JP4743896B2 - 固体電解コンデンサ - Google Patents

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Description

本発明は、平板状の弁作用金属を用いた固体電解コンデンサに係り、とくに静電容量が大きくてしかもESL(等価直列インダクタンス)が低い、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサに関する。
近年、デジタル機器の小型化、高機能化が進み、機器に供給される電源にも高周波での駆動への対応が要求されている。それに伴い、ノイズ対策や電源電圧の平滑化が必要となり、電子回路における電解コンデンサの役割が重要になってきている。このような中で、小型で静電容量が大きく、周波数領域を問わずインピーダンスが低い、固体電解コンデンサに対する需要が高まっている。
コンデンサのインピーダンスは一般に自己共振点よりも低周波の領域ではESR(等価直列抵抗)によって決定され、一方、高周波の領域ではESLの影響が強くなる。固体電解コンデンサでは陽極としてアルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、マグネシウムなどの弁作用金属を用い、電解質として固体の導電性高分子を用いることにより、積層セラミックコンデンサに匹敵する低いESRを実現することが可能である。これは、電解質である導電性高分子が二酸化マンガンなどの他の種類の固体電解質や駆動用電解液と比較して、比抵抗値が10分の1〜100分の1程度であることにより得られる特性である。
導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサの一例である、平板型素子構造を有するアルミニウム固体電解コンデンサの形成方法は、例えば以下の通りである。まず弁作用金属である多孔質化した平板状のアルミニウム金属からなるアルミニウム基体の表面に、陽極酸化によって絶縁膜である誘電体皮膜を形成する。次いで前記の誘電体皮膜の所定位置にエポキシ樹脂などにより絶縁体を形成してアルミニウム基体を2つの領域に区分し、前記領域のうちの一方のみに、導電性高分子からなる固体電解質層を形成する。さらにこの固体電解質の上にスクリーン印刷などによりグラファイト層を形成し、さらにグラファイト層の表面に導電性ペーストからなる金属層を形成して陰極部とする。一方、絶縁体により区分されたもう一つの領域では、誘電体皮膜を剥離させるなどしてアルミニウム基体を露出させ、陽極リードフレームを溶接して陽極部とする。陰極部および陽極部は、それぞれ導電性接着剤による接着や溶接によってリードフレームなどに電気的に接続してそれぞれ外部に取り出し、固体電解コンデンサの外部陽極端子および外部陰極端子とする。
導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサではESRが低いため、低周波領域におけるインピーダンスは十分に低いが、このコンデンサを高周波駆動の回路に適用するためには、高周波領域におけるインピーダンスも同時に低減させる必要がある。しかし固体電解コンデンサでは、素子の内部構成が原因でコンデンサ内部での電極の配線回路の引き回し長さが増加してしまい、これが原因となってESLが大きくなり、高周波領域でのインピーダンスが相対的に増大するという問題があった。
この解決策として、外部電極を複数設けた多端子構造のコンデンサが提案されている。多端子構造のコンデンサはコンデンサの種別に依らずにESLの低下に効果がある方法である。コンデンサの陰極部および陽極部と外部との電気的な接点として、それぞれ複数の外部陽極端子および外部陰極端子を埋め込んだ形状の電極基板を設けておき、コンデンサ内の陰極部および陽極部をこの電極基板上の外部電極端子に電気的に接続してそれぞれ外部への接続端子とする。これによって外部陽極端子と外部陰極端子の間に生じる電流ループを多くすることができ、高周波領域におけるESLの低減を図ることができる。
導電性高分子を電解質とする多端子構造の固体電解コンデンサとしては、特許文献1に開示されている例がある。この特許文献1に開示のコンデンサの構成について、図11に基づいて説明する。図11(a)は特許文献1に開示の固体電解コンデンサの斜視図であり、図11(b)は、図11(a)のA−Aにおける縦断面図である。図11において、固体電解コンデンサ21は、弁作用金属からなる平板状の基体である陽極体22の両側に陰極部をそれぞれ設けるとともに、厚さ方向に複数の貫通孔を設けて陽極体22へ接続する陽極端子をその表面に引き出した構成である。陽極体22の両面には陽極酸化被膜23、固体電解質層25、陰極層26が順に形成されており、陽極体22と陰極層26の間にコンデンサ構造が形成されている。また貫通孔は固体電解コンデンサ21内に格子点状に形成されており、陰極層26の表面には一面に陰極となる領域が広がる中に、格子点状に陽極端子の領域が設けられた構造となっている。
貫通孔の内部には弁作用金属を圧入することで陽極リード部27が形成されていて、陽極リード部27は絶縁物である陽極酸化被膜23に接している他、絶縁体層24を挟んで固体電解質層25、陰極層26に接している。特許文献1に開示の多端子型の固体電解コンデンサでは電極基板に関する記述はとくにないが、このコンデンサを製品とする際に、その上面もしくは下面に複数の外部陽極端子および外部陰極端子を内部に設けた電極基板を配置して、導電性接着剤などで陽極リード部27や陰極層26とそれぞれ接続して用いることができると考えられる。また側面や底面にも被覆やケースによる絶縁が必要となる他、上面側と下面側の陰極層26どうしを電気的に導通するための何らかの構成を設けておく必要がある。
この固体電解コンデンサの作製方法は以下の通りである。まずアルミニウム、タンタル、ニオブなどからなる多孔質の弁作用金属による平板状の陽極体22を用意して、その平板面に垂直な向きにエッチングや機械加工により複数の貫通孔を設け、そこに陽極体22と同種の弁作用金属からなる陽極リード部27を圧入により埋設する。次いで、陽極体22を陽極酸化させてその表裏面に陽極酸化被膜23を形成する。その後、突出した陽極リード部27の周囲にフォトレジストなどにより絶縁体層24を形成し、続いて化学酸化重合によって導電性高分子からなる固体電解質層25を設け、さらにグラファイト層および銀層からなる陰極層26をその表面に設ける。これにより、固体電解コンデンサ21の両表面には陰極層26が一面に露出することとなり、その中に絶縁体層24に囲まれた陽極リード部27が島状に点々と並列して存在する構成となる。この構成によれば、外部電極端子を多端子構造とすることで電極の配線回路の長さを短縮し、電流ループの複数化を行った固体電解コンデンサを得ることができる。これによって低ESL化を実現し、高周波特性の向上を図ることができる。
特許文献1に開示された外部電極端子を複数設けた多端子構造のコンデンサとは異なる低ESL化のアプローチとして、陽極部および陰極部の形状を工夫する方法が検討されている。この方法では、コンデンサ内での外部電極端子までの配線回路の引き回し経路のうち、絶縁体を挟んで陽極部と陰極部とが互いに対向する領域を可能な限り多く設ける構造として、互いに対向する陽極部と陰極部との間で電流ループを生じさせている。これはいわば陽極と陰極の間に形成される複数のインダクタを互いに並列に接続させる場合に相当し、コンデンサ全体としてのESLを低下させる効果をもたらすものである。固体電解コンデンサの外形は一般に平板状の四角形であるために、静電容量を増加させるためには陰極部の形状を方形状とする場合が有利である。この場合に絶縁体を挟んだ陽極部と陰極部の対向する領域を可能な限り多く設けるために、まず陰極部の4辺の外周を取り囲むように絶縁体を形成し、さらに絶縁体の4辺の外周を取り囲むように陽極部を形成する、2重の囲み構造とすることが提案されている。
