JP4743734B2 - 粉粒体気力輸送用サーバー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉粒体を気力輸送する粉粒体気力輸送用サーバーに関するものである。詳しくは、粉粒体気力輸送用サーバー内で粉粒体と高圧気体とを混合し気力輸送配管に排出するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
粉粒体気力輸送用サーバー等に関しては様々な発明がなされている。
例えば、特開平11−130257号、特開平7−2356号、特開平6−286872号、特開平6−56267号、特開平6−40561号等に示す通り、圧力気体を供給する圧力供給源と、粉粒体を供給するホッパー、ホッパーの下流において、前記圧力気体と粉粒体とを輸送管で合流させるものがある。圧力供給源から輸送管までは計器、弁等の諸設備が配置されている。
さらに、例えば、その中に、穀物等の空気輸送用混入機(特開昭63−66021号等)が挙げられるが、これは、空気取入管と排出管との間に、前管と後管とを相互に螺合させて長さ調整可能にした膨らみ状の滞留室を設け、その前管の内壁には傾斜壁を形成し、滞留室内にホッパーから伸びて緩やかに屈曲した導入管を挿入するとともに、その先端部を傾斜壁に接近させて狭隘なる噴射孔に形成し、かつ、導入管の屈曲部一部に空気取り入れ管に向けて開口し、管内に空気流を導入するための分流管を連通させ、空気取入管と排出管及び導入管との口径をほぼ等しくするとともに、前管の内壁と導入管とで挟まれる空間の縦断面積を空気取入管の縦断面積とほぼ等しくしたものである。これにより輸送の流れを円滑化し、噴射圧の調整が可能で、圧力損失が極力少ない混入機としたものが例示される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の一般的な発想はホッパーと圧力空気供給装置とは別体とされ、メンテナンスが面倒であったり、設備が大型化する問題がある。即ち、弁、配管、計器等の圧力空気供給装置が複雑化し、種々の不都合を生じている。
また、特開昭63−66021号のようにホッパーの外部領域の下部に混合機を設けたものなどが挙げられるが、従来の発想の枠をでたものは皆無であった。即ち、従来の技術で述べたものにあっては、ホッパーの外部で混合気形成処理をしようとするため、空気と粉体の交わる場所で、高圧気体に乱流が発生しやすく、エネルギーロスが生じ、輸送効率が低下するとともに、設備が複雑化、大型化する問題点を有していた。また、低濃度高速空気輸送には適するが、高濃度低速気力輸送は困難であり適用範囲が限定されるという欠点もある。さらに、従来の混入機では、ホッパー内壁や角部に粉体が付着、成長し、衛生面など様々な問題の原因となるおそれがある。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような種々の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、上述の問題を解決できるものを提供するものである。
さらに、二重配管式の気力輸送配管を実現しようとすると、内管と外管とにそれぞれ高圧気体のタンク等から配管をしなければならず、レシーバ・タンク、コンプレッサー、配管等の設備が一層、大型化する問題が考えられ、このような問題も解決するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段及び効果】
