JP4743235B2 - ストラット式サスペンション - Google Patents

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Description

本発明は、上端が車体に支持され、下端が車輪側部材に支持されるストラットと、上側スプリングシートと、ストラットに固定される下側スプリングシートと、上側スプリングシートと下側スプリングシートとの間にストラットを取り巻くように配置されるコイルスプリングを備えるストラット式サスペンションに関する。
従来から、コイルスプリングのコイル中心軸(軸線)とキングピン軸とが交わる通常的なストラット式サスペンションの構成に対して、コイルスプリングのコイル中心軸をキングピン軸に対してねじれ関係にする構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかるサスペンション構成では、例えばキングピン軸まわりにトーイン方向のモーメントが発生するようなねじれ関係を設定することで、車両の応答性、安定性、直進性の向上を図ることが可能となる。
特開平11−48728号公報
しかしながら、上述のような従来のストラット式サスペンションでは、標準的な車両状態、即ち舵角が中立位置にある車両停止状態においても、キングピン軸まわりにモーメントが発生した状態が形成されるので、そのモーメントに左右差があると、常時車両の走行性に悪影響がでる可能性がある。即ち、バラツキ等の影響でねじれ関係に左右差が生じた場合には、左右のキングピン軸まわりに異なるモーメントが常時発生し、車両偏向(車両流れ)の原因となるので、却って車両の安定性、直進性などが悪化する恐れがある。
そこで、本発明は、コイルスプリングのコイル中心軸とキングピン軸とがねじれ関係にある構成の長所を維持しつつ、コイルスプリングのコイル中心軸とキングピン軸とがねじれ関係にある構成の欠点である車両偏向の要因を克服することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の一局面によれば、上端が車体に支持され、下端が車輪側部材に支持されるストラットと、ベアリングを介して車体に対して回転可能に支持される上側スプリングシートと、ストラットに固定される下側スプリングシートと、上側スプリングシートと下側スプリングシートとの間にストラットを取り巻くように配置されるコイルスプリングとを備えるストラット式サスペンションであって、
舵角が中立位置にあり且つ車両が停止している車両標準状態において、
コイルスプリングのコイル中心軸とキングピン軸とが交わり、
車両背面視で、ベアリング回転軸が上側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜し、又は、キングピン軸が下側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜していることを特徴とする、ストラット式サスペンションが提供される。
上記発明において、車両背面視で、ベアリング回転軸が上側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜し、且つ、キングピン軸が下側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜しており、両傾斜方向が互いに逆向きであることとしてもよい。
また、本発明のその他の一局面によれば、舵角が中立位置にあり且つ車両が停止している車両標準状態においてコイルスプリングの反力線とキングピン軸とが交わるストラット式サスペンションにおいて、
操舵時にコイルスプリングの反力線がキングピン軸とねじれ位置になるように構成されていることを特徴とする、ストラット式サスペンションが提供される。
本発明によれば、車両偏向の要因を防止しつつ、所定の状況下でキングピン軸まわりにモーメントを発生させることができるストラット式サスペンションを得ることができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
本発明は、マクファーソンストラット式サスペンション(懸架リンクの一部として使用されるショックアブソーバと、トランスバースリンクにより構成されるサスペンション方式)に適用される。
図1は、ストラット式サスペンションの基本構造を示す図である。アッパーサポート10は、エンジンルーム内のサスペンションタワーに設けられ、車輪を懸架するストラットアセンブリ70の上側を車体に支持する。アッパーサポート10には、ショックアブソーバ30のピストンロッド32の上端部がゴム等を介して支持されている。ショックアブソーバ30のピストンシリンダ34の下端には、サスペンションアームやナックル等を介して車輪が接続される。