以上の2重の囲み構造を有する導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサとして、特許文献2に開示された例がある。このコンデンサの構成について、図12に基づいて説明する。図12(a)は特許文献2に開示の固体電解コンデンサの斜視図であり、図12(b)は、図12(a)のA−Aにおける縦断面図である。図12において、固体電解コンデンサ21は、弁作用金属からなる方形状、とくに正方形の平板状の基体である陽極体22の上面に陰極部を設けるとともに、陽極体22の下面に設けられた底面陽極リード部28をその側面部から上面に引き出した構成である。陽極体22の図の上面にはまず陽極酸化被膜23が形成されており、次いで陰極部である固体電解質層25、陰極層26が順に設けられている。この構成により陽極体22と陰極層26の間にはコンデンサ構造が形成されている。
陰極部である固体電解質層25および陰極層26の外側には、絶縁体層24を挟んで陽極リード部27が設けられている。この陽極リード部27には底面陽極リード部28が接続しているので、底面陽極リード部28を介して陽極体22に電気的に接続されていることとなる。陽極リード部27は絶縁体層24を介して陰極部の4辺の外周を取り囲む構成となっており、ここには絶縁体層24を挟んで陽極部と陰極部とが互いに対向する領域が形成されている。またこのコンデンサ素子の側面および底面には、保護層29が設けられている。
この固体電解コンデンサの作製方法は以下の通りである。まずアルミニウム、タンタルなどの多孔質化された弁作用金属によるシート状の正方形の陽極体22に陽極酸化を施して、その片面(図の上面)に陽極酸化被膜23を形成する。その後、導電性高分子や二酸化マンガンからなる固体電解質層25を設け、さらにその表面に陰極層26を順に形成する。次いで陽極体22の下面に、この陽極体22よりも幅の広い底面陽極リード部28を、金属の蒸着、スパッタ、金属層の貼り付けなどの方法にて形成する。次いで陽極体22、陽極酸化被膜23、固体電解質層25、陰極層26の各側面を取り囲んでエポキシ樹脂による絶縁体層24を形成する。さらに絶縁体層24の外側に、金、銅、ニッケルなどによる金属層を、蒸着、スパッタなどの方法にて形成して陽極リード部27とする。最後にこのコンデンサ素子の底面および側面に保護層29を設ける。なお陰極層26、絶縁体層24、陽極リード部27および保護層29の上面は同一平面となるように構成する。
以上の方法により、固体電解コンデンサ21を構成する正方形の陰極部の4辺の外周には、内部の陽極体からの引き出し電極である陽極リード部が絶縁層を挟んで取り囲むように形成されることになるので、この領域において陰極部と陽極リード部とが互いに対向する構成とすることができる。この構成によれば、互いに対向する陽極部(陽極リード部)と陰極部との間で電流ループを生じさせることができ、固体電解コンデンサの低ESL化を実現することが可能である。
特開2002−237431号公報 特開2001−307956号公報
以上の特許文献1および特許文献2に開示されたそれぞれの固体電解コンデンサに関する技術を併用することができれば、固体電解コンデンサのより一層の低ESL化を実現できると考えられる。しかし、この2つの技術は以下の理由により単純に組み合わせることができず、これらの技術的課題の解決のためのアプローチが必要である。
第1の課題は、特許文献1に開示された固体電解コンデンサにおける下側の陰極層への電気的接続である。図11に示すように、特許文献1に開示された固体電解コンデンサでは、中央に位置する陽極体を挟んで図の上方と下方の両側に2箇所の陰極層が構成されている。この2箇所の陰極層は互いに電気的に接続されていないため、外部電極端子を一方の面に集中して配置する場合にはこの固体電解コンデンサの外部に両面の陰極層どうしを互いに電気的に接続する手段を別途設けなければならない。しかし特許文献2に開示の技術と組み合わせる場合には、固体電解コンデンサの方形状の陰極部の4辺の外周には、絶縁体を挟んで取り囲む陽極部を設ける必要がある。両面の陰極層どうしを電気的に接続する手段はそれ自身が陰極部の一部と見なされるので、この接続手段は陽極部の内側に設けて両面の陰極層とともに陽極部によって囲まれる構成とする必要がある。
第2の課題は、特許文献1にて厚さ方向に設けられた複数の貫通孔の存在である。特許文献1ではその配線距離を短くするために複数の貫通孔を格子点状に設け、その内側が陽極部、その外側が陰極部の電極端子としてそれぞれ用いられるように構成されている。しかしこの場合には固体電解コンデンサの電極面に形成した陽極電極端子と同じ数の貫通孔を両面の陰極部に設ける必要があり、陰極部の面積がこの貫通孔の内側の領域に相当する分だけ小さくなってしまう。陰極部の面積の減少は固体電解コンデンサの静電容量の減少に直接結びつくもので、貫通孔の位置や面積を適正化して陰極部の面積の減少をできるだけ小さくする必要がある。
従って、本発明の目的は、絶縁層を挟んで方形状の陰極部の4辺の外周を取り囲むように陽極部を形成するとともに、その1つの面に、それぞれ複数の外部陽極端子および外部陰極端子を設けてなる、多端子構造の固体電解コンデンサにおいて、陰極部の面積の減少をできる限り小さくする構成を提案することである。この構成により、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサの高周波領域における低ESL化を、静電容量を減少させずに実現することができる。
陽極体の上下の両面に陽極酸化被膜を形成し、さらにそれぞれの陽極酸化被膜上に固体電解質層、陰極層を順に設けて固体電解コンデンサを形成する場合には、コンデンサ内に形成される各層の極性が、上側から順に、陰極−陽極−陰極の順となる。従って例えばコンデンサの上側の1つの面に電極端子を集中させるためには、コンデンサの内部に何らかの電気的な接続手段を設け、内部の陽極体と下側の陰極層からそれぞれ上側の電極端子まで電気的な導通を行う必要がある。このうちコンデンサの厚さ方向のほぼ中央部に位置する陽極体からの接続部材は、特許文献2に開示された従来例の方法を踏襲し、方形状に形成された陰極層の4辺の外周を取り囲むように、絶縁体層とその外側に陽極リードフレームとを形成して陰極層と対向させて、この陽極リードフレームを陽極体に接続させることとする。また前記第1の課題であるコンデンサの下側の陰極層と上側の陰極層との相互の接続については、前記の陽極リードフレームの内側に陽極酸化被膜、陽極体などを貫く開口部を設け、2つの陰極層の相互の接続をその内部を経由して行うことにより解決を図るものとする。
前記の開口部は、特許文献1に開示された固体電解コンデンサの陽極体に接続された貫通孔とは役割が異なるものであり、コンデンサの上側と下側にそれぞれ位置する2つの陰極層を互いに電気的に接続させることが目的である。開口部の内部の側面にはこの両者を導通させる導電性材料による導電部が設置されていて、また陽極体とは電気的に絶縁されている。この開口部の内部の導電部は陰極層と同じ極性であるために、陽極体からの接続部材である陽極リードフレームに対向する位置に設ける必要があり、そのためこの開口部は陽極リードフレームよりも内側に配置されている。発明者らの検討の結果、開口部の位置や断面積、本数によってコンデンサの諸特性が変化することが分かっており、その配置に関しては以下の方法に基づいて設計する必要がある。