即ち、請求項1の装置は、粉粒体供給装置の下部に設けたベースを備え、粉粒体と高圧気体の混合気を、気力輸送配管へ送り込む粉粒体気力輸送用サーバーであって、前記ベースが高圧気体のレシーバ・タンクであり、気力輸送のための輸送気体である高圧気体を供給する高圧気体供給部と、該高圧気体供給部と連通する高圧気体室と、前記レシーバ・タンクの上部に設けた粉粒体供給開口と、前記レシーバ・タンクの内部の上部に取り付けられ、前記高圧気体室に囲まれるように形成され、該粉粒体供給開口から落下する粉粒体を受けるホッパーと、該ホッパーの上部に設けられ前記高圧気体室とホッパーとを連通させる通路と、前記ホッパーの内側領域に形成され粉粒体と高圧気体との混合気を形成する混合気形成室と、該混合気形成室の下部に設けた出口と接続し前記混合気を前記気力輸送配管に供給する内部配管と、を備え、前記高圧気体室から前記通路を経て前記ホッパーの傾斜内壁に沿って高圧気体が供給されることにより、前記ホッパー内に供給される前記粉粒体と前記高圧気体とが混合して混合気となり、該混合気が前記内部配管に向かって供給され、該内部配管を通して前記気力輸送配管に供給されることを特徴とする粉粒体気力輸送用サーバーである。
【0006】
上記請求項1記載の装置によれば、粉粒体が重力方向に落下し、高圧気体が斜め下方に向かって集約的に供給されるので、粉粒体と気体とが円滑に混合され、高圧気体による乱流が生じることを防止でき、前記課題が好適に解決できる。
なお、前記ホッパーは丸形に限らず、角形等の他の形状であっても良い。
【0007】
基本的な使用方法としては、圧送式気力輸送、又は吸引式気力輸送のいずれでも適応可能であり、前記ベースの高圧気体室のレシーバタンク機能により、気力輸送圧を安定させるものである。圧送式気力輸送の場合には、高圧気体室内は正圧となり、その場合は、エアロック機能付きの供給装置(ロータリバルブ、ダブルダンパ等)が必要となる。吸引式気力輸送の場合には、レシーバタンク内は負圧となり、エアロック機能のない供給装置でも使用が可能となる。吸引式気力輸送で使用した場合は、特殊な混合気体を使用した場合の混合比の安定化、または、温度・湿度などの安定した測定(計測)が挙げられる。もちろんこの点は、圧送式気力輸送にも適用できる。
また、高濃度輸送、中濃度輸送、低濃度輸送に限らず適用されるが、濃度は、輸送配管内における粉粒体量と気体量との混合比によるもので、その設定により気体圧、輸送速度等が変化するのである。それらの設定は概念的なものであり、公の標準的な設定基準があるわけではない。但し、輸送気体圧を安定させるという意味では、濃度(粉粒体の混合比)が高いほど利用価値は上がると考えられる。
【0008】
また、本発明による装置は、前記内部配管の端部に二重管構造の出口部を設けたことを特徴とする粉粒体気力輸送用サーバーが好ましい。これにより前記課題が好適に解決できる上、二重配管の気力輸送配管の内側通路へ混合気を円滑に供給することができるとともに、外側通路に高圧気体を供給できる効果がある。
【0009】
また、本発明による装置は、前記気力輸送配管が内管と外管とを備え内側通路と外側通路が形成された二重管構造であり、前記気力輸送配管と前記出口部とが接続され、前記混合気形成室から前記内側通路へ前記混合気が輸送され、前記高圧気体室から前記外側通路に高圧気体が供給される構造とすることが好ましい。これにより前記課題が好適に解決できる上、前記混合気が高圧気体で包まれるように二重輸送されるので、掃除等の容易化、騒音防止、配管構造の簡素化、調湿・調温等の簡素化、結露防止、外側通路に配線できる等の効果が生じる。
【0010】
請求項3の装置は、 粉粒体受入容器と、該粉粒体受入容器の下部に配置した粉粒体供給装置と、を備え、前記粉粒体供給開口は、前記粉粒体供給装置の出口に接続され、前記粉粒体供給開口から前記混合気形成室に向かって粉粒体供給筒が下方に延び出し、粉粒体を供給するとともに、前記高圧気体を誘導する請求項1又は2の粉粒体気力輸送用サーバーである。これにより前記課題が好適に解決できる上、高圧気体が粉粒体供給筒によって円滑に誘導され、乱流の防止の効果が高められる。
【0011】
本発明による装置は、前記粉粒体供給装置がロータリーバルブであり、粉粒体高濃度気力輸送の送り元に適用されるものとすることが好ましい。これにより前記課題が好適に解決できる上、ロータリーバルブにエアロック機能を備えることで、円滑な気力輸送が可能になる。