アッパーサポート10の下側には、上側のアッパスプリングシート42aがベアリング12を介して回転可能に支持され、ショックアブソーバ30のピストンシリンダ34には、下側のロアスプリングシート42bが固定される。上下のスプリングシート42a、42bの間には、ショックアブソーバ30を取り巻くようにコイルスプリング40が設けられる。コイルスプリング40は、例えば、上端径と下端径が同一であるタイプであっても、上端径と下端径が異なる所謂ビックテールタイプや中間部が膨らむ樽型タイプ等であってもよい。ショックアブソーバ30は、公知の如く、リンクの一部として上下方向の荷重を支えると共に、車輪の上下動(バウンド及びリバウンド)時にコイルスプリング40のスプリング弾性を妨げる機能をする。なお、アッパーサポート10は、コイルスプリング40の反力(スプリング力)を直接車体で受け、ショックアブソーバ30の力のみを受ける入力分離タイプである。
ストラットアセンブリ70は、その他の通常的な構成要素を備えるものであってよく、例えば、図1に示す例では、ショックアブソーバ30の外周部には、ダストブーツ一体式のアッパーインシュレータ37が設けられ、ショックアブソーバ30のピストンロッド32には、ピストンシリンダ34の上方向の移動を規制するバウンドストッパ38が設けられてよい。
上述のようなストラット式サスペンションでは、バウンド及びリバウンド時、上下のスプリングシート42a、42bは、ショックアブソーバ30の伸縮軸(=アブソーバ軸又はストラット軸、以下、「ストラット軸」という)に沿って相対的に近接及び離間することになる。また、ステアリングハンドルが操作された時、車輪がキングピン軸(KP軸)まわりに転舵されるが、この際、アッパスプリングシート42aは、ベアリング12の回転軸(=ベアリング軸)を中心として回転し、ロアスプリングシート42bは、キングピン軸を中心として回転することになる。
以下、図2以降を参照して、本発明によるストラット式サスペンションの特徴的構成を説明する。図2以下の図面では、本発明の理解を容易にするため、各構成要素は、図1に対応した参照符合を付すことで簡略化して示されている。
[第1実施例]
図2は、本発明によるストラット式サスペンションの第1実施例を2面図で示しており、図2(A)は、右輪側を車両後方から見た背面図(図中左側が車両前側)、図2(B)は、同側面図である。
本実施例のストラット式サスペンションは、図2に示すように、コイルスプリング40のコイル中心軸とキングピン軸とが交わり、且つ、コイルスプリング40のコイル中心軸とストラット軸とが車両側面視でゼロより大きな角度θ1をなしている。
即ち、コイルスプリング40のコイル中心軸とキングピン軸とは、図2(A)の背面図及び図2(B)の側面図で、同一の高さに交点を有している。また、コイルスプリング40のコイル中心軸は、車両側面視で、ストラット軸に対して角度θ1だけ傾斜している。尚、図2に示す実施例では、ストラット軸とキングピン軸が車両側面視で一致しているが、必ずしも一致している必要はない。
尚、添付の特許請求の範囲及び本明細書において、各軸の関係は、特に明示しない限り、車両標準状態、即ち舵角が中立にあり且つ車両が停止している状態における関係である。従って、本実施例のストラット式サスペンションでは、車両標準状態において、コイル中心軸とキングピン軸とが(一点で)交わる関係にあるので、コイル中心軸とキングピン軸とねじれ関係にある構成とは対照的に、車両標準状態においてキングピン軸まわりにモーメントが発生することはない。
ところで、一般的なストラット式サスペンションでは、コイル中心軸がストラット軸に平行に設定されるので、コイルスプリング40の伸縮時においてもコイルスプリング40が発生する反力線はコイル中心軸に一致した状態を維持する。従って、かかる一般的なストラット式サスペンションでは、バウンド/リバウンド時にコイル反力線とキングピン軸との関係が変化することはなく、それ故に、常時、キングピン軸まわりにモーメントが発生することはない。
これに対して、本実施例のストラット式サスペンションは、車両標準状態では、上述の如く、コイル反力線がキングピン軸と交わるので、キングピン軸まわりにモーメントが発生しない。一方、車両側面視でコイルスプリング40のコイル中心軸がストラット軸に対して傾斜しているので、バウンド/リバウンド時には、コイル反力線とキングピン軸との関係が変化し、コイル反力線とキングピン軸とねじれ関係になる。
従って、本実施例によれば、車両標準状態では、キングピン軸まわりにモーメントが発生しない状態が形成されるので、車両の偏向の原因となるモーメントの左右差が発生するのを防止することができる。一方、バウンド/リバウンド状態では、キングピン軸まわりにモーメントが発生した状態が形成されるので、当該モーメントの作用により車両の走行性能を高めることができる。以下、この原理を詳説する。
図3(B)には、図3(A)に示す標準状態に対して、上下のスプリングシート42a、42bが同方向に角度変化した状態でのコイル反力線が示される。