まず、開口部の数や断面積が大きいと、陰極層や陽極体の面積が減少して固体電解コンデンサの静電容量の低下を招くことになる。しかし、開口部内の電気的な接続手段である導電部の断面積の合計が小さい場合はコンデンサ内部のESRの上昇を招くことから、開口部の断面積の合計には下限がある。また開口部の加工精度の問題や、コンデンサ内での漏れ電流を小さくするために、開口部の内側に設ける絶縁体層に一定の厚さが必要なこともこの下限が生じる原因である。例えば開口部を方形状の陰極層の中央部に1つだけ設けた場合には、開口部内の導電部に一定の断面積が必要なことから開口部の断面積も大きくする必要があり、この開口部の断面積に相当する静電容量の低下が発生する。この問題は、コンデンサの占有面積を小さくするために陰極−陽極−陰極の組み合わせを複数層積層して、その代わりに1層あたりの陰極層および陽極体の面積を小さく構成した多層構造の固体電解コンデンサの場合に、とくに影響が大きくなる。
発明者らはこの開口部の位置に注目し、コンデンサ内でその静電容量に及ぼす影響ができるだけ小さくなる位置がどこであるかを検討した。図13に基づいてこの検討方法と結果について説明する。図13は方形状の陰極部を有する固体電解コンデンサにおいて、その陰極部の厚さ方向に垂直な向きの断面を示した説明図である。図13において、中央の陰極層26の4辺の外周には絶縁体層24を介して陽極リード部27が設けられており、これらを貫通する開口部は、少なくともその内部に設けられる導電部が陰極層26に電気的に接続される位置に設置される必要がある。ここで絶縁体層24および陽極リード部27を、図13に示すように領域Aと領域Bに分ける。ここで領域Aは陰極層26と陽極リード部27とが絶縁体層24を挟んで直接対向している領域であり、一方領域Bは陽極リード部27に対して直接対向する陰極層26が存在していない領域である。
ESLを低下させるには陰極層26と陽極リード部27とが互いに対向していることが有効であるから、領域Bに存在する陽極リード部27はESLの低下においては寄与の割合が相対的に低いと考えられる。そこで、開口部ができるだけこの領域Bに位置するように設置すれば、陰極層26の面積の減少を最小限に抑えることができるだけではなく、ESLの低下を妨げる影響も抑制することができる。ただし開口部はコンデンサの上側と下側に位置する陰極部どうしを互いに電気的に接続するものであるから、導通のためには陰極層26の一部を含むように設置されるか、少なくとも内部に設けられる導電部が陰極層26に電気的に接続可能な位置に設置される必要がある。このうち開口部が陰極層26の一部を含むように設置される場合は、何も設けない場合に比べて静電容量の低下を完全に防ぐことは困難である。また開口部内に設けられる導電部に対しても対向する陽極リード部27も必要であるから、領域B内の陽極リード部27は完全に除去してしまうのではなく、その一部を残存させておく方がESLの低下を図るためには有利である。
以上から、固体電解コンデンサ内において、それぞれ上側と下側に位置する2つの陰極層である陰極部どうしを電気的に接続するための開口部は、その方形状の陰極部の4箇所の隅部にそれぞれ設ける構成とすることが好ましい。開口部の断面形状はとくに限定されないが、円形もしくは四角形とすることがその製作工程の面で有利である。この開口部を方形状の陰極部の4箇所の隅部の全てに設ける必要は必ずしもないが、開口部内に形成される導電部の断面積を増加させてESRの上昇を防ぐためには開口部が多い方が有利である。また開口部が図13における領域Aの一部も含むように設け、その箇所を介して陰極部との導通を図るよう構成してもよいが、そうせずに逆に陰極部から絶縁体層内に向けて電気的接続のための陰極リードを設けておき、この陰極リードが開口部内の導電部に電気的に接続される構成としても構わない。
開口部内に設ける導電部としては、導電性ペーストの塗布によりこの導電部を形成する場合に良好な結果が得られるが、その他に金属箔を導電性接着剤にて開口部の内部の側面に貼り付ける構成としてもよい。また発明者らの検討によれば、方形状の陰極部とその外側を絶縁体層を挟んで取り囲む陽極部との相対的な対向領域の延べ長さのうち、開口部を設けることにより除去される領域の割合を25%以下とすることが望ましい。この割合が増加すると陰極部と陽極部とが対向することによる効果が減少し、結果としてESLの増加を招くからである。また開口部の内部の側面に設ける導電部は開口部のうち一部に設けてもよく、また開口部全体をこの導電部によって充填する構成としてもよい。ただし開口部を導電部が充填する場合には、まず開口部の内部で陽極体が露出している側面全体に絶縁体層を設け、導電部の全周を取り囲む構成としておく必要がある。またこの開口部がコンデンサ内の他の空隙に繋がっている場合には、その空隙内の全ての導電領域の表面にこの絶縁体層を予め形成しておく必要がある。
一方、前記第2の課題に対しては、固体電解コンデンサの厚さ方向の一方の面上に電極基板を設け、この電極基板上に外部陽極端子と外部陰極端子とを交互に、市松状に並べて配置することで複数電極端子を実現し、多端子型のコンデンサとする。この電極基板上の外部陽極端子と外部陰極端子の位置は、電極基板の下側に位置するコンデンサ内部の陰極層や陽極リード部の配置とは異なっているので、電極基板の内部に陰極層および陽極リード部からそれぞれ引き回しを行う配線部を設け、電極基板の下側で陰極層および陽極リード部と電気的な導通が得られるように構成する。電極基板の内部での外部陽極端子と外部陰極端子までの引き回し領域では、互いに相手を取り囲むように配線部を設けることが可能であるので、両者が常に対向するように配線部を構成すれば、配線部内におけるESLの特段の増加を防ぐことが可能である。
即ち、本発明は、多孔質化された平板状の弁作用金属の厚さ方向に垂直な両面に陽極酸化被膜部が形成され、前記陽極酸化被膜部の両表面の少なくとも一部に、それぞれ固体電解質層、グラファイト層、金属層が順に形成されて陰極部を構成し、前記弁作用金属の両面に形成された前記2つの陰極部は、それぞれ方形状に形成されていて、前記方形状の陰極部のうち少なくとも1つの陰極部の、4辺の外周にそれぞれ絶縁部が形成され、前記絶縁部をそれぞれ挟み、前記陰極部の4辺の外周に対向する位置に、それぞれ前記弁作用金属に電気的に接続されてなる導電性部材からなる陽極部が設けられ、少なくとも前記絶縁部の一部、もしくは前記陽極部の一部のいずれかを含む所定の位置に、前記弁作用金属の一部を貫通する開口部が設けられ、前記開口部の内部側面の少なくとも一部に絶縁部および導電部が設けられ、前記弁作用金属の厚さ方向に垂直な両面に形成されてなる前記各金属層が、前記導電部により互いに電気的に接続されて固体電解コンデンサ素子が形成されており、それぞれ複数の外部陽極端子および外部陰極端子が厚さ方向に垂直な同一面上に設けられてなる電極基板の、前記各外部陽極端子および前記各外部陰極端子に、前記固体電解コンデンサ素子が有する前記陽極部および前記陰極部がそれぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