【0012】
本発明による装置は、前記粉粒体受入容器と、前記粉粒体供給装置とがカバーで覆われて、これにより、収容空間が形成され、該収容空間に、温湿度計等の気力輸送用計器が配置されるものとすることが好ましい。これにより前記課題が好適に解決できる上、収容空間を計器の設置スペースとして有効に利用でき、小型化が達成できる。
【0013】
本発明による装置は、前記ホッパーの傾斜壁に沿って前記高圧気体が流れ、前記内部配管は、前記混合気の流れを下方向から横方向に転流させるものとすることが好ましい。これにより前記課題が好適に解決できる上、高圧気体の流れが円滑になり、抵抗が低減されることで、エネルギーロスを一層低減化できる効果がある。
【0014】
請求項4の装置は、粉粒体と高圧気体の混合気を、気力輸送配管へ送り込む粉粒体気力輸送用サーバーであって、粉粒体供給装置の下部に設けたベース部分が高圧気体のレシーバ・タンクとされ、前記レシーバ・タンクの上部に粉粒体供給開口を設け、前記レシーバ・タンクの内部の上部にホッパーが取りつけられ、前記ホッパーを包囲するように高圧気体室が形成され、該高圧気体室から前記ホッパーの上部において該ホッパーの傾斜内壁に沿って高圧気体が供給されることにより該ホッパー内に前記粉粒体供給開口から供給される前記粉粒体と前記高圧気体とを混合して混合気となし、該混合気が前記ベース部分の内部配管を通して前記気力輸送配管に供給され、高圧気体用レシーバ・タンクと混合気形成装置とが兼用されたことを特徴とする粉粒体気力輸送用サーバーである。これにより前記課題が好適に解決できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した第1実施形態の粉粒体気力輸送用サーバー1について図1〜図4を参照して説明する。
第1実施形態の粉粒体気力輸送用サーバー1は、図1及び図2の通り、粉粒体と、高圧気体(ここでは例えば輸送用高圧空気)との混合気を、円滑に、二重管構造の空気輸送配管2へ送り込むための二重管構造を備えたものであって、管等から構成された高圧気体供給部3と、この高圧気体供給部3と連通する高圧気体室4と、上部に設けた通路5(ここでは孔)を介して高圧気体室4と連通するホッパー6と、ホッパー6の内部領域にあり粉粒体と高圧気体との混合気を形成する混合気形成室7と、この混合気形成室7の下部に設けた出口8と接続する内部配管9と、内部配管9の端部に設けた二重管構造の出口部10と、を備えたベース13を備えている。混合気形成室7に上部から粉粒体が供給され、高圧気体室4から混合気形成室7に高圧気体が供給され、混合気形成室7に供給された粉粒体は、重力によって内部配管9に向かって落下し、混合気形成室7に供給された高圧気体は、内部配管9に向かって供給される。出口部10は、図3の通り、側面視で、中央部に比較的大きな径の内管通気孔11と、内管通気孔11の周囲に設けた所定数(単数又は複数、ここでは8個)の外管通気孔12とを備えている。ホッパー6においては、高圧気体がその傾斜内壁に沿って斜め下方に流れて中央部に集合させられるため、ホッパー6の内壁への粉体付着を抑える特徴がある。上述のベース13が高圧気体のレシーバ・タンクを兼ねているのであり、これにより、空気輸送における高圧気体の直接的な供給が可能となり、安定した圧力と空気量を確保するために設置されるレシーバ・タンクや配管等が不要になり、省スペース、コストダウンにつながる。特に、高圧気体供給部3を1箇所とすることができるので、構造が簡素化できる。内部配管9は、図1の通り、ベンド管、縮径管、水平な直管とから構成され、実質的に下方向から横方向に流れを転換させている。なお、高圧気体供給部3へ高圧気体を供給する高圧源(コンプレッサ、ブロワー等)は、別途、図示しない場所に設置してある。
【0016】