図3(B)に示すように、上下のスプリングシート42a、42bが同方向に角度変化すると、コイル反力線(実線)は、見かけ上の中心線(点線)に対して、反力が大きい側、即ち上下のスプリングシート42a、42b間の距離(中心線に沿った距離)が小さい側に移動する。即ち、コイル反力線は、見かけ上の中心線に対して、スプリングシート42a、42bの角度変化方向と同一方向に傾斜する。本実施例はこの原理に着目している。
本実施例では、図4(A)(図2(B)に対応する右輪に対する側面視)に示すように、バウンド時には、ロアスプリングシート42b(標準時を2点鎖線で図示)がストラット軸に沿って上側に移動し、見かけ上の中心線(点線)が、コイル中心軸(標準状態)に対して傾斜する。即ち、上下のスプリングシート42a、42bの関係が図3(B)に示す状態になる。従って、コイル反力線(実線)は、見かけ上の中心線(点線)に対して反力が大きい側に画成される。即ち、本例では、図4(A)に示すように、コイル中心軸がストラット軸に対して車両上側が車両後側に倒れる方向(反時計方向)に傾斜しているので、バウンド時のコイル反力線は、キングピン軸よりも車両前側にオフセットする。この場合、バウンド時にキングピン軸まわりにトーイン方向にモーメントが発生した状態が形成される。
同様に、リバウンド時には、図4(B)に示すように、ロアスプリングシート42b(標準時を2点鎖線で図示)がストラット軸に沿って下側に移動し、見かけ上の中心線(点線)が、コイル中心軸(標準状態)に対して傾斜する。但し、この場合、中心線はバウンド時とは逆側に傾斜するので、上下のスプリングシート42a、42bの関係が図3(B)に示す状態とは逆に傾いた状態になる。従って、同様に、コイル反力線(実線)は、見かけ上の中心線(点線)に対して反力が大きい側に画成される。即ち、本例では、図4(B)に示すように、車両側面視でコイル中心軸がストラット軸に対して反時計方向に角度θ1だけ傾斜しているので、リバウンド時のコイル反力線は、キングピン軸よりも車両後側にオフセットする。この場合、リバウンド時にキングピン軸まわりにトーアウト方向にモーメントが発生した状態が形成される。
このように本実施例によれば、バウンド/リバウンド時にのみキングピン軸まわりに所望のモーメントを発生させることができるので、通常的な直進走行における車両の偏向の原因となるモーメントの左右差の問題が無くなる。また、本実施例では、車両側面視でコイル中心軸をストラット軸(キングピン軸)に対して反時計方向に傾斜させることで、リバウンド時にトーアウト方向のモーメントを、バウンド時にトーイン方向のモーメントをキングピン軸まわりに発生させている。これにより、例えば操舵時、車両のロールが発生し、サスペンションがストロークする状態において、キングピン軸まわりに減衰モーメントとして作用するモーメントを発生させることができる。これにより、キングピン軸まわりの減衰効果が得られ、車両の走行性として高速操舵時の安定性が向上する。
但し、減衰モーメントの作用よる高速操舵時の安定性よりも、アンダステア特性や低速操舵時の安定性などが重視される場合、車両側面視でコイル中心軸をストラット軸(キングピン軸)に対して逆向きに傾斜させることで、即ち車両側面視でコイル中心軸をストラット軸に対して車両上側が車両前側に倒れる方向(時計方向)に角度θ1だけ傾斜させることで、リバウンド時にトーイン方向のモーメントを、バウンド時にトーアウト方向のモーメントをキングピン軸まわりに発生させるようにしてもよい。
[第2実施例]
図5は、本発明によるストラット式サスペンションの第1実施例を2面図で示しており、図5(A)は、右輪側を車両後方から見た背面図(図中左側が車両前側)、図5(B)は、同側面図である。
本実施例のストラット式サスペンションは、図5に示すように、車両標準状態で、コイル中心軸とキングピン軸とが交わる関係にある。従って、上記の第1実施例と同様、車両標準状態で、キングピン軸まわりにモーメントが発生することがないので、通常的な直進走行における車両の偏向の原因となるようなモーメントの左右差の問題が無くなる。
また、本実施例のストラット式サスペンションは、車両背面視で、ベアリング回転軸がアッパスプリングシート42aの座面に対して直角でない角度θ2で傾斜し、且つ、キングピン軸がロアスプリングシート42bの座面に対して直角でない角度θ3で傾斜しており、それらの両傾斜方向が互いに逆向きである。換言すると、本実施例のストラット式サスペンションは、車両背面視で、アッパスプリングシート42a側のコイルスプリング40の座面がベアリング回転軸に対して直角でない角度θ2で傾斜し、ロアスプリングシート42b側のコイルスプリング40の座面がキングピン軸に対して直角でない角度θ3で傾斜しており、それらの両傾斜方向が互いに逆向きである。尚、図5に示す実施例では、キングピン軸とベアリング回転軸が一致しているが、必ずしも一致している必要はない。