また、本発明は、前記導電性部材からなる陽極部が陽極リードフレームにより形成され、前記各陽極端子には前記陽極リードフレームが導電性接着剤により電気的に接続されており、前記各陰極端子には前記陰極部が導電性接着剤により電気的に接続されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記弁作用金属の厚さ方向に垂直な両面に形成された前記陽極酸化被膜部の一部が除去されており、前記陽極酸化被膜部の除去領域において、前記陽極リードフレームと前記弁作用金属が溶接によって接続されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部がそれぞれ設けられている前記所定の位置が、前記絶縁部の隅部、もしくは前記陽極部の隅部の少なくともいずれかを含む位置であることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記各開口部が少なくとも方形状の前記陰極部の4辺の外周の隅部を含む位置にそれぞれ形成されており、前記陽極酸化被膜部、前記固体電解質層、前記グラファイト層、および前記金属層の各一部をそれぞれ貫通して形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部が複数設けられていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部が4つ設けられていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部の断面形状が円形であることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記開口部の断面形状が四角形であることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記陰極部の4辺の外周と、前記絶縁部を挟んで前記陰極部を取り囲む前記陽極部とが互いに対向する領域における、前記陰極部の4辺の外周の延べ長さのうち、前記開口部を設けることで除去される領域の長さが25%以下であることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記陰極部の少なくとも1箇所の隅部から、前記絶縁体を交差して陰極リード部が設けられ、前記陰極リード部が前記開口部の側面に形成された前記導電部に電気的に接続されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記導電部が、前記絶縁部の面上に設けた導電性ペーストからなるものであることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記導電部が、前記絶縁部の面上に金属箔を導電性接着剤にて接着してなるものであることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、それぞれ複数の前記外部陽極端子および前記外部陰極端子が、前記電極基板の厚さ方向に垂直な同一面上に市松状に配列されていることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、固体電解コンデンサ素子が前記平板状の弁作用金属の厚さ方向に複数個積層されてなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記固体電解質層が導電性高分子からなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記多孔質化された平板状の弁作用金属がアルミニウムからなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
さらに、本発明は、前記多孔質化された平板状の弁作用金属がタンタルからなることを特徴とする固体電解コンデンサである。
本発明によれば、平板状の陽極体の両面に陽極酸化被膜が形成され、さらにその両面に固体電解質層、陰極層がそれぞれ順に設けられてなる、固体電解質層および陰極層からなる方形状の陰極部の4辺の外周に絶縁体層を介して陽極リード部を設けた、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサにおいてESLの低減を図ることができる。その手段は、前記絶縁体層、もしくは前記陽極リード部における4箇所の隅部のうち、少なくとも1箇所に開口部を設け、コンデンサの両面に設けられた陰極部の間の電気的接続のために、開口部の内部の側面に導電性ペーストまたは金属箔による導電部を設けて、両面の陰極部の間を電気的に導通させることである。また、陰極部の外周部の延べ長さのうち、この開口部を設けることにより除去される領域の長さが25%以下となるように開口部の寸法形状を制限することにより、固体電解コンデンサにおけるESRの大きな増加や静電容量の大きな低下を招くことなくESLの低減化を実現することができる。
本発明の実施の形態による固体電解コンデンサについて、図1ないし図10に基づいてその構成を説明する。なお図1ないし図9における各縦断面図では、横方向の長さに比較して縦方向の長さを強調して記載している。このうち図1および図2は、本発明における固体電解コンデンサの第1の実施の形態に係る説明図である。図1(a)はその上面図、図1(b)は図1(a)のA−Aにおける縦断面図、図2(a)は図1(b)のB−Bにおける横断面図、図2(b)は図1(b)のC−Cにおける横断面図である。
図1および図2において、アルミニウム基体1は四角形のアルミニウム箔からなり、その両面はエッチングなどにより多孔質化が施されている。このアルミニウム基体1の両表面は陽極酸化により陽極酸化皮膜2が形成されている。その中央部には導電性高分子からなる固体電解質層7、グラファイト層8、導電性ペーストなどによる金属層9が、この順番に四角形状に積層により形成されて陰極部3を構成している。陰極部3の4辺の外周にはエポキシ樹脂などによる絶縁体層6が形成され、絶縁体層6の4辺のさらに外周には陽極リードフレーム10が設けられて陽極部5が形成されている。陽極リードフレーム10はアルミニウム箔などの金属部材からなり、固体電解コンデンサの上面に設けられた外部陽極端子11とアルミニウム基体1との間の陽極の電気的接続を行う役割を有している。なおアルミニウム基体1と陽極リードフレーム10の接続部では電気的接続のために陽極酸化被膜2が剥離されており、両者は溶接などによって接続することが好適である。
図2(b)に示されるように、アルミニウム基体1の4箇所にはその厚さ方向に円形の貫通孔である開口部4が設けられており、アルミニウム基体1の上側と下側の双方の金属層9どうしを互いに電気的に接続する役割を果たしている。開口部4の領域の大部分は絶縁体層6の角部の位置にあるが、陰極部3の隅部の一部にも達しており、これによって図2(a)に示されるように金属層9の隅部が開口部4の内部に延在している。この開口部4の内部にはまずアルミニウム基体1との絶縁を図るための絶縁体層6、およびその内側に陰極部3から延在する金属層9が設けられていて、アルミニウム基体1の両側に存在する陰極部3どうしを互いに電気的に接続している。これらの構成によって陰極部3および陽極部5の電気的接点は、それぞれ金属層9および陽極リードフレーム10として図1(b)の上方に集められており、これらは互いに絶縁された導電性接着剤14,15を介して電極基板13にそれぞれ接続されている。なお図2(a)、図2(b)では絶縁体層6と金属層9が開口部4の内部側面の一部のみに形成された場合を図示しているが、この両者が開口部4の内部領域の全体に充填された構成としても構わない。
電極基板13の上面には、図1(a)に示すように複数の外部陰極端子12および外部陽極端子11が電気的接点として市松状に並べて設けられており、これらの電気的接点は電極基板13内を引き回されて、それぞれ導電性接着剤14,15を介して金属層9および陽極リードフレーム10に接続されている。図1(a)では外部陰極端子12および外部陽極端子11がそれぞれ8接点ずつ存在する場合を示している。ここで固体電解コンデンサのアルミニウム基体1より上方の四角形状の陰極部3の4辺の外周には絶縁体層6および陽極リードフレーム10がそれぞれ設けられているが、アルミニウム基体1の下方には陽極リードフレーム10が存在せず、上方の陽極リードフレーム10に対応する領域は空隙16となっている。またこの空隙16に対応する領域ではアルミニウム基体1からの陽極酸化被膜2の剥離も実施されていない。これらの各素子が最終的に樹脂ケース19内に封入固定されて、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサを構成する。