ベース13の上面板14に所定形状(丸形、角形等)の粉粒体供給開口15が形成され、その周囲にロータリーバルブ16のベース部分17を接続するための所定形状(丸形、角形等)の接続板18が設けられている。この接続板18から下方に図1の通り角筒状に形成された粉粒体供給筒19が混合気形成室7内に延び出している。この粉粒体供給筒19はその外周の環状の空間から横方向に流れ込む高圧気体の流れを実質的に斜め下方に転換させるものであり、高圧気体の流れを円滑として乱流を防止することができるものである。ロータリーバルブ16にモータ28が直結されている。ロータリーバルブ16はモータ28に駆動機構を介して間接的に結合させても良い。ロータリーバルブ16の上部開口に所定形状(角形、丸形等であってここでは角形)の粉粒体受入容器20(本実施形態ではホッパー)が接続されている。要するに、本サーバー1は上面板14で上部と下部とに区画されている。高圧気体供給部3から高圧気体を受け入れ通路5又は外管通気孔12から高圧気体を排出し、ロータリーバルブ16と混合気形成室7とを連通させて粉粒体を上部から受け入れるようにしている。その他は、気密性が保持されている。
【0017】
ロータリーバルブ16は、回転可能に軸支された粉粒体輸送用の回転羽根16a(ローターとも呼ばれる)を供えた周知の構造であり、矩形のケーシング部材16bと、軸受16cと、本体ケーシング16bにより囲まれた粉体輸送室16d、上下に設けた出入口等から構成されている。ここでは単に図示するに止め、詳細は割愛するが、ここでは、いわゆるエアロック機能を備えたものである。
【0018】
粉粒体受入容器20、ロータリーバルブ16、粉粒体供給筒19を経て粉粒体が混合気形成室7へ供給され、一方、ホッパー6上部の通路5から高圧気体が供給され、粉粒体供給筒19を通過した粉粒体は、重力によって落下する。粉粒体の一部はホッパー6の傾斜内壁に添って強制落下し、中央部は自由落下によって、下部に向かって縮流されながら落下するのである。混合気形成室7内部に供給された高圧気体は、ホッパー6下部に向かって下向きに供給され、混合気形成室7で混合気が形成される構造である。圧送式の場合は、ブロア、コンプレッサ等により高圧気体室4が正圧となり、高圧気体が混合気形成室7の内部へ供給されるようになっている。圧送式に代えて、吸引式の場合は、高圧気体供給部3は、高圧気体の取入口としての役目を果たし、高圧気体室4は負圧になる。
【0019】
このロータリーバルブ16からホッパー6内部の混合気形成室7に粉粒体が排出されるとともに、高圧気体室4から混合気形成室7へ高圧気体が供給されることにより、粉粒体気力輸送用サーバー1は粉粒体空気輸送の送り元を構成することができる。
【0020】
なお、高圧気体供給部3、或いは通路5の形状、設置数(単数、複数)、設置箇所も適宜設定できる。ロータリーバルブ16の排出口は角型でも丸型でも良い。
【0021】
前記のロータリーバルブ16と粉粒体受入容器20(上部開口を除く)はカバー21で覆われて、温湿度計、圧力計等の粉粒体気力輸送用計器23が、レシーバ・タンク兼用ベースであるベース13の上面板14に設置されカバー21で覆われることにより、品質管理や、加温、加湿による製品の調整、空気輸送コンディションの調整を大変簡易に行うことが可能となる。粉粒体気力輸送用計器23の主な被測定対象は高圧気体室4内の高圧気体である。さらに、カバー21に制御盤24が設置されている。なお、ドレン25がベース13の下部に配置されている。
【0022】
ロータリーバルブ16に代えて、図4のスクリューフィーダ30、又は図5の多重ダンパ40(例えばダブルダンパ)、その他の均等物とすることもできる。
図4のスクリューフィーダ30は連続的に粉粒体を供給するものであり、低濃度高速空気輸送等に適する。