ところで、一般的なストラット式サスペンションでは、ベアリング回転軸がアッパスプリングシート42aの座面に対して直角に設定され、且つ、キングピン軸がロアスプリングシート42bの座面に対して直角に設定されるので、操舵時においてもコイルスプリング40が発生する反力線はコイル中心軸に一致した状態を維持する。従って、かかる一般的なストラット式サスペンションでは、操舵時にコイル反力線とキングピン軸との関係が変化することはなく、それ故に、常時、キングピン軸まわりにモーメントが発生することはない。
これに対して、本実施例のストラット式サスペンションは、車両標準状態では、上述の如く、コイル反力線がキングピン軸と交わるので、キングピン軸まわりにモーメントが発生しない。一方、上下のスプリングシート42a、42bが上述のような座面傾斜を有しているので、操舵時には、コイル反力線とキングピン軸との関係が変化し、コイル反力線とキングピン軸とねじれ関係になる。従って、本実施例によれば、操舵状態では、キングピン軸まわりにモーメントが発生した状態が形成されるので、当該モーメントの作用により車両の走行性能を高めることができる。以下、この原理を詳説する。
図6(B)には、図6(A)に示す標準状態に対して、上下のスプリングシート42a、42bが同方向に角度変化した状態でのコイル反力線が示される。
図6(B)に示すように、上下のスプリングシート42a、42bが逆方向に角度変化すると、コイル反力線(実線)は、見かけ上の中心線(点線)に対して、反力が大きい側、即ち上下のスプリングシート42a、42b間の距離(中心線に沿った距離)が小さい側に移動する。即ち、コイル反力線は、見かけ上の中心線に対して、スプリングシート42a、42bが近接する側にオフセットする。本実施例はこの原理に着目している。
具体的には、本実施例では、図7(A)(図5(B)に対応する右輪に対する側面視)に示すように、左切り操舵時には、上下のスプリングシート42a、42bが互いに車両前側で近接するように角度変化し、コイル反力線(実線)が、キングピン軸よりも車両前側にオフセットする。これにより、キングピン軸まわりにトーイン方向にモーメントが発生した状態が形成される。
一方、図7(B)に示すように、右切り操舵時には、上下のスプリングシート42a、42b(標準時を2点鎖線で図示)が互いに車両後側で近接するように角度変化し、コイル反力線(実線)が、キングピン軸よりも車両後側にオフセットする。キングピン軸まわりにトーアウト方向にモーメントが発生した状態が形成される。
このように本実施例によれば、左切り/右切り操舵時にのみキングピン軸まわりに所望のモーメントを発生させることができるので、通常的な直進走行における車両の偏向の原因となるモーメントの左右差の問題が無くなる。また、本実施例では、車両背面視でアッパスプリングシート42aの座面をベアリング回転軸に対して時計方向に傾斜させ、且つ、車両背面視でロアスプリングシート42bの座面をキングピン軸に対して反時計方向に傾斜させることで、右切り操舵時にトーアウト方向のモーメントを、左切り操舵時にトーイン方向のモーメントをキングピン軸まわりに発生させている。これにより、操舵時に、キングピン軸まわりに減衰モーメントとして作用するモーメントを発生させることができる。これにより、キングピン軸まわりの減衰効果が得られ、車両の走行性として高速操舵時の安定性が向上する。
但し、減衰モーメントの作用よる高速操舵時の安定性よりも、車両背面視でアッパスプリングシート42aの座面をベアリング回転軸に対して反時計方向に傾斜させ、且つ、車両背面視でロアスプリングシート42bの座面をキングピン軸に対して時計方向に傾斜させることで、右切り操舵時にトーイン方向のモーメントを、左切り操舵時にトーアウト方向のモーメントをキングピン軸まわりに発生させるようにしてもよい。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の第2実施例では、車両背面視でアッパスプリングシート42aの座面をベアリング回転軸に対して時計方向に傾斜させ、且つ、車両背面視でロアスプリングシート42bの座面をキングピン軸に対して反時計方向に傾斜させるものであったが、車両背面視でアッパスプリングシート42aの座面をベアリング回転軸に対して時計方向に傾斜させ、又は、車両背面視でロアスプリングシート42bの座面をキングピン軸に対して反時計方向に傾斜させるものであってもよい。
例えば、図8には、車両背面視でアッパスプリングシート42aの座面をベアリング回転軸に対して時計方向に傾斜させ、車両背面視でアッパスプリングシート42aの座面をキングピン軸に直角(θ3=90°)に設定した変形例が示されている。