また図3および図4は、本発明の固体電解コンデンサに係る第2の実施の形態の例について示す図である。図3(a)はその上面図、図3(b)は図3(a)のA−Aにおける縦断面図、図4(a)は図3(b)のB−Bにおける横断面図、図4(b)は図3(b)のC−Cにおける横断面図である。図3および図4において、アルミニウム基体1、陽極酸化皮膜2、固体電解質層7、グラファイト層8、金属層9、絶縁体層6、陽極リードフレーム10、導電性接着剤14,15の配置、電極基板13およびその上面の外部陽極端子11、外部陰極端子12の数や配置、構成などについては、前記第1の実施の形態に係る固体電解コンデンサの場合と同等の構成である。
前記第1の実施の形態の場合との違いは円形の開口部4の直径がかなり大きいことである。第1の実施の形態の場合とは異なり、図4(a)に示すように開口部4の領域がその外側に位置する陽極リードフレーム10の一部を削り取るように位置している。また陰極部3を構成する固体電解質層7、グラファイト層8、金属層9を削り取る面積も第1の実施の形態の場合よりも増加している。なお図4(a)、図4(b)では絶縁体層6と金属層9が開口部4の内部側面の一部のみに形成された場合を図示しているが、前記第1の実施の形態の場合と同様に、この両者が開口部4の内部領域の全体に充填された構成としても構わない。しかしここで開口部4が占有する領域には上限があり、方形状の陰極部3とその外側を絶縁体層6を挟んで取り囲む陽極部5との相対的な対向領域の延べ長さのうち、開口部4によって除去される領域の割合を25%以下とする必要がある。開口部4の断面積がこの割合を越えて大きくなるとコンデンサのESLが増加してしまい、本発明の目的を達成することができなくなる。
さらに図5および図6は、本発明の固体電解コンデンサに係る第3の実施の形態の例について示す図である。図5(a)はその上面図、図5(b)は図5(a)のA−Aにおける縦断面図、図6(a)は図5(b)のB−Bにおける横断面図、図6(b)は図5(b)のC−Cにおける横断面図である。図5および図6において、アルミニウム基体1、陽極酸化皮膜2、固体電解質層7、グラファイト層8、金属層9、絶縁体層6、陽極リードフレーム10などの構成、導電性接着剤14,15の配置、電極基板13およびその上面の外部陽極端子11、外部陰極端子12の数や配置については、前記第1の実施の形態に係る固体電解コンデンサの場合と同等の構成である。
前記第1の実施の形態の場合との違いは開口部4が四角形状であることであり、第1の実施の形態の場合とは異なり、図6(a)に示すように開口部4の領域は陽極部5の隅部のみに位置して陰極部3、絶縁体層6のいずれにも達していない。ここで開口部4の内部側面には絶縁体層6を介して金属層9が形成されているが、金属層9からこの開口部4の内部までの電気的な接続の方法は任意である。図5および図6に示した実施の形態では、その一例として、絶縁体層6を溝状に一部削除した上で、その溝の中に陰極リード部17を設ける方法が記載されている。なお図6(a)、図6(b)では絶縁体層6と金属層9が開口部4の内部側面の一部のみに形成された場合を図示しているが、前記第1の実施の形態の場合と同様に、この両者が開口部4の内部領域の全体に充填された構成としても構わない。この第3の実施の形態の場合には陰極部3のうち開口部4によって除去される領域がなく、また陽極部5が絶縁体層6を挟んで陰極部3を相対的に取り囲む領域のうちで、開口部4により除去の対象となる領域も存在しない。従って開口部4により除去される相対的な延べ長さの割合は0%である。
さらに図7および図8は、本発明の固体電解コンデンサに係る第4の実施の形態の例について示す図である。図7(a)はその上面図、図7(b)は図7(a)のA−Aにおける縦断面図、図8(a)は図7(b)のB−Bにおける横断面図、図8(b)は図7(b)のC−Cにおける横断面図である。図7および図8において、アルミニウム基体1、陽極酸化皮膜2、固体電解質層7、グラファイト層8、金属層9、絶縁体層6、陽極リードフレーム10、電極基板13などの構成、電極基板13の上面の外部陽極端子11、外部陰極端子12の数や配置、および開口部4の配置や形状については、前記第3の実施の形態に係る固体電解コンデンサの場合と同等の構成である。
前記第3の実施の形態の場合との違いは開口部4の内部での電気的な接続に金属箔18を用いたことである。図7(b)において、アルミニウム基体1の両側に設けられた陰極部3の最外部に位置する金属層9の表面に導電性接着剤14の層を設け、その上に金属箔18をそれぞれ配置する。その四隅の端部を開口部4の内部に延在させ、絶縁体層6を介して開口部4の内部側面に固定する。この金属箔18としては、両面に銀メッキを施した銅箔などが好適である。2箇所の金属箔18のうち、図の上方の金属箔18の表面に再び導電性接着剤14を配置し、陽極部5に設けた導電性接着剤15とともに電極基板13に接続する。2箇所の陰極部の金属箔18による電気的接続は、電気的特性の面では良好であると考えられるが、第3の実施の形態の場合に比べてコンデンサの作製工程が若干複雑となる特徴がある。なおこの第4の実施の形態の場合は第3の実施の形態の場合と同様、陽極部5が陰極部3を相対的に取り囲む領域のうちで、開口部4により除去される相対的な延べ長さの割合は0%である。
さらに図9および図10は、本発明の固体電解コンデンサに係る第5の実施の形態の例について示す図である。図9(a)はその上面図、図9(b)は図9(a)のA−Aにおける縦断面図、図10(a)は図9(b)のB−Bにおける横断面図、図10(b)は図9(b)のC−Cにおける横断面図である。前記第1の実施の形態の場合との違いは複数のコンデンサ素子を上下に積層したことであり、図9および図10では3段のコンデンサ素子を重ねた場合を図示している。図9および図10において、コンデンサ素子1段当たりのアルミニウム基体1、陽極酸化皮膜2、固体電解質層7、グラファイト層8、金属層9、絶縁体層6、陽極リードフレーム10などの構成、開口部4の配置や形状、金属層9からこの開口部4の内部までの電気的な接続の方法は基本的に前記第1の実施の形態に係る固体電解コンデンサの場合と同等の構成である。また最上部のコンデンサ素子のさらに上方に位置する電極基板13およびその上面の外部陽極端子11、外部陰極端子12の数や配置についても前記第1の実施の形態の場合と同等の構成である。
ただし図9(b)に示す最上部および中央部のコンデンサ素子では、第1の実施の形態の場合は空隙となっていたアルミニウム基体1の下側の最外部にも上側と同じく陽極リードフレーム10が設けられており、またアルミニウム基体1のうちで、この陽極リードフレーム10に接続する領域の陽極酸化皮膜2は剥離されている。なお最下部のコンデンサ素子でのアルミニウム基体1の下側の最外部には、第1の実施の形態の場合と同じく空隙16が設けられている。この合計3段のコンデンサ素子間の電気的な接続は導電性接着剤により実施されており、互いに対向する陽極部5および陰極部3どうしが導電性接着剤14,15により接続されている。これらの構成により、この第5の実施の形態に係る固体電解コンデンサでは、第1の実施の形態の場合のコンデンサを3つ並列に並べた場合と同等の静電容量を得ることができる。
(実施例1)
前記第1の実施の形態に係る固体電解コンデンサを以下の方法にて作製し、その電気的特性を測定した。まず箔状のアルミニウム基体を多孔質化し、さらにその両表面に陽極酸化皮膜を形成した。ここで箔状のアルミニウム基体はアルミ電解コンデンサ用として市販されている材質のものであり、表面に陽極酸化皮膜を形成する上での公称化成電圧が3V、単位面積(cm2)あたりの静電容量が220μF、厚さが70μmである。この箔状のアルミニウム基体を幅4.5mm、長さ4.5mmの正方形状に切り出し、その中心位置から幅3.2mm、長さ3.2mmの正方形の領域に陰極部を形成することとした。次に、陰極部として想定した3.2mm角の前記正方形の頂点に当たる四隅の各位置を中心として、アルミニウム基体の厚さ方向に円形の貫通孔を設けて開口部とした。この開口部の直径はそれぞれ0.26mmである。