空気輸送用のエアーロック機能を備えたロータリーバルブのほかに図5の多重ダンパ40がある。この多重ダンパ40は複数の第1ホッパ41,第2ホッパ42,第3ホッパ43を備え、第2ホッパ42の下部と第3ホッパ43の上部の間に第1フラップ部44、第3ホッパ43の下部に第2フラップ部45を備えたものである。第1フラップ部44と第2フラップ部45とが一定間隔で交互に断続的に開閉する構造である。空気圧力の遮断(エアロック)はある程度可能である。
ロータリーバルブ16、スクリューフィーダ30、多重ダンパ40は連続輸送構造である。確かにロータリーバルブ16のポケット(トラフ)が回転し、そのポケットから粉体が落ちてくると、ある一定量貯めて落とすという繰り返しとなるので、実質的に、脈動的、間欠的な供給となるが、バッチ処理ではない。厳密にいえば、脈動的ではあるが、大略は、連続的である。
【0023】
粉粒体気力輸送用サーバー1は、高濃度粉粒体気体輸送、中濃度粉粒体気体輸送、低濃度粉粒体気体輸送など幅広く適用できる。いずれになるかは、風量、配管径、ロータリーバルブの粉粒体の供給量等によって、空気輸送中に使用する気体と粉粒体の混合比が変わることで決定される。
【0024】
粉粒体気力輸送用サーバー1の動作を説明する。図示せぬ高圧源(コンプレッサ、ブロワ等)から高圧気体が高圧気体供給部3を介して高圧気体室4へ供給され、その一部は通路5を経て混合気形成室7へ供給され、他は内部配管9の外管通気孔12を経て、気力輸送配管53の外側通路に供給される。この外側通路へ供給された高圧気体は、主に、気力輸送配管53の内管51内における気体圧力の低下を補うものである。
一方、粉粒体は粉粒体受入容器20を経て、ロータリーバルブ16の入口へ供給され、ローターで回転されながら下方に移送され、ロータリーバルブ16の出口から、混合気形成室7へ落下する。前記の通路5から高圧気体が混合気形成室7へ供給され、混合気形成室7で混合気が形成され、この混合気は内部配管9を経て、出口部10の内管(内側通路)から二重管構造の空気輸送配管2の内側通路へ輸送される。要するに重力方向に沿って、粉粒体と輸送空気が落ち、スムースに内部配管9に供給され、これにより、ホッパー6内部で乱流を起こす可能性を無くして、エネルギーロスを防止し、円滑な輸送を実現できる。また、例えば粒体(例えば米粒、コーヒー豆等)などを気力輸送する場合、ホッパー6の傾斜面に沿って粒体が円滑に流下し、粒体が壁面に衝突して破損する可能性を無くすことができる。
【0025】
(高濃度空気輸送への適用例)
粉粒体気力輸送用サーバー1が粉粒体高濃度空気輸送配管システム50へ適用された例について、図6を参照して説明する。前述の二重管構造の出口部10に、内管51と外管52とを備えた二重管構造とされた気力輸送配管53が接続されている。高圧気体供給部3から高圧気体室4に高圧気体が供給され、高圧気体室4から通路5を経て混合気形成室7へ高圧気体が供給される。また一方、粉粒体がロータリーバルブ16から粉粒体供給筒19を経て混合気形成室7へ供給され、混合気形成室7で形成された混合気は、内部配管9、内管通気孔11を経てプラグ状の混合気が気力輸送配管53の内側通路60へ輸送される構造である。
一方、高圧気体室4の高圧気体の一部は、外管通気孔12を経て、気力輸送配管53の外側通路61へ供給される構造である。
【0026】
以下、粉粒体高濃度空気輸送配管システム50の詳細を説明する。
図1の通り、気力輸送配管53は、直管部54、断面積変更部55(くびれ部又は膨出部)、ベンド部56を備えたものである。その他、粉粒体高濃度空気輸送配管システム50は回転自在な水平配管プラグ形成装置57、補助空気供給装置58を備えた二重管構造の配管システムであり、粉粒体気力輸送用サーバー1からのプラグと圧力空気層を輸送するものである。即ち、気力輸送配管53は前述の通り二重管構造であり、内管51と外管52から構成され、内側通路60をプラグと圧力空気層が交互に輸送され、外側通路61は補助高圧空気で満たされている。外側通路61内の圧力が内側通路60内の圧力より高く設定されている。