本変形例では、図9(A)(図5(B)に対応する右輪に対する側面視)に示すように、左切り操舵時には、アッパスプリングシート42aがロアスプリングシート42b(角度変化なし)に対して車両前側で近接するように角度変化する。このとき、コイル反力線(実線)が、図3で説明した原理に従って、ロアスプリングシート42b側を起点にキングピン軸に対して車両前側に傾斜するので、コイル反力線とキングピン軸とがねじれ関係となる。従って、この変形例においても、左切り操舵時に、キングピン軸まわりにトーイン方向にモーメントが発生した状態が形成されるので、モーメントアーム長を十分確保できる限り、同様の効果を得ることができる。
同様に、図9(B)に示すように、右切り操舵時には、アッパスプリングシート42aがロアスプリングシート42b(角度変化なし)に対して車両後側で近接するように角度変化する。このとき、コイル反力線(実線)が、図3で説明した原理に従って、ロアスプリングシート42b側を起点にキングピン軸に対して車両後側に傾斜するので、コイル反力線とキングピン軸とがねじれ関係となる。従って、この変形例においても、右切り操舵時に、キングピン軸まわりにトーアウト方向にモーメントが発生した状態が形成されるので、モーメントアーム長を十分確保できる限り、同様の効果を得ることができる。
本変形例と同様の観点から、車両背面視でロアスプリングシート42bの座面側のみをキングピン軸に対して反時計方向に傾斜させてもよいし、双方を同一方向に傾斜させるが傾斜度合いを異ならせることで操舵時にねじれ関係を形成させることとしてもよい。
以上の説明において、第1実施例は、本発明の含まれない参考例として開示されている。
ストラット式サスペンションの基本構造を示す図である。 本発明によるストラット式サスペンションの第1実施例を示す2面図である。 第1実施例によるコイル反力線の移動態様を示す原理図である。 バウンド/リバウンド時のコイル反力線とキングピン軸との関係を示す背面図である。 本発明によるストラット式サスペンションの第2実施例を示す2面図である。 第2実施例によるコイル反力線の移動態様を示す原理図である。 第2実施例における右切り/左切り操舵時のコイル反力線とキングピン軸との関係を示す背面図である。 本発明によるストラット式サスペンションの第2実施例に対する変形例を示す2面図である。 図8の変形例における右切り/左切り操舵時のコイル反力線とキングピン軸との関係を示す背面図である。
符号の説明
10 アッパーサポート
12 ベアリング
30 ショックアブソーバ
32 ピストンロッド
34 ピストンシリンダ
40 コイルスプリング
42a アッパスプリングシート
42b ロアスプリングシート

Claims (5)

  1. 上端が車体に支持され、下端が車輪側部材に支持されるストラットと、ベアリングを介して車体に対して回転可能に支持される上側スプリングシートと、ストラットに固定される下側スプリングシートと、上側スプリングシートと下側スプリングシートとの間にストラットを取り巻くように配置されるコイルスプリングとを備えるストラット式サスペンションであって、
    舵角が中立位置にあり且つ車両が停止している車両標準状態において、
    コイルスプリングのコイル中心軸とキングピン軸とが交わり、
    車両背面視で、ベアリング回転軸が上側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜し、又は、キングピン軸が下側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜していることを特徴とする、ストラット式サスペンション。
  2. 車両背面視で、ベアリング回転軸が上側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜し、且つ、キングピン軸が下側スプリングシートの座面に対して直角でない角度で傾斜しており、両傾斜方向が互いに逆向きである、請求項1に記載のストラット式サスペンション。
  3. 前記ベアリング回転軸の前記上側スプリングシートの座面に対する傾斜又は前記キングピン軸の前記下側スプリングシートの座面に対する傾斜は、左切り操舵時にコイルスプリングのコイル反力線がキングピン軸よりも車両前側に移動する方向に設定される、請求項1又は2に記載のストラット式サスペンション。
  4. 前記ベアリング回転軸の前記上側スプリングシートの座面に対する傾斜又は前記キングピン軸の前記下側スプリングシートの座面に対する傾斜は、右切り操舵時にコイルスプリングのコイル反力線がキングピン軸よりも車両後側に移動する方向に設定される、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のストラット式サスペンション。
  5. 舵角が中立位置にあり且つ車両が停止している車両標準状態においてコイルスプリングの反力線とキングピン軸とが交わるストラット式サスペンションにおいて、
    操舵時にコイルスプリングの反力線がキングピン軸とねじれ位置になるように構成されていることを特徴とする、ストラット式サスペンション。
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