さらに、陰極部を周囲から絶縁するために、アルミニウム基体の両面に設定した陰極部の領域の4辺の外周を取り囲むようにエポキシ樹脂をスクリーン印刷して絶縁体層を形成した。絶縁体層の幅は0.3mm、厚さ20μmであり、4箇所の開口部にもこの絶縁体層が流入して、その内部側面の少なくとも一部をこの絶縁体層が被覆している。次いで、アルミニウム基体の両面の陽極酸化皮膜の表面に、モノマーとして3、4−エチレンジオキシチオフェン、酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモニウム、ドーパントとしてパラトルエンスルホン酸を、それぞれモル比が6:1:2の割合で反応させてなる、導電性高分子からなる固体電解質層をそれぞれ形成し、さらにその表面に、スクリーン印刷によって厚さ10μmのグラファイト層をそれぞれ形成した。
続いてグラファイト層および開口部の内部側面の絶縁体上に、酸化銀ナノ粒子と有機銀化合物とを重量比で2:1の割合に混合した低温焼成型導電性ペースト(商品名:XA−9053、藤倉化成株式会社製造)の層を厚さ20μmに形成し、150℃にて放置して前記導電性ペースト中の有機溶剤を揮発させ、さらに220℃にて1分間以上熱処理を行うことにより金属層を形成した。この方法にて固体電解質層、グラファイト層、金属層からなる正方形状の陰極部をアルミニウム基体の両面に形成した。この金属層は開口部内の絶縁体層の表面にも形成されており、4箇所の開口部を介してアルミニウム基体の両側の陰極部どうしの電気的接続を可能にしている。さらにアルミニウム基体上の陽極酸化皮膜のうち、絶縁体層よりも外周部に位置する陽極酸化皮膜をその片面のみ除去してアルミニウム基体を露出させ、陽極リードフレームをこのアルミニウム基体に溶接して陽極部を形成した。この陽極部は正方形状の陰極部の外側を絶縁体層を挟んで取り囲む形状となっており、両者の相対的な対向領域の延べ長さのうち、開口部により占有される領域の割合(開口部の割合)は8%となっている。
その後で、表面にそれぞれ8箇所の外部陽極端子と外部陰極端子とが市松状に等間隔に並んで形成されている電極基板を、前記陽極部および陰極部を構成する陽極リードフレームと金属層の表面に、それぞれ導電性接着剤により接合した。最後に樹脂ケースを用意して、前記の方法にて作製したコンデンサ素子と電極基板との接合体をその中に組み込み固定することで、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサを完成させた。この方法による固体電解コンデンサの作製数は30個である。
作製した30個の固体電解コンデンサについて電気特性を測定した。測定項目は、静電容量、ESR、ESL、漏れ電流の4項目である。静電容量およびESRはいずれも交流インピーダンスブリッジ法により測定している。このうち静電容量の測定条件は、印加した基準信号の周波数が120Hz、電位差が1Vrmsで、DCバイアスを0Vとした。一方ESRは印加した基準信号の周波数が100kHz、電位差が1Vrms、DCバイアスは0Vとしている。またESLは固体電解コンデンサを所定の評価基板にはんだ付けにより接合して、ネットワークアナライザを用いて100MHzにおけるS21特性(伝達特性)を測定し、その結果をもとに等価回路のシミュレーションを行うことにより算出した。また、漏れ電流については固体電解コンデンサの定格電圧である2.5Vの信号を印加し、1分後の値を測定した。作製した30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の実施例1に示す。
(実施例2)
前記第2の実施の形態に係る固体電解コンデンサを同様に作製し、その電気的特性を測定した。作製した固体電解コンデンサの寸法形状、および作製の手順は実施例1の場合とほぼ同一であるが、陰極部として想定したアルミニウム基体上の3.2mm角の正方形の領域の頂点の各位置を中心として、アルミニウム基体の厚さ方向に設けた円形の開口部を直径0.8mmの貫通孔としている。開口部の直径を実施例1の場合の約3倍としたことにより、このときの開口部の割合は25%に増加している。なお測定に用いた固体電解コンデンサの作製数も実施例1の場合と同じく30個である。この場合の測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一であり、30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の実施例2に示す。
(実施例3)
前記第3の実施の形態に係る固体電解コンデンサを同様に作製し、その電気的特性を測定した。作製した固体電解コンデンサの寸法形状、および作製の手順は実施例1の場合とほぼ同一であるが、円形の開口部の代わりに幅4.5mm、長さ4.5mmのアルミニウム基体の四隅にそれぞれ幅0.35mm、長さ0.35mmの四角形状の開口部を厚さ方向に設けた。この開口部の領域はアルミニウム基体上の陽極部のみに位置して陰極部や絶縁体層には達していない。このため陽極部と陰極部が互いに対向する領域のうち、開口部によって占有される領域は存在せず、従って開口部の割合は0%である。
この開口部と陰極部は絶縁体層によって隔てられているが、グラファイト層の印刷後に厚さ20μmの金属層を形成する際に、陰極部と開口部の間の絶縁体層の上部にもこの金属層を延在させて陰極リード部とした。この金属層は実施例1の場合と同様に開口部内の絶縁体層の表面にも形成し、4箇所の開口部を介してアルミニウム基体の両側の陰極部どうしを電気的に接続している。なお測定に用いた固体電解コンデンサの作製数も実施例1の場合と同じく30個である。この場合の測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一であり、30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の実施例3に示す。
(実施例4)
前記第4の実施の形態に係る固体電解コンデンサを同様に作製し、その電気的特性を測定した。固体電解コンデンサの作製の手順は実施例3の場合と同様であって開口部の割合も0%であるが、陰極部の最上層である金属層の形成時にこの金属層を絶縁体層の上部に延在させることはせず、アルミニウム基体の両側の金属層の表面に厚さ10μmの導電性接着剤の層をそれぞれ設け、さらにその両側の表面に、両面に銀メッキを施した銅箔をそれぞれ配置した。この陰極部の上に設けられた銅箔の四隅は絶縁体層の上部を横断してそれぞれ開口部内に達しており、開口部内を経由してコンデンサ素子の反対側に位置する銅箔と相互に接続している。この銅箔の一方の面上に再び導電性接着剤を配置し、陽極部に設けた導電性接着剤とともにそれぞれ電極基板に接合させて、150℃まで昇温して硬化させた。測定に用いた固体電解コンデンサの作製数は実施例1の場合と同じく30個である。この場合の測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一であり、30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の実施例4に示す。
(実施例5)