なお、実施形態では、粉粒体高濃度空気輸送配管システム50の各部の材質は、金属、例えば、SUSとジュラルミンとするが、他の適宜の材質も採用可能である。また、形状も断面角形、丸形等適宜の形状を採用可能である。
【0027】
図7の通り、補助空気供給装置58はねじを回すことで適宜の流量を調整できる手動弁81を備え、弁81の作動によって外側通路61に充満する補助高圧空気が矢印の通りテーパ状の孔88を介して内側通路60に流れるようになっている。外側通路61の空気圧力は、内側通路60の空気圧力よりも高い圧力に設定されているからである。手動弁81の上下動によって孔88の開閉と空気量の調整が可能である。
補助空気(高圧空気)は、高圧気体室7、内部配管9、外管通気孔12を経て、外側通路61に供給されるようになっている。また、補助空気は、図示しない調温装置、調湿装置(前記サーバー1内部に設置も可能である。特に、計器等と同様に上面板14上部に設置すればスペースの節約になる)によって、適宜、調整されている。調温装置、調湿装置は内側通路を通過する輸送空気の調整も行なうこともできる。
なお、いずれの場合も、冷房の場合は、空気をチラー経由で供給する。吸湿防止は、ドライヤーを経由して乾燥空気を供給する。減湿の場合は、乾燥となり、空気をヒータ経由で加温して供給する。
【0028】
配管の接続構造例としては、図示を略すが、へルールが溶接等で配管の端部に形成され、ヘルールを当接させクランプで締め付けて脱着可能としている。これにより、クランプを外して分解し、内部の点検が可能となる。上記接続構造は、直管部54、断面積変更部55、膨出部、ベンド部56の両端部に形成され、気密性を確保している。
【0029】
本実施形態の配管システム50では、上述の通り配管を二重管構造としたことに意味が生じる。二重管構造の外側通路61から内側通路60へ前述の弁81などを介して補助高圧空気を通して、内管の内部圧力の低下を補助する。管内に圧力をかけ過ぎると、粉粒体気力輸送用サーバー1のロータリーバルブの精度がいくら高くなったとはいえ、空気が漏れてしまうおそれがあるから、管内には高い圧力はかけられないおそれがある。そうすると管内の輸送圧力が途中で低下してくる。そこで、適宜の間隔又は所定間隔で、配管に補助的に高圧空気を供給する必要がある。
また、内管を流れる高圧空気は、何もしなくてもある程度、乾燥し過ぎる性質があり、粉粒体の水分が吸い取られてしまうので、加湿する必要がある。例えば、米などは乾きすぎると割れやすくなる。そこで、そのような粉粒体を輸送する場合には、ある程度加湿する必要があり、適宜の箇所に加湿機を設け、二重管構造の空隙に加湿した補助空気を供給することにより、搬送物、例えば粒(米など)の破損防止を行なっている。
【0030】
第1実施形態の粉粒体気力輸送用サーバー1を、図8の通り、単純構造の二重管構造の気力輸送配管90に接続しても良い。この場合は主として粉粒体低濃度高速空気輸送、粉粒体中濃度空気輸送に適用することが好ましい。粉粒体低濃度高速空気輸送の場合には、図示の通り、下流端にファン付きレシーバフィルタ91とロータリーバルブ92が設置され、レシーバフィルタ91にルーツブロア93が圧送ロック用のロータリーバルブ94を介して接続されている。
【0031】
第2実施形態の粉粒体気力輸送用サーバー201を、図9、図10を参照して説明する。この粉粒体気力輸送用サーバー201は、図11に示す一重構造の気力輸送配管システム250へ高圧気体を供給するものであるので、第1実施形態の二重管構造の出口部10は、一重構造の出口部210に置換され、外管通気孔12は削除されている。その他は、第1実施形態と同様な構造であり、部品番号を200番台として図示するに止め、説明は援用する。
【0032】
(比較例の説明)
ところで、図12は比較例の粉粒体気力輸送用サーバー301である。上述の粉粒体気力輸送用サーバー1と同様に二重管構造の気力輸送配管53へ高圧気体を供給しようとすれば、図示のような構造が考えられるが、スペース上、コスト上、粉粒体気力輸送用サーバー1より不利である。
