記送信チェックデジットについて前記バーコードプリンター側でその正誤を判別し、
この判別データを前記ホストコンピューターに返送することを特徴とするバーコードのチェックデジット是正装置。 - バーコードを含む印字データを作成するとともにこのバーコードのチェックデジットを計算し送信チェックデジットとして出力するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続したバーコードプリンターとの間で前記印字データを送受信する際のバーコードのチェックデジット是正装置であって、
前記ホストコンピューターから送信される前記バーコードを含む前記印字データを受信する送受信回路と、
この受信した印字データにおける前記バーコードの適正チェックデジットを計算する計算回路と、
この計算回路による適正チェックデジットにもとづき、前記バーコードの前記送信チェックデジットについてその正誤を判別する判別回路と、
を有し、
前記送受信回路が、この判別回路による判別データを前記ホストコンピューターに返送可能としたことを特徴とするバーコードのチェックデジット是正装置。 - 前記バーコードの種類を識別する識別回路を有することを特徴とする請求項1あるいは2記載のバーコードのチェックデジット是正装置。
- 前記バーコードプリンターは、前記バーコードの前記送信チェックデジットが誤りであることを前記ホストコンピューターに返送するとともに、正しい前記適正チェックデジットを返送することを特徴とする請求項1あるいは2記載のバーコードのチェックデジット是正装置。
- 前記バーコードプリンターは、前記バーコードの種類とともに前記送信チェックデジットが誤りであることを前記ホストコンピューターに返送することを特徴とする請求項1あるいは2記載のバーコードのチェックデジット是正装置。
- 前記バーコードプリンターは、前記送信チェックデジットが誤りであること、および正しい前記適正チェックデジットを含むバーコードデータを前記ホストコンピューターに返送することを特徴とする請求項1あるいは2記載のバーコードのチェックデジット是正装置。
- バーコードを含む印字データを作成するとともにこのバーコードのチェックデジットを計算し送信チェックデジットとして出力するホストコンピューターと、このホストコンピューターに接続したバーコードプリンターとの間で前記印字データを送受信する際のバーコードのチェックデジット是正方法であって、
前記ホストコンピューターから送信される前記バーコードを含む前記印字データおよび前記バーコードの前記送信チェックデジットについて前記バーコードプリンター側でその正誤を判別し、
この判別データを前記ホストコンピューターに返送することを特徴とするバーコードのチェックデジット是正方法。
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