前記第5の実施の形態に係る固体電解コンデンサを同様に作製し、その電気的特性を測定した。固体電解コンデンサの作製の手順は実施例1の場合と同様であって開口部の割合も0%であるが、合計3個の固体電解コンデンサ素子を互いに厚さ方向に重ねた形状であり、また最上部および中央部に位置するコンデンサ素子では、アルミニウム基体の下側においても同様に陽極酸化皮膜を剥離した上で溶接により陽極リードフレームを接続した。合計3個のコンデンサ素子どうしの相互の接続は、最上部の固体電解コンデンサ素子の上部に電極基板を接続する場合と同じく導電性接着剤により実施しており、各コンデンサ素子の陽極部および陰極部の接続箇所に厚さ10μmの導電性接着剤の層をそれぞれ設け、150℃まで昇温して硬化させた。測定に用いた固体電解コンデンサの作製数は実施例1の場合と同じく30個である。この場合の測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一であり、30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の実施例5に示す。
比較例として、円形の開口部の断面積をさらに広げたもの、開口部を陰極部の中央に1箇所のみ設け、陰極部の四隅には設けなかったもの、実施例1の場合と同様であるが、開口部の内部の側面に絶縁体層を設けておらず、開口部内の金属層が絶縁されていないものの3種類の固体電解コンデンサを作製し、その特性を実施例1〜5と比較した。
(比較例1)
比較例1は前記第2の実施の形態に係る固体電解コンデンサよりも4箇所の開口部の直径をさらに拡大したものであり、円形の開口部の直径はそれぞれ1.0mmである。このときの絶縁体を挟んで互いに対向する陰極部と陽極部の相対的な対向領域の延べ長さのうちで、開口部により占有される領域の割合(開口部の割合)は30%に増加している。なお測定に用いた固体電解コンデンサの作製数は実施例1の場合と同じく30個であり、測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一である。30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の比較例1に示す。
(比較例2)
比較例2は前記第1の実施の形態に係る固体電解コンデンサに形成されている4箇所の開口部を廃止し、代わりに陰極部の中央にコンデンサ素子の厚さ方向に直径1.0mmの円形の開口部を1箇所のみ設けたものである。コンデンサ素子の両側の陰極部どうしの電気的接続はこの1箇所の開口部のみによって実施しており、開口部の内部側面に絶縁体層をまず設け、陰極部の金属層の形成の際にこの開口部の表面に金属層を設けている。陰極部の四隅には開口部がないので、開口部により占有される領域の割合は0%である。なお測定に用いた固体電解コンデンサの作製数は実施例1の場合と同じく30個であり、測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一である。30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の比較例2に示す。
(比較例3)
比較例3は前記第1の実施の形態に係る固体電解コンデンサと同一の形状であるが、4箇所の開口部の内部側面に形成していた絶縁体層を設けずに、開口部の両側に位置する金属層を接続する開口部の内部の金属層が、その内部側面に直接に接触している構成である。開口部はアルミニウム基体を貫通しているので、コンデンサ素子の陰極部を構成する金属層の一部がこの箇所でアルミニウム基体に直接に接触することとなる。開口部の割合は実施例1の場合と同じく8%である。なお測定に用いた固体電解コンデンサの作製数は実施例1の場合と同じく30個であり、測定項目およびその測定方法も実施例1の場合と同一である。30個の固体電解コンデンサの各特性の平均値を、前記の開口部の割合の値とともに表1の比較例3に示す。
Figure 0004743896
表1において、開口部の割合が25%以下である実施例1〜5ではいずれもESLの値が155pH以下であり、開口部の割合が30%である比較例1の場合に比べてESLの値の低い固体電解コンデンサが得られていることが分かる。静電容量や形状寸法にもよるが、現在市販されている一般的なコンデンサのESL値はLW逆転型の積層セラミックコンデンサにおいて200pH程度であり、実施例1〜5の固体電解コンデンサはいずれもそれよりも優れたESLの値を示している。
なお、開口部の割合が0%である実施例3ではESRの値がやや大きくなっているが、これは陰極部から開口部まで陰極リード部を設けるなどの形状のために、導電性ペーストなどによる陰極部間の接続領域に多少狭隘な部分が生じていて、そのため、接続抵抗が若干増加したものと考えられる。このESRの増加は実施例4に示している、コンデンサ素子の両側の陰極部間の接続を両面に銀メッキを施した銅箔により実施する方法では解消されており、開口部内での金属箔による電気的接続が良好な結果をもたらすことが分かる。なお実施例5では3層のコンデンサ素子を積層したために、静電容量と漏れ電流がそれぞれ実施例1の場合の約3倍となっている。
比較例1に記した固体電解コンデンサでは、実施例1および2の場合に比べて開口部の断面積の増加によって陰極部の一部が削られてしまい、そのために静電容量が小さくなっている他に、ESLの値が前記の一般的な積層セラミックコンデンサ並に低下している。また開口部を陰極部の中央に設けた比較例2の場合はESLの低下は達成しているものの、陰極部面積の減少によって静電容量が低下している他、ESRの値の増加も招いている。これは作製中に開口部の内部に固体電解質層の堆積が発生し、開口部が狭くなってコンデンサ素子の両側の陰極部間の電気的接続を行うことが困難となったためである。また比較例3の場合は開口部の内部側面に絶縁体層が設けられていないため、陰極部に接続された開口部内の金属層とアルミニウム基体との間で大きな漏れ電流が発生しており、これらいずれの場合にも固体電解コンデンサとしては問題があることが分かる。
以上示したように、本発明の固体電解コンデンサによれば、コンデンサ素子の両面の陰極部の電気的接続を行うための開口部を、陰極部の4辺の外周に設けられる絶縁体層、もしくは絶縁体層のさらに外周に設けられる陽極部における4箇所の隅部のうち、少なくとも1箇所に設けることにより実施する。このときに陰極部と陽極部とが互いに対向する領域のうち、この開口部により占有される領域の割合を25%以下とすることにより、静電容量が大きくてしかもESLが低い、導電性高分子を電解質とする固体電解コンデンサを提供することが可能である。なお、上記では、弁作用金属として主にアルミニウムを例として説明したが、他にタンタル、ニオブ、チタン、マグネシウムなどが使用できることは言うまでもない。また、上記実施例の説明は、本発明の実施の形態に係る場合の効果について説明するためのものであって、これによって特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは請求の範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
本発明の固体電解コンデンサに係る第1の実施の形態の例について示す図。図1(a)はその上面図、図1(b)は図1(a)のA−A方向の縦断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第1の実施の形態の例について示す図。図2(a)は図1(b)のB−B方向の横断面図、図2(b)は図1(b)のC−C方向の横断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第2の実施の形態の例について示す図。図3(a)はその上面図、図3(b)は図3(a)のA−A方向の縦断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第2の実施の形態の例について示す図。図4(a)は図3(b)のB−B方向の横断面図、図4(b)は図3(b)のC−C方向の横断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第3の実施の形態の例について示す図。図5(a)はその上面図、図5(b)は図5(a)のA−A方向の縦断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第3の実施の形態の例について示す図。図6(a)は図5(b)のB−B方向の横断面図、図6(b)は図5(b)のC−C方向の横断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第4の実施の形態の例について示す図。図7(a)はその上面図、図7(b)は図7(a)のA−A方向の縦断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第4の実施の形態の例について示す図。図8(a)は図7(b)のB−B方向の横断面図、図8(b)は図7(b)のC−C方向の横断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第5の実施の形態の例について示す図。図9(a)はその上面図、図9(b)は図9(a)のA−A方向の縦断面図。 本発明の固体電解コンデンサに係る第5の実施の形態の例について示す図。図10(a)は図9(b)のB−B方向の横断面図、図10(b)は図9(b)のC−C方向の横断面図。 従来の固体電解コンデンサの例について示す図。図11(a)は斜視図、図11(b)は図11(a)のA−Aにおける縦断面図。 従来の固体電解コンデンサの例について示す図。図12(a)は斜視図、図12(b)は図12(a)のA−Aにおける縦断面図。 方形状の陰極部を有する固体電解コンデンサの、厚さ方向に垂直な向きの陰極部を含む断面を示した説明図。
符号の説明
1 アルミニウム基体
2 陽極酸化皮膜
3 陰極部
4 開口部
5 陽極部
6 絶縁体層
7 固体電解質層
8 グラファイト層
9 金属層
10 陽極リードフレーム
11 外部陽極端子
12 外部陰極端子
13 電極基板
14,15 導電性接着剤
16 空隙
17 陰極リード部
18 金属箔
19 樹脂ケース
21 固体電解コンデンサ
22 陽極体
23 陽極酸化被膜
24 絶縁体層
25 固体電解質層
26 陰極層
27 陽極リード部
28 底面陽極リード部
29 保護層

Claims (18)

  1. 多孔質化された平板状の弁作用金属の厚さ方向に垂直な両面に陽極酸化被膜部が形成され、前記陽極酸化被膜部の両表面の少なくとも一部に、それぞれ固体電解質層、グラファイト層、金属層が順に形成されて陰極部を構成し、
    前記弁作用金属の両面に形成された前記2つの陰極部は、それぞれ方形状に形成されていて、
    前記方形状の陰極部のうち少なくとも1つの陰極部の、4辺の外周にそれぞれ絶縁部が形成され、前記絶縁部をそれぞれ挟み、前記陰極部の4辺の外周に対向する位置に、それぞれ前記弁作用金属に電気的に接続されてなる導電性部材からなる陽極部が設けられ、
    少なくとも前記絶縁部の一部、もしくは前記陽極部の一部のいずれかを含む所定の位置に、前記弁作用金属の一部を貫通する開口部が設けられ、
    前記開口部の内部側面の少なくとも一部に絶縁部および導電部が設けられ、前記弁作用金属の厚さ方向に垂直な両面に形成されてなる前記各金属層が、前記導電部により互いに電気的に接続されて固体電解コンデンサ素子が形成されており、
    それぞれ複数の外部陽極端子および外部陰極端子が厚さ方向に垂直な同一面上に設けられてなる電極基板の、前記各外部陽極端子および前記各外部陰極端子に、前記固体電解コンデンサ素子が有する前記陽極部および前記陰極部がそれぞれ電気的に接続されてなることを特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記導電性部材からなる陽極部が陽極リードフレームにより形成され、前記各陽極端子には前記陽極リードフレームが導電性接着剤により電気的に接続されており、前記各陰極端子には前記陰極部が導電性接着剤により電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記弁作用金属の厚さ方向に垂直な両面に形成された前記陽極酸化被膜部の一部が除去されており、
    前記陽極酸化被膜部の除去領域において、前記陽極リードフレームと前記弁作用金属が溶接によって接続されていることを特徴とする請求項2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記開口部がそれぞれ設けられている前記所定の位置が、前記絶縁部の隅部、もしくは前記陽極部の隅部の少なくともいずれかを含む位置であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記各開口部が少なくとも方形状の前記陰極部の4辺の外周の隅部を含む位置にそれぞれ形成されており、前記陽極酸化被膜部、前記固体電解質層、前記グラファイト層、および前記金属層の各一部をそれぞれ貫通して形成されていることを特徴とする請求項4に記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記開口部が複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記開口部が4つ設けられていることを特徴とする請求項6に記載の固体電解コンデンサ。
  8. 前記開口部の断面形状が円形であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  9. 前記開口部の断面形状が四角形であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  10. 前記陰極部の4辺の外周と、前記絶縁部を挟んで前記陰極部を取り囲む前記陽極部とが互いに対向する領域における、前記陰極部の4辺の外周の延べ長さのうち、前記開口部を設けることで除去される領域の長さが25%以下であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  11. 前記陰極部の少なくとも1箇所の隅部から、前記絶縁体を交差して陰極リード部が設けられ、前記陰極リード部が前記開口部の側面に形成された前記導電部に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  12. 前記導電部が、前記絶縁部の面上に設けた導電性ペーストからなるものであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  13. 前記導電部が、前記絶縁部の面上に金属箔を導電性接着剤にて接着してなるものであることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  14. それぞれ複数の前記外部陽極端子および前記外部陰極端子が、前記電極基板の厚さ方向に垂直な同一面上に市松状に配列されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  15. 固体電解コンデンサ素子が前記平板状の弁作用金属の厚さ方向に複数個積層されてなることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  16. 前記固体電解質層が導電性高分子からなることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  17. 前記多孔質化された平板状の弁作用金属がアルミニウムからなることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
  18. 前記多孔質化された平板状の弁作用金属がタンタルからなることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の固体電解コンデンサ。
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