即ち、比較例の粉粒体気力輸送用サーバー301は、ベース313と、ベース313に固定されたホッパー306と、このホッパー306の上部に接続されたロータリーバルブ316と、ロータリーバルブの上部に接続されたホッパー320、ホッパー320と接続する内部配管309、内部配管309の端部に接続され二重管構造を備えた出口部310等を備えている。また高圧気体源であるコンプレッサー330、高圧気体の圧力を安定させるレシーバ・タンク340が設置され、コンプレッサ330とレシーバ・タンク340とは、配管332で接続され、レシーバ・タンク340とホッパー306とは配管334で接続され、レシーバ・タンク340と出口部310の外側通路とが、配管334から分岐する配管336で接続されている。
コンプレッサ330からの高圧気体は、レシーバ・タンク340及び配管334を経てホッパー306に供給され、ホッパー306で混合気が形成される。また一方、レシーバ・タンク340及び配管336を経て出口部310の外側通路へ供給される。このように、レシーバ・タンク340を別途設備し、二箇所に空気を供給する必要が生じるので、配管系統も2箇所必要である。これに対し、粉粒体気力輸送用サーバー1は、レシーバ・タンク340、配管334,336を不要にでき、安定した高圧気体を供給できるとともに、小型化、低コストを実現できる。
【0033】
(実施形態の効果)
以上説明した本実施形態の粉粒体気力輸送用サーバー1によれば、次の効果を生じる。
(1)粉粒体と高圧気体の流れ方向がともに実質的には同じ方向(下方向)であるので、ホッパー6内で乱流が発生せず、また、粉粒体が一層流動化しやすく、流れがスムースである。
(2)ホッパー6内に供給された高圧気体が粉粒体と円滑に混合するので、例えば、粉粒体が粒体である場合、気体の勢いに乗ってホッパー6の壁面に当たり、破砕することが皆無か、ほとんどない。
(3)ベース13が高圧気体室4を内蔵することにより、レシーバ・タンクを別途に設備することが不要になり、配管系統を簡素化できる。気力輸送配管が二重配管の場合には、気力輸送配管の外側通路と高圧気体室4とを連通させ、高圧気体室4とホッパー6とを通路5で連通させ、ホッパー6に内部配管9を介して気力輸送配管の内側通路を連通させることにより、二重配管用の気力輸送システムのサーバーを構築できる。
(4)本実施形態の用途としては、高濃度空気輸送以外にも低濃度空気輸送等、他の用途にも適用可能であり、適用範囲が広い。
【0034】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲に於て、改変等を加えることが出来るものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれることとなる。例えば、粉粒体気力輸送用サーバー1は、上述例に限定されるものではなく、その形状、配置、或いは構造などは発明の精神を逸脱しない限り適宜の構成を採用できるし、均等物も包含することは無論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明第1実施形態の粉粒体気力輸送用サーバーの正面断面図である。
【図2】 図1のII−IIにおける断面平面図である。
【図3】 同サーバーの右側面図である。
【図4】 スクリューフィーダの構造図である。
【図5】 多重ダンパの構造図である。
【図6】 本発明実施形態の粉粒体気力輸送用サーバーと、該サーバーが適用された二重管構造の粉粒体高濃度空気輸送配管システムの構造図である。
【図7】 粉粒体高濃度空気輸送配管システム内の高圧気体供給構造を示す断面図である。
【図8】 本発明実施形態の粉粒体気力輸送用サーバーと、該サーバーが適用された他の二重管構造の粉粒体高濃度空気輸送配管システムの構造図である。
【図9】 本発明第2実施形態の粉粒体気力輸送用サーバーの正面断面図である。
【図10】 同サーバーの右側面図である。
【図11】 本発明第2実施形態の粉粒体気力輸送用サーバーと、該サーバーが適用された一重構造の粉粒体高濃度空気輸送配管システムの構造図である。
【図12】 比較例の正面図である。
【符号の説明】
1・・・粉粒体気力輸送用サーバー
2・・・空気輸送配管
3・・・高圧気体供給部
4・・・高圧気体室
5・・・通路
6・・・ホッパー
7・・・混合気形成室
8・・・出口
9・・・内部配管
10・・・出口部
11・・・内管通気孔
12・・・外管通気孔
13・・・ベース
14・・・上面板
15・・・開口
16・・・ロータリーバルブ
17・・・ベース部分
18・・・接続板
19・・・粉粒体供給筒
20・・・ホッパー
21・・・カバー
22・・・収容空間
23・・・気力輸送用計器
50・・・粉粒体高濃度空気輸送用配管システム
51・・・内管
52・・・外管
53・・・気力輸送配管
Claims (4)
- 粉粒体供給装置の下部に設けたベースを備え、粉粒体と高圧気体の混合気を、気力輸送配管へ送り込む粉粒体気力輸送用サーバーであって、
前記ベースが高圧気体のレシーバ・タンクであり、
気力輸送のための輸送気体である高圧気体を供給する高圧気体供給部と、
該高圧気体供給部と連通する高圧気体室と、
前記レシーバ・タンクの上部に設けた粉粒体供給開口と、
前記レシーバ・タンクの内部の上部に取り付けられ、前記高圧気体室に囲まれるように形成され、該粉粒体供給開口から落下する粉粒体を受けるホッパーと、
該ホッパーの上部に設けられ前記高圧気体室とホッパーとを連通させる通路と、
前記ホッパーの内側領域に形成され粉粒体と高圧気体との混合気を形成する混合気形成室と、
該混合気形成室の下部に設けた出口と接続し前記混合気を前記気力輸送配管に供給する内部配管と、を備え、
前記高圧気体室から前記通路を経て前記ホッパーの傾斜内壁に沿って高圧気体が供給されることにより、前記ホッパー内に供給される前記粉粒体と前記高圧気体とが混合して混合気となり、該混合気が前記内部配管に向かって供給され、該内部配管を通して前記気力輸送配管に供給されることを特徴とする粉粒体気力輸送用サーバー。 - 前記内部配管の端部に二重管構造の出口部を設け、
前記気力輸送配管が内管と外管とを備え内側通路と外側通路が形成された二重管構造であり、
前記気力輸送配管と前記出口部とが接続され、前記混合気形成室から前記内側通路へ前記混合気が輸送され、前記高圧気体室から前記外側通路に高圧気体が供給される構造である請求項1の粉粒体気力輸送用サーバー。 - 粉粒体受入容器と、該粉粒体受入容器の下部に配置した粉粒体供給装置と、を備え、前記粉粒体供給開口は、前記粉粒体供給装置の出口に接続され、前記粉粒体供給開口から前記混合気形成室に向かって粉粒体供給筒が下方に延び出し、粉粒体を供給するとともに、前記高圧気体を誘導する請求項1又は2の粉粒体気力輸送用サーバー。
- 粉粒体と高圧気体の混合気を、気力輸送配管へ送り込む粉粒体気力輸送用サーバーであって、粉粒体供給装置の下部に設けたベース部分が高圧気体のレシーバ・タンクとされ、前記レシーバ・タンクの上部に粉粒体供給開口を設け、前記レシーバ・タンクの内部の上部にホッパーが取りつけられ、前記ホッパーを包囲するように高圧気体室が形成され、該高圧気体室から前記ホッパーの上部において該ホッパーの傾斜内壁に沿って高圧気体が供給されることにより該ホッパー内に粉粒体供給開口から供給される前記粉粒体と前記高圧気体とを混合して混合気となし、該混合気が前記ベース部分の内部配管を通して前記気力輸送配管に供給され、高圧気体用レシーバ・タンクと混合気形成装置とが兼用されたことを特徴とする粉粒体気力輸送用サーバー